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遅くなってしまったが、「高速バス・マネジメント・フォーラム2011」にご参加いただいた皆様向けに、当日、各講師の先生方が投影したパワーポイント資料をPDF形式でダウンロードできるよう準備した。参加者の皆様には、URLとパスワードをメールで送信したのでご確認いただきたい(※運用の都合により「お申込者」様のアドレスにお送りしましたので、1社で複数ご参加くださった場合や、お申込者と実際のご参加者が異なる場合など適宜転送、共有お願いします。また、今後、同じ配信先に各種情報をお送りしますので、今回参加できなかったものの情報をご希望の方は成定までご連絡ください)。実は、フォーラムで資料は投影のみ行ない、一部の講師の先生を除くと紙で配布しなかった。すると終了後のアンケートで、かなりの数、<紙で配布してほしい>というご要望をいただいてしまった。中には、<資料は紙で、という感覚自体が古いのかもしれないが>とわざわざお書きになっている方もあった。私も、<そうなんです。IT関連企業で5年も働くと紙の資料なんて発想はなくなっちゃうんですよ>と言いたいところだが(それは事実ではあるが)、実は資料を印刷して配布しないといけないかなあと思いつつ、最後の1週間など、事前に資料を仕上げたり印刷業者さんに依頼したりする時間的な余裕が私になかっただけのことだ。もっとも、講師の先生方もお忙しく、当日会場に入って別の先生の講義を片耳で聞きながらPCを開いて資料の仕上げをなさっていたりしたから、印刷のために資料の事前提出をお願いしても間に合わなかったかもしれないが。さて、フォーラム参加のお礼も兼ねて何社かの事業者さんや関係企業さんを回っているが、講義自体もさることながら、フォーラムを開催したことは次の2点で効果的だったようだ。まず、全国の高速路線バス事業者が、国土交通省のご担当から直接、「新高速バス」制度の詳細について説明を聞くことができた点だ。繰り返すが、今回の「あり方検討会」で決まったこととして、【1】まずは高速路線バスの制度を柔軟にする(それが「新高速バス」制度)。 早くて年内、遅くとも年度内【2】その上で、高速ツアーバス各社を「新高速バス」へ合流 おおむね数年内の2段階のオペレーションが行なわれる。その2つが段階を分けて実施されることを認識していなければ、「新高速バス」などまるで数年先の未来のことのように思われる。しかし、【1】は目先に迫っている。私が何度も顔を真っ赤にしながら説明してもハラに落ちなかったのが、国交省から直接話を聞いてみなさんご納得なさったようだ。もう一つが、既に新制度を念頭に戦略立案に入っている事業者がある、という事実も含め、全国の高速路線バス事業者の担当者どうしが情報交換を行ない、人的なネットワークを構築することができた、という点だ。共同運行先どうしながらフォーラムで初めて顔を合わせた例も少なくないらしい、というのは笑い話として聞いておくとして、何組かに分かれた二次会をハシゴしてみると、メンバーが意外な地域の取り合わせで、でもたしかにこの人たちどうしは個人的に話が合いそうだなあ、と妙に納得したりして。いずれにせよ、私が個別にご説明し、いくらお尻を叩いても動き出さなかった老舗の高速路線バス事業者さん達も、何かしないと、という気持ちになったことは実感できる。高速ツアーバスが、単に低価格だけで成長し自分たちの顧客を奪ったとか、制度論を戦わせれば行政が規制してくれるのではないか、とかいう従来の感覚が、実は現実と大きく違っていたことは、よく伝わったようだ。また、その一方で自分たちのがんばりしだいでは高速バス事業にはまだまだ大きな可能性が秘められていることも。そしてそのために、「新高速バス」制度に盛り込まれた柔軟性が非常に大きな意味を持ってくることも。さらに、予約サイトの役割についても一気に理解が進んだようだ。これまで、楽天トラベル、高速バスドットコムなどの予約サイトに対し既存の高速路線バス事業者がポジティブでなかった理由として、「ツアーバス陣営」という思い込みとともに、発車オーライネットやハイウェイバスドットコムなど自社予約エンジンとの区別がはっきりとついていなかった点が挙げられる。私自身、楽天勤務時代、高速路線バス事業者に営業に伺って、<インターネットならウチもやってるよ>という言葉を何度聞かされたことか。楽天は、発車オーライネットを運営する工房などの競合先、という勘違いに何度であったことか。