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*この日本当は休日でした
2010.02.28
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トリビアの泉復活。全然知らんかった。二年以上やってなかったもんだから完全に終わったと思っていた。まさか復活するとは。ノーマークだったもんで全然気づかず、実家に帰って妹が見なきゃ存在を知ることはこれからもなかったろう。しっかし、前にも思ったが種にばっか力入れてるなあ。トリビアの方はネタ切れだろうか? 変に企画ものみたいに気取ってるけど時間稼ぎにしか思えん。いや、こっちの方がメインか。金もこっちの方が使ってるし。しかし、トリビアってのは無駄知識こそが肝であって、あれじゃただの面白企画じゃないか。トリビアの調査費とか使いづらくなったんだろうか。方向性間違えてるなあ。……ま、といいつつ、ドッチボールVSSPに笑った身としてはどうしようもないが(ぉ まあ、状況が違いすぎるよな護衛とドッチは。あと、ワンピースのアレは暴走しすぎと思う
2010.02.27
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*この日本当は休日でした
2010.02.26
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*この日本当は休日でした
2010.02.25
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「今回の依頼人はクイーンとエリザベス。フーティックアイドルという視聴者参戦の歌謡番組があるんだけど、三週連続勝ち抜けすると無条件でCDデビューできるんだって」「いや三週連続って……短すぎるでしょ。そんなのやろうと思えばポンポンデビューできますよ。静馬の地元のカラオケ番組だって十週勝ち抜けしてもそんな特典ありませんて。しかし二人は元々AKB48。歌はなかなかのもんです。三週勝ち抜けか……と思われましたが審査員からはボロクソにけなされ敗北。まあそれは別におかしくないんですが……」「問題は、勝ったジミー中田という奴が超絶ヘタクソということ。もはやジャイアンすら超越したその酷さは破壊兵器レベル。こりゃ番組の不正を疑いたくもなる。ちなみに、審査員は兄貴こと水木一郎。なんでこんなところで兄貴出すんだよ。製作費持つのか?」「話が逸れてるぞ。それでいてジミー自体は自分を天才だと思ってるからタチが悪い。周り全然見えてないな。ん? なんだこの女、こいつのファンか? こんな奴でもファンがいるんだなあ」「しかしこいつ、翔太郎にどこか似てないか? 半端者のくせに自分では気取っているところとか」 「で、フーティックアイドル二週目。やっぱりドヘタなジミーが絶賛されてるよ。客は正気だから、不正があるとすれば審査員なんだけど……あれ、飛び入り参加にスタジオへ訪れてた翔太郎とフィリップの二人が決まっちゃったよ!?」「フィリップがノリノリで参加しちゃって翔太郎巻き添え。てなわけで二人で一人の仮面シンガー、結構歌上手いです。曲がルナ×トリガーだし。ちなみに、その時若菜さんがフーティックアイドル見ていました。フィリップは顔隠してましたが、いや気付きなさいよ弟なんだから」「でもやっぱり勝ったのはジミー。自分でもおかしいとは思ってるようだがな。一方その頃、同じテレビ局で照井がドーパントと激突していた。なんかよくわからん相手だが、メモリブレイクしたから大丈夫……か?」 「なんでもそのドーパントは、『電波塔の道化師』と呼ばれる有名な詐欺師らしい。あちこちで被害に遭っている人間がいるから調査していたんだ。そいつが審査員を操っていたのは間違いないな。しかし、どうやったんだ? ま、犯人は逃したがメモリは破壊したから問題ないだろ」「……ん!? なんだこれは、酢昆布じゃないか!」「どうも暗示を掛けられてメモリと誤認させられてたみたいだね。これが審査員を騙したトリックかな。何のメモリなんだろ? とりあえず検索するとして、こっちはジミーを探すとしよう」「でもいませんねえジミー。沢田とかいう路上詩人にきつい一言言われただけで終わっちゃいました。それじゃ、あのファンのアラサー女探しましょうか」「そのゆきほとか言う女、過労でぶっ倒れたぞ。無茶苦茶なシフトで働いてるらしいのに、医者に休めと言われても薬も拒絶して。なんでそんな金が必要なんだ?」「で、やっぱ関与してたぜこいつ。ジミーを日の当る所に出したいのかと思ったが違う、こいつは自分のつまらん人生の救いとしてジミーを求めている。ジミー個人の意志など考えずに」「なんて身勝手な女だ。ゆきほはその稼いだ金を持って電波塔の道化師の元へとやってきた。あいつがドーパントではなく、ジミーを勝たせるよう金で雇った依頼人に過ぎなかったのか。しかし倒れても作ったその金は全然足らず、契約を破棄されてしまう。普通なら哀れに思うところだが、まったく同情できんな」「で、そのドーパントのメモリは『ライアー(嘘』嘘を針にして相手に刺すことでその嘘を信じ込ませる能力。なるほどこうやって刺して操ってたのか。まあそれなら針に気をつけていれば問題ないね。戦闘能力は大してないし、これで勝て……あ、ゆきほさん割り込んできた。あれだけやられたのにまだジミー勝たせたいんだ」「んなことしたって意味ないだろ。ジミーには自分の力で挑戦させればいい。……ま、無理だろうけどな。あいつは信じられないくらい才能ないし」「と、ゆきほが言ったらなんとその場にジミーが。道化師が呼んでいたのだ。じ分の勝利が偽り、理解者と思っていたゆきほすら自分を馬鹿にしていたことがわかってしまい絶望する。ジミー自体はただの被害者だよなあ」 「一方その頃、冴子は例の“Wのメモリの持ち主”のところへ行っていた。ってあれ? これさっきゆきほさんが運ばれた病院じゃない」「そう。ここの内科医である伊坂こそがW、ウェザーメモリの持ち主だ。ちなみにこの人、Vガンダムでクロノクル・アシャーやった声優さん。ムスカといい、色んな人連れてくるなあおい」 「ところで、電波塔の道化師はいったい誰なんだろうな?」「ま、だいたい予想はついてるけどね……しかし、せっかく兄貴出したんだからドーパントかライダーに変身してほしかった」「ライダーは無理でしょ、ライダーは」
2010.02.24
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*この日本当は休日でした
2010.02.23
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「大学の空き倉庫が爆発。焼死体が発見された。遺体は大学の社会心理学科准教授のもの。農学部のLPガスのボンベが緩んでたところに煙草吸おうとしてドッカン、不幸な奴。しかし、どうして倉庫なんかで煙草吸おうとしたんだ?」「その准教授は定例会でビデオ見てたんだけど、この大学は喫煙厳しくて、喫煙所まで行かないと煙草吸えないんだって。耐えきれなかったんじゃない? 曽田准教授は教授になりたかったけど、学部長になる鶴見教授が嫌煙家だからバレちゃいけなかったんだ」「でも曽田准教授は人格に問題あって、小笠原准教授にしようか悩んでいたんだって。ところで、LPガスは一月前の搬入以来一度も使ってないから搬入した時以外あり得ないんだけど、あそこは元々学生の秘密の喫煙所だったらしい。昨日の夕方も吸ってたそうだから、とっくに爆発してる筈。事故じゃないかもな」「しかし、なんで定例会を日曜日にわざわざやったんだ? しかも十人くらいしかいないのにあんな大ホールで」「なんでも小笠原さんの都合で日曜日に変更されたそうで。で、定例会は本当は小視聴室でやる予定が、あそこしか借りれなかったそうな。それを借りたのは、岡本とかいう根暗そうな学生です。でも、農学部の倉庫で煙草吸えるなんて曽田准教授なんで知ってたんでしょうねえ」 「レンタカーに望遠レンズ……曽田の部屋から変なもの出てきたぞ。こいつ尾行でもやってたんか? だとすると狙いは誰だ? 曽田が教授になりたがっていたところからすると、小笠原さんの弱みを握るというのが思いつくが」「で、その中身は……あれ、鶴見教授と室井助教授じゃん、こっちのふたりだったんだ」「でも二人とも、別に脅迫とかされてなかったらしいぞ。人格になんで使わなかったんだろうな。……ん? 小笠原さんと岡本が付き合ってるだと?」「変な研究したり、レポートわざわざDVDにして小笠原さんに届ける変な奴だったそうですが。で、曽田准教授はその日十二時から鶴見教授らと打ち合わせ、半には終わりましたが細かい調整などが重なってそのまま一時の定例会が始まってしまいました。……これは一種の誘導ですかねえ」「誘導?」「仮にLPガスで爆死させるにはやらなきゃいかんことがいくつかある。一つは日。平日だと農学部が入ってくる可能性があるからあの倉庫は使えない。二つ目にあの倉庫を使わせること。小視聴室には近くに喫煙室があるから、倉庫に近い大視聴室がある棟で定例会を行う。そして曽田に煙草をどうしても吸わせたくなるように、煙草を吸う暇を与えない。一つ目と二つ目やったのは小笠原さんだ」「でも二つ目は……ああ、あの二人付き合ってるんだ。岡本さんに小笠原さんがさせたってことね。