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最近は高校授業料の無償化について石垣市議会が外国人学校も対象とする制度の見直しを要望して政府に意見書を提出したそうな。教育は国の維持や発展にかかわる重大な問題なので、これについて考えることにした。●無償化とは何か無料と支出について考えるという記事でも考えたけれど、無償化と言っても実質的に無料になるわけではない。教師の給料を払わずに強制労働させることはできないので、生徒(の親)が払っていた授業料を国民全員が負担することになる。無償化というより公費化と呼ぶ方が実態に合っている。高校の授業料の無償化では就学支援金の所得制限がなくなって一律11万8800円が支給されるけれど、その財源はどこからくるかというと、財政均衡主義で税を財源ととらえれば住民税の増加とかで直接負担することになるし、国債を財源ととらえればインフレ率の増加とかで間接的に負担することになる。これから子育てをする人の負担は減ることになるけれど、子供がいない人や既に子育てを終えた人に対して他人の子供の教育費を負担させることが正当化されうるのかが問題になる。図書館や公園は公費で整備して国民全員が費用を負担しているけれど子供から老人まで誰でも無条件で使えて費用の負担者と受益者が一致しているので公費で無償にすることを正当化できるけれど、義務教育以降の教育は誰でも受けられるわけではなくて無償化の費用負担者と受益者が一致しない。公立高校や国公立大学の費用は公費で賄っていて、高等教育の質を保つために教師を公務員として雇って公費で校舎を整備するのはわかるけれど、生徒の授業料は教育の質とは関係ないのに公費で負担するのはどうなのという話になる。それに無償化することでサービスの質が悪くなることもあるので、無償だから得するとも限らない。小学校の給食費の無償化は2026年度に実現して中学校へも拡充する予定だけれど、無償化の弊害がわかりやすく出ていて、弁当持参なら親が子供の体格や嗜好に合わせて量や味を調節できるけれど、給食費を無償化して公費で負担するようになったら議会で年間の予算が決まっているので材料費や光熱費が値上がりしても予算を増やせなくて、契約している給食業者は予算内に収めるために給食の量を減らしたり食材の質を下げたりして対応するしかなくなって、給食の量が少なすぎて食育云々以前に栄養がちゃんととれていないという本末転倒な状況になって、倒産する給食業者も出ていて児童も給食業者も不幸になっている。授業料の無償化で私立に進学しやすくなると、お洒落な制服があったり設備が整っていたりする私立のほうが人気になって公立が定員割れして公教育が非効率になるかもしれないし、その一方で営利目的の私立への入学を公金で補助するのは公金の使い方としてはおかしい。●高校の無償化の是非私は高校の無償化には反対である。公費として支出する以上は納得できる公平性が必要だけれど、義務教育の中学校までならまだしも高校への進学は義務ではないし、貧乏で結婚できなくて子供がいない人や既に子育てを終えた人が他人の子供の教育費を強制的に負担させられる筋合いはない。私は外国人や外国人学校を無償化の対象にするのにも反対である。授業料を無償化するにしても生徒がいずれ日本の発展に寄与するものとして日本人全員が費用を負担するのだから、日本に一時的に滞在しているだけでいずれ母国に帰る予定の外国人の教育費用を日本人が負担する筋合いはない。例えばインターナショナルスクールに通う外国人の授業料を無償化したら、インフレや通貨高で生活費が高い国から生活費が安い日本にやってきて卒業したらすぐ母国に帰るみたいな日本の発展に寄与しないフリーライドができてしまう。あるいは日本を仮想敵国として反日教育をしている国が運営するフリースクールの外国人生徒に対して日本人が教育費を出してやるのはナンセンスである。維新の会を中心にして高校の無償化をやりたがっているけれど、国を良くするための政策というより、無償だから得すると思って短絡的に賛成するような層から支持を得るための選挙目的の政策なんじゃないかと思う。●大学の無償化の是非本来は大学は学生を集めるために良い講師を集めてカリキュラムや設備を充実させる必要があるけれど、大学の授業料が無償化されると教育の質が悪くてもとにかく学生の数さえ集めてしまえば入学金で儲けることができるようになってしまう。例えば今後少子化で大学が定員割れするようになると、大量に外国人留学生を入学させて授業料を貰ったあとで学生が授業にでないまま退学しようが失踪しようが知ったこっちゃないというモラルハザードにつながる可能性がある。2001年には酒田短期大学が学生を集めるために定員以上の中国人留学生を入学させて留学生が不法就労していたのが発覚してその後に廃校したけれど、無償化したら同様のことが起きうるし、出稼ぎ目的の外国人が滞在資格を得るための踏み台にされかねない。あるいは生徒が学割目当てに無償でFラン大学に入学して授業に出ないで学割でお特に買い物するやり方の制度のハックもありうる。学生は大学に安くないお金を払うからこそ在籍中にちゃんと勉強しようというモチベーションになるし、卒業後の進路でどれだけリターンを得られるかという将来をちゃんと考えるようになる。単位が足りなくて1年留年したら学費が何十万も余計にかかるとなったら、損しないようにまじめに授業に出るようになる。もし留年しても無料で最長8年在籍できるとなったら単位を落とせないという緊張感がなくなって、勉強もおろそかになりかねない。それにMOOCや公開市民講座が既にあってある程度の無料の講義を受けられるし、知識を得るだけなら図書館で本を読んで学べるのだから、公金を使って大学を無償化する必然性はないと思うので、私は大学の無償化には反対である。