全15件 (15件中 1-15件目)
1
ずいぶんご無沙汰してしまいました。日記に書くほどの出来事もなかったので1週間ほど書かずにいたんですが、そうこうしているうちにもう3月が、そして2003年度が終わっちゃうんですね。明日からはいよいよ2004年度のスタートです。 今日は新年度にあたっての配布物を受け取りに久々に大学まで行ってきました。待ちに待った講義概要の冊子も本日配布されたので、この後早速新年度の時間割を立てようと思っています。 さて以前も日記に書いたとおり私が卒業論文でお世話になる予定だった近世の先生が他大に行かれることになり、後任の先生はどなたなのかずっと気になっていたのですが、先日ようやく正式に発表になりました。とにかく驚いたとしか言いようがありません。だって新しい先生のご専門は歌舞伎だったのですから。「こんなことってあるんだなぁ…」と呆然としてしまいました。後任の先生がどなたか発表になっていないころ、何の気なしに「今度は歌舞伎の先生が来ないかな~」と言ったこともありましたが、まさか現実になるとは思ってもみませんでした。 というわけで2004年度は今まで一番刺激的な一年になりそうです。明日からまた気持ちも新たに頑張ります!
2004年03月31日
コメント(0)
今日は国立劇場3月歌舞伎「加賀見山旧錦絵」を観劇してきました。国立劇場の前にはちょっとしたお庭があるのですが、ちょうどそこの桜が満開で、それだけでも十分来たかいがありました。本当に見事な桜なんですよ。桜を見ながらお弁当を食べている人もちらほら見かけました。 さて今回の演目「加賀見山旧錦絵」は大奥で繰り広げられる女の争いを描いた作品。【御家横領を企む局岩藤は重用されている中老尾上を憎み、無実の罪を着せて散々に辱める。召使お初の健気な介抱も空しく、恥辱に耐えかねた尾上は自害。お初は岩藤を討ち、主人の遺恨を晴らす。】という物語です。 今回は東京では初めての上方風演出での上演とのことでしたが、私はこの作品を見ること自体初めてでしたので、残念ながらどこか上方風なのかは分かりませんでした。なにはともあれ私なりに感じたことを書こうと思います。 結論から言うとちょっと物足りなかったです。お初が岩藤を討ったのを見てもすっきりしませんでした。観客の中で岩藤への憎しみと尾上への哀れみが増すことによって最後の仇討ちが生きると思うのですが、どうも岩藤と尾上が物足りなくて…。 岩藤は翫雀さん。ところどころにお父様の鴈治郎さんと似たような台詞回しが聞かれました。精一杯演じておられることはよく分かるのですが、一生懸命さばかりがむきだしになっているような印象を受ける場面もありました。一生懸命さに技術が伴えばもっと素晴らしい岩藤になると思います。 尾上は扇雀さん。初めの方の岩藤をやり込める場面では扇雀さんの持ち味が役と合っていて良かったように思います。ただ後半の草履打ち(岩藤が尾上を草履で打ち付ける)の以降はもっともっと憤りや悲しさなどを表現して欲しかったです。「尾上の気持ちはそんなに軽いものではないと思うんだけどな…」と思ってしまいました。 お初は亀治郎さん。この公演で亀治郎さんは優秀賞を受賞されたとのことだったのですが、確かに主要の3役の中では一番良かったと思います。ただ尾上と岩藤の件が不完全燃焼だった分、お初の仇討ちの効果が薄れたのでもったいない気がしました。あとは亀治郎さんのお初は確かに良かったのですが、亀治郎さんにはお初以上の適役があることも確かなので、正直なところ「素晴らしい!!」と感激するほどでもありませんでした。 いろいろ生意気な意見を言ってしまって申し訳ない…。私の感想はこんな感じです。 国立劇場3月歌舞伎を見終わった現在、手元にはチケットが一枚もありません。まだ新年度の時間割が分からないので予定が入れられないんです。何だか寂しいなぁ。とりあえず海老蔵襲名披露公演のチケット取りを頑張ろうっと。
