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【送料無料】虚像の道化師 [ 東野圭吾 ]東野圭吾文藝春秋 四六並製☆☆☆☆☆ 短編集。さくっと読めて、読んでいて面白い。今回は特に湯川と草薙の大学の同期らしいやりとりが好きだ。四作のうち、前二作は科学的なトリックが面白かった。後半二作は、犯罪が起こったその周囲の状況や動機の方に力点が置かれているような気がする。でもこちらも展開が面白かった。そして、「偽装う(よそおう)」の展開と、最後の「演技る(えんじる」の意外な人間関係も、理詰めだけでない「謎解き」が詰まっていて読んでいて面白かった。それに、湯川も草薙も死体偽装程度の犯人、しかも美人には甘いね。あとは、このシリーズが中締めになった長編の影響がやっぱりあるのだろうか。この本の内容もドラマ化されたら面白いだろうな。どっちみちドラマのキャストのイメージで作中人物の声が聞こえてきているし。 次作も図書館に予約済み。楽しみだ。
November 28, 2012
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【送料無料】黒銹 [ 北方謙三 ]【送料無料】黙約 [ 北方謙三 ]【送料無料】残照 [ 北方謙三 ]北方謙三角川書店 四六上製(黒銹・黙約)角川文庫(残照)☆☆☆☆☆ これも一昔前、一部(?)で結構話題になった本だと思う。「黒銹」の「銹」はさび。今更読んでみた。が、正直数ヶ月前に読んだ第四作目までは普通のハードボイルドで、バブル前の時代とはいえ、妙に拳銃の扱いやクルーザーの扱いに慣れた日本人の男に不自然さを感じていた。 が、5作目はともかく、6作目でこれは完全に吹っ飛んでしまった。なるほど、このあたりを読むと、かなり女性読者にも受けるだろうな。でも、6巻の結末は私的にはすごく残念。まあ、でも勘のいい読者なら6巻の結末はある程度予想できたかも知れない。また、この巻だったと思うが、「お前の男にしちゃ向こう傷が少ない」という外科医桜内の台詞、今まで読んだこのシリーズの中で一番好きかもしれない。ただこの巻では味のあるキャラクターた結構いなくなってしまったので残念。 そして、7巻。ちょっとストーカーかいな、みたいな男が主人公。そして、5巻くらいまでは、2巻あたりで主役だったにしろ、以降は「若いの」扱いだったブラディドールのバーテン、坂井がかなり存在感を増してくる。彼の扱いがこれからどうなるのか楽しみなような怖いような気がする。でも、結構格好よかった叶がさっさと死んでしまったのは残念だなぁ。 この本はバブル前の時代が背景。7巻の最後でその元締めみたいなのが出てきて、いよいよ決戦が始まるようなのだが、その雰囲気が今となってはバブル前の世相なのだ。執筆当時はおそらく意識されていなかったことだろうが。 このシリーズはあと三冊で終わりだが、この舞台の約10年後(?)くらいでまた別のシリーズと融合するという。年内にそのあたりまで読んでみたいがちょっと難しいかな。
November 26, 2012
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仔羊たちの聖夜(イヴ)西澤保彦幻冬舎文庫☆☆☆☆ この著者の小説は以前に「収穫祭」というのを読んだ。この本が二作目くらいのはず。収穫祭の日本の小説離れした展開のサスペンスが気に入っていたのだが、この本は大学生四人組を主人公にした本格推理。でも、正直、あんまり好みではないなぁ。親の独善的支配と子の独立、葛藤というのが重いテーマでこの作品のバックにあるのだが、語り口が軽いせいかどうもテーマの重さと語り口がミスマッチになっているように感じる。でもそれは私の好みというだけではある。それでもやっぱり動機の一つが今ひとつピンとこなかったりする。説得力を感じないのだ。まあそこに説得力を求めてはいけない設定になってはいるのだけれど。 ただ、巻末の解説を読んでいて分かったのだが、主人公四人組の中でも中心的なタカチとタックは私と同学年。(トシがばれるが)そういえば、この時代の二時間ドラマだと思うと結構時代の雰囲気を反映して、納得できるものがあるかもしれない。 でもやっぱり今ひとつ読んでもピンとこなかったなぁ。
November 18, 2012