全員の学費を無償化するのでなく、給付型奨学金の拡充とかで優秀な人の経済的負担を減らすのがよいだろう。あるいは自衛官か予備自衛官や警察官になることを条件にして防衛大学や国立大学を無償化するとかのほうが政策として効果的だと思う。●大学院の無償化の是非私は高度人材を育成するなら大学院こそ無償化するべきだと思う。大学の授業料を無償化してあまり頭が良くない大勢の人が定員割れして入学しやすくなった大学に行くようになっても研究者として頭角を現してイノベーションを起こしたりするわけではないので公金の使い方としては投資効率が悪いし、それよりは大学で好成績を収めて大学院に行く少数の優秀な人を集中して支援する方が投資効率が良いだろう。「「欧米の大学院で給料をもらっていない理系の学生は一人もいない」。日本で博士学生が減るのが当然な理由」という記事によると、アメリカやヨーロッパの大学院だと修士課程に入ると修士でも博士でも国から給料をもらえる場合が多いそうな。日本だとアルバイトして学費を払って無給で教授の研究の下働きをさせられていて、その後のポスドクの雇用も不安定で、金銭面がボトルネックになって研究に専念できない環境になっている。iPS細胞でノーベル賞を受賞した山中教授の研究チームの雇用でさえ不安定なのは問題で、優秀な教授だけいればいいというわけではなくて優秀な助手も含めて研究をサポートしないと、新しい発見や発明をしたところで後発の外国が大金をつぎ込んで人材を引き抜かれたら追い抜かれてしまいかねないし、それだと日本で頑張って研究したところで先行者メリットがなくなってしまう。基礎研究はすぐに新しい成果や利益につながる成果が出るわけではないので、そういう利益が出にくくて民間がやらない重要な研究こそ国費で支援することが長期的に国力を増やして豊かで幸福な国を作ることにつながると思う。
2025.04.28
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最近はアメリカのトランプ大統領が関税を上げまくって、メキシコとカナダ以外に10%の追加関税をかけたうえに一部の国に上乗せの関税をかけて、世界経済への悪影響が不安視されてダウも日経も大暴落したらトランプが報復をしなかった国への関税は90日停止すると言い出して株価がリバウンド大暴騰したりしているので、関税について考えることにした。●関税とは何か関税とは外国から貨物を輸入する人が納税する義務がある税金である。「関」という漢字が関所や出入口を意味するように、もともとは関所で人や物の出入りを調べて金を払わせていた。鎌倉時代の関所が関銭という通行料を取って寺や神社の建設費用に充てていたそうな。そんで外国と取引をするようになったら、武器や麻薬やテロリストへの援助物資や生態系を乱す動植物とかの輸入してはいけないものもあるし、市場原理に任せて安いものを無制限に輸入したら国内の産業を潰されてしまうので、日本は明治時代に開国したあとにイギリスやアメリカと通商航海条約を締結して関税自主権を回復して輸入貨物や宛先をチェックして関税を取るようになった。貿易の際にどのタイミングで貨物の所有権が輸出者から輸入者に移転するのかはFCAやCIPとかの契約の仕方によって違うけれど、いずれにせよ輸入した人が貨物の所有者なので、輸入した人が関税を払う必要があるわけである。例えばトランプが中国に対して関税率を上げても中国の輸出企業から金をもらえるわけではなくて、アメリカに輸入した企業や消費者がアメリカに対して関税を払うことになる。そうすると商品代金自体は安くても関税がかかるぶん消費者が払う金額は高くなるので、中国製品の価格優位性がなくなって中国製品の売り上げを減らすことができる。中国が台湾を国家として承認する国への嫌がらせで輸入を禁止したように、正当な理由なしに一方的に輸入を禁止すると世界貿易機関(WTO)に提訴されて制裁されることもあるけれど、関税は主権国家として自由に決められるので、好ましくない製品を流通しにくくさせるという点では関税をかけるのは効果的である。関税以外の政策で貿易を制限するものは非関税障壁と呼ばれる。例えば輸入割当制で国ごとの輸入量を規制したり、輸出に補助金を出して有利にしようとしたり、政府調達で安全保障上国産の製品やサービスしか使わないとかが非関税障壁になる。日本の消費税は名目上は社会保障費のために導入されたけれど実質的には輸出企業に輸出還付税をあげて輸出を促進するための税なので、トランプは非関税障壁とみなしているようである。●関税を上げることの問題・輸入した原料や部品のコストが増えるスマホとか服とかのそれ以上加工しない最終製品に関税をかける場合は国内産業の保護ができるけれど、原料や部品にまで関税をかける場合は国内の産業にも問題が起きる。例えば中国産の原料や部品の輸入に高い関税をかけると、アメリカ国内に工場があっても関税の分だけ原材料費が高くなって、コストがかかるぶんだけ商品価格も上がって輸出する際に不利になるし、国内で売るにしても値上がりしたら売上減少につながる。部品工場とかの大手企業の下請けが関税で原材料費が上がった分を価格転嫁できなければ国内の製造業の保護になるどころかかえって負担になって弱体化させることになりかねない。スウェーデンのボルボのアメリカ法人は製造コスト上昇と需要減を見越してトラックや部品を製造している工場の550-800人をリストラするそうな。・報復に関税を上げられるアメリカが中国への関税を34%に上げたことへの報復で中国もアメリカへの関税を34%に上げると言ったら、アメリカはさらに104%に関税を上げて、中国も50%追加して84%まで関税を上げて、アメリカはさら145%に上げて、中国も125%に上げるそうな。