しかしようやく、それぞれの役割の明確な違いを多くの事業者にご認識いただけたようだ。もっとも、楽天の山中マネジャーの講義をはじめ、高速バスドットコム、じゃらんネットのプレゼンも、それぞれの担当者の人柄が表に出ており、それが効果的だったのかもしれない。インターネット企業というと、既存の路線バス事業者にとっては言葉の通じない宇宙人のように感じておられたかもしれないが、思ったよりコツコツと地道な仕事に、しかし大きな夢を追って取り組んでいることがよく伝わる3者の講義、プレゼンであった。ちょうど、「あり方検討会」再開、日本バス協会高速バス委員会、同全国バス事業者大会とイベントが続き、また前述のように報道が相次ぐ時期にフォーラムを開催できたことで、今まさに高速バスの歴史の大きな節目の只中にいることを実感している。おそらくフォーラム参加の事業者の皆様も同じ気持ちだろう。繰り返すが、高速バスは、鉄道や航空といった他の輸送モードに対し挑戦者の立場にあり、謙虚な姿勢を忘れず市場(既にご利用いただいている乗客、ならびにまだご利用いただいていない潜在的乗客)の声に耳を澄ますことができればさえ、必ず成長することができる。もう、「既存」も「新規」も関係ない。「路線」も「ツアー」も区別はなくなる。皆で切磋琢磨し、合従連衡しながら市場を拡大させていく。まさに今、「高速バス・ビッグバン」が始まろうとしているのだ。
2011.11.27
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同じく私が連休を取っていた間の動きとして、日本バス協会の全国バス事業者大会があった。前回の大会では一波乱あったようだが、今回は双方とも「現実的」なスピーチで平穏に終わったようだ。もっともウワサによれば、それでもご挨拶の冒頭に、<今回はおとなしく話す>というようなコメントがあったとかなかったとか。さて、11月9日の日本バス協会の高速バス委員会、10日、11日の当社のフォーラム、そして16日の同大会と、高速路線バス事業者の経営者、担当者どうしが話すチャンスが続いた。惜しむらくは、目の前に迫っている「新高速バス」制度に向けた省令改正について、未だ細かい内容が事業者に届いていないことだ。逆に高速ツアーバス連絡協議会ではこれまで数度、会員を集め詳細を行政から直接説明していただいているにもかかわらず。その結果、高速路線バス事業者における「新高速」の捉え方は、事業者、または個人によってかなりバラバラなようだ。まず多くの方々は、「新高速」などまだまだ先の話だろう、と感じておられるようだ。この話は、高速路線バスと高速ツアーバスの一本化を目指すものであり、では高速ツアーバス全社が「新高速」に移行が完了するまでには相当な時間がかかるだろうと踏んでいて、だから「まだ先」という捉え方だ。しかし、「あり方検討会」中間報告書にある通り、まずは年内(ちょっと遅れて「年度内」になりそうだが)をメドに省令改正を行ない、その上でツアー各社の移行を行なうという段取りなのだ。だから省令改正自体は目前に迫っている。一方、当社のクライアントや、フォーラム参加の事業者さん達はそのことを認識して下さっているはずだ。「一本化」という言葉についても、相反する捉え方があるようだ。その一つは、「高速ツアーバスの事実上の禁止」という言葉から、現在のツアー各社が事業を継続できなくなる、というものだ。しかし今回の制度改正は、ツアー各社が、安全面でのハードルを上げながらもきちんと事業を継続できるよう様々な配慮がなされている。高速ツアーバスというモデルが事実上禁止されることと、ウィラーやオリオンが廃業するということは意味が違う。逆に、<いざ同じ土俵に乗っかってしまえば、ツアー各社に手も足も出ないんじゃないか>と悲観する事業者も多い。たしかに、ウェブマーケティング活用やメディア受けする新商品開発などツアー各社が先行する面は多い。コスト構造も違う。しかし、既存の高速路線バスが圧倒的な強みを持つ面も多い。少なくとも、高速バス市場の「本丸」である多頻度昼行区間において、急激に競争が始まり逆転が起こるとは考えられない。それらの状況を冷静に見極め、より自由度が増す制度のもとでどのような戦略に基づき事業を運営していくのか。先延ばしにしている余裕はもうない。ところで、昨日ちょっと触れた前田大臣の記者会見、本日付の『東京交通新聞』で詳細が紹介されている。高速ツアーバスは、<「現実には非常に便利に利用されており、特に若い利用者が多いと聞いている。『バス事業のあり方検討会』で(駅ターミナル停留所の確保など)何とか早く現実的な対応策を出してほしい」と述べ、ツアーバスの運行に好意的な反応を示した>ここでも「現実的な対応」という言葉が出てくる。昨日は、利用者など一般の人たちから見た「現実的な対応」という言葉の意味を説明したが、本日はちょっと違う話をしたい。それは、「業界」として、「あり方検討会」の結果をどう受け入れるかという点だ。いま同検討会で論点として残っているのは、「高速ツアーバスを、法的に明確に禁止すべきか」という点だ。しかし「現実」をよく見て欲しい。行政は、<現在の法律の理念に照らし合わせて高速ツアーバスは違法ではない>という言葉を繰り返して説明している。つまり、本当に高速ツアーバス(募集型企画旅行による二地点間輸送)を法的に禁止しようとすれば法律改正が必要で、時間も手間もかかる上に最後は国会の判断ということになる、という説明しているのだ。現在の法律がいいか悪いかは別として、それを変えようというのは、<時間もかかるし手間もかかるし、また絶対にそうなるという確証もない>ので、この場では約束できない、というのが行政の「立場」だ。私自身は、繰り返すが、新しい事業モデルの構築も重要なイノベーションであり、制度によって規制すべきではないという考えだが、そう言い張っていても何も変わらないという「現実」がある。だからこそ高速ツアーバスモデルの「事実上禁止」という考え方を受け入れ、法改正しなくても「事実上禁止」を実現する実務面でのアイデアを提供するとともに、高速ツアーバス連絡協議会会員に対しては村瀬会長と一緒に「事実上禁止」と説明を続けた。会員各社も意図や背景をよく理解し、「新高速」移行への準備を着々と進めている。おそらく「既存組」各社にすれば、そのようにツアー各社が移行に前向きなこと自体、不気味な印象を与えるのかもしれないが、この機を逃せば、「事実上禁止」さえ実現が覚束なくなる。「一本化」は、そもそも「既存組」各社の強い希望だったはずだ。そしてその希望を実現するためには、上記、行政の「立場」を無視するわけにはいかない。その立場をよく慮らなければ、通る希望も通らなくなってしまう。大切なことは、今回生まれる「新高速バス」制度は、「既存組」「(高速ツアーバスからの)移行組」双方にとって大きな未来を与えてくれるということだ。ただし、現実をよく理解し、自らの強み弱みを冷静に把握し、適切な戦略を選んだ事業者だけが、その未来を実現できるわけだが。
2011.11.21
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フォーラムが終わって休みを取ったのだが、その間にもいくつか動きがあった。まず18日付の『東京新聞』夕刊に「停留所なし 悩みの路駐 高速ツアーバス急増で深刻化」と報じられた。しかも1面トップ。「柔軟な価格設定やインターネットによる宣伝効果」により高速ツアーバスが急成長し、主に新宿駅西口に高速ツアーバスの路上駐車が目立つ状況がレポートされている。ただし、この記事の主題は路上駐車そのものではない。<高速バスといえば、かつては「乗り合いバス(路線バス)」だけだった。それが2000年以降の規制緩和をきっかけに、ツアーバスが続々と参入>しているが、<しかし、乗り合いバスと異なり、ツアーバスは道交法などで公道への停留所の設置が認められていない>ことが問題だとしているのだ。そして国交省も「バス事業のあり方検討会」を通してその問題を取り除く準備をしており、<国交省の担当者は「すべてのツアーバスを主催する業者に新制度への移行を促し、路上駐停車をなくしていきたい」としている>。本記事は、これまでこの問題のことを知らなかった幅広い層にインパクトがあったようだ。さっそく前田国土交通大臣の記者会見でも取り上げられ、「あり方検討会」に対し、<現実に即した対応策を示してほしい>というコメントが出されたようだ。それにテレビ局が何局か対応した。既に放送されたのは18日のFNN(フジテレ=関西テレビ系)『スーパーニュース』だ。私も電話でご取材に対応し、コメントを紹介いただいた。当初はニッチ商品に過ぎず、また2001年当時には法的にもグレーな存在だった高速ツアーバスだが、2002年の改正道路運送法施行(乗合バスの需給調整撤廃)に伴い、募集型企画旅行(主催旅行)形式による二地点間輸送を禁止する通達(いわゆる「昭和61年通達」。銀嶺バス等の札幌~稚内の会員制バスに端を発する騒ぎの結果、発出された)が廃止され、さらに06年には事務連絡、07年には通達上で明確に容認された。今日、高速ツアーバス業態にとって法的な面での課題は「法令遵守意識の低い貸切バス事業者への委託」と「集合場所における車両、利用者の輻輳」の二点である。そのうち前者は個別各社の意識や努力で改善すべきことだが、後者は業態そのものが内在する課題である。したがって、この問題をテーマにご取材を受ける際には正直言って緊張する(ふだんは「既存組」の高速路線バス各社に対するコンサルティング事業を行なっている私も、このような時だけは高速ツアーバス連絡協議会の渉外担当顧問という立場に変わる…)。全身全霊を傾けてご質問に耳を澄ませ、無用に事を荒立てないよう、しかし質問者の疑問を解きほぐすよう、慎重に言葉を選んで回答する。専門誌・紙の記者さん達なら気心も知れているが、テレビ局、全国紙だと初めて話す相手も多く、この問題に対しどのような主張をお持ちなのかもわからないのでなおさらだ。さらに社会に対する影響力も大きい。結果、『スーパーニュース』では、「バスに乗るのにバス停なし? 大量路駐の意外なワケ」などという風に、上記『東京新聞』同様、公共のものであるバス停が、なぜか一部の会社には与えられていない、という論調で報じていただけたので内心ほっとしたところだ。VTRを踏まえ安藤優子キャスターも、高速路線バスと高速ツアーバスの違いについて比較したうえで「あり方検討会」に触れ、「現実に即して対応すべき」と締めくくってくれた。なお、ここで言う「現実」とは、単純に、<高速ツアーバスも、現実には路線バスとほぼ同じ事業を提供しており、だからバス停を与えられるべきだ>というものだろう。VTR中の利用者のインタビューでもそのようなものがあった。もっとも、だから高速ツアーバスにもバス停を与えるべきだ、などと主張すれば、高速路線バス事業者にとっては「盗人猛々しい」「居座り強盗」と反発するだろう。独自のバス停を持つことこそ路線バス事業者の証であり誇りであり、自分たちは何十年にもわたって、そのバス停を維持するために多大な努力を重ねてきた。逆に言うと、路線バス事業者でもない高速ツアーバス各社がバス停を持てるはずもないのは、「業界のオキテ」から言えば当然だ。気持ちはよくわかる。一方で、「既得権益者」だと非難されるリスクがあることもまた、高速路線バス関係者は認識しておかなければならないことは、上記2件の報道を見ても理解できるだろう。諸先進国では高速(都市間)バス事業は完全に自由化されている事例が多い。それどころか、アファーマティブアクションとして、事業者自身が所有運営する高速バスターミナルにも、一定の比率で新規参入者を受け入れないといけないと決まっている例さえあるようだ(現在、この件を研究中の研究者の方々が近いうちに成果をまとめて発表なさるだろう。その際には本ブログでもご紹介する)。あまりに「バス停の権利」に固執しすぎるのは、既存の路線バス事業者にとって得なことはあまりない。もっとも、高速バス事業が完全自由化されている諸先進国では、引き換えに平場(地域)の路線バス事業においては、我が国よりも何倍も自治体(多くの場合は広域連合)が事業運営に関与し、公的な資金が多く投入されている。バス事業者(に限らず、我が国の企業全般)の経営環境が大きく変化する中、内部補助による地域公共交通ネットワークの維持など現実的ではないし、高速バス事業における権益を維持したところで路線バス事業者の経営が安泰などとは到底言えない。今日、高速バス事業のあり方を巡って起こっている議論は、その意味で、その渦中にいる私自身が考えている以上に、今後の我が国のバス、公共交通のあり方に大きな意味を持つのかも知れない。
2011.11.20
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昨日朝の『東京交通新聞』に続き、昨日の夜に更新された『Travel Journal Gateway』でも、フォーラムの様子を『制度改革で大都市間輸送に潜在需要 高速バス、バス停確保の利点も』とご紹介いただいた。抜粋すると、<成定代表は、「地方在住者が大都市へ向かう際の高速バスの利用は、大都市在住者の利用の3倍に上る」と指摘。それに比べて、大都市間移動輸送や都市在住者への販売力はまだ弱いとの認識を示した。規制改革により乗合バス事業者もレベニューコントロールや豊富な商品提供を実施できるようになるため、競争激化と捉えられる一方で、価格差・グレード差を打ち出しやすく事前予約の見込める長距離路線が販売しやすいという>。もちろんその先に、いつかは多頻度昼行区間においても激しい競争が発生することは間違いない。「既存組」の高速路線バス各社には、そうなる前に真剣にマーケティングに取り組み、いまだ潜在的市場として残ってしまっている顧客群の掘り起こしに努めてほしい。具体的に路線名を挙げることは控えるが、高速ツアーバスが新規参入した際に初動を誤り、皆にとって厳しい状況になっている区間もある。高速ツアーバス出現時の、<どうせ質の低いヤツら>という蔑視から来る無視。または制度面での締め付けや各種嫌がらせ行為。その次に彼らが一定程度の成長を遂げると、<ヤツらは安いから伸びるんだ。われわれも運賃を下げよう>と徹底的な価格マッチング。しかしその際に忘れられていることが二つある。一つは、それでもまだ「既存組」の高速路線バスは十分な商品力を持つこと。それは「安全」とか「伝統」とかいう目に見えない差だけではない。特にこれから競争が激化する多頻度昼行区間においては、圧倒的なフリークエンシーと、それと裏表の関係にある乗客の習慣的利用。「いつものバス」という存在の大きさを忘れてはいないか。そしてもう一つは単純な話。こっちが値下げすれば相手も値下げしてくる、ということ。私はよく事業者の皆様に対し、レベニューマネジメントの導入などを通して「筋肉質な高速バス」に導くべきと説明をする。要するに収益性を高めよう、という意味だ。しかし「収益性を高める」とは、単純に会社の利益を増やせ(利益率を上げろ)と言っているのではない。事業者(企業)と乗客(消費者)の関係性は一方的なものではない。事業者が無駄を省き、空席を埋め、あるいは繁忙日には高めの運賃を取って収益性を高めるということは、そこから生まれた収益を積極的なプロモーションや多様な新商品の開発に再投資できるということだ。ガラガラの便を走らせることは会社の収益性を下げ、巡り巡って全体的に見ると乗客へのサービス低下につながっていることを意識してほしい。<我々は金儲けのためにバスをやっているのではない>、<乗客が一人でもいれば走るのが我々の使命>という気持ちは十分に理解できるが、それが本当に乗客のベネフィットにつながっているかどうか、もう一度考えてみる意味はあろう。さて、フォーラム終了時にお願いしたアンケートとともに、週が明け、メールや、中には郵便で礼状まで届き始めた。なにぶん初めてのイベント開催ゆえ十分なおもてなしができなかったにも関わらず、温かい言葉をいただけて主催者として感無量である。一部をご紹介すると、<大きな目線での今後の高速バスのあり方を会社として決定していく局面>であり、だからこそ、<本当は経営層に聞かせたい>という意見。その裏側には、<社内全体を巻き込んで意識を高める方法がわからない>という悩みがあるのだろう。事業環境が変化する中で、<今後の高速バスは、強力な「リーダーシップ」が求められると思います>という意見もあった。社内でのリーダーシップだけではない。共同運行会社どうしの関係性はこれから非常に難しい。ずばり、<共同運行会社との関係を、どうお互いに前向きな関係に変えていくか>というのは永遠の課題だろう。これが、イチからビジネスパートナーとして構築した関係ならば大きな問題にならないが、あくまでも「路線権」と「運行」におけるパートナーとして20~30年過ごしてきてしまっただけにやっかいだ。ウェブマーケティングの重要性については多くの方が再認識くださったようだ。<楽天・山中氏のようなWEBの話は今まで聞いたこともなかったが、明らかに自分に欠けているものが認識できた>、<WEB戦略と価格戦略をする上で人材の育成とその為の組織が必要>といったコメントが続く。<システム管理とウェブマーケティング(システムの知識と、物を売る、サービス向上などの観点)を両立できる人材>というコメントは本質をついている。必ずしもバス業界だけの課題ではないだろう。面白かったのは、<高速ツアーバス会社の人も講師に呼んでほしい>というコメントがいくつかあったことだ。今回はリスキー?かなと思ってやめたが、次回は十分に候補になる。いずれにせよ多くの方は、これからの時代の困難さと、一方で未来の大きさの両方をあらためて実感いただけたようだ。<ばく然とですが、悩みは莫大です>と書きつつも、<乗合事業者のアドバンテージをどう活かしていくか検討しなければならない>、<これから大変かも知れないが、少しは光が見えた気がしました>。<終了時の、参加者の方々の晴れ晴れとした表情がとても印象的>というご感想は、当事者に当たる事業者ではなく第三者である車両部品メーカーの方のものだけに真実だろう。ある事業者から届いた、<次は成定さんを「あっ」と言わせるような企画の仕事をしていきたい>というメッセージは、何度も読み返した。ここ数か月の準備、運営の疲れが飛んでいくようだ。あらためて、不十分な点があったことをお詫びしつつ、多くの皆様からの応援のメッセージをせいいっぱい受け止め、引き続き高速バスの「次」を探し出す役割を全うしていきたい。【お知らせ】明日16日(木)から20日(日)まで遅い夏休みを取ります。国内にはいますのでメール、携帯電話は通じますが、会社の電話、FAXには対応できませんのでご了承ください。
2011.11.15
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さっそく、本日付の『東京交通新聞』に、「高速バス・マネジメント・フォーラム2011」について、『路線事業者が戦略学ぶ 新高速バスセミナーに80人』と写真入りで報じていただいた。1面にも『「新高速バス」原案を提示 あり方検討会再開し議論 国交省』として、「新高速バス」制度の内容も紹介している。上記リンク先から、1面は「立ち読み」可能。3面のフォーラムの記事はクレジット決済で500円支払えば購読することができる。フォーラムの記事では、私のコメントや講演内容とともに、国交省の谷口バス産業活性化対策室長の講演内容として、<需要動向に応じた的確な供給量管理と価格管理が必要だ。そのためにはマーケティングの情報収集と分析、航空会社やホテルのノウハウが高速バスにも適用される時代だ>、<自社の強みを生かし、現在の共同運行の枠を超えたアウトソーシングやパートナー選びに工夫を凝らしてほしい>と紹介されている。もしかしたら、谷口室長のご講演、ならびにその後に続いた私も含め述べ14人に上る講師の話の内容に、ただただ驚いた参加者の方もいらっしゃったかもしれない。実は、フォーラム終了後、参加者の皆様にご記入いただいたアンケートの中に、<ツアーバスの言い分を聞いてやろうという気持ちで参加したが>という書き出しで始まるコメントがあった。私個人と面識がある高速路線バス事業者の皆様は、私が決して「高速ツアーバス側」(まあ、そういう概念があれば、だが)の人間ではないことはご存じだろう。しかし全国全ての高速路線バス事業者に挨拶に伺えているわけではない。今回のフォーラムは、全国の路線バス事業者とお付き合いの深い関係業界数社の皆様に告知のお手伝いをいただいたほか、『バスラマ・インターナショナル』『日本バス協会の会員向けメールマガジン』『バス経営情報』などでもご紹介いただいたから、おそらく上記コメントの主は、これまで私と面識がなく、そのような紹介や媒体で本フォーラムのことをお知りになった方に違いない。もちろんそのコメントは、<われわれ路線バス事業者は様々なしがらみの中で事業をしていて、逆に言うと取り組めていないことが多々あることがわかりました>と続く。これまでの高速路線バスの事業のあり方が悪かったわけではない。私はそれを否定しない。しかし、2002年を境に道路運送法の理念が180度変わったこと、またそうなった社会的背景、およびウェブの普及により消費者の購買行動プロセスが大きく変化したことを考慮すれば、高速バス事業のあり方もまた、大きく変化しなければならない。今回のフォーラムでは、多くの先生方のお力をお借りしてそのことをご説明し、上記コメント主(無記名アンケートなのでどの事業者かはわからない)にご理解いただけたことは非常に嬉しい。なお、『東京交通新聞』の、1面の方(あり方検討会について)の記事では1点、事実と異なる点があるので追記しておく。記事の最後のパラグラフで、<運行系統200キロ以上を対象とする国交省案に対し、この日の検討会で「300キロ」や「200キロ未満」を求める声が相次ぎ、まとまらなかった>とあるが、議論されたのは「新高速バス」制度のうち、「需要波動対応型管理受委託」の対象を何キロ以上の系統とするかであって、「新高速バス」制度自体の対象は系統長50キロ以上で既に決定している。単なるミスだと信じたい。実はこの件、ある意味で本質的な話だ。9日(水)午前に開かれた検討会で、200キロ以上のみ管理受委託の規制緩和の対象とするという国交省の原案に対し、ある委員の方が「300キロ以上」を主張なさったのだ。それに対し私が、<私は本日、本来的には高速ツアーバス各社の代弁をする立場で出席しているが、この件については高速路線バスの立場で意見を述べたい>と前置きしたうえで、「200キロ未満も対象」とするよう主張した。実は100でも200でも300でも、高速ツアーバス側にはほとんど影響がない。一方、例えば新宿~富士五湖、箱根といった、200または300キロ未満ながら、夏と冬、週末と平日で需要の波動が大きい路線は存在する。高速路線バス各社にとって、その種の路線で「需要波動対応型管理受委託」が活用できないようにしてほしいと主張するのは、自らの両手を縛るようなものだ。おそらく、かの委員は、管理受委託の縛りを強くすれば、多頻度昼行区間への新規参入を阻止できるとお考えになったのだろう。だが、新規参入の障害は他にあり、管理受委託の縛りは新規参入リスクの大小と関係ない。むしろ、既存各社は事業の自由度が上がらず苦労するだけである。証拠に、翌10日の当社のフォーラムで、国交省の谷口室長が講演中に「150、200、300キロのうち何キロがいいと思うか」と参加者に挙手を求めたとき、ざっと9割以上の参加者が「150キロ」に手を挙げたのだ。全国の路線バス事業者の経営者、担当者が、である。制度の詳細を理解せず、実際の事業にあてはめた場合のメリットデメリットを精査せず、「規制緩和=自分たちの権益が侵される」という感覚的な思い込みで制度を自らに不利に誘導するというのは理解できない。まさに「新高速お化け」だ。今回、谷口氏の方から事業者の生の声を求めてくれたからよかったが、そうでなかったら路線バス事業者にはメリットがない制度になっていたことだろう。それで5年、10年後に、「既存組」路線バス事業者から、<新制度のおかげで高速バスが衰退した>と泣き言を言うのは絶対に許せない。もしそんな声が事業者から出たら、その責任が誰にあるかを、私は説明することになろう。いずれにせよ、制度の詳細が検討会で発表された翌日にフォーラムを開催できたことは意義があった。今週の、日本バス協会の全国バス事業者大会でも同じ内容が披露されることだろう。この制度は、ウィラーらの新規参入者にも大きな未来をもたらすが、既存事業者にとっても同じ大きさの未来を提供するものだ。「ツアーバス憎し」ではなく、高速バス事業全体の成長を導くべく、「チャンス」と捉える事業者が多いことを期待している。
2011.11.14
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昨日そして本日、「高速ツアーバス・マネジメント・フォーラム2011」を開催いたしました。ご招待を含めますと80人を超える皆様にお集まりいただきました。全国からお集まりいただきました参加者の皆様、ならびに講師やご協力企業の皆様方など、本当にありがとうございました。この場を借りて心よりお礼を申し上げます。また、私の準備不足によりご無礼、不手際も多々あったかと思いますが、初めてのことゆえ、また今後の可能性の大きさとご理解いただきお許しいただければ幸いです。マーケティング、特にウェブを使っての集客、インバウンド(FIT)の集客やレベニューマネジメントに加え、車両(保安基準の改正)、財務、そして「さわり」だけでしたが公共交通の再生と、幅広い分野について専門の先生方からお話しいただきました。国土交通省自動車局旅客課からは、間近に迫った「新高速バス」制度の詳細についてわかりやすくご説明いただきました。少し欲張りすぎて、各テーマごとにかけられる時間が足りず、深堀りが不足していたかもしれません。また、高速ツアーバス各社が「新高速バス」制度のもとで乗合許可に移行することに伴い、現在は高速ツアーバス各社にサービスを提供している基幹システム、自社予約エンジン、高速バス予約サイトの各業者さんは、結果として自動的に高速路線バスを対象に事業を行なうことになるのは明白なことから、今のうちに「既存組」の高速路線バス各社に意欲を示しておきたいというニーズがあったことから、各社の取り組み姿勢などご説明いただきました。ごく一部の例外を除くと、参加者は全国の「既存組」の高速路線バス事業者でした。社長、役員クラスがご多忙のなかお越しいただいた事業者もありますし、係長や一般職の若手ホープが参加くださった事業者もあります。多くは、部長や課長クラスでした。懇親会(もちろん二次会も)も、私が予想していた以上に盛り上がりました。やはり、事業者の担当者どうし、地域を越えて同じ問題課題を抱えており、「ヨコのつながり」を作ることの大切さをあらためて実感しました。