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♪ 執念と直観力が流木に命を与ふアートなるべし Heather Jansch は1948年生れ。イギリス(イングランドが正しい)の女性流木アーチストだ。 絵と馬が好きで、レオナルド・ダ・ヴィンチに憧れるおてんばの田舎娘だった。山麓の丘陵地帯に居を構えた世界的な芸術家になる夢を持っていた。 ビジュアルデザインを学ぶためにウォルサムストー大学に入るも挫折し、ロンドンの有名な金細工師大学へ。しかし、そこでの授業にもついて行けず1年で退学となる。 乗馬の絵を描く仕事に就き、結果を出すも自分の技量の不足を痛感する。アーサーGiadelli(国際的立場の芸術家)に助言を求め、馬を良く観察すること、結果を急いで求めないという助言を得る。 それで、馬の油絵を描きながらそれを実行していた。 在る日、だしぬけに海へ入り流木に出会う。その時、雷に打たれるように流木馬のイメージが閃く。そこから自分の表現すべくものの確信を得、その道へと突き進むようになっていった。バックには沢山の流木のストックが上はすべて等身大で出来ているこの3枚はミニサイズの馬 馬だけでなくこんなものも制作している。 これらも塑像というものの範疇にはいるのだろうか。彫刻ではないし粘土などの可塑性の材料で造るものとも違う。 大型のものは金属のフレームをベースに、銅線とねじで固定して制作されている。粘土で作るのとは違って細かい調整は利かないだけに、頭の中に確固とした形がなければならない。どうしてもフォルムが甘くなってしまう恐れもあるが、造られた作品にはそんな部分は全く見られない。 余程のデッサン力と観察力、馬に対する愛着と造詣が深くなくてはこうはいかない。 本物よりもずっと魅力を感じさせるこれらは、これが芸術というものだと実感させてくれる。作者◆2006年5月8日よりスタートした「日歌」が千首を超えたのを機に、「游歌」とタイトルを変えて、2009年2月中旬より再スタートしました。◆2011年1月2日からは、楽歌「TNK31」と改題してスタートすることにしました。★ 「ジグソーパズル」 自作短歌百選(2006年5月~2009年2月)
2012.04.30
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♪ 一年は元旦起点の長き旅はや3分の1を過ぎらむ 一年は365の駅を巡る各駅停車の電車に乗っている様なもの。それも環状線で、ぐるっと回ればスタートの位置へ戻って来る。 元旦を起点とするよりは春4月1日をスタート地点とした方がしっくりくる気もするが。 ウチのカミサンは、一年が道路地図のようなイメージで描く事が出来るのだと言う。 1月は真っ直ぐ向うへ向かって行き、2月は右へ曲がって3月は少し左へカーブする、という様に一年のイメージが固定しているらしい。子供の頃からそうらしい。 学校へ通う一年の変化が脳内イメージとなって、春休みの頃はこんな風にとか夏休みの時期はどうだとか、感覚的なものがあるようだ。 何となく分かる気がするが、自分の中にはそんな具体的なイメージを持った事がないのでちょっと面白いなあと思う。☆ いよいよゴールデンウィークに突入した。 朝日新聞が「be」between での読者アンケートで、GWに出かける予定があるかどうかを尋ねている。 貴方は、「出かける予定がある」と答えた人が一体何パーセントいると思いますか。」 これが意外や意外、27%しかいなかった。「決まっていない」が30%、「予定がない」が43%にも上る。 出かけないと答えた人の理由は、「どこも混んでいる」985人、「ツアー代、宿泊費が高い」415人、「家計に余裕がない」276人、「仕事がある」183人、「読書、勉強、趣味」145人、「体力、健康上の問題」119人などとなっている。 それで、出かけると答えた人の生き先でも「日帰りレジャー(映画、美術館、コンサートなど)」がトップで345人、「国内旅行」336人、「帰省、墓参」244人、「国内旅行(日帰り)」219人、「買い物」79人、「海外旅行」44人などと続く。 「高い」「混む」「疲れる」の三拍子を避け、家でのんびりという人が増えてきたらしい。高齢化社会を反映して、毎日が日曜日なのでGWは関係ないリタイア世代、家族サービスも終わった世代も多い。GWなどの特定期間を外せば格安ツアーも充実している。 休みの取り方も変わって来ているこの時代、ゴールデンウィークというものの必要性を疑問視する意見もある。有給休暇もろくに取れないで、GWしか休めないというのは余りにも古い。 嗚呼、第二東名が部分開通して、「御殿場」あたりは終日超渋滞するのだろうなぁ。目に見えるようだ。 休日の大半を渋滞の車の中で過ごすというのは、将に貧困そのものだ。発想も貧困、思想も生き方も貧困としか言いようがない。 今、PCの前に座っている人はそんな馬鹿げた事をしない賢明なる人生の達人ばかり。昼間からビールでも飲んで、ゆっくり好きなミステリーでも読みながらのんびり過ごしましょう。◆2006年5月8日よりスタートした「日歌」が千首を超えたのを機に、「游歌」とタイトルを変えて、2009年2月中旬より再スタートしました。◆2011年1月2日からは、楽歌「TNK31」と改題してスタートすることにしました。★ 「ジグソーパズル」 自作短歌百選(2006年5月~2009年2月)
2012.04.29
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♪ 庭先に咲く花見れば一目ぼれ散らずにもがな名を問うまでは 初めてみる珍しくも美しい草花が、ある家の歌壇に咲いている。青い洋花で漏斗状の花弁が、折り畳み式の落としぶたのようにきれいに重なって咲いている。 名前が分からない。ネモフィラという花の様な気もするが違う様な気もする。花の中心部に黒い点があるというので良く見れば判別できそうだ。もう一度しっかり見てくることにしよう。 家人に会ったら名前を聞いて見るつもりだ。ネモフィラ・メンジーシー 何でもそうだが名前を知る事は重要で、知る事によって自分に近づき自分のものになっていく。知らないうちは距離を感じているものが、知ると同時にその距離が縮まる。 ウォーキングのコースにしているパークロードには色んな花や木が植えられているが、その名前が分からないのが幾つかある。 以前、市の担当に名札をつけてくれるようお願いした事があるが、そのままになっている。知りたいのに分からないのは、どうにも落ち着かない気分なものだ。 人の名前もそうで、名前を知らないうちは他人のままだが、知った瞬間から親近感が湧く。知らなければ声も掛けずらい。◆2006年5月8日よりスタートした「日歌」が千首を超えたのを機に、「游歌」とタイトルを変えて、2009年2月中旬より再スタートしました。◆2011年1月2日からは、楽歌「TNK31」と改題してスタートすることにしました。★ 「ジグソーパズル」 自作短歌百選(2006年5月~2009年2月)
2012.04.28