……ん? 何これ?」 「……サブリミナル効果、だあ?」「意識されないレベルで提示された刺激が生体に影響を与える効果のことですね。岡本は、それを利用して小笠原さんへのレポートに自分の写真を貼りつけてたんです。サブリミナル効果の研究したかったのに相手にされなくて、唯一小笠原さんだけが理解者だったそうです。それで彼女を手に入れるためにあんなことしたんですか……え、講演の映像にも仕込んでた?」「あの倉庫と煙草の映像だ。煙草を吸いたくなるように誘導してたんだな。ええい、彼女のためと悪びれもせず自白しおって、とんでもない奴だ」「……どうだかな。サブリミナルって存在すら疑われてるんだぞ? そこまで行動を制御するなんて。第一あれを見てた奴は他にもいるし。もっと他に方法ないかな。例えば、自分を信奉してる相手に自分が考えたように見せかけて予測した行動をとらせるとか」「それって、洗脳じゃないの? ――ねえ、誰と誰のこと言ってる?」 「考えてみれば、心理学の専門家がサブリミナルに気付かないのはおかしい。知ってて利用したんだ。岡本の心理を組に誘導してな」「できるのかそんなこと? いくら専門家でも」「サブリミナルより簡単ですよ。曽田に殺意を抱くよう傷つけられたとか嘘をついたり、教授になれないとか語ったり、農学部の倉庫が喫煙所になってるとか、ガス爆発による殺害法などをそれとなく伝えるのは、彼女にとっては簡単でしょう。第一、岡本には曜日を日曜にはできませんしね。曽田を誘導したのもサブリミナルではなく、彼女が行ったんでした」「で、二人を誘導した小笠原さんだけど、こいつ二人に囁いただけだからな。どうやって立件すればいいんだか……おっと、米沢さんだ。はい? 液体肥料がどうしたって?」 「そういえば、鶴見教授の不倫ネタがあったのに、使ってなかったよね。どうしてやらなかったんだろう?」「もっといい方法思いついたんじゃないのか? 例えば、小笠原さんに辞退させるとか」「小笠原さんが当日、いつもよりずっと早い時間出勤していたことが確認されています。これは岡本がきちんとやったか確認するためですが、ここで心理学で言う『確認行為』が出てしまったようですね。家の鍵をちゃんと閉めたかどうか気になるとか。一種の脅迫症状ですね」「その確認行為がどうしたんだ?」「岡本がホントにボンベのバルブ開けたかどうか気になっちまったんだよ。で、自分でわざわざ確認しに行った。前日に農学部の学生が液体肥料を倉庫の床にぶちまけてたんだけど、その痕跡が曽田のスニーカーにあった。もし小笠原さんの靴に肥料が見つかれば、行った証拠になるな。心理学者が自身の心理に負けるとは……皮肉だ」 「……小笠原さん万引きしてたの? それをネタに脅迫をされてたんだ」「近くに自分の秘密を知ってる奴がいるってのが、耐えきれなかったんだろうなあ。しっかし、自分への好意を利用して学生に殺人の片棒担がせたこいつにゃ同情の余地はないね」 「……何をするかまったく予想つかない予告編だ」「とりあえず、杉下さんがセールスマンに転職ということじゃないですか?」「なわけあるか」
2010.02.22
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*この日本当は休日でした
2010.02.21
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「あれ、ヘレナは?」「剣の影響でぶっ倒れて寝てる。まああの剣相手じゃなあ。明日には回復すんだろ」 「トライセラトップスドーパントの正体は九条さん。照井は気付いていましたが、同じ復讐を志す者として見逃してたんですね。でも、もう復讐は終わった。でも九条さんはまだ返す気がありません。何をする気でしょうか」「しっかし翔太郎、九条さんならメモリの力に押し勝てるて……甘過ぎるな。既にあいつは二人も殺してるんだ。刑事としても人間としても境界を越えている。フィリップにそう指摘された翔太郎はある場所へ向かう。一方、同じく九条を捜索する照井に、謎の人物から電話が」「その人物は……え、Wのメモリの持ち主!?」「激情のまま呼び出されると、上から鉄骨が降ってきた! ぺしゃんこだー」 「で、溝口刑事の死んだ風吹岬にいた九条さんに自首を促す翔太郎。でも、組織の幹部の情報を掴んだので決着をつけたい。その後自首するからと。翔太郎は応じるわけですが……」「んなもん、わざわざ自分で行かなくても照井に頼みでもなんでもすりゃいいじゃねえか。そもそも、あそこで逃げる必要もなかったんだ。なんか裏あるんだろうな」 「で、冴子のところに押し入った九条さん。おお、冴子を捕まえた!」「しかしなんとそこで取引を持ちかけてきた。阿久津たちがやってた内通者役を引き継ぎたいそうだ。信頼の証として刃野刑事を殺すことをあっさり同意しちまうし、何考えてんだこの女」 「ビートルからの情報により九条さんを疑ったフィリップが刃野刑事のところに行くと、そこにはドーパントに変身した九条さんがいました。やっぱりこうなりましたか。朝カラなんてやってたお馬鹿な翔太郎とファングに変身します」「九条さんの復讐の相手は、この風都そのもの。溝口が愛し守ろうとしたこの街は、しかし彼を救ってはくれずむしろ愚弄し、プライドをズタズタに傷つけた。それが許せないってのはわかるが……そもそもの元凶たるミュージアムにはむしろ手を貸すってのはどうよ。どこをとっても無茶苦茶じゃねえか。これもガイアメモリの悪影響かねぇ」「そして、Wのメモリの持ち主に見せかけて照井を襲ったのも九条さんだった。騙し打ちなんて……」「どっこい生きてた照井くん。アクセルに変身するも、やっぱり怪我だらけでまともに戦えてない。しかしWは加勢せず。同じ復讐者、境界を越えた奴と越えてない奴の男の戦いだ。そして、巨大化したドーパントは溝口と思い出深い風都タワーすら破壊しようとする。ああもうダメだこいつ」「と、そこになにか来ました……え」「せ、戦車!? またシュラウドか、ガンナーAというサポートロイドだな。アクセルと接続して強力なキャノン砲となってぶっ放す」「必殺、ガイアキャノン! いっけえ!」「お前の心は俺が受け継ぐと九条に山に語る照井。照井も九条みたいになる筈だったんだから、これはこいつで締めるのが正道だろう」 「気が滅入る話でしたねえ。で、真倉は九条さんともっと仕事したかったそうな。美人でしたからね」「いや、メモリを手にしなければ九条はいい刑事だったんだろうからってさ。ま、そりゃそうだろうけどさ。俺としてはこいつがもっと活躍するのかと思ったが、最後の方しか出番なかったな」「まあ、今回は照井の回だからねえ。これからじゃないの?」 「なんで仮面ライダーにアニキ出てくるんだよ!」「こんなゲストキャラばっかり出して製作費が持つんですかねえ?」
2010.02.20
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えーまあ、わかってるとお思いでしょうが、この作品はあの挿絵のため作ったようなもんです、はい(ぉ怒さんから貰った絵があまりに神過ぎて、そしてあんな剣見せられたらもうたまんなくなって……SSやることに急きょ決定(いい加減すぎるまあ、そればっかりというわけでもないんですが。設定考えているうちに気付いたんですよね。「そういや『LEのヘレナ』って深く考えたことなかったな」と。ヘレナの初出は勿論サジタリウスなんですが、こちらに出す上で設定変更しています。言わば『LEにおけるヘレナ』これは麻紀も同じです。それはいいんだけど、LE版ヘレナの設定作ってなかったなーと思い、この際そちらも作ることにしました。で、一番難航したのは『剣を何にするか』だったんです。科学か魔術か……散々悩んだあげく、一緒のチャンポンにしちゃいました。ああ不順。ま、タクティカルレッドと絡める以上科学はしょうがないんですが。はっはっはっはっは……思い出しましたよ、フォルトの奴書く以前に書いた巨大武器が主役のファンタジー。いや、プロローグだけ書いたけどその後は全然書かなかったんですよね。ウケが悪かったというかなんというか。この頃から俺は書く書く詐欺な作家だったんだなあorz まあせっかく思い出したんだから、せめて設定でも使っておこうと思いこうしました。岩石将軍は……名前だけしかないキャラだった(えぇ いや、タクティカルレッドの将軍としてちゃんといたんだけど、具体的な設定は全然でした。俺こんなんばっかだなぁ。なんか色んな意味で痛いキャラにしたけど、うちのSSのテーマの一つでもありますあの語りは。これは後々公開されるでしょう。あと、ヘレナが語った『貴族が貴族たる理由を示せ』はわかっておられるでしょうがノブレス・オブリージュ(高貴なる義務)の完全なパクリ。剣の名前もそこから取ったし。そのまま使ってもよかったんだけどサジタリは別世界設定だし、最近よく使われてる言葉だからなんか変化欲しいとねつ造しました。意味はそのまんまですけど。最近流行りの反体制、反正義、テロリズム賛美が好きくないのは前から言っている通りですが、「果たして社会的に裕福な存在が本当に『幸福』なのか?」という意味を込めた言葉です。こっちはサジタリで語っていきたいですね。さて、勢いと行きあたりばったりで進めたSS、いかがだったでしょうか。――かなり展開無茶苦茶になったよなあ。しかも短いし。まあ元々そんな長くする予定もなかったけど、もうちょっと岩石将軍は活躍させたかった。てか、最初から挿絵におんぶされてるだけの話だからな。ここで改めて、怒さんに感謝と敬意と謝罪を表します(ペコリ
