Mar 26, 2004
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カテゴリ: 思索系


僕は、占いというものを、神や霊や宇宙人やその他の超常現象と同じくらいに
信じている。

つまり、あるいはもしかしたら本当かもしれない、という程度に。

占いによると、僕にとって今年は天中殺だそうなので、「新しいことは始めない」
のが鉄則だそうだ。

というわけで、ひねくれ者の僕は、片っ端から新しいことを始めた。

そして、どんな不運がやってきてもハネ返せるだけに、魂を鍛えておくことにした。



投資した株が順調に値を上げている。会社との契約更改は恐縮するほど好条件。
書いた本はそこそこに売れ、心身ともに充実し、仕事にも私生活にも不満はない。

まあ、後で、どっと不幸が襲ってくるのかもしれないが。。。










いま、自分は何をしたいのか。

この世に生を受けて、自分にできること、本当に自分がやりたいことは何か。

世俗的な成功。

内面的な自己修養。

この2つは両立できるものだし、また、完全な相関関係があるわけでも全く


社会的な成功など眼中になくても偉大な人間はいるし、逆に、成功によって内面を
より大きく成長させていく人間もいる。

かつて、哲学者のディオゲネスは、アレクサンダー大王に「何か、私があなたに
できることはないか」と訊かれて、「日向ぼっこの邪魔だから、そこをどいてくれ」
と言った。

そんな人生に憧れたこともあった。

人によって人生に求める意味は、さまざまである。

自分自身という一個の人間でさえ、時期によって人生観や世界観は常に変わり
つづけている。

最近の自分は、社会的に認められることに、たまらない充実感とやりがいを感じる。

しかし、自分がずっと今のままの生活では満足できないだろうことを、自分自身が
一番よく知っている。


心理学者のマズローは、人間の欲求を5段階に分けた。

1.生理的欲求 (食欲、排泄、睡眠、性欲などの欲求)
2.安全の欲求 (安心、安定、依存、保護などの欲求)
3.愛と所属の欲求 (他人からの愛情、家族や団体への所属を求める欲求)
4.自尊と承認の欲求 (他人から認められ、賞賛されたいという欲求)
5.自己実現欲求 (自分の能力、可能性をより開花させたいという欲求)


経営学などにも応用されるこのモデルは、確かに、人間のある一面の真実を
とらえているかもしれない。

しかし、世に出回っているほとんどの「成功のための本」等が、どうしても
底の浅いもののように感じられてしまうのは、この5段階の欲求を満足させる
ことを最終目標にしているような人生観に基づいているからだ。

生活が安定し、他人から愛され、認められ、能力を開花する。

そう、それだけで、確かにすばらしい人生が送れるだろう。

しかし、これだけで『満足』してしまっていいのだろうか、と、絶えず問い
つづける自分がいる。

人生の意味は、自分が「何かをしたい」という欲求など、超越したところに
あるのではないだろうか、と。。。



“欲望が小さいほど、人生は幸福である。”


               ―― トルストイ



ああ、そのとおりだ、とつくづく思う。















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Last updated  Mar 26, 2004 02:25:23 PM
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