2026
2025
2024
2023
2022
2021
2020
全6件 (6件中 1-6件目)
1
![]()
【送料無料】ミレニアム(2 〔上〕)価格:1,700円(税込、送料別)【送料無料】ミレニアム(2 〔下〕)価格:1,700円(税込、送料別)スティーグ・ラーソン早川書房 四六並製☆☆☆☆☆ 前作で大金を手にしたリスベットは南の島でのんびりとヴァカンスを過ごしている。彼女の数学への造詣が描写されるのだが、私はワケがわからない。この島を季節外れのハリケーンが襲うときの描写は面白い。やっぱり南にあるときのパワーは日本くらいまで北上しているときのパワーとは違うんだろうな。ここで彼女の倫理観を示すようなエピソードが起きている。 一方で前作の事件以来すっかりマスコミの寵児となっているミカエルはスウェーデンにおける人身売買と売春についての著作の出版を計画しているが、そのネタを持ち込んだジャーナリスト、ダグ・スヴェンソンは「ザラ」という名前の存在を気にしていた。そしてそれは天才的ハッカーであるリスベットの知るところとなり、彼女はダグと彼の同居人であるミア・ベルイマンを訪ねるが、その直後にダグとミアは射殺されてしまう。そして、その第一発見者がミカエルとなったのだ。ダグとミアの殺人容疑に彼女に恥をかかされ遺恨を持つ弁護士までが殺され、リスベットは警察に追われる身となる。そして、マスコミは扇情的にそれを報道し、彼女の数少ない友人まで面白おかしく言及されることになる。だが、ミカエルや彼女の前の後見人であり脳卒中で倒れた弁護士など彼女の人となりを直接知る人間は彼女の無実を信じて、殺人犯を探し始めるのだ。ミカエルは彼女が自分のパソコンに侵入しているのを逆手に取り、彼女とのコンタクトをとることに成功する。そして、徐々に彼女の頑なな心を解きほぐしていく。パソコンでのコンタクトを通じて懐柔(?)されるあたりも結構天才ハッカーのリスベットらしい。そういえば、彼女と仲のいい引き籠りハッカープレイグも事件を知っても彼女に協力を申し出ている。 作中リスベットが「最悪な出来事」と言っていた12・3歳頃彼女の身に起こった事件についても思わせぶりに描写され、やがて、それがどんな事件であったか、そして、ダグとミアが殺される直前、リスベットが「ザラ」を知っているというほのめかしがあるのだが、その実に意外に理由があきらかになる。「最悪な出来事」とザラはこれ以上もなく繋がっているし、やがて私のような忘れっぽい読者でも前作で死んでしまった彼女の母がまだ若いのにケアホームにいたことを思い出し、そしてその理由を知ることになるのだ。ここのあたりからは前作よりは新しいものの、さらに大きなパワー(怨念?)を伴った過去の亡霊が復活し、リスベットはそれとの最終決着をつける勝負に出る。この段階でリスベットは孤立無援なのだが、彼女の無実を信じるミカエルや雇い主のアルマンスキー、そして古い知り合いである引退したボクサーなどが彼女を助けようと動き始める。 かなり陰惨な事件の中、決して人当りがいいわけでもないリスベットにも信じてくれる人々がいるのが、読んでいて救いになる。そして先に進み、「ザラ」と周囲の人間の正体が明らかになると、その人間模様のおどろおどろしさに慄然とする。リスベットのあの悪魔的な頭のよさって父親似だったんじゃないの?と言いたくなってくるし。それに、ザラの子供がリスベットとあの金髪の大男ってアダムスファミリーみたいで、遺伝子への挑戦としか思えないし、ましてあの金髪の大男が無痛症ってちょっとできすぎのような気がしないでもないなぁ。 前作と同様上巻は少々のんびりと読んだが下巻は一気に読んでしまった。特に後半はハラハラする。にしても、リスベット、22口径の銃で頭を撃たれて、生き埋めにされたところから雑に埋められていたとはいえ自力で脱出って、彼女が華奢で小柄なことを考えるとありえるんだろうか?