2010.02.20
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「うう……みんな、無事か?」「な、なんとか……」「やれやれ、酷い目に遭いましたね」「まさか自爆するとはな……両腕切っても出血しなかったから、また合成人間とやらなのかとも思ったが。せっかくの一張羅がズタズタだ」「そんな中、一人爆風を避けた俺は勝ち組」「あ、汚い」「なわけねえだろ」「ぐふっ! ごふっ! げふっ!」「こんなとこで気張るなよ……病人なんだから自重せい」「それにしても、とんでもない男でしたね……あの氷結に勝るとも劣らない怪物でした」「まあ、性能自体はな。でもやっぱロートルでね。タクティカルレッドじゃ一番高齢だったっけ。たしか……90くらいじゃなかったか?」「90!? そんな高齢なのか!?」「サイボーグ手術でずーっと生きながらえてたんだよ。それも戦闘用に。ほとんど改造してない部分なかったんじゃないかなあの人?」「そうまでして戦い続けたかったんですか……もはや変態の領域ですね」「……ま、わからないわけじゃないけど」「……フォルト、お前……」「さて、帰ろう。PK、今度はゆっくりとした乗りもので頼むぞ」 「…………」「どうしたヘレナ、珍しく黄昏ちまって」「……なあ、フォルト」「ん?」「あのグレッド・スコーニルのこと、よく知ってるのか?」「……いや、あいつ自身から聞いたわけじゃない。ただ噂と、あいつと同郷が友人だったからなんとなくな」「それでいい、聞かせてくれ」「――職業軍人でさ、いっつも前線で戦うそれなりに優秀な奴だったらしいよ? ただ頭が固くて昇進できなかったみたいだけど」「ふむ」「でもな、その国は戦争末期にトランザスに武力制圧されちまったんだ。で、防ぎきれなかった軍人は嫌われ者……しかも財政破綻も発生した。どこの国でも金がないと削るのは公務員と軍人の給料と数。あいつはとっくに退役して年金生活だったが、それすらも削られちまった」「だから、裏切られたとして憎しみからタクティカルレッドへ?」「というより、昔の栄光が忘れられなかったのかもしれないなあ……で、その身を人体実験の材料にして機械の体、永遠に戦える体に改造したのさ。あのナノマシンもその一つ……もっとも、技術が古くて今となってはロートルだけどな」「――虚しい奴だ」「同感だな。ありゃそろそろ限界だったんだ。戦場で滅びたかったんだろう――でも、あんなのは別に珍しくもない」「お前の元仲間は、そんなのばかりなのか?」「そんなのが生まれやすい環境だったてこと。ある意味あいつも被害者さ……もっとも、同情には値しないし、そんなもん奴も求めてないだろう」「…………」「その剣……」「ん?」「オブリージュ、だっけか」「ああ、そう命名した。私と魂を共有するものだからな。……もっとも、かなり体力がいるがな」「アホなことを……俺なんか使った途端ぶっ倒れたんだぜ? ま、話を聞く限りじゃ当たり前と言えば当たり前だが」「使ってみるか? 今のお前ならできるかもしれんぞ」「やめときますよ。二人の仲を邪魔したくはないし、俺には多分ダメだと思うからね。そんじゃ、今日はゆっくり休めよ」「…………」「本気でやれると思うんだけどな、あいつ」
2010.02.19
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「うわあああ……あれ? 私はどうして宙に……」「よう、無事かよ」「フォルト!? ど、どうしてお前がここに……」「なに、クリスの奴から話聞いてな、急いで駆け付けたってわけ。ディスプを始末しようと思ってたんだが……その必要はないみたいだな」「貴様……フォルト・シュテッケン!」「久々だな岩石将軍。老体に鞭打って頑張るのは結構だが、さすがに年寄りの冷や水だったな。おとなしくしてりゃ畳の上で寝れたろうに」「ふん……そんなもの、この私が望むと思うか?」「だろうな。――やれやれ、どいつもこいつも」「……うぷ、気持ち悪い」「静馬、お前も来て……うん? お前ら、どうしてそんな半死半生なんだ」「全部この面白変形ロボのせいですよ……うっ」「ご、ごめんね……一番早いので反重力リニアロケットに変形したら、早すぎて体調崩したみたいで……」「まあ、俺らが生きてられるくらいだから遅いランクに入るんだけど……せ、洗面器くれ」「ねえよそんなもん。さて……グレッド。まさか、お前が生きてるとはな」「それはこちらのセリフだ神速のフォルト。あの時既にボロボロだったというのに……ご自慢のストレートロングはどうした?」「切ったよ、あんなもん。別に自慢するために伸ばしてたわけじゃないからな」「くく……あの殺人鬼が丸くなったものだ。かつてのお前なら、とっくに斬り殺しているだろうに」「ああ、自分でも感じてる。剣の腕も落ちたし、体力もめっきり減った。堕落したもんだよ俺も」「ちょ、フォルト……」「でも」「……?」「これが堕落だというなら、堕ちるのも悪くはない。――むしろ、殺すしかなかったあの頃よりずっと清々しい気分だよ」「! …………」「はは、はははは……」「…………」「長生きとはしてみるものだ、よもや貴様からそんな言葉が聞けようとは!」「あんたが変わらなすぎるんだよ。いつまでたっても祖国への恨みしか語らねえで……理解できないとは言えないけどさ」「いいや、わかっていない。理解しているのならばあの時我々に反旗を翻したりはしなかったはずだ。貴様やあいつらのようなガキが、戦場にいること自体……」「ああすいません、そういうの興味ないんで」「は……」「とりあえず邪魔っけなんで、とっとと失せてもらえませんかね」「うっわ、ざっくりだよ」「たしかに、あんたにはとっととご退場願いたいね。ヘレナがへばった以上、ここは俺が……」「そうはいかん」「え?」「お前の言うとおり、私は年を取り過ぎた。己の身が朽ちるのを悪魔に魂を売り渡してでも逆らおうとしたが……こんなガキにいいようにされるのでは、魂も朽ち果てたようだな」「……だが、だからと言って貴様ら如きに、私の魂をくれてやる義理はない」「……! やばい、逃げろ!」「貴様らのようなガキどもに奪われるくらいなら、この身我自身の手によって滅ぼしてくれるわ! うおおおおおおおぉ!!」ボォン!! つづく
2010.02.19
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「ふん……終わったか。呆気ない、とはとても言えんが、まあこんなものだろう」「『握殺巨腕』は所詮ナノマシンで操作したものに過ぎないから、決まった形などないのだ。二股だろうが三股だろうが変質させるのは容易。そこに気づかないとは、古臭い考えに凝り固まった女らしいな」「何が使命だ、何が宿命だ。この世に守るに値するものなどあるものか。守ったところで……裏切られるだけだ。軍人とはそういう人種だ」「軍人がその存在を確立できるのは唯一、戦場のみ。故に戦場が必要だ。そんなこともわからず我が前に出でたことが最大の愚行。貴様を砕くのは、ディスプを取り返した後だ。緑の輝きはただの酔狂、もはや輝いてすらいないではないか。やはり魔剣には、紅蓮の輝きが似合……う?」「…………」「ど、どうしてだ? どうして私は血など吐いて……ゴフッ!」「……言ったはずだがな」「!?」「この剣はディスプなどではない。聖剣オブリージュだ」「な、起きて……な、何をした! 刃は、刃が存在しないのに、どうやって俺を刺した!?」「オブリージュは『光』の刃……体に貼りめぐらせることも、調節できるのだよ」「!? ま、まさか……目で認識できないほど細く、鋭く刃を形成したのか! 馬鹿な、そんな微調整できるわけが……」「お前らはこの剣を何にもわかっていない……魔剣? 笑わせるな。だからこそ誰もが拒絶されたのだよ。この剣を抱いた時、確かに感じた。この剣は人々を『殺す』のではなく人々を『守る』ための剣だと」「は!? わ、わけのわからんことを。それはタクティカルレッドの技術者が作った……」「違う。この剣と原型となった剣――巨人たちの遺産と、それから人々を守った英雄の思いがギッシリ込められている。この剣は人々を救うための剣。だからこそ、貴様らのような殺すことしか興味のないものや、命を捨てることしか考えないものは使えなかった。あまりにも不釣り合いだったのだよ、貴様らは」「し、知ったような口を……!」「まあ、長々とやるのも面倒だから策を弄してもらったがな。こんな手に引っかかるとは素人以下だな貴様は」「き、騎士としての誇りは、騎士道はどうした? あれほど使命だのなんだの抜かしておいて、命を掛けず、こんな卑怯な手に講じるとは……」「……誇り?」「なに?」「笑わせるな、どうして私が貴様如きとの戦いに命を費やさねばならぬのだ?」「は……はぁ?」「私の人生も短いのでな、戦なんかに使う余裕はない。こんなことで、わざわざ命を掛けていてたまるか」「貴様、何を言って……」「こんなことはな! 私の人生の中でほんの一幕に過ぎんのだよ! 戦いの中でしか自分を見出せなかった貴様にはわかるまい! 私はLE社員として、果たさねばならんことが山ほどあるんだ! フォルトだって、あいつらだってそうだ! そのあいつらの人生を、限りある生命を無駄なことで費やす貴様らを私は絶対許さない!」「あ、うわ……!」「その短き命で覚えておけ! このヘレナ・マリュースはLEを全力で守るが使命! だがそれは命を捨ててではない! 真の勝利とは敵を倒して己が生きることであるがため! たとえこの剣(たましい)を掛けてでも、必ず勝ちて生き残ってみせる! 貴様ら如きに我が命、我が剣――」「一滴たりともくれてはやらん!」ザシュ! ザシャア!「ぐわああああああああああっ!!」「……くっ。さすがに、力を使い果たしたか……? だが、もう終わりだろう」「お、おのれ、私の両腕を……」「まずはその何をするかわからん腕を斬り捨てさせてもらった。安心しろ、すぐその首も……」「……ふふ、ふふふふふ」「ん?」「最後の最後で馬脚を現したなあ、ヘレナ・マリュース?」「な、なんだと?」「うらぁ!」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!「な!? あ、足!? 足でも地震が起こせるのか!?」「騙し打ちとはこうやるものが、素人が!」「不覚……うわあああああああぁ!」ヒュン! つづく