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♪ 太陽はいき惑うらむ反転の極は半ばで止まるべらなり 太陽には南北両極にプラス極とマイナス極があり、約11年周期で同時に両極の磁場が入れ替わる(反転する)。 現在の太陽は北極がマイナス極、南極がプラス極となっていて、次回は2013年5月の太陽活動の「極大期」(太陽の黒点数が最大になる時期)と同時に反転すると予測されていた。 ところが今年1月の太陽観測衛星「ひので」の観測で、北極では約1年も早く、反転に向けて磁場がゼロ状態に近くなっていることが分かった。 しかし、南極では反転の兆しはみられず、依然、プラス極のままだ。その結果、北極と南極がともにプラス極となり、赤道付近に別のマイナス極ができるような、太陽全体の磁場が「4重極構造」になる可能性があるという。 太陽活動は極大期と極小期を周期的に繰り返しているが、現在の活動周期は予想以上に長引き、約11年周期が12.6年になっているらしい。 今回の磁場観測の結果を含めて、これら太陽活動の異変は、地球が寒冷期となった「マウンダー極小期」(1645-1715年ごろ)や「ダルトン極小期」(1790-1820年ごろ)に似ているという。 70年続いた「マウンダー極小期」にはテムズ川が凍り、スケートが出来たらしい。「マウンダー極小期」「ダルトン極小期」では、京都の冬の気温が平年より-2.5℃だった事が分かっている。 太陽全体の磁場が「4重極構造」になる様な事が過去にもあったのかどうか。 ♪ 太陽も生きて養うものありて人も地球も庇護さる僕(しもべ) 太陽は地球の命そのものです。その活動に大きく左右されるのは当然としても、影響の現れ方は様々な要因が絡んでいてとても複雑だ。7割を占める海水温に影響される事はエルニーニョやラニーニャで良く知られているが、海水の温度が地球全体規模で変化するには数百年かそれ以上かかると言われる。 太陽活動が地球全体に影響を及ぼすまでにはかなりのタイムラグがある。 現在の地球温暖化も、必ずしもCO2などの排出ガスが原因とは言いきれないという。 地球上に起こる天変地異に翻弄されて生きている人間にとって、神にも近い太陽の起こす事なんか考えても仕方がないのかもしれない。 成るようにしかならないし、素直にそれに従って行くしかないのだから・・・。◆2006年5月8日よりスタートした「日歌」が千首を超えたのを機に、「游歌」とタイトルを変えて、2009年2月中旬より再スタートしました。◆2011年1月2日からは、楽歌「TNK31」と改題してスタートすることにしました。★ 「ジグソーパズル」 自作短歌百選(2006年5月~2009年2月)
2012.04.27
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♪ 春の野に憂いの空の広がれり所在知れぬ子千有余なり 居所不明の児童・生徒数は2010年度に326人だったのが、文科省が調査指示を出した11年度は1191人と4倍近くに跳ね上がった。理由は定かではないが、住民票がありながら学校には来ていない子供の数だ。 大阪府富田林市で、小学4年生になっているはずの9歳男児が、一度も学校に来ないまま行方知れずになっていることが分かった。これを受けて文部科学省が市町村教育委員会に把握を指示した結果、全国でこれだけの人数に上った。 不明者数の内訳は、男子が602人、女子が581人。 年代別では7~11歳(小学生)が851人、12~14歳(中学生)が332人。 地域別では、愛知県の272人が最も多く、東京都(200人)、大阪府(153人)、神奈川県(142人)などの大都市部が続いた。 いろんなケースがあるにせよ、行政の不手際にも問題があるのは確か。2年前に全国で大騒ぎになった100歳以上の高齢不明者が続出した時と同じだ。 ♪ 千有余の所在不明児知りし夜に北朝鮮のパレードを見る◆2006年5月8日よりスタートした「日歌」が千首を超えたのを機に、「游歌」とタイトルを変えて、2009年2月中旬より再スタートしました。◆2011年1月2日からは、楽歌「TNK31」と改題してスタートすることにしました。★ 「ジグソーパズル」 自作短歌百選(2006年5月~2009年2月)
2012.04.26
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♪ 新緑の風は萌黄にそよそよと木末(こぬれ)あまねく夏めいてゆき ♪ アカシアの芽吹き明るき春の野に迷えるごとく紋黄蝶とぶ ♪ 落葉松に芽吹きの風の吹きゆきて けぶれるごとく日の暮れゆきぬ ♪ 頭上から緑の雫したたらす銀杏の並木を走り抜けたり◆2006年5月8日よりスタートした「日歌」が千首を超えたのを機に、「游歌」とタイトルを変えて、2009年2月中旬より再スタートしました。◆2011年1月2日からは、楽歌「TNK31」と改題してスタートすることにしました。★ 「ジグソーパズル」 自作短歌百選(2006年5月~2009年2月)
2012.04.25
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♪ 狩人の血のざわざわと騒ぎだす仔猫の初夏は酷くもあるかな 初夏となりそろそろ小動物も活動を始めた。 遊んで欲しくてしょうがなかったピピも、半年が過ぎて外へ出るようになってからは、そういう動くものに興味が移った。 先日は、家の外壁に止まっていた守宮を捕まえて長い間弄んでいた。猫の方はただ遊んでいるだけでも、やられている守宮はたまらない。 手でいじって動けば抑え込み、また解放しては捕まえるというようなことを、延々と繰り返す。死んで玩具の意味がなくなれば、食べるでもなく放置してしまう。 ニホントカゲ カナヘビ しかし、猫特有のこれらの行動は観ていて飽きない。蜥蜴やかなへびも出てくるし、青大将が這っている事もある。カナブンだろうがカマキリだろうが何だって動くものは標的になる。 以前いたメス猫のチャミーと違って、ピピはかなり”どんくさい”。概してオスはメスに比べて狩りが下手で、野鳥はさすがによう捕まえないだろう。 ♪ ヒゲを立て身を伏し仔猫いっぱしの 狩りのつもりで追う石竜子(トカゲ)の子 ♪ 動き出す小動物に若猫の襲いかかれば悲しき玩具 これから夏に向かって何匹の小動物が犠牲になるのだろうか。弱肉強玩具の日々は続く。◆2006年5月8日よりスタートした「日歌」が千首を超えたのを機に、「游歌」とタイトルを変えて、2009年2月中旬より再スタートしました。◆2011年1月2日からは、楽歌「TNK31」と改題してスタートすることにしました。★ 「ジグソーパズル」 自作短歌百選(2006年5月~2009年2月)
2012.04.24
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♪ 座る事あたわざりけり。一日を伏し歌詠みて、子規を想いぬ 土曜日に一日バイクに乗って、痛かった「痔」を悪化させてしまった。座る事が出来ず、昨日は一日炬燵で伸びていた。 こんな日は短歌を趣味にしていてつくづく良かったと思う。雨降りの行楽もままならない日曜日、何もしないでのんびり過ごすのも悪くない。 正岡子規を思いながら日がな短歌に明け暮れて、ラフスケッチではあるが20首ほど詠んだ。 「痔」はどうにも腫れがが弾かないので、雨の中、病院に行ってこようと思っている。投薬だけで済めばいいのだが・・・。 ♪ 不都合の生(あ)れてわびしき春の日の そぼ降る雨にこころ溶かまし ♪ しとしとと大地を濡らす雨音に 侏儒(しゅじゅ)の駆けゆく音を聞くらむ 侏儒・・・小人、一寸法師 ♪ 春雨を打たせましかばみずみずと観音竹の緑ならまし雨の日は外に出して葉水とすれば心なしか喜んでいるように見える追記 1週間前に発症した水虫に「枇杷の葉エキス」を塗り続けたら、効果てき面、治ってしまった。念の為にもう少し続けるつもりだが、こんなに良く効くなら再発しても気が楽だ。☆追伸 「痔」の結果報告 心配したこと杞憂に終わり、大したことはないことが判明。「痔」の中でも最も軽いものとのご宣託で、完治には2週間ほど掛かるが特別にすることもなく座薬と服用薬で済むという。 バイクに乗っても構わないし、酒を飲んでも些かも問題ないとのこと。いわゆる血豆の様なものが肛門に出来ていて、その血が吸収されるまでに2週間ほど掛かるということらしい。原因はやはり、たまに便が硬いことがあるのと便意を催すのが弱いので多少いきむことが良くないらしい。水分を小まめに摂ること、ウォーキングなどの軽い運動が肝要との事。 座薬2種類、服用錠剤2種類を処方され、胸のつかえが取れてスカッとした気分で帰って来た。 それにしても大腸科・肛門科というのは何だか怖い。 問診表とは別に、癌の告知を希望するか否かを答える用紙が添付されていて、大腸がんの疑いも抱きながら来院する人の多いことを思い知らされた。 「痔」疾患は日本人の3人に1人の割合でいるのに対し、大腸がんの罹患数(新たに大腸がんになった患者数)は毎年10万人を超えるようになっている。 2020年には、胃がん、肺がんを抜き、男女をあわせた日本人のがん罹患数、罹患率はともに1位になると予測されているという。 大腸がんの死亡者数はこの20年で2倍以上に増え続け、現在、日本の女性のがん死亡原因の1位、また男性では胃がん、肺がん、肝臓がんについで4位となっているらしい。 重々気を付けて、便秘などにならないように・・・・・!!◆2006年5月8日よりスタートした「日歌」が千首を超えたのを機に、「游歌」とタイトルを変えて、2009年2月中旬より再スタートしました。◆2011年1月2日からは、楽歌「TNK31」と改題してスタートすることにしました。★ 「ジグソーパズル」 自作短歌百選(2006年5月~2009年2月)