どこかの国からの輸入に対して関税を上げて国内産業の優位を得ようとしても、報復に関税を上げられるとその国への輸出が不利になるので、高い関税で国内産業を保護して輸出で自国だけ儲けようと思ってもうまくいかない。アメリカが1930年に世界恐慌への対策として国内産業を保護するためにスムート・ホーリー関税法で関税を上げたときには報復関税で輸出が半分以下に落ち込んで逆に世界恐慌を悪化させることになった。織田信長が関所を撤廃して楽市楽座で税をなくして安土城下に商人を集めて農民の税負担も軽くして領内を発展させたように、税が少ないほうが産業は活性化する。アメリカは安全保障にかかわる食料やエネルギーや武器を自給できるのでトランプは強気の姿勢がとれるのだろうし、中国との取引がなくなっても構わないのだろう。日本だとそもそも食料やエネルギーが自給出来ないので材料を全部国内で調達できる産業はほとんどなくて、自給自足のイメージがある農業でさえ種や肥料や農薬を輸入しているし、飲食店は外国産の安い食材を使っているし、さらに外国産の安い食品の輸入コストも上がったら食料品価格が全体的に値上がりして家計を圧迫することになる。日本だと貿易協定とかで関税を安くすることはあっても関税を上げるデメリットが大きいので報復関税はやらないだろう。・輸出入のリスクが増える輸出入の手続きは複雑である。原材料ごとに細かく税率が決まっているし、国によっても税率が違うし、リスト規制やキャッチオール規制とかで輸出入が禁止されているものもあって輸出入の申告書を税関に提出して許可を貰う必要があって、取引相手国の法律や税率を調べてから商談をしないといけない。取引先の外国企業の与信調査もしないといけないし、売買契約をして輸入代金を払うにしてもいきなり海外送金できないので銀行と相談してコルレス銀行経由で売り手の銀行口座に振り込む必要があるし、契約時から振込時までに為替が大きく変動したら為替差損のリスクもある。コンテナの荷揚げ・荷下ろしや船や飛行機での配送の手配や貨物への保険の手配もしないといけなくて、膨大な手間がかかっている。大手メーカーなら自社に輸出入や法務の部署があるけれど、中小企業が自社で輸出入の手続きをするのは手間がかかりすぎたり取引している銀行が海外送金に対応していなかったりするので、メーカーと買い手の商談を仲介する商社や通関手続きの代行をする通関業者がある。突然コロコロ関税を変えられたら売値や利益率も変わるので商談のやり直しになったり、書類を作り直したり、取引が中止されたりするし、そうなると輸出入を仲介している商社はキャッシュコンバージョンサイクルが長くなって資金繰りのリスクが増える。・密輸が増える関税を高くするほど合法的に輸入する企業が競争で不利になって、違法に密輸して関税を払わない企業が有利になるので、反社会的勢力が資金源を得やすくなって勢力を拡大してしまう。日本は島国のおかげで空港か港を経由しないと輸入できないので密輸しにくいけれど、アメリカは不法移民を介して麻薬を密輸できるし、さらに密輸の手段としてテクノロジーを駆使されてドローンや暗号資産を使われたら取り締まれないんじゃなかろうか。すでにクリップスやブラッズやフロレンシア13とかのストリートギャングが麻薬の売買をしていてフロリダ州でハリケーンの後に海岸に大量のコカインが漂着しているし、さらに移民のギャングもいてベネズエラのギャングのトレン・デ・アラグアが勢力を拡大していて、トランプが238人をCECOT(セコット)というエルサルバドルのテロリスト監禁センターに移送したけれどそれが全員ではないだろうし、すでに推定70万人のベネズエラ移民が不法入国したようなので不法移民の中にギャングも大勢いるだろう。アメリカは不法入国も麻薬も人身売買も取り締まりきれてなくて犯罪だらけなのに密輸を防げるとは思えないし、いくら関税を高くしたところで密輸を防げないのでは意味がないので、関税よりも不法移民やギャングの対策が先である。・産地を変更して関税を安くできてしまうイタリア産のトマトの缶詰として売られているものはたいてい原材料のトマトが中国産で、イタリアの工場で加工して輸出しているけれど、どの国で缶詰にしようが味が変わるわけではないので実質は中国産である。イタリア産の服も中国人移民がトスカーナ州プラートに縫製工場を買収して中国の安い生地を縫製工場に送って中国人移民が縫製しているので実質的に中国産のものがある。実質的に同じ商品でも国によって関税が違うので、外国で加工したほうが関税が安くなったりブランドイメージが良くなったりして競争力があると企業が判断したら直接輸出せずに迂回した輸出ができてしまう。普通の企業は工場の従業員は現地で雇うけれど、中国企業は中国人移民を連れてくるので雇用に寄与しない問題もある。・産業の保護の仕方によっては競争力がなくなる安全保障に関わるものは保護する必要があるだろうけれど、嗜好品は市場原理に任せる方がよい商品が出てくる。例えば日本では牛肉の輸入自由化のときに平凡な零細畜産業者は潰れただろうけれど、その代わりに和牛ブランドを作って肉質等級を決めて高級化した畜産業者は世界的なブランドとして競争力を持った。・消費者の選択肢が減る国産を買えばGDPが増えるから国産を買うべきだと言う政治家の理屈はわかるけれど、消費者にとってはどこが原産国だろうが欲しい商品が手に入るほうがよい。富裕層は関税を気にせずにヨーロッパの高級ブランドとかの欲しいものを買うし、中産階級は国産の粗悪品よりも輸入の高性能な商品のほうがQOLが上がるので外国人は故障しにくくて燃費がよいトヨタ車を買うし、貧困層は発展途上国の服や食品や家電が値上がりすると家計が苦しくなるので貧困層が一番不利益を被る。