2010.02.19
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「……面白い。私に楯突くか」「ならば、ここでは狭すぎるな。もう少し広くしよう」「なに?」「ふんっ!」ゴゴゴゴゴ……「な、地震? 違う、これは……うわあああああああぁ!」 「く、くそっ。何が起こったんだ? 突然研究所が崩れて……」「ほう、生きていたか。それを持ち得るだけの力量はあるみたいだな」「貴様の仕業か! いったい何をした!」「このグレッド・スコーニルが岩石将軍と呼ばれる理由をお教えしよう。この両腕に組み込まれたナノマシンは無機物を自在にコントロールできる。もっとも、技術力不足で直接ふれたものに限るがな」「な!? まさか、最近多発している地震は貴様の仕業か!?」「いかにも。昔はここまでの力はなかったが、八年という年月にバージョンアップしていったので腕試しも兼ねてな。おかげで完全にコントロールできるよ。こんな風にな!」ビュン! ビュン!「ぬおっ! 瓦礫が飛んできた!?」「これぐらいは余裕だよ。ほらほらほら!」「舐めるなぁ!」ブオォン!「な!? 光の刃で瓦礫を消滅させた!?」「この剣は元々貴様のだろう? ならば何故驚く。――貴様ひょっとして、その両腕の力で遠隔操作してたんじゃあるまいな?」「ぐっ……!」「愚かな……だったらこの剣の思いが理解できなくて当然だ。それを自らの剣とは笑わせる」「ええい、わけのわからんことをゴチャゴチャと! ならば、これでどうだ!」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!「くっ! また地震か!」「今度は先ほどのようにぬるくはないぞ! 地に割かれ土に埋もれ、魔剣と共に大地の糧となるがいい!」「負けるか! うおおおおおおおおおっ!」ブオオオォォォ!「う、浮いた!? 発生した光があいつを包んで、地面から――馬鹿な、ディスプにそんな力があったのか!?」「と、ぬおっと!」「空中浮遊は制御が難しいな……仕方がない。慣れるまで使えんなこれは」「……なるほど。どうやら私は貴様を、貴様とディスプを甘く見ていたようだ」「ディスプではない、オブリージュだ」「どちらでも構わん。ならば、この岩石将軍、全力を持って立ち向かおう!」ゴゴゴゴゴ……「なんだ、また地震か? 性懲りもなく……」ゴゴゴゴゴ、ベキィ!「!? 瓦礫が、奴の手に集まって……巨大な腕に!?」「これが私の全力……かつてその魔剣を操った巨人族を思わせる異形の腕。故にこう通称された――」「『握殺巨腕(パンツァーギガンテス)』!!」「ちいぃ!」グシャアァ!!「な、なんという威力……これが奴の力か」「驚いている暇があるのか? おおおおぉ!」「なんの!」ザシュ!「ふん、所詮はただの瓦礫、このオブリージュなら断ち斬ることなど容易……ん!?」「はぁっ!」「さ、再生した!? ――そうか、元はただの瓦礫なんだから、斬っても意味がないのか」「ならば、根元を断つのみ!」「させるかぁ!」オオォン!「せいっ! せりゃ! くそっ、キリがない」「やはり、距離を詰めて一気に仕留める! うおおおぉ!」「――かかった!」「……なに!? 腕が、二股に……!」バキィ! つづく
2010.02.18
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「……?」「王家に生まれたが故に国を背負わなければならない宿命――騎士として、人と民を守るために、他の者を傷つけ殺さなければならない矛盾。自分が決めたわけでもないのに生きねばならない重圧に耐えかね、全てから逃げ出した」「だが今なら言える。宿命など誰もが背負っている。必要なのは、宿命を受け止め、矛盾をそのまま容認するのではなく、正しき道を見出す努力を続けること。逃げだすことではない!」「な、な……」「そして今、新たな宿命が、使命がここにある。ならば私がすべきことは、全力を持って使命を貫くことだ!」「! よせ、剣に触れるな……!」ブォン!「……ぐっ!」「ふん、口ではでかいことを言っておいたが、やはり貴様ではディスプは扱えん! 魂が奪われていくのを感じるだろう!」「魂が……奪われる?」「さあディスプよ、我が手に戻れ! その紅蓮の輝きは、このグレッド・スコーニルが抱いてこそのもの! 純粋に戦を求める者が手にしてこそ、魔剣は本懐を遂げる! 何が軍人の使命だ、何が守るだ! 魔剣が求めしものは、ただ血と憎悪にまみれた戦争よ!」「うぅ……」「ふん、そろそろ魂が尽きるか。愚かな女だったが、貴様もその剣の糧となれただけ幸い……ん!? ひ、光が、変わって……」「――なるほど、そういうことか」「な、何をした!? 貴様、どうして喋れ……」「何もしてはいないさ。ただわかったよ、この剣がどうして使ったものを殺していったか」「な、なんだと……!?」「さあ、ディスプよ……いや、その名はもう不当か。我が使命を果たすために、力を貸せ」キイイィン「あ、あり得ぬ……剣の輝きが、緑に……! き、貴様、何者なんだ!?」「名前? ――我が名は一つ。 ラストエスペランサーズ所属、剣士ヘレナ・マリュース」 ――さあ、貴族が貴族たる理由を示そう。我が剣を持つその意味を今ここに明かそう。己が使命のために。 聖剣『オブリージュ』の輝きと共に 我が剣(たましい)の一滴、お見せしよう つづく はい、というわけでようやくお披露目です。怒さんには感謝を。そして謝罪を(ぇ 勝手にこんな風に使って申し訳ありませんでした。いえ、この絵拝見した時「ビビビッ!」って来たものですから。こんな使い方をしたかったんです。相談もせずすみませんでした。それに、ヘレナの話を書いてみたかった……この話は後書きで話すと思いますが。それでは、続きをどうかお楽しみに
2010.02.17
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「悪いが君に選択肢はない。その剣は私にしか扱えないのだからな」「どうかな? やってみなければわからんぞ」「そう言って死んでいったものが何人いたことか……愚か者の前轍を踏むことはあるまい」「やかましい! やらねばならぬのならやるまでだ! 軍人崩れが余計な口出ししないでもらおうか!」「軍人崩れ? ……まあ確かに、我々は本来の職務を捨て、裏切りの道を選んだがな。だが、先に裏切ったのは奴らの方だぞ?」「なに?」「命を捨て己を捨て、ただ国を守るために尽くした防人――だが、あいつらはそれを無視した。嘲った。そして我らを捨てようとした――嘲笑とともにな。戦が終われば、軍人は、特に我々のような闇に関与した者は邪魔でしかない。有害だから――というより、目障りだったんだろうな。こんな奴らが自分たちを守っていたなど、認めたくなかったんだろう。故に我々を、汚物のように捨て去ったんだ。誰よりも戦に貢献し、身体を捧げてきた我々をだぞ? これが裏切りでなくて何というのだ?」「………」「その魔剣――『ディスプ』こそが象徴だ。自らの命をかけ、その剣で勝利したとしても、誰も誉めるどころか相手にもしない。それが当然だとな。勝つのは当然、だが負けるのは許されず、無能だの役立たずだの責め立てられあげく不用論だ。何も知らぬくせに……私は元々、ベンガルディ同盟国のものではなく、敵国の人間だった」「なんだと?」「だが、あの国には私の守るに値するものなど何もなかったよ――国も、政治も、人も、家族もな。故に私は亡命し、タクティカルレッドに入った。軍人が軍人として、純粋に戦えるところへな」「…………」「タクティカルレッド司令官となり、私は自らが自らでいられる『戦場』を創造する。そのためにはディスプが必要不可欠だ。さあ、さっさとそれを……」「言いたいことはそれで終わりか?」「……なに?」「ならさっさと失せろ。私はあいにく忙しい。この魔剣を制御するのは難しそうだからな……」「聞いていなかったのか? その剣は貴様などが持つに値……」「聞いていたさ。だがすぐ忘れた。貴様のような阿呆の言葉など、記憶に留める価値もない」「……今何て言った?」「感謝されない? 当たり前じゃないか。軍人なんて仕事は必要ないならそれでいいんだ。武器を持って相手を殺す仕事なんか、いらないのが理想であって必須ではない」「な……!」「それが今現在も存在し続けるのは、現実は武器がないといけない時があるからだ。国を、人々を傷つける『敵』――相手がいる限り、守るためには必要だからだ」「ましてや、負けた時笑われるだと? お前職業軍人か?」「そ、それがどうした?」「馬鹿が! 貴様に払われる金はどこから出した? 武器は? 食事は? 貴様が守るべき民からだろうが! だというのに敗北すれば、非難や嘲笑は受け止めて然るべきであって、逆恨みして復讐に走るとは言語道断!」「き、貴様――!」「――かつて私も、貴族であるが故のしがらみに耐えかねた」
