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2023年08月13日
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カテゴリ: 戊辰戦争の群臣





箱館政権樹立


12月15日、蝦夷地を平定した旧幕府軍は、箱館政権を樹立。総裁は入れ札(選挙)によって決められ、榎本武揚が総裁となった。榎本は、12月1日に蝦夷地の開拓を求める嘆願書をイギリスおよびフランスの軍艦に託したが、両国公使から嘆願書を受領した右大臣岩倉具視は、12月14日、これを却下した。また、旧幕府軍は、軍事組織を再編成し、来たる新政府軍の攻勢に備えて、江差、松前、鷲ノ木など支配地域の沿岸部に守備隊を配置した。なお、沈没した開陽の乗組員は開拓方となり、開拓奉行となった艦長・澤太郎左衛門とともに室蘭の守備と開拓に充てられている。


なお、旧幕府軍は、軍資金を確保するため、豪商らから御用金を調達したほか、一本木に関所を設け通行税を徴収、さらに貨幣を私鋳したことなどから、箱館住民の評判は良いものではなかった。このため、箱館府にいた村山次郎の下、「遊軍隊」というスパイ組織が作られ、旧幕府軍の市中掛の下役や弁天台場に隊士として潜入した者もいた。



Ø 東海道の小田原以西の諸藩は新政府に対して恭順したため、東征軍の通過当初は戦闘が起きなかった。しかし、林忠崇率いる請西藩兵及び遊撃隊を中核とする旧幕府側武装勢力が房総半島から江戸湾を横断して、閏4月15日に真鶴半島へ上陸した。諸藩の脱走者等も加わってその兵力は約300人に達し、小田原藩や韮山代官に協力を働きかけた。


Ø 新政府軍は林や遊撃隊が彰義隊に呼応して行動することを警戒し、上野戦争直後の旧暦5月18日(1868年7月7日)に小田原藩に対して鎮圧準備を命じた。事態を知った遊撃隊側が箱根関の小田原藩兵・中津藩兵を攻撃すると、小田原藩は一時的に佐幕派に方針転換して遊撃隊を小田原城下に招き入れた。その後、旧暦5月24日に至って小田原藩は新政府側に藩論が戻り、林や遊撃隊らは小田原藩兵の追撃を受けつつ館山などへ海路撤退した。



東北戦争


会津若松の祭典にて列藩同盟旗を掲げる旗手


新政府の会津藩・庄内藩の処遇


文久の改革後、京都守護職および京都所司代として京都の治安を担当していた会津藩藩主・松平容保および桑名藩藩主・松平定敬の兄弟は、京都見廻組および新撰組を用いて尊王攘夷派の弾圧を行い、尊王攘夷派・のちの新政府(薩摩藩・長州藩)から恨みを買っていた。また鳥羽・伏見の戦いにおいて会津藩と桑名藩は旧幕府軍の主力となり、この敗北によって朝敵と認定されていた。


Ø また江戸薩摩藩邸の焼討事件での討伐を担当した庄内藩藩主・酒井忠篤は、新政府によって会津藩への報復と同様の報復がなされることを予期し、以後両藩は連携し新政府に対抗することとなった(会庄同盟)。


奥羽越列藩同盟の成立


慶応4年(1868年)1月17日、鳥羽・伏見の戦いで勝利した新政府は、東北地方の大国である仙台藩の藩主・伊達慶邦に会津藩の追討を命令した。しかし仙台藩は行動しなかった。


Ø 2月25日、庄内藩は使者を新政府に派遣した。新政府は徳川慶喜あるいは会津藩に対する追討軍への参加を要求し旗幟を鮮明にすることを迫ったが、使者は軍への参加を拒絶した。会津藩も嘆願書で天皇への恭順を表明したが、新政府の権威は認めず謝罪もせず武装も解かなかった。これらの行動を会津の天皇への 武装・恭順 なのだと主張する説もある。


Ø 3月22日、新政府への敵対姿勢を続けていた会津藩および庄内藩を討伐する目的で、奥羽鎮撫総督府および新政府軍が仙台に到着した。主要な人物としては総督・九条道孝、副総督・澤為量、参謀・醍醐忠敬、下参謀の世良修蔵(長州藩)と大山綱良(薩摩藩)がいる。3月29日、奥羽鎮撫総督府は、仙台藩・米沢藩をはじめとする東北地方の諸藩に会津藩および庄内藩への追討を命じた。


4月19日、藩主・伊達慶邦が率いる仙台藩の軍勢は会津藩領に入り、戦闘状態になった。一方で仙台藩は3月26日、会津藩に降伏勧告を行い、4月21日、会津藩は仙台藩に降伏した。






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最終更新日  2023年08月13日 07時55分08秒
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