2004年03月25日
コメント(0)
今日は歌舞伎座で「伽羅先代萩」を幕見で観劇。そのあとニューオータニ美術館で開かれている池大雅展を鑑賞してきました。 「伽羅先代萩」はまだ観劇していない母親にお付き合いしての観劇。やはり菊五郎さんの政岡には母親らしさや他の女形さんにはない情があって良かったです。つくづく菊五郎さんが女形を演じる機会が少ないのはもったいないことだなと思いました。 最後に登場する幸四郎さんの仁木弾正は、幕見席の一番後ろに立って観たので、前回3階席で観たとき以上に幸四郎さんのお顔がよく見えました。う~ん…魅力的な悪人だった仁左衛門さん仁木弾正に比べると淡白な感じ。でも面明りや煙の匂いを感じるだけでなんだかワクワクしてしまいました。 歌舞伎座近くの文明堂で歌舞伎談義に花を咲かせた後は池大雅展へ。池大雅(いけのたいが)は1723年生まれの文人画家。それまでは池大雅なんてなんの興味もなかった私がどうしてこの展覧会に行こうと思ったかというと、鳥越皓之さんの著書『花をたずねて吉野山―その歴史とエコロジー』(集英社新書 2003年)という本の中に引用されていた次の文章を読んだからなのです。 大雅堂或る時大阪にあり。人に頼まれて大和屋といふ文字を看板にかきはじめしが、いつしか姿は見えずなりけり。さては何処に行きしぞと人々案じたりしに数日にしてかへり来りぬ。如何にせしと問へば曰く「大和とかきたれば、芳野山の花盛を思ひ出でたれば、花見てきたり」とてやがて「屋」の字を書き加へきといふ。 (山田孝雄『櫻史』より)吉野山の大好きな私は、この文章を読んだとたん池大雅が好きになってしまいました。戻ってきてから「屋」と書いているあたりもなかなかですよね(笑)。 さて鑑賞の感想なのですが、文人画ということで、絵を描くことが本職である人の絵に比べると見劣りがしました。なんだか割り箸ペン(削った割り箸の先に墨をつけて描く)を使って描いたような絵でした。 でも印象的だった作品が一つ。それは今回の展覧会のメインである「洞庭赤壁図巻」です。これは中国の著名な名所を一つの作品の中に描いたもの。しかし当時日本は鎖国中だったので池大雅はもちろん中国に行ったことがありません。そこでそれまでに学び得た中国に関する知識をもとに、あこがれの地・中国を描いたのだそうです。 この作品を見て驚いたのは湖面の部分。池大雅は何度も琵琶湖に通い、水面の動きを見つめた成果をもとに湖面の部分を描いたそうなのですが、確かにこの作品の湖面部分を見ていると琵琶湖の風景が思い起こされるのです。去年ゼミ旅行で琵琶湖へ行ったのですが、そのときに見た湖と絵の中の湖が一緒でした。中国の名所が描かれているはずなのに、比叡山や三井寺・石山寺等がありそうな気がしてきてしまいました。そんな風に思わせる池大雅ってすごいなぁ…と思ったりして。見に行ってよかったです。
2004年03月23日
コメント(0)
