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2005.03.31

　スティックは壊れた部分から中の配線がむき出しになっていました。それは電池に繋がれるハズの部分です。電池は完全に２つに折れていました。中の黒い粉がこぼれて無くなっていました。

　お爺さんがスティックをもう一度見ている間、アリスは酷くしょんぼりしていました。泣き出しそうです。

　スティックを返そうとしたお爺さんはアリスの泣き出しそうな顔を見ました。そこで……、
「そうだ、あんたはとても綺麗な顔をしているから、人形を制作する時のモデルになってくれんか？そうすれば、タダで修理してやらん事も無い」
と言いました。

「え？」

　驚くアリス。

「ホントですか？！」

　……でもよく考えると、アリスは女王様に会って”願い”が叶うならすぐにでも自分の元いた世界に帰ろうと思っていたのです。

「あっ、でも、私、近々自分の国に帰る予定なんです。だからその……、モデルにはなれないかも知れません」

　アリスは再び意気消沈モードです。

　でもお爺さんは
「そうか……、なら、写真を何点か撮らせてもらえんか？それでいい。」
と優しく言いました。

　アリスは再度、
「本当ですか？！」と喜びました。そしてこの条件でＯＫしました。

　すぐ横の暗室兼スタジオで撮影する事になりました。
なんとも巨大で古めかしいカメラが出てきました。
箱型で大きさは縦５０センチ横４０センチぐらいもあります。木製です。
本体の前の方にアコーディオンみたいな物が付いていました。

それからアリスに撮影スペース中央にあるイスに座ってもらいました。

　さあ撮影開始です。

　アリスをいろんな角度から撮りました。特に顔は何枚も撮りました。
アリスは大変美しい女の子でしたので、どの角度から撮っても綺麗に写りました。

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