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【送料無料】聖キプリアヌスの秘宝2011年12月発売文庫アドヴェント ~彼方からの呼び声~ 欧州妖異譚(4)篠原美季講談社X文庫 ホワイトハート☆☆☆☆☆ 二冊まとめての感想。 まず、「聖キプリアヌスの秘宝」。冒頭でユウリが電話をする場面がかなりミステリアスで好き。ウェブ上で色々な感想を拝見したが、ユウリの従兄の隆聖まで登場するし、ダルトンも出てくるし、シリトーも出てくるうえに、ユウリの父親まで登場してオールスターキャストだったのが楽しかった。あ、でもマクケヒト先生が出てこなかったな。ユウリ不在の時の彼の友人たちの様子が楽しい。ユウリはやっぱりシモンには連絡先を教えて「お籠り」するのだ。あと、ユウリパパって食えないおっさんって感があるが、何となくシモンが老成したらああなりそうな気がしないでもない。次で再登場するシモンのパパの方が豪快そう(昔は大雑把そう)だ。けれど、事件の解決はあっけないほどセイヤーズやオスカーからユウリに移っていくから、ここがもう少ししつこいと、もっと下級生達の様子が読めたんだけどな。にしても、露骨にユウリに接近したがらないセイヤーズはかなりお得な役回り。オスカーがやったら妨害される程度に接近していてもシモンすら黙認していそうだ。そして、最後の場面はかなり好き。だがシモンってあの綺羅綺羅しい付随設定がないと、ストーカーというかヤンデレというか……。やっぱりオスカーとセイヤーズは早く大学生になって、もっとストーリーに顔を出して欲しい。 ただ、この巻と次の巻ではユウリの左手首のブレスに関連したことはほとんど出てこない。 「アドヴェント~彼方からの呼び声」は、やっぱりローデンシュトルツの天才っぷりがいい。でも、彼にもう少し弾き応えのある曲を弾かせてやって欲しい。ユウリ並にあっちに行きそうな彼がイザイの無伴奏なんか弾いたらどうなるんだろう?それに、足台に楽器本体を使うって……。もしかしてケースに入れて踏み台に使ったのかもしれないけど、それは書いておかないと…。あのシチュエーション的に傍にケースがあったと考えられるから、あの場合、ケース使ったほうが安全だぞ。たぶん楽器を立てかけたて人が上に載ったら、(ローデンシュトルツは軽そうだけど)ネックが折れて踏み台にならないと思う。それに弓もかなりの値打ちものを使っているはずなので、絶対に存在を忘れないと思うんだけどね。他にも後一箇所突っ込みたいところがある。にしても、楽器・音楽に関してはこのシリーズって結構突っ込みどころ満載。でも、ユウリの咄嗟の台詞もあるし、あれだけベタベタしても何となくユウリに許容されてるし、ローデンシュトルツは今後また出てきて欲しい。あとダルトンはレギュラー化しそう。個人的にはシモンとダルトンのやりとりが好きだ。アシュレイほど険悪にならず会話が成立するからな。あと、この巻の最初のほうにあった、アンリの進学、お兄ちゃん差し置いてロンドン大学進学だったら楽しい。絶対オスカーやらオニールとことを構えて欲しい。シモンもユウリのお目付け役に弟を使いたそうな雰囲気があるし。当のアンリがどうするかは別として。
March 30, 2012
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【送料無料】肉迫【送料無料】秋霜北方謙三角川文庫☆☆☆☆ ブラディ・ドールシリーズ第三作目と第四作目。 第三作目の主人公はフロリダで妻を殺され、11歳の娘と悪友(?)の土崎とともに復讐心を胸にN市にやってきた秋山という男。土崎はフロリダで漁師をやっていて、操船がうまい。そして、いくら向こうで暮らしていたからとはいえ、秋山は銃の扱いが結構うまい。これが、疑惑付きの土地を手に入れるが、それで、川中との関係を疑われる。が、この男川中やその周囲の男達とウマが合い、結局川中の仲間の一人になっていく。まあ、このあたりは想像がついていたことだ。また、川中が町外れにある飲み屋レナを任せている菜摘がいい味を出している。前二作の女性陣に比べたら結構マトモな人だが、運転のウマさがかっこいい。ただ、秋山の娘、この本では11歳の安見がちょっとおしゃますぎ。11歳でここまでませてないと思うぞ。 第四作目。第一作目で親代わりだった神崎と兄を殺された内田悦子が名前を変えた玲子が登場する。この巻では前巻の大体2年後に当たるらしく、安見が中学生になって登場し、第二巻の主人公で川中・藤木・秋山・土崎など他のおじさんたちからは若い衆扱いの坂井が案の定安見にいいようにあしらわれている。