今日は中世卒論ゼミの親睦会に行ってきました。私は近世卒論ゼミの所属なのですが、去年中世ゼミを聴講させてもらっていたので、先生が私のことも誘ってくださったんです。ありがたいことです。 場所は四谷のベトナム料理店(この先生は結構変わったお店がお好みらしい…)。ベトナム料理はもちろん初めてで、辛いものが苦手な私はとにかく「辛いものが出ませんように!」とひたすら願っていました。その願いが通じてか、辛いといっても私が食べられる程度の辛さだったので、おいしくいただくことができました。春巻き系統のお料理が「まだあるの!?」と言いたくなるほどどんどん出てきてすごかったです、本当に。春巻きの中には野菜も結構入っていて、なかなかヘルシーでした。デザートはココナッツのアイスクリーム。優しい甘さが心地よかったです。 それにしても中世メンバーに会うのは本当に久しぶりでした。嬉しさのあまり、お酒を飲んでもいないのに酔ってテンションがハイになっている友人と同じくらいのテンションで盛り上がってしまったりして(笑)。楽しかったなぁ。
2004年03月22日
コメント(0)
今日でようやく介護体験が終了。はじめのうちは1日1日がとても長く感じたけれど、後半に入るとあっという間、という感じの5日間でした。 精神障害者の施設ということで始まる前は正直なところ怖さも感じていたのですが、行ってみると皆さんとても素直で純粋な方たちでした。それだけにきっと傷付きやすいのだろうと思います。 職員の方も「なんでも遠慮せずに聞いてください。忙しそうにしている職員でも遠慮せずにつかまえていいですから。」とおっしゃってくださって、とても心強かったです。おかげでたくさんのお話を伺うことができました。教職に就く、就かないに関係なく、とても大きな5日間だったと思います。今は終わったという安心感と、もう行かなくていいんだなという寂しさと、「学校に早く書類を提出しなきゃ!」という焦りが混ざった気持ちです。 そして今日の帰り、前から目をつけていたシュークリームを購入しました。「ビアード・パパの作りたて工房」のシュークリーム。今まで買ったことがなかったんですけど、あれ、すごく美味しいですね!家族で「おいしいおいしい」を連発して食べました。
2004年03月19日
コメント(0)
今日で介護体験3日目。今では1日目にガチガチになっていたのが嘘のようにのびのびと体験させていただいている。最初の内は声をかけるきっかけを探すのに必死だったが、今はなんでもないような話題でさらっと声を掛けられるようになった。施設の利用者の方達も私たち体験生に随分気を許して下さって、利用者の方たちの方から声をかけてもらうということもだんだん珍しくなくなってきた。ただ気を許すあまり担当医に対する不満などを私にぶつけてこられる方がいて困ってしまったりもした。楽しい反面今まで気付かなかったことに色々と考えさせられる毎日である。 早いもので5日間の体験のうち、もう3日間が終わってしまった。あと2日。楽しみながら頑張ろう。 ちなみに最終日の帰りには、施設の最寄駅の構内で売っているシュークリームを買って帰ろうと目論んでいる。
2004年03月17日
コメント(0)
今日は精神障害者訓練施設での介護等体験1日目。ビデオ学習と軽作業を行う。利用者さんとのコミュニケーションをどう取ったらよいものかとしばらくは一人でもじもじしていたが、試しに取り留めのない話題をふってみたところ、案外話に乗ってくれた。今日1日で誰とも話すことができなかったらどうしようと心配していたのだが、少ないながらも何人かの方とお話することができた。 外出している間はそれなりのテンションで乗り切っていたのだが、家に帰ると空気が抜けた風船のように体力的にも精神的にもへなへなになってしまった。でもとりあえず嫌な出来事があって疲れ果ててしまったわけではないので同じ疲れるにしても気分がいい。 2日目の明日はもっと有意義な一日にしたいと思う。
2004年03月15日
コメント(0)