2012.04.23
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♪ 矛盾などあるはずもなく瑞々し芽生えて木々は個を語らむや 万緑の前の木々の芽ぶきはとても個性的だ。 内在しているピュアな個性を新芽に見せて、外連もてらいもなく輝いてただ眩しいばかり。 無言で魅せる芽生えの数々。木々の芽生えの萌えゆく姿はは誰にとっても魅力のある存在と見えて、多くの写真がネット上に掲載されている。 偶然なのか写真のセオリーなのか知らないが、被写体の捉え方に共通性があってどの写真も同じ向きに撮られているのを、並べてみて気が付いた。「左」へ少し傾いでいる新芽と「左」へ伸びる枝を捉えたものばかりで、右を向いているもの右向きの枝というものがない。 左向きの方が自然に見えるという無意識の選択なのだろう。普通、歩行者は左側通行が自然であるというのと何か関係があるのかもしれない。 ♪ 年ごとに萌えはこの身を遠ざかりセーラー服をただ眺めしも◆2006年5月8日よりスタートした「日歌」が千首を超えたのを機に、「游歌」とタイトルを変えて、2009年2月中旬より再スタートしました。◆2011年1月2日からは、楽歌「TNK31」と改題してスタートすることにしました。★ 「ジグソーパズル」 自作短歌百選(2006年5月~2009年2月)
2012.04.22
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♪ 草も木も田畑も深い息をして穀雨の夜は靄に包まる 穀雨となった20日は、その言葉通りまさに慈雨ともいえるような細かい雨が降りました。 その雨も夜には止んで、しっとりと水気を含んだ外気は靄となって大地を包み、潤いに呼び覚まされた地球が大きく呼吸している様に感じられる生温かい夜です。 穀雨の”田んぼや畑の準備が整い、それに合わせるように、柔らかな春の雨が降る頃。この頃より変りやすい春の天気も安定し、日差しも強まる。”の通り、水の入れられた田んぼでは早やツチガエルが鳴いていました。 枯れた様に押し黙っていた木々も目を覚まし、己を誇示するように日増しに饒舌になっていく。山笑うめくるめく新緑の季節はあらゆる生物が、あたかもβエンドルフィンによってランナーズハイになるように、生き生きとして動き回り始める。 庭では、飼い猫ピピが小動物を見つけて嬉々として弄んでいる。初めて迎える春のますます饒舌になっていく自然の中で、βエンドルフィンを出しっぱなしにして一日が過ぎていく。 右も左も物珍しい変化と刺激に満ち満ちていて、が楽しくて仕方がないのだろう、一度外出すればしばらく帰って来ない。 そんな春だからか、初めての「水虫」を経験している。左足の中指と薬指の間がかゆい。枇杷の葉エキスが効くというので、風呂上りにたっぷり振りかけている。かゆみは少し和らいできた気もして、効果のほどを大いに期待しているところ。何事も初期の素早い対応が肝腎だ。 そんな折、2日ほど時間差を置いて「痔」にも悩まされることになった。イボがある事は以前から知っていてるが気にならない程度なので放ってある。硬めの便が続いたのが原因ではあるが、ストレスや疲れなども影響しているのかもしれない。 これも早めの手当てで直さねばならない。暫くは酒も禁止だ。 嗚呼、春というのに・・・。◆2006年5月8日よりスタートした「日歌」が千首を超えたのを機に、「游歌」とタイトルを変えて、2009年2月中旬より再スタートしました。◆2011年1月2日からは、楽歌「TNK31」と改題してスタートすることにしました。★ 「ジグソーパズル」 自作短歌百選(2006年5月~2009年2月)
2012.04.21
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♪ 列島をつなみのごとく北上し桜の波は陸奥に至れり 桜前線が東北辺りまで北上して、ようやく待望の春を迎えているようです。 縦に長い日本列島は、季節の変化にもかなりの時間差がでてくる。梅に始まって桜が咲き、桃が咲いて梨の花が咲くというように、花の咲く時期も少しづつづれている。 面白いのは、その花前線が北上するにつれて、それらの花の時間差が圧縮されていき、福島辺りまで来るとほとんど差がなくなるということ。それで、それらがものの見事に一斉に花開く。その絢爛さは、耐えに耐えてきた冬を一瞬で忘れさせるような、将に桃源郷そのものの豪華さだ。 ♪ そして今梅桜桃梨(ばいおうとうり)あとさきのけじめのなしに北国の春 堀口大学の詩を基に詠めり 約32万人が訪れるという福島の「花見山」は、昨年の大地震と原発の放射能の影響で観光客が1/3にまで落ち込んだ。今年はその影響も薄れ、春を待ちわびた多くの人々が押し寄せた事でしょう。 公式HPによると、花木畑として再生を図るため、しばらくの間園路も含めた畑の養生をさせるため、公園への入園はできないらしい。園に至るまでの遊歩道や周遊ルートを利用して花見山公園を含めた周辺の花木畑全体が織り成すすばらしい景観は十分楽しめるとのこと。「花見山」公園の全景 「花見山」公園は、福島県福島市にある花卉園芸農家の私有地の名称で、所有者が公園として市民に無料開放している。春のお花見シーズンには多くの観光客を集める一大お花見スポット。 切花出荷用の東海桜を初め、梅、桃、ソメイヨシノ、レンギョウ、ボケ、サンシュユ、モクレンそしてツバキ等が当園のみならず地区一帯に咲き誇る。そのさまを写真家の秋山庄太郎は「福島に桃源郷あり」と形容し、毎年訪れていたという。 一昨日現在、紅梅、レンギョウ、日向水木、土佐水木、東海桜、彼岸桜、シデコブシや木蓮などが見ごろとなり、染井吉野、ボケ、花桃などが咲き始めたとのこと。 近ければ一度は訪れてみたいところですね。◆2006年5月8日よりスタートした「日歌」が千首を超えたのを機に、「游歌」とタイトルを変えて、2009年2月中旬より再スタートしました。◆2011年1月2日からは、楽歌「TNK31」と改題してスタートすることにしました。★ 「ジグソーパズル」 自作短歌百選(2006年5月~2009年2月)
2012.04.20
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♪ 伝統にとっぷり浸かり一日が、アナログで過ぐ。むべなるかなや 伝統工芸というものは、非常に地味でストイックなアナログ的なものの集約された世界のもの。手作業がその全てだといってもいい。 絞り染めもその典型的なもので、何工程もあるそれ等は一から十までが手作業で、非常に手間のかかるものだ。 夏ものの制作シーズンに入り、日がな一日ネットラジオでジャズを聴きながら、その地道な作業をこなしている。好きでやっている事とはいえ、近ごろはあまり根気が続かなくなって2時間も続けていると嫌になって来る。 インターバルを置き、コーヒーを飲みながら暫しの休憩を取る。そうして、一日がゆるりゆるりと過ぎて行く。 夕方6時も過ぎる頃になれば、目はショボショボし頭はボーっとしてくる。もう限界だ。ラジオからレコードに切り替えて、本格的にジャズ鑑賞へと移行する。そうなれば、飲むものもちょっと軽めにアルコールなど欲しくなる。 好きな仕事をやった後に好きなジャズを聴き、好きな酒をちょっとだけ飲む。ほんの少しの贅沢だけど、これでいいのかと思うぐらい幸せなひと時だ。 