主人公は58歳の画家遠山。結構有名な画家らしく、絵は高くて手が出ないという台詞が何度か出てくる。でもこのおじさんがかっこいい。画家なんていうヤワそうは職業に似合わず、惚れた若い女のために命を張るのだ。でも今ならもう少し年配のイメージの描写だ。あと、土崎とすっかり仲良くなっている寂れたハーバーの管理人(?)蒲生もいい味出している。このおっちゃんが死ななくてよかった。 この本の初版は1987年。菜摘の年齢の描写が30そこそこ、現在なら40くらいのイメージだ。全体的に年齢描写が若く感じる。それに、この初版の年代、書いていたときは意識されてないだろうが、まさにバブルの直前の建設ブームの時代の小都市の様子が伝わってくる。
March 25, 2012
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聖アントニウスの殺人価格:580円(税込、送料別)藤本ひとみ講談社文庫☆☆☆☆☆ フランス革命前夜、ロベスピエールの生まれ故郷のアラス市で幼女が下腹部を切り裂かれ殺される、という連続猟奇殺人が発生。しかし、中産階級の警官と被害が続出しさらに被害者が属する下層階級との階級間の反目もあって、捜査は遅々として進まない。やがてこの連続猟奇殺人が中央の知るところとなり、捜査協力のための密偵として、わずか13歳で服役中のフランソワ・ウージェーヌ・ヴィドックが送り込まれ、担当警部であるジョルジュと協力して捜査を行うことになる。 そして、捜査の過程で浮かび上がるのは被害に遭った子供達が凄惨な環境にいたこと。この時代、人権などという概念が生まれる直前の話なので、虐待なんぞあたりまえ。親も貧困の極みにあり、子供にかまって居られない。そんななか、3歳・4歳の女の子が真夜中に一人で街をさまよい歩いていて殺されているのだ。被害者の生活を通じて、貧富の差のはなはだしさが浮き彫りにされ、豊かな貴族階級と貧民の間の差が浮き彫りにされていく。ヴィドックはその中間の層の出身だが、考え方はかなり現代的。犯罪を社会悪が抑圧した結果と捉えている。最初、ヴィドックもジョルジュを信用しようとせず、密偵を務めることに反感を持っていたが、彼の思想を知るにつれ、きちんと協力するようになる。また、ジョルジュの方でもヴィドックの頭の良さには信用をおいているのだ。犯人は割と最初から暗示されているので、意外な感じはないし、ちょっと不自然な感じもするのだが、ジョルジュとヴィドックの間に友情の様なものが芽生えるのが読んでいて爽やかだった。でも、このジョルジュの犯罪を社会の悪としてとらえる考え方、そして割合人道主義者的な印象を受けるのだが、この設定を生かすには、フランス革命前夜のこの時代、しかもロベスピエールの故郷を舞台に持ってきたのだろう。このあたりの時代の描写は他でも読んだことがあり、それに比べたら、まだ手ぬるい気もするが、やっぱり不潔そうだ。ジョルジュが浮浪者用の食事をする場面があるのだが、よくお腹こわさなかったと思う。続編もあるそうなので、いつか読んでみようと思う。でもそっちにはジョルジュが出てきそうもないんだけどね。 因みにこのヴィドックは実在の人物だそうで、後書きによるとかなり数奇な生涯を送った人だ。でも長生きはしている。
March 15, 2012
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【送料無料】たましくる堀川アサコ新潮文庫☆☆☆☆☆ 日本ファンタジーノベル大賞受賞者の作品。受賞したのはこの作品じゃないけど。昭和六年に東京から青森県の弘前に死んだ姉の遺した娘とともにやってきた元娼妓の幸代は、姪安子にとっては叔母にあたるイタコの千歳と知り合う。この時代に地元の名家の生まれでありながら、盲目で、さらに若くして結婚したものの19歳で既に寡婦になっている千歳は厳格な名家の家刀自である母松江も適当にやりすごし、幸代と安子と三人で暮しはじめる。 しかし、幸代の姉、雪子の死因とて無理心中、幸代と千歳の周りにはどうもアヤシイ雰囲気が立ち込めているのだ。そして、あやしくて陰惨な事件が起こる。しかし、このタイトルにもかかわらず謎解きはイタコである千歳によって行われるが、とても合理的に解決されている。そして、幸代も時として死者の声を聞いている。 方言の台詞が少々読み取りにくい時もあるが、オカルティックな舞台装置のミステリとしてとても面白かった。ただ起こる事件が結構陰惨なのだが、何となくその描写があっさりしているようには感じる。また、安子の父親で弘前の名家の二男でありながら、入水癖のあるヤサ男な二枚目は、後書きによると武者小路実篤がモデルではないかという。確かに納得できるけどね。このアヤシイ兄ちゃんが今後どうなっていくかもちょっと楽しみだ。続巻があるので是非読んでみようと思う。
