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今回も、前巻発行から半年余での発行。 新型コロナウイルスの方は、その収束が未だ見えない状況が続いています。 *** 第36話「学びの窓」は、前巻掲載第35話「理想の姿」からの続き。 小野塚の同僚・槇本さんのキャリアプランには唸らされます。 そして後半は、みどりが学校薬剤師に同行して、その業務を経験するお話で、 その実態が伝わってくるだけでなく、出前授業についてはとても興味深い内容でした。第37話「透明な身体」と第38話「遣る瀬ない」は、みどりが学校薬剤師に同行した際、小学校の保健室で出会った小学生男子が入院。その病状が思うように回復しない背景には、育児に熱心な父親の存在があったというお話。「代理ミュンヒハウゼン症候群」は、医療系ドラマ等でも定番ですね。第39話「桃李の蹊」は、みどりたちが学術大会に参加するお話。その様子や雰囲気がしっかりと伝わってくるエピソードになっています。第40話「異国の風」は、増加する外国患者への対応について描いたお話。入院してきたインドネシア人の男の子は、何か思うところがありそう。彼の母親も病気らしいことが分かったところで、今巻は終了、次巻に続きます。その発売は、半年後の2022年10月の予定です。
2022.04.23
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「薬剤師・毒島花織の名推理」シリーズの第4弾。 第1話「私は誰、ここはどこ?」は、 自分が何故ここにいるのかが分からない高齢の女性宿泊客を巡るお話。 爽太とくるみが、あの手この手で状況を打開していこうと必死に駆け回り、 花織は、女性客が所持していたマギレットを手掛かりに身元を探ります。 第2話「サプリメントと漢方薬」では、花織の元同僚・宇月啓介が登場。マルチ商法絡みのサプリメントにはまったフロント担当・落合の母親を翻意させるべく、その勧誘相手の女性に、宇月と花織が直接対面して挑むというお話。サプリメントや健康食品、漢方薬について色々と学ぶことが出来ます。第3話「秘密の花園」は、馬場の婚約お披露目パーティーのお話。その会場となった婚約者・桜井麻由美の自宅は、まるで植物園のよう。様々な草木が庭を覆い、温室までありましたが、そこにはゲルセミウム・エレガンスも。宇月が自らの持てる力を遺憾なく発揮し、事の真相を明らかにしていきます。 ***今巻、私の心に残ったのは、まず宇月の次の言葉。 「薬剤師は間違えない、 番号がふられているのは医者のためだ、 という薬剤師ジョークがありますが」(p.119)実際のところ、どうなんでしょう?そして、次もやっぱり宇月の言葉。 「『病は気から』の<気>とは気持ちではなく、漢方医学の<気>のことです。 気とは体の経路をめぐるもので、生命活動を維持するエネルギーを意味します。 『病は気から』という諺は、気の巡りが悪くなるから病気になる、 という漢方医学の考えに基づいたものです。 気持ちで負けたら病気になる-そんな間抜けな精神論では断じてありません」(p.178)なるほど……誤解している人も多いような気がします。そして、最後もやっぱり宇月の言葉。 「こんな言葉を知っていますか。 『この世に薬というものはない。 すべてが毒であり、それを薬とするのは量の問題だ』」(p.227)こんな言葉を次々に発することの出来る卓越したキャラクターとして、宇月という存在を登場させる必要が生じてきたのでしょう。花織とは異なる角度から、今後も様々な出来事に絡んできそうですね。
2022.04.23
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今巻は、前巻までとは異なり、 第1章・第2章・第3章・第4章と『あとがき』からなる一冊。 『あとがき』は、このシリーズでは初めてだったと思いますが、 著者がこうして自らの作品について記述してくれるのは嬉しいものですね。 ***第1章『桜色の恋文』は、清貴と葵らが春休みに天橋立と城崎温泉を訪れるお話。高級旅館で働く佐織に送られてきた絵に込められた彼氏の思いを、清隆が解き明かします。第2章『シャーロキアンの宴』は、清貴と葵がシャーロキアンの集いに参加するお話。その宴の最中、騒動が起こってお宝が消失してしまいますが、清貴が無事解決。第3章『紫の雲路』は、葵の通う高校と京都サンガF.C.とのコラボ企画が行われるお話。その高校の女性教師と、卒業生であるサッカー選手の恋路を、清貴と葵がサポートします。第4章『茜色の空に』は、円生が『蔵』の所蔵する宝物を奪おうと謀略を巡らすお話。清貴は奪われた茶碗を取り戻すべく円生のアトリエに赴きますが、絶体絶命の危機に…… ***円生のアトリエは化野にあるのですが、私が京都で好きな場所の一つです。渡月橋や天龍寺周辺の賑わいと、化野周辺の静けさの対比がとてもイイですよね。そして、第4章終盤では、遂に清貴から葵に向けて「好きや」の言葉が発せられます。「遂に」というよりは、「やっと」という感じでしょうか。
