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映画『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』 2021年6月18日(金)公開。 当初は2021年2月5日に公開予定であったが、新型コロナウイルスの感染拡大による影響を受けて同年1月22日に公開延期が発表され、改めて6月18日に公開された。 2019年6月21日に全国公開された前作『ザ・ファブル』の続編として、待望の、そして必然となる新シリーズ、原作ファンからは「一番泣けるエピソード」として知られる"宇津帆編"を映画化。 岡田准一は、今回主演兼ファイトコレオグラファーとして初期段階からアクション作りに参加し、攻めたアクションを披露する。 スタッフ・キャストとともに「日本映画では見たことのない画」をテーマに挑んだ本作。 さらに、俳優陣たちの熱演が生む人間ドラマも深みを増し、物語のクライマックスでは、胸を打つ衝撃のラストが待ち受けている。 ----------------------------------------------------------- ○STORY 最強の殺し屋が挑む究極ミッション! 誰も殺さず、最狂の偽善者から、訳ありの少女を救出せよ。 どんな相手でも6秒以内に仕留める- 伝説の殺し屋"ファブル"。 ある日、ボスから「一年間、誰も殺すな。一般人として"普通"に生きろ」と命じられ、 佐藤アキラという偽名で、相棒・ヨウコと共に一般人のフリして暮らし始める。 猫舌で変わり者のアキラは、今日もバイト先の社長と同僚のミサキと関わりながら<プロの普通>を極めるため奮闘中。 一方この街では、表向きは子供を守るNPO代表だが、裏では緻密な計画で若者を殺す最狂の男・宇津帆が暗躍。 凄腕の殺し屋・鈴木と共に、かつて弟を殺した因縁の敵・ファブルへの復讐に燃えていた。 同じ頃アキラは、4年前のある事件で自分が救えなかった車椅子の少女・ヒナコと偶然再会し、これが後に大騒動へと発展する-! ----------------------------------------------------------- 2021年6月26日(土)、休日の午後に相方と一緒に自宅最寄り駅の隣り駅にある映画館で観てきました。 前作の映画を観てから原作の漫画は全巻読んでいるので、続編の新シリーズが"宇津帆編"と知って期待しておりました。 正直なところ"宇津帆編"が原作漫画の中で一番泣けるエピソードかと聞かれると微妙なところではありますが、ファブルが人間的に成長したエピソードではあるので、ヒットした映画の続編で取り扱うテーマとしては不足なしだと思われます。 そして始まった本編は、いきなり特になんの説明もなくファブルの過去の殺しの依頼に遡り、今回のエピソードに繋がる過去の事件の全容を見せたところで現在が語られる構成となっています。初っ端から派手なアクション満載で手に汗握りますね。 こういった漫画を原作にした実写映画は、大概2作目で原作のストーリーを無駄に改変したうえに余計なキャラクターを追加したりして、興行的に大失敗に終わる作品が大半ですが、今作は原作のストーリーに忠実に描かれている印象ですね。 登場人物の見た目も含めて原作の内容が忠実に再現されており、元々の原作がそこまで盛り上がる話ではないので、逆に映画作品としては盛り上がりに欠けた感があり、前作を未鑑賞だと若干物足りなく感じてしまうかも知れません。 今作は現代社会の闇にスポットを当てており、人間味溢れる人間ドラマも見どころなのですが、やはり一番の見どころはジャニーズだとは思えない主演の岡田准一の神業アクションの数々で、動きが速すぎて何がなんだか理解が追いつかない凄さでした。 岡田くんは前作でもかなり神懸ったアクションを魅せていましたが、後半の大規模戦闘がグダグダな感じで唯一の不満点でした。ですが、今作では全編を通して無駄な動きが一切なく、テンポよく切れ目のない激しいアクションの連続でした。 惜しむらくは、今回のファブルの相手が中ボスレベルの小悪党なので、手下が次々とやられて山中に逃走し、終盤に向かうにつれて派手な撃ち合いもなく、最後はお涙頂戴な展開で地味に終わってしまうところが盛り上がりに欠けた要因ですかね。 原作を忠実に再現したことで地味で盛り上がらないままエンディングを迎えてしまった印象ですが、逆に言えば原作のストーリーに余計な改変を加えずに映像化した英断は評価に値し、スタッフの原作愛に溢れた結果とも言えるのではないでしょうか。 この勢いで"山岡編"も映画化してくれたら最高だな。 日本のジャニーズが生んだアクション俳優岡田准一の手に汗握るアクションは必見ですよ! 殺し屋の映画なので若干グロ映像があったりもしますが、グロ映像に抵抗がなければ是非映画館で観ましょう! それにしてもジャニーズの所属タレントは何者…?