March 14, 2012
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【送料無料】さらば、荒野【送料無料】 碑銘 角川文庫 / 北方謙三 キタカタケンゾウ 【文庫】北方謙三角川文庫☆☆☆☆◎ 以前から気になっていたブラディ・ドールシリーズ。しかし、これ、シリーズ名で検索してもなかなか図書館では探しにくく、何年も読み損ねていたのをようやく、全シリーズ名(含約束の街シリーズ)を手帳に書き留めて、全巻読破を目指そうかと思っている。まあ、読書メーターに少女小説の著者名がトップにでるのがちょっと気恥ずかしいのもあるけど。でもこのシリーズとあの少女小説の著者がトップに出れば、まあ、私の性癖はバレバレだろうが。 この著者も読むのは初めて。ブラディ・ドール&約束の街シリーズの読了後は三国志も読んでみたいと思っている。にしても、本当に国産ハードボイルドだ。しかし昔のテレビドラマのように不自然なまでの派手なアクションもなく、その割に人が死ぬ。ただ、あまり不自然な感じはしない。多分、それは堅気の人の近くで事件が進行していないからだと思う。 第一作目「さらば、荒野」はブラディ・ドールのオーナーで主人公の川中が、仲の良くなかった弟の失踪事件に巻き込まれることから始まる。この弟はとても良妻とはいえない嫁を残して、勤め先の社長秘書と会社の秘密を持ち出して逃げるのだが、結局、勤め先の大幹部(って普通の会社だが)とつるんだヤクザに拷問の末死んでしまう。でもここでストーリーの半分。残りは弟の遺したモノに絡んで、ヤクザと政治屋と企業の三つ巴になり、川中の周囲の人々も命を落としていく。結構ここで、今後シリーズでいい味を出しそうな人も死んでしまって、とても残念だったが、案の定、川中がバーテンにスカウトしていた藤木はその人となりの片鱗を見せ始める。にしても、この作品で川中は飲酒運転しすぎ。今のご時世、結構気になる。また、人も結構死んでいく。 第二作目はその一年半後。藤木は川中のクラブのバーテンのまとめのようなことをやっており、藤木に遺恨を持つやくざから鉄砲玉が送り込まれる。しかし、このバーテン修行経験のある鉄砲玉、川中と藤木の側についてしまうのだ。これが若い男で、彼の目を通して語られる川中・藤木は結構かっこいい。人死にの頭数は減ってきているが、藤木の人の生命に対する酷薄さがすごい。他人の生命に対する感傷は感情で押さえつけ、自分の生命には一切頓着していない。でも、まるで川中の古女房に見えるのはやっぱり昔のクセのせいかな。 しかし、川中も藤木も新しく加わった若いの(名前ド忘れした)もみんな殺人での服役経験あり。それが田舎町でヤクザではないが、ヤクザと渡り合って暮らしているのだ。台詞もそうだし、出てくる車・バイク・クルーザー、酒全てが正統的ハードボイルドの道具立て。女っけもないし、出てくる女もどこか壊れている。それに、第二作目の最後の場面は続きが気になる。
March 14, 2012
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【送料無料】人生がときめく片づけの魔法近藤麻理恵サンマーク出版 四六並製☆☆☆☆◎ 昨年、6月13日に図書館で予約し、3月10日から読み始めた本。約9が月待ちだったということだ。9ヶ月待つくらいなら買ったほうがいいのかもしれないが、結構どのくらいかかるかも楽しみの一つだったりするので気にしない。ついでに書くと待つことに意義を見出しているので、待つ価値のある内容かというとそれも気にしない。それに一週間もかからずまだ次の予約者のあるこの本を図書館に返却できることに密かな自己満足も覚えているのだ。 カレン・キングストンの本と断捨離の本も読んでいるせいもあって、割といいたいことは同じかな~という感じが強い。ただ、他の二冊と違うのは、捨てるものは必ず手にとって「ときめかない」ものを捨てるという考え方。最初この本を読んでいるときは、感情的・直感的過ぎてなんだかなと思っていたのだが、この書き方・方法が、忙しい主婦だけでなく、考え込む傾向の強い男性に対しても一番いいかもしれない。この書き方だと男性は抵抗あるかもしれないけどね。 