さすらいの天才不良文学中年

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October 25, 2024
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 馬齢を重ねてとうとう74歳になった。昨日がおいらの誕生日であった。





 これが75歳となるのであれば、後期高齢者の仲間入りであるし、四捨五入すれば80代となるので心理的には大きい変化であろう。

 だが、73歳が74歳になるのは、ほとんど変化を感じないというのがおいらの今の正直な感想だ。

 いや、一つ違ったことがある。

 今年は、たまたまおいらの免許更新の年であった。5年ぶりの更新である。前回は69歳での更新であったが、今回は70歳を超えての更新なので「高齢者講習(実車指導あり)」を受けなければならなくなった。

 神奈川県公安委員会から「高齢者講習の案内ハガキ」が来たので読んでみると、この講習は自動車学校で行う、とある。

 えっ、自動車学校? 実車指導って何?

 何はともあれ、高齢者講習を受講しなければならないので、案内に従って自動車学校を予約する。

 そして先日、この講習を受けた。

 実車指導は日ごろ車を運転しているので問題はなかったが(試験ではなく、指導なので落ちることはない。また、アクセルとブレーキの踏み間違いがないようにするための段差越え指導があったことを付言しておく)、おいらにとっての問題は視力検査であった。

 人間の視野は前方が全て見渡されると180度の範囲であり、20代であれば190度まで見える人もある(つまり、後方も一部見える。馬の視野は200度以上あるという)。

 この検査結果がおいらは140度であった。70代だと130度から170度の範囲であれば正常だというので、おいらの場合、その領域に入っている。ただ、おいらは両目とも人工レンズになっているので、140度と狭いのだろう。人口レンズは融通が利かないのである。

 さらに動態視力の低下である。

 若い人の動体視力は1.0が普通だが、経年によって衰える。早い話しが老人になると動くものが見えにくくなるのである。おいらの場合はこれがなんと0.1!

 結果は歳相応というものであったが、これでは運転に支障が出てもおかしくはない。老人の運転する車はスピードを出してはいけないということである。

 こうしておいらの視力検査をしてもらうと、自分自身の衰えを客観的な数値で知ることができるので、驚きと同時に自分への戒めとなる。

 だって、こういう検査など受けたことがないし、自分の心の中では視力はまだ若いときと一緒だと思い込んでいるからである。

 それが、老人相応の視力に低下しているとハッキリ知らされたのである。だから、自分自身の現実を知って少々ガッカリ、少々狼狽である。いずれは免許返納を考えなければならないという最初の警鐘である。

 74歳。歳相応に体に老人力が付いていることを思い知らされたのである。これは、ある意味で神の啓示である。「脳は、首から下のことを考えない」と再び肝に銘ずる。





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Last updated  October 25, 2024 12:17:02 PM
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