2021/06/28
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映画『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』 2021年6月11日(金)公開。 2018年11月21日、機動戦士ガンダム40周年プロジェクト発表会において、ガンダムシリーズ40周年記念作品および『機動戦士ガンダムUC』以降の宇宙世紀作品を各種メディアで展開する『UC NexT 0100』の第2弾として三部作で制作されることが発表される。 第1作は当初は2020年7月23日に公開予定だったが、新型コロナウイルス感染症の影響で複数回延期され、2021年6月11日に公開された。 キャッチコピーは「その閃光は人類の希望」「シャアの理想とアムロの情熱 2人の意志を継ぐ者」「運命の閃き Ξガンダム」。 原作が『逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン』の続編に当たるのに対し、こちらはアニメ映画『逆襲のシャア』の続編として製作される。 ----------------------------------------------------------- 【STORY】 第二次ネオ・ジオン戦争(シャアの反乱)から12年。 U.C.0105―。地球連邦政府の腐敗は地球の汚染を加速させ、強制的に民間人を宇宙へと連行する非人道的な政策「人狩り」も行っていた。 そんな連邦政府高官を暗殺するという苛烈な行為で抵抗を開始したのが、反地球連邦政府運動「マフティー」だ。 リーダーの名は「マフティー・ナビーユ・エリン」。 その正体は、一年戦争も戦った連邦軍大佐ブライト・ノアの息子「ハサウェイ」であった。 アムロ・レイとシャア・アズナブルの理念と理想、意志を宿した戦士として道を切り拓こうとするハサウェイだが、連邦軍大佐ケネス・スレッグと謎の美少女ギギ・アンダルシアとの出会いがその運命を大きく変えていく。 ----------------------------------------------------------- 2021年6月12日(土)、休日だというのに平日よりも朝早くに起きて自宅最寄り駅の隣り駅にある映画館で相方と一緒に観てきました。 公開日に先駆けて『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』のBlu-rayを購入し、相方と2人で事前に鑑賞して準備万端です。 元々ガンダムシリーズに興味がなかった相方ですが、偶然テレビで放送していたテレビアニメ版『機動戦士ガンダム』の再放送を録画して週末に観ているうちに少しずつ興味を持ち始めたようで、その勢いで『逆襲のシャア』を一緒に観て今回の鑑賞に繋げました。 ちなみに自分は小学生の頃に初代ガンダムの再放送アニメを見てガンプラに夢中になっていた、いわゆるファースト世代で、中学進学とともに部活動で忙しくなり、初代ガンダムのアニメ中盤以降から、Zガンダム、ガンダムZZと未視聴のまま子供時代を過ごしました。 そんな理由から「機動戦士ガンダム」といえば劇場版三部作の知識しかなく、世間一般的な評価からファーストガンダム以外は認めないという意固地な考え方になっていましたが、最近ようやくテレビアニメ版『機動戦士ガンダム』と『機動戦士Zガンダム』の再放送を観る機会に恵まれ、宇宙世紀の最後の結末を観てみたい欲求が湧いてきました。 さて、一口に「ガンダムシリーズ」と言っても、時代背景や対象とする視聴者に向けて様々なバリエーションが存在しており、各バリエーション毎に時代背景や世界観などに違いがあり、単純に「ガンダムシリーズ」と一括りにできないほど多種多様なシリーズが存在します。 その中でも特に人気なのが、宇宙世紀(Universal Century、略はU.C.)を舞台にした作品である「宇宙世紀シリーズ」で、『機動戦士ガンダム』から『機動戦士Zガンダム』『機動戦士ガンダムZZ』『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』と続いていきます。 