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【送料無料】 竜の子ラッキーと音楽師 大型絵本 / ローズマリ・サトクリフ 【絵本】ローズマリ・サトクリフ岩波書店 265mm x 220mm 上製 大型絵本☆☆☆☆☆ ヨーロッパの神話・伝説を基にした児童書の著者だということは知っていたが、図書館で絵本を見つけ、しかも竜だの音楽師だのファンタスティックなタイトルにつられ、速攻で借りてきた。子供向きの絵本なので、あっという間に読めてしまう。絵はパステルタッチでとても暖かい絵柄だ。原題は"The Minstrel and the Dragon Pup" 「吟遊詩人と竜の仔」といった感じだろうか。 巣から零れ落ちた竜の卵を音楽師(=吟遊詩人)が拾って一緒に旅を始める。すると、竜の仔に愛情を注ぐうち、スランプだった彼に歌が降りてくるようになる。しかし竜の仔の珍しさに目を付けた悪い人間に竜の仔は連れ去られてしまう。勿論音楽師はこの竜の仔を見つけだし、最後はめでたしめでたしで終わる。 竜の仔の描写がはなから大型犬の子犬のようでとても可愛らしい。実は、悪い人間に連れ去られてしまうところも、ちょっとお間抜けだったりする。あとは、絵柄の中の王様がなんとなくロシアかスラヴ系の雰囲気に描かれていたのが不思議。 早速原書も密林書店でポチってしまった。日本語版は文字組が今一つ読みにくい感じがするのが難点だが、英語版はどうだろう。あと、この著者のベーオウルフの日本語版やアーサー王伝説も読んでみようかな。
November 14, 2012
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【送料無料】忘れられた花園(上) [ ケイト・モートン ]【送料無料】忘れられた花園(下) [ ケイト・モートン ]ケイト・モートン東京創元社 四六並製☆☆☆☆☆ 3世代、100年以上にわたるルーツ探しの旅。20世紀の初頭、オーストラリア、メアリーバラ。イギリスから着いた船に置き去りにされていた幼い少女。彼女は自分の名前も忘れ、結局港で働く夫婦に実子として育てられる。しかし、彼女が21歳になった時、父親から真実を告げられ、彼女はショックを受けるが、人生も老境にさしかかった'70年代、自分のルーツ探しを始める。 この著者のデビュー作だった前作はイギリスの凋落していく貴族階級のストーリーだったが、今回はそこに著者の母国、オーストラリアが加わってくる。でも、一見ただの細かな描写・演出にしか見えないマニアックな小道具が後々とんでもない意味を持って読者の前に現れる、という設定の妙は相変わらず。でも今回はこれがメインとはならず、さらに一族の女性たちのルーツをめぐる旅になる。オーストラリアに置き去りにされて少女はネルと名付けられ、やがて、自分の両親までは調べ上げるが、家庭の事情でイギリスに移住?帰還?することは叶わず、彼女の意志を継いだ孫娘がイギリスに調査に渡る。どうも祖母の生まれはコーンウォール地方だったらしい。そして、そこで探索が始まる。 この著者の十八番凋落するイギリスの貴族階級の描写の冴えは相変わらず。下層階級から玉の輿に乗った、レディ・マウントラチェットの描写はいい。更に、ネルの最初の記憶に登場する「お話のおばさま」イライザが、不幸な生い立ちからとマウントラチェット家に引き取られてからのレディ・マウントラチェットとの陰険なやりとり、繊細なお姫様で後にただのノータリン娘でさらに悲劇のヒロインといえなくもないローズ。彼女の悲劇が分かるところは面白かったが、実際にはもっと悲惨なことになっていたんじゃないかとも思う。そして、不気味な有閑貴族マウントラチェット卿。サイアクの似たもの夫婦といえなくもない。広大なお屋敷に暮らす不気味な上流階級の人々というのも楽しいが、さらにこの本はこれでもかと好みの要素が加わる。良くも悪くも少女趣味・乙女趣味なイライザが書いたとされる童話集。そして、有名な「秘密の花園」をモチーフにした囲み庭と著者バーネットも少しだけ登場する。そして、辺境の描写だなと思っていたら、コーンウォールって本当に辺境の地だったのね。。この土地柄もストーリーの雰囲気に一役買っている。 最初はイライザ・ネル・カサンドラ(ネルの孫)三人の視点で入れ替わりながらストーリーが進行するので、慣れるまでは少々読みにくかった。だが、やっぱりこういう壮大なゴシックロマンは好きだ。使用人でイライザとは仲良しだったメアリの娘から語られたメアリがマウントラチェット家をどう見ていたか、そして夫妻の末路。ローズが呆気なく死にすぎ、という気はしないでもないし、結末があと一ひねりでもよかったような気がする。 そういえば、イライザの少女時代は小公女、ネルのルーツ探しは私小説、カサンドラのところはハーレクインだ。そういえば、「秘密の花園」読んでみようかな。
November 9, 2012
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