2022.04.23
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刑事犬養隼人シリーズ第4弾。 今回も前巻同様、犬養が高千穂明日香とコンビを組んで捜査に当たります。 何と言っても、圧巻は終章となる「5.受け継がれた死」。 ここに至って、読者はこの作品のタイトルの意味を知ることに。 ***8歳の少年からの通報で、その少年の父親の死因に不審を抱いた犬養は、少年の母親が<ドクター・デスの往診室>というサイトにアクセスし、20万円で安楽死を依頼していたことを突き止める。以後、犬養はドクター・デスについて過去の事案を遡り捜査を進めていく。そして、自らの娘・沙耶香を囮に、ドクター・デスとコンタクトを取るものの、警察側の目論見は、全て見破られてしまう。しかし、新たな事件が発生すると、その捜査に当たる中で、ドクター・デスに付き添う女性看護師に関する情報を入手し、雛森めぐみに辿り着く。彼女の口から、ドクター・デスの名前が寺町亘輝であることを聞き出せたものの、第二の事件についてはドクター・デスの仕業でないことが判明。しかし、鑑識課の活躍で寺町の居場所を絞り込むことに成功すると、そのうち1ケ所で、遂にそれらしき男を発見したのだった。 ***この後、犬養たちは寺町の確保に成功しますが、そう簡単に事が終わらないのは、いつも通りの七里さん。得意の「大どんでん返し」が描かれた後に、「5.受け継がれた死」で、事件の核心が明らかになるのです。本著を読み終えて、早速、映画『ドクター・デスの遺産』を動画配信で観ました。当然のことながら、原作からは色々な点でかなりアレンジが加えられており、お話についても、途中からは全く別のものになっていました。作品の存在意義も、両者ではかなり隔たりがありますね。
2022.04.17
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刑事犬養隼人シリーズ第三弾。 前巻は短編集でしたが、今回は本格長編ミステリー。 今回から、犬養は高千穂明日香とコンビを組んで捜査に当たります。 ***記憶障害に陥っていた15歳の月島香苗が、母・綾子との買い物中に誘拐されると、さらに、お嬢様学校に通う16歳の槇野亜美も、下校時に誘拐されてしまいます。犯人は、犯行現場に<ハーメルンの笛吹き男>の絵葉書を残していたものの、その後、何の連絡も寄こしてこないまま、時間だけが経過していくことに。その後、月島香苗は、母・綾子の記したブログの闘病日記から、子宮頸がんワクチンを接種後に、記憶障害を発症していたということが判明。また、母・綾子は、ワクチン被害集団訴訟検討の取りまとめ役をしていました。一方、槇野亜美の父・良邦は日本産婦人科協会会長で、ワクチン推進派でした。犬養は明日香と共に、子宮頸がんワクチンやその副反応に関して、小児科医・村本隆や槇野良邦、産婦人科医・小椋を次々に訪ね歩きます。しかし、月島綾子が取り纏めをしていた子宮頸がんワクチン院内集会当日、そこでスピーチした5人の少女全員が誘拐されてしまいます。そして、しばらくすると、犯人からの第一報が。それは、一人につき10億、合計70億円を支払えというもので、ワクチン事業で潤った製薬会社とそれを推進させた日本産婦人科協会に金銭の工面をさせるよう促す内容でした。 ***この後、ワクチン禍についてのマスコミの加熱報道ぶりや大阪を舞台にしての身代金受け渡しが描かれていきます。犯人については、ミステリーに日ごろから親しんでいる人なら、比較的、早い段階で気付くことが出来る作品かなと思いました。この作品が、ハードカバーで刊行されたのは2016年1月。政府は子宮頸がんワクチンの定期接種(無料)を2013年4月に開始しましたが、直後から副反応等の症状が報告され、同年6月には積極的勧奨を取りやめていました。しかし、今年4月から、ワクチンの積極的な接種勧奨が再開されています。
2022.04.09
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刑事犬養隼人シリーズ第二弾。 今回は、色に絡めた7つの短篇から成る一冊。 『1.赤い水』では、中央自動車道で高速バスが防護柵に激突。 事故で死亡した唯一の乗客と運転手が、実は赤い水で繋がっていたというお話。 『2.黒いハト』では、中学生の男子が学校の屋上から飛び降りて死亡。 彼を死に追い込んだ真犯人を、黒いハトが暴き出すというお話。 『3.白い原稿』では、新人文学賞を受賞したロック歌手の遺体が発見される。 彼のPCに残された白い原稿に、その真相が記されていたというお話。『4.青い魚』では、海釣りに出かけた釣具店のボート上で殺人事件が発生。青い魚・ソウシハギが、事件解明のカギとなるお話。『5.緑園の主』では、中学生の男子が部活動帰りに身体の変調を訴えて悶死。そこには、認知症の妻を持つ緑園の主と、ホームレス襲撃事件が絡んでいたというお話。『6.黄色いリボン』では、学校から帰ると女装して外出する小学生男子が登場。その行動の背景には、黄色いリボンの女の子が大きく関わっていたというお話。『7.紫の供花』では、独り暮らしのタクシー配車係の男性が死亡。仏壇にあった紫の供花は、死亡した男性の覚悟を表すものだったというお話。 ***短篇ですが、一つ一つがしっかりと作りこまれたお話で、さすが七里さんです。特に『7.紫の供花』は、『1.赤い水』を受けてのお話で、短いながらも、とても読みごたえがあります。娘の沙耶香のヒントをもとに、犬養が真相に気付くくだりもイイですね。
2022.04.09
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前巻に引き続き、李奈がノンフィクションを書くため奔走。 行方不明になった人気作家・汰柱桃蔵(たばしらとうぞう)を追いかけます。 今回からは、同年代の小説家である那覇優佳と曽埜田璋も登場し、 色々な場面で李奈をサポートしてくれることに。 ***汰柱の単行本『告白・女児失踪』には、実際に起こった事件が描かれており、そこには、警察の捜査陣と犯人しか知りえない情報が数多く含まれていました。その発売まで1週間と迫った段階で、汰柱は行方不明。やがて女児の遺体が発見され、さらに汰柱の遺体も発見されます。李奈は、出版業界人を集め意見を聞いたうえで、汰柱の弟・棚橋啓治や編集プロダクションイメタニア社の社長・谷崎潤一、麻布署刑事課の佐竹、フリー編集者・浦辺抄造、失踪女児の母親・惣崎祥子、惣崎祥子の読書仲間の野瀬玲子と若槻智美、大御所作家・桐越昴良、クリアファイル会社社長・丹下知治らに会い、その真相に辿り着きます。 *** 「きみの言葉に無駄はなかった。 でもやはり謎解きが長い。 角川文庫の字組みで35ページはあったと思う」(p.309)李奈に向けて、KADOKAWAの担当編集者・菊池が言った言葉です。それに対し、李奈は 「そうはいっても、 ゲラで削れるところはなさそうです。 すべてママでイキに」私は本を読む際、前に遡って読み返すことは、ほとんどないのですが、今回は、何度か読み返す必要がありました。
2022.04.03
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今巻も、前巻に引き続き、 序章・第1章・第2章・第3章の4編からなる一冊。 第1章では、清貴と葵が八坂神社から清水寺を巡ります。 私は、清水寺では音羽の滝が好きなんですが、その記述はありませんでした。 ***序章『年の初めに』は、清貴と葵がお正月に矢田地蔵尊を参詣後、二人で純喫茶で語らうも、葵が「フレッシュ」に戸惑うというお話。第1章『ビスクドールの涙』は、清貴と葵が清貴の祖父・誠司の元妻・椿を訪ね、その和邸にあった「ビスクドール」に纏わる数々の謎を解き明かすというお話。 第2章『バレンタインの夜会』は、女流作家・相笠くりすの朗読会で、清貴が、自殺を装った殺人事件の真相を暴き出すというお話。第3章『後継者の条件』は、かつて『蔵』でバイトをしていた清貴の弟分・滝山利休が、祖父宅で行われた後継者選びで、葵とペアになり『一番の宝』を見極めるというお話です。 ***第3章では、葵が楽焼の茶碗を手掛けた陶工を、次々に言い当てていくシーンが見どころ。清貴から受けた指導の成果を遺憾なく発揮する葵がカッコいい!そして、清貴と円生の対決も描かれますが、2人の関係性には少々変化が……お互い、刺々しさがやや和らいできたような気がします。
2022.04.03
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年老いた両親の一方または双方が亡くなった時、 あるいは、親の一方または双方が、別の場所に住むことになった時、 (子ども宅で同居、子ども宅近隣に転居、介護施設に入所等の理由で) 子どもは、親が住んでいた家を片づけることを迫られます。 しかし、いざ始めてみると、 それがどれほど大変な作業かを思い知らされることに…… 本著は、様々な理由で親が住んでいた家を片づけることになった子どもたちが、 どのようにその作業を進めたかについて、15の実例を通して教えてくれます。そこに記された内容から感じたのは、誰か一人が背負い込むことなく、関係者できちんと役割分担することと、有料サービスをうまく活用ことの大切さ。そして何よりも、普段からモノを貯めこまないようにしておくことの重要性です。
2022.04.03
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