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ラングレンも、ようやく懐メロに手を出したかぁ・・・。50年代のジャズ作品はジャズマニアにとっては「懐メロ」であり、「心のふるさと我らが母校」なのである。思えばジャズも遠くへ来たもんだ・・・と振り返えれば、貧しいながらも幸せだった50年代ジャズが微笑んでいるのである。帰れそうで帰れない、50年代ジャズの魅力とは、そんな学生時代の貧乏生活への郷愁みたいなものかもしれない。スタンダードではなく50年代のジャズ作品を中心に取り組んだというのが、今回のラングレン作品のテーマなのだろう。北欧の貴公子が、高田馬場の"さかえ通り"にやってきたようなものか(意味不明)。とにかく選曲の面白さがプロデューサーの上不さんらしいというか、ジャズへの愛情がにじみ出ていて微笑ましい。しかし、この路線はカーステン・ダールの役割だと思っていたら、今回は貴公子にやらせてしまった、というのが面白い。選曲の憎いところは、上不さんのライナーにも書いてあったが、何と言ってもハービー・ニコルスの"Third World"を取り上げた点だろう。ニコルス作品は近年密かに脚光を浴びつつあり、版権を保有するラズウェル・ラッドの許には日夜問い合わせが絶えないという噂もある(そんなはずはない!)。モンク、ミンガスに次ぐブームはニコルスに間違いない、といったジャズの本流への挑戦ということなのだろうか。しかし、そんな話とは関係なく、ラングレンはサラっとモンクもニコルスも弾きこなしてしまう。あまりにも無難に過ぎ去ってしまい、今ひとつ印象が薄いような気がしなくもないが、それで良いのである。北欧の貴公子が高田馬場の清龍で夜な夜なクダを巻くようになってはいけないのだ。君子危うきに近寄らず・・・で良いではないか。(これも意味不明)今回の作品、ライナーによるとピアニストとベーシストの作品を中心としたそうである。オスカー・ペティフォードの"Two Little Pearls"という渋い曲を取り上げているが、これが貴公子の世界とピタっとはまっている。オリジナルのペティフォードもこの曲をヨーロッパで作曲、録音しており、ブラックライオン盤ではビブラフォン入りのしっとりとした演奏だった。ラングレンは、この曲をやや乾いたタッチで引いているように感じられるが、イェスパー・ルンゴーの情感たっぷりベースソロを引き立たせるための演出だろうか。しかし、今回のラングレンは全体的に乾いた感じがする。50年代の乾いたドロ臭さを表現しているとしたら大したものだ。選曲としては、1曲目の"Keep It Mooving"が気に入っている。ラングレンの演奏は「ちょっと乾き過ぎじゃないの?」という気がするが、ウィントン・ケリーの隠れ名曲を本作品のオープニングに据えたことの意義は大きい。これだけで、ジャズファンには意気込みが伝わるのである。演奏で興味深いのがレッド・ガーランドでおなじみの"Billy Boy"。早速マイルスの"Milestones"に収録された本家本元との聴き比べをした。ラングレンはテーマ部で忠実にガーランドを再現していて、あまりの精度の高さに驚かされる。まるで21世紀の精密機器といった感じだ。しかし、ベースとドラムが全く異なるアプローチであることも興味深い。本作品を聴いた後に本家を聴くと、ベースとドラムの自己主張が強烈に濃く感じられる。時代の違いなのか、お国柄の違いなのか・・・?いや、恐らくはこれが懐メロの底力なのだろう。猫麻呂ポイント:★★★★(4.0)Jan Lundgren / A Swinging Rendezvous 1. Keep It Moving 2. Soul Eyes 3. Tricrotism 4. Billy Boy 5. Kelly Blue 6. Two Little Pearls 7. Well You Needn't 8. Blues In The Closet 9. Third World 10. Lament 11. Whims Of ChambersJan Lundgren(p), Jesper Lundgaard(b), Alex Riel(ds)Recorded in February, 2007
2007年08月25日