この本を読んで、とりあえず、私も部屋を掃除し、しばらく放置していた床に置いた英語の学校の申込書の残骸を捨て、デスクランプを作ったときの割れた火屋をやっとごみ置き場にもって行き、大量に溜め込んで「そのうち読む」つもりだったDMを処分した。これはこの本を読んで、あおられたのみで、この本の影響を受けたわけではない。それでも、小説ばかり読んでいるので、こういう本を読むと自分のアタマが少しは妄想世界から戻って来られるような気がする。 この本を読んで、汚部屋に逆戻りしないために実行したいのは、1.靴下と衣料品をきちんとたたむ ということだ。今、靴下は一組を折り返して一つにして適当に引き出しに放り込んでいるのを、きちんと畳んで並べておくようにしたい。衣料品も畳むというより丸めている場合が多いので以下同文。 そして、努力目標は、1.バッグの中身を毎日空にして、「毎日持ち歩くもの置き場」を作る だろうな、やっぱり。まずは「毎日持ち歩くもの」リストを作って、置き場の大きさを確定させよう。 次点で、2.本棚の中身は全部出して選別。 今、ネットオフで送ってしまおうという本が結構たまっているのだが、それらの本のほかに、上記を行ってもう少しネットオフに出す本を増やそうと思っている。そう、この本に書いてある通り「いつか読む・読み返したい本」の「いつか」はほとんどこないのだ。 あと、笑ったのが、ジャージにトレーナーを部屋着にしている女の部屋にはかなり高い確率でサボテンがある、という記述。まさしく私のこと。私の部屋、サボテン並みの手間しかかからない蘭と多肉植物(サボテンみたいなもんだ)があるし、今、サボテン一鉢買おうかとか思っている真っ最中だし。サボテン育てるくらいなら、お花を飾れとか書いてあるが、私はこれは全面的に賛成はしない。お花を飾るのは素敵だが、私は面白い形の多肉植物や着生蘭が好きなのだ。 それに、人生がときめくところまで至るかどうかは置いといても、時間があっても失業などで不如意な生活状況の時に大掃除をするのはとてもいいことだと思う。これは、開運とかそういった視点だけではなく、精神科のお医者さんなんかも推奨していることだ。私も結構我身で体験しているし。 ま、それはいいとして、上に書いた努力目標、我ながらいつ実行する気なんだろう?
March 11, 2012
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【送料無料】ナニワ・モンスタ-海堂尊新潮社 四六上製☆☆☆☆☆ 最初は新型インフルエンザパニックかと思っていたら、(いつものように?)Aiの話に。今回は現実の世界でどっかで聞いたような話題が多くて、こんな話が現実に自分の隣で起こっているかのような気分になった。インフルエンザのパンデミックすら手持ちカードにするって霞ヶ関はいったい何様なのか。首都直下地震で天誅を加えられればいいのにねぇ。 今回、桜ノ宮病院の皆さんはお休みだったが、浪速地検の鎌形・比嘉・千代田トリオの今後の活躍には期待したい。あと地味な喜国・モヒカン毛利のコンビも。特に鎌形は一部の女性読者ウケを狙ったのかと勘繰ってしまうではないか。そして、これまでの伏線がようやく今作から先で少し明かされていくといいなぁ。あとはやっぱりグッチー先生は出てきて欲しい。
March 10, 2012
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【送料無料】オッド・ト-マスの霊感ディーン・R・クーンツ早川文庫☆☆☆☆ 霊感青年の話というので、ウェットでオカルティックな事件展開を期待していたらかなり違った。まず、主人公オッド・トーマスは理解者を得て、自分の霊感を周囲のために役立てようとする使命感のようなものが強いし、事件の直接の犯人は霊魂ではなく、アタマのおかしい人間なのだ。サイコな犯人をプロファイリングではなく、第六感で追いかける探偵のような感じだ。もっと心霊譚の要素が強い小説を期待していたのでちょっとアテが外れた。しかも前半の展開がかなり冗漫に感じたので、こうした海外の小説にはよくあるのだが、後半に辿りついて一気に読むまで、読了できないかもしれないと思ったのだ。 ただ、解説で舞台設定の情報を補足と思わせぶりな冒頭の叙述を言及され、さらにもしかしたら……と思いつつ、そうならないといいな、と思っていたオッドの恋人、ストーミーの死あたりを読むと、やっぱり先が読みたくなってしまう。また、この小説は南カリフォルニアの砂漠地帯の小さな町ピコ・ムンド(小さな世界という意味)が舞台。ましてこの小説は夏場なので、気温が40何度とか、そういう状況で死体をどうとか、暑いのが苦手な私にとって、描写だけとはいえ、あまり好みの土地柄ではないのだが、その荒涼とした描写がこの小説の雰囲気にとても合っていると思う。あと、思わせぶりな登場人物達と幽霊も気になる。特に、コヨーテと一緒に現れた少女の霊には今後もコヨーテ付きで出てきてほしいなぁ。 先を読むのは少々先にはなると思うが、シリーズは読んでいこうと思う。そういえば、この作者を読むのは初めてだ。「ウォッチャーズ」という小説をずっと積読にしていて、結局読まずじまいにしてしまったことがあるので、名前だけは覚えていたのだ。