2010.02.17
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「ぐ、グレッド・スコーニルって……岩石将軍!? そんな奴が来てるっていうの!?」「ここんとこ、妙に地震が多かったろ。しかも地震警報もない突発的な。それが気になって調べてたんだが……」「その岩石将軍とやらも、やっぱりタクティカルレッドのメンバーなんですか?」「ああ。さすがに氷結ほどじゃないけど、古参の十六将軍だよ。しかし、あいつはポルポル湾口封鎖作戦の失敗で処刑されたはずじゃ……」「それを裏付ける物的証拠は存在しなかった。たしかに、『魔剣』が狙われているんだとすれば、あの男以外考えられないわね。あれを使えたのは、あいつだけなんだから」「……それ、相当まずいじゃないですか? あんな化け物クラスの奴がいるところに、ヘレナが一人で……」「大変だよ! 助けに行かなきゃ!」「――私としては、行ってやらないほうがいい気もするわね」「何言ってやがる! だいたいお前がこんな……」「そういうこと考える彼女だから、あんなイカれた剣を手にしようとしたのよ?」 『……情けない?』『ええ。自分はあの時、氷結に何もできませんでした。私の一刀は何の意味もなく、ただ自身が凍らされただけ――これが情けなくないわけがないでしょう』『それは、貴方のせいじゃないわ。あいつらがデタラメすぎるのよ。私だって……』『だからですよ』『……!』『武器は単なる道具に過ぎず、真に勝敗を定めるは己の力量――私の師匠の言です。それが正しいとは今もなお確信しております』『しかし、あの時悟りました。連中は違う。私の剣の腕がどうであろうと、どうしようもない“差”がある、と――剣の時代じゃないと自覚して家を出たはずなのに、剣に縛られていたのは私自身だったようですね』『――だから、その力の差を埋める何かが欲しいと? でも、そんな命がけのギャンブルなんてしなくても……』『前に、フォルトから話を聞いたことがあります。その時覚悟したはずだった――いかなる敵であろうとも、LEを守護するのが私の役目、フォルトに降りかかる災厄を防ぐのが、我が剣を掛けての使命だと』『ところが実際は、あいつに守られてばかりで自分はこの有様――情けないやら恥ずかしいやら』『だから、決意しました。たとえ我が誇りに反そうとも、己が使命を全うすべし、と。それこそが……』 「……あの馬鹿」「……ホント、腹立つわ。昔の自分の不甲斐なさと鑑みてね」「はい?」「連中が化け物じみた強さだったのは昔からよ。そりゃ私たちだって精一杯戦ったけど、結局のところフォルト頼みだったのはいつも一緒。それでフォルトはあんなボロボロになって……」「だから、気にしなくていいって言ってんだろ」「事実でしょ。だっていうのにあの子は命がけで……情けないのは、恥ずかしいのはこっちだってーの。ったく」「うわあ、昔のクリスからは想像だにできない発言」「いいから、とっととヘレナ捕まえましょ。本当にその岩石将軍が動いているとなれば、一刻の猶予もありませんよ」「そうだな。任せろ、ここは俺の神速で……」「却下」「え゛……」「あんたまだ調子悪いんでしょ。ビリーから聞いてるのよ。ここで神速なんか使ったら、また悪化することになるわよ」「馬鹿野郎! あいつが死ぬ覚悟で戦おうとしてるんだぞ! こっちがビビってどうすんだ! いくぞ神……」「グフッ! ゲフッ! ゴフッ!」「お前はおとなしくしとれ! PK、一番早い乗りものに変形しろ」「オッケー! 任せて! 乗員の安全は?」「無論、ガン無視」(……やれやれ、どいつもこいつも馬鹿ですねえ。ヘレナも含めて)(まだ気付かないんですか。――いいえ、気づいてやってるんでしょう。ならなおさら悪いですね)(貴方にそこまで決心させといて、おとなしくしてるうちらじゃないんですよ、まったく) つづく
2010.02.17
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「ここか……しかし本当に廃墟だな。こんなところにその『魔剣』とやらが本当にあるのか……?」「ええと、解除コードは……ああ、これか。ええい、こういう機械は本当に苦手だ。まったく、どうにかならんのか……おお、開いた」「さて、行くか……」「…………」 「…………」「さて、こちらも行くか」 「……教えた!? お前何考えてんだよ! てか、どうしてすぐに処分しなかった!」「ま、こっちにも色々と考えがあってね……というか、割と簡単にバレたものねホント」「この馬鹿がうっかり話したこと教えてくれたんでな」「うう……ごめんね」「てか、さっきから大騒ぎして何があったんですか? ヘレナがどうこう言ってますけど」「俺も知らんわ。フォルトがいきなり叫び出して駆けこんで……何を教えたってんだ?」「『魔剣』の在処だとよ」「魔剣……って、アレか!? あんなのまだ残ってたのかよ!」「魔剣……? なんのことですか?」「――ベンガルディ同盟国、つまり私たちの故郷があった星系の一つに、巨人伝説がある惑星があったの」「巨人伝説?」「遠い昔、人よりはるかに大きい巨人が世界を闊歩していたという伝説、もう一つは、巨人が滅び人が世界を支配した時、復活した巨人をその巨人が所有していた武器で倒した七人の英雄の物語よ」「なんですか、よくあるおとぎ話じゃないですか。それがどういう……」「おとぎ話じゃない、事実だ」「は?」「発見されたんだよ、古代の遺跡からその伝説の武具が。もっともほとんどバラバラに破壊されてて、まともに原型維持してたのは剣だけだったんだけどね」「てことは……その『魔剣』とやらは、その巨人が使っていたという剣? じゃあ、ずいぶんでかいんでしょうね」「いいえ。その剣そのものは損傷が激しくて使えなかった。けど、その剣には何らかの魔力があったの」「ま、魔力?」「それがどういうものかは結局わからなかったんだが……とにかく、掘り出したタクティカルレッドの技術者たちはその剣の欠片と自らの科学技術を結合させてある一本の剣を製造した。それが『魔剣』と呼ばれる代物さ。俺も見たことあるよ」「とにかく威力がやばい剣でさ、それ一本で戦局を左右するものだよ。……使えれば、だけどね」「使え、れば?」「使用するには持ち主の精神力、霊力でもいいけど、とにかくそんな力が必要なのさ。まともな人間だと一振りで即死しちまう。タクティカルレッドの同僚が、そうやって何人も実験段階で死んでいったさ。まともに使えるのはたった一人だった……結局使えないってことで封印したんだが、レジスタンスが強奪して使ってやがった。一回使うたびに一人死なせてな」「そ、そんなやばいものをヘレナが手に入れようと!?」「そーだよ! だからやばいって言ってるの! てかクリス、なんで教えたんだよ! 行くとわかってたんなら、どうして……!」「情けなかったんですって、彼女」「え?」 「この中か……どれ、この扉だな。む、自動ドアが壊れているではないか……仕方ない。よいしょっと」「……! こ、これか? 剣が光っている……なるほど、『魔剣』と呼ばれるだけはあるな」「……さて」「こうして剣の場所まで来たんだ、そろそろ出てきていいんじゃないか?」「やはり気づいていたか。ならばどうして、そのままここまで来た?」「お前にその気がなかったようなのでな。貴様、やはりタクティカルレッドが?」「ああ。岩石将軍グレッド・スコーニルだ。では早速だがヘレナ・マリュースよ」「その剣、渡してもらおうか」「断る」つづく
2010.02.16
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「……剣とは、何のためにあると思う?」「何の、ため? それは勿論、人々を、国を守るために……」「ふふ、優等生らしい解答だな。しかし、だったらその解答が矛盾してることにも気づいてるんじゃないか?」「…………」「お前が色々悩んでるのもわかる。でも、何も解答は必要ないんじゃないか?」「え?」「優等生だなやっぱり。頭だけで結論を急ごうとする。そこまで急くこともないさ。周りと自分を見つめなおせ。拙速で物事を推し進めようとするな。本当に必要なのは間違えないことでも、決断することでもない。自分が満足する答えに、どんなものでもたどり着くことだ」「……では、一つお聞かせください」「なんだ?」「貴方は……どうして剣を振るうのですか?」「おっと……改めて話すのは恥ずかしいな。まあ、使い古された言葉だが、これが私の唯一の理由だよ」「貴族が貴族たる理由を示せ――それだけさ」 「……う、うう……ん、ここは……」「ど、洞窟!? どうして私がこのようなところに……あ」「そうだった……クリス殿かの地図を頼りにここまで来て、うっかり足を滑らせたんだ……なんて間抜けな」「ううむ……ずいぶん滑り落ちたようだな。これを昇っていくのは無理だ。しょうがない。道は続いているようだし、歩くか。しかし、クリス殿もよくもまあこんな山奥に封印したものだ。