懇親会では、ある事業者さんに中締めのご挨拶をお願いしました。私としては、その方にお願いしたのは別の理由でしたが、よく考えると高速ツアーバスの影響を大きく受けている事業者さんでした。<自分たちは、全国的に見てもかなり初期からツアーバスの影響を受けてきました。それに対して自分たちなりに対策してきたつもりでしたが、いま考えると私たちはツアーバスの背中ばっかり見ていました。本当に見るべき相手は、ツアーバスの背中ではなく、お客様、マーケットの方でした>。懇親会が始まる直前にお願いしたにもかかわらず感動的なスピーチでした。二次会で、その事業者さんや共同運行先が熱くおっしゃっておいででしたが、「ツアーバス問題」に関して本質を見誤り初動を間違えてはならないと、全国の「既存組」の事業者さんに伝えたかったのだということでした。一方、苦しんだ分、今回の「新高速バス」制度導入を機に、正直私は思いつかなかったドラスティックな解決策が皆さんの中に浮かんでいるようでした。この共同運行ペアに限らず、「新高速バス」制度を積極的に活用すべきだという考え方も、全国の路線バス事業者さんに共通の認識になったのではないかと感じています。おかげさまで、ぜひ繰り返し開催してほしいというご希望を多くいただきました。なかには来年頭に予想される「新高速バス」制度制定より前、または直後にもう一度というリクエストもいただきましたが、さすがに私の体力と時間が…。ただ、もっと小さい規模のイベントであれば実現可能かも知れません。じっくり考え、皆様のご希望もより深くお聞きして次のイベントの計画を行なっていきたいと思います。最後になりましたが、全国からお集まりいただきました参加者の皆様と、講師の先生方をはじめご協力いただいた皆様方に重ねてお礼を申し上げます。
2011.11.11
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会社設立後、初の有料イベントとなる「高速バス・マネジメント・フォーラム2011」の開催が間近に迫ってきました。多くの方にご協力いただき、ご招待(ご協力いただいた企業様など)を合わせると全部で70人を超えるお申込みをいただきました。準備はほぼ終えましたので、あとは本番の運営を確実に行なうだけです。私自身も3本のセッションを持ちますし、元ホテル屋ですので、イベントの運営は「昔取った…」というヤツでこだわりもあったりしますし。多くの方にお手伝いいただいたとはいえ、部下も助手もいない会社ですので、ここしばらくは目が回るような忙しさで、本ブログの更新もできなかったほか、年間契約をいただいているご契約先などのお仕事も後回しにしがちになりました。「生きてるか?」とお電話をいただいた某路線バス事業者の課長さんをはじめ、皆様、ご迷惑とご心配をおかけしました。一方、本日付の『東京交通新聞』に報じられている通り、11月9日に「バス事業のあり方検討会」が再開され、その場で、「中間報告書」に書かれた「新高速バス」制度の詳細が発表される予定です。具体的には、「道路運送法施行規則」ならびに「標準運送約款」の改正案、ということになるかと思います。同記事にもある通り、すぐにでもパブリックコメントの募集に入り早ければ年内の制定を目指すとのことです。その「あり方検討会」の翌日が、上記フォーラムです。フォーラムの場では、国土交通省自動車局旅客課のご担当者様から新制度のご説明をいただくことになっていますので、ご参加の皆様には(「検討会」委員である、京成バス小田会長、神姫バス上杉社長、ウィラー村瀬社長らを除くと)業界では誰よりも早く新制度の詳細をお聞きいただけるかと思います。ご参加いただく皆様、当日は12:45ごろから受付開始予定です。早めに着いてもお待ちいただくスペースがありませんので、受付開始に合わせてお越しいただけるようお願いいたします。遠方の方も多くいらっしゃいますが(東京で多くの営業先に訪問して回るため、既に昨日、地元を出発した方もいらっしゃるようですが)お気をつけてお越しいただくよう、心よりお待ちしております。※当初、1卓2人掛けを予定していたのですが、1卓3人掛けに変更しました(3列独立シートの便に4列シート車を持っていくみたいなイメージ?です。ただし座席のスペックそのものには変更ありませんが)。結果として座席に余裕がありますので、追加のお申し込みもお待ちしています。
2011.11.07
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