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こう毎日暑いと、家で引きこもってジャズを聴いてしまう。(涼しくてもジャズを聴いてしまうのだが・・・。)前回同様、BNのホーン入りビヒャー!は避けながら、涼しげなピアノものを中心に聴いている。ハンプトン・ホーズあたりが一番気持ち良く聴けたかな・・・。しかし、今日の作品はモリス・ナントンなのである。そもそも、モリス・ナントンの作品は国内盤が出ていないどころか、全世界でCD化されていないのではないだろうか?それくらいに人気がないというか、超B級なのである。酷暑の中、ヒッキー状態で嬉しがって聴くには丁度良いではありませんか!モリス・ナントンというピアニストは、難解な音楽とは正反対の超わかりやすいソウルフル路線。だけど、どことなく線が細いというか、体脂肪率の低いブルー・ミッチェルに共通するところがある。この微妙な味わいは、どちらかというとアメリカ人よりも日本人に受けるタイプだろう。(allmusicの評価が低いのは、そのせい?)プレスティジ3部作ならファンタジー・カスタムLPで再発されていたので、中古で容易にゲットできるのが嬉しい。さて、本日の作品だが、コンガが入って基本はラテン系の超ゴキゲンな作品に仕上がっている。最初の"Troubles of The World"はピンキーとキラーズ系の曲。ダサダサなアレンジに一瞬メゲそうになるが、次の"The Shadow of Your Smile"はダサさを逆手に取ったアレンジで見事なラテンナンバーにしてしまっている。これには参ったというか、思わずニンマリしてしまうのである。"Georgia"では渋い出だしから最後の大盛り上がりまでの展開がお見事。ただのゴキゲンな作品ではないことに気が付くのである。続く"Fly Me to The Moon"はバロック調からラテンへと、もう何でもありの展開だ。ひゃー、かっこいい!!次は"I'll Remember April"。元祖ラテン系みたいな曲だから、大ハマりだ。B面1曲目は"Whistle Stop"という爽快な曲。コンガが気持ちよい。次は"The Summer Wind"という暑苦しい曲。こういう曲はサッサとパスして・・・といかないのがLPの辛いところ。次の"L-O-V-E"はラテンフレーバーで超ゴキゲンな曲となった。ノリノリのオスピー状態である。次の"The Lamp Is Low"はモーリス・ラベルの曲の一部。これが見事にスイングしてしまうのだ。(ブッカー・アービンのブヒブヒ演奏もあるから今更驚かないが・・・。)最後はジャズ喫茶な雰囲気が味わえる"Soul Fingers"。ドラムとの4バースもあって、幸せな気分に浸ることが出来る。こんなに気持ち良い作品、どうしてCD化されないのか不思議だが、LPでしか聴けないというマニア心をくすぐるところが良いのかもしれない。猫麻呂ポイント:★★★★☆(4.5)Morris Nanton / Soul Fingers (Prestige)Side A 1. TROUBLES OF THE WORLD 2. THE SHADOW OF YOUR SMILE 3. GEORGIA 4. FLY ME TO THE MOON 5. I'LL REMEMBER APRILSide B 1. WHISTLE STOP 2. THE SUMMER WIND 3. L-O-V-E 4. THE LAMP IS LOW 5. SOUL FINGERSMorris Nanton(p), Norman Edge(b), Al Beldini(ds)Johnny Murray Jr.(conga)On A-1 only add Puncho & The Latin Soul Brother Recorded on May 13, 1964
2007年08月19日
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今年の夏はホントに暑い!ガマンの限界を超えた暑さにより、すっかりヤケクソ気分である。こんな暑い中、ジャズなんか聴いてられるか!って言いながら、やっぱりジャズを聴いてしまうんですねー。こうなったら、『酷暑ジャズ・ガマン大会』なんて企画をジャズ喫茶でやってはどうでしょう。冷房なしの中、冷たい飲みもの禁止で、暑苦しいジャズのリクエスト合戦をするというサバイバル企画。酷暑ジャズ・ファイター達は、どんなリクエストが破壊力があるかを日々研究し、普段から「暑苦しいジャズ」への耐性を高める努力を重ねる。さぁ、どんなジャズが破壊力があるんでしょうね。猫麻呂のようなフツーのジャズファンが思いつくのは、ゴルソン入りのジャズメッセンジャーズとか、コルトレーンのバードランドの暑苦しさあたりかな・・・。