LPレコードの音はやっぱりネット・ラジオなど比べ物にならない。音が粒立ってリアルな音色が、ガンガンとハートに打ちこんでくる。アンプもスピーカーも、今が一番いい音を出してるんじゃないかと思うほど良い感じで鳴っている。疲れなんか一瞬に吹っ飛んでいく。 今日の音源は、アルト・サックスのアーサー・ブライス。アルバムタイトルも「イン・ザ・トラディション」と、偶然にも「伝統」がかぶった。 このモノクロのLPジャケット。アーサー・ブライスの恰幅といい、マフィアまがいの縦じまのスーツやバックのクラシックな車といい、かなり凝った仕立てになっている。アル・カポネが暗躍した1920年代の禁酒法時代のニューヨークを思わせる。 1979年録音時にすでに39歳であり、決して若いとは言えないがその演奏は若々しさとパワーに溢れたもので、当時、80年代を担うサックス奏者の一人として嘱望されていた。 アルト・サックスの音色が独特で、金属的な乾いたその音質は一度聞いたら耳に焼きついて離れない。リードの違いなのか、吹き方の違いなのか、他の誰にも似ていない個性的な音色だ。 A面1曲目に針を落とした瞬間、いきなりアップテンポのファンキーな演奏が始まる。このジターバッグ・ワルツのちょっとおどけたような演奏は、この風体からとても想像出来ない。◆2006年5月8日よりスタートした「日歌」が千首を超えたのを機に、「游歌」とタイトルを変えて、2009年2月中旬より再スタートしました。◆2011年1月2日からは、楽歌「TNK31」と改題してスタートすることにしました。★ 「ジグソーパズル」 自作短歌百選(2006年5月~2009年2月)
2012.04.19
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♪ ゆくりなく遠きカナダゆ電話ありずれて重なる会話のゆれて 私のホームページを観たのでと、まさにワールド・ワイド・ウェブを地で行く電話が入った。 耳のちょっと遠いカミサンが出てちぐはぐな会話の後、私への用件だ分かり電話を代わった。言葉が重なったり、ちょっとづつ間が空いたりで会話がスムーズに進まない。カナダに住む日本人からの電話で、国際電話のため音声が少しずれる様だった。 HPを観て、私の教室に通う事は可能かという問い合わせの電話で、ご主人がスタジオを開設することになり、染色作品も扱うので絞り染めを一度体験したいとのことだった。 カナダに住む人がどうやって教室に来るのかと訝っていると、近々日本に帰る予定があり、その間に訪問したいとの事。一週間余りの滞在であまり時間的余裕がなく、こちらのスケジュールとの折り合いがつくかどうか、直ぐには答られず、5月に帰省した時点で電話をして貰う事となった。 掛かってきた電話の音声がずれていたところを見ると、衛星を使った無線通信回線だったらしい。海底ケーブルを使った有線通信なら殆ど時差は生じないはずだ。 因みに、カナダは日本との時差がその都市の位置により、12.5時間差(日本より遅れる)から17時間差までと6種類あるらしい。4月から10月の間は夏時間を採用しているため、時差が1時間少なくなる(12.5時間差は11.5時間差に)という。 掛かって来たのが昼ごろだから、向うは夜中に掛けてきたということになる。 ♪ この星の天地あまねく網をなし1と0とが行き交いにけり つい最近、アメリカ在住の日本人が運営する短歌の会に入れて頂いたばかり。先日、4月の月例のための題詠と自由歌を一首づつ提出したところだ。この会は、結成して10年になるもので、毎月、北米報知新聞に「Eメール短歌会」として連載されている。 相手は日本人とはいえ、PCを通じて地球の裏側とのやり取りが相次いで、グローバルな世の中になった事を遅まきながら実感している。 そう言えば、以前、HPを通してアメリカから梵字のタペストリーの注文が入った事もあったし、ボストンのギャラリーから作品を扱いたいというオファーを貰った事もある。それをすっかり忘れていた。 もっと頻繁にそういう話があればと思うのだが、この不景気のご時世ではなかなかそうはなりそうにない。◆2006年5月8日よりスタートした「日歌」が千首を超えたのを機に、「游歌」とタイトルを変えて、2009年2月中旬より再スタートしました。◆2011年1月2日からは、楽歌「TNK31」と改題してスタートすることにしました。★ 「ジグソーパズル」 自作短歌百選(2006年5月~2009年2月)
2012.04.18
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♪ しっとりと屋根を濡らして明けゆきぬ昨日の事は忘れ去るべし 静かで穏やかな、憂いを含んだ四月半ばの朝が明ける。 しっとりとした潤いの中に、自分の手には負えぬもの等を含みながら、徐々に明るさを増し、濡れた屋根が赤みを帯びた光線に照らされていく。 明けてしまえばもう昨日とはまったく違う、新たな一日の始まりだ。 不遜な、不実な、不本意な昨日に決別し、昇り来る太陽のように今日を照らしていきてゆく。 ♪ 暮れなずむ街につかのま背を向けて ちゅーいんがむを噛みしめている 年度が変わり、体質が変わり、季節が変わる。四月は過酷だ。 豊穣の芽生えと再生のエナジーに火が入り、高速に回転し、噛み合いあるいは空転し。闇雲にあるいは強かに、止まる事留まる事も許されぬままがっしがっしと動き出す。 他人とは比べず、少しの打算と孤立の勇気を持って、自分の立ち位置を見定めていく。それが身を守るための必要最小限のスタンス。小出しに自分を出しながら、適当な協調と適度な距離を保つ。 文句を言われても、叱られても、発展途上と割り切って甘んじて受け入れながら、決して自己否定をしない事。 自分の思い通りに行く事などないと、心の底に書いておく。◆2006年5月8日よりスタートした「日歌」が千首を超えたのを機に、「游歌」とタイトルを変えて、2009年2月中旬より再スタートしました。◆2011年1月2日からは、楽歌「TNK31」と改題してスタートすることにしました。★ 「ジグソーパズル」 自作短歌百選(2006年5月~2009年2月)
2012.04.17
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♪ 包丁の上手く砥げたら若者よ散る花びらに未来を託せ ♪ 瞬く間に春の序章の過ぎゆきて自作の劇の幕が開きたり ♪ 終わるものありて始まる理(ことわり)に ゼロを起点となしてゆくべし ♪ 気がつけば桜特急ゆき過ぎて送るホームに花びらの舞い◆2006年5月8日よりスタートした「日歌」が千首を超えたのを機に、「游歌」とタイトルを変えて、2009年2月中旬より再スタートしました。◆2011年1月2日からは、楽歌「TNK31」と改題してスタートすることにしました。★ 「ジグソーパズル」 自作短歌百選(2006年5月~2009年2月)
2012.04.16
