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『アリスの大豪邸』第4部 ACT.140


Profile

ブルーアイ.

ブルーアイ.

2005.02.27
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ACT.10「街」


 そこは街のようでした。


 もう夜なのか、月明かりのようなおぼろげな光が微かあるだけで、どこも薄暗い感じです。
辺りの道の脇には街灯が立っているのですが、ろうそくの炎のように大変弱い光で、その街灯のポールの下が円形に照らし出されているにすぎません。
周囲はシーーーンと静まりかえっていました。


 目がこの暗さに慣れてくると、わりと不自由なく歩けるようになりました。
あたりはまるで、絵本かゲームの中に存在する”田舎の村”
に来たような雰囲気でした。

 まず、道はチョコレート色のレンガが敷き詰められた造りで、道幅は約3メートル。少し細い感じがします。

ただ、中央の白線は所々に引いてありました。
この辺りの土地は全体的に柔らかな起伏がついており、道もそれに沿ってうねっていました。

 道沿いには建物が建っていて、そのデザインもどこと無く変わっており、それはまるで外国の古い映画に出てきそうな、古風で大げさにクラッシックな物でした。外壁の色が白く塗られた建物が多く、それは月明かりの中で青白く”ぼーーー”と浮かびあがっていました。


 しばらく歩くと、大きくて堂々とした2階建ての家が道のすぐ脇に立ってありました。
アリスは何気にその家の玄関まで歩いて行きました。
扉の前に張り紙がしてあったからです。



 その張り紙に書かれた、大げさな字を読むと、



******************************************************


「”そっくりさん大会”開催!優勝者は願いが1つかなう。
精巧なニセ物求む!」


******************************************************





さらにその下には一回り小さい字で、




******************************************************


「開催は明日。場所は”市民広場”。飛び込み参加OK!」


******************************************************



とありました。





 何の事でしょう?アリスは腕を軽く組み、首をかしげました。

 ……考えてもよく分かりません。




 ここら辺の家の中はどこも明かりが灯っていないようで、まるでゴーストタウンのような感じです。
この家の窓も閉めきられており、外に光はまったく漏れていません。
どうやら、家の中には誰もいないようです。


 ……でももしかすると、家の住人は寝ているだけかもしれません。


「訪ねてみて、”ここがどこなのか”聞いてみよう……」
とアリスは決心しました。









ACT.11 不思議な家




 アリスはドアの上部に取り付けられた呼び鈴のヒモを引っ張っりました。
ベルを鳴らしてみましたが、誰も出てこないので思いきって玄関をノックしてみました。

 しばらく待ってみても返事が無かったので、玄関のドアの取っ手をそおっと引いてみました。

 カチャ!

 軽い音がしました。
取っ手を引いてみると、扉はわずかに開きました。
鍵がかかっていないようです。

 重そうな分厚い木で出来た扉でしたが、アリスの力でもなんとか開きました。
丁度、アリスの頭分ぐらい開いたところで、頭だけ挿し込み、中をのぞいてみます。


 人の姿を探しましたが、誰もいないようです。中は薄暗くて”がらんどう”でした。
そこで家の中に入ってみる事にしました。

 中はまさに建築中の家のような感じで、家具は何1つありませんでした。
壁紙もありません。木製の板張りの壁や床がむき出しの状態でありました。
後は、まるで引越しする時に置きっ放しにされたような赤いカーペットが床に1つ敷かれているだけです。





 不思議な事に、壁には窓が1つもありませんでした。
この家を外から見た時には窓があったのですが、中に入ってみると、そこには窓が無く板張りがあるだけでした。

 上を見上げると2階のような部分がありましたが、そこに登るための階段が見当たりません。
まさに”造りかけ”といった感じです。
2階の方は1階より少し明るく、窓から月明かりでも射しているような明るさでした。

「もしかすると、2階の、ここからでは見えない部分に”窓”があるのかもしれないわ……」
でも”はしご”1つ見当たらないので、登って確かめる事は出来ません。



「ここは……、”空家”なのかしら?」
もう一度、この部屋のあちこちを慎重に探したアリスですが、お手洗いとお風呂場に通じるドアを見つけただけで、そこには人の姿もペットの姿もありませんでした。
冷蔵庫も無いので、最近人が住んでいないのは確かです。

 その時アリスは、床の上に文字の書かれた紙切れが落ちているのを見つけました。
そこには大きな字で何か書かれていました。



************

「空家にて……。
預かりの品、一時保管中。
厳重に注意されたい。

できれば          

**




 ”できれば”の後は、破れていて読めません。
何の事かアリスにはよく分かりませんでしたし、途中で文章が切れているので、その後が読めないとどうにもならないだろうと思いました。

 そこで部屋の中をうろうろして、もう片側の切れ端を探しましたけど、見つかりませんでした。




 床は思ったほど埃っぽくないようなので、アリスは今日はここに泊まる事に決めました。
今日1日、いろんな事があって疲れたので、もう眠りたかったのです。
お腹も減ってきたし喉も渇いてきました。

「すみませんが、勝手に使わせていただきます……」

 アリスは床に放置された赤いカーペットの上に横になりました。
少しの間寝っ転がって休んでいました。しかし、知らない家の中なのでなかなか寝付けません。

 それでアリスは、今夜寝る所が見つかって安心した事もあり……、再び起きあがって、外に飲み水か食べ物を探しに行こうと思いました。
一旦家から出ようとしたその時…、
アリスは”玄関の扉”が無くなっているのに初めて気が付きました。
自分が入って来た入り口には、なんと大人の背ほどもある大きな鏡が置いてありました。それはとても重そうで、大げさな装飾の飾りが付いていました。

「こんな鏡、ここに入った時は絶対無かったわ」

アリスは鏡を退けようとしてみましたが……、

「うーーーーーーーーん」

壁に固定されているような感じで、ピクリとも動きませんでした。






 ……アリスは疲れました。
しかしどうやら閉じ込められてしまったのは確かです。

「また閉じ込められちゃった?」

 アリスは部屋の中を隅から隅までうろうろして、何か出口のヒントになるものは無いか探し回りましたが何も見つかりませんでした。
結局疲れきってしまったので、さっきの赤いカーペットの所に来て、またゴロンと寝っ転がりました。

「お腹……すいたなぁ」

 もう疲れて何も考える事が出来なくなってきました。

「明日起きてから、”脱出方法”を考えましょう……」

 アリスを閉じ込めた家の中は真っ暗で不気味な感じがしました。でもここは一応”家の中”です。野外で野宿するよりはましです。
ここなら「野生の動物が急に来て襲われたり……」なんて事はないでしょう……。


 すっごく疲れて、おまけに眠いのに、不安がいっぱいでなかなか寝付けませんでした。
頭の中で、いろんな事が渦巻いています。
でも無理して眠るように努めました。


 ……そのかいあって、
アリスは浅い眠りに落ちました。







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Last updated  2005.12.06 04:50:34
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