いや、コルトレーンならフリー化した方が暑苦しさが増しそうだぞ。いっそソレならローランド・カークを出してもいいんじゃないか?しかし、酷暑ジャズ・ファイターはフリージャズへの耐性はかなり強そうだから、逆にスイングジャズあたりで攻めてはどうだろう。コールマン・ホーキンスのワンホーンなんて暑苦しいですぞぉ・・・。こんな難行苦行の後には、ピアノトリオで疲れた心を体を癒したいというもの。そんな時に、ノーマン・シモンズのピアノが何とも言えない脱力系で良い。しかも、この作品は、ジャズ界では品質保証書付きといわれる1956年録音なのだから、そんじょそこらのフヌケ作品とは違う。クーラーの聴いた部屋で暖かいコーヒーでもすすりながらまったりと聴くと、酷暑のことなんぞすっかり忘れてしまうのだ。これぞ、究極のヒーリング・ミュージック!世間一般のヒーリング・ミュージックを聴いたって、所詮ジャズマニアには退屈なだけで癒されないのだ。ジャズマニアにとって、人生を鼓舞するものもジャズであり、癒してくれるものジャズなのである。この作品、結構効きますよ!(個人差はあると思いますが・・・)猫麻呂ポイント:★★★★(4.0)The Norman Simmons Trio (Argo)
2007年08月12日
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先週金曜日にエリック・アレキサンダーのライブを見た話をちょっとだけ書いてみたが、猫麻呂の感想としては、エリックよりもバトル相手のグラント・スチュワートに感動したのだった。グラントの何が凄いって、50年代ロリンズそのままなのである。フレージング、特にリズミックなフレーズの作り方がまぎれもなくロリンズ節で、思わずニンマリしてしまう。真似だろうが何だろうが、いいじゃないか。吹いてる人も聴いてる人も楽しくなれば、それでいいのだ。50年代ロリンズそのまま・・・というのは実は間違いで、曲によっては(特にバラードで)高音部を多用したコルトレーン以降のスタイルも使っている。また、ロリンズ節の後にいきなりモーダルなフレーズやアウトも飛び出すから聴いていて飽きない。エリックと聴き比べた感想としては、流線型のエリック技の百貨店グラントといった感じで聴き応えがあった。ルックスでは、グラントの顔がエリックの5割増しという点でイケメン度では圧倒的に不利なグラントだが、演奏前にアルコールを口にしなかった点も含めて、マジメ度とマニア度はグラントに軍配を上げたい。余談であるが、グラントの吹き姿のシルエット、特に頭の角度とサックスの角度がロリンズそのものだったことに、猫麻呂はとても感心してしまった。意識してやっているとすれば、グラントのマニア度恐るべしである。前置きが非常に長くなってしまったが、今週はグラントの"In The Still of The Night"ばかり聴いていたのである。このCDは目下お気に入りNo.1だ。1曲目の"In The Still of The Night"から、もう痺れまくりなのである。ロリンズが50年代の"Tour de Force"という作品で"B.Quick"とかいうテキトーな名前の曲で信じられないような高速演奏を残しているが、そこでのロリンズとマックス・ローチの腱鞘炎になりそうな演奏を、グラントとファーンズワースが意識したのではないか・・・と猫麻呂は勝手に決め付けて楽しんでいる。その他、この作品の魅力として挙げたいのは、美味しいリズムセクションと美味しい選曲だ。この美味しいリズムセクションは、問答無用に上手いファーンズワースとピーター・ワシントンを、現代における正統派バップ・ピアノのタード・ハマーが取りまとめて、ロリンズ・マニア(?)のグラントを気持ちよくサポートしているのだ。選曲は、モンク曲"Work"からミュージカルナンバーまで、マニアが喜びそうな曲を上手いこと入れている。"If Ever I Woud Leave You"なんて曲を聴くだけで一日楽しく過ごせそうだ。このCD、録音も良し・選曲よし・演奏良し、という文句なしに名盤の要素があり、さらにマニア度も高いという点で、猫麻呂イチオシのCDなのである。猫麻呂ポイント:★★★★★(5.0)Grant Stewart / In The Still of The Night (SharpNine)
2007年08月04日
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