にしても父ザラチェンコは車の中に火炎瓶投げ込まれてもとりあえず生き残ったし、異母兄の大男は無痛症で筋肉鋼なリーサルウェポンだし、恐ろしい遺伝子の持ち主たちだ。この巻でザラは取りあえず無力化できそうだが、ザラの背後がついに動き始める。第二部と第三部の繋がりは第一部と第二部の繋がりよりかなり強い。これから一気に読むことになりそうだ。 にしても……何度も書くことになるが、カッレ君モテすぎ。それにいい人すぎ。しかし、この小説の最低男は半端なく最低なのが取揃っている。もう少しその中間層ってのはいないのだろうかと思わないでもないなあ。
April 25, 2012
コメント(0)
【送料無料】黒いドレスを着た幽霊ヘイドゥル・バルドルスドッティル勁文社 新書版上製☆☆☆ アイスランドの児童文学。しかし……正直呆気ない。イースター休暇を田舎のサマーハウスで過ごすことになって4人の子供がそこで冒険し、であったこと。気味の悪い過去の伝説に(ミレニアムのような深刻さはない)マヌケな大人の犯罪がからむ。 イースターの時期のアイスランドの気候の様子や、首都レイキャヴィクを離れた田舎の様子がよく描かれているとは思う。最後に少々ドキリとさせられるが、全体的に牧歌的な雰囲気が漂う。でも、アイスランドは26万人ほどの人口のかなり高い割合が都市部の集中している。そして、世界有数の長寿国でもある。だから、この本の中でも田舎は高齢化・過疎化が進んでおり、廃墟になった墓地や廃屋となったターフハウス(アイスランドの牧草に覆われた住居)が出てくる。日本人の翻訳者は日本とは暗闇の感覚が違うと書いておられたが、多分日本人も水道も電気もない荒涼とした草原の掘っ立て小屋で寒い中過ごせと言われたら、暗闇には同じ感覚を抱くのではないかと思う。にしても、↓に感想を書いているミレニアムを読んでいても感じたのだが、気温の描写が東京基準とするとすごく低いのだが、北欧(というか白人?)の人たちの耐寒温度って日本人より15度くらい低いんじゃないかと思う。日本で見かける外国人観光客もすごく薄着だもんなぁ。
April 20, 2012
コメント(0)
![]()
【送料無料】ミレニアム(1 〔上〕)価格:1,700円(税込、送料別)【送料無料】ミレニアム(1 〔下〕)価格:1,700円(税込、送料別)スティーグ・ラーソン早川書房 四六並製☆☆☆☆☆◎ スウェーデンの世界的なベストセラー。スウェーデンが舞台だというので読んでみた。本土から橋で繋がる島に住んでいる、零落しかけている旧家で、30年以上前に16歳の娘が失踪した。この一族の当主ヘンリック・ヴァンゲルも齢80歳を越え、いけすかない親戚に莫大な遺産を渡すよりも、法外な報酬でこの失踪事件の再調査をすることにし、ちょうど名誉棄損で訴訟に負けたジャーナリスト、ミカエル・ブルムクヴィストに白羽の矢を立てる。ブルムクヴィストは天才的な調査員、リスベット・サランデルと組んで依頼したヘンリックでさえ解決を期待していない失踪事件の調査にあたる。 スウェーデンのミステリが北欧デザインから連想されるようなすっきりとしたロジカルなものではなさそうなのは知っていたが、この小説もエンタテイメント性が強く、また結構おどろおどろしい。最初は登場人物名がヴァンゲルだらけなので、巻頭の系図を参照しつつ、馴染みがなく長ったらしい北欧の地名・人名に振り回される。でも、それも一興。物語は冬に始まるのだが、ストーリーの進行に従って描写される天候の様子や間接的に分かる日照時間はいかにも北の国だ。ヘンリック・ヴァンゲルの住む島ののんびりした様子が私は結構気に入っていた。しかし、住人はとんでもなく悪い意味で個性が強いのが多いのだが。 