アメリカに工場ができて貧困層が雇用されて所得が上がれば不利益はなくなるけれど、工場ができるまでに時間がかかるし、新しい工場ほどオートメーション化して人手がいらなくなるので工場で雇われるとも限らない。●トランプの関税政策はうまくいかないと思うトランプの言い分を端的に言うと、貿易赤字は悪だ、アメリカで商売したかったらアメリカに直接投資しろ、アメリカに工場と雇用を作れ、アメリカ人はアメリカ産の製品を買え、外国人はアメリカ産の製品を輸入しろ、外国を金づるにしてアメリカの製造業が復活するぞ、またアメリカが偉大な国になるぞ、笑いが止まらんわはははははは、ということなのだろうけれど、そううまくいかないだろう。既にトヨタやホンダがアメリカの工場で生産していて雇用を生んでいるにもかかわらずアメリカ人が日本車を買っていることに文句を言っているし、日本製鉄がUSスチールを買収(=アメリカへの直接投資)して現地の雇用を維持しようとしているのに「USスチールは日本に渡ってほしくない」と口出しして越権的に潰そうとするし、言動に一貫性がなくて外資が儲けるのが気に入らなくて難癖をつけてくる国に直接投資するのはリスクが大きい。アメリカは巨額訴訟が多いしポリコレ判事の理不尽な判決や人種的偏見に基づいた冤罪も多いので、法務部門が弱い企業がアメリカに進出すると合法的に身ぐるみはがされることになりかねない。外国に工場を作るにしてもどこにでも作れるわけではなくて、水が豊富で、電力が安くて停電が起きにくくて、災害が少なくて、道路や港や空港とかのインフラが整っていてスケジュール通りに部品調達や輸出できて、労働者が科学的教育を受けていて機械を操作できて、労働者が勤勉で時間通りに勤務して工場の稼働率を上げて、人件費が安くて、通貨が安くて、内戦やテロとかの政情不安がなくて、官僚や政治家が賄賂を要求しなくて法律が守られている国が向いている。じゃあアメリカはどうかというと、西部の地下水が50年で枯渇すると予想されていて水不足の懸念があって干ばつが起きてカリフォルニア州では節水が義務化されているし、インフレで原材料費も人件費も高いし、関税がかかるぶん部品調達のコストがかさむし、ドルも高いので輸出には不利だし、大統領が暗殺されそうになったりBLMとかの大規模な暴動が起きたりして政情不安もあるし、アメリカで売る分をアメリカで生産するならまだしも世界に輸出する生産拠点にはしにくい環境である。特にアジア向けに太平洋航路で輸出する場合は東海岸側から輸出するとパナマ運河の通行料がかかるので西海岸側から輸出する方がよいけれど、西海岸側に工場を作ろうにも水不足がネックになりそうである。アメリカのヘッジファンドマネージャーのRay Dalioは「60% of the U.S. population has below a 6th grade reading level. It's tough to be productive(アメリカ人の6割は読解力は小学6年生レベルだから生産力をつけるのはむずい)」と言っていて、現場でのカイゼンが出来なさそうである。Fortuneの「Americans want more U.S. factory jobs─as long as they don't have to work them」という記事だと、もっと多くの人が工場で働いたらアメリカは良くなると考える人が80%いる一方で、自分が工場で働く方がいいと考える人は25%しかいなくて別に工場労働者になりたがっているわけでもなさそうで、アメリカに工場を作ったところで労働者を集められるのかも疑問である。ホームレスや囚人を工場で働かせたりしないと低賃金の工場労働者は集められないんじゃなかろうか。トランプは日本人がアメリカ車を買わないことに文句を言っているけれど、じゃあアメリカの自動車メーカーが日本向けの車を作ってきたのかというと作ってない。アメリカ人はピックアップトラックでスーパーで二週間分の食品の買い出しをしたり冬にクリスマスツリーを買って荷台に積んだりするけれど日本では加工品より生鮮食品を好んでこまめに買い物に行くので中途半端に荷台が広い車の需要がないし、アメリカには西部に乾燥地帯があってオープンカーで快適に走れるのとは違って日本では雨が多くて電線に止まった鳥の糞や街路樹の毛虫も落ちてくるのでオープンカーの需要もないし、アメリカでは舗装されていない荒野が多いので悪路を走れるジープやSUVの開発が得意だけれど日本では基本的に舗装された道路以外は走らなくてアウトドア趣味の人や雪国の人にしかジープやSUVの需要がなくて雪国の人は駐車場は広くても収入が低いので外車は買えないし、通勤用のセダンなら上司の車よりも高い外車に乗ると生意気に思われるので日本車でいいじゃんとなるし、商用のバンやトラックなら故障しやすい外車を買う理由がなくて整備工場での修理や部品の取り寄せがしやすい日本車でいいじゃんとなるし、低収入の人は維持費が安い軽自動車でいいじゃんとなるし、車好きの金持ち用のクーペならGMのシボレー・カマロやシボレー・コルベットやフォードのマスタングが選択肢に入るかもしれないけれど他にもポルシェとかの人気の外車の選択肢が多いし、高齢者は免許を返納して車に乗らなくなるし、若者は車離れをしているので、アメリカ車はほとんどの日本人の選択肢にならないだろう。日本で普通に生活したら車の専門家でなくても日本ではアメリカ車が売れないのがわかる。車以外の乗り物はどうかというと、アメリカかぶれの小金持ちの中高年が趣味でハーレーダビッドソンのバイクを買う人は少なからずいるけれど、これは大型バイクといっても車よりは小さいしハンドルの左右の違いの影響がないからアメリカ車より買いやすいのだろう。アメリカの肥満の人が買い物に使っている電動カートは公道を走れるようにしたら日本の高齢者の免許返納後の移動手段として需要があるかもしれないけれど、そういうマーケティングをしているようでもない。セグウェイも画期的な乗り物として登場したけれど公道を走れないままいつの間にか話題にならなくなって、ループが日常の足として定着したのでもうセグウェイが普段使いの選択肢になる余地はないだろう。要するにアメリカ企業が日本向けのマーケティングをしていなくてアメリカ車に需要や魅力がないから売れないだけで、関税をかけてアメリカで日本車を売れにくくする嫌がらせはできても日本でアメリカ車が売れるようにはならない。車は庶民にとっては家の次に高い買い物なので車を輸出したがるのはわかるけれど、トランプが武器やiPhoneやSNSやスタバやコストコとかの既に日本で売れているアメリカの製品やサービスに目を向けずに小型で燃費がよくて故障しにくい日本車が普及している日本に対して大きくて燃費が悪くて故障しやすいアメリカ車を売ろうとするあたりはビジネスセンスがないし、関税を上げることに関してマスクが反対するのも現役経営者のマスクのほうが企業への影響を理解しているからだろう。●トランプ関税への対抗策・コンテンツや体験を売る物を売る産業は物理的に物を移動させる必要があるので関税の影響を受けるけれど、精神的充足を売るコンテンツ産業はインターネット経由で世界中で商売できる。日本のアニメやゲームを通じて日本に興味を持つ外国人が多くて、それがインバウンドにもつながってアニメの舞台になった場所に行く人が増えて、SNSで紹介された食べ物や商品とかがアニメに興味がない人にも伝わって、間接的に日本製品の輸出も増える。ドリフトする文化は日本の峠の走り屋が発祥で福島のエビスサーキットでスポーツ化したけれど、これはドリフトを観客に見せるショーの体験を売っている。それで外国でもドリフト人気が広まって、車好きの外国人は大黒埠頭に改造車を見に来たりエビスサーキットでドリフトしたりするし、アラブの金持ちは1970年代頃から暇つぶしに日本車でドリフトしまくっている。走り屋仕様の日本車の海外での人気は『ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT』とかの世界で人気があるコンテンツの影響もあるだろう。移動手段として車を買う人は車種にはあまりこだわりがないだろうけれど、日本車で格好良くドリフトする体験をしたい人は関税で高くなろうが日本車を買わないといけない。・代替品がないものを売る最近はフジクラが新しい技術で細径高密度型スロットレス光ファイバーケーブルを作っていて、生成AIのデータセンターで大量のケーブルが必要でGAFAMのデータセンターにフジクラの光ファイバーケーブルが採用されたことで売り上げも増えて、株価も急上昇して2020年は300円割れだったのが2025年には20倍以上の7500円になった。従来の光ファイバーケーブルは曲げると中の石英ガラスが折れてしまうし太いので取り回しが難しいけれど、フジクラの光ファイバーケーブルは細くてある程度曲げられるようで、この高性能なケーブルを作れるのはいまのところフジクラだけのようで、データセンターを有効活用しようと思ったら関税でちょっと割高になってもフジクラのケーブルを使わざるをえないだろう。一点ものの美術品や珍しい模様の錦鯉や枝ぶりがいい盆栽とかもそれが欲しいと思う人にとっては代わりのものではあまり満足できないので、関税で価格が上がっても需要はある。・アメリカや中国に頼らない全部の企業が代替品がない商品を売れるわけではないし、アメリカに新規に工場を作るほどの資金力があるわけではないので、関税が上がったらアメリカに輸出している分の売り上げは減るだろうし、中国に工場がある企業は特に影響が大きくなる。しかしアメリカや中国のようなならず者国家から距離を取って生産拠点を移転したり他の販路を開拓したりするよい機会ともいえる。世界中でサプライチェーンの再編が行われて中国から他の賃金が安い発展途上国に工場が移転するだろうし、発展途上国が発展すればそこに新しい消費が生まれる。スズキが早い段階でインドに投資してインドでトップシェアになったように、人口が多くてこれから成長する国に投資して互恵関係を作るほうが長期的に見たらメリットがあるのじゃないかと思う。
2025.04.15
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私は何かを考えてブログを書くのが習慣になっているけれど、そういえば習慣について考えていなかったような気がするので、徒然なるままに習慣について考えることにした。●習慣とは何か習慣とは、長い間繰り返し行ううちにそうするのがきまりのようになったことや、その国やその地方の人々のあいだで普通に行われる物事のやり方である。普通でない行動を繰り返して習慣になったものは癖という。脳はなるべくエネルギーを節約しようとして、いったん習慣化したことはあまり意識せずに行うようになる。例えば歯を磨くときに今日はどの歯をどの歯ブラシで磨こうかと気にする人はいないだろうし、たいていルーティーンで同じやり方で歯を磨く。ケンブリッジ大学のバーバラ・サハキアン教授の研究によると、人間は1日に最大で3万5000回の決断をしているそうな。それで決断疲れをする人が多いので、スティーブ・ジョブズが同じ服を着たりするように、重要でない行動を習慣化して些事に煩わされないようにする人もいる。●様々な習慣・幸福と習慣たいていの人は幸福になることを目的にして生きていると言っても過言ではないけれど、実際に幸福になれる人は多いとは言えない。犯罪がない国は世界のどこにもなくて犯罪者や犯罪被害者の数だけ不幸な人がいる。犯罪まで至らなくても人間関係の不和はそこかしこにある。