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♪ 意にそわず、行き違いあり。無駄骨を折りて過ぎにし日の恨めしき 新しい会社を立ち上げて、猪突猛進している同業関連の仲間がいる。 鬱を患って入院していた経験があり、めでたく退院したのはいいのだけれど、最近はその反動なのか躁状態のようで、とに角走り回っている。 人の意見を聞く耳を待たないところは昔からあったが、それが極端に現れて、信念と確信のもとに一人で突っ走っている。思い付いた事を片っ端から行動に移している様な所があり、大風呂敷を広げるというか、虚言の混じった言動も気になっている。 一体何をやろうとしているのか、本人の説明だけでは掴みにくい。忠告を聞くような状況にないので、如何ともしがたい。彼の言動を観るにつけ、みんなが心配して手をこまねいているばかり。 そんな彼に振り回されて、一日を棒に振った事がある。 ちょっとした損害も被った。それを説明して納得させるのに、何度メールのやり取りをした事か。口で言って口論になると拙い(こっちが短気で腹を立てる恐れがある)ので、余分な事は書かずに出来るだけ穏やかな文章でやり取りする。それでも食い違いが生じ、思い違いもあってすんなり話が進まない。 根気よくやり取りして、何とか双方が納得した形にようやく落ち着いたところだ。 本当のところを知ろうとあちこちに情報を求め、少ない情報を集約してみてはいるが、よく分からない。警戒して距離を置く人もいて、”孤立する、手負いのはぐれ狼”のような状況になりつつある。 薬が原因で躁状態になっているのなら、ちゃんと医者に掛かり通院なり診察を続ける必要がある。しかし、いかんせ本人は絶好調な訳でその状態に疑問を挟む余地もなく、快調に事を進めていくばかりなのだから、周りは手も足も出せないのだ。 こういう状況に本来の持っている性格が絡み合って、外からは読みとる事が出来ない状況が本人の中には渦巻いている。 例えば、見栄っ張りだったり、負けん気だったり、依存性向だったり、意地っ張りだったり、そんなものが、自己の都合のいい方向に働くように絡んでくる。 精神科医でもなかなか対応は難しいと思われる。身近な親族とてそこに割り込んでいく事など出来そうにない。 決して悪い人ではなく、むしろ人が良すぎるぐらいのところがある。すべて業界の為に良いと思ってやっていることでもあり、援助してやりたいのはやまやまなのだが・・・。 一体どうしたらいいのでしょう。◆2006年5月8日よりスタートした「日歌」が千首を超えたのを機に、「游歌」とタイトルを変えて、2009年2月中旬より再スタートしました。◆2011年1月2日からは、楽歌「TNK31」と改題してスタートすることにしました。★ 「ジグソーパズル」 自作短歌百選(2006年5月~2009年2月)
2012.04.15
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♪ 柿の木のよこ枝に猫のすわるみゆさくらの花の舞うひるさがり 相変わらず仲の良い猫二匹は、生後半年を過ぎて行動がずいぶん変わって来た。 二匹が木登りして遊ぶ姿をたまに見かける事はあったが、ピピは細い塀の上に乗ることができなかった。それが、最近は塀の上に乗って、そこから屋根へ移れるようになったようだ。 不在の時には屋根から出這入りしてくれないと困るので、尻込みして時はどんなものかと案じていたが、どうやらそれもクリアしたようだ。 しかし、そうなるとお相手のモモちゃん(勝手にそう呼んでいる)も一緒に家に入って来そうなので、それはそれで問題ありだ。 モモちゃんは親との仲も良く、ときどき親子三匹で歩いている姿を見かける。 その親猫も屋根の上を歩いている事があるので、同じ様に入り込んでくる恐れがある。 最近のピピは夜しっかり寝てくれるようにはなった物の、朝がとに角早い。4時過ぎに起きて、”腹が減った!餌をくれ!!”と鳴きまくる。また、外へも出たがるので寝室の窓を開けてやるが、すぐにまた入れてくれと鳴く。それを何度も繰り返す。カミサンは早朝から起こされ、窓の開け閉めをさせられていい加減辟易している。 それでも毎日、かわいい!可愛い!!を連発しては世話を焼いている。こんな猫好きの家に拾われて、こんな幸せな猫はいない。お猫様々の扱いは至れり尽くせりで、文句を言われるだけの私などとは比べ物にならない。◆2006年5月8日よりスタートした「日歌」が千首を超えたのを機に、「游歌」とタイトルを変えて、2009年2月中旬より再スタートしました。◆2011年1月2日からは、楽歌「TNK31」と改題してスタートすることにしました。★ 「ジグソーパズル」 自作短歌百選(2006年5月~2009年2月)
2012.04.14
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♪ 薔薇園の作男となり一日を花にうずめむ夢のあと先 もしわが家に日当たりの良い広い庭があったら、多分何種類かの薔薇を植えていただろうと思う。消毒や管理が大変そうだが、基本が分かればそんなに大変でもないだろうと思う。 しかし、やっぱり手間はかかるし目が生き届くためにはそれなりの時間的制約もついて回る。それを考えると、仕事をしながらの薔薇の管理は難しそうだ。 ビロードの様なスカーレット系やコーラルレッドの薔薇が好きで、バラなのにローズ系はあまり好きではないのが偏屈なところ。スーリール・ドゥ・モナリザ(モナリザの微笑み)エル・ディ・ブレスウェイトブラックティアルブレヒトデューラーローズスカーレットオハラ レディ・エマ・ハミルトン Tシャツを染める時期となって、薔薇の花を思い浮かべながら、せっせと加工作業をしている。NHKの「趣味の園芸」では、新シリーズ「ローズレッスン」というのが始まった。 そんな番組を見ながら絞り染めをしている私は、男というより女性的な生活をしている様な気がしてきた。 しかし、「おねえ系」の男なんて大嫌いなので、そっちの気は毛頭ない事をここに強く記しておきます。ただただ美しいものが好きだというだけです。そういう部分ではフェミニズム的でジェンダー的な感覚を持っているというのは確かです。 美しいものを美しいと感じる感覚がなければ、染色を生業に生きていく事は不可能だし、その感覚があればこそ、自ら美を創作することに喜びを感じてる訳です。 その才能が有るか無いかは別にして、好きという部分でそれを前面に出して生きていけることは幸せなことだと思う。◆2006年5月8日よりスタートした「日歌」が千首を超えたのを機に、「游歌」とタイトルを変えて、2009年2月中旬より再スタートしました。◆2011年1月2日からは、楽歌「TNK31」と改題してスタートすることにしました。★ 「ジグソーパズル」 自作短歌百選(2006年5月~2009年2月)
2012.04.13
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♪ 雨に散る桜の花の花びらの水玉となる傘をさしゆく 昨日は、満開の桜に雨という桜にとっては劇的な無常の幕切れとなった。 風花となって舞い散る姿も桜の最後の楽しみの一つではあるが、こうして雨に打たれて地上に散り敷く風情もまた、ある種の情緒があって捨てがたいものがある。 桜であるからこその、この情景。映画「ラストサムライ」のハイライト、政府軍と反政府軍の合戦シーンを思わせる。 「武士道精神」をもって無情にも潔く散っていった勝元の脳裏に浮かんでいたのは、こんな情景だったのではないだろうか。 翻って、未だに何かやらかしては顰蹙を買っている政界の宇宙人。今や、天然記念物的存在の世界遺産にも匹敵する永田町の特殊希少生物だ。 「出て来ては政治を引っ掻き回すハト」「口害が糞害よりもひどい鳩」朝日新聞。 「鳩が葱を背負ってイランのカモとなる」sunkyu。 いい加減に華飾を捨て、風花と散って潔く政治の世界から消えて欲しいと思う。 雨に散る桜の花を、この人はどんな思いで眺めているのだろうか。◆2006年5月8日よりスタートした「日歌」が千首を超えたのを機に、「游歌」とタイトルを変えて、2009年2月中旬より再スタートしました。◆2011年1月2日からは、楽歌「TNK31」と改題してスタートすることにしました。★ 「ジグソーパズル」 自作短歌百選(2006年5月~2009年2月)
2012.04.12