まあ、『魔剣』がそんな危険なものだとすれば、これでも足りんくらいなのかもしれんが……」 『……山奥の廃棄された研究施設? そんなところにあるのですか?』『ええ。昔あそこに知り合いが勤めていてね、閉鎖されたけど設備は残ってるから、そこに置いといたの。ちょっとやばい研究してたらしくて、機密性と防犯は十分だから』『どうしてそんなところに……処分してしまえば済んだでしょうに』『そうね、言ってみれば、私もカードが欲しかったというとこかしら』『カード?』『あの『魔剣』は存在自体が戦術兵器そのもの。『魔剣』自体の力だけじゃなく、フォルトにすら扱えなかったという事実がね。だからこそ、廃棄するか所有しておくか戦いの後ずいぶん揉めたのよ。私が預かっておく形にしたけど、フォルトは廃棄したものだとばかり思ってるし。……でもね』『?』『必要だと思ってたから処分しなかったの。正直、あの頃はフォルトの奴すぐに死ぬと決めつけてたから』『な!? 何故そんなことを……あ』『そ。あいつの持病、相当悪かったからね。ビリーの腕を甘く見てたわけじゃないけど、八年経ってピンピンしてるのが今でも信じられないわ。……ま、ピンピンってわけじゃないんでしょうけど』『なるほど。つまりフォルトが倒れた時のために『魔剣』をとっておく必要があると思い、こっそり隠していたわけですか』『まあ、それもあるけど……どちらにしろ、私には扱えないから手元に置く意味がなかったの。だから安全そうな場所に隠していたわけ。それを拾いに行くなら、地図あげるけど、本当に行く気?』『はい。覚悟は先ほど申し上げた通りです』『わかってる。もう何も言わないわ。ちょっと待ってね、たしかこっちに……あ』『ど、どうかしましたか?』『なんでもないわ。ちょっと目の調子が悪いみたい』『目? その目は……』『……義眼よ。八年前の戦いで一頓着あってね。まあ、アナライズツールも兼ねてるから便利なんだけど、精密機械は華奢でいけないわね。あった、これよ』『ありがとうございます。それでは……』『待って、やっぱり一つだけ聞かせてもらっていい?』『――はい、なんでしょう』『どうして貴方は、そこまで覚悟できるの?』『――覚悟など、していないのかもしれません』『え?』『正直、自分もその解答を抱いていません。ですが、私の師はこう申してくれました』『貴族が貴族たる理由を示せ――剣の本分、その身で果たせ、と』 つづく
2010.02.16
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『……魔剣?』『うん。まあ本物の魔剣ってわけじゃないけど、そう呼ばれた剣があったの。タクティカルレッドの兵器開発局が作成した代物なんだけどね』『そんなすごい剣なのか?』『うん。なんでも威力は物凄いんだけど扱い方が難しくて、実験途中で何人もの死者を出した曰くつきの代物だし。あのフォルトだってまともに扱えなかったんだから』『な……フォルトが!?』『まあ、フォルトだから扱えなかったってのもあるんだけど……とにかくやばい代物だよ。見つけたのだって、廃棄処分される前に倉庫でほこり被ってたの拾ってきただけだし』『…………』『あれ、どうしたのヘレナ?』『いや、なんでもない……』 「あの馬鹿……コンピューターのくせに抜けてるんだから。よりによってアレの話するなんて故障してるんじゃないかしら」「それで、その『魔剣』の所在は今貴方が知ってると伺いましたのでね」「知らないわよ」「え?」「確かにあの戦いのとき管理してたのは私だけど、危険すぎるから処分したわ」「しょ、処分!?」「あんなやばいものいつまでも残しとくわけにはいかないでしょ。うちの連中も下手に使おうとして死んだの結構いるのよ。……というか、どうしてあんなものが欲しいの?」「…………」「え?」 「…………」「フォルト、ヘレナが二、三日留守にするって……って、どうしたのフォルト」「え? あ、いや、大したことじゃないんだけど……」「そんなしかめっ面して何さ。いいから、何があったの?」「……やれやれ。お前にゃ勝てないねえ。実はちょっと、気になることがあってさ」「気になること?」「お前さ、『魔剣』覚えてるか?」「『魔剣』? そりゃ勿論」 「……は?」「いや、ホントらしいよ。岩石がいなくなったって」「あの単細胞が? 順番はまだ先のはずですが、耐えきれなくなったんでしょうか」「いや、どうも違うみたいだ。あそことは別の場所に向かっている。何を考えているのやら……」「――まあ、放っておきましょう。あいつもロートルですし、最後くらい好き勝手やらせても問題ありません」「いいのかね、そんな簡単で。こっちはぎひゃあああああああ!!!」「貴方はそんな簡単に舌を噛まないよう気をつけなさい」 「……ありがとうございました。では、行ってまいります」「いいのよ別に。気をつけてらっしゃいね」「はい。ではまた――」「…………」「……ふふっ、やっぱりね。そうなるだろうとは思っていたけど。前にも思ったけど、やっぱあの子――」「嫌いだわ、殺してやりたいくらい」 つづく
2010.02.16
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『……なあ、うちで働かない?』『は?』『おたく、ヘレナ・マリュースだろ? 剣士としての修行のため諸国を旅してるって」『いかにも私がヘレナ・マリュースだが……お前は何者だ?』『あ、失礼。私こういう者です』『……Last Esperanzars社社長紫静馬……? な、なんだラストエスペランサーズとは』『まだ作ったばかりの会社だから人手不足で……で、是非とも貴方に社員になってほしいのです』『説明になってな……まさか、いかがわしい会社じゃないだろうな。冗談じゃない、誰が……』『いやいやいやいやいや! そんなとこじゃないですから! きちんとした会社ですから安心してください!』『だからどんな会社なんだ! だいたい、どうして私を社員にしたいなどと……』『う~ん……まあそれは、なんとなくというか』『は!?』『なんか、おたくを見たとき「ピキーン!」と頭に感じるものがあって。それでこうしてスカウトに』『やっぱりいかがわしい会社じゃないか!』『だから違うって! なんというか……直観的なものだから説明難しいな』『じゃあ聞こう、LEとはどんな事をする会社なんだ?』『……う~まあ一言で言うなら……』『記録すること、かなあ』 「……わけわかんないわね」「同じことを言いましたよ私も。ま、結局こうして勤めてますがね」「よくそんなので入社したわねえ貴方も」「いや――元々剣の修行と言ってはいましたが、王宮に自分の居場所がないとから逃げだしたようなものですからね。諸国を巡り続けるのにも疲れていたんでしょう。だからあいつの誘いに乗ろうと思ったんです」「なるほど。貴方も結構苦労してるのね」「いえ。ところで、お仕事の方は大丈夫なんですか? 突然訪れてしまいましたが」「ああ大丈夫。私製薬会社に勤めてるんだけど、この前新薬が完成したからで休暇貰ってるの。ていうか、正規の仕事なんかほとんどやってないんだけどね」「は?」「ああこっちの話。で、何聞きたいんだっけ」「……あいつが話してるのを、聞いたことがあるんです」「え? なんのこと?」「貴方がたが出会ったあの戦いで、フォルトですら扱えなかった『魔剣』があるという話を」「……貴方、まさか……」 つづく
2010.02.15
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「あれ、どこいくのヘレナ……ってな、何その服!」「何騒いで……え? な、なにかあったんてすか?」「あのなあ……私だってスーツくらい持ってるぞ。馬鹿にしないでくれないか」「あーごめん。でも初めてだったからさあ……しかも男物だし」「前にスカートはいてたことありましたが、あれより似合ってるかもしれませんね。にしても、そんなおめかししてどこ行くんですか」「なに、野暮用だ。二、三日戻らないかもしれんから、後のことは頼むぞ」「二、三日? ……うん、わかった」 「……静馬ー?」「あん?」「前から聞きたかったんだけどさ、ヘレナってどうしてうちに入ったの?」「その前は武者修行してたそうですし、あの性格でうちみたいなとこに来ますかねえ」「……お前らうちの会社なんだと思ってんの? まあ、そりゃあいつ自身がわざわざうちに面接来たわけじゃないよ、俺がスカウトしたんだ」「は? スカウト?」「諸国を旅してたあいつを見かけてさ、まあなんとなくLEに入ってほしいなーと思ってそのままスカウトしたんだ」「――なんかそれ、ほとんどナンパじゃない?」「ヘレナにも同じこと言われたよ。まあそんなこんなで、働いてくれることに同意してくれたのさ」「よくそんな勧誘方法で来たくれましたこと……そういえば、ヘレナって王家の生まれなんでしたよね」「一国の第二王女だよ。女系国家なんだけど、双子の姉さんが今統治してる」「じゃあ相当えらいんだね。それなのに剣が好きで修行の旅なんか出ちゃったんだ」「違うよ、ヘレナはほとんど追い出されたようなもんなんだ」「え?」「どういうことです?」「いや、俺も詳しく聞いたわけじゃないけどさ、そもそも双子の第二王女なんかうっとうしいだけなんだよ。王位継承権で揉めるのが目に見えてるだろ? これが単なる馬鹿なら別に問題ないけど、あいつの剣の腕、それ以外も優秀なのは言わなくてもわかるよな。ヘレナを女王に――なんて動きが実際あったくらいだし、女王、つまりヘレナの母たちの側近からしてみれば、ヘレナって目の上のたんこぶみたいに面倒な存在だったみたい」「じゃあ……そんな空気が嫌で家出したってこと?」「それもあるけどさ、元々古い家だから格式とかなんやらうるさかったみたい。あいつの剣術は神がかりだけど、今どき剣技に優れてたって何がどうなるもんでもない。だというのに伝統だの品格だの抜かす連中にほとほと嫌気が差したらしいぞ。だからああして剣の旅を」「はあ……なんかヘレナも、色々大変なんですね」 「……ここか」「失礼するぞ」「あら、いらっしゃい」 つづく