しかしこの種の不幸は自分の行動次第で変えられるものである。アリストテレスの二コマコス倫理学では良いエトス(習慣)を形成することで良いエートス(性格、人柄)になると言っていて、それが幸福の条件だと言っている。仏教でも似たようなことを言っていて、テーラワーダ仏教協会のスマナサーラ長老は「心は癖で行動する」という記事で良い習慣をつけると幸福になると言っている。禅寺では掃除や食事とかの日々の修行を通じて仏弟子に良い習慣を身につけさせる。日ごろから善行をしている人が酔って暴れても悪人とは言えないけれど、日ごろから誰かを貶めたり金を奪ったりしてやろうと考えることが習慣になっている人は悪人と言える。少年院や刑務所は法的には矯正施設という扱いなので、犯罪をした人に良い習慣を身につけさせるために生活を管理して、規則正しく寝起きさせて、一定時間仕事や運動をさせて、ルールに従わせて矯正を目指している。それでも矯正しきれなくて出所後に再犯する人は少なからずいる。詐欺とかの経済犯罪で大金を奪ったことを成功体験ととらえてしまうと、悪事を考えることが習慣になってしまって再犯するようになってしまう。酒やドラッグで脳をいじって一時的に幸福な感じになる人もいるけれど、それは幸福の前借りみたいなもので後で反動が来て脳が委縮したりして回復に時間がかかるので、酒やドラッグを習慣にしてしまうと後々不幸になる。・子育てと習慣小児科医の成田奈緒子は子育てには順序があって、5歳くらいまでにまず視床下部や脳幹とかの食べたり寝たり自律神経をコントロールしたりして生きるための機能がある「からだの脳」を育てて、それから6-14歳頃は勉強やスポーツなどの大脳新皮質の「おりこうさんの脳」を育てて、10-18歳頃は社会で幸せになるための前頭葉の「こころの脳」を育てるのがよいと『子育てを変えれば脳が変わる』という本で言っている。日本だと早期教育がもてはやされてきたけれど、早期教育には賛否両論があって、1970年代のドイツの調査だと早期教育をする幼稚園に通っていた子供たちは小学校1年では成績が良くても小学校4年生で逆転されてしまうそうな。子供をバイリンガルにしようとして幼児期から英語を教えて、日本語でも英語でも深い思考ができなくなるセミリンガルになって教育に失敗するケースもある。というわけで幼児期の子育ては学校での教育と違ってただ知識を詰め込んで学力を伸ばせばいいというものではなくて、毎朝自分で起きたりして自律する習慣を子供のうちに身につけさせたりして生きるために必要不可欠な能力を育てる事のほうが重要といえるだろう。〇〇キャンセル界隈みたいに風呂に入らなかったり料理や掃除ができなかったりする人たちは、子供の頃に自律する習慣を身に着けてこなかったので、大人になって実家を出て自立するようになっても自律できなくて生活に支障が出ているのだと思う。・躾と習慣躾はどこにでも持ち歩ける一生ものの財産になるので、金持ちほど躾の重要性を理解していて子供をちゃんと躾けて、偉い人と会っても恥ずかしくないように挨拶や食事のマナーを教える。貧乏人ほど躾の有用性を理解していないので、躾を受けていないDQNが親になると子供がスーパーマーケットやフードコートとかで走り回っていても注意せずに放置したりして、非常識な行動が習慣化してDQNが再生産される。マナーは場数を踏まないと身に付かないので、大事な会食の前に付け焼き刃でマナーを覚えるのでなくて、普段から背筋を正して姿勢を良くしたり、服をちゃんと着こなしたり、魚の骨を綺麗に取ったりして美しい所作を習慣にする必要がある。石破の服装や外交の態度や食事のマナーとかがいろいろ批判されているように、自分が恥を書くだけならまだしも、椅子に座ったまま握手したりして無自覚に無礼な態度をとって相手を怒らせたら実害もでるので、出世するつもりの人ほどマナーを身に付ける必要がある。・健康と習慣糖尿病が生活習慣病と呼ばれるようになったように、一日だけ羽目を外して暴飲暴食したところで胃もたれしたりする程度で病気にはならないけれど、習慣として毎日大量に飲食をしたら肥満や高血圧になって内臓や血管の病気の原因になる。運動する習慣がない人は骨や筋肉や血管が老化しやすくなる。姿勢が悪い状態で座ったり歩いたりするのが習慣になっている人は骨格や関節に負荷がかかって徐々にゆがんでいって猫背やO脚や外反母趾とかになる。毎食後にちゃんと歯磨きをする習慣がない人は虫歯や歯周病になりやすくなる。若い頃からの紫外線対策やスキンケアとかの習慣がある人とない人では中高年になった時に肌の老化の具合も違ってくる。スポーツを習慣にしているとテニス肘とかのスポーツ特有の病気になるし、楽器演奏を習慣にしていると指に負荷がかかって腱鞘炎になったり鼓膜を酷使して難聴になったりする。太っている人が過度な食事制限をしてダイエットに成功しても、過度な食事制限は一時的には我慢できても不満がたまって習慣として続かないし、目標を達成したことに満足してしまって痩せたからちょっとくらい食べてもいいやと生活習慣を基に戻すとリバウンドしてまた太りだすので、一時的に体重を〇キロにすることを目標にせずに、健康的な生活習慣を身に付けることを目標にする方がリバウンドしにくくなって長期的に見たらダイエットに成功する。こうして書き出してみると、健康管理には日々の習慣が大事なのがわかる。健康状態が悪化するとQOLが下がったり寿命が短くなったりするので、病気になりにくて老化しにくい生活習慣をつけることが人生で大事といえる。・仕事と習慣たいていの人はどこかの会社に就職して何かの仕事をしないと生計を立てられないので、出社して仕事をするのが人生の大部分を占める習慣になる。しかし自分の習慣に会社の習慣に合うとは限らなくて、自分の習慣を変えざるを得なくなることがストレスになる。