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♪ ぬばたまのくろけしつぶちょっきりの名を呪文のように唱ふ薔薇人 そろそろ薔薇園も忙しくなる季節のようです。 4月は、特に病害虫(ウドンコ病、黒点病、アブラムシ、ゾウムシ)への対策が始まるので大変だ。 5月になるとこれ等の他に、ボトリチス病、ベト病、ヨトウムシ、コガネムシ、バラハキリバチ、ホソオビアシブトクチバ、カイガラムシ、ハダニ、スリップス等が新たに加わって来る。そのために、殺虫、殺菌剤を混合して最低2週間に一度は散布する必要があるという。 ここで言うゾウムシとは「バラゾウムシ」のことで、正式には「クロケシツブチョッキリ」と言うふざけた名前の持ち主だ。 新梢、新芽、新葉、つぼみなどに穴をあけて産卵する厄介なやつで、産卵した部分の直下に穴をあけ、上部を枯れ死させる。幼虫は土中に潜り蛹化し、多くの種は夏までに羽化し、一部の新成虫が現れ後食するというもの。 最初にこの名前を知った時は、あまりにおかしくて何度も口の中でつぶやいてみた。「クロケシツブチョッキリ」「クロケシツブチョッキリ」「クロケシツブチョッキリ」。 これが、つぼみなどに穴をあけて花をダメにする、あの憎い虫の名前だと知ったのは後の事。 園芸を趣味にする人にはお馴染でしょうが、初めて聞いた時にすぐに覚えたことでしょう。 こんな風になれば誰だって腹が立つ 全長3mmほどの小さな虫だ この名前は、習性や姿・形からして 「黒 芥子粒 チョッキり」 という意味らしい。 やっと付いた1番花の蕾が膨らむ時期に飛来し、蕾の根元に穴を開けて、花を台無しにしてしまう憎き小虫で、チョッキりという愛きょうを感じる様な輩ではない。折角付いた蕾が首うなだれて、結局花を咲かせることなく萎れてしまったという経験を持つ人は多いでしょう。 どうしてなのか分からなくて困惑していたのが、犯人がこんな小さなゾウムシの仕業と知った時の、怒りのやり場の無い無念さ。 そんな憎い虫の名を、私だったら「黒芥子粒花殺し虫」とでも付けるでしょう。 ◆2006年5月8日よりスタートした「日歌」が千首を超えたのを機に、「游歌」とタイトルを変えて、2009年2月中旬より再スタートしました。◆2011年1月2日からは、楽歌「TNK31」と改題してスタートすることにしました。★ 「ジグソーパズル」 自作短歌百選(2006年5月~2009年2月)
2012.04.11
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♪ 鮮やかに昔をつづる向田や記憶を食みてドラマ仕立てむ 最近の作家の本をどうも読む気がしなくて、ちょっと古い本ばかり読んでいる。若い頃にはあまり熱心な読書家ではなかったので、読まずに通り過ぎてきた本がたくさんある。今読んでいるのは、向田邦子の「父の詫び状」を呼んでいる。 この本がエッセイ集だとは知らなかったという無知者だが、彼女の文章のうまさにはほとほと感心させられる。情景がありありと浮かぶ表現力と、心の様子が手にとるように伝わる文章力。そして展開と構成と。 49歳の時に書かれたエッセイ集 あとがきを読んで驚いてしまった。 この本は、乳がん(昭和50年)を患って手術し、輸血が原因で血清肝炎になり、寝たきりで安静していた時に執筆依頼を受けたものだという。 右手が使えず左手で書くことでスタートし、二年半かかって「銀座百点」に掲載していたもので、あとがきは昭和53年10月の記述となっている。 そんな状況の中でよくこんな文章が書けたものだと感心する。それと同時に、売れっ子作家でテレビ・ラジオの台本やらに追われている状況では、ここまで鮮明に昔の事を思い出し、書き綴っては居られなかったかも知れないとも思う。 ♪ 思い出をねずみ花火に例えしの思いがけないところで爆ぜて 将に職人芸といえるような筆さばきの特徴は、「決して具体的なものから離れようとせず、自分の身の丈に合った素材を自分の手になじんだ道具で料理していき、声高に叫んだり、過剰な情緒におぼれたりすることがないところにある。」と解説に沢木耕太郎が書いている。その通りだと思う。 平明な文章ながら話の進め方に工夫があり、先の展開へ興味が湧く構成になっているのが見事。本当に上手いと思う。天才的な感の良さと理知的で男性的な脳の持ち主とも思える。べたべたしたところがなく、結びへの持って行き様が潔い。 本人も自分の文章がTV的だという事を多少は意識していたようだ。その後、このエッセイそのままの筆致で、短編小説「思い出トランプ」が生れて行った。 ♪ 小説とドラマと現エッセイとダマスク織の人生なりけり 最後の「解説」を読んでまたびっくりだ。 まだ若かった沢木耕太郎が本人に依頼されて解説を書き、出来上がったところで彼女の飛行機事故(昭和56年8月)を知るという、ドラマの様な事故と現実。昭和56年の9月というから、あとがきを書き上梓してから3年後のことだ。 昭和4年生れで、享年51歳の彼女が今生きていたら、どんな文章、どんなドラマを書いていたのだろう。亡くなって30年以上も経ってからこんな事を書いている自分が、余りにも時代遅れの無知蒙昧も甚だしいとつくづく思う。 だがしかし、”ものを知るに遅いという事はない”と誰かが言っていた。 これからもまだ読んでいない、昭和の作家の本をせいぜい精出して読んでいく事にしようと思う。ダマスク織 裏地のある絹、綿、リンネル、羊毛の合成繊維の衣服・織物で、 織り方にパター ン化された模様を伴うものである。一本の経糸と緯糸から編まれ、通常は経糸で 模様を織り、緯糸で素地を織る。 経(タテ)糸と緯(ヨコ)糸を図柄に従って互いに垂直に織り込みながら摸様が完成 されていくもので、生地をまたいで互いの糸が一本ずつ織り重なっていく高度な テクニックのもの。 裏も綺麗な模様であるのが特徴で、織り重なる糸と糸は立体感のある模様とな り、同時に生地自体もしっかり丈夫なものになる。繊細な織り込みは素晴らしい 光沢を放ち、艶のある発色に仕上がる。 光沢のある経糸の長い流れと、緯糸の織り成すハイライトが見る者の位置によ って、異なった光の反射をなす。◆2006年5月8日よりスタートした「日歌」が千首を超えたのを機に、「游歌」とタイトルを変えて、2009年2月中旬より再スタートしました。◆2011年1月2日からは、楽歌「TNK31」と改題してスタートすることにしました。★ 「ジグソーパズル」 自作短歌百選(2006年5月~2009年2月)
2012.04.10
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♪ 春霞む街を見下ろすお座敷に花の咲くらむ初顔合わせ 4月の第二日曜日の昨日、何処も彼処も人人人。進路が決まってそれぞれが新しい世界へ踏み出す季節でもある。その束の間の日曜日とあって、花は満開、天気も上々とあれば外出したくもなるというもの。 春のはじめのウキウキ気分。ショッピングに行楽にと老若男女が繰り出して、春の熱気が街にあふれていた。 そんな一日に合わせるように、息子が結婚相手のご両親との初顔合わせをセットしてくれた。 街を見下ろす高層の和室で、加賀の会席料理を頂きながら、楽しいひと時を過ごさせてもらった。初対面をの意識させない自然体で話ができたのは、掘りごたつ式の座卓にも関係があるかもしれない。 ♪ 印象は春の野のごとなごやかに話しの花の咲きにけるかも 優しいご両親にお会いして、この親にしてこの子ありを実感し、彼女の穏やかで物静かな人となりを大いに納得した次第。 最良の日和に恵まれたのも神の采配。安月給で、当面は共働きとなるのは今のご時世とていた仕方なく、一つ一つ自分たちで築き上げ積み重ねていく喜びをかみしめていって欲しい。 自分の来し方を考えてみても、ここまでよくも今まで無事にやって来れたと感慨も深い。これもカミサンのお陰だと改めて思う。 自分が選んだ目に間違いはなかったと思わせてくれる、そのことの幸せを感謝しないわけにはいかない。紆余曲折はあったにせよ、苦しい中でも何とか子供を学校にやり、立派に育て上げたことは奇跡的とさえ思う事がある。 自分のわがままのせいで苦労させ、口汚く罵って泣かせた事も多々ある、決しておしどり夫婦などではなかった。それでも後年になって歳を重ねる事で知るものもあり、修正しながらの30有余年が過ぎた。 最近は、傍からは中の良い夫婦に見えるらしく、羨ましがられる様な事もあるのは少しばかり誤解を含んでいる。 そんな両親を見ながら育ち、我慢することに関しては、親の私よりも長けているかもしれない子供たち。 アルバイトに明け暮れた学生時代。若い時の苦労は必ず役に立つ。それがベースにあることで、様々な難局を乗り越えて行く基礎が整っているということ。 あまり口数が多くない息子だが、意思の疎通は怠りなくお互いの想いをぶつけ合ってほしい。その中でしか解決の糸口を見つける事は出来ないのだから。 喧嘩をする事、それが夫婦のしなければならない最も重要な事だと思う。 ◆2006年5月8日よりスタートした「日歌」が千首を超えたのを機に、「游歌」とタイトルを変えて、2009年2月中旬より再スタートしました。◆2011年1月2日からは、楽歌「TNK31」と改題してスタートすることにしました。★ 「ジグソーパズル」 自作短歌百選(2006年5月~2009年2月)