ここ数日日記のネタになるような出来事がなかったので更新をせずにいたのですが、その間にも随分たくさんの方においでいただいたようでどうもありがとうございます。おかげさまでアクセス件数3000も間近です。 ちなみに最近楽天会員以外の方のアクセスがすごく多いんですよ。うれしいながらもちょっと不思議。どんな方が来て下さっているんだろう?というわけでもしよろしければ掲示板に書き込んでいってくださいな。もちろん楽天会員の方も大歓迎です。 さて私は明日から5日間、教職の資格を取るための介護体験に行ってきます。正直今は不安だらけですが、この経験を通してより多くのものを得られるよう頑張ってこようと思います。
2004年03月14日
コメント(2)
今日は国立劇場小劇場で行われた第17期歌舞伎俳優研修・第2期歌舞伎音楽(長唄)研修修了発表会を観に行ってきました。歌舞伎俳優や長唄の唄方になるために国立劇場で2年間にわたって勉強を重ねてきた研修生の卒業発表会で、歌舞伎俳優研修生は歌舞伎・日本舞踊・立廻りを、長唄研修生は長唄の唄・三味線、黒御簾音楽を披露します。今年は歌舞伎俳優研修生は6名、長唄研修生は1人と随分少なめ。多くの助演を得ての公演となりました。 歌舞伎俳優研修生も長唄の研修生も、1回限りの舞台にかける一生懸命さがひしひしと伝わってきてとても好感が持てました。客席もすごく暖かいんです。拍手はもちろんのこと彼らの本名で大向こうを掛けたりとか。発表会というだけあって本公演とは雰囲気が全く違いました。面白かったです。 こうして無事発表会が終わって、7人の修了生の皆さんは今頃きっとほっとされているのでしょうね。やがて修了生の皆さんはそれぞれ師匠に弟子入りして本格的に舞台に立ちはじめることでしょう。彼らの舞台上での活躍を楽しみにしたいと思います。
2004年03月10日
コメント(0)
今日は歌舞伎座3月大歌舞伎の昼の部を観てきました。 1つめは「伽羅先代萩」。簡単に説明すると御家横領の悪事を企む一味と、そうはさせまいとする忠臣達の物語です。今回は毒殺の危険にさらされている若君を一人で守護する乳母・政岡の件が主に上演されました。政岡は菊五郎さん、御家横領を企む仁木弾正は幸四郎さん、仁木弾正の妹・八汐は段四郎さん、栄御前は芝翫さん、忠臣荒獅子男之助は富十郎さん。 菊五郎さんの政岡は母親らしさの感じられる政岡でした。以前玉三郎さんの政岡を観たことがあるのですが、玉三郎さんの政岡は烈女(政岡は自分の息子がなぶり殺しに遭うのを目にしても動じずに、お仕えする若君を守るという女性なのだ。)という言葉が非常にしっくり来る政岡だった半面、母親らしさが感じられないように思いました。その点、菊五郎さんの政岡は、千松(政岡の息子)がなぶり殺しに遭うのを観ると母親としての思いからもう少しでくじけそうになるのだけれど、それでも気を引き締めて若君を守る。この千松がなぶり殺しに遭っている最中の菊五郎さん政岡の演技が素晴らしかったです。観ているこちらの心が動きました。 八汐の段四郎さんは、余裕たっぷりに憎らしい役を演じるので観ていて時々本当に憎らしく思えました。「俊寛」の瀬尾にしてもそうだけれど、段四郎さんの悪役って余裕たっぷりだからすごく憎らしい。つくづく段四郎さんって巧い役者さんなんだなと思いました。今まで憎い憎いと書いてきましたが、段四郎さん八汐は憎い一辺倒でもありませんでした。理屈で攻められて逆ギレしている様子などはどこか滑稽だったし、八汐というのは意外にいろんな側面を持った役なのだなと思いました。 仁木弾正は幸四郎さん。うーん…前回見たときに仁木を演じた仁左衛門さんに軍配が挙げたいと思います。「大石最後の一日」にしてもそうでしたが、幸四郎さんって地味な感じがするんですよね。なんだか仁左衛門さんのほうが魅力的に感じました。ちなみに仁木弾正の登場場面は、スモーク(仁木弾正は妖術を使っていたという設定なので、登場の際にスモークが焚かれる)と面明り(顔を照らす蝋燭)がなんだか懐かしく感じられました。 鼠に化けた仁木弾正を捕える荒獅子男之助は富十郎さん。富十郎さんなりに頑張っているのはよく分かるのですが、何しろ前回の男之助は新之助だったので力強さ・若々しさの面では見劣りがしてしまいました。ほんと、富十郎さんなりには一生懸命だったんだけど。 2つ目は舞踊「藤娘」。松の古木に絡みついた花盛りの藤の前で、娘姿の藤の精が踊る、というもの。藤の精は芝翫さん。ちなみに観始めた最初の内は、先代萩の栄御前(悪人です)が踊ってるとしか思えなくて……(笑)。観ているうちにちゃんと「藤娘」の世界に入っていけましたけど。 芝翫さんの「藤娘」は衣装を替えてきたあとに客席に向かってお辞儀するところがとても可愛いです。芝翫さんの「藤娘」は以前にも観たことがあって、そのときもお辞儀するところが可愛らしかったという感想を持ったのですが、今回もそう思いました。 3つ目は「恋飛脚大和往来―新口村―」。馴染みの遊女・梅川を身請けするために公金に手をつけてしまった忠兵衛は、梅川との逃避行の末故郷の新口村へとやってくる。そこへ偶然通りかかる忠兵衛の父・孫右衛門。孫右衛門の難儀を梅川が助けたのがきっかけで、孫右衛門と忠兵衛は対面を果す。孫右衛門が梅川に養子に出した息子・忠兵衛への思いを語るところが見どころ。孫右衛門・忠兵衛は仁左衛門さん、梅川は雀右衛門さん。 演目が演目だし配役が配役なので結構期待していたのですが、「封印切」(忠兵衛が梅川身請けのために公金に手をつけてしまう場面)などもなくいきなり「新口村」の場面だったので、どうも観ていて気分が乗れませんでした。あとは、歌舞伎の中では孫右衛門と忠兵衛は対面を果すんですが、近松門左衛門の原作(「冥途の飛脚」)では二人は対面しないんです。お互いに会いたいと思いながらも会わず、梅川と孫右衛門もお互いに舅・嫁だと分かっていながらもわざと名乗らず他人として別れていく(忠兵衛たちを見つけたら訴人しなければならないので、わざと他人のふりをしている。)。私はこちらの方が切なくて好きなので、歌舞伎の「新口村」はどうもなぁ…という感じでした。仁左衛門さん、雀右衛門さんは良かったんですけど、話自体が気に入らなかったです。残念。 早々と3月の歌舞伎座は全て観終わってしまいました。下旬に国立劇場の「加賀見山旧錦絵」を観るまではしばし休憩です。
2004年03月08日
コメント(0)
今日は歌舞伎座3月大歌舞伎の夜の部を観てきました。実は幕見で昼の部の「藤娘」と「恋飛脚大和往来」も観てきたのですが、この感想も書くと大変なことになるので今日は夜の部の感想のみ。昼の部は8日にも観に行きますので、感想はそのときにあらためて加工と思っています。 それにしても今月は夜の部が非常に長かった…。歌舞伎座の夜の部は4:30から始まって9:00ごろに終るのが普通なのですが(でもこれでも十分長いと思う)、今回は始まりが4:15で終了が9:30!絶対途中で疲れ果ててしまうだろうと思ったのですが、案外大丈夫でした。それでは感想を。 1つ目の演目は『元禄忠臣蔵―大石最後の一日―』。あらすじは…【吉良家の討ち入りを遂げたあと、大石内蔵助以下16名の赤穂浪士たちは細川家お預かりとなり、幕府からの裁断を待っていた。細川家当主の長子内記は一同と対面。内蔵助に言葉のはなむけを乞う。内蔵助は「人は初一念を忘れるな」との言葉を贈る。 その日の夕刻近く、男装して内蔵助に近付く1人の女性。