例えば自分は疲れやすいから一日4時間労働で週休3日でたっぷり休息をとる生活習慣が適していると思っても、その条件に合って生計を立てられるほどの給料を出してくれる会社は見つけにくくて、無理をして働かざるを得ないかもしれない。あるいは同僚が悪口ばかり言っていて同調しないと仲間外れにされるような会社だと、悪口を言わない良い人間になろうとしても難しいだろうし、他人の行動を変えるのはなおさら難しい。そういう場合は他の会社に転職したり生活費が安い田舎に引っ越したりして環境を変えて、自分が幸福になれる生活習慣を取り戻す必要がある。・勉強と習慣日本人は子供の頃は勉強するのに大人になると勉強しなくなるとよく言われる。パーソル総合研究所の「グローバル就業実態・成長意識調査」の18か国の比較だと、読書や研修や資格取得のための勉強や語学学習とかの社外学習や自己啓発を何もしないビジネスパーソンの割合が日本人は52.6%でトップで、2位のオーストラリアの28.6%や世界平均の18%と大差がついていて、今後自己投資する予定がない人も日本は42%で2位のイギリスの19.2%の倍以上で、統計ではっきり裏付けが出ているくらい日本人は勉強しない。これはそもそも学校教育に問題があって、知的好奇心とかの非認知能力を育てる教育をせずに大学入試で高い点を取ることに最適化した認知能力重視の教育をしているので、大学を卒業して学校で勉強する習慣がなくなったら利益につながらない勉強を時間の無駄ととらえてそれ以上勉強しなくなるのだと思う。そんで上の調査だと日本人は管理職になりたい人の割合や転職・独立したい人の割合も低くて、上昇志向が低い。日本はいったん正社員として雇用されると解雇されにくいし、資格を取ったところで資格手当が月に数千円増える程度で労力の割りに収入が増えるわけでもなかったり会社によっては資格取得費用が自費だったりして本業についての勉強をするより副業でアルバイトでもする方が収入が増えるので、勉強しないことのデメリットが少ない一方で勉強することのメリットも少ないので勉強しないのだろう。業種や会社によっては人手不足で超過勤務が常態化して勉強する時間も気力もないのかもしれない。知識を得るだけならインターネットで検索したら一般的な答えが出てくるしAIが要約するけれど、誰でもすぐに手に入れられる知識を増やしたところで差別化にはならない。それにある程度の知識の量がないと深い思考ができないし、新しい発見も生まれない。20代だとたいていの人は似たような勉強をしているので知識の差はあまりないけれど、高校や大学を卒業後に何かのトピックに興味を持って継続的に勉強する習慣があるかどうかが中高年になったときに大きな差になる。・スキルと習慣他人にできなくて自分だけができることを身に付けるための確実な方法は時間をかけることである。毎日コツコツ技術を向上させる練習をする習慣がある人だけが習得に時間がかかるスキルを身に付けることができる。例えば習得に時間がかかる特殊なスキルを身につけたら他人が真似しようと思ってもすぐには真似できなくて競合がいないので、しばらくは仕事を得やすくなるし、他人にスキルを教えることを仕事にすることもできる。・創作と習慣芸術だと天啓のようにビビビと創作意欲が湧くようなイメージがあるけれど、やる気は待っていても出てくるものでなくて、やり始めてから5-10分で作業興奮が起きてやる気が出てくるものである。だもんで創作も創作意欲が出てから取り組むのでなくて、少しずつ構想を練って下準備をして作業に取り掛かって長期的に取り組む必要がある。しばしば将棋の棋士が散歩中に将棋のことを考えて道を間違えたり電車を乗り過ごしたりすると言われるけれど、創作も同じで、普段から創作のことを考える習慣がない人がパソコンの前に座ったとたんに良いアイデアをひらめくことはないし、普段から少しずつ作品の完成に向けて取り組んでいないと作品は完成しない。なろう小説は未完のまま中断する作者が多いけれど、たぶん創作が習慣になっていないのである程度書いたらアイデアが枯れてしまって、苦労して作品を完成させる気がなくなってしまうのだろう。未完の作品は「永遠に鋭意制作中」を皮肉ってエターナる、エタると呼ばれる。創作を習慣化するにしても同じ行動を繰り返していたら同じアウトプットしか出てこないので、少しずつコンフォートゾーンを抜けて新しい挑戦をしていく必要がある。少しの逸脱を日々積み重ねることで、人の行く裏に道あり花の山とでもいうような他の人が到達しなかった独自の作風にたどり着く。傑作はある日突然作られるわけではなくて、そこに至るまでに日々試行錯誤を積み重ねる習慣がある。・事故と習慣事故が起きる前にはヒヤリハットと呼ばれるようなぎりぎり事故にならない危ない事が何度か起きているけれど、その原因を改善しないままでいるといずれ大きな事故が起きてしまう。例えば車を運転するときに面倒くさがってちゃんと周囲を確認しない習慣の人は発進時に車のそばにいる人を轢く可能性が高くなるし、酒を飲んで寝る習慣がある運転手は起きてもアルコールが抜けていなくて事故を起こす可能性が高くなる。歩行者もスマホを見ながらふらふら歩く習慣の人は注意が散漫になって事故にあいやすくなる。釣りや登山とかのアウトドアでは危険な場所に行く習慣がある人ほど事故にあう確率が高くなるので、出かける前の装備の点検や天気予報の確認とかの事故のリスクを減らす習慣を身に付ける必要がある。・依存と習慣自分の意思で習慣をやめられない場合は依存という。地下鉄サリン事件から30年でオウム真理教の特集していたけれど、信者たちは麻原彰晃が何でも答えてくれるので傾倒したそうな。信者たちは教祖の言う通りにやれば幸福になれるのだと思って自分で意思決定することをやめて依存したわけである。