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29日に、TBS系列の月曜ゴールデンで放映していたサスペンスドラマ、「伊勢志摩殺人迷路~円空の謎~幻の絵をめぐる誘拐!復讐!爆死証拠なき身代わり殺人完璧なアリバイの謎」。西村京太郎原作の十津川警部シリーズのひとつである。浅見光彦シリーズなら必ず見ているのだが、十津川警部シリーズは、普段はそれほど視てはいない。しかし、ドラマのモチーフが「円空」だったので、興味が湧いた訳である。○原作「近鉄特急 伊勢志摩ライナーの罠」 円空とはもちろん、江戸時代前期に、全国を巡って、生涯に12万体もの仏像を造ったと言われている旅の聖のことである。彼の作る仏像は、優しげな笑みをたたえた何とも魅力ある表情を持ち、多くのファンを持っている。また彼は絵も残しており、ドラマの中の説明によると、仏像は全国で5342体だが、絵の方は志摩半島に148枚しか残っていないらしい。いずれも墨絵であり、もし彩色画が発見されれば、その価値は計り知れないと言われる。 さて、ドラマの内容だが、十津川警部が休暇で訪れた伊勢志摩の大王崎で、男女2人の刺殺体が見つかった。彼らは、東京に住んでいる実在の夫婦を装っていたが、まったくの別人だった。そのうえ、彼らが装っていた夫婦も行方不明となっていたのだ。そして、この事件には、円空が描いたという色彩画が絡んでいたのである。一言で言えば、円空をモチーフに、人間の欲望と復讐を描いたドラマだ。○十津川たちの泊った「賢島ビューホテル」 しかし、色々とツッコミどころが多かったのも事実だ。まず、十津川は、地元警察の女性刑事に、事件の解決の目途がつくまで、捜査の指揮をとってくれと頼まれるが、警視庁の警部が、頼まれて三重県の所轄で指揮をとるなんて、まずありえないだろう。おまけに、後から続々と十津川の部下がやってきている。 また、志摩スペイン村で、落とした鞄が爆発したとき、近くにいたそのかばんの持ち主が空中を飛ばされたが、あの程度の爆発で、あれだけ人間が吹っ飛んでいくのは、いかにも不自然だ。 さらに円空の彩色画、行方不明になっていた夫婦が、ある寺で発見したということだが、いかにも自分の物のように扱っている。それって、その寺の所有物だろう。 ともあれ、全国を行脚し、人々の幸せのために仏像を造り続けた円空さんだ。欲望の対象にされて、苦笑いをしているかもしれない。 もうひとつ、せっかく円空を扱ったのだから、もっとたくさんの円空仏を登場させてほしかった。円空の墨絵が画面で見られたのはうれしかったが。(原作)・西村京太郎 :「近鉄特急 伊勢志摩ライナーの罠」(監督)・池澤辰也(出演)・渡瀬恒彦(十津川警部)・伊東四朗 (亀井刑事) ほか○関連ブログ記事・歓喜する円空○ランキング今何位? ○姉妹ブログ・「文理両道」・「本の宇宙(そら)」
March 31, 2010
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前巻から約2年ぶりで発行された「真月譚月姫(7)」(佐々木少年:メディアワークス/角川GPメディアワー) 。「直死の魔眼」 を持つ志貴と、吸血鬼の「真祖」の姫君アルクェイドらの数奇な運命と、戦いを描いた作品である。○「真月譚月姫(7)」(佐々木少年:メディアワークス/角川GPメディアワー) あまりにも意外な出会いで巡り合った二人はお互いに惹かれあい、この巻では遂に愛を確かめ合う。しかし、志貴の方は、「直死の魔眼」を持ち、時々殺人衝動に支配される。アルクェイドとの出会いも、いきなり彼女を「魔眼」の能力によりバラバラにしてしまったというとんでもない出会いだ。相手が吸血鬼でなかったら死んでいるところである。また、アルクェィドの方も、元々は、吸血衝動を抑えられなくなった仲間を始末するための戦姫として生み出され、自身も吸血衝動が抑えきれなくなりつつある。考えてみれば、世界で一番アブナイカップルだろう。いや、普段は、普通の青年と、萌え美少女なんだが・・・ こんな二人のこと、これからもひと波乱もふた波乱もありそうである。しかし、この巻が出るまでに約2年も開いたのに、もう次の巻が出ているようだ。○ランキングの順位は? ○関連過去記事・真月譚月姫(6)○姉妹ブログ・文理両道・本の宇宙(そら)
March 30, 2010
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フィナンシャルプラナーで旅館経営のスペシャリストの星野さつき、調理のプロで創作料理のスペシャリストの島慎之介、インテリアコーディネータで接客のプロの森田梢たち温泉宿再生のスペシャリストが、行く先々で、事件に巻き込まれながらも、温泉宿の再生に力を尽くすという「温泉(秘)大作戦」シリーズの9作目。今回は、早春の気仙沼が舞台だ。 そういえば昔、欽ちゃんファミリーに気仙沼ちゃんという人がいたが、気仙沼は宮城県の北東にある街で、三陸海岸に面しており、漁業で有名である。そして今回さつきたちが訪れたのは「気仙沼プラザホテル」、実在するホテルである。○気仙沼プラザホテル さて、どんな話かを簡単に紹介しよう。ドラマの中では、このホテルは団体客が減ってきており、個人客を増やしたいと、さつきたちの経営指導を受けるという訳だ。この地では、さつきの銀行員時代の後輩である阿部ゆかりが魚の仲買人である父親を手伝っていた。ところが、ゆかりの父が殺され、その容疑がホテルの女将の田部琴子にかかる。一方、不審な動きをするカメラマン風の男がうろつき、デベロッパーの影も見え隠れする。さつきたちは、ホテルの経営指導をする一方、事件の真相も追及する。 このドラマの一番の魅力は、何と言っても、温泉と、地元の食材を使った美味しそうな料理の紹介だろう。気仙沼温泉は、2005年に開発されたばかりの新しい温泉だということだ。また、気仙沼は、マグロやカツオなどの水揚げ高は全国有数だということであり、またフカヒレでも有名らしい。そんな地元の食材を使った料理が紹介され、金と暇さえあれば、直ぐにでも行ってみたい気になってしまう。 最後に一つ、ドラマの中で感心した台詞を紹介しよう。島が内藤から料理に関してよくそれだけのアイディアを思いつくと感心された時の島の言葉である。 「お客様が召し上がる顔を想像してみてください。」 そう、ビジネスで大切なのは、想像する力である。これがないと単にマニュアル通りにしかできない人間になってしまう。最近は、そんな人間も多いということを時折耳にする。マニュアルの字面をなぞるだけでなく、その目的にそって自分の頭で考える。これが一番重要なのである。(監督)・合月勇 (出演)・森口瑤子(星野さつき) ・東幹久(島慎之介) ・高樹マリア(森田梢) ・市毛良枝(田部琴子) ・いしのようこ(阿部ゆかり) ・柳沢慎吾(内藤裕次郎) ・野際陽子(城ノ内愛子) ほか ○ランキング今何位? ○姉妹ブログ・文理両道・本の宇宙(そら)
March 29, 2010
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確か、ずっと前に、夜の風景は紹介したように思うが、これが昼間の「とうかさん」で有名な園隆寺である。「とうかさん」とは、広島市の代表的な祭の一つで、この祭りがゆかたの着始めとされている。この「とうかさん」というのは、この寺の境内に祭られる稲荷大明神(とうかだいみょうじん)、すなわちお稲荷さまのことである。なお、平成22年度の「とうかさん」は、 6月4(金)~6(日)だということだ。○ランキングの順位は? ○関連過去記事・平和大通りと並木通り(広島市を歩く62)○姉妹ブログ・文理両道・本の宇宙(そら)
March 28, 2010
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KKDという言葉をご存じだろうか。「経験、勘、度胸」のローマ字の頭文字を並べたもので、どちらかといえば科学的な方法と比較して、時代遅れといった、否定的なニュアンスで使われることが多いかもしれない。確かに、アニマル・スピリッツだけで、KKDをやられたら危なっかしくて、たまったものではないが、必ずしも時代遅れという訳ではない。KKDに含まれる「暗黙知」はいつの時代にも重要なものだ。しかし、これを活かしきるためにも、科学的に武装するということは大切であろう。世の中には、必ずしも正解のあることばかりではない。色々と科学的な検討を重ねることは大切なことで、そのうえで、最後にKKDに頼るべきなのだ。「入門信頼性 」(田中健次: 日科技連出版社 )は、「信頼性」に関して、基本的な考えかた、用語、手法といったものを、初心者にも分かりやすく解説し、そのような科学的基礎の一つを与えてくれるものである。○「入門信頼性 」(田中健次: 日科技連出版社 ) 信頼性の3要素とは、「耐久性(こわれにくさ)」、「保全性(見つけやすさ、なおしやすさ)」、「人間信頼性(使いやすさ)」であるという。しかし、それでは、現場において実際に信頼性を上げていくにはどのようにすればよいだろうか。本書は、信頼性に関する様々な概念、事例、計算方法などについて詳しく解説され、現場で使いやすいように配慮がされている。 個人的に興味深かったのは、ワイプル分布やワイプル確率紙についての説明。信頼性データの解析でよく使われ名前くらいは聞いたことがあるが、使うような機会がなかったので、あまりなじみはなかった。この本があれば、必要な時がきても使うのに苦労はないだろう。 また、FMEA(Failure Mde and Effects Analysis:故障モード影響解析)やFTA(Fault Tree Analysis:故障木解析)についても、事例を示しながらかなり詳しく解説されており、使おうと思えば、その日からでも使えるようになるのではないか。 ところで、信頼性というのは、個々の部分で見るだけでなく、システム全体で考えることが重要である。重要なシステムは、一部が故障しても、それがシステムダウンにならないよう、様々な工夫がしてあるものだ。そして、そこには色々な相互作用が働いている。本書も、信頼性は様々なレベルでの相互作用に注目して、「システム」で視ることが重要だと最後に纏めているがまさに同感である。○ランキング今何位? ○姉妹ブログ・文理両道・本の宇宙(そら)(本記事は「本の宇宙」と同時掲載です。)
March 27, 2010
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歌集「一握の砂」や「悲しき玩具」などで知られる石川啄木。その啄木が明治40年に「盛岡中学校校友会雑誌」に発表した、「林中の譚」という短いエッセイを、現代語に訳し、絵本に仕立て直したのが、「サルと人と森」(石川啄木/山本玲子/鷲見春佳:森びとプロジェクト委員会)である。 内容は、林の中に入り込んだ人間が、サルと議論をするというもの。人間の自慢を、サルがことごとくは言い負かしている。この童話と原文の「林中の譚」を併せて読むと色々な驚きがある。 まず、原文の発表されたのは今から約100年前のことであるが、もう現代語訳でないと読みにくくなっているということ。原文は、確かに格調高い文体で書いてあり、読もうとして読めないこともないのだが、余り昔の文体に慣れてない人には、読むのはなかなか大変だろうと思う。 この短い話の中には、自然を破壊してきた文明への過信、人間の奢りといったものに対する鋭い批判がある。これも原文が発表されたのが、まだ文明開化の熱もさめやらぬ明治40年であることを考えてみると、その先進性に驚く。 「人間はすでに祖先を忘れ、自然にそむいている。ああ、人間ほど、この世にのろわれるものはないだろう。」 サルの嘆きは、そのまま啄木の嘆きでもあったのだろう。 ○石川啄木関係の書籍(「サルと人と森」とは直接の関係はありません) ○ランキング今何位? ○姉妹ブログ・文理両道・本の宇宙(そら)
March 26, 2010
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今日は、広島市の通りの様子を2つ。まずは、「平和大通り」、通称100メートル道路だ。五月のGWには、フラワーフェスティバルのパレードがこの通りを練り歩き、また、12月には、広島ドリミネーションで、多くのイルミネーションが通りを彩る。○平和大通り 平和大通りは、広島市の中心部を東西に走る道路だが、その途中から北へ、八丁堀方面に抜けるおしゃれな店の並ぶ通りがある。「並木通り」だ。ここをまっすぐ北へ上ると、本通りにある広島パルコの横に抜ける。若者たちが良く行く通りである。今は、街路樹の葉が落ちているので、少し寂しい感じだ。○並木通り○ランキングの順位は? ○関連過去記事・やっと桜が(広島市を歩く61)○姉妹ブログ・文理両道・本の宇宙(そら)
March 25, 2010
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高田崇史の「カンナ」シリーズの5巻目で、現在のところ最新刊である「戸隠の殺皆」。現代の事件に歴史の謎を絡めて、それを忍者の子孫である3人の若者が解決していくという、ちょっと変わった設定の、歴史系蘊蓄ミステリーである。もっとも、一番役に立っているのは、彼らに同行する忍者犬の「ほうろく」のような感があるのだが。この「ほうろく」、洋犬のミニチュアブルテリアなのに忍者なのだ。○「カンナ 戸隠の殺皆」(高田崇史:講談社 ) 中心となって活動するのは、大したとりえのない神社の後継ぎで主人公の鴨志田甲斐(ただし、誰かが危ない時に一時的に忍者の技が出ることがある)、記憶力抜群で死んだふりだけは得意な現役東大生巫女の中村貴湖、そして大事なことはすぐ忘れるくせにつまらないことはよく覚えているという特技を持った柏木竜之介の3人プラス忍者犬のほうろくである。高田崇史の歴史系蘊蓄ミステリーというと「QED」シリーズが有名だが、この「カンナ」シリーズはあれほど濃い味付けではなく、さっぱり薄味感がするので、どっぷりと「QED」の世界に浸かった人には、多少物足りない思いがするかもしれない。こちらのシリーズの特徴は、とにかく忍者がいっぱいという感じで、色々な系列の忍者の末裔たちがたくさん出てくる。もっとも、派手な忍法と言ったものは出てこないのだが。 今回、甲斐たちが訪れたのは戸隠。戸隠と言って思いだすのは、戸隠流忍術、天手力雄命の投げた天の岩戸の落ちたところ、そして鬼女紅葉の伝説である。この作品の性格からいって、当然のことながら戸隠流忍者の末裔は出てくるし、あとの2つもちゃんとモチーフとして織り込まれている。 この物語のもっとも大きな謎は、甲斐の実家である出賀茂神社から盗まれた社伝「蘇我大臣馬子傳歴」。何か日本の歴史を覆すような事実が書かれているらしい。この社伝、甲斐が兄ともしたう諒司がとり返したのであるが、なぜかそのまま失踪してしまった。諒司の行方を訪ねて甲斐たちが、色々な歴史上の謎の残る地を訪ねるというのが、このシリーズの基本的なパターンである。 今回、甲斐たちは、戸隠で波多野村雲流の連中に襲われ散々な目に遭う。彼らも社伝を追っているのである。いったい、社伝には、どんな謎があるのか。今回もその謎はお預けであり、これからの展開に目が離せない。 面白かったのは、エピローグで、貴湖と甲斐の許嫁である聡美が、甲斐を挟んで、空中戦をやったこと。聡美の貫禄勝ちのような感じだったが、この聡美、だんだんとこのシリーズの中で存在感が大きくなってきているのだが、一体どんな役割を持ているのだろうか。一方、甲斐も、だんだんと隠された能力が目覚めてきているような感じで、このあとどう変わっていくのかも気になる。 ところで、表紙イラストの「天照大神」、「三蔵法師」に見えるのは、私だけだろうか?○ランキング今何位? ○関連過去記事・カンナ 奥州の覇者○姉妹ブログ・文理両道・本の宇宙(そら)(本記事は、「本の宇宙」と共通掲載です。)
March 24, 2010
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先日テレビ朝日系列の土曜ワイド劇場で放映されていた、「100の資格を持つ女(3)~風薫る水郷・佐原の醤油蔵に呪いの連続殺人!!」、たとえドラマでも、100の資格を持つとあっては、生涯100資格を目標としており、既に80もの資格を持っている私としては視ない訳にはいかないだろう(笑)。 さて、内容の方を簡単に紹介しよう。警察の刑事課の事務職員である西郷美千花は、バツイチで2人の子持ちのため、リストラにあってもあわてないように、様々な資格を撮り続けていた。ちなみに、子供たちも、資格マニアとして順調に育ちつつあるようだ。 このシリーズの基本的なストーリーは、刑事課の栗林課長や小山田警部により、警察官では表向き捜査ができないようなところに、事務職員である西郷美千花が潜入して捜査をさせられるというものである。いや、事務職員だって、まずいと思うんだが、まあ、ドラマなので、それは横に置いておこう。 今回美千花が送り込まれたのは、千葉県佐原にある老舗の醤油会社。そこには、既に亡くなっているが、栗林刑事課長の同期だった刑事の一人娘の嫁ぎ先であったが、そこに社長である高野が殺され、その容疑が百合子にかかっているというのだ。しかし、隣の県の事件なので、栗林や小山田たちには捜査権限がない。そこで、美千花の出番となった訳である。 ところで、東日本の地理にはそれほど詳しくないので、千葉県佐原については、今回はじめて知ったのだが、かっては市として存在していたが、現在は合併して香取市の一部になっているようだ。古くからを北総の小江戸と呼ばれ、水郷として栄えていた街だという。水のよいところなので、酒や醤油が昔から造られているというのは分かるが、水郷佐原観光協会のホームページを見ても、特に醤油が売りだというようには見えない。西日本には、有名な醤油がたくさんある。中でも山口県柳井市の甘露醤油は絶品である。どうせ醤油を扱うのなら、こちらでやってほしかったと思うのだが。 肝心の資格の方だが、ドラマの端々で小ネタとして出てくるのだが、ほとんど、リストラ時の再就職には役立ちそうにないものばかりだ。しかし、何かあるごとに、「私、○○の資格持っているんです」と」と言わなくてもいいんじゃないか思うのだが。マニアックな資格が多く、一般の人は、聞いてもよくわからないだろうし。 ○佐原・麻生屋のしじみ佃煮佐原の有名店 麻生屋のしじみ佃煮○こちらは山口県柳井市の甘露醤油柳井佐川醤油店直送「甘露醤油 大裸550mlx3」(再仕込醤油)【楽ギフ_包装】【楽ギフ_のし宛書】(監督)・ 吉川一義(出演)・渡辺えり (西郷美千花)・笹野高史(栗林中道)・草刈正雄(小山田雄策)・風花舞(高野百合子)・山本陽子(高野栄子) ほか ○ランキング今何位? ○姉妹ブログ・文理両道・本の宇宙(そら)
March 23, 2010
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ロビン・ホブによるファンタジー作品である「ファーシーアの一族3部作」の続編に当たる「黄金の狩人」。(続きはこちら) 〈「本の宇宙」掲載〉○「黄金の狩人1~3」(ロビン・ホブ/鍛治靖子:東京創元社) ○ランキング今何位? ○姉妹ブログ・文理両道・本の宇宙(そら)
March 22, 2010
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歴史的な謎を、現代の事件に絡めて、それを忍者の子孫たちが解決していくという、ちょっと変わった設定の、歴史系蘊蓄ミステリーである「カンナ」(高田崇史:講談社)シリーズの第4巻、「奥州の覇者」。活躍するのは、忍者の子孫の筈なのに、忍術とはほとんど無縁のような3人の若者。大したとりえのない神社の後継ぎの鴨志田甲斐(ただし、誰かが危ない時に一時的に忍者の技が出ることがある)、記憶力抜群で死んだふりだけは得意な現役東大生巫女の中村貴湖、そして大事なことはすぐ忘れるくせにつまらないことはよく覚えているという特技を持った柏木竜之介と、ほとんどズッコケ3人組である。○「カンナ 奥州の覇者」(高田崇史:講談社 ) 「奥州の覇者」と言えば、真っ先に連想するのは、源義経が兄の頼朝と袂を分かった際に頼って行った奥州藤原氏だろう。しかし、ここでモチーフとされているのは、アテルイという平安時代初期に存在したと言われる蝦夷の指導者だ。奥州を征服に来た朝廷軍とよく戦ったが、坂上田村麻呂に敗れて降伏し、同朋のモレとともに京都に上ったものの、田村麻呂の助命嘆願も虚しく、遂には処刑されてしまったと伝えられている。ここでの疑問は、地の利を活かしたゲリラ戦が得意なはずのアテルイが、十分な戦力が残っていたにも関わらず、なぜ降伏して、処刑される可能性があるのに、のこのこと京まで、田村麻呂について行ったのかということだ。 今回、甲斐たちが奥州を訪れることになったのは、失踪していた諒司から応援を求められたからだ。諒司は、甲斐が兄とも慕う存在である。甲斐の実家・出賀茂神社の社伝には何か日本史を覆すような大きな秘密があるようで、賊に奪われたものを諒司がとり返したのだが、なぜか彼はそのまま失踪してしまった。諒司からの連絡によれば、社伝を修験と見られる連中に奪われ、それを追って岩手に行ったという。 この巻で興味深かったのは、次の3つ。まずこのシリーズのタイトルである謎の言葉・「カンナ」が作品中に出て来たこと。「カンナ」とはアイヌ語で「天」とか「雷」とか「龍」と言った意味だそうだが、しかし、それがこのシリーズのタイトルとどのように関係しているのかまではまだよく分からない。 2つ目は、同じ作者の「QEDシリーズ」のひとつ、「QED 出雲神伝説」に、主人公の桑原崇とヒロインの棚旗奈々が、出賀茂神社を訪ねるシーンがあるが、この作品にも甲斐側から見たこの時の様子が書かれている。特に奈々のことを「物凄く美人という訳ではないのに、ローカルな広告やCMに出演していてもおかしくはない雰囲気がある。」と表現しているのは、ちょっと意外だった。つまりは、「それほどとすごい美人という訳ではないが、田舎ではそこそこ目立つ程度」と言っているのだ。何しろ七夕様ゆかりの名前を持つヒロインのこと、私など、かなりの美人をイメージしていたのだが。 そして、3つ目は、このシリーズのヒロインである貴湖がカナヅチだったこと。なにしろ、貴湖の家系は伊勢服部流の忍びで海女の血をひいているという設定である。それなのに、カナヅチと意外中の意外だ。 出賀茂神社の社伝を巡っての事件は、ますます混迷を深めていく。いったい諒司の目的は何か。社伝には、いったいどんな秘密が隠されているのか。これからの展開がどうなるか楽しみである。○ランキング今何位? ○関連過去記事・カンナ 吉野の暗闘○姉妹ブログ・文理両道・本の宇宙(そら)(本記事は、「本の宇宙」と共通掲載です。)
March 21, 2010
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1958年に、黒沢晃と三船敏郎のコンビで制作された「隠し砦の三悪人」をリメイクし、2008年に公開された東宝映画「隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS」。副題から連想されるように、隣国により滅ぼされた国の姫が、家を再興するための軍資金を持って、友好国へ逃げのびるまでを描いた話である。○DVD「隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS 」 簡単にどんな話かを紹介しよう。戦国の世、秋月家は隣国の山名家に攻め滅ぼされ、雪姫や真壁六郎太など秋月家の生き残りは莫大な軍資金と共に山中の砦に潜んでいた。山名家の労役から逃げて来た武蔵と新八は、この軍資金の一部をたまたま見つけたが、六郎太に捕えられる。武蔵たちは、六郎太と共に、姫と軍資金を友好国の早川領に届けることになる。彼らの前に立ちはだかるのは、冷血無比な山名の侍大将鷹山刑部。一言で言えば、決死の脱出劇ということである。 この映画で描かれているのは、戦で虐げられた民の悲惨さと、彼らの意地。雪姫と武蔵の、お互い心を通わせあいながらも、結局はそれぞれの置かれた境遇により決してかなうことのないほのかな恋心といったようなものか。キーワードは「裏切り御免」。この言葉は、雪姫と武蔵からそれそれ出てくるのだが、なかなかさわやかな「裏切り御免」だった。 阿部寛演じる真壁六郎太の鉄人ぶりと、長澤まさみ演じる雪姫の凛々しさが良く目立っていた。椎名桔平の演じる鷹山刑部も、いかにも悪役という感じで、思わず石でも投げたい位の好演だった。特にあの特殊メイクでつくったと思われる、いかにも悪役ですよという顔。あまりによくできて、エンディングを観るまで椎名桔平だとは気がつかなかったのだが。(監督)・樋口真嗣(出演)・長澤まさみ(雪姫)・阿部寛 (真壁六郎太)・松本潤 (武蔵)・宮川大輔 (新八)・椎名桔平 (鷹山刑部) ほか○ランキング今何位? ○姉妹ブログ・文理両道・本の宇宙(そら)
March 20, 2010
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「月刊少年シリウス」(講談社)に連載している「怪物王女」で人気の光永康則が「ビジネスジャンプ増刊」(集英社)で連載中の「シンバシノミコ」。実は、「ビジネスジャンプ増刊」の方はあまり読んだことはなかったのだが、先日このブログにレビューを書いた「怪物王女11」の帯に、「光永康則2大作品」としてこちらの作品が紹介されていたので、買ってみたという訳だ。もちろん、この「シンバシノミコ」の帯にも「怪物王女11」の紹介がされている。 しかし、これは、なかなか面白いコラボだと思う。作者は同じだが、出版社がそれぞれ集英社と講談社なのである。これが、集英社と小学館ということなら同じ「一ツ橋グループ」の系列なのでそう意外性はないのだが、系列を超えてのコラボというのは最近多いのだろうか。○「シンバシノミコ 1」(光永康則:集英社) それは、さておき、内容の方だが、集英商事に奇跡的に入社した菰田貞夫は、入社2週間で営業から総務2課に転属になった。地下2階にあるその課には、なぜか巫女さん姿の宮間一子がいたのだ。実は集英商事のある新橋は魔物のたむろする魔界都市だった。魔物は、人の心の隙に入り込み、「魔がさした」ような行動をとらせるのだ。一子は、絶大な霊力により、その魔を祓っているのだった。 東京が魔界都市という設定は、菊地秀行の「魔界都市」シリーズもあることだし、かっては、江戸時代の天海僧正が、霊的結界を張ったと伝えられる位だから、そう意外なものではないだろう。しかし、なぜ「新橋」が舞台なのかはちょっと謎である。 一方、会社に巫女がいるというのはなかなか意外な設定だと思う。この巫女さん、あることを経験してしまうと、その霊力の大半を失ってしまうという。また、一子の相棒に選ばれた菰田も同じくあることの経験がないということで、白羽の矢が立ったらしい。別に巫女萌えというわけではないが、二人の珍コンビが繰り広げる「魔物退治」は、なかなか愉快で、適度なお色気もある。○ランキング今何位? ○姉妹ブログ・文理両道・本の宇宙(そら)
March 19, 2010
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やっと広島市でも桜が咲いているのが見られるようになった。といっても、普通の桜はまだまだ。だいぶつぼみは膨らんでいるのだが、後1週間くらいはかかりそうだ。今咲いているのは、枝垂れ桜。ついこの間は雪が降ったし、この数日は、また寒さがぶり返したような感じだが、それでも寒さに負けず可憐に咲いている。桜を見ると、もう春だなあという実感が湧くな。○ランキングの順位は? ○関連過去記事・ゆめタウン広島(広島市を歩く60)○姉妹ブログ・文理両道・本の宇宙(そら)
March 18, 2010
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「東日流外三郡誌」、「つがるそとさんぐんし」と読む。知らない人はまず読めない。これがすらっと読めれば、かなりの古代史ファンと言えるだろう。かっては、オカルト系の雑誌などにも紹介され、古代の歴史感を覆すものとして、話題を呼んだものだが、最近は偽書であるという評価が定着してしまったいるようだ。この「東日流外三郡誌」偽書事件の深層について、徹底的な取材を行い検証したものが、「偽書「東日流外三郡誌」事件」(斉藤光政:新人物往来社)である。○「偽書「東日流外三郡誌」事件」(斉藤光政:新人物往来社) 「東日流外三郡誌」が「発見」されたというのは、青森県五所川原市にある和田家である。体裁としては、津軽地方の豪族だった安東氏の歴史や伝承を江戸時代に収録、編集したということになっており、編者は秋田孝季と和田長三郎吉次とされている。蝦夷のリーダーだった安倍一族(安東氏の祖先)が朝廷に追われて、全国に散らばりながらも、朝廷に対して敵愾心を持ち続けたというのが基本的なテーマのようだ。青森県にあった中世の国際港湾都市である十三湊も、安倍氏の流れをくむ安東氏により栄えていたが、大津波で壊滅してしまったという。 この「外三郡誌」は、発見者の和田氏によれば、大きな長持に入っていたものが、突然天井を破って落ちて来たということだ。「外三郡誌」自体で368巻、この他にも膨大な関連資料があり、全体が「和田家文書」と呼ばれている。この「発見」は大反響を呼び、「市浦村史資料編」として刊行された他、出版社からも大々的に刊行されているという。 当然、こういった者には付き物である「真贋論争」が起こるのだが、この本には、それが詳しく書かれている。偽書派は安本美典氏などが中心であり、真書派の筆頭は古田武彦氏だという。どのような白熱した議論が繰り広げられていたのかと期待したが、読んでみるとその真偽論争はまったくあきれるような内容であった。 出てくるのは、偽書と言う証拠ばかり。江戸時代に編集された筈なのに、筆跡が発見者とよく似ており、明治以降に造られた新語が出てきて、字体にも戦後の教育を受けた者の特徴が見られる。当用漢字が多く使われており、「外三郡誌」と筆跡の同じ一連の和田家文書には、戦後の版画用の和紙が使われている。挿絵が、1935年に出版された「国史画帳大和櫻」に類似しているなどだ。一方、真書派の方には、宗教的帰依感しか無いような気がする。 また、私が重視したいのは、この取材が現場、現物、現実の三現主義を貫いたうえで偽書説を展開しているということだ。地元での取材でも、和田家は、そんな伝承の残る由緒のある家ではないと言われていたし、「発見」当時は天井板など張って無く、そんな出来事も無かったという、そのころ和田家に同居していた「外三郡誌」発見者のいとこの証言もある。更に、現地調査でも、天井裏は、とてもそのような大量の資料を隠せるようなスペースなど無かったのだ。 「なんで、頭のいいはずの学者たちがコロッとだまされたんでしょうか。不思議でしかたありません。・・・(略)・・・本当にもう、はんかくさい話ですよ」 この、「発見者」のいとこの言葉が、この事件の本質をよく示しているのではないだろうか。○ランキング今何位? ○姉妹ブログ・文理両道・本の宇宙(そら)(本記事は「本の宇宙」と同時掲載です。)