それはかつて浪士の1人・磯貝十郎左衛門が吉良家探索の折のカムフラージュに縁組をしたおみのだった。彼女は十郎左衛門の本心が単なる方便か本当の恋心だったのかを知りたかったのだ。十郎左衛門に対面したおみのはその懐中に自分の琴の爪が大事にしまわれていることを知り、満足して自害する。同じ頃赤穂浪士の一同に切腹の裁断が下る。上使の情けで、吉良家の家名断絶を知った内蔵助は、今こそ初一念を通した満足に、一同を見送った後、静かに自分の切腹の座へと歩んでいくのだった。】…というもの。大石内蔵助は幸四郎さん、磯貝十郎左衛門は信二郎さん、おみのは孝太郎さん。ちなみに『元禄忠臣蔵』の作者は真山青果。私は真山青果の作品はどうも話がご立派すぎてついていけないことが多いのですが、「大石最後の一日」は比較的好きな作品です。 「大石最後の一日」を観たのはこれで2回目だったのですが、今回はこの場面のキーワード「初一念」「偽りを誠に返す」が前より理解できたように思います。特に「初一念」という言葉は1回目に観た時からすごく印象に残っていました。 感想としては、幸四郎さんの内蔵助はこつこつと実直な、前回見た吉右衛門さんに輝きがあったのに対し、地味目な内蔵助でした。どちらの方がいい、ということではなく、どちらの演じ方もあっていいと思います。ただ、吉良家の家名断絶の知らせを聞いた内蔵助が、その気持ちを「日本晴れ」と表現するのですが、この場面は吉右衛門さんに軍配が上がりました。吉右衛門さんの台詞には観客の想像力をかきたてる力があるように思います。 2つめは『達陀』。東大寺二月堂修二会の行、通称「お水取り」を舞踊化した作品なのですが、今まで観てきた歌舞伎や歌舞伎舞踊とはあまりにもかけはなれていて、どういう展開になるのかまったく想像がつかないという異色の作品でした。一昨年の12月に南座の顔見世で上演された際の舞台写真を観た時、なんとなく「普通の歌舞伎舞踊じゃないな」というのは感じていたのですが、ここまで異色の作品であったとは…。「わけがわからなかった」というのが正直な感想ですが、わけのわからなさが度を越えていたので却って面白かったです(笑)。場面によっては音楽が4拍子だし、大太鼓やシンバル(←多分シンバル)がジャンジャン鳴っているし(ちょっと宝塚っぽかったかも)、かと思えばいきなりお経が聞こえてきたり…。踊りも「…誰が振付けたの!?」と聞きたくなるくらい歌舞伎らしくなくて、ただただ口をぽかんと開けて観てしまいました。一緒に来ていた母親は「わけがわからなくてつまらなかった」と言っていましたが、私は逆にわけのわからなさ加減が面白かったです。 最後は『義経千本桜―木の実・小金吾討死・すし屋―』。仁左衛門さん主演の上方式による上演です。あらすじは…【夫の平維盛を探す旅の途中の若葉の内侍と嫡男六代、供の主馬小金吾武里は下市村の小せんが仕切る茶店で、土地のごろつきで小せんの夫いがみの権太に出会い、金を騙し取られる。(「木の実」)追手から逃れるうち内侍・六代と離れ離れになった小金吾は、竹薮で大勢の敵に囲まれ、敢えない最後を遂げる。そこへ通りかかった鮨屋の弥左衛門は小金吾の首を討ち、家に持ち帰る。(「小金吾討死」)平維盛は弥助と名を変え、旧知の弥左衛門の家に手代奉公。この家の娘お里は弥助に惚れている。そこへ勘当された兄の権太がやってきて母親を騙し金を貰う。権太が金を鮨桶に隠し奥の間へ隠れると、小金吾の首を抱えた弥左衛門が帰宅。弥左衛門も首を鮨桶に隠す。夜も更け、お里と弥助が寝ようとしていると訪ねてきたのは若葉の内侍と六代。初めて弥助の素性を知ったお里は悲しみをこらえて維盛父子を落としてやるが、権太もその跡を追っていく。そこへ維盛詮議の梶原景時がやってくる。