ストレス発散のために酒や薬物に依存して生活が破綻する人もいる。洗脳を解いたり薬物依存をなくしたりするには、依存できない環境にある程度の期間隔離して違う習慣を身につけさせる必要がある。・商売と習慣企業は1回限りの取引をやってもあまり儲からなくて事業の継続性がなくて設備や人材への投資が無駄になるので、顧客満足度を高めて常連客に何度も商品を買ってもらって顧客生涯価値(Life Time Value、LTV)を高める必要がある。飲食店みたいに商品に販売期限があって在庫を抱えられない商売では客が通勤時や休日に店に寄るのが習慣の一部になるかどうかが残る店と消える店の違いになって、駅や繁華街から遠かったりして立地が悪くて習慣的に立ち寄るのが面倒くさい場所に家賃が安いからといって出店してもすぐに潰れる。タピオカミルクティーは客が1回買ってインスタに写真を載せたら満足してしまって習慣的に購入するには至らなくて、ブームに便乗して出店した店はほとんど消えていって食文化として定着しなかった。ラーメン店も潰れる店が多くて、背油やにんにくとかで味を濃くすれば1回食べるぶんにはおいしく感じても、味が濃い分健康に悪いし、飽きやすいし、高齢になると胃が弱ってきて脂っこいものを食べられなくなって習慣的に食べる人が減ってしまうし、強面の黒シャツ腕組み店主が独自ルールを強制する店は居心地が悪くて何度も行きたくならないので、おいしいラーメンを作ることは比較的簡単にできても特定の店でラーメンを食べる習慣を作るのは難しいといえる。外食でのラーメンの支出額の都道府県ランキングだと山形市が一番多いけれど、山形のラーメンはオーソドックスなあっさりした醤油味の中華そばが中心なのでものすごくおいしいというわけでもないし単価が高いわけでもないけれど、頻繁に食べても飽きにくくて、黒シャツの店主が腕組みして睨んでいなくて子供から老人まで気軽に店に入れて、外食でラーメンを食べるのが習慣になっているので結果的に年間の支出額が多くなっているのだろう。観光地だとイタリアの飲食店みたいに外国人観光客はリピーターにならないしどうせ訴えないからと舐めてかかって1回の取引の利益を最大化しようとしてぼったくるところもあるけれど、ぼったくりの悪評が広まって観光地としての価値が下がってリピーターどころか新規の観光客まで来なくなって、外国人観光客が減ったらツアーや直行便とかも減ってアクセスしにくくなってさらに観光客が減る悪循環になるので、短期的に儲けたつもりになっても長期的に見たら損をしている。観光客個人の習慣としてとらえず、日本人が年末年始にハワイに行くのが定番なように〇〇人が〇〇国に旅行する習慣としてとらえて、長期休暇でリゾートに観光に行く習慣を維持しないと観光地はさびれていく。バブルが崩壊して企業が非正規雇用を増やして社員旅行の習慣がなくなったら日本各地の団体客向けの温泉旅館もさびれていって、旅館はリフォームして部屋数を減らしてそのぶん豪華にして顧客満足度を高めて客単価を増やす高級路線にシフトしたように、VUCA時代は外部の習慣の変化にも対応してビジネスモデルを変える必要がある。・地方創生と習慣しばしば地方創生が失敗するのは、田舎者の政治家がおらの村にもショッピングモールや体育館や遊園地がほしいだわさと立派な箱物を立てることだけに夢中になって、地元民がその施設を利用する習慣を作ろうとしていないからかもしれない。需要以上に立派な施設を作ったところで客数が少なくて稼働率が落ちるし、活気がなくてつまらない印象になってますます人を呼ばなくなる。スポーツや趣味とかの何かをやる習慣がある人たちがボトムアップでこういう施設を作ってくれと陳情して作る場合なら無駄にならないだろう。・娯楽と習慣かつてテレビは昼は家にいる主婦や老人向けにファミリードラマや時代劇を放送して、子供が家に帰る夕方にアニメを放送して、夕食の家族団らんの時間帯にバラエティ番組を放送して、子供が寝た頃に大人向けの恋愛や殺人のドラマや映画を放送して、深夜に夜更かしする若者向けの音楽番組を放送して、視聴者の生活習慣に合った番組作りをしてきたので視聴率が高かった。ところが核家族化して個々人がばらばらの生活習慣を持ってスマホやパソコンで好きなコンテンツを消費するようになると、テレビを持たない人が増えて居間で家族でテレビを見る習慣自体がなくなりつつある。その一方でYouTuberたちは毎日同じ時間帯に規則的に動画を投稿していて、個々の動画の質がどうであれ暇なユーザーが毎日新着動画を見る習慣をつけさせたことで登録者数を増やしていった。いったん習慣になると時間の無駄だからもう見なくていいやと踏ん切りがつくまではずっと動画を見るようになるので、くだらない動画でもそれなりに再生数がある。小説や漫画とかの雑誌は本と違って1回だけ売れたところで雑誌が存続できないので、人気作品を連載して続きが気になるようにして読者に毎号読む習慣を持ってもらおうとしている。音楽だと日本人が洋楽離れして洋楽を聞く習慣がなくなりつつあるので、ユニバーサルミュージックがUM English Lab.というプロジェクトで洋楽を使った英語教育を推進して洋楽を聞く習慣を取り戻そうとしている。ゲームではログインボーナスを配布したりデイリークエストを設定したりしてユーザーに毎日ログインさせる習慣をつけさせて離脱を防ごうとする。ただしボーナスやクエストに変化をつけないとかえって飽きるのが早くなるかもしれない。●まとめ日々の習慣が幸福や健康や仕事に大事だと言えるので、漫然と日々を過ごすのでなくて、なるべく悪い習慣をなくして、良い習慣を身に付けるとよいよ。
2025.04.01
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