2010.02.15
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「……いつも季節ネタが関係ないLEだけど」「例年この日はいつにも増して殺風景だな」「うるせーやい! てか、うちにも二人女いるだろうが!」「えー……だってあの二人は」 「ヘレナは料理そんな得意じゃないし」「麻紀は本当は料理上手なのに、わざとまずく作るんだよな」「こんなんで盛り上がれるか! うわあああああぁ!!」……本日の獲得数チョコ、〇(ぇぇ
2010.02.14
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*この日本当は休日でした
2010.02.13
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「あれ……相棒14話は?」「諸事情により欠番……いずれやる予定だから、待っててくれ」 「ラーメン屋で毒物混入? 第一発見者は伊丹!?」「付け添えのニンニクにヒ素が仕込まれていたようです。隣の客がニンニクを取ったから伊丹さんは無事でしたが、ニンニクってあまり人気がない薬味のようです。無差別ならもっと人が使う物に入れるはずですけど……それに、ヒ素が混入されていたのは伊丹さんの席の前にあったニンニクだけです」「ということは、無差別ではなく伊丹を狙ったのか? となると、犯人は伊丹が来るまで店で待ち、タイミングを見計らって席を立ったということか。常連の店からニンニクを使うことまで調べ上げた、念入りな犯行だな」「うわ、車に残したお茶まで毒入ってた! 相当執念深い相手だね。狙われてるのは確実だけど、おかげで捜査から外されちゃった。しかも特命の二人が警護……」 「犯人は紺のブレザーを着ていたんだが、それは城南大学のローンシステム研究会というサークルが自作したものだ。十年前、経済学部のエリートたちが貧乏学生に低金利無担保の貸付を行っていたけど、途中から金持ちの連中から出資として高額の配当を約束して金を集めるように。けどその金はサークル幹部の遊興費に使われ一気に破綻、出資法違反で捜査二課が出張ったけど、その途中で金の流れを知っていた幹部が殺された。口止めのため水攻めリンチやってたら本当に殺しちまったんで東京湾に投げ捨てたんだ。その取り調べ担当をしたのが伊丹だったんだが……ずいぶん荒っぽいこともやったんだな」「こいつも血の気の多い奴だからな。となると、当時の関係者――出所した幹部たちが復讐を? 出所したのは四名、一人の小幡は二年前に自殺しちまったからこいつは外すか。……待てよ、殺人には関わらず起訴猶予処分で終わった準幹部が何名かいたはずだ。そいつらもあのブレザーを所有している。まずはそいつらを調べるか」「しっかし、この準幹部ども殺人事件までやったのに笑って話してますね。美容整形外科医にクラブのオーナー果ては弁護士、みんな人の金奪っていい思いしたのに幸せそうです。でも幹部も準幹部も全員アリバイありじゃねえ。……あ、伊丹神戸から逃げました。マルタイが自分から逃げてどうするんですか」 「八年前、ロシアの外務大臣の警護で民間人を傷つけた経験がある神戸は、伊丹の居場所がわかった。その浜野という男は、平の会員に過ぎなかったが、事件を目撃していた。行き詰っていた捜査に突破口を開くにはその証言が必要だったが、幹部が浜野の親友だったため証言しない。逮捕状さえ出せば物証は掴める、証言は漏らさないと約束したが、幹部共は口裏を合わせてなかなか自白しない。だから強引な取り調べをやるしかなかった。それでやっと準幹部一人落としたが、公判で検察が証人喚問したため、裏切り者の烙印を押された彼は大学も辞めて就職も棒に振った。その友人が、服役中に自殺した幹部。しかもその男は浜野の妹と婚約していたんだ」「浜野のアパートから毒物など証拠が発見されたよ。やっぱり浜野が……殺そうとしたのは酷いけど、気持ちはわかるね。でも犯人も逮捕したし解決……じゃない? 城南大学の同窓会がどうしたって?」「例のヒ素が、浜野じゃない別人から渡された可能性がある。それになんで十年経って復讐を? もしかしたら、誰かか伊丹に対して復讐するよう偽情報を渡したのかも。同窓会のホテルで配膳係していたんだ。――ん、浜野の妹は死んでいた?」 「親友も妹も死に、しかもそれを笑って話す準幹部と遭遇。怒りが積もっていた矢先に届いた匿名の手紙には、伊丹が準幹部の親から賄賂をもらって罪を見逃したことを告発していた。その人物は調べ上げたはいいが自分は病気で余命がないから代わりに復讐してほしいとあった。――でもな、伊丹はそんなことする奴じゃないよ。どこのどいつだそんなデマ流した奴は?」「準幹部の一人にクラブのオーナーいたでしょ、あの人同窓会で浜野さんがいることに気づいたんですね。それで伊丹刑事を殺すのに利用することを企んだ……この人のクラブは赤字で潰れる寸前なのに、父親から融資を切られちゃったそうです。そもそも十年前の事件ですでに見限ってたんですね。それをあの事件のせいにしたためこんな計画を……ちなみに、こいつが一番最初に自白した腰ぬけだそうです。浜野に送ったヒ素はこいつが殺鼠剤として買ったもので、成分調べれば一発でしょ。十年前はなんとか無事だったというのに、馬鹿な男」 「で、伊丹の代わりに毒を飲んだ男性は無事退院したそうだ。……浜野は間違ったことをしたわけじゃないし、伊丹も最善を尽くそうとしただけなのに、こんな結果になるとはな」「まあ、誰も死ななかっただけよかったじゃん。……え、八年前神戸が話していた件で外務大臣は来てなかった? ということは、あの話は……」 「次はサブリミナル効果だって」「サブリミナル効果って確か、実在するかどうか分かんないんじゃなかったか? どんな話になることやら」
2010.02.12
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*この日本当は休日でした
2010.02.11
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「風都所の氷室と言う刑事がミュージカルに情報を横流ししていたので超常犯罪捜査課の照井と真倉が現場を取り押さえた。しかし氷室は逃亡、ミュージカルの三下共はマスカレイドに変身。びっくりした真倉がきぜつしちまったので、心おきなくアクセルに変身した照井があっさり撃破、マキシマムドライブ!」「絶望がお前たちのゴールだ!」「が、そんなことしてる間に口笛とともに現れた謎のドーパントによって氷室が殺されます。「溝口」と呟いていたから旧知の人物でしょう。何者ですかね」「結局そいつには逃げられたが、そこに謎の女性が。ロス市警帰りの風都署超常犯罪捜査課の新たなメンバー、九条綾。敏腕刑事だとさ」 「それで、その九条刑事に一目ぼれしてしまった真倉は彼女にかっこいいとこ見せたいあまりに翔太郎へ捜査協力を……アホかこいつは。照井にガツンと言わせるため乗る翔太郎も翔太郎だが」「しかし、氷室は単なる窓口だったそうだし事件はまだ終わっていない。ウォッチャマンからの情報によると阿久津という刑事が失業者を集めてどこかにやってるらしい。きな臭いな。追っかけると……うわ、サンタちゃんが勧誘されてる!」「よく見ると照井さんと九条さんも監視している。やっぱ阿久津が……ってまだ行っちゃダメだよ真倉さん! あー逃げられた!」「ホント無能だな。なんとか追い詰めるが……げ、口笛! また現れたぞあのドーパント! 阿久津も「溝口」と言っているが、そいつは死んだはずだそうだ」「とにかくこいつ強いです。力もあるし、こん棒振り下ろしてきて痛いのなんの。一番力のあるヒート×メタルで対処しましょう。殴り飛ばしてしまえ」「なんとか撃退したが、阿久津にも逃げられてしまった。しかしあの男何かの鍵を落として行ったぞ。キャサリン? なんのことだ?」 「その“溝口”とやらだが、元風都署の刑事で、半年前に裏金で懲戒免職を食らい、世間に責め立てられ最後投身自殺したそうだ。最低の刑事ですな」「あれ、九条さん違うって言ってるよ。立派で優秀な刑事で、自分をロス市警に行かせてくれたのもその溝口さんだって。だとすると、それは濡れ衣で、溝口さんは阿久津たちに自殺に見せかけて消されたってこと?」「なるほど。その溝口が生きていたとすれば、ドーパントになって二人に復讐するのは道理……なんて言ったら、真倉が切れました。立派な刑事なら逮捕して法に委ねろ、復讐なんてやっぱ最低だ……あ、照井に殴られちゃった」「正論は時として暴論以上に人を怒らせる……照井相手に復讐ダメはまずいよ」「まあしかし、警察官としては真倉の意見が全面的に正しいのは事実だ。どういった展開になるかな……」 「例のキャサリンと言うのは、阿久津が所有するクルーザーだった。一刑事がクルーザーなんて、どんだけ情報漏えいすればそんだけ儲かるんだ」「で、その失業者さんたちはガイアメモリの実験台にされたんだって。警察官の立場利用して仕事してたのが溝口さんにバレて殺害したんだ。最低。こうして復讐者として戻ってきたんだ、せめて身柄は警察に助けてもらいな……え!?」「スミロドンドーパント!? ミックの奴か! あいつ、ミュージカルの自分のツテ利用して救援呼んでやがった! ええい変身だ!」「でもミックの奴前より強くなってますよ。ルナ×トリガーの誘導弾すらかわし切ります。ならばとアクセルが、スチームで視界を奪って切り払います」「そんなことをしている間に阿久津がクルーザーで逃げ……ん!? クルーザーが爆発したぞ! あ、あのドーパント……やはり溝口なのか……」「違う、溝口じゃない。大事な恋人を奪われた復讐に走った女……九条さんだ」「う~ん、これはいったいどうなるんだろう?」「個人的には、真倉にあんなかっこいい台詞言わせたんだから真倉活躍してほしいが、予告からするとどー見ても照井の回。まあ同じ復讐者だから狙ったんだろうけど、なんかさびしい」