陰惨な犯罪の描写もとても多いし、スウェーデン社会の暗部に潜む犯罪、多国籍国家の一面が垣間見えるような気がする。この中の犯罪描写に比べたら、日本ってやっぱり島国なんだと思う。経済犯罪の規模も日本で報道されている事件とはかなり違うのだ。やっぱり大陸の国なんだと実感した。 そして、解決できないと思われていた失踪事件もミカエルがジャーナリストらしい発想で存在に気付いたあらたな手がかり、報道のボツ写真や通行人の写真を警察の写真のほかに手に入れることができ、解決する。でも、このあたり、日本の警察なら目をつけそうな気がしないでもないのだが……。でもその失踪事件の背後にはもっと陰惨な見立て殺人が絡んでいたのだ。この見立て殺人が発見される過程もとても面白かった。 さらに、サランデルが天才的ハッカーなので、コンピューターへの侵入の様子も描写されているのだが、これが恐ろしい。記述されているスペックを見ると、結構昔の容量だったりするのだが、自分のPCがこんなハッキングされていたら怖いことこの上ない。そして、このハッキング技術でミカエルの宿敵で彼を名誉棄損での懲役刑に追い込んだヴェンネルストレムは破滅するのだ。 三部作かけて失踪事件と名誉棄損のリベンジになるのだと思っていたら、これはあっさり第一部で解決。第二部が楽しみだ。それにしても、ところどころに挿入されているスウェーデンにおける女性への暴力や犯罪のパーセンテージはかなり高い。日本はここまで高くないと思うのだが、どうなんだろう? にしてもカッレ君(ミカエルの愛称)ってば、女にモテるわな。
April 19, 2012
コメント(0)
![]()
蓮丈那智フィールドファイル 4【まとめ買いで最大15倍!5月15日23:59まで】邪馬台/北森鴻/浅野里沙子北森鴻 浅野里沙子新潮社 四六上製☆☆☆☆☆◎ 蓮丈那智シリーズ初の長編だったそうだが、執筆途中で著者が急逝され、浅野氏が書き継いだ作品。結末も担当編集の方と一緒に考えたそうだ。私はどこからが北森氏の筆でどこからが浅野氏の筆なのかはわからなかった。とにかく、北森氏が亡くなったと知って、このシリーズが読めなくなるのが一番さびしかったので、とにかくありがたい。しかも、テーマも手垢がついたテーマではあるが、ある意味大定番であるし、楽しく読んだ。 しかも、この作品、蓮丈研究室のメンバー+キツネ目の教務主任高杉に加え、別シリーズのヒロイン、冬狐堂と屋号を忘れたが、越名も登場。オールスターキャストで作中で言及される事件には、冬狐堂が過去に巻き込まれた「狐闇」も含まれる。(って私はそれが「狐闇」だと他の方のレビューで知ったんだが……)邪馬台国を扱ったミステリは結構好きで読んでいるが、好きで読んでいるだけで、詳しい訳ではない。ただ、「どこにあったか」より「どういう国だったか」という蓮丈先生の視点は新鮮だった。結構言いえていると思う。あと、酒と鬼道だ。このあたりは歴史というより民俗学のアプローチだろう。ただ、魏志倭人伝の中の男は大小で刺青をしているの「大小」は大人も子供もという意味ではなく、大金持ちも庶民もという松本清張氏の考えに賛同するけれど。ま、これって結構どうでもいいことじゃなかろうか。 そして、蓮丈先生が邪馬台国の場所に比定したのは結構以外な場所だった。でも、結構説得力はあると思う。また、この作品では実際の新聞報道なども引用されていて面白かった。そういえば、某大新聞はまるで邪馬台国が機内にあるかのような記事ばかり載せていた時期があった。意図的なのかどうか知らないが、ちょっと偏った報道だと感じていたのを思い出した。にしても、ちょっと記事掲載への姿勢に疑問を感じてしまう。 そして、作中に出てくる謎の古文書、「阿久仁村異聞」。これがまた凝った古文書なのだ。ただの邪馬台国への謎解きではなく、この古文書が関わるところで読み応えがさらに増したのだが、この古文書と村にまつわることにはもう少し追及があってもいいと感じてしまった。 それにしても蓮丈先生はカッコイイ。そしてその助手の内藤はお気の毒な役回りだとは思うが、結構間抜けっぷりに笑ってしまう。
