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本日より、「高速バス・マネジメント・フォーラム2011」の参加申込みを受け付け開始いたしました。フォーラムの詳細は、弊社サイトでご確認ください。対象は「既存」高速路線バス事業者の経営者ならびに高速バス担当者の皆様と、関連業界(システムベンダー、車両・機器メーカーなど)の皆様です。貸切専業のバス事業者や高速ツアーバス企画実施会社等の皆様には、参加は大歓迎ですが特にこちらからご案内は出しておりません。講座の内容も、高速路線バスと、その事業者が、これからどう戦っていくべきかという観点から構成されています。全国の路線バス事業者の皆さんとお話ししていると、この急激な環境変化に対し、<何かしなければいけないんだけど、何をしたらいいのかわからない>という声を多く聞きます。そこで、制度、マーケティング、財務など、それぞれの分野での専門家の皆様に代わる代わるご登壇いただき講義していただくことで、二日間で幅広い分野について横断的に知識を習得できる場、ということで企画いたしました。合わせて、私はもともと、この業界の「ヨコのつながり」の弱さが非常に気になっていました。担当者に何かわからない点があったとして、同じ内容で悩んでいるのは上司でも部下でもなく、同業他社の同じ業務の担当者なのは当然です。私自身、ホテルおよび予約サイトでのサラリーマン時代、どれほどライバル企業の仲間たちに助けてもらったか。もちろん機密情報を同業他社に流すことはいけませんが、同じ悩みを共有し、多少の「貸し借り」の中でお互いに自分たちを高めあっていくことは、個人にとっても会社にとっても業界にとっても非常に有効だと考えます。今回、懇親会も用意していますし、存分に情報交換し、またネットワークづくりに活用いただければと考えています。ついでに言えば、我が国の産業の中でも特に終身雇用意識が高いことにも多少の危惧を持っています。もちろん、「地元の役に立てる」ことが喜びで地元の路線バス事業者で一生働くという生き方を否定しませんが、<オレは高速バス事業の専門家>、<バス事業者の財務は任せてくれ>という風に、「会社」ではなく「事業」「スキル」に紐づいた生き方をする人の割合がもう少し大きくならないと(繰り返しますが、全員がそうである必要はありません)、組織は沈滞し、業界全体の活力も失われてしまいます。私の密やかな願いは、一つにはこのフォーラムで生まれたつながりから共同運行など事業者間の協力関係が誕生することですが、もう一つ、参加していたある事業者の役員の方が、セッションでの発言や懇親会での会話を通して他の事業者の若手を見そめ「ヘッドハンティング」する、などという動きがあればなどとも(密かに)期待しています。現在、当日のプログラムの詳細を詰めているところです。サイトやチラシに掲載している講師の先生方のほか、事業者サイドからの成功事例紹介など、細かい点はまだまだ調整中ですが、手前味噌のようですが、基調講演の北原先生をはじめ今日のバス産業や高速バス事業のあり方を考える上でベストな先生方が揃ったと自負しています。少なくない費用をいただくことにはなりますが、必ずそれ以上の「おみやげ」を会社に持って帰っていただけるものと確信しています。最後になりましたが、本フォーラムの準備にあたり多大なご協力をいただいた、またこれから当日までご協力をいただく多くの皆様方に心からお礼を申し上げます。皆様のご参加を心よりお待ち申し上げております。
2011.09.28
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大分大学経済学部の大井尚司准教授から、先生の前職である財団法人運輸政策研究機構運輸政策研究所の研究員であったころからのご研究『公共交通における規制緩和政策と公共セクターの役割の再評価に関する研究 ―乗合バスの規制緩和とその影響について―』のレポートが完成したとのことで送って届いた。タイトルも長いが、本文もA4で145ページもある立派な装丁だ。個人的には、「おわりに」で、わざわざ1パラグラフを立てて、日本バス協会の船戸常務理事と私に謝辞が述べられているのだが、船戸常務さんのような重鎮と相並べていただいて大変恐縮しているところだ。この分野では、東京海洋大学の寺田一薫教授の『バス産業の規制緩和』という名著があるが(なお、大井先生が本内容を発表した「運輸政策コロキウム」での対論者も寺田先生だった)、実際の規制緩和(需給調整撤廃)から10年近くが経過し、また大井先生らしいというか、全国の数多くの(マニアックな?)現場での綿密なご取材を踏まえ、数多くの事例とその評価が詳しく詳細されている点が本レポートの特徴だろう。