他にも魅力的な外伝作品が存在するのですが、全てを網羅するととんでもない物量になるので、最低限『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』は鑑賞必須で、可能であれば『劇場版 機動戦士ガンダム』三部作も観ておけば、今作のストーリーの概要を何となく理解できるのではないかと思います。 前置きが長くなりましたが、本作を観た率直な感想としては、実写と見紛うほどの美麗な映像で、起用された声優陣にも違和感がなく、オープニングまでの冒頭15分間の手に汗握る展開から一気にストーリーに惹き込まれ、その勢いのまま最後まで飽きさせない展開が素晴らしく、近年稀に見る良作でした。 序盤から中盤にかけてモビルスーツ同士の戦闘もほとんどなく、一瞬ガンダムシリーズ作品であることを忘れてしまいそうになりますが、無駄なシーンは一切なく、ストーリー展開に中だるみを感じることもなく、気が付けばあっという間にエンディングを迎えていました。 全体的に詳細な状況説明もなく、ガンダムシリーズ特有の専門用語も多いので、初見でストーリーの全容を理解するのは難しいと思われますが、近年見られる何でもかんでも説明口調で済ませようとするやり方に比べれば、徐々に理解が追い付いていく感覚が心地よく、観終わった後にもう一度最初から観たいと思わせる作品でした。 特に今作は三部作構成のうちの導入部となる1作目なので、今後活躍する登場人物の日常生活を描くことで人物像を掘り下げ、今後に繋がる伏線をあちこちに張り巡らせて次回作への期待を膨らませ、最後は派手なモビルスーツ戦で締めて1本の作品としても見応え十分に仕上がっていました。 ちなみに今作に登場するモビルスーツの姿が、歴代のガンダムシリーズにおける人型ロボットとは一線を画した異形なシルエットで、どちらかというとステルス戦闘機に近い姿形と挙動で、見た目よりも実在の兵器を意識したデザインのような印象を受けました。 これまで積み上げてきた子供向けアニメシリーズのイメージから脱却し、かつて子供だった大人達に向けたリアルで現実的な表現で描かれた全く新しいガンダムシリーズが誕生したように感じます。この迫力の映像と音響を是非劇場で体感して欲しいですね。 そして翌日2021年6月13日(日)、製作者のこだわりのコックピット映像の記事を読んで3D映像で体感したいと思い立ち、急遽日曜日の夕方に自宅から電車で30分ほど離れた映画館にMX4D版を観に行きました。結果的には3D映像じゃなくて2D映像だったんですけどね。 余談ですが、MX4Dと聞いて何となく3D映像ありきと考えてしまいがちですが、実際には4Dとは映像部分ではなく、座席が振動したり、風が吹いたり、水飛沫が飛んだり、土煙の匂いがしたり…といったリアルな特殊効果がメインで、MX4D版でも通常通りに2D版と3D版が存在します。 結局のところ今作のMX4D版は2D映像でしたが、むしろ3D映像だと画面がチラついて映像に集中できない欠点もあり、そう考えると過去上映されたMX4D版のアニメ作品で3D映像はあまり使われていなかった気がするので、純粋に綺麗な映像のアニメ作品を楽しむには2D映像が最適解なんだろうと思い直しました。 さてMX4D版で観た感想ですが、これまでに何度もMX4D版の作品を観て来ましたが、過剰な演出では作品本来の内容が頭に入って来ないし、効果が控えめではMX4D版の意味がなくなるし、さじ加減が難しい特殊効果なのですが、今作における4D効果は絶大で、飛行機が離着陸する際の振動や、モビルスーツ同士の市街戦がリアルに感じられて臨場感抜群でした。 原作小説は未読の我々夫婦にとって、三部作の導入部となる今作は凄くイイ滑り出しで第二部以降が今から楽しみなのですが、一部の最後の結末を知っている方からは不幸な結末が待ち受けているだけに本編を観たくないと感じている方もいるようで、なかなか複雑な心境ですね。 