2010.02.10
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「……ねえ、これってまずいんじゃないの? ネタと言うか、描写というか」「やっぱそう思う? でも話の展開上それくらいやらないとなあ……」「また変な騒ぎになりますって……注意書きとか入れるべきですね」「てかお前、これ一発ネタしなかったか?」「いや、なんつーかアイディアが出てきてつい書きたくなっちまったというか……色々すまん」「それに、なんだがおかしな伏線も入ってないか?」一発ネタの予定だったんだけどなあ……というわけで、断罪剣新作完成。いやもうホント差別的な意識はないですから。許してください。色々伏線らしきものも入れたけど、正直書くかは自分でもわからん……どうしよ
2010.02.09
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*この日本当は休日でした
2010.02.08
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*この日本当は休日でした
2010.02.07
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「わーい、雪だ雪だー!」「……時々、俺はあいつがロボットなのか疑いたくなってくる」「一番付き合い長いくせして何ほざいてんだ。それにしても、ここ数年来じゃないかこんな大雪」「まあ最近は、積もるどころか雪自体降ることもありませんでしたからね……電車も遅れてパニックです」「よかったな、リフォームの際防寒に設備投資していて……これでまた凍らされるようなことがあっても安心だ」「いやー、もう氷結みたいなのは来ないからなー」「だな。となると、防腐とか防疫に投資してればよかったかな?」「ちょっとちょっと、防火を忘れちゃだめだよ。あと対放射線防御も……あ」「…………」「…………」「な、なーんちゃって……」「遅いわぁ!」朝カーテン開けてみたら雪景色……去年雪降らなかった経験から仙台は雪降らないと思ってたから仰天とか言うレベルじゃねえ。しかも今日実家帰るんだからなんというバッドタイミング……SS再開したいなあ。ネタできてないけど(ぇ なんか諸事情で動くに動けんorz
2010.02.06
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なんかおかしなのが連日湧くようになってしまった。コメントは一斉削除できないから面倒だというのに……ああ、辛い。なんか最近アクセス数が増えた弊害であろうか……ま、たった二十くらいだけどさ。てか、このサイトのアクセス数は更新押す奴がいるらしくて実はあんまり当てにならないんだよな。ブログ作ってなかった頃、サイト回ってそんな話聞くと「ふ~ん」程度にしか思わなかったのに、いざ自分がその立場になるとムカつく……でも、コメントできなくするわけにもいかんし、放置がベターか。というわけで、更新というより本日の愚痴でした。はあ……
2010.02.05
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「……何混ぜてるの」「今回なかったから。で、生身の片平さんを殺そうとするアクセルをなんとか止めたW。しかし照井の怒りは収まらない、あの『W』のメモリの持ち主は自分の家族を奪ったと……だ、W?」「無論仮面ライダーWのことじゃありません。けど、やっぱ個人的に恨みがあるみたいですね。『罪を憎んで人を憎まず』が仮面ライダーのモットーだと語る翔太郎の言葉を甘いと吐き捨て、風都に対する憎悪すらにじませる照井の様子は尋常じゃないです。何が彼をそうさせるのか……」「しかし、Wのメモリねえ……ウィンター? ホワイト? どれもピンと来ない。本当にWのメモリなのか? 奴の憎悪とともに、過去の凍結事件を調べるべきだな」 「なんだ、超常犯罪捜査課なんて大層な名前つけてて、実際は三人しかいないのか。これじゃほとんど窓際部署じゃないか」「捜査も全然進んでないみたいだねー。ほとんど照井一人でやってるようなもんらしいし」「その照井が、片平と息子の清が公園で密会するのを察知し追跡する。まー母親に対して冷たい反応。で、殺気十分でアクセルに変身し殺しに入る照井。が、同じ情報を有していた翔太郎がなんとか止める。ファングでいくか今回は」「あのエンジンのメモリは、疑似メモリと言ってガジェットなどに使われるガイアメモリの複製品ですが、『スチーム』『エレクトリック』『ジェット』など様々な効果を発揮して強いですね。でもフィリップにはあっさり見切られてしまう。頭血昇ってますから当然でしょう。……え? 照井の家族は氷のドーパントに殺された?」「なんでも、奴の家族は一年前の八月、氷のドーパントに殺された。父が死の間際『W』のガイアメモリを持つものだと語った相手に。そしてその直後にシュラウドを名乗る女が現れ、復讐の力としてブレードとメモリを渡された……ってわけか。いったい何者なんだその女は? ガイアメモリに憎しみを持っていて、なおかつメモリとベルトを作れる存在……一人しか思い浮かばんな。だけど照井――お前間違ってるぞ」「しかしこの男、去年の八月巡査だったとしたら半年足らずで警視になったのか? 異常な昇進速度だな」「それは、照井がメモリとブレード持ってたからじゃないの? 警察もドーパント対策は不可欠だけど対処できるのは一般人のWのみじゃいかんだろ。照井はそれを盾に自分を売ったのかも。とすると、超常犯罪捜査課があの三人しかいなかったのって、実は厄介者扱いされてるとか」 「え……片平さんじゃなくて、息子の清がドーパント?」「本当に評判悪いのは、親の金で遊び呆けている息子の方だったんです。で、取引先の相手がそれを指摘したので襲ってたと。いや本当のことでしょうに。母親はそれを庇ってたんですね。わざわざ自分が犯人と思わせるような証拠残したり。でも息子はそんな母親に感謝どころか邪魔者扱い。変身して逃げます。……母親が過保護なのがいけない気がしますが」「そんな馬鹿息子でもなんとか止めようとする翔太郎を、甘いと断言する照井。しかし、この甘さがなければ自分は無実の人間を殺すところだった。これが仮面ライダーというもの……最近こんな正義の味方な仮面ライダーなかったよなぁ」 「しかしあんな馬鹿息子でも、ドーパントは強いな。氷の力が圧倒的でヒートでも対処できん」「でもこのままじゃ……あ、アクセル! まだ殺す気なの!?」「とにかく今はこいつを倒さないと。降りしきる氷の刃をスチームで蒸発させ、エレクトリックで浮かび上がらせる……まさしく対氷結能力ドーパント戦のためのメモリだ。そしてエンジンブレードをマキシマムドライブさせ、Aの斬撃で撃破! ……これ技名発表されてないんだよね」「絶望がお前の……ゴールだ!」「……順番からすると私じゃありません?」「そんなこと言ってる場合か! 照井の奴、やっぱり殺す気だぞ!」「待って、やめてぇ! ……あれ、手錠?」「行き先を変えたか、刑務所に。警官なんだからこれが正しい。仮面ライダーとして、ハーフボイルドの道を突き進むということか。やはりこの男も仮面ライダー……ん!?」「メモリが『I』……アイスエイジ(氷河期)!? やっぱりWじゃなかったのか。息子がメモリ手に入れたのは二週間前だし、やっぱ照井の家族を殺したドーパントは別に……」 「一方、園咲姉妹がその『W』のメモリを持つ男に会っていました。あの冴子ですら「敵に回してはいけない」と語るほど恐ろしい相手……ガイアメモリが生みだした突然変異。ただのメモリで狂った相手じゃない、とんでもない奴なようです」「そのメモリのデザインは、陽光、雨、雷、風……まさかWとは、『Weather(天候)』か!?」「気候コントロール能力だって言うの? とんでもない相手だね……」 「息子は逮捕された。あの親子が再びメリーゴーランドに乗る日は来るのだろうか……で、どうして照井が事務所でコーヒー入れてんだ?」「翔太郎の淹れるコーヒーがまずすぎるからだとさ。たった二話で角取れちまってまあ……ライバルライダーの立ち位置だと思ってたのに」「ちなