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三蔵法師(著者:中野美代子|出版社:中公文庫) 三蔵法師といっても何人もいるが、著者が取り上げているのはもちろん玄奘である。 その誕生から死までを追っているのだが、伝記というわけではなく、玄奘がどのような人物で何をしたのかということを探りながら、中国においてどのように玄奘の人物像が作られてきたか、ということを探っている。 玄奘に関する記録がみな事実とは考えられないが、そう記録されている、ということが重要なのだ。 文章はわかりやすく、当然のことながら、『西遊記』との関連についても触れていて、『西遊記』が仏教の論理だけでなく道教の論理を取り入れていることを再認識した。
2000.08.23
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雑学「大江戸庶民事情」 (著者:石川英輔|出版社:講談社文庫) 大江戸シリーズ。 江戸時代の人々の生活ぶりがどのようなものであったかの紹介。 ほかの本で読んだことのあるものもあったが、賃金や物価について触れてあるのが具体的。 三度笠は飛脚が使っていたものだとは知っていたが、実際には、自分の足で走るのではなく、馬での輸送を行っていたとは知らなかった。 ほかの本でもそうなのだが、江戸時代を暗黒時代のようにいう人や欧米崇拝者への反発が強すぎ、は、同時期の欧米に比べてこんなにすぐれたいたのだ、という点が目立つ。「相撲が、国技としての伝統的な雰囲気を残しながら現在まで続いているのは」(p249)とあるが、「国技」などという発想はなかったはず。少なくとも、国技館ができるまで、相撲を国技とするような言い方はしていなかったはずなのだが、なぜこんな書き方をしたのか疑問。 日本人が初めて花火を見たのを、徳川家康が慶長十八年に見たのが最も古い記録としているが、以前、テレビの「世界不思議発見」で、天正遣欧使節の少年たちが、ヨーロッパで花火を見たと言っていたが、どうなんだろう。これはよくわからない。
2000.08.17
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