最後に待ち受ける結末を悲観して今作を観ないのは本当に勿体ないほど歴代ガンダムシリーズ屈指の美麗で素晴らしい映像作品に仕上がっているので、是非劇場の大きなスクリーンで臨場感あふれる映像と音響に包まれて鑑賞して欲しい作品です。 【追記】 さらに翌週の2021年6月19日(土)、本作は音響へのこだわりが凄いと聞いてDolby-ATMOS版を鑑賞すべく都内某所の映画館に行って来ました。 映画館の予約は前日0時過ぎから開始だったのですが、ちょっとモタモタしてる間に座席がどんどん埋まり、気がつけば前列端っこの席しか空いてない状態でした。評判が良くて映画公開2週目も満員御礼でしたね。 さて肝心のDolby-ATMOSの音響効果ですが、座席が端っこだったからか思った程の迫力は感じられずイマイチでしたが、作品自体は3回観に行こうと思えるほど完璧な出来でした。早く第2部以降が観たいですねえ。楽しみ。
2021/06/14
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映画『ローン・レンジャー』(原題:The Lone Ranger) 2013年8月2日(金)日本公開。 ゴア・ヴァービンスキー監督、ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ配給による2013年公開のアクション・西部劇映画である。 アーミー・ハマーが主人公のローン・レンジャー、ジョニー・デップがその相棒のトントを演じる。 ジョニー・デップと「パイレーツ・オブ・カリビアン」のスタッフが贈る最強のアクション・ムービー。 ----------------------------------------------------------- 【ストーリー】 少年時代に起きた事件のせいで、悪人たちへの復讐に燃えるトントは、瀕死の男ジョンを助ける。 ジョンは兄の死を知り悪人たちとの戦いを決意。 白馬シルバーを従え、マスクをつけた謎のヒーロー"ローン・レンジャー"として、トントと共に巨悪に立ち向かう。 正義と復讐をかけ、キモサベたちがこの世の悪との戦いに挑む! ----------------------------------------------------------- 2021年5月30日(日)、休日の午後に自宅でディズニー作品『ローン・レンジャー』のBlu-ray版を鑑賞しました。 ゲームの影響から西部劇の映画に興味を持ち、面白そうな作品をチェックしてはBlu-rayを購入しているのですが、本作はディズニーの西部劇ということで、どのような作品に仕上がっているのか気になり興味本位で購入を決めました。 原作となる『ローン・レンジャー』は、西部劇を題材としたラジオドラマで人気を博し、そこからコミック、テレビドラマ、劇場映画と派生した作品で、主人公ローン・レンジャーが愛馬シルバーを発進させる時の掛け声「ハイヨー、シルバー!」や、相棒であるインディアンの青年トントの台詞「白人嘘つき。インディアン嘘つかない」、トントが主人公を呼ぶ言葉「キモサベ」などの流行語を生み出しました。 この原作を元に『パイレーツ・オブ・カリビアン』を世に送り出した製作陣が一同に会し、「興行面での成功は間違いなし」と考えられ製作された本作でしたが、製作が難航して製作費が2億2500万ドルにまで膨れ上がり、ようやく公開にこぎつけたものの批評家達にはこき下ろされ、観客達からも敬遠された結果、最終的な興行収入は2億6000万ドル程度となってしまいました。 映画公開後の興行収入は何とか製作費を超えましたが、映画における興行収入は製作費を超えれば黒字というほど単純ではなく、ハリウッドで収益を上げるには製作費の3倍の興行収入が必要とされているため、結果として1億ドル以上の赤字になったと言われています。 ちなみに「西部劇」は、19世紀後半のアメリカ合衆国の西部開拓時代を題材に、当時フロンティアと呼ばれた南北戦争後のアメリカ西部の未開拓地を舞台にした時代劇の総称であり、開拓者魂を持つ白人を主人公にして無法者や先住民のインディアンと対決するという単純明快なストーリーが人気を博し、20世紀前半のアメリカ映画の興隆とともに映画の1つのジャンルとして形成されました。 