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LE閉さし
2010.03.31
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*この日本当は休日でした
2010.03.31
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「し、静馬、2012年にゴジラが3Dで復活するんだって!」「なんで3Dなんだよ!」「あ、あれ? 静馬嬉しくないの? ゴジラ大好きじゃん」「だけどなんで3Dなんだよ! ゴジラつーたらあの着ぐるみだろうが! 作るのはいいけど3Dはアウト!」「???」「……静馬、3DはCGアニメのことじゃないですよ」「……あ」「最近ボケ過ぎだぞお前」最初記事読んだ時リアルで勘違いした(えぇ アバター見たってのにまあ、2014年までないなと思ってた身としては嬉しい限り。果たしてどんな内容になることやら……とにかく、映画行くのは決定的
2010.03.30
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*この日本当は休日でした
2010.03.29
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「ふう……やっと終わった」「お疲れー静馬、面白かった?」「なかなか。つーかムゲフロって絶対ギャグのお祭り企画のはずなのに、結構シナリオできてるから普通に単品でも楽しめるんだよね。戦闘パートも、俺アクション大の苦手で格闘物全然ダメだけど、これは操作が単純でコンボを繋げる楽しさがある」「まあアクションと呼べるほどのもんでもないけどな。むしろお前がこういうの弱すぎるんだよ」「俺はSRPG派だからコマンド入力は素人なの! まあこのゲームも精神コマンドとかスパロボの戦闘要素取り入れてるから戦術ゲーの部分も入ってるからむしろそっちの方が面白い」「ま、静馬のは回復アイテムバカスカ使ってのごり押しスタイルですがね」「……戦術ゲーは好きだけどね、それを作り出す頭がないんだよ!」「断言することか、それが」アクセル&ファイターロア登場というネタ分大量投下のクセにシナリオそこそこできてやがる。正直キャラ詰め込み過ぎなのは事実だが、それでもうまくやってるとこが憎らしい。しっかしこっちの装甲は紙なんだよなあ……雑魚でもあっさり削られるし大変苦労します。まあアイテムガッツリ買ってれば勝てるゲームではある。しかし二週目が聞くところによると魔物らしい。ちょっと怖いけどやってみよう
2010.03.28
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*この日本当は休日でした
2010.03.27
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「照井も含めて四人で会食することになった翔太郎たち。そこで、伝説のマジシャンフランク白金のマジックショーが。孫娘のリリィ白金も出てくるが、まだ未熟者だな。お、脱出マジックか……おお、消えたぞ!」「……あり? どうやったの今の?」「翌日、新ガジェットデンデンセンサー完成しました。策敵能力に優れたものですがって、反応してますね。……はて、別におかしいとこはどこにもありませんよ?」「……んだ!? 突然出てきたぞ!? マジで消えた、こいつはマジックじゃない、ドーパントだ!」 「マジシャンの孫として生まれたが才能が全然なく、困っていたところにインビジブルのメモリを手に入れた。が、挿してはみたものの出たり消えたり自由にできない。メモリも体から戻らなくなってしまった。第一、メモリを挿したらドーパントになるのが先だろ? これは完全に故障してるんじゃないのか?」「わからんな。製造元を突き止めなきゃいけない。誰から買った……ん? 買ってない? 紳士然した奴から貰っただと?」 「照井さんも交えてインビジブルメモリを与えた謎の紳士を探すことに。あれ、意外と簡単に見つか……ああっ!」「井坂じゃないですか。こいつがメモリ与えるなんて、よからぬこと企んでるとしか思えません。しかし、照井にとってはやっと出会えた家族の敵。激昂して戦闘を始めます。Wも加勢しますが……相手は天候を操るウェザードーパント。電気、氷とあらゆる属性の技を自在に操ってアクセルとW二人掛かりでも手も足も出ません」「メタルブランディングも弾かれてしまった。こうなったらとメモリをもう一本挿しツインマキシマムをやろうとするが、ツインマキシマムはあまりに危険なので止められる。打つ手がない二人に、リリィが間に入って……は!? メモリを直してくれ!? お前元の体に戻りたいんじゃなかったのか!?」「どうやら最初からこれが狙いだったらしいな。二人はそのまま逃げてしまったが……敵を取れなかった照井の咆哮が胸を突くな」 「で、ドライバー改造された若菜は久々の舌打ちとイラつきぶり。力の制御が効かずさすがに不審がったパパが聞いてみると、井坂のことを話した」「ふう、一番頼りになる方に気付いてもらえましたね。さすがにあのまま壊れるのは忍びなかったですから。園咲の娘に暴挙働いた井坂、パパとの対決は必至です」「ところであのウェザー、殺したのは照井の家族だけじゃないみたい。当時溺死や感電死など謎の殺人事件が多発していた。それ全部ウェザーの力だとすれば……」「とんでもない奴だな。復讐に燃える照井は昔に戻ったようなギスギスしちまってるし、まあ当然だけど。とにかく単独でウェザーに立ち向かったら死ぬだけだ。照井より先にこっちが井坂を追い詰めないと」 「井坂の診断で一応インビジブルメモリの不具合は治ったそうだが……怪しい。そこに照井が乗り込んできた。照井の父はガイアメモリを知る警官だったが、井坂は単に能力の実験がしたかっただけで、殺すのは誰でもよかったようだ。本当に狂ってるなこいつは」「よーしブッ殺せー、と言いたいところだがやっぱダメだ。アクセル単体じゃ能力差が圧倒的過ぎる。Wも駆けつけるが頭に血が上り過ぎた照井は共闘する気ゼロだしどうしようもない。と、そこでウェザーが恐るべき企みを告白する」「インビジブルメモリは、最初から体内に残るよう井坂が仕組んであったんです。多くの能力を求める井坂はウェザーだけでは満足できず、様々な能力を吸収する力を手に入れました。その手始めがインビジブル。リリィさんの生体エネルギーを使ってメモリを自分が使えるようにするのが目的だったんです」「もはやどうしようもないほどのとんでもない野郎だな。リリィは祖父の引退ステージを飾りたくてメモリを手にしたのにその思いを利用して。メモリブレイクしてもアウトじゃどうしようもない。この外道絶対に許さんが、力の差がありすぎる。アクセルも変身解除されてこのままだとやられちまう」「どうしたら……って翔太郎、ダメだよツインマキシマムは! や、やめてー!」 「さて、どうなるかな……」「正直井坂がこんなに早く正体現すとは思ってなかったよ。照井の復讐の相手としてしばらく表出ないと考えてたからさ。しかし、動機も目的も明かしちゃってやることなくなった気もするな。下手すると次回で死ぬぞ」「若菜に手出したのバレたからな。パパに消される可能性も出てきた」「ま、冴子がゾッコンなのが引っかかりますが、あの性格なら簡単に見捨てるでしょう。しかし、パパが井坂殺すんでしょうか」「いやー、照井と因縁あるから、ウェザーはWとアクセルで倒させてトドメにパパが出てくるってとこだろうな。もしくは気付かれた冴子が証拠隠滅に消すか」
2010.03.26
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なんか最近更新サボり過ぎたから、お詫びと言ってはなんだが再構成中の楽サジ第三稿OPだけ貼ります。……なんか変え過ぎたなあ。あんまりの違いに腰抜かすなよ?(ぉ OPデモ ウサギを求める死体 子供の頃聞かされたお話で一番興味を持ったのは、ウサギを追いかけた少女が奇妙な世界に迷い込む話だった。 好きではいたものの、少女がどうしてどんどんその世界の奥深く行くのかわからなかった。自分なら、そんなわけのわからない世界に行かず、すぐ戻ると思ったからだ。当時自分がいる世界に不満も何もなかったから当然ではあるが。 その後少しして、別にウサギを追いかけたわけでもないのに自分の世界をなくしてしまうとは想像もしていなかった頃の、懐かしい思い出である。 あれからしばらく経ち、自分もずいぶん成長した。しかし…… まだ俺は、ウサギを見つけられていなかった。(右方向、砲弾一発来ていますよ)「……おっと」 男が物思いに耽っていると、自分の真横に八十センチ砲が降ってきた。 通信されずとも男にはわかっていたが、回避するまでもない代物と判断し無視した。砲弾は見当違いの方向へ飛んで着弾、遠すぎて爆風も問題なし。軌道計算怠ったようだ。(ドーラ型カノン砲なんてずいぶん懐かしいもの持ってきますね。あれ、威力は最強ですから、アウトレンジから貴方を仕留める気だったんでしょ)「その代わり、チャージタイムが壊滅的に長くて、搭載したら大型機でもまともに歩行できない欠陥兵器だけどな……さて、こっちの番だな」 男の両足の裏に生やしたキャタピラを駆動させ《サジタリウス》を再起動させる。すでにカノン砲搭載機は照準に入れてある。崖上からのセオリー通り単調な狙撃、発射位置など男にはすぐ読める。「砲撃ってのはこうやるんだよ……喰らえ!」 男が叫ぶとともに、右肩部の四十六センチ砲が轟音を上げた。一、二……着弾。ドーラ型カノン砲搭載機は爆発し、大きく浮かび上がった。(ぱちぱちぱち~。おみごと~……とはいかないみたいですよ?)「ん、え!?」 からかったような言葉が表示された刹那、センサーに敵機の表示が浮かんできた。七、八……十か。どんどん増えていく。「さっきのは囮かちくしょう!」(でしょうね~。大砲で勝負すれば、貴方が接近して撃ち込んでくると予期してたんですよ。ずいぶん易々と引っかかったもんですねトリガーハッピーさん?)「誰がトリガーハッピーだ! てか、お前ならもっと早く気付いたろうが、言えよ……っと!」 などと喚いている場合ではない。《サジタリウス》は遠距離戦なら無敵だが接近されたらほとんど無防備。けん制して距離を開くしかない、と男は即決する。「ミサイル! 狙いはいらん!」 脚部キャタピラを旋回させながら、左肩部の多弾頭ミサイルを乱射する。包囲網に切れ目ができた。両腕部のガトリングを吹かせながら突撃する。――抜けた。「やれやれ、間一髪」(にはなりませんねえ。今ので一機も撃破されてないし、まだ追っかけてきてますよ)「……知ってるよ。言ってみただけ」 わざわざそんなこと書きこまれるまでもなく男は理解していた。べつにそんなもの期待してなかったから結構だが、十機以上の敵がこちらに迫ってるのはまあ、見ていて面白い光景ではないと男はため息をつく。「てか、んなこといいからさっさと敵の分析と対処法教えろよ。それが仕事だろ」(仕事とは違う気もしますけど……まあいいでしょ。とりあえず今言えることは、こいつら一つのチームじゃなくて、フリーか小規模なチームが徒党組んだものなのは一目瞭然ですね。だって十三機とも連携というものがありません。俺が俺がと無闇に突進してきて、機体同士衝突しちゃってます。ずいぶんモテモテですこと)「こんなのにモテたって嬉しくねえよ。それを狙えばどうにかなるか……フィールド」(右斜めぐらいにドルトネル峡谷がありますよ。