ついで権太が維盛の首と若葉の内侍・六代を召し取って連れてくる。梶原は恩賞に頼朝の陣羽織を与えて去る。怒った弥左衛門は権太を刺すが、実は維盛の首と見えたのは小金吾の首、若葉の内侍と六代と見えたのは権太の妻子だった。維盛父子はせめてもの仇討ちと陣羽織を刺すと中から出てきたのは数珠と袈裟。頼朝は維盛を出家させ、命を助ける腹だったのである。権太は息を引き取り、維盛は高野山へと旅立っていく。(すし屋)】…というもの。権太は仁左衛門さん、小せんは秀太郎さん、お里は孝太郎さん、小金吾は愛之助さん、弥左衛門は坂東吉弥さん、若葉の内侍は東蔵さん、維盛は梅玉さん、梶原景時は左團次さん。 まず上方式の特徴ですが、わかりやすいところでは言葉が大阪弁であること。特に権太の台詞は「ああ、大阪弁やねぇ」という感じでした。あとは多くの面において江戸式が洗練されているのに対し、上方式は田舎くさい感じがします。でも上方式は江戸式よりも観客の情に訴えるものがあるように思いました。また江戸式だと洗練されすぎている部分もあるように思うのですが、その点上方式は丁寧で、「ああ、なるほど」と思わせられる場面が何度かありました。江戸式に慣れてしまっていた私にとって上方式の「すし屋」は非常に新鮮で面白かったです。 仁左衛門さんの権太は人間臭さとリアルな死に様が印象的でした。1度仁左衛門さんの権太をテレビで観たとき、あまりにリアルな死に様に思わず引いてしまったのですが、実際の舞台で観るとテレビほどは気になりませんでした。それでもやはり江戸式に慣れている身にとっては強烈なのですが。 小せんは秀太郎さん。秀太郎さんの小せんを観るのは3度目ですが、いつ観てもいいなぁと思います。特に「木の実」の場面で、「お前はなァ、お前はなァ」と意見するところが好きです。いかにも「また始めやがった」(権太の台詞)という雰囲気が出ていて。 お里は孝太郎さん。頑張っているのがよく伝わってくるお里でした。以前観た「俊寛」の千鳥と似た演じ方だったように思います。 小金吾は愛之助さん。演技を作りすぎて憐れさが薄れていたのが残念でした。個人的には新之助さんの小金吾が一番良かったです。 弥左衛門は坂東吉弥さん。やっぱり吉弥さんはいいですねぇ。それにしてもあんなに激しい弥左衛門は初めて観ました。権太が権太なら弥左衛門も弥左衛門だという感じ。最後に権太が死んだ時は頭を抱えて泣き叫んでいました。 非常に長くなってしまいましたが今回はこの辺で。最後まで読んでくださった方、伏して御礼申し上げます(笑)。どうもありがとうございました。
2004年03月05日
コメント(9)
予報では今日は雪が降ると言っていたのに、雪どころか結構いい天気である。 さて今日はこの間一緒に築地まで行った友人から手紙が届いた。封筒を開けてみるとびっしりと書かれた便箋がなんと6枚も!こんなに書いてある手紙なんて久しぶりで、それだけで喜んでしまう。それにしても一体どうしたんだろう?と思ったら彼女は私がこのHPで書いている日記を読んでいるうちに何か書きたくなって、それでこんなにたくさん書いて送ってくれたんだそう。こういうのって本当に嬉しい。 彼女とは高校時代からの友人なのだけれど、彼女は私が忘れていたようなことをよく覚えていて、「ああ、そんなこともあったなぁ」と読んでいて何度も懐かしくなった。また彼女の近況もいろいろ書かれていて、ありきたりだけど「私もがんばらなきゃ」と思ったり。 ちなみに彼女もいわて銀河プラザで私と一緒にパンを買ったのだけれど、彼女もあのパンのおいしさには感動したらしい。一緒に買おうと誘った手前「まずかったらどうしよう」と実は密かに心配していたのだが(泣)、そこまで喜んでもらえたようでよかった、と一安心。明日は金曜日。そして歌舞伎座(東銀座)の夜の部を観に行く予定。なんだか横澤のパンが買いたくなってきたなぁ…。