その後、西部劇がアクション中心の娯楽映画に移行すると、先住民のインディアンは主人公を害する悪役となり、白人開拓者にとっては邪悪と凶暴さの象徴とされましたが、実際には西部開拓の歴史は先住民迫害と虐殺の歴史でもあり、アメリカ史の裏側に隠された血塗られた暗部を白人に都合よく解釈して製作された西部劇は徐々に衰退していきました。 そもそも"インディアン"という呼称自体、コロンブスが北米大陸に到達した際にインドに着いたと勘違いして先住民を"インディアン"と呼んだことが由来とされており、現在の先住民族の総称である"ネイティブ・アメリカン"もインド人を祖先に持つ"インド系アメリカ人"と区別するために人類学者によって作られた造語に過ぎません。 そんな経緯から、この作品が残念な結果に終わった原因を考察すると、長らく成功例がなかった海賊映画をヒットさせた勢いで、衰退した西部劇を現代に蘇らせようと目論んだものの、子供向けとしては残酷な描写が多く、西部劇に慣れ親しんだ大人からは子供騙しと批判され、その前評判の悪さからライト層を取り込めなかったことに起因しているのではないかと思われます。 作品自体は、アメリカ南西部の美しい大自然をバックに、極力CGに頼らないリアルかつ壮大なスケールで繰り広げられる冒険活劇に仕上がっており、西部劇についてある程度精通していれば大自然の風景を眺めるだけでも観る価値のある作品だと思うのですが、逆に考えれば西部劇に興味がなければ冗長で退屈なシーンの連続となり興醒めする要因となってしまいます。 この作品を撮影するために実際に鉄道を走る機関車が3台用意され、広大な土地にフルスケールで線路を敷くなど、舞台セットにもこだわり抜いた作品となっているのですが、残念ながら西部劇に理解のない観客にはそのこだわりも伝わりようがありません。 もう一つの問題が、主人公も相棒も目に見える形では人を撃ち殺さないところで、一般的な西部劇であれば悪人の眉間のど真ん中に銃弾を一発撃ち込んで解決するところですが、これを主人公と相棒にやらせずにピタゴラスイッチのような偶然により間接的に敵を倒し、主人公の手を汚さず潔白なまま問題を解決させるご都合主義な展開が続きます。 またストーリーの構成上、博物館を訪れた少年に年老いたトントが昔話を聞かせるシーンから始まり、トントの回想で本編が進行する構造になっていますが、実際はトントの作り話だったという意味合いの演出なのか、ところどころ前後関係で辻褄が合わないシーンがあり、それがストーリーへの理解を難解にしているようにも感じられます。 それから、映画タイトルからも分かる通り主人公はローン・レンジャーなのですが、ジョニー・デップ演じる相棒トントの活躍が目立ち過ぎて序盤は主人公の見せ場がほとんどなく、終盤30分前から疾走する機関車の上で繰り広げられる手に汗握る圧巻のアクションシーンまで主人公の活躍する場がほとんど見られないことも不満点として挙げられます。 作品の優劣の判断にストーリー全体を通しての流れとスピード感を重視する人達にとっては、序盤から中盤にかけての西部劇特有の中だるみな展開が退屈に感じられ、見どころは終盤30分のアクションシーンだけになってしまうので、総評としては退屈でつまらない作品だと判断されても仕方のないことかも知れません。 ディズニーの西部劇ということで、金に糸目を付けずリアルなセットで西部開拓時代を再現した世界観は最高なのですが、伝統的な西部劇のセオリーに縛られてストーリーが破綻し、さらにテンポも悪くなり、せっかく撮影したシーンをカットできずに無駄に長時間の映像作品に仕上げてしまったのが敗因と言えるのではないでしょうか。 本編は2時間半にも及ぶ長編となっていますが、西部劇に理解があれば広大な大自然の景色は素晴らしく、見どころ満載で中だるみに感じないと思いますし、物語終盤の軽快な主題曲「ウィリアム・テル序曲」に乗せた息もつかせぬ列車アクションシーンは迫力満点なので一見の価値ありです。
2021/06/01
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