谷間には小さい道も) フィールド、だけで男の意図せんことを読んだのか、よどみない返答がきた。忌々しくも『彼女』と男はとも長い付き合い。へっと悪態をつきつつ、《サジタリウス》の機体を崖の合間に飛び込ませた。 谷間というからには本当に細い道だ。大型機に入る《サジタリウス》でやっとの隙間。無論十機が突入するスペースなどあるわけもなく……「――渋滞、と」 入り口でガシガシぶつかり合ってる様がセンサーに丸写し。アホかと男は鼻で笑う。(おお、まるでバーゲンセールに群がるおばちゃんのよう)「銃器や鈍器持ってるなんて、ずいぶん血生臭いバーゲンセールだこと。おらよ」 ボケにつまらないジョークで返しつつ一時停止、固まっている奴らを四十六センチ砲を乱射した。砲弾など選びもしない。 至近距離だからすぐに命中した。爆発、一機撃破。続いて二機目、三機目と連鎖爆発を起こしていく。よほど重装備だったか高ジェネレーター積んでいたかかなり誘爆した。(三機撃破、四機中破二機が小破しました。でも向かって来てますよ)「今度は整然と並んでやがる。さすがに学習したか」(で、どうしますジョンドさん? 残り十機、一応追い詰められているのは貴方です。崖から抜けるのももう間もなくでしょ? この狭い隙間から抜け出して、散開でもされたら面倒だし、重装甲重武装の《サジタリウス》じゃ逃げ切れないでしょう)「……こんなとこばかりジョンドかよ。てかこの場にいるんだろ? ちったあ助け舟出せよティンカーベル」 そう男――ジョンドと呼ばれた者はセンサーに表示されている十一機目に毒づくが、それはこちらの上を飛んでるだけで援護どころか何もしない。テンプレのようなこの会話にジョンドは既に飽きていた。「しゃーない。出てっちゃやられるんなら、今のうちに仕留めるか」 ドォンという轟音と、モニターが大きく揺さぶられるのに合わせて砲弾は発射された。弾は即座に命中し……否。「弾いた!?」 あり得ないとジョンドは思ったが、モニターからの表示ではそれしか考えられなかった。直撃したはずの敵機は健在、どんどんこちらと距離を詰めていく。「な、なんだ、どうなってやがる!?」(《イージスの盾》ですね) 動揺するジョンドに対して『彼女』から落ち着いて分析した文字がすぐさま出てくる。「《イージスの盾》? あの防御力は最強だけどそれだけで搭載スペースほとんど費やしちまうアレか?」(だったら四十六センチ砲くらいじゃどうにもなりません。チームワークないと思ってたのは間違いでしたか。あるいは、この方だけ小さいチームを組んでいるのかもしれません。まあどっちにしろ、あれじゃ攻撃一切意味ないです。ドーラ型カノンか、レバ剣くらいないとダメージも与えられません)「そんなもん持ってるか。戦法を改めるか……」 ツバを飲み込んだ。危機的状況だというのに、ジョンドの全身にはピリピリした寒気が生じてた。ジョンドはいつも、この瞬間を待ちわびている。自分が最高に昂る、この瞬間を。(浸ってないでさっさとぶっ倒しちゃってくださいよ)「いちいち突っ込むな! 今ノッてるんだから!」 水を差されつつモニターに注視すると、周囲を覆う岩壁に目が止まった。それを確認すると、ジョンドはすぐ戦術を決めた。 左肩部多弾頭ミサイル、及び両腕部ガトリングを構える。「全弾持ってけ……!」 ミサイルとガトリングが発射されたと同時に旋回、全速力で後退した。火線が襲いかかったのは敵機、より上の岩壁。着弾したミサイルとガトリングは、容赦なく岩を砕き岩壁を削り取っていく。剥がされた岩は重力に従って下へ、敵機の元へ降り注いだ。(おっと、《イージスの盾》搭載機あっさり撃破)「いちいち説明されんでもわかってる」《イージスの盾》の欠点はここにあった。たしかに防御力は抜群だが、それが有効なのは盾の正面だけ。つまり横や後方、ついでに上へは全く無防備な代物なのだ。故にさっきのドーラ型カノン砲と同じく欠陥武器としてもはや相手にされていない。何事も過剰なのはいかんいい例だな、と抜け出したジョンドは崩れる音を聞きながら笑っていた。イージス搭載機は撃破、残りも次々やられていく。念のため何発か砲撃するが、これで終わりとジョンドは判断した。センサーの表示が、たった一つになる。ホッと一息つくと、ジョンドはマウスとキーボードから手を離してパソコンの横に置いてあった麦茶を飲み干す。(全機撃破確認、コンプリートですよ。これでまた鉄伝ランキング上がりましたねゾンビさん)「……ゾンビ言うな、ティンカーベル」 ドッと疲れを感じてジョンドは椅子にもたれかかる。なんとなく嫌気が刺して背を逸らした先には、PCゲームパックが無造作に置かれていた。『アイアンレジェンド』。今までプレイしていたオンラインゲームの名である。様々な役職になってロボットをカスタマイズし、ネット上で多数の人々とミッションをこなすか戦うという、まあよくあるTPSゲームだが、カスタマイズの豊富さとストーリーの重厚さで人気を取り、世界中で十年近く愛され日本では鉄伝(アイアン=鉄、レジェンド=伝説で鉄伝)と呼ばれている。(まあ大したことない相手でよかったですね。せっかくサーバから貰った《サジタリウス》に傷つけちゃいけませんし)「……ごちゃごちゃ言ってないで、さっさと出てこいティンカーベル」チャットに書き込まれた文字にジョンドがため息混じりに呟くと、モニターに今までいなかった機体が現出される。――否、いなかったのではなく、見えなかっただけだ。 黒い三角帽、黒マントというロボットなのに典型的な魔女スタイルだが、背中には妖精っぽい金色の羽根が生えていておまけに足、というわり脚部はあろうことかハロウィンで出てくるあのカボチャ。浮いてるのだからフライトユニットであるが、誰だこんな馬鹿デザインしたのと言わんばかり造形である。 しかし、こんなものでもジョンドのれっきとした相棒、ティンカーベルの愛機《プシュケー》である。戦闘に参加などはしないが、役目は主に索敵や偵察などこちらのサポート――あの三角帽と杖は高性能センサーの役目をもつ。形状は完全にギャグだが――で、《サジタリウス》の支援のためいつもマント型の光学迷彩で姿を隠して浮いている。そっちらの面では優秀だが、この人を小馬鹿にした態度にジョンドはどうもうんざりしていた。(これでライノス領の半分は制圧しましたね。グリードからの報奨金たんまりですよ。まあシルヴィアから依頼されればすぐに奪還するんでしょ?)「当たり前だろ。傭兵ってのはそういうもんなんだから」 鉄伝でプレイヤーは様々な職種を選べるが、ジョンドとティンカーベルはその中で『傭兵』を選んでいた。『アイアンレジェンド』のストーリーで敵対している『シルヴィア王国』と『グリード皇国』の間を金で雇われ行ったり来たり、オンラインマネーの額かその場の雰囲気でどちらかかあるいはどちらでもない盗賊とかに付く。自慢じゃないが腕はいいので引っ張りだこだが、それ故恨みも買っており先ほどのようにわざわざ狙ってくる輩も絶えない。疲れたと肩を回した。(あ、そうそうゾンビさん)「だからゾンビはやめろって。……で、なんだよ」(ちょっと小腹がすいたので、そこにあるチョコスティック取ってください)「……そ」 チャットの書きこみにジョンド、もしくはゾンビと呼ばれた少年はこめかみをピクピクさせ、傍にあったチョコスティックの袋をむんずとつかんで立ち上がり叫んだ。
2010.03.25
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「それぐらい口で言えよ麻紀!」 言い終わるや否や、やけ気味に袋を向かいのパソコンの前に座っている少女に投げつけた。少女は驚くこともなくキャッチすると何事もなかったかのようにチョコスティックを口にくわえた。「まったく乱暴ですね一機さん、中のチョコ少し砕けちゃったじゃないですか」「お前がしょーもないことチャット越しに言うからだろ! そんなのキーボード打つまでもねーじゃん麻紀!」 そうジョンド、本名的場一機が柳眉を逆立てても、麻紀と呼ばれた少女は素知らぬ顔でパソコンへ視線を戻した。三つ編みをツインテールで両端に生やすという触角のような髪型が、大きくて少し垂れた目を隠していた。少しのぞいた小さな八重歯などのチャームポイントが可愛くはあるものの、見るものに猫のような印象を持たせる不思議な雰囲気をかもし出している。その瞳に映る画面には、一機と同じく《サジタリウス》と《プシュケー》が……そう、彼女が一機の相棒であり《プシュケー》の操縦者、ティンカーベルこと間陀羅麻紀である。この二人、二台のパソコンを向かい合わせて一つ屋根の下でプレイしていたのだ。日付も変わったというのに二人とも同じ高校指定のブレザーなのは、学校から帰って夕飯を一緒に食してからぶっ通しでプレイしているからである。この家は古いが広く部屋は多いので、泊まろうと思えばいくらでも泊まれる。「にしても、このパソコンスペック悪いですね。最近処理落ちが目立ちますよ」「文句言うなよ、ただで使わせてやってんだから」 なんてめんどくさそうに一機が言うと、にやりと嘲ったような薄笑いを見せてきた。「ただ? 掃除洗濯炊事その他諸々全部やってるのは誰でしたっけ」「いや俺だってできるわい。お前が勝手にやるんだろうが」「ほう? 最近は洗濯物どころか食器もなおざりな人がそれ言いますかね」「……だって、うち食器山ほどあるし」 何も反論できなくなり、一機は隣に置いてあったボトル麦茶を注いでがぶ飲みする。 こんな半同棲(一機は断じて認めないが)が始まったのはいつ頃であったか。一機の記憶では高校始まってすぐだから、もう二年近くになる。 鉄伝自体一機は中学から始めていたが、ある日家のパソコンが壊れて修理に出している間仕方なくネットカフェで遊んでいると、クラスメイトの麻紀にばったり会ってしまった。しかも鉄伝のプレイ画面まで見られ、自分も始めたとか何とか言いだす。――うちに家は厳しくてやらせてくれないんですよ。でも、ネカフェは金かかるんですよねえ……――ああそう? 俺んとこじいちゃん住んでた家だけど、今一人だから誰もいないし、パソコンも二台あるけど壊れちゃってさあ、はっはっは……なんて一機が笑っていたら、気がつけばコンビを組んでこの家でプレイすることに……どうしてこんなことになったのか、未だに理解できない。 まあ、平日はさすがに高校があるのでせいぜい休日か休日前にプレイしていたのだが、そのためかいつの間にか鉄伝内で一機と麻紀の二つ名は『週末の悪魔』……どこのどいつだこんな名前つけたのと最初聞いた時一機は頭を抱えた。「あ、そうだ、またメール来てましたよAAから」「……AA? サーバの?」 AA……『アイアンレジェンド』の製作者でありサーバの運営企業バルフコーポレーションの最高経営責任者(CEO)A・アールグレイの通称である。十年近くでバルフコーポレーションを大企業にした人物なのに、その顔は知られていない。ネットの噂だと、すごく不細工だとか大怪我で生命維持装置にくくりつけられてるとかいやホントはとっくに死んでいて隠されているだとか、しまいには実在の人物ではなくバルフの役員が作ったキャラクターなどという始末。……ということは、これは空想上の人間からのメールになる。「またなんかくれんのかな? この前《サジタリウス》くれたみたく」 一機は少し機嫌よくメールを開いた。AAからメールを貰うのはこれが初めてではない。 数ヶ月前、連続撃破記録更新とやらをした時、AAから添付ファイルで《サジタリウス》の骨組(フレーム)データが送られてきた。鉄伝のロボットは自由にカスタマイズできるが、こういった懸賞という形で通常では入手できない基本となるフレームが届くことがある。言わば強者の証であり、スペックも他のより上回っている。当時は麻紀が「うちらチームなのになんで一機さんだけ」なんてぼやいて一機は内心いい気分になっていた。 なので、一機はまた何かくれるのかと期待していたのだが、今回は違った。「……なんだこりゃ」 思わず眉をひそめてしまう。「はい? どうかしました?」「……なんか変なメール来た」 歯切れの悪い様子を、変と思った麻紀が画面を横からのぞいてみると、やはりこちらも首をかしげた。 メールには、こう記されていた。『現実に飽きてはいませんか? くだらないと思っていませんか? どこかもっと楽しい、自分の才能が生かせる場所に行きたいと思いませんか? 貴方を、楽園にご招待しましょうか? YES or NO』「……変な宗教のお誘い?」「いや、これサーバから来たのだから」「でも、こんな内容はそうとしか思えませんよ。ただでさえオンラインゲームは最近風当たり悪いんだから、おかしなことされちゃ一プレイヤーとして迷惑ですね」「風当たり悪いって、あれか? 鉄伝のプレイヤーが突然姿を消したとか? よせよせ、そんな与太話信じる方が馬鹿なんだ。いいから、今日はもう帰るんだろ?」「ええ。ちょっと明日葬儀か入ってましてね、人出足りないって呼び出されちゃいました」 麻紀の家は葬儀屋だ。一機と麻紀が在住する群雲市、特にこの周辺には葬儀屋が何故か『間陀羅葬祭会館』一件しかなく、実質的に独占市場らしい。「商売繁盛結構だな」「でもないですよ。ボッタクリ同然の商売してたから最近仕事なくて暇だったんです。おかけで弓道部の練習ができるできる」「……おまえんとこ、定員割れして大会とか行けないんだろ? だいいち時期外れだし」 あら? なんてわざととぼけながら早々と身支度をして帰っていく麻紀を、視線も手も振らず一機は画面を注視した。「……楽園へご招待、ねえ」 ふと、一機は視界の端に映った学生カバンを、何の気なしに手にとり中から一枚の紙切れを取りだした。『進路希望調査書』印刷された原稿には、手書きの文字は何一つない。「あー……」 呻きながら、やたら高い天井をしばらく見上げていると、椅子の上であぐらをかいてキーボードを叩いた。 奇怪なメールの返信、それに対して一機――鉄伝の中でジョン・ドゥと称する少年は一言、「……私を飲んで、か」そう呟くと、本文に『YES』とだけ記した。
2010.03.25
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1TURN GAME START?「――さんっ! 一機さん!」「……ん?」 真っ暗な闇の中、激しく揺さぶられて一機はまぶたを開いた。どうやら眠っていたらしい。後頭部がなんかズキズキしていたが、また麻紀が固いもので殴りでもしたのかと。「っさいな……今起きるから」「なに寝ぼけてるんですか! 早く逃げますよ!」「ん、え……?」 切羽つまった麻紀が、腕を引っ張り上げてきた。まだ視界が回復していない一機はわけもわからず戸惑う。「おい、なにがどうしたって……」「どうしたって……上ですよ上!」 上? どうやらあわてているらしい麻紀の様子がわからず、言われるまま空を見上げてみると、「――え」 そこに空はなかった。 あったのは、毛むくじゃらの十メートル近い巨獣の肉体。白無垢でゴツゴツした肉付きはまるでゴリラだが、こんな巨大なゴリラが存在するわけがない。相貌は紅蓮に染まり、犬歯を剥き出しにしたその様はまさに化け物。「う、うわぁ!」 その異形に、一機は思わず腰を抜かしそうになるが、ぐいと引っ張られた腕に促されて走り出す。「な、なんだ、どうなって……!」「そんなの、こっちが知りたいですよ! とにかく逃げるんです!」 困惑する一機に対して、麻紀自身も状況を理解していないらしい。いったいなにがどうなっているのか。走りながらふと、一機は自分と麻紀が高校指定のブレザーを着ていることに気付いた。 奇妙なことだ。あの日、麻紀は帰ったはずだし、一機も制服を脱いでそのまま寝た。だというのにこれはいったいなんなのか。 そこまできてやっと一機は、自分たちが走っているのがコンクリートではなく、草が生い茂る土であるのを知覚した。周りは木に囲まれた森、こんなところ群雲市にはない。ますます一機は困惑してしまう。 ――どうなってる。ここはどこだ? 昨日は鉄伝を終えて麻紀が帰ったらさっさと寝たはず。それで、それ、で……?「……つっ!?」 そこで、一機の頭に激しい痛みが襲った。頭部全体を叩き潰そうとするその痛みに意識が遠くなる。同時に、見に覚えのない光景が頭をよぎった気がした。 ――暗くなった部屋、段ボール箱、『チケット』、それで何かが光って、なに、が……? 何か、忘れていることがある。一機が悟ったその時、地面が大きく揺れた。「うわっ!」「きゃあ!」 一瞬体が浮かんだ二人はバランスを崩して転んでしまう。その眼前にさっきの巨大な化け物の足が、周りの木々をいとも簡単に踏み砕いて迫ってくる。「ひっ……!」 一機は息を呑む。逃げなくてはと思うのに、体が思うように動かない。動揺と混乱が頭を満たしてしまっている。なんで、どうして、なぜ、わからない、わから……「一機さん、逃げて!」 麻紀の悲痛な叫びが、化け物の咆哮にかき消された。化け物は、その大きな足で、アリでも踏み潰すかのように一機を――(うおおおおおおおおぉ!) 踏み潰す直前の足が、化け物の肉体ごと吹き飛ばされた。化け物と同等の巨体が体当たりをしたのだ。「な、なんだ……?」 今起こったこと、いやそれならば先ほどからのこと全てだが、にわけもわからず呆然とする一機。とにかく、巨体が過ぎ去った先に視線を向けると、「――え」 そこには、巨大な野獣と組み合っている、同じく巨大な人間がいた。――否、これは人間ではない。 全身鎧、フルプレートアーマーとかいう名の鎧に包まれた体躯には生き物の気配は感じられない。尖った印象を持たせる銀色の鎧は西洋の甲冑そのもの。兜には王冠に刺さった剣の紋章が刻まれている。羽織られた真紅のマントが押し合うたびに揺れ、腰にはロングソードが吊るされていた。 これはなんだ? 一機がいくら考えても、混乱しきった頭で浮かぶものではない。と、そこでその鋼鉄の巨人から声がした。(何をしている! お前らさっさとここから逃げろ!) 一機は目を見開いた。明らかにその声は、眼前の鋼鉄に包まれた巨人からしたのだ。高く澄んだ、女性の声。とてもこの鉄の塊から出たとは一機は信じられなかった。 いや、そもそもこの甲冑型の巨人は何だ? 一機の見立てでは生命体の気配は感じられず、少なくともこいつは生きていないとわかる。だがこれからたしかに声が……こいつ、は?「だから、ボケーっとしてないで逃げますよって!」「うおっと!」 何か気付きかけていたが、麻紀がまた一機の手を取って駆け出した。そこで、視界が開けた。「……!?」 森から出た二人が目にしたのは、巨人たちの戦場だった。 無色の毛を逆立てた化け物が、先ほどと同じ甲冑に包まれた巨人と戦っている。その鎧の巨人は白銀の巨人と違い全体的に丸みを帯びており、装甲は深い海のように碧く輝いていた。しかしその美しい巨人は剣を持ち、その刃で野獣を斬り裂いて絶命させた。またあるものは十メートルはある自身に勝るとも劣らない長さの槍を野獣へ刺し貫いた。「な、なんですかこれ……」 さすがの麻紀も目を見開いている。無理もない、一機だって自分の目が狂ったんじゃないかと疑っている。しかし、一刀により断ち切られた巨獣が泣き叫ぶ声は耳に響き、肉片と己そのものが地面に崩れ落ち生じた揺れは足元から伝わってくる。そして、辺りに散らばった赤い鮮血からは強烈な鉄の匂いが湧きあがってきている。この光景は、まさしく現実。さながら二人は、巨人の国に迷い込んだガリバーだ。「――とにかく、逃げますよ。こんなとこにいたんじゃ、いつ踏み殺されてもおかしくありません」「あ、ああ」 冷静さを取り戻した麻紀の判断は簡潔だった。互いに暴れる巨獣と巨人を無視して二人は戦場から離れようとする。 すると、一機の胸ポケットから何かかポトリと落ちた。「ん?」 思わず視線を下ろすと、そこにあったのは手のひら大ほどのキラキラ輝く石。拾い上げてみると、それはゴツゴツ固く透明で、向こうが透けて見える。ガラス玉、いや、ダイヤモンド? こんなもの、一機は持っていない。持っていな……「……っ!」そこでまたフラッシュバックが起こった。違う。一機はこれを知っている。この石が光ってそれで、「だから、ボケっとしてるんじゃありませんて!」「わ、悪いっ」 とろい一機に癇癪を起した麻紀の声で現実に戻り、再び駆けだす。石はつい胸ポケットにまた収めてしまった。 だが巨人たちの戦場において二人はあまりに矮小な存在だった。ケダモノが雄叫びを上げるだけで耳をつんざくように響き、足の動き一つで地面は大きく揺れて足元がおぼつかない。「……なあ、どうなってると思う、これ」「知りませんよ。説明だったらこっちが欲しいくらいなんですから」 にべもなく言い切った麻紀に完全に同意した。どうやら状況は麻紀にもわかっていないらしい。 それと、気がつけば周囲には飯ごうとかテレビで見た昔のテントのような布が踏みつけられ散らばっている。どうもここでキャンプしていた輩がいたらしい。それらは人間サイズだが…… その時、一機たちの傍に蒼の巨人が倒れてきた。「うわああぁ!」「きゃあ!」 なにぶん目の前だったので二人は胆を潰されたが、その巨人は倒れたきりピクリとも動こうとしない。気絶した――? いや、生気のかけらすら感じられない。と、そこで、一機が気付いた。 その巨人の腰あたり、そこの装甲にポッカリ穴が、いや、元々ここの部分は開くようになっているらしい。西洋鎧に詳しいわけじゃない一機だが、そんな構造の鎧は聞いたことがない。なんとなく気にかかり、巨人に近寄る。「ちょ、危ないですよ!」 そう麻紀が引き止めるのも聞かず、巨人の腹によじ登る。「ああ、もう」と舌打ちしつつ麻紀もついていく。そして二人は、ガパッと開いた穴をのぞき込んだ。 その中には、グロテスクな臓物――などは一切入っていない。「な、なんだこりゃ……」 唖然とする一機の瞳には、何もない空洞が映っていた。 いや、正確には空洞ではない。マジックミラーの一種なのか、空洞の内側から外の様子が伺え、その中心には妙なくぼみがいくつもついたシートが一つ固定されている。「これって……きゃっ!」「わあっ!」 ひと際大きい振動が走り、そのショックで二人が空洞に落ちる。ちょうど一機が麻紀の下敷きになる形で。「ぐぇっ! 重っ!」「な!? ちょっと、女性に対してそれは失礼じゃありませんか!」「実際重いんだからしゃーないだろ! いいから降り……降りなくていいです」「は? 重いとか言っておいてなに……っ!」 そこで二の句が告げなくなった麻紀はやっと状況を把握した。 あお向けに倒れている一機の顔に、麻紀のヒップがちょうどうまく乗っていることに。呼吸によってスカートが乱れる様に顔を真っ赤にする。「こ、このど変態!」「だから落ちてきたのはお前、って待て、腰上げるな」「なんですかそれ! 立たないわけないでしょこれで! まさかこのまま私のお尻を楽しみたいと……!」「違うって! だって、今視界塞がれてるからいいけど、立ったら完全に見え……」「! ……い、一生目開けんなぁ!!」 ゆでダコのようになった麻紀が無防備な一機の腹に見事なかかと落としをかますと、一瞬意識が暗転した一機はスカートの中身を見ずにすんだ。
2010.03.25