March 9, 2012
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【送料無料】もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら岩崎夏海ダイヤモンド社 四六並製☆☆☆☆ この本、やっぱりライトノベルかな。確かにドラッカーのマネジメントについては言及されてるけど、あっという間に読み終わってしまったせいか、なんだか物足りない。正直このくらいなら、何もドラッカーじゃなくても韓非子や孫子、あるいは甲陽軍艦でもいいんじゃないかって気がする。まあ、顧客の定義やマネージャーは真摯であれっていうのは興味深い記述だったが。でもだからといって原典を読む気はない。エッセンシャル版であっても睡眠薬代わりにしかならないのは間違いない。 ストーリーの展開も読めるし、やっぱりこれがベストセラーだというのは、AKB人気とかわいらしい絵と着想の面白さによるんだろう。(やっぱりベストセラーになる要素は包含してるわけだが)にしても、版元はいい商売になっただろう。この本だけじゃなく、おそらくエッセンシャル版も結構出ただろうから。 あと、関係ないけど、この単行本の主人公の背後の建物、私の自宅から徒歩10分の荒川ゲートブリッジだと思う。ただ周囲の様子は似ているようで違う。それに川幅の割にゲートブリッジが大きすぎるような気もするなぁ。
March 2, 2012
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【送料無料】氷姫カミラ・レックバリ集英社文庫☆☆☆☆ 北欧スウェーデンの田舎町を舞台にしたミステリ。亡くなった両親が遺した家の処分にそこを訪れていたエリカは幼い頃の親友が凍てつく天気の中、その友人の家のバスルームで水に浸かって死んでいるのを発見する。そこから事件が起こるのだが、警察が動き出すまで、登場人物の紹介が結構多くちょっと展開が遅く感じた。お金持ちのイギリス人と結婚したものの、その夫のいいなりになり、更にDVに悩まされているエリカの妹アンナ。(昔の)階級意識に囚われたままの地元の名家の老婦人。しかも彼女の実の息子は23年前に失踪している。そして、町の札付きの役立たず(ヤクザ者ではなく無害)の飲んだくれを養う年老いた母親、ケーキ屋さんを引退したものの、それでも毎日おいしいケーキをたくさん作ってしまう老婦人、ちょっと浮気者っぽい漁師兼教師で主人公エリカの元カレなどなど。誰も彼もいわくありげであやしげだった。 しかし、この登場人物設定から推して知るべしで、当初「北欧」というイメージでロジカルでドライなミステリなのかと漠然と思いつつ読んだら、全く逆。さながら北欧版横溝正史だった。まあ、田舎が舞台というあたりで気づいた方がよかったかも。それでも、読みにくいが雰囲気満点の地名や、寒そうな気候描写、どこに行くにも車が必要でさらにその車が寒冷地のことゆえエンジンがかかりにくいだの雪に埋もれて大変だの、折々にさしはさまれる北欧の雰囲気は堪能できたと思う。 個人的に気に入ったのは、ヒロインエリカの恋人、パトリックが結構図体はでかそうなのだが、同僚で犬ぞり競技に熱心な女性にまるで彼女の飼い犬たちのように「お座り!」を躾けられているところ。まるで大型犬だ。そういえばこの本、女性達はなかなか逞しそうだが、彼女達を取り巻く男性の多くは結構このパトリックみたいに図体は大きくても気は優しそうな男が多い。まあ例外もいるが、彼らに限って二枚目に描写されている。 シリーズ第一作目だが、最初から続巻が予定されていたのか、登場人物の複雑な背後関係がさらに続巻で明らかになっていくようだ。ちょっと読みにくいところがある小説だが、気が向いたら続巻も読もう。
March 2, 2012
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