高速ツアーバスに係るケースに加え、高速バスでは高松~関西線の新規参入、さらに岡山と長崎における空港バスの後発参入、鹿児島などでの平場の路線バスへの新規・後発参入といった競争的参入事例のほか、福岡や松山など競争・参入が発生しなかった事例についても評価がなされている。一方で退出規制の緩和に関しても、札幌、鹿児島など数多くの事例が紹介されている。失礼ながら、現行の道路運送法の理念について未だ理解なさっていない事業者の関係者の方が多く見受けられるが、ぜひ一度このレポートに目を通してほしい。何も、現行の道路運送法が完璧だとは思わない。規制緩和、具体的には需給調整を撤廃したことによるデメリットも当然ある。それも踏まえ、今われわれが置かれた現実の中でバス産業を今後どう導くべきかを皆で議論すべきであり、少なくとも、ひとつ前の法律の理念が今日でも生きていると誤解したままバス産業のあり方を語るのは許されない。さて本研究のために、運政研の研究員の立場で大井先生がご取材に回ったのが2009年というから、今から2年前だ。それを踏まえ、本レポートでは、高速ツアーバスに関して以下のようにまとめられている。<ツアーバスは、その成立経緯からは高速バスとの競争を前提としたものではなかったが、結果(実質)的に高速路線と競争状態になったのは事実であろう。そして、この競争によって、高速バスの価格・サービス改善には寄与しているものと思われる。一方で、以下の点は、「イコール・フッティングが必要であると考える。>として、具体的に以下の4点を提言している。1.安全面・事業者の品質面の管理 2.運行・販売等に関する道路運送法規定の柔軟化 3.参入障壁の撤廃 4.旅行会社の道路運送法に対する理解どうだろう? 1~3.については、正に『バス事業のあり方検討会』中間報告書に示された新制度が、今まさに解決しようとする問題だ。それが実現すれば、4.はその必要性さえなくなる。わずか2年前に、「実現可能性はともかくとして」と前置きしたうえで「こうあるべきだろう」と話し合っていた内容が、間もなく実現するのだ。特に、「イコール・フッティング(競争条件の均等化)」という言葉が、それまでの「現行の高速路線バスに一本化」という固定観念から離れ、「高速ツアーバス業態のいいところ(運賃、車両調達の柔軟さなど)があるなら、それを積極的に取り入れることは既存高速路線バス事業者にとってもメリット」「イコール・フッティングを考える上で、『バス停の権利』という隠れた参入障壁も重要な要件」という考え方が定着しつつある点は、先の「運輸政策コロキウム」での大井先生の発表がきっかけの一つとなったし、それを受けてここ1~2年に大きく変化したなあと、このレポートを読んで時代の流れの速さをあらためて感じた。先日、高速ツアーバスの問題についてご取材を続けている先生(研究者ではなく政治関係の先生)から、「バス事業のあり方検討会」の成果について、<相当なご苦労だったでしょう>とねぎらっていただいた。かみ合わない議論も正直あった中で、なんとか高速バス市場全体の成長に向けた制度改正が実現するのはもちろん簡単ではなかったから、そのようにお声掛けいただけるのは本当にうれしい。ただ、この制度改正は何も会議室での委員同士の議論だけで生まれた成果ではない。国土交通省のリーダーシップや、寺田先生や大井先生をはじめとした先生方の研究など、多くの皆様のご努力の積み重ねなのだ。あとは、高速ツアーバス各社が確実に「新高速」に移行すること。また既存高速路線バス各社が積極的に「新高速」の柔軟さを活用すること。その両方のお手伝いをこれからがんばっていかないと。もっとも本音を言うと、その「新高速」をも上回る長所を持った新ビジネスモデルを開発し高速バス事業に新規参入したい、などという挑戦者がもしも現われたなら、そちらもぜひお手伝いしてみたいのだが。
2011.09.12
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ウィラー・トラベルから、「新成長戦略」第一弾として、まずは大阪南港線で乗合バスに参入し、「新高速」運用開始とともに現高速ツアーバス商品を移行させると発表された(『日本経済新聞』や『トラベルジャーナル』参照)。「新高速」について、既存の高速路線バス事業者からご質問をいただくことも増えてきたが、ウィラー・トラベルのこのニュースでさらに加速するだろう。経営者や担当者の個別のご質問にお答えするケースもあるし、役員から本社部門の担当者、また予約センターや営業所の所長さんらに一堂に集まっていただき、みっちり半日かけてレクチャーするケースも既に何社目かだ。制度そのものの詳細については決まっていないことも多いが、「バス事業のあり方検討会」中間報告書に書かれた制度の骨子と、それを導いた環境変化。そして具体的に既存の高速路線バスに落とし込んだ場合どんな運用になるのか、もっと言えば、彼ら自身がこれからどういう方向に進むべきなのか、ご説明し皆で議論するのだ。よく尋ねられるのが、<本当にツアーバス(全社またはほとんど)が、「新高速」とはいえ乗合許可を取得できるのか?>という点だ。もちろん、安全面でのハードルは上がる(とはいえ、書面上は乗合も貸切も求められる安全性は同等だ。例えば、そもそも私鉄系事業者では、平場の路線バスで優秀な乗務員だけが貸切に「上がる」会社が多い。初めての道で咄嗟の判断を重ねながら走る貸切の方が、求められるレベルは本来的には高いはずなのだ。万が一、外国人観光客を乗せた貸切バスが居眠りなどで大事故でも起こせば国際的な問題にさえなろう。ただ残念ながら、様々な背景から、現在の貸切バス事業者のレベルは「乗合よりも上」とは言い難い)が、それは歯を食いしばってでも越えてもらうしかない。ただ、今日、高速ツアーバス事業に携わる会社のうち、企画実施会社(旅行会社)から発注を受ける立場の運行会社(「新高速」移行後は「受託会社」)の中には、涙を呑んでこの事業から撤退する会社もあるかも知れない。彼らに法令違反が判明した場合、「委託会社」(今日でいう企画実施会社)にも罰則が与えられる可能性があるからだ。いわゆる「服喪」が残るのかはわからないが、仮に受託会社の監査結果が委託会社の拡大申請(新路線開設や増回など)を妨げるなどというシーンを想像するだけで、それが他の仕事(一般貸切)に与える影響を考えると、これまでいい加減にやってきた貸切専業者は震えているだろう。また、企画実施会社の中には、「バス会社になる」ことに違和感を覚える会社もあろう。彼らは、純粋に旅行会社として消費者ニーズに応えてきただけだ。スキーが好きだからスキーバス事業を始め、TDRが出来たのでツアーを企画し、都心間だけ乗りたいという声があったからそれに対応したというのが彼らのメンタリティであり、何ゆえ今さら「生き様」まで変えないといけないのか理解できないだろう。当然ながら旅行会社よりバス事業者の方が固定的な投資額は大きく、「重たい」会社に変わることには経営者としても大きな決断が求められる。そのことに関して、新制度にかかわる身として少し申し訳ない思いがある。ただそれも、高速ツアーバスの事業規模がここまで拡大した中で従来通りとはいかないことは皆理解しているはずだ。そもそも、曲がりなりにも自身で事業を起こし自分の会社をそれぞれ成長させてきた経営者たちである。一度スイッチが入ると動きは速い。腹を決めた何人かの社長からは、私のところに貪るように質問がどんどん飛んでくる。そして私は、高速ツアーバス連絡協議会から委託を受ける形で全国を回っている。目的は、高速ツアーバスが「新高速」に移行するに当たり必要な停留所の候補地を地図に落とし込む作業である。ただいまも高速バス車中だ(高速路線バスの発券窓口で、領収書の宛名を<高速ツアーバス連絡協議会で>と申し出る時、なぜかいつもメマイがする)。北海道と沖縄を除く45都府県のうち、もう35は回っただろうか。停留所設置に求められる技術的な要件(交差点や消火栓の位置関係など)のほか、都市計画サイドの理念、そして既存事業者の感情など多重方程式を私なりに想像で解きながら、協議会としてのリクエスト地点を確定させていくのだ。そのリクエストがその後どう取り扱われるか、本当にその通り実現するかは私の知る由もないが、協議会としては粛々と移行の段取りを支援しているという事実は、特に既存事業者の皆様は認識しておいていただきたい。<そうか、とうとうウィラーやオリオンも停留所を持ててしまうのか…>という思いとともに、心のどこかに、<それだったら、そのままツアーバスでいてもらった方がマシだったな>などという気持ちがよぎった人がいるなら、これまでの反ツアーバス活動、「一本化」の主張はいったい何だったんですかということになってしまう。文字通り、これからは「同じ土俵」に上がるのだ。高速ツアーバス各社にとっても必死の上り坂が続くが、既存側もそれなりの覚悟で迎えねばならない。それでも、どう客観的に見ても、地方マーケットわけても昼行路線において既存各社のアドバンテージは大きい。既存事業者が今求められていることは、自分たちのどこがどう強く、どこが弱いのか感情的にならず冷静に把握することである。それさえできれば、どう攻め、どう守ればいいのかはっきりする。私としては、引き続き、高速ツアーバス各社に対しては渉外担当顧問としての立場から協議会を通して「ハードル越え」をサポートし、既存各社には個別の事業者単位でマーケティングを中心とした変革を支援していく。繰り返すが高速バスの拡大余地はまだまだ大きいから、どちらも支援し甲斐がある。これでますます面白くなってきた。
2011.09.02
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