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ショット shot 1. 一つの場面を連続的に撮影すること。または
その映像、
カット
2.ボールを打つこと 3.射撃、発射、狙撃する。
カット Cut 1.切ること、削除 2.髪を切り整えること 3.裁断
4.小型の絵や図案 5. 撮影の一時中断、単位画面。
先日テレビでアメリカのアクションドラマを見ていて、「何だこれは?」と驚きました。そのワンショットが数秒しかなく、それを編集でつないだだけです。
会話の一つのセリフが一つのショットになっていて、それをつないでいる。 普通なら、カメラが回り始めて、俳優が演技をする。いくつかのセリフのやりとりがあって、監督が「カット」の指示を出すまでカメラが回り続けるものです。強調などの、必要な演出におけるクロースアップやバストショットを挿入したりして画面をつないでゆくものでしょう。
それなのに、一人の俳優が一つのセリフを言うたびにカット。それを受ける相手のセリフが別のショットで撮られていて、これではセリフを言い間違えても、とちっても、そこだけを撮りなおして編集で入れ替えれば済む、お手軽な撮影法ではないか。
かつては、セリフがいくつも連続する数十秒数分間の長いショットが撮影されていたはずです。長いワンショット撮影では、おしまいの方になって誰かがセリフを間違えたら、もう一度初めからやりなおしになった。一人がとちったら、他の俳優に迷惑をかけることになったのですが、しかし、それでこそ、俳優も演技のし甲斐があったのだろうし、監督の演出も、監督の個性もそこに発揮できていたのではなかったか。
それなのに、現代らしいというか、いとも簡単にお手軽に、俳優の一つのセリフが一つのショットで撮影されて、俳優が間違えても、誰にも迷惑をかけることなく、そこだけを撮りなおして入れ替えれば済んでしまう。しかし、こんなことをやっていたら、テレビドラマも、映画もダメになってしまうのではないかとあきれ返ってしまいました。
画像はヒッチコック監督の「ロープ」(1948)です。本編80分くらいのサスペンス映画で、全編ワンシーン、ワンショットで撮影されたとされるものです。実際には10分間くらいのショットが観客にはわからないようにつなぎ合わされているのですが、それでもワンショットが10分間もある。その間、俳優はカメラの前で演技を続け、セリフのやりとりを続けています。ちょっと極端な例かもしれないけれど、少しは見習うべきではないかい。 昔のようなフィルム撮影ではなくデジタル撮影になった現代ですが、機器の発達で10分間以上の長い撮影ができるはずなのに、そうではなく、これからは逆にお手軽な、簡単に済ませようとする撮影が一般的になってゆくのだろうか。