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「げほっ、げほっ……俺悪いことしたのか」「いい思いをした代償と思ってください。さて……なんですかここ」 ブレザーを整えると、その奇妙な空間に視線を這わせた。もっとも、全面ガラス張りみたいなものなので狭い感覚はまるでないのだが。「巨人の中――ですよね。とてもそうは思えませんが」「同感。生物じゃないのは確かみたいだな。まるで……」 そこで一機は言葉を切る。確信してはいるものの、あまりに滑稽なので口に出せるものではなかったからだ。 鋼鉄の体、その姿からは生気というものは感じられず、中からは場違いな女性の声がする。そしてその体内にある空洞とシート。 まったく理解不能なほど奇々怪々。その様は、まるで、まるで――「まるでロボットみたい、ですか?」「――っ」「それくらいわかりますよ。何年私が貴方に付き合わされて鉄伝やってるとお思いに?」「……いや、あり得ないだろそんなの」「ここまで来て、その台詞はないでしょ」 んとアゴで示された先には、相変わらず化け物と巨人が戦っている。なるほど、今この場で常識なんて言葉に意味はない。「まあ、これが何かは後で考えるとして――どうします、これから」「……どうするって言われても……うわっ!」 狭い空洞――もう操縦席ということにしてしまおう――が激しく揺さぶられた。戦闘は続いている。ここも安全とは言えないらしい、と一機は舌打ちした。とにかく危険なので、開いていたハッチを閉じる。「なんとか逃げ出したいところだけど、これじゃそれもままなら……って、何してるお前」 気がつけば、麻紀がシートに座って周囲をキョロキョロ見回している。「何って、わかるでしょ。これ動かすんですよ」「はい!? 動かすって、これを!?」「他に何があるってんですか。仮にこれがロボットなら、動かせて当然でしょ。……にしては操縦桿とかないですけど。どうやって動かすのでしょう」「いや無理だろ! こんな初めて見たようなもん、動かせるわけが……!」「動かせなきゃ、死ぬだけですよ」 ゾクリと、一機の背に冷たいものが走った。こちらに目を向けず、ひたすら動かそうとする今まで見たことのない必死な姿の麻紀に思わずたじろぐ。「――ああ、ダメですね。操縦方法がわかりません。こんなカラッポの箱の中でどうやって動かすんでしょう」「……何もないんだったら、何も使う必要がないとか?」「は? なんですかそれ、動けと思えば動くとでも? そんなわけ……」 突き刺さるような視線をかけようとしたその矢先、二人がグラリと揺れた。否、巨人そのものがぐらついたのだ。 わけがわからず動転する二人だったが、ふと周囲を見回すと、マジックミラー越しの景色が変化している。今までと視点が高くなっていた。 より正確には、倒れていた巨人の上半身が起き上がったのだ。「な……え、動いた!?」 ビックリした一機が振り向くと、麻紀自身も驚愕した様子である。「ど、どうやったんだお前?」「いや……『起き上がりなさい』と思っただけですけど」「思っただけ……? ――要するにこれは、頭で考えただけで動くってことか?」 アニメや漫画などの知識から想像するに、そんな結論しか出せない。一機も信じられなかったが、それを否定することは現に動かした麻紀にはできなかった。「と、とりあえず立たせてみせますね……うっ」 目をつぶり、シートに深く座った麻紀が念じてみると、尻もちをつけていた巨人がその両足をゆっくりと動かし、見事立ち上がった。「お、おお……すげえなおい! ってん? ど、どうした麻紀」 気がつくと、麻紀が顔をうつむけて青い顔をしている。「――気持ち悪いです」「は、はあ?」「なんか、急に体重が増えたような、体型が変わったような、そんな気分です」 ――なんだろう。理屈はわからんが、これが精神操作だということが関係してるのか? 『考えただけで動く』というより、『パイロットが巨人になる』のだろうか。だとすると、このまま「っ! どこかにつかまって!」「なに? ……うっわ!」 麻紀の警告に間髪入れず、巨人に衝撃が走りコクピットが振動した。壁にしたたか頭をぶつけ一機は昏倒しそうになる。 今度はなんだと揺れる視界に最初入ったのは、眼前にまで迫った野獣の相貌だった。 そのあまりの恐ろしい光景に言葉を失う。棒立ちのこちらを察知し狙ってきたのだ。「ちいっ!」 苦悶の表情を浮かべつつ、麻紀は必死に巨人を動かそうとする。ぎこちない動作ながら巨人の右腕が野獣の顔面に拳をかます。グギャアと悲鳴を上げて野獣が横転した。「す、すげえなおい……」「はあ、はあ……気楽なことを。結構疲れるんですよ何故か」 息を切らせ苦言を呈す麻紀はたしかにさっきより具合が悪く見える。かなりきついらしい。「だ、大丈夫か?」「……平気ですよこれくらい。それよりどうします?」「――逃げるか。これ以上は限界みたいだし」「だからあたしは疲れてなんて」という麻紀を無視して、一機はマジックミラー越しに戦況を観察した。野獣の数が減っている気がする。やはり肉と得物を持った鋼鉄の巨人とは分が悪いか。勝敗は決まったなと鉄伝で鍛えた情報分析能力が告げていた。 だけど、この戦の勝敗が二人の安全とは何の関係もない。この鋼鉄の巨人、ロボットらしきもののパイロットと意思疎通できるらしいことが判明したとして、それが友好的なものかどうかわからないのだ。 つーか、こんなSF物みたいなロボット(もん)乗って戦ってるやつらがまともかね、と一機は呟いてみる。となれば、「ここは逃げるが勝ちで決定だな。道が開けたところから走って逃げ」「んなうまくいけばいいんですけど!」 ヤケ気味に叫んだ麻紀が巨人を大きく横っ跳びさせる。野獣が霊長類というより犬か猫の類に近い長く伸びた爪を振り下ろしてきたのだ。なんとかギリギリ回避したものの、跳んだ際に壁に顔をしたたか打ちつけた一機には関係ないことだった。「……あの、もうちょっとゆっくり丁寧に操縦できないものでしょうか」「やかましい! こっだってシートベルトとかないから必死に掴まってんですから、自分で何とかしてください!」 二人とも半死半生で、コクピットはまさに鋼鉄の棺になろうとしていた。その矢先、突然全く別の声がした。(おいお前! 誰が操っているんだ、その素人さながらの動きはどうした!) 一機も麻紀もギョッと顔を見合わせる。声は外からではなく、確実にこの狭いコクピットの中からした。しかし、ここに二人しかいないのは自分たちが一番知っている。だが、幻聴でない証にまた怒声が響いた。(聞いているのか!? だんまりを決め込んでいないで、名を名乗れ!) 声は一機の耳が確かならば、コクピットの正面に位置する備え付けの小さな箱のようなものから発されている。通信機か何か入ってるのだろうか? とにかく返事をすることにした。「あのー、どちらさまで……」(は!? だ、誰だお前!? どうしてMN(メタルナイト)に乗っている!?) メタルナイト、とはこのロボットの名称か。『乗っている』というフレーズを使った以上恐らくはそうだと考えていると、麻紀が通信機に応えていた。「いや、こちらは成り行きというか、好き好んで乗りこんだわけではないんですけど」(なんだと?……あっ! お前ら、さっきの二人組か!?)「さっきのって……ああ、貴方ひょっとして先ほどのおばさん?」(誰がおばさんだ! 私はこれでも二十四だぞ!)「……なあ、麻紀」 巨人の中から顔も見えない輩と会話に、一機が思わず割り込んできた。「先ほどの人って、何のこと?」「……へ?」 麻紀の顔が、今まで一機が見たこともないくらい呆気にとられたものになった。相当予想外の台詞だったらしい。「何のことって……さっき湖で会った人ですよ。何ボケてるんですか?」「さっきって、昨日は俺あの後すぐ寝て……づっ!」 そこで、再び頭に激痛が走った。フラッシュバックの兆候、そして見えた物は、先ほどとは全然別のものだった。 キラキラ輝く水面、そこに浮かび上がる、まばゆい煌めきを宿した黄金の髪。その幻想的な光景に佇むのは、佇むのは……「やっぱ俺、なんか忘れ……ぐわっ!」 視界が横に吹っ飛んだ。否、野獣に体当たりされて巨人――MNとするか――が弾かれた。ゴロンゴロンとコクピットの中で転がる一機の脳内に乾燥機にかけた服が浮かんでは消えた。「つぅ……たた、やっぱこのままじゃ無理があるよ、な……」 起き上がり、痛む頭部をさすって麻紀に顔を向けたところで、一機は絶句した。
2010.03.25
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「う、くう……っ」 倒れた麻紀は頭から血を流し苦しそうに呻いていた。左腕はあらぬ方向に曲がっている。「ま、麻紀!」 あわてて駆け寄るが、麻紀は激痛で返事もしない。次第にコクピット内に鉄臭さが充満するにつれ、一機に寒気が走った。 やばい、どうにかしないと。そんな言葉が頭に浮かぶが、またしても何もできなかった。体がガタガタ言っている。怖い。動きたくない。「ぅ……一、機さん……」「……っ」 息も絶え絶えの中、自分を呼ぶ声がした。「――だあっ! ど畜生!」 悪態をついてなんとか己を奮い立たせ、どうするべきか思案する。「……そうだ、こいつを動かせれば!」 麻紀だってできたんだから、自分にもできないはずがない。そう判断し、コクピットに着席した。転がされてちょうど腰を下ろした体勢になったのが幸運だった。「ええと、精神を集中して、動けって……」 とにかく、麻紀がやったように念じてみる。息を止めて、動けと……「……あれ?」 指先一つ動かない。それ以前に、麻紀が感じたという気持ち悪い感覚がこれっぽっちもない。 やばい、全然ダメだ。疑問と恥ずかしさと情けなさで頭がいっぱいになる。 だから、野獣が牙をむき出しにして飛びかかってきたことに気付くのに遅れてしまった。「……!? しまっ……!」 たの文字が口から出る前に、視界から野獣は姿を消した。いや、横から何かがタックルしてきたのだ。(何を戦場でボケっとしてるんだ! さっさとどこかへ逃げろ!) 再び声がした。これはさっき通信してきた……違う。森から抜ける直前、襲われた一機たち二人を助けた白銀の巨人から聞こえた声だと一機は思い出した。そしてその巨人が、叩きだされた野獣に代わり一機の正面にいる。(誰だか知らんが、動かせるんだったらさっさとここから離れろ! 後でMNは回収させてもらうがな!)「いや、そうしたいのは山々なんだけど、これが動かなくて……」(なにぃ!? お前、さっきは一応動かしていたではないか!)「それは俺じゃな……ちょっ、後ろ!」(!) 白銀の巨人がこちらへ気を取られているすきに、白毛の野獣が咆哮と共に爪を振り下ろさんとした。(ふんっ!) しかし白銀の巨人はそれを左腕に装着された小型の盾で難なく受け止める。(でえぇやあああああああああっ!!) 声の主が女なのか一機が疑いたくなるほど力強い叫びと共に野獣を押し返す。勢いに飲まれ後ずさった隙を、白銀の巨人は逃しはしなかった。(せえいっ!) マントを揺らめかせてロングソードを構え直し、いわゆるけさがけの形で野獣の肉体を一閃した。 間欠泉のように真っ赤な血が噴き出し、巨人を染めていく。通常おぞましい光景であるはずなのに、一機はその様に魅せられていた。「――綺麗だ」 自分でも自覚せぬうちに、そんな言葉を発していた。理由は一機自身皆目見当つかなかったが。(ん!? 何か言ったか!?)「い、いえ別に……」(ええいわかった! そこでじっとしてろ! すぐに終わらせる!) そうやけ気味に怒鳴るとまた威勢よく敵へ向かっていった。 たしかにマジックミラーを通して見る戦いは、終結しつつある。それは鉄伝で鍛えたトッププレイヤーの眼――ではない。素人でもわかる。戦場で立っているのはほとんど鋼鉄の巨人ばかりになり、あの禍々しい巨大な野獣は数えるほどしかいない。片付くのも時間の問題だろう。 なんとかなりそうだ、と思うと、ドッと脱力した。ずいぶん長い時間だったような気もするし、ほんの数分だった気もする。とにかく疲れた……と、麻紀が怪我をしているのを失念していることを思い出した。「おい麻紀、大丈夫か――」(!! 馬鹿、危ない!) またあの巨人が叫んだ。今度はなんだと振り向くと、「――え」 上半身だけになった野獣の肉片が、こちらへ落下してきた。「う、うわぁ!」 避けなきゃ、と思うが動かなければどうしようもない。ぶつかると思った体は、意図してないがとっさに倒れている麻紀の前に出て壁になった。両腕で頭を覆った刹那、今までで一番ひどい激震が襲いかかった。 ガシャアンと割れる音が響いた。鎧の装甲がどこか砕けたらしい。強烈な揺さぶりになんとか耐え、収まったところで目を開いた一機の前には、マジックミラーがバラバラになって正面に本物の青い空が広がっていた。 視界をそらすと、さっき見た野獣の肉片もある。どうやら誰かが真っ二つにした肉体がこちらへ落ちてきたらしい。誰だか知らんが粗忽なこったと一機は呆れた。血の匂いがこちらまで浸食してきた。「う、ううぅ……」 すると、背中越しにうめき声がした。麻紀が目覚めたようだ。「ようティンカーベル、無事かよ」「いたた……腕折れてる人が無事に見えますか。まったくゾンビは死なないからこういうとき便利で、す……」 いつもの軽口が、顔を上げた途端途切れた。両目を見開いて硬直している。「……? どうした、俺になにかついて……」 麻紀の視線をたどって自分の胸元へ目を落とした一機は、 そこで初めて、自分の胸に装甲の破片が突き刺さっていることに気付いた。「あ、あれ? なん、で……」 二の句を告げる前に、一機の全身から力が抜けて崩れ落ちる。狭いコクピットの中、あお向けに倒れる形になった。その間にも、制服の中から血がどんどんあふれていく。「一機さん!」 一機のもとへ、これまで見たこともないような悲痛な表情で麻紀が駆け寄る。ずいぶん面白い顔だな、と一機は笑いたかったが、口も顔も思い通り動かず、痙攣したようにピクピクするだけだった。「一機さん、一機さん! しっかりしてください!」 麻紀自身怪我をしているはずなのに、目に涙をためて抱き寄せているのが一機にもわかった。しかし、もう一機の意識は薄れ、視界もはっきりしていなかった。「お願い、死なないでください! 貴方がいなかったら、私、私は……!」 何か叫んでいるのはわかったが、その内容まで一機は把握できなかった。耳も目も機能を果たしていない。暗い。寒い。 でも、不思議と恐怖はなかった。 あの日、自分の世界を失った時と同じ。驚きと絶望はあっても、まあ仕方がない。そんな思いを抱いていた。 ――結局、ウサギには会えなかったな。 沈む意識の中、失笑と共にまぶたを閉じようとしたその瞬間、「おい、中にいる奴、無事か?」 外から、ハッチの向こうから誰かが呼びかけてきた。ひび割れで姿が見えないが、どうやら先ほどの女性らしい。「どうした、返事をしろ!」「さ、さっきの人ですか? 助けてください、胸に破片が突き刺さって……一機さんが……!」「なに!? わかった、すぐ看護兵を呼ぶ。……くそっ、搭乗口が歪んでいるな。離れていろ!」 そう言うと、外にいた女性の気配が少しの間消え、すぐさまバキッと何かが砕ける音がした。 その音は断続的に続き、霞んでいく視界に破片が飛び散るのが映る。どうやら、が外部からハッチを叩き壊しているようだ。 そしてハッチが破壊され、本物の光が入ってきた。「――うっわ」 視界が狭まり、物が見えなくなってきた一機にもはっきり映った、黄金の輝き。 デジャヴに現れた神秘的なまでに美しい金髪が、幻覚ではなくたしかにそこにあった。 ――あ、そうか。そうだったっけ…… 意識を失う直前、一機の脳内で欠けていた記憶全てが再生された。
2010.03.25
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「静馬、卒業おめでとう!」「ああ、まあな……」「あれ、嬉しそうじゃないね」「まあ、これが終わりってわけじゃないですからね」「それに、色々あったからな」「あー疲れた……」「まあとりあえずおめでとうと言っておく」なんかだらけてたような激動だったような二年間だった……疲れた。と言ったところで、まだ終わりじゃないんだけど。春がまた来るか……
2010.03.24
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*この日本当は休日でした
2010.03.23
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*この日本当は休日でした
2010.03.22
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*この日本当は休日でした
2010.03.21
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「やっと見たんですか。何気に一週間経ってますよ」「静馬は買うと逆に後回しにするからな。だからレンタル派なんだが……で、どうだったんだ」「物足りない!」「ああ、やっぱり」「でも満足!」「……へ?」「いやあ一時間という制約下の中あれだけ描ければ及第点だろう。削りすぎ! という部分も無くはないが、まああの長い話をやってくわけにはいかんからなあ。ディティールもものすごく細かく描けているし、戦闘シーンもかっこいい。そしてマリーダさんが美しい」「結局そこかよ……まあ、完全に小説再現するだけじゃしゃーないしな」完ぺきとは言えない。不満が無いと言えば嘘になる。しかしそれを補って余りあるクオリティの作品に仕上がっている。アニメから見て小説で削られた内容を補完する、ってのが初心者には向いた視聴法だと思う
2010.03.20
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「前回最後、リコちゃんがドーパントでなくてホッと一安心の亜樹子ですが怒り心頭。「娘を愛してない」とまで言って堀之内を激昂させてしまいます。とはいえパペティアー自体には戦闘能力ありませんから、メモリブレイクしてしまえば……ん、なんですかこの霧」「ドーパントに逃げられちゃった……ってこれウェザーの仕業!? 井坂が助けたの!?」「どうも何か企んでるらしい。前回若菜のドライバーを借りていたが、パペティアーの力を使ってどうするんだか」 「シュラウドの送ってきた新型ガジェッドはフロッグポット、音声変換機能を搭載したメカだ。戦闘にはどうかわからんが、なかなか面白いじゃないか」「で、亜樹子だが、どうもこの街に来た頃にリコちゃんと人形に会っていたらしい。その時探偵事務所の名刺を渡していたから、こうして助けを求めに来たのか」「出会った場所に人形を連れて行ってみますが、そんな都合よく会えるわけ……あ、いました。保護してもらおうと思いますが、やっぱり人形の声を聞いての一点張り。また逃げちゃって、苛立った亜樹子は人形その場に捨てちゃいます。あれ、照井からですよ。話があるそうです」「一方、ドライバーを返して貰った若菜さんが、パペティアーの糸に……って操られちゃったよ! まずいじゃん!」 「堀之内は妻を病気で亡くして以来、娘と二人暮らし。家の中はグッチャグチャで相当荒んだ生活してたみたいだな。こんなところでリコちゃんは暮らしていた……一か月前までは」「――なに!? 堀之内の娘里香子は一か月前に事故死してる!? じゃ、じゃあさっきのリコちゃんは誰だよ!」「ビデオが残っていた。誕生日にさっきの人形をプレゼントされ喜ぶ里香子ちゃんが名前を……な、あの人形が『リコちゃん』!? じゃあ、亜樹子に依頼してきたあの娘は……」「里香子ちゃんの姿を借りた、人形そのものだったってこと? じゃ、『人形の声を聞いて』は、自分の声を聞いてってことで――あ、さっき捨てちゃったじゃん! 助けなきゃ……って、ゴミ収集車が持ってっちゃった! 追いかけろー!」「静馬の予測、二番目正解。最後のは深読みしすぎましたね」「うむ。話としては面白いが、堀之内の動機が浅くなってしまうからな。にしても、幽霊ネタ改め付喪神ネタか。これは今後の展開に影響するかな……」 「クレイドールを操った堀之内が事務所を襲撃。狙いは亜樹子か。まずいぞ、今フィリップしかいないのに。連絡もできないし、ファングもやられちまった」「絶対絶命――ん!? あれは、ガンナーA!? どうしてガンナーAがフィリップを助けるんだ!?」「おかげで助かったけど……ガンナーAにもファングと同じくフィリップを防衛するシステムが組み込まれてるってこと? じゃあ、じゃあ、ファングを作ったのは……いや、それよりも正気に戻った若菜さんが激昂して飛び出してったけど」 「なんとかリコちゃんを救出した亜樹子、聞こえた人形の声は「お父さんに泣かないでと伝えてほしい」でした。それが言いたかったんですね……げ、堀之内!」「あの小説は、堀之内が死んだ里香子の思い出を描いたことであった。そうすることで、理香子を永遠の存在とするために。ところが酷評され、しかも娘を愛してないなんて抜かされ激昂したわけだ。まあ多分、死んだ娘との思い出が、極端に美化されて描かれた代物だと批評家たちは見抜いたんだろうなあ。とにかく同様に愛していないと言った亜樹子も殺そうとするが、すんでのところでWとアクセルが駆けつけた」「まあこいつ自身は強くないから余裕……げ! アクセルが操られた! ええい小細工かましやがって!」「このままだとやられ……ん、なんだ、亜樹子の声? 全然見当違いの方向から聞こえるぞ?」「ああっ! さっきのフロッグ! これで隙を作ってアクセルを解放したよ! いっえメモリブレイクだ!」「「さあ、貴方の罪を数えなさい!」」「あ、久々に取られた。サイクロン×メタルで新技メタルツイスターにより撃破。もはや誰も愛してくれる人がいなくなったという堀之内の前に、リコちゃんがいると告げる亜樹子。泣き崩れる堀之内の傍には、確かにリコちゃんが……」 「ブチ切れた若菜が井坂を襲うが、冴子が止めに入る。両者変身して光弾をぶつけるが、いつもならタブーが勝つはずなのに負けた。明らかにクレイドールがパワーアップしている。何があった?」「どうやら井坂が、ドライバーを直挿しと同様になるよう改造したらしい……直挿し!? そ、それじゃ普通のドーパントと変わらんではないか! 若菜さんの精神が汚染されてしまう!」「井坂は、ドライバーはドーパントの進化を阻害している邪魔者と語っています。彼自身突然変異した存在らしいですから、ある意味進化した存在なんでしょう。若菜さんでそれを再現しようというのでしょうか? いずれにしろ、どんでもないことを企んでそうです」 「でも、どうして人形が喋ったり里香子ちゃんの姿を借りて出てきたんだろう?」「さあな……考えられるとすれば、ガイアメモリの影響が、操られた人形にも作用したってところだろうが……」「いいんじゃない? 人形が堀之内を助けてほしくて来たでさ。そんな謎、暴いたところでどうすんだよ。謎は謎のまま、それも悪くないさ」 「次回、ウェザードーパント現る……って早いですね。もう正体バレちゃいましたか」「相手は突然変異呼ばわりされてる奴だぞ、勝てるか?」
2010.03.19
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「……あのさー、HIT数九万じゃなくて十万なんだけど」「……!?」「え、本当に気付いてなかったの?」「いや、あの、え……? ど、どうなってんだ?」「静馬、九万HITしたと思ったのホントに」「確かに九万だと思ってたけど、あ、あれ……?」指摘されるまで全然気付かなかった。マジで。ホントどうしてこうなった。ここ数日のアクセス数からして更新後に一万人来たわけはないから、考えられるのは四つ一、単なる見間違い二、カウンターのバグ三、とっくに九万HITしたのに気付かなかった ↓ で、カウンターの九千のところだけ見て「あーもうすぐ大台突破かー」と思いそれだけで九万と思いこんで更新四、九万HITの報告し忘れてたorやろうと思ってたけど機会がなかった ↓ それで「ああ、もうすぐキリ番だから報告しないとな」と思いやろうとしたがそれは十万だった……どれにしろ大ボケだなorzご指摘、感謝いたします
2010.03.18
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「静馬ー、ちゃんと細かく確認に来た方がいいんじゃないの?」「いや、それでも無理だろうな。最近は昔の三倍近く人が来るから……あり得ない数だぜ」「やっぱあれか、ヘレナのSSが客を集めたか?」「え、な、何を言うか!」「恥ずかしがってそれでいて嬉しそう……」「言うなって。しかし、うちはキリ番とは言っても何もしないんだけどな」「いやだって……うちでやれることなんか相当限られてくるだろ」「静馬絵描けないし」「記念に一本なんて勢いで書けるんなら、とっくに小説ポンポン書けてますよね♪」「うわあああああああぁん!!」「やれやれ、また泣きだした……」もう最近人来過ぎで「誰か更新ボタン押してるんじゃないのか?」と邪推したくなる(一時期そういうことあったとりあえずありがとうございました。今後とも精進したいと思います。……小説書かなきゃなあ(ぉぃ
2010.03.17
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アメコミヒーロー作品の中で異端にして究極と言われる名作『ウォッチメン』私が見たのは映画版だが、今まで見たアメコミヒーロー作品とは一線を画す代物であることは容易に伝わった。冷戦下、スーパーヒーローが実在するアメリカでスーパーヒーローの活動を禁ずる『キーン条約』が施行された世界で、唯一認可されたヒーローが殺された。たった一人、違法に活動を広げるヒーローがその謎を調べていくうち、恐るべき陰謀が明らかに……という内容。ヒーロー物を名乗っておきながら、いやだからこそその内容は現実世界の風刺と社会性に満ちている。ヒーロー物なのに超人は一人しかおらず、ヒーローとは何かを考えさせられる作品となっている。……と、ここでちょっと区切る。原作のネタバレを多分に含んだ考察なので消します。不快な内容かも知れないので、見たい方は覚悟を持ってどうぞ。責任は一切取れないのでご了承ください。オジマンディアスは冷戦の中『共通の敵』を作成することで米露を団結させ、世界を一つに、戦争を無くすことに成功した。これに他のヒーローも賛同、口をつぐんで終わるのだが、これに一つ意見を言いたい。共通の敵を作り対立する者たちを一つにする。現実創作どちらでもよくある話だ。WW2の米露だってこの方式で枢軸国と戦い勝利した。つまりオジマンディアスはこの時代を再現しようというのだ。しかし、その『共通の敵』がいなくなったからこそ生まれたのが冷戦じゃないのか?『ウォッチメン』の最後、世界中が冷戦の終結、核戦争の回避に喜んでいたが、あの騒ぎ方を見ると一過性の馬鹿騒ぎに過ぎない気がしてならない。第一、作りだされた『共通の敵』は枢軸国のような現実に存在し今戦っている、あるいは戦うかもしれない相手ではなく、あくまでオジマンディアスの創作であり、大量の人間を虐殺したのは事実だがこれから襲う予定は一切ないのだ。仮に、台風に備えて強固な壁を作ったとしよう。予想外の大嵐で大きな被害が来た。次来た時のため壁を作る。人々は壁を作るため一致団結して製作し、整備を怠らない。しかし、台風は全然やってこない。十年、二十年三十年なんでもいい。とにかく台風は全然やってこず、やがて台風が来たということすら風化していく。壁は見向きされなくなっていき荒れ果て、人々は壁の中でまた争いごとを始める。人々をもう一度団結させるにはどうすればいいか? また台風が来るしかない。オジマンディアスは『共通の敵』を捏造する際多くの人間を殺したが、それは『必要最低限の犠牲』と言った。だが、人々がその脅威を忘れ核戦争の脅威が再び来れば、また同じ行為をするだろう。いったい、『必要最低限の犠牲』とは何人なのか?結局彼は問題を先延ばしにしているだけで、実際は何一つ変えていないのかもしれない。……なんてことが言えるのは、冷戦が終結して核戦争の脅威が去った時代に育った人間の言葉なんだろうな。核戦争がいまにも起こりうることと認識していた当時の人たちにとって、その脅威からの脱却は何よりも大事なことであり、意味のあることだったんだろう。冷戦が自然回避されるなんて想像したのは少数派だったに違いない。ましてはあんなに早く終わるなんて、空想上の世界でも思われなかったらしい(70、80年代、またはそれ以前のアニメには、90年や21世紀以後も冷戦が終結していないのが実に多い)その点では、オジマンディアスは冷戦を終結されたヒーローとして賞讃されるべきなのだが、それは今現在の危険性を摘み取った、と見るべきではないか。ま、ここまで語った理由は、単にわしがロールシャッハのファンであって彼を否定するようなエンディングが認められづらいというだけなんだが(ぉまたこんな文を書いてしまった、怒られたらどうしよう(だから書くなって
2010.03.16
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*この日本当は休日でした
2010.03.15
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「嘘だああああああああぁ!!」「……なんか最近、スパロボのリメイクやるたんびにこれやってない?」「ま、今回は驚いても仕方がない。なんせあの『魔装機神THE LORD OF ELEMENTAL』のリメイクだからな」「はて……? 確かあれって制作会社との版権問題で揉めてリメイク不可能なんじゃありませんでしたっけ」「今回作ってるのはその会社だよ。最初から問題なかったのか、それとも仲直りしたのか、とにかく公式に発表されたんだから間違いない。なんか古い作品リメイクするなんて噂が前々からあったが、予想が全部外れたな」「たしか、静馬が一番最初にプレイした『スーパーロボット大戦EX』の世界が舞台の番外編だったな」「うん、だから思い入れ相当あるよ。楽しみなのは間違いないんだが、しかし……」「しかし?」「何故OGEXの方を先にやらない!? 第一章はともかく第二章はわけわかんねえだろ! まさか第一章だけ単独で売ってOGEXに繋げる!? いや、商法としてはそれもありだがにしては値段が高すぎる。ブログによるとやる気はやる気らしいけど、だったらどうして……!」「いいじゃん、お前は大抵内容知ってんだから。あちらにはあちらなりの理由や考えがあるんだろ」いやホント最大のサプライズ……寺田よくやった、尊敬してやる(上から目線やめろただ……PV見ると出来が気になるんだよなあ。それとEXやらないとミオ派の俺が(ry
2010.03.14
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「買った? 借りたじゃなくて?」「レンタルやってないんだよUC」「はて、有料のダウンロードサービスやってるんじゃありませんでしたっけ」「そういうのやらないことにしてるんだ。第一、あれ千円くらいかかるからなあ」「でもいいのか? 公開された冒頭七分で「端折りすぎだろ!」って文句言ってたじゃねえか」「それはしょうがないんだよなあ。所詮あの長い話を一時間でやるのが無理があるんだって。しかも全五巻だろ? せめて二十巻くらいやらないと」「いや、それは長すぎる……で、面白いのか?」「いや、あれから色々あって見てない」「あ、あのー……?」「見るからちゃんと! ちゃんと後で見るから!」つーか、シリーズが続くよう投資目的の趣が強いから目的はもう達成されてるんだけどね。あとすべきことは、面白さを伝えることだけど……大丈夫かなあ
2010.03.13
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2010.03.12
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2010.03.11
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「疑似メモリとガジェットの設計図が事務所に送られてた。おそらくはシュラウド……いったい何者なんだろう。とにかくフィリップは作ってみることに」「そこに、感動小説に泣きじゃくっていた亜樹子の元へ少女がやってくる。人形の声を聞いてとばかり言って、住所が書かれたメモを渡した。人形を取り返せってことか?……あれ、消えた!?」「とにかく、書かれている住所に行ってみましょう。調べてみるとそこは文芸評論家の家で、どこかから送られてきた可愛らしい人形が確かにありました。依頼達成ですかね。あ、この本亜樹子がボロ泣きしてた『少女と人形の家』という小説。でもこの評論家は無茶苦茶に貶してますね。……え? 人形がありませんよ。どこいっ……た」「うわああああああああぁ!! 人形が動いて襲いかかってるぅ!! しかも顔ものすごく怖くなってるし!!」「評論家はベランダから叩き落とされてしまった。幸い命は助かったが……人形は元通り箱に収まっている。な、何が起こったんだ?」 「で、警察に通報するも翔太郎すら信じてくれません。まあ人形が襲いかかったじゃなあ。身の潔白を晴らそうとメモに書かれてあるもう一つの家へ。ってまた襲いかかってるぞ人形!」「いや安心しろ所詮人形だ、そんな強くない。亜樹子でも戦え……照井!? よし、アクセルに変身して化け物人形を仕留めちまえ!」「でもこいつ、力は強くないけどかなりトリッキーですよ。あんな身なりで車を操ったり小細工が効きます。結局逃げられちゃいました」「実は、似たような事件が前にもあったんだって。じゃあ、犯人はあの呪いの人形? ――え、ドーパントだって?」 「襲われた人たちの共通点は、皆『少女と人形の家』を酷評していたこと。なら犯人は作者の堀之内? しかしガイアメモリとはいえ成人男性があんな小柄になれるものか」「いや、堀之内の娘かもしれん。著者近影にある娘利香子は事務所に来たリコそのものだ。堀之内が娘にガイアメモリを使わせ襲わせたなら、あの背丈も納得がいく。十代のガキが使ってやばかったんだ、あんな子供じゃどうなるかわからん。一刻も早く助けねば、って、翔太郎さっき亜樹子を信じなかった件で嫌われちまった。照井と捜査に行くことに」「しかし奴が犯人という証拠はない。ならば、堀之内をわざと貶してこちらを狙って来るよう仕向けるか。これで堀之内がリアクションを取れば……あれ、リコがまた現れたぞ」「よし、保護してもらいましょう。ってまた人形の声を聞いてですか。意味がわから……あ、また消えた。いったいなんなんですかあの子は?」 「なんか照井に亜樹子を奪われた感じがする翔太郎。そこに……ってまた現れたよ人形! 罠にかかったということだね、変身!」「力は大したことないから、Wとアクセルが組めば余裕……ああっ! トリガーマグナムが奪われた! おのれなんという奴だ!」「厄介だ、一気にケリをつける! アクセルグランツァーでメモリブレイクだ! よし、やった……ん!?」「メモリが排出されない!? こいつは堀之内の娘じゃない、ただの人形だ。てことは、犯人は人形のドーパントじゃなくて、人形を操る遠隔操作型のドーパントということか」「いました、人形使い。やっぱり堀之内です。とにかくリコちやんじゃなくてよかった……あれ? またあの声ですよ。しかもこれ……人形から聞こえません?」 「で、お前はどう思ってるんだ?」「考え方はいくつかある。まず一つに、堀之内の娘はとっくに死んでるんじゃないか?」「え?」「つまり、本物の堀之内の娘は死んでいて、その娘をモデルに描いた小説を酷評され激怒した堀之内は復讐に走った。しかし娘はそれに耐えきれず、幽霊として人形に取りついて亜樹子の元へ現れたということだな。幽霊ネタはヴァイラスの回でやってるからあり得なくない。これが順当だな」「でも堀之内の娘は『利香子』という名前なんですよ? なのにその幽霊が『リコ』と名乗るのは変じゃないですか。……ひょっとしたら人形に取りついた霊じゃなく、人形そのものなんじゃないですかね」「なんだと?」「ガイアメモリが精神に作用する力を持つことはわかっています。では、ドーパントの力に晒された人形が、その影響で自我を会得したんじゃないですかね。あれは利香子ちゃんの遺品かなにかで、その人形の名が『リコ』なら、全て説明がつきます」「――その説の変形でもう一つ。堀之内に娘なんか最初からいない」「え、えぇ?」「著者近影に映っていたのは別れた奥さんに連れられた娘かあるいはまったくの他人か、とにかく堀之内に娘はいない。あの小説は娘がいるという美化された妄想だけで描いた代物だ。酷評した四人はそれに気付いたんじゃないか? それが原因で襲われた。あのリコという人形は娘がいるという妄想の小道具に使われたもので、それが積み重なっていくうちに自我を会得した――どうだ?」「いや――面白くはあるけど、それは深読みしすぎじゃないのか? ヴァイラスと同じく妄想しすぎ」「だといいけど……第三はともかく第一第二が怪しいな。LEの推理はとりあえずこれで」
2010.03.10
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2010.03.09
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「静馬ー、そんな完全武装してどうしたの?」「……出兵だ」「やれやれ、またですか。そんなこと言って大したことじゃ……」「いや、今回はある意味本物の出兵だ」「は?」「しっかりやれよ? どうだ気分は」「……今すぐ死にたい」「ちょっ、何するのいったい!?」死にに(ぇ というのは大げさだが、人生最大の難関に挑むと言っても過言ではない。ホント心臓が破裂してもおかしくないくらいにビビっている……どうしよう、自殺したい(落ち着け
2010.03.08
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「タケノコ掘りの人たちが埋められた死体を発見、所持品もないので身元が分からないと思いましたが、意外と早く判明。前日にマンションの大家さんが捜索願いを出していました。この西島さんは窃盗の前科がある無職のおじいさんで、ハローワーク通いしてるだけの方した。あれ、なんですかこの軍手。油性ペンで裏に点がついてますよ。……あら、杉下さん風邪ですか?」「この西島さん、家族も親類もいなかったみたいだね。こりゃ難しいよ……あれ、なにこのお隣さん。動揺しすぎてない? 樫山さんに捜一も疑惑を抱いて、その夜行ってみると……あれ、簡単に自白しちゃった」「共犯も逮捕し、たった一日への解決に調子づく二人に何故かニヤケ顔の特命二人。そして時間は前日へと遡る……今回は時間軸をずらした特殊な演出のミステリーだな。これは新しいぞ」 「前日、昔世話になった大家の遠山さんから連絡を受けた杉下さん。しかし風邪をひいているため神戸が代理として来た。宮村さんという住人が男に二股かけられて自殺未遂をしたそうだ。しかし結婚詐欺というわけではなく、民事不介入で警察はどうにもできんなあ……まあしょうがないから、相手に直談判するくらいは付き合ってやれ」「としたら、宮村さんブチ切れて隠し持ってたナイフで刺そうとします。神戸が助けてくれましたが、男が高そうなネックレスお詫びにくれました。……はて、この男さっきの共犯じゃ……?」「そしたら、ネックレスを後で奪い返してきたそうで。翌日、神戸が行ってみると戸倉という男は旅行だと。そう、その日の夜戸倉は逮捕される。結婚詐欺でも強盗でもなく、殺人で。数日前、彼女がネックレスを落としたら、ちょうどそこにネックレスを持った西島さんが通りかかり、盗んだと激昂して襲いかかったら死んじまったそうだ。ちなみにそれは樫山のネックレスじゃなかった――そして時間はまた遡り二日前、課長の頼みで杉下さんがあるお宅へ訪れた」 「なんでも、そこのお宅の家宝のネックレスが無くなったみたい。泥棒かとも思うんだけど、娘のこずえちゃんが言ってる通り単に落としただけじゃないの? 不審な老人が目撃されてるらしいけど……あれ、このネックレスさっきのじゃ……」「同日、ネックレスを鑑定してもらった老人がいたそうだ。その値段にビビって持ち帰ったそうだが……ってこれ西島さんじゃねえか! でも値段知らなかったみたいだし、返さなきゃと語ってたそうだ……盗んだんじゃないのか? で、西島さんを探すがその時もう死んでるのでいない。ああ、杉下さんが訪れたから大家捜索願出したのか。あ、樫山ともここで会ってやがる。この時ちょうど戸倉は直談判されネックレスをあげてたのか……」「縁としか言いようがない事件ですね確かに。タケノコ掘りもあのネックレスの家のお父さんが企画したテレビが原因だし。うん、お嬢ちゃん何か用ですか?」 「そして西島さんの死体が発見され、戸倉は外国へ逃亡するためホテルを待ち合わせにして逃げる。と、ここで特命二人の情報が集約される。戸倉は逃げ出した後、樫山さんの家へ向かおう」「あんな男を庇うかねえ……他の女と別れることを条件に死体隠すの提案したのこいつだし」「いんや、誰でもよかったんだよ。樫山も家族も親族もいない、西島さんのように孤独のまま老いて死ぬと思ったら怖くて嫌だったから、戸倉に依存してたんだ。天涯孤独の人間が死んで誰が困る、そんな奴の殺人を暴いてどうなるとさ。……でも、それは違うんだよ」「家の中で静養していたこずえちゃんに、窓の外から不憫に思った西島さんが、軍手でウサギの芸を披露したんだ。それの感謝の印にあのネックレスをくれたんだ。それを奪い返してほしくないから黙ってたんだね。そんなつながりを持ってたんだね、西島さん」「だから取られようとしたあの時、必死に取り返そうとしたんですね。誰とも繋がっていない人間なんて本当にいるんですかねえ。こずえちゃんには遠くに行ったと言っておきますか。……繋がりか。なんか考えさせられますね」 「次回は最終回……ん、なんだ、何が起こるんだ?」「やはり神戸が特命係へ来たのは裏があったのか……どうなるかまるでわからんな」
2010.03.07
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「前回、ゆきほさんの不正を知ってしまい絶望するジミー。実はこれこそが“電波塔の道化師”ことライアードーパントの目的。若者の夢を叩き折り、挫折の涙を和紙に吸わせてコレクションしています。……この様子からして、最初から依頼を果たす気なかったですねこいつ」「ええい、なんという下衆だ。しかしその能力でWとアクセルを同士打ちさせて取り逃がしてしまう。思った以上に厄介な相手だな」 「まるで面白くない人生を歩いてきたゆきほさんに唯一笑いかけてきたのがジミー。その彼を喜ばせたくてドーパントの誘いに乗ってしまった……気持ちは分からなくはないけどさー」「それで不正に手染めたらダメだろ。道義的以前に、ジミー自体を愚弄する行為だよ。プライドズタズタじゃねーか。ジミーは馬鹿だけど被害者。こいつは生き甲斐が欲しかっただけなんだろうけど、あんまり同情する気になれんなぁ」 「一方その頃、ウェザーメモリの持ち主井坂医師と冴子が裏の診察やってました。ただしドーパントの姿で」「舐め回すようにタブーを診察して、とんだ変態ですよこの男。でもやはり只者じゃないみたいで、冴子がミュージアム乗っ取りを企んでることを見抜いています。この危険人物がストーリーにどう関わっていくんでしょうか。……にしても気持ち悪い」 「で、いよいよフーティックアイドル収録の日。絶望したジミーは行く気があるわけもなくギターを海辺に捨てるが、そこを翔太郎に見つかり逃げ出す。……なんでこいつらは男同士で浜辺で追いかけっこしてるんだ」「しかも白いギターにちょうどいい具合に飛ぶカモメ……青春ラブストーリーみたいなことになってる」「狂い過ぎだろ演出。で、裏切られたショックでもう音楽を辞めると言うジミーに、翔太郎は本当の嘘つきはお前だと語る」「ドーパントの件はともかく、あの超絶ヘタクソが今までやってこれたのはゆきほの献身的な応援があったからなのは事実だからな。自分に才能がないことを自覚したとしても、それを彼女のせいとして逃げるのはあまりに男らしくないのではないか。さて、どうするかなジミーは」 「犯人探しはなかなか進みませんね。キーワードが全部抽象的なせいで、メモリが判明してもドーパントの正体までは辿りつけません」「しかし新しいキーワードなど……ん? 和紙?」「そういえばあのドーパントが涙吸わせてたのは和紙だったね。それで導き出された答えは……え、路上ポエム作家の沢田!?」「なるほど、ストリートの顔役の裏で夢ある若者を探っていたわけか。すぐさま急行したが、上手いこと逃げられてしまった。何か罠を張る必要があるな……若菜さんに連絡しよう」 「実は沢田も若菜の大ファン。その若菜がなんと電波塔の道化師と会うことになったとラジオで語って大慌て。自分の名を騙る偽物が現れた? 車でホールに向かった若菜を追うと、電波塔の道化師なるアホみたいなカッコのピエロが現れる。そのあまりに無様な姿にブチ切れた沢田が飛び出すが、その正体はなんと翔太郎」「全てはおびき出すために若菜さんに強力してもらった罠だったのです。ちなみにここまで沢田を誘導した若菜さんはフィリップの変装。元は所長がやる予定でしたが、照井に無理だと却下されました。崩れ落ちる所長」「まあそんなことはどうでもいいと、Wとアクセル同時変身。……本来かっこいいシーンのはずなのに、照井は照井でボディーガードに変装していたからものすごく締まらない絵になってしまった。製作陣遊び過ぎだろ」「そして同じころ、フーティックアイドルにジミーが現れる。たった一人、自分を信じてくれた人のための歌を歌うために」 「まずはあの能力を潰す。メタル×スパイダーであの腐れた口を塞いじまえ!」「と、やっべWがビルから落とされた! 変形して助けろアクセル!」「この際です、一気にぶちのめしましょう。サイクロン×トリガーで牽制した後、アクセルとの連係プレーで加速したジョカーエクストリームでメモリブレイク!」「破壊されたガイアメモリに降り注ぐ、砕けた夢の欠片……恐らくこの男も、夢を砕かれた者の一人だったんだろう。だとすれば動機は嫉妬か。夢破れた悲しみはわかるが、それを周囲に広げていたのは許せんな」 「で、ドーパントの力がないジミーの評価はやっぱ酷い。まあこれが正統な評価なんだけど。元より勝てると思ってきたわけじゃないジミーも落ち込んでるよ」「でも、歌に込めたありったけの思いは会場中に伝わっていた。たった一人のファンへの、気持ちをぶつけたラブソングは」「本人は今しがたラブソングだって気付きましたけどね。まあハッピーエンドでいいんじゃないでしょうか。というわけで、ジミーはゆきほさんと同じ工場で働き始めました。歌は続けるのかは、まあ本人が決めることですからいいでしょう」「ん……なに、クイーンとエリザベスの歌がCD化? 番組関係者が口添えしてくれたのか。って、これ本当に出るのか!?」「いやー、今回これの壮大な伏線だったんだね。ちょうど中だるみの回だし、楽しくやったと思うよ製作スタッフ」 「次回は……なんだあの人形は!」「コックローチといい、Wの造形は時々マジ怖いな。チャイルド・プレイ並みにキツいのが拝めそうだぜ」
2010.03.06
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*この日本当は休日でした
2010.03.05
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*この日本当は休日でした
2010.03.04
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こう聞いて、わしの年齢知ってる方は「お前何言ってんの?」という気分になるかもだが、実を言うとこの歳になるまで全然経験がなかった。やろうかな、と思ったことは何度かあったが、高校は電車で一時間の距離だったし、短大時代といい大学時代といい時間がなかったというか。短大は二年になってすぐ卒業だし、大学も編入学だから時間的余裕がないのは一緒。四年生の頃は就職活動と。……なんてのは建前で、まあビビってたというのが正直なところかな。探してはいたんだが、この陰気な性格が災いしてことごとく落選。まあ、俺が店長なら絶対雇わないよ俺なんかorzそんな苦労も半年か一年、ようやっと受かったはいいものの……正直安心より不安が大きい。わしにバイトが務まるかねえ……それに、なんか経験上嫌な予感が「うるせーよ、さっさと腹くくれ」「ぬ、盗み聞きしてるんじゃない!」
2010.03.03
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「やっと欠番がやれる日が来たね……」「まあな。長い時間だった……」 「盲腸で入院したたまきさんのお隣、ななみちゃん。どうも知らない人に声かけされてびっくりして道路に飛び出して自転車にぶつかったそうな。……え? その声かけしたのが公民党の若手ホープ江嶋議員? まさかとは思いますが、一応調べてみますか。ああ、ここがななみちゃんのお母さんが勤めてる会社ですね。ってあれ? 米沢さんがいますよ」「なんでも、ここに仕事場を持つジャーナリストの安田が殺されたらしい。政治スキャンダルなどを告発する硬派な人だから、その関係かと……って死亡推定時刻ななみちゃんが声かけされた時刻とピッタリじゃねえか! とりあえずオフィスを調査……ん、なんだこのメモ」ヨハンコルピカワラ8レンガ5ブロック1「なんだヨハンコルピとは? それにカワラとか……家でも建てる気か?」「ちょっと検索してみる……出た。ヨハンコルピってのは十九世紀の画家。カワラとかは安田さんの仕事から察するに政界の隠語かな。カワラ100万円レンガ一千万円ブロック一億円とか」「安田さん、相当やばいネタ洗ってたみたいだな。事務所荒らしにも遭って、命の危険を感じてネタは身につけてるようにしていたらしい。で、江嶋さんとは長い付き合いで同士だったそうだ。なに? 神戸とも知り合いなのか? じゃあちょっと頼まれてよ」 「江嶋さんは産廃による公害病の美戸川病患者の救済特措法成立運動の旗印として活動していた。ようやく具体化ってところだが声かけの件は知らんとさ。なんかななみちゃんのところでは妙に食いついたが」「で、ヨハンコルピですが、石堂とかいう大手派遣会社社長が引っかかりました。裏社会と繋がっていて、コルピの絵を裏金として政治家に献金していたそうな。かなり危険な人物です。安田さんの携帯には十時に清見トンネルへの予定がありましたから、そこへ向かったところで拉致されて殺されたんでしょうか。石堂が賄賂を渡していたのが江嶋さんとするなら江嶋さんに動機はありますが、その時間はアリバイ成立してますし」「第一、江嶋さんは法案成立の土壇場にいたんだぞ? そんな人が目先の賄賂なんて受け取るわけがない。法案どころか政治生命すら終わってしまう。――目先の賄賂なら、な」 「例の法案、本当ならもっと早く成立させるべきだったのに、官僚がやらせなかったんだって。理由は、新政権への嫌がらせ?」「新政権は天下り先をバンバン潰してるだろ? 官僚のトップ連中からすれば、数千万単位の年金パーにされたようなもんだから、そりゃ怒りくらいあるだろ。だったらどうして動いたか、それは世論と江嶋さんの力だが……一介の議員にすぎない江嶋さんにそんな力があるわけもない。だとすれば、一般人が思いつくのは二つしかないな」「金と女か? まあそんなとこだろうな。なに? ななみちゃんとこに江嶋さんが来た? 別に何かしたわけじゃなく、ななみちゃんの好きな人形渡して帰っただけだけどな。ひょっとして、あの場所、江嶋さんのオフィスでななみちゃんは何か見たのか?」「でも別に何も見てないって言ってますよ? 誰も目撃してないと……え? 江嶋さんのオフィスがあるところでエレベーターが止まった? あの時その階には江嶋さんしかいなかったはず。でも誰も乗らなかったということは、まさか……」「本当の犯行現場はこのオフィス、エレベーター前だったんだな。死体を一旦隠して偽の予定表によってアリバイを作った犯人は深夜ビルに戻り、死体を捨てたんだ。エレベーターのボタンを押されたのは気付かなかったみたいだがな。――しかし、あの日来ていないはずの江嶋さんが、どうして顔を見られる危険を冒してまで声を掛けたんだろう。いずれにしろ賄賂の証拠は処分されてるだろうし……何、違う?」 「安田さんが肌身離さず持っていた贈収賄の証拠が記されたUSBメモリ、あのエレベーターの前で殺した際に落としちゃって、ちょうどその時来たななみちゃんが人形にあげようと持っていっちゃったんだ。だからそれを奪い返そうとしたんだね」「安田さんも、長年の盟友たる江嶋さんが贈収賄なんて信じられなかったようだな。江嶋さんが自ら罪を公にすることを望んだが、今ここでそんなことしたら法案は確実に潰される。だいぶ揉めた結果、公表されそうになったんで殺したんだ」「なにがなんでも法案を可決しようと躍起になっていたのを石堂に見抜かれてつけこまれたんだな。それでも江嶋さんを信じようとした安田さんは、無念でしょうがなかったろうな。まあ、江嶋さんの気持ちもわからなくはないが」「結局江嶋さんは逮捕され、浮かび上がった贈収賄で法案は採決見送りに。でも若手議員が後を継ぐそうですね」「いずれは可決されるだろう。引き継ぐものがいるとなれば江嶋さんの努力は無駄じゃなかったな……政治家というのは、こうして腐敗していくものなのかなあ」「最近『政治家とか官僚とかみんなクズだから!』なんていう印象のカウンターが跋扈し出してるからな創作において。しかし、新政権といいタイムリーなネタだぜ」「そのタイムリーなネタを諸事情で一カ月近く伸ばしやがって……アホが」
2010.03.02
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「民家に三人組の泥棒が侵入、しかしどうも素人みたいで手慣れてませんね。しかも空家と思ってたらしく勢い余って住民を拘束する羽目に。はて、空家に泥棒?」「一方杉下さんは九年前の未解決現金輸送車襲撃事件の証拠品がうっかり返し忘れていたので、持ち主の元警備員名和田さんのところへ。事件の影響でホームセキュリティの営業やってるみたい。で、そこが例の泥棒入ったとこの隣だ。嗅ぎつけられちゃった」「どうもただの泥棒じゃないみたいだね。言い訳する様がたどたどしくて怪しまれちゃった。名和田さんとこを借りて監視する一方、神戸に作業着に書かれていた会社を調べさせることに。あれ? こことっくに倒産してるね。何でも作業員が、退職金代わりに作業着と機材を新しい会社作るために持っていったんだって。その人たちかな?」「しかし、あの家に住んでた佐藤さんて共働きじゃないのか? どうしてこんな平日に……あん? 杉下さんが営業マン!?」「偵察がてら様子見ということだが、これくらい合わない仕事は……いや、結構理詰めで話して飲み込まれるな。まあ口が上手いからな……ん、どうも佐藤さんのところはフリーのwebデザイナーをしているらしい。だったら平日も家にいるはずだが……あれ、納屋に監禁されていたはずなのにいないぞ。別のところに収容され……なに、奥さんが発作!? いかん、早く縄を解かねば!」「……変ですね。発作持ちの人間だったら、病院とか言う前に薬の在処教えるはずですが。杉下さんが帰ったら、変な音がしましたよ。あれ? 旦那さんいます。普通に泥棒と会話してますし……なにがあったんでしょう」 「おい、あいつらやっぱタダの夫婦じゃなかったぞ。ていうか結婚もしてない。夫は本名川上渡って言うんだが、ある組の愛人とできていて、その落とし前として大金を請求されたんだが、昔でかい仕事したことあるからそれで払うらしい。……でかい仕事? まさか」「夫も町金の取り立てだし。泥棒三人組隙を突かれて捕まっちゃったよ。……はい? 名和田さんとこのセキュリティが壊れた? ってああ!! 川上が名和田さんとこに侵入したよ!」「九年前の現金輸送車強奪事件、あれは名和田と川上の共犯だったんだ。似顔絵が全然別人なんだ、道理で犯人が見つからないわけだよ。で、時効の十年過ぎるまで名和田宅の床下に隠していたんだが、川上が金が必要になったから隣人に化けてチャンスを伺っていたわけ。まあそれは、杉下さんが作った罠だったんだけどな。このおっさん、金の上で寝てるんだから相当ストレスだったろうに。落語でそんな話あったなあ」「金に振り回された人生、金を使う側に立とうとして計画したがこの有様……刑務所では金は必要だろうか」 「で、あの三人ですけど、川上が現金の話してるのを立ち聞きして、その金をこっそり奪おうと隣の家からトンネル掘るつもりだったんです。機材はそのために使う気だったんですね。まあトンネルは銀行強盗の定番ですけど、たった三人じゃねえ。そんな意気があるんなら、三人で会社でも作ったらどうですか」「今回杉下に振り回された感じだった神戸だが、今度はもっとムカつく目に遭うみたいだな」 「今回、いつにもまして短くない?」「推理主体の場合だとこうなっちまうんだよ。文字で長々と説明したってしょうがないだろ? それに元々、静馬はなるべく短くまとめようとするからいつの間にかこうなっちまう」「下手にアイコン使ってるから余計に中身のなさが見え見えだな」「……言うな。困ってるんだから」
2010.03.01
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