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2025.09.01
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カテゴリ: カテゴリ未分類
「内田樹の研究室」の内田先生が日々つづる言葉のなかで、自分にヒットするお言葉をホームページに残しておきます。
内田

最近は池田香代子さんや、関さんや、雨宮さんなどの言葉も取り入れています。
(池田香代子さんは☆で、関さんは△で、雨宮さんは○で、池田信夫さんは▲、高野さんは■で、金子先生は★、田原さんは#、湯浅さんは〇、西加奈子さんは♪で区別します。今回表示分は*)

*「内田樹論第三部」 のためのまえがき
* 勝ちに居着く
・ 敗戦から80年
・ 日本の現状と危機について 
・沈む祖国を救うには
・『知性について(仮題)』まえがき

・兵庫県知事選とメディアの役割
・自由の森学園創立40周年記念講演「教育と自由」
・「パンとサーカス」解説
・共感ベース社会の陥穽
・死ぬってどういうことですか?
・2024年度寺子屋ゼミのテーマは
・箱根の温泉で感じた中国のリアル
・『本の本』あとがき
・「宗教の本領」とは何か?
・『街場の米中論』を読んで
・月刊日本インタビュー「ウクライナとパレスチナ」

・宮﨑駿『君たちはどう生きるか』を観て
・平川克美『「答えは出さない」という見識』(夜間飛行)書評
・「怪物」公式パンフレット解説
・白井さんと話したこと
・3.11から学ぶこと

・生産性の高い社会のゆくすえ
・ウクライナ危機と反抗
・「生きづらさについて考える」単行本あとがき
・「街場の米中論」まえがき
・図書館の戦い
・村上文学の意義について
・統一教会、安倍国葬について他
・安倍政治を総括する

(目次全文は ここ )

(その77):『「内田樹論第三部」 のためのまえがき』を追記



2025-08-25 『「内田樹論第三部」 のためのまえがき』 より
 そして、2025年という今、ここ韓国で内田樹の思想を紹介することには、特別な意味があると信じております。彼の著作は、いわば「不可視のインクで書かれた古文書」。それ自体は、完成された答えを与えてはくれません。しかし、2025年を生きる私たちが抱える困難や希望、その切実な思いという名の「光」を当てる時、古文書の文字は初めてその姿を現し、私たちに雄弁に語りかけ始めるのです。

 内田樹を読むとは、完成された地図を頼りに宝を探す旅ではありません。それは、彼の「他者性」と、私たち自身の「唯一無二性」とが火花を散らし、共鳴し合う、「奇跡的なダンス」のフロアに身を投じること。このダイナミックなダンスを通じて、私たちは内田樹という思想家を、私たち自身の時代と場所における「生きた師」として踊りながら再創造し、同時に、彼という触媒を通して、昨日までの自分とは違う「新しい自分」へと生まれ変わっていくのです。

 おそらく、「本当の内田樹」や「唯一絶対の正しい読み方」などというものは存在しません。むしろ、それを探し求める態度は、彼の思想が持つ、絶えず生成し続ける生命力そのものを窒息させてしまうでしょう。彼からの最大の贈り物は、完成された理論体系ではなく、世界と人間を問い直し、予測不能な「急場」を生き延びるための、しなやかで強力な「思考の道具箱」そのものなのです。

 この最高の道具箱を手に、私たち自身の問いを深く生き抜くこと。師との対話の中で、自己変容を恐れず、新たな自分を生成し続けること。それこそが、師の知性を真に受け継ぐということだと、私は確信しております。

 この本が、読者の皆様にとって、内田樹の思想との「宿命的な出会い」のきっかけとなるならば。そして、その出会いが、皆様自身の「楽器」を手に取り、新たな自分へと変容していく冒険の始まりを告げるファンファーレとなるならば、著者としてこれ以上の喜びはありません。(㋇25日)





2025-08-09 『勝ちに居着く』 より
 今の日本は息苦しい。社会に流動性が欠けているからだと思う。階層下位の人間の前にはキャリアパスが開けず、支配層は権力と財貨を占有している。「勝ち組」「負け組」という言い方が流行ったのは、「組」という語にインパクトがあったからだろう。
「組」でも「党派」でも「部族」でも、なんでもいい。要は同質性の高い集団が排他的に固まり交流を拒否しているというのが流動性を欠いた社会の特徴である。現代日本はそのような社会になりつつある(日本だけではないが)。

 なぜ、社会的流動性が失われたのか。私は「競争」のせいだと思う。勝敗を争い、優劣強弱を競うことによって人間はその能力を最大化するというのは現代において支配的な人間観である。確かにここにはそれなりの経験的根拠はある。でも、競争を通じてのみ人は能力を高めるという命題は真ではない。少なくとも私には妥当しない。それは私が「競争する人」ではなく、「修行する人」だからである。

 武道修行では「勝負を争わず」ということを最初に教えられる。そう言うと驚く人がいるが、考えればわかる。負ければ負けに居着き、勝てば勝ちに居着く。そして、「居着き」こそは修行上の最大の禁忌だからである。
 修行というのは連続的な自己刷新のことだ。だが、「勝ちに居着いた人」人はもう成功体験を手離せなくなる。「勝ちパターン」を繰り返し、他人にも「成功するにはこうしろ」とうるさく教えるようとする。そうやって「勝ちに居着いた人間」は成長を止める。

 私たちの社会が今息苦しく感じられるのは「成長することを止めた成功者たち」がおのれの生き方を標準的なものとして他人に押し付けようとするからである。その発想の貧しさが私たちを窒息させるのである。もう一度清涼な空気を社会に呼び戻したい。


以降の全文は 内田先生かく語りき62 による。

内田先生かく語りき76





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Last updated  2025.09.01 14:46:57
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