March 17, 2010
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今回の旅の最終地は、「地底王国美川ムーバレー」だ。平成5年までは、ここは銀、スズなどを産出する「玖珂鉱山」だった。閉山後、その広大な坑道跡を利用して、地底探検を楽しむテーマパークとして整備したものである。ムーバレーと呼ぶのは、この坑道跡をムー大陸の遺跡になぞらえているためだ。コンパスと記録カードを使って、謎のクリスタルスカルを探すというアドベンチャーを楽しむというのが、このムーバレーのテーマ。これが、やってみるとなかなか難しい。とっても、怪しげな構内がなかなか楽しい。話のタネに行ってみるのもいいのではないだろうか。○地底王国美川ムーバレー○関連過去記事・雙津峡温泉駅(錦川清流の旅8) ○ランキングの順位は? ○姉妹ブログ・文理両道・本の宇宙(そら)
March 16, 2010
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「CUD カラーユニバーサルデザイン」(カラーユニバーサルデザイン機構:ハート出版)は、色に対するバリアフリーの大切さを教えてくれる一冊。 レビューはこちら。(「本の宇宙」掲載)○ランキング今何位? ○姉妹ブログ・文理両道・本の宇宙(そら)
March 15, 2010
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第16回電撃大賞受賞作の、「幕末魔法士 」(田名部宗司/ アスキー・メディアワークス) 。イラストが椋本夏夜さんということで、つい買ってしまった。私の読むラノベは、「シャナ」、「アカイロ/ロマンス」に続いて、これが3作目である。それにしても、デビュー作で椋本夏夜さんにイラストを描いてもらえるとは、なんという果報者だろう(笑)。 ○「幕末魔法士 」(田名部宗司/ アスキー・メディアワークス) この舞台は、幕末。なぜ幕末かと言うと、明治維新を成し遂げたのがもし魔法士(Mage:メイジ)だったらというダジャレからという作者のあとがきには笑ったが、この世界では、幕末に西洋から盛んに入ってきたのが、西洋文明ならぬ西洋魔法というちょっと面白い設定だ。なにしろ、大阪の適塾は、魔法を学ぶ場所であり、シーボルトは大魔法士なのだ。 主人公は、久世伊織という適塾に学ぶ17歳の魔法士。一見美少女に見える美少年だが、その実やっぱり美少女というややこしい設定だが、これにはちょっと訳がある。師の命により、魔導書の翻訳のため松江藩に赴く。松江藩は神藤治部少輔の改革の成功により、長州や薩摩と並び称せられる程の雄藩となっていた。そこで出会ったのが、伊織の相棒となる失本冬馬という同じく17歳の少年。何とシーボルトの孫なのだが、魔法の方はからっきし。しかし、とてつもない剣の達人なのである。こちらにも何か隠された謎があるようだ。 松江藩で、伊織はお約束通り、とんでもない事件に巻き込まれていくのだが、誰が糸を引いているのかは、早いうちに分かってしまうので、あまり、黒幕を推理するというミステリー的な楽しみはない。意外といえば、伊織が逗留していた家の下男である弥平の正体くらいだが、これも何となく唯者で無いことは、最初のうちから見当がつく。やはり、一番の面白さは、幕末と魔法を結び付けたというところだろう。 強大な力を持ったラスボスとの戦いで、ピンチに陥った冬馬が封印されていた恐るべき力を発揮する。この辺りもお約束と言えなくもない。しかし、このラスボス、あらゆる魔法に通じているようだが、そんなに魔法の知識があるんなら、別に伊織を呼んで魔導書を訳してもらわなくても、自分で訳せるのではないかと思ってしまうのだが。 もう一つ、伊織と冬馬のラブコメの要素もあるのだが、伊織は男だという建前で進んできていたので、本格的なラブコメになるのはこれからという感じだ。続編出るといいな。○ランキング今何位? ○姉妹ブログ・文理両道・本の宇宙(そら)
March 15, 2010
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普段、あまり雑誌は買わないのだが、週間ダイヤモンドが「FREE」の特集をしていたので、つい買ってみた。もちろん、「FREE]とは、クリス・アンダーソンによる今話題の書籍のことだ。実はこの本も既に買っているのだが、積読軍団との戦いに追われて、なかなか読む暇がない。そこで、手軽にそのエッセンスだけでもという訳だ。○「週間ダイヤモンド 2010 3/13号 FREEの正体 」(ダイヤモンド社) 「FREE]は、16万部も売れているという。この国で、100万部以上売れると言うと、コミックスか芸人の書いたつまらない本位なので、この数字はハードカバーのビジネス書としては、かなりの健闘ぶりではないだろうか。 知らない人はあまりいないと思うが、「FREE」とは「自由」のことではない。不自由な境遇にあった者が、自由を求めて叫んでいるという内容では無いので念のため。ここで言っている「FREE」とは「無料」すなわち「タダ」のことである。 自分の周りを眺めてみレば、特にネットの世界を中心に、無料のサービスが多いということに気がつくだろう。私たちも、それが当然のこととして、受け入れているのではないか。でも考えてみるといい。何事もすべて、唯で行える訳はないのだ。ネットの世界で何かをやるにしても、サーバーなどのハードの費用や、サービスの運営のための費用がかかる。それでは、どうして、こんなことが可能なのか。今回の特集はそのからくりの本質を明らかにしてくれる。 「FREE」のモデルは次の4つに分類できるという。すなわち、1.直接的内部相互補助、2.三者間市場、3.フリーミアム、4.非貨幣市場 である。4番目は少し他のモデルと違うが、後は、どのモデルにしても、結局は誰かが金を負担しているのであって、サービスを受けている人と金を出している人が違うために、結果として、使用者にとっては無料となっているのだ。 一方ネットの世界には、「ネットワークの外部性」や「限界コストが限りなくゼロに近い」といった特徴がある。こういった特徴が、「FREE]のビジネスモデルとよくマッチングし、今のような盛況を成しているのではないだろうか。 今回の特集は、「FREE」のエッセンスが分かったような気になってくる。もちろん、書籍の方には、もっと濃い内容が書かれているのだろうが、これでもう「FREE」を読んでしまったような気になって、肝心の書籍の方をいつまでも「積読軍団」の中に埋もれさせてしまうことを少し心配している。○「FREE(フリー)」(クリス・アンダーソン/小林弘人:日本放送出版協会) ○ランキング今何位? ○姉妹ブログ・文理両道・本の宇宙(そら) (本記事は、「本の宇宙」と共通掲載です。)
March 14, 2010
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先般亡くなられた北森鴻氏の「屋上物語」(祥伝社)、デパートの屋上を舞台にした、ちょっと変わったミステリーである。○「屋上物語」(北森鴻:祥伝社) この物語の主人公は、「さくら婆ァ」と呼ばれる、デパート屋上の立ち食いうどんやの主。北森作品には、宇佐見陶子や蓮丈那智のような個性的な主人公が出てくるが、この「さくら婆ァ」も相当強烈な個性のキャラである。実際には「婆ァ」と呼ばれる程には歳をとってはおらず、昔は美人だったという証言もあるのだが、残念なことに、現在ではそのような面影はどこにもなく、その凄みは、正に鬼子母神。地獄の鬼でもいうことを聞きそうな感じである。それでも、「さくら婆ァ」のつくるうどんは天下一品であり、客が引きも切らず押し寄せている。しかし、その凄みのある風貌とは裏腹に、心根は案外優しいようであり、特に子供に対しては、何か思い入れがあるようだ。 ところで、このデパートの屋上、なぜか、飛び降り自殺や殺人など、事件が次から次に起こるのである。これを「さくら婆ァ」が探偵役となって、興行師(実は裏稼業の人)の杜田とちょっとおバカな高校生のタクを手足のように使って、解き明かしていくのである。デパートの屋上といえば思い切り日常的な場所だと思うが、そこを非日常な舞台に変えてしまったということがまず面白い。 この作品は、いくつかのエピソードから成り立っており、表紙カバーには「長編推理小説」と書かれているものの、実際は「連作短編集」に近い。だが、それぞれの物語は確かに繋がっており、全体としては長編小説を形作っている。ここで、もうひとつ面白いのは、これらのエピソードの語り部が人間ではなく、屋上に置かれた「物」だということだ。屋上のお稲荷さん、ベンチ、観覧車など、エピソード毎に語り部が入れ替わり物語が進んでいく。この辺りは、短編の名手である北森鴻の面目躍如といったところだろう。もう彼の新作が読めないと思うと、非常に寂しい限りである。モチーフとしては、結構重いものを取り入れているのだが、そこを北森らしいユーモアとペーソスを交えた文体でうまく紡ぎあげている。○ランキング今何位? ○姉妹ブログ・文理両道・本の宇宙(そら)(本記事は「本の宇宙」と同時掲載です。)
March 13, 2010
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知らなかったが、あの人気鉄ヲタ漫画「鉄子の旅」が帰ってきていた。ただし、漫画家は菊池直恵ではなく、まだマンガの専門学校に通っていたというほあしかのこを抜擢しての再開だ。題して「新・鉄子の旅」。その第1巻がコミック化されていたので、早速買ってきた。○「新・鉄子の旅1 」(ほあしかのこ/小学館) 菊池版「鉄子の旅」との違いは、横見さん、カミムラさんだけでなく、全旅に、村井美樹さんと編集長が付いてきているということ。第2巻以降もこの形が続くのかどうかはよく分からないのだが、帯に「今度は群像劇だ!!!」と書かれているので、たぶん続いていくのだろう。 菊池版を見慣れていたためか、新人なので、まだ絵がなじんでないためか、最初の頃は絵柄にとまどったが、読み進めるうちに、だんだん気にならなくなってきた。なにしろ面白すぎるのである。特に村井さんが最高に面白い。ドデカミン・スーパー事件や鶏そば事件、とても美人女優とは思えない、いかにも大阪人らしい行動に、いっぺんに好感度があがってしまった。 ところで、ほあし版では、編集長は睡眠不足でいつも生霊のようなのだが、菊池版でのあの微妙なカッコよさはどこに行ったのだろう(笑)。スイッチバックへのラブ度は相変わらずなのだが、最近仕事が忙しくなったのか? 横見さんも相変わらずの面白さなのだが、一行がとある駅に着いた時、菊池さんが現れ、ほあしさんに、「横見さんをあなたに託します。」と言うシーンがあって、これには思わず吹き出してしまった。大丈夫だろうか、横見さん託されても?○ランキング今何位? ○姉妹ブログ・文理両道・本の宇宙(そら)
March 12, 2010
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とことこトレインは、広瀬トンネル(きらら夢トンネル)を抜けると、今度は、旧岩日北線跡を、錦川支流の宇佐川にほぼ沿うように、遡っていく。この辺りまで来ると、川も、かなり上流の様相を示してくるが、案外民家が多く建っているのは意外だった。○宇佐川風景 そして、とことこトレインの終点は、ここ「雙津峡温泉駅」だ。ここで、トレインは、ぐるっと向きを変える。以前の記事では、後ろ姿しか見えなかったが、前から見るとこんな感じだ。とってもキュートだと思うのだが。○雙津峡温泉駅○関連過去記事・きらら夢トンネル(錦川清流の旅7) ○ランキングの順位は? ○姉妹ブログ・文理両道・本の宇宙(そら)
March 11, 2010
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永井豪のキューティーハニーと言えば、あの凛とした姿に少年時代にあこがれた記憶のある人も多いだろう。しかし、この星野小麦の絵による「キューティーハニーSEED」はだいぶ趣が違う。○「キューティーハニーSEED3,4 」(永井豪/星野小麦 :秋田書店) どんな感じかを3項目に纏めてみよう。・萌え萌え~・天然ほにゃ~ほにゃ~・ハニ~がいっぱい でも、こんな感じのハニーも決して悪くない。木星の衛星エウロパで遭難したハニーがを助けに行くために、あまり冴えなかった裕太が、一生懸命勉強して宇宙飛行士になるというラストは、目的を持つということの大切さを教えてくれるのではないだろうか。○ランキング今何位? ○関連過去記事・キューティーハニーSEED2・キューティーハニーSEED1○姉妹ブログ・文理両道・本の宇宙(そら)
March 10, 2010
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とことこトレインは、まず広瀬トンネルを通っていく。このトンネルは、唯のトンネルではない。といっても別に心霊スポットではないので、念のため。このトンネルの壁一面には色々な色を発する蛍光石が埋め込まれており、内部はまるで夢の国である。だから、このトンネルは、愛称を「きらら夢トンネル」という。機会があれば、ぜひ訪れてみるとよいだろう。○とことこトレイン錦町駅 ○関連過去記事・とことこトレインへ乗り換え(錦川清流の旅6) ○ランキングの順位は? ○姉妹ブログ・文理両道・本の宇宙(そら)
March 9, 2010
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怪物界の王女である「姫」が、血の戦士ヒロ、人狼とのハーフのリザ、吸血鬼の令裡といった愉快な仲間達といっしょに、姫の兄弟たちとのサバイバルゲームを戦っていくという、「怪物王女」(光永康則:講談社)の最新巻。ちなみに、ヒロだけは元人間で男の子だが、後はみんな怪物なのに美少女という設定だ。 ○「怪物王女11 」(光永康則/講談社) この巻に収録されているのは、以下の4話。・続・箱入王女・虜囚王女・続・学怪王女・蛇行王女 前の二つが、本流の兄弟たちとの戦いの話で、続きものになっている。そして、後の2つもやはり続きものとなっているが、派生的なエピソードと言った話だ。 前半では、隣にいきなり奇妙な建物が出現し、おかしなことが起こり始める。そこには、「姫」の兄弟のシルヴィア、ギリアムのそれぞれの思惑が。第8巻で出て来た、最終兵器を備えた巨大ロボのフランダースG、今回は頭部だけ出演している。このフランダースG、巨大ロボのくせにいつもほとんどいいところが無いのだが、今度は完全に壊れてしまったようだ。もう出てこないとしたら、残念なことだ。 後半では、以前「姫」たちといさかいのあった邪神で蜘蛛少女の南久阿が再度登場する。実は、南久阿が「姫」たちとの戦いにより力が弱まっている時に、外国から蛇の邪神が入り込んで、人間になり済ましていたようだ。蛇少女とか蜘蛛少女というと、怖ーい楳図かずお先生の漫画を連想してしまうが、南久阿は、これまたなかなかの美少女である。ただ、戦う時に、髪の毛が蜘蛛の足になってしまうのが玉に瑕だが(笑)。しかし、この話、うっかり生態系に干渉すると、別の生物が入り込んで、かえって状況が悪くなるという自然の摂理をよく表していると思うのだが、深読みのしすぎだろうか。○ランキング今何位? ○関連過去記事・怪物王女10○姉妹ブログ・文理両道・本の宇宙(そら)
March 8, 2010
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錦川清流線の終点は、前回紹介した錦町駅だが、実はまだ、ここから続きがある。「とことこトレイン」だ。かわいらしい名前がついているが、実はこれ、旧岩日北線の跡地を、錦町駅から雙津峡温泉駅まで結んでいる観光用のトロッコバスなのである。運営は、錦川清流線と同じく錦川鉄道。結構人気が高いようだ。とことこトレインの錦町駅は、清流線の錦町駅からほんのわずか離れたところにある。○とことこトレイン錦町駅 そして、下の写真が、「とことこトレインの後ろ姿」。前からの姿はまた別の機会に。○とことこトレイン後ろ姿○関連過去記事・錦町駅(錦川清流の旅5) ○ランキングの順位は? ○姉妹ブログ・文理両道・本の宇宙(そら)
March 7, 2010
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地球温暖化問題については、近年盛んに話題になるが、本当にこの問題を理解している人は案外少ないのではないかと思う。この問題は、単に地球環境のみならず、経済成長の問題やエネルギー問題とも大きく関連してくるのであるが、どうも経済学関係のアプローチの方がよく目に入り、科学技術的な観点も含めてこれらを鳥瞰的に眺めたものはそれほど多くは見かけないように思う。この「低炭素エコノミー」(茅陽一/秋元圭吾/永田豊: 日本経済新聞出版社)は、科学者の目から温暖化問題を解説した稀有な一冊だろう。○「低炭素エコノミー」(茅陽一/秋元圭吾/永田豊: 日本経済新聞出版社) まず、温暖化の影響であるが、よく言われている海面上昇問題の他にもう一つ大きな問題として、世界の海洋に存在する水の大循環への影響がある。この大循環があるおかげで、ヨーロッパは凍りつかなくても済んでいるのだ。ところが、この大循環の速度が、大西洋で50年前に比較して20%鈍化しているらしい。しかし、この話は、一般にはそう知られていないのではないだろうか。 しかし、それでは温暖化をどう食い止めるかは非常に難しい。冒頭に述べたように経済成長の問題やエネルギー問題とも大きく関連しているからだ。鳩山首相は2020年の温室効果ガスを1990年比で25%削減という、とんでもない目標を公言したが、残念ながらこの本は、その前に出版されているので、当然そのことには触れられていない。その代わりに1996年にEUが行った2℃提案についての実現性について検証している。この案は、温度上昇を、産業革命以前に比べて2℃以内に抑えようという提案であるが、著者らは、実現性を明確にしないままトップダウンで出て来た案で実現不可能であるとばっさり切り捨てている。なぜなら、この案を実現するためには、21世紀後半で世界のエネルギーの大部分はバイオマスに転換され、発生する二酸化炭素はCCS(Carbon Dioxide Capture and Storage)により地下貯留することが前提になっており、バイオマス燃料のために世界の可耕地の2倍の面積が必要になってくるというのだから。 ここで、ひとつ本書中に掲載されている数式を紹介しよう。 CO2=CO2/E×E/GDP×GDP と言う式であるが、この式自体は単に左辺を右辺のように書きなおしただけである。ここで、Eはエネルギー消費量である。しかし、この式を微分してみると、次のように示唆に富む数式が出てくる。 ΔCO2=Δ(CO2/E)+Δ(E/GDP)+ΔGDP すなわち、CO2を減少させるには、エネルギ当たりのCO2を少なくするか、CDP当たりのエネルギー効率を良くするか、GDPそのものを減らす(経済成長をマイナスにする)ということが必要だと分かる。しかし、後ろの2つは厳しい。既に日本のエネルギー効率は世界のトップクラスだし、デフレを騒いでいる現状で、GDPを現象させることなど不可能だろう。残るはエネルギ当たりのCO2を少なくするしかないのだが、これも、本書で述べられているように、原子力が急激な発展時期にあるか、天然ガスのような低炭素資源が大幅に利用可能となる必要があるだろう。太陽電池のような再生可能エネルギーにしても、問題となるのはコストだ。再生可能エネルギーはそれ自体のコストだけではなく、出力が不安定なため、電力系統に繋いだ場合の対策費用が必要になってくる。これが、結構大きいのだが、このこともあまり知られていない。こういったことを考えるとコスト的にも期間的にも「2020年の温室効果ガスを1990年比で25%削減」というのは空想の世界としか思えない。 加えて、その対策の必要性の根拠とされるIPCCの見解も拡大解釈されていることがあると言う。この本の結論としては、「排出削減費用とその対策の現実性をよく吟味したうえで、削減目標を検討せざるを」得ず、「対応を誤れば、莫大な排出削減費用負担も、負の遺産として、めぐって招来世代に引き継がれることになるかもしれない」ので「バランスのとれた目標こそが重要である」(「 」内は本書から引用)ということだろう。正に同感である。○ランキング今何位? ○姉妹ブログ・文理両道・本の宇宙(そら) (本記事は姉妹ブログ3館共通掲載です。)
March 6, 2010
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経済学をかじった者なら、誰でもホモ・エコノミクス (経済人:homo economicus) という言葉を聞いたことがあるだろう。自己利益のみを目的とした、合理的な経済行動をするという人間のことであるが、彼らの利己的な行動は、自由な市場を通すと、不思議にも神の「見えざる手」によって、社会全体の利益が達成されると一般には言われている。 しかし、このホモ・エコノミクス、言葉だけが一人歩きして、スミスが想定していた人間モデルは必ずしも理解されていなかったのかも知れない。「アダム・スミス」(堂目卓生:中央公論社)は、このスミスの想定していた人間モデルに対する先入観を払拭してくれる書である。○「アダム・スミス」(堂目卓生:中央公論社) スミスは、生涯に2冊の著書しか公表しなかったという。「道徳感情論」と有名な「国富論」である。前者は、「国富論」に先立って発表され、社会の秩序を導いている人間の本性、すなわち道徳的な感情がいかにして生じるかを論じたものである。専門家以外には、「国富論」に比べて知名度は低いが、人間の本性を論ずる以上、当然「国富論」もこの「道徳感情論」との関係を意識して読まなければならないということだ。 スミスの考えたモデルは、人間は経験により、「胸中の公平な観察者」を作り出すというものである。そして、この「公平な観察者」が引き起こすであろう感情に照らして、他人の行為に対し賞賛したり憤慨したりするのである。そして、「公平な観察者」の判断を重視する人を「賢人」と呼び、俗世間の評判の方を気にする人を「弱い人」と呼んだ。「賢人」は「徳への道」を歩み、「弱い人」は、「財産への道」を歩もうとする。ところが、経済を発展させ、貧困を減少させるのは、「弱い人」の野心、虚栄心なのである。だが、「徳への道」と「財産への道」は必ずしも相反するものではない。普通の人間は「賢人」の部分と「弱い人」の部分の両方を持っているものであり、両方の道を同時に歩むことは可能なのである。そのためにスミスが重視したのが、「フェアプレイ」の精神だった。すなわち、利己心といっても「公平な観察者」に照らして是とされるもののみが、「見えざる手」によって、社会の利益をもたらすのである。 少し分かりにくいロジックであり、人間モデル自体もいささか素朴な感じがしないでもないが、これまで多くの人が思っていたかもしれないような、ホモ・エコノミクス感と、スミスが本当に考えて来たこととはいささか開きがあるようだということはよく理解できるだろう。この本は、通俗的なホモ・エコノミクス感を見事に覆してくれる。○ランキング今何位? ○姉妹ブログ・文理両道・本の宇宙(そら)(本記事は「本の宇宙」と同時掲載です。)
March 5, 2010
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写真は、錦川清流線の終点「錦町駅」。本来錦川清流線の前進だった旧国鉄岩日線は、岩国駅から山口線の日原駅を結ぶ予定だったが、結局ここが終点となってしまった。 御覧の通り、なかなかしゃれた感じの駅舎だ。○関連過去記事・清流線の車窓から(錦川清流の旅4) ○ランキングの順位は? ○姉妹ブログ・文理両道・本の宇宙(そら)
March 4, 2010
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高田崇史による「カンナ」シリーズの第3巻、「吉野の暗闘」。このシリーズは歴史的な謎を、現代の殺人事件に絡めて、忍者の子孫たちが解決していくという、ちょっと変わった設定の、歴史系蘊蓄ミステリーである。 ○「カンナ 吉野の暗闘」(高田崇史:講談社 ) 活躍するのは、忍者の子孫の筈である3名の若者。しかし、恰好の好い忍者の技とはほとんど無縁に近い。大したとりえのない神社の後継ぎの鴨志田甲斐(ただし、誰かが危ない時に一時的に忍者の技が出ることがある)、記憶力抜群で死んだふりの得意な現役東大生巫女の中村貴湖、そして、大事なことはすぐ忘れるくせにつまらないことはよく覚えているという特技を持った甲斐の高校の同級生の柏木竜之介である。言って見れば、ズッコケ3人組といったところなのだが、彼らは行く先々で事件に巻き込まれていく。それも甲斐の実家の出賀茂神社の社伝が盗まれたことと関係のあるようだ。この社伝は、犯人の手から、甲斐が兄とも慕う早乙女諒司の手に渡ったようだが、なぜか諒司は失踪してしまった。今回甲斐たちが諒司の手掛かりを求めて向かうのは、吉野である。 吉野と言えば、当然出てくるのは、修験道の開祖と言われる役行者(えんのぎょうじゃ)。役行者は、正式には役小角(えんのおづの)といい、大和国葛城の人で、山岳で修行を重ねて吉野の金峯山で金剛蔵王大権現を感得して、修験道を開いた。鬼神を従え、その神通力は並ぶ者のない程であったが、謀反の疑いで突然伊豆に流された。どうして、彼は罪を着せられたのか。また、吉野は、有名な桜の名所である。それではどうして、これほどまでに桜が植えられたのか。 吉野で起こる殺人事件と歴史上の事件を絡めていくのは、QEDシリーズやこのシリーズ共通の手法だが、この作品もその例に漏れない。読んでみると、吉野に対する認識が少し変わってくるかもしれない。○ランキング今何位? ○関連過去記事・カンナ 天草の神兵○姉妹ブログ・文理両道・本の宇宙(そら)(本記事は、「本の宇宙」と共通掲載です。)
March 3, 2010
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錦川清流線は、錦帯橋で有名な錦川に沿って遡っていく路線である。だから、車窓からの風景は第一級だ。 最初は結構こんな田園風景がある。○清流線風景 しかし、上流にくると、ほとんど清流を眺めながらの旅になる。水のある風景は本当に心が落ち着く。○錦川○関連過去記事・山のおべんとう(錦川清流の旅3) ○ランキングの順位は? ○姉妹ブログ・文理両道・本の宇宙(そら)
March 2, 2010
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小室直樹氏による「論理の方法」(東洋経済新報社)、非常に示唆に富む書である。○「論理の方法」(小室直樹:東洋経済新報社 ) 小室氏は、元々数学を専攻していたが、大学院から経済学に転じ、更には政治学までも学んだ非常に幅の広い学者である。以前は、テレビでも時折見かけ、そのユニークな言動でも知られていたのだが、最近はまったく見かけないので残念に思っている。 この「論理の方法」は、副題に「社会科学のためのモデル」とあるように、論理を自由自在に使いこなすためには、モデルをつくってみることが重要だということを、社会科学の様々な分野について、事例を示しながら解き明かしたものである。モデルとは、著者が述べているように、「本質的なものだけを強調して抜き出し、あとは捨て去ったもの」だ。すなわち、現実の世界から「抽象」と「捨象」をして作りだしたものなのである。現実はそのまま扱うには、あまりにも複雑すぎる。だから多くの先賢たちは、現実から「抽象」と「捨象」の結果であるモデルを抜き出して、論理を構築してきたのだ。 しかし、ひとつ気をつけなければいけないのは、モデルは万能ではないということである。論理を展開するために、本質的なところを抜き出しているのだから、当然適用限界がある。本来の目的以外のところに、同じモデルを使っても、有用な結論は出てこない。 このことは、理工系の人間は直感的に理解している。例えば、電気回路では、高周波領域の等価回路と低周波領域の等価回路は全く異なっており、これを入れ替えて使えば、まったくナンセンスな結論しか出てこないことは常識と言って良い。また、物理学における数学モデルについても、方程式を解くと、物理的に意味のない解が出てくる場合があることも知っているのだ。しかし、社会科学においては、必ずしもそのことが十分に理解されているとは言い難いだろう。モデルとはひとつの仮説なのである。そのことを理解せずに、宗教的帰依感を持って、モデルを絶対視する、そんな傾向はないだろうか。 この本で紹介されているモデルは、古典派からケインズに至る経済学モデル、マクス・ヴェーバーによる宗教モデルと資本主義に関するモデル、丸山正男の日本政治モデル、平泉澄の日本歴史モデルと非常に幅広い。内容については、私も専門外と言うこともあり、必ずしも十分に理解できたとは言い難いのであるが、モデルを使った論理構築というものの有用性を再認識すると共に、著者の学問の幅広さ、奥深さもうかがえるような一冊である。○ランキング今何位? ○姉妹ブログ・文理両道・本の宇宙(そら) (本記事は、姉妹ブログ3館共通掲載です。)
March 1, 2010
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