April 18, 2012
コメント(0)
![]()
【送料無料】琥珀色の語り部篠原美季講談社X文庫ホワイトハート☆☆☆☆☆ 今回は表題作の通り、琥珀にまつわる話。しかし、この本を読んでいると、結構また登場して欲しいと思えるキャラが出てくる。今回もアンブローズとアンバー、また出てきてくれないかな。アンブローズの俺様とアシュレイの俺様対決は楽しい。 今回、わざわざ大学と専攻まで同じにして、パリ大学にいるシモンをさしおき、ユウリに接近を図ったオニールがとても気の毒。ユウリの秘密についても薄々感づいているけれど、ユウリには否定されてしまうし。オスカーには教えたのに、何か理由でもあるのかな。あと、アシュレイとシモンの対決も緊迫感があって好きだ。ただのじゃれ合いに近い他愛なさがすぐに本気モードになってしまうので、そのうちシャレにならない事態になったら……それはそれで楽しみだ。アシュレイの思わせぶりな台詞もあったことだし、今後シモンがどれだけ自分とユウリの関係を保守していくのに努力を傾けなければならなくなるのか期待できそうだ。自分とユウリの関係について煩悶しているシモンも結構好きだし。それにユウリの失踪がトラウマになっているなら、それが表に出てきたらもっと楽しい展開が期待できるのに。 個人的に一番楽しみなのは、ユウリとスコットランドヤードとの関わり。失踪してみたり、謎めいた事件にかかわったりで、以降、どんどんかかわりが深くなるといいけどなぁ。だが、それをするにもこのシリーズの第一巻ではヴァチカンも出てくるし、アシュレイは中東で暗躍中みたいだし、このシリーズは伏線に事欠かない。だが、幸いにも著者の方の筆がかなり速いので、次巻を待つにもあまり気を揉まなくてすむのがいい。多分次の巻も半袖を着ているうちに読めるような気がする。
April 11, 2012
コメント(0)
![]()
【送料無料】 犯罪 / フェルディナント・フォン・シーラッハ 【単行本】フェルディナント・フォン・シーラッハ東京創元社☆☆☆☆◎ 短編集。最低限の状況・心理描写だけで、事件は淡々と進行していく。刑事弁護士として「私」がかかわった事件という形なのだが、簡素な文章のせいか、かなり殺伐とした印象。ちょっと救いがあるのは最後のエチオピアの話。あとハリネズミの話もさほど読後感は悪くないが、他は爽快な読後感とは言い難いと思う。いくつかの作品の中ではリンゴが小道具として用いられているし、最後の一文はフランス語で「これはリンゴではない」というような主旨のことが述べられている。読書サイトの感想をいくつか拾い読みするまで、気づかなかったのだが、このリンゴは罪の象徴として用いられているのだ。しかし、一部のストーリーでは、一番悪い奴が結局法の手を逃れているような気がしないでもない。日本の法制度がよくわかっていないので、法律用語の違いだの裁判の進行の違いだのというのはよくわからなかったが、最後のエチオピアの男の話で、彼の境遇に同情した参審官(日本でいう裁判員みたいなものらしい)がお金を出し合ってエチオピアへの飛行機代を出してやる、とか日本では考えられない記述だ。実際に刑事弁護士である著者が現実の事件に想を得てとのことだが、このへんも似たようなことがあったのだろうか?あと、この本の中に出てくる日本と日本人の描写が少々不気味でなおかつエキゾチックなので、もし次作を読むことがあったら、そちらでも同じような描写があるか読んでみたい。
April 5, 2012
コメント(0)
全6件 (6件中 1-6件目)
1


![]()