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2005.03.31

　自分にはカメラが向けられないので退屈してきたニセアリスが、お爺さんの後からアリスを笑わそうとおかしなパフォーマンスをしました。
それにつられてアリスが笑ってしまい、撮影が続けられなくなりました。

　でも、もうすでにかなりの枚数が取り終わった後なので、
「うーーーーーん。良い画（え）が撮れたよ。ありがとう。」とお爺さんは満足気でした。

ジョセフ　「後々、君そっくりの人形を作る事もあるかも知れんが構わんかね？」
スティックを直してもらう為には断るワケにはいきません。それにお爺さんは全然悪そうな人ではないので、
「ええ、構いません」とアリスは快く承諾しました。

　それからアリスは遠慮がちにお爺さんに女王様のいる階の事を聞いてみました。
でも……、

「だって、ワシはこの城のカラクリを全て設計したんだから……。
女王様のおられる所にはワザとたどり着きにくくしてあるんだよ。部外者がおいそれと入って来ては女王様が危険だろう。
だから、女王様のおられる階も場所も教られんよ。
自分で探しなさい。そうするようにカラクリは作ってあるのだから。
でも心配ない。探せばきっと見つかるハズだよ。
特に性格の良い人が探せばね……」

　お爺さんは難しい事を言いました。でもアリスは少し褒められたと言う事でしょうか？
ただ今のところ、冒険を続けてみないと、お爺さんの言った意味は正確には分かりません。

　再び冒険に出発する事にしました。
アリスは今までリュックの中に１本だけ残っていたワインビンを取り出して、お爺さんに差し上げました。
ジョセフ　　「これは天然物のワインだよ。貴重な物だ。少し値が張る物なのでいただけないな」

修理代の足しにでもと思いまして。」
ジョセフ　　「分かった。いただこう。ありがとう」

お爺さんはワインを受け取ってとても嬉しそうでした。

　こうしてアリス達はジョセフお爺さんの工房を後にしました。

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