2012.04.09
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♪ もう一人座れる余地に手刀を切って座りぬ通勤電車 未だ朝早い時間帯の通勤通学電車は、自分が乗る駅に着く頃になって満席となってくる。 先に乗っている人達は、空席の状態で乗りこむため一人ひとりの間隔を大きくとって座っている。それが徐々に埋まってきて、両サイドが半人分位づつ空いている状態になってくる。 そんなところへ乗り込んでいくわけだが、混んできてもわざわざそれを詰めるように移動してくれる人は殆どいない。 こちらも最近は、朝からの立ちんぼは辛いし、本も読みたい。出来れば座りたいのだ。それで、乗りこんですぐに両サイドが半人分空いている席の前へ行く。そして、手刀を切るようにして席を詰めてもらう。 躊躇することなく一連の動作でやるのがコツで、一瞬ためらっていまうと何か気後れして出来なくなる。 ”座らせて下さい”と声を掛け、”ありがとう”という事もあれば、ついつい無言でやってしまう事もある。図々しいオッサンとは思わせたくはないし、ごく自然に、当然のことの様に行わなくてはならない。座席指定の特急が増えた分通勤通学は不便になった 座っている方も、多分詰めた方がいいと思っていて、面倒くさいやら照れくさいやらでそのままになっているのだろう。 そうなら尚更、こちらからアクションして座らせてもらうのが「阿吽の呼吸」というものだろう。 たまに怪訝な顔をする若者もいるが、それだって居眠りしていたか本を読んでいたかで、そうされるまで気付かなかったというだけのこと。 スッと腰を半分移動するだけで済むことなのだから、立って席を譲るのに比べればどうってことないことだ。 こちらが何もしなくてもそうしてくれれば一番いい。 そうすればお互いが「オキシトシンの幸せポイント」を1点ゲットできるのに、と思ったりもする。◆2006年5月8日よりスタートした「日歌」が千首を超えたのを機に、「游歌」とタイトルを変えて、2009年2月中旬より再スタートしました。◆2011年1月2日からは、楽歌「TNK31」と改題してスタートすることにしました。★ 「ジグソーパズル」 自作短歌百選(2006年5月~2009年2月)
2012.04.08
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♪ しだれ枝にるびーの玉のふきいでてつぼみは雨のしずくとなりぬ ♪ 紅を身にまといたる枝垂れ枝の桃に染まれる里の夕ぐれ福島 花見山◆2006年5月8日よりスタートした「日歌」が千首を超えたのを機に、「游歌」とタイトルを変えて、2009年2月中旬より再スタートしました。◆2011年1月2日からは、楽歌「TNK31」と改題してスタートすることにしました。★ 「ジグソーパズル」 自作短歌百選(2006年5月~2009年2月)
2012.04.07
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♪ おしなべて分かりやすくという配慮かくしてやわな国となりゆく 「N響アワー」が終了した。その後に続く「ららら♪クラシック」は、クラシックを分かりやすい切り口で提供するというものらしい。まだ観ていないので、どの程度分かりやすい素人向けの番組になったのかは分からないが・・・。 最近のNHKは、どんどん民放の方に寄って行き、NHKらしい部分をどんどん無くそうとしているように見える。民放を真似たお茶の間感覚のクイズ番組とか、柔軟路線を行く事で視聴率が上がると勘違いしている。 NHKの本来あるべき使命を忘れ、大衆に迎合して行く姿は目に余るものがある。 甘ったるい子供の菓子のような番組は見るに堪えない。ピリッとワサビを利かした媚びの無い、質実剛健の噛み応えのある番組を提供するべきだ。 今の世の中、どんどん下へ下へとシフトが切られ、柔らかく噛み応えの無い料理の様になっていく。票をあてにして媚びへつらう政治家のように、プロがアマチュアへ擦り寄っていくように、素人を基準にする軟な風潮がある。 漢字は新聞などで使えない字が増えたし、教科書を漫画風にする大学が出て来たりと、硬質なもの難解なものをどんどん排除して行く。 訳も分からず覚えこまされた古文や漢文など、意味が分からなくても丸暗記することで韻律を体で覚えることに意義がある。後に、その内容を理解した時の感動もより大きくなる。 脳に対する刺激をとっても意味があることで、分かりやすい、歯ごたえの無いものばかりでは使う脳も限られてくる。 何であっても陰陽の両方が必要であって、そのことで全てのバランスが保たれている。硬軟、剛柔、強弱、上下、左右、大小、あるいは美醜、善悪、賢愚もしかり。 堅苦しいもの真面目なものを嫌う風潮もあり、差し障りの無いその場しのぎの会話で終始し、議論をしようとしない若者たち。大人までがその方へ擦り寄っていって、どんどん骨抜きになっていく。◆2006年5月8日よりスタートした「日歌」が千首を超えたのを機に、「游歌」とタイトルを変えて、2009年2月中旬より再スタートしました。◆2011年1月2日からは、楽歌「TNK31」と改題してスタートすることにしました。★ 「ジグソーパズル」 自作短歌百選(2006年5月~2009年2月)
2012.04.06
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♪ 年頭の誓い忘るる春の日に山の桜はひたぶるに咲き 年が明けてはや三カ月が過ぎ、春を迎える喜びに年頭の誓いも何処へやら。 桜の花に心が動くのは日本人の証しなのでしょうか。余りにも色んな事が矢継ぎ早に起こる昨今の日本列島にあって、桜の開花がこんなにも心を揺すぶる年はないように思います。 ♪ ひたぶるにただひたぶるに咲く花の やがてしずかに散りゆきにけり 今年の吉野山は平清盛のヒットもあって、西行ゆかりの桜の名所だけに上中下の千本桜は今まで以上の人が押し寄せ、ビックリするような年になる事でしょう。2008年4月13日 ♪ 夢の中に舞う風花やうつつにも吉野の山をかすみならまし ♪ 葉と花のかもす色香やみ吉野の けふをいはいて咲きにけるかも ♪ み吉野の今を競いて十重二十重散りゆく時をながむべらなり ♪ 苔むしぬ幹やいにしえやまざくら吉野の山のあるじたらまし もし吉野山に行かれるなら、絶対、早朝に限ります。 最も人出が多くなる10過ぎから昼過ぎを避け、その人々が押し寄せるころには下山するようなスケジュールを組む事をお勧めします。 絶対的な名所だけに、平日も物凄い人です。今年は例年より開花が遅いでしょうから、例年並みの日程で予定を組んでいる人とそうでない人とがバラついて、却ってその方がいいのかもしれない。 これを見る限りでは、例年とあまり変わらないような気もします。 中千本の満開予想が15日の日曜日になっているので、この辺りが人出のピークとなりそうです。 ラッシュアワー並みの混雑は必至でしょう。◆2006年5月8日よりスタートした「日歌」が千首を超えたのを機に、「游歌」とタイトルを変えて、2009年2月中旬より再スタートしました。◆2011年1月2日からは、楽歌「TNK31」と改題してスタートすることにしました。★ 「ジグソーパズル」 自作短歌百選(2006年5月~2009年2月)
2012.04.05
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♪ ホルモンの乱れるごとくウラノスも情緒狂わす春やあけぼの 瞬間風速30mを超す様な、猛烈な風雨が全国を駆け抜けた昨日。各地で被害があいつだ様です。完成したばかりの大型船が座礁したり、トラックが横転したり、死傷者まで出るようなありさま。天の神ウラノスの情緒バランスが狂ったような、季節の変わり目の突発的癇癪だ。 南からの湿った暖かい風と北からの強い寒気が流れ込んで、猛烈に発達した低気圧が前線を伴って列島を横断して行った。その寒冷前線のせいで、今日はまた花冷えの寒い一日になりそうだ。 こうも目まぐるしく気温が上下しては、幾ら春先とはいえ体がついていけない。桜の花の期間は長くなると同時に、花粉の飛ぶ期間も長くなるというから最悪だ。 くれぐれも、今後の体調と花粉症にはご用心下さい。◆2006年5月8日よりスタートした「日歌」が千首を超えたのを機に、「游歌」とタイトルを変えて、2009年2月中旬より再スタートしました。◆2011年1月2日からは、楽歌「TNK31」と改題してスタートすることにしました。★ 「ジグソーパズル」 自作短歌百選(2006年5月~2009年2月)
2012.04.04
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♪ 咲きそめし桜に雨のふりきたりすみ絵に水のたれしごとくに 出る杭は打たれるとばかりに、せっかく咲き始めた桜花にこのいじわるな雨。 今春、新しく出ていく社会はそんなに甘くないぞと、自然界から新人たちへの無言の洗礼のようにも思えてくる。 花に嵐、さよならだけが人生、か。 別れと出合いの繰り返し。桜の花の短さと人の別れの切なさと。思えば遠く来たものだ。 初めて出会った桜を思い出した。 家の近所にあったごく小さな公園の、たったひとつの遊具に滑り台があった。その上に抱えて乗せられ、見上げた空間に満開の桜が咲いていた。 と、思ってよくよく考えてみると、その滑り台に乗っているのは弟で、その高さが怖くて泣いているのを、横で呆れて眺めているのが自分だった。 ここの、この一本の大きな桜の樹の下で遊ぶのが好きだった。子供心にも、その花の持つ華やかさと、包み込んでくれる様な温かみを感じながら遊んでいたような気がする。 生活の周辺にある一本の桜は、生活の一部でもあり人の心の拠点をなすような存在でもあるようだ。 特に男には、概念空間を描き、その座標点を定める癖があるのだという。 「心のよりどころ」との距離を測りながら、世界観を広げていく。その原点は「母親」であり、「故郷」や「母校」、人によっては「玩具」や「初めて買った自転車」だったりする。 この生れ故郷の一本の桜は、そこを離れてから思い出す事はなかったが、心の奥底にある「黒子」のように、決して消えることなく存在し続けるのかもしれない。久留米・浅井の一本桜 「みっちゃんの世迷言」より 試しに、「一本桜」で画像検索したらこんなにたくさんの美しい桜が出てきた。同じ場所のものも多いが、全国には色んな一本桜の名所があることに驚く。◆2006年5月8日よりスタートした「日歌」が千首を超えたのを機に、「游歌」とタイトルを変えて、2009年2月中旬より再スタートしました。◆2011年1月2日からは、楽歌「TNK31」と改題してスタートすることにしました。★ 「ジグソーパズル」 自作短歌百選(2006年5月~2009年2月)
2012.04.03
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♪ 花冷えのさくら篝火ジャズナイト火の粉は飛びて人はふるえて 「寺でジャズ」弘法寺の試みは、好きを刺激のイベントぞ。結婚記念の日とあれば、これ幸いとチケットの、予約を庫裡に申し出む。 晴れて迎えし篝火の火の粉舞い散る遍照院。妻をいざない訪れむ。本堂の外側で、未だ明るい6時頃にスタート 開花の声のちらほらと花の咲く木あればこそ、人のあふれた境内の賑々しくもなればなり。軽トラバザーのピザを買い、二人で喰いてカップ酒を飲んで待ちたるプロローグ。 折から吹ける北風のいよよ強まりよこなぐり。そ中でジャズの始まれば音色寒々風のうち、押して押されて流れゆく。 あまりの寒さ冷たさにステージ衣装打ち捨てて、防寒私服の無礼講。スキーの服に身を包み完全防備の吾なれど、妻の足先冷え冷えと限界超えのいよよなり。奥に使われなかった衣装が見える 女性ボーカル出でまして拙きまでの日本語と、津軽三味線じょんからで弦を切りたる余興あり。 250の定員を大きく超えし反響も、あまりの寒さ耐えきれず途中で抜ける人ありぬ。さもあらばキャパは百へと下るとも本堂内へ打ち入れば至福の時と人のいう。さもさてもなり住職のそれを許さず叶わざり、先の課題となりにけり。 一部と二部の間に行われた津軽三味線 見る方もやる方も過酷な、今後二度と経験することの無い卯月初日のジャズナイト。記憶に残る夜となった。セント川合スペシャルバンド ピアノ:Sakakura アルトサックス:辻田有樹 ベース:安田基郎 ドラムス:佃政彦 パーカッション:セント川合 スペシャルゲスト ボーカル:ヘレン・ホーマー ピアノのリズム感が悪かったのは、寒さのせいか?◆2006年5月8日よりスタートした「日歌」が千首を超えたのを機に、「游歌」とタイトルを変えて、2009年2月中旬より再スタートしました。◆2011年1月2日からは、楽歌「TNK31」と改題してスタートすることにしました。★ 「ジグソーパズル」 自作短歌百選(2006年5月~2009年2月)
2012.04.02
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♪ 繋がれて餌をもらいて生きゆきて犬の見てきた 空 いろ色の 飼い殺しという言葉がある。雇われながら自由もなく、ただ決められた仕事をさせられて何がしかの報酬を与えられている囚われの身。 吠えることすらことすら放棄して、ただ昼寝を決め込んで突っ伏している犬を見ていると、やりきれない気持ちになって来る。 毎日変わるのは空模様だけ。その空を見上げながら何を考えているのだろうか。 サラリーマンとて同じような境遇に置かれて、ただ職場と会社を往復しているだけの人も多いのではないだろうか。 先日の「天声人語」に、モノを言わない人が増えたという話を紹介していた。フランスで暮らした作家の池澤夏樹氏が帰国後、「日本の買い物には会話がない」とコラムに書き、まるでロボットの国の様だと。 都心の駅員は、「無言で地図を見せて道を聞き、礼も言わずに去る人がいる」と嘆く。スーパーの買い物で提示する「レジ袋不用」のカードも、口で言えば済む事なのに、という意見もあるとつづく。 ネットなどでは饒舌なのに、現場では声も出さない人々。無口が習慣化するとしゃべる感覚がどんどん遠ざかり、しゃべる事自体が面倒になっていくというのはよく分かる。 そんな生活をしていると、顔の表情筋も衰えてますます無表情で無愛想な人間になっていく。 先日の「天声人語」では、東京都民の1世帯あたりの平均人数が1.99人になった事を上げ、一日を無言で暮らす人が増えた事を危惧している。 独身者は増える一方だし、お年寄りはもちろんのこと、家に帰っても話をする相手がいない生活は、砂を噛むようにざらざらして味気ない。 曲がりなりにも伴侶を見つけ、夫婦で日常のささやかながらも生きた会話をして生きていかなければ、人間力は落ちていくばかり。 会話をしないと脳の活性は落ちるのは目に見えている。 会話を交わす事によって、記憶をたぐり、話の構成を考え、言葉を吟味し、相手の様子を窺い、反応を読み取り、話す内容を調整し、情報交換をし、同調もし、場をまとめ、などなど相当数の脳細胞を刺激し活用している。 だまったままで長いこと生活を続けていくのは、脳の為に、ひいては人間として生きていくために非常に良くないことだ。 俵万智 ♪ 「寒いね」と話しかければ「寒いね」と 答える人のいるあたたかさ◆2006年5月8日よりスタートした「日歌」が千首を超えたのを機に、「游歌」とタイトルを変えて、2009年2月中旬より再スタートしました。◆2011年1月2日からは、楽歌「TNK31」と改題してスタートすることにしました。★ 「ジグソーパズル」 自作短歌百選(2006年5月~2009年2月)
2012.04.01
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