2004年03月04日
コメント(0)

今日はひなまつり。というわけで我が家で咲いている桃(切り花)の写真を。 桃の花というと私が真っ先に思い出すのはスーパー歌舞伎「新三国志」シリーズ。「新三国志」は1~3まであるのだが、いずれの作品にも桃の花が登場する。1の桃園の契りの場面では桃の花が舞台いっぱいに咲き、2・3では登場人物たちが桃や桃の花びらにそれぞれの思いを託す。 一番度肝を抜かれたのは「新三国志3」の猿之助さん演じる関羽の宙乗り場面。1・2では舞台上だけに降ってきた桃の花びらが、今回は客席にも降ってくるのだ。かなりの枚数が降ってくるので、「すごいな~…」と思いつつも「掃除が大変だろうな~…」と余計なことまで考えてしまう。それにしても私を含め観客たちが頭に桃の花びらを載せたまま大喜びで拍手している様は冷静に見るとちょっと面白い。ちなみに私は桃の花びらが劇場中に降っている様を見て、「きっと“ええじゃないか”ってこんな感じだったんだろうな。」とどうでもいいことを考えてしまった。〔ええじゃないか…1867年7月中旬、三河吉田(豊橋市)に伊勢神宮の御札が降った。ついで名古屋地方にも伊勢神宮などの御札が降ったことから「ええじゃないか」の乱舞が各地に広まった。卑俗猥雑な歌詞にええじゃないかのはやしをつけて踊り歩いたという。〕
2004年03月03日
コメント(0)

この間の日曜日(29日)、母と二人で買い物に出かけたら、「だんご粉」というものが目に留まった。手にとってパッケージに書いてあるだんごの作り方を見てみると案外簡単そう。というわけで「今度作ってみようかしら」と1袋買ってみた。そして今日早速だんごを作ってみることにした。 作り方はいたって簡単。だんご粉にぬるま湯を加えて耳たぶくらいのかたさになるまで練り、丸めてゆでるだけ。粘土遊びと大して変わらないかも。 今回はみたらしだんごを作ることにしたので、だんごを串にさして焦げ目のつくくらいあぶり、たれをかける。たれはしょうゆ、みりん、砂糖、水、片栗粉を混ぜて作るもので、これも結構簡単。見た目はそれなりのみたらしだんごが一応完成した。 さっそく食べてみると…う~ん…市販されているだんごと比べるとだんごに甘みがないし、たれもやけにしょうゆっぽいし…と最初はいまいちなように感じたのだけれど、食べるうちに慣れてきて(笑)そのうち「あ、これ案外いけるかも」という気になってくる。試しに親に食べてもらうとそれなりに好評だった。とりあえず成功したらしい。よかったよかった。今度はかしわ餅でも作ってみたいなぁ。
2004年03月02日
コメント(0)
今日は久々に学校へ。明日から図書館が長期のお休みに入るので、雑誌論文等のコピーに行く。「寒いし天気も良くないし何でこんな日に…。もっと早く行っておけばよかった。」と思ってしまう。今さら言っても仕方ないのだけれど。 あらかじめ作っておいたリストに沿って論文を探してみるのだが、実際に読んでみると「ああ…これは私が知りたいこととは違うわ」というものが結構多い。またいろいろな文献を読んでいくと、次第に「私のやりたいことってなんだっけ…?」と頭がごちゃごちゃになってしまったり。「文献に当たること以上に今の時点で分かっていることの整理をする方が大事かも。」と思いつつ、重たい本を5冊抱えて(←本当に重かった)家に帰った。
2004年03月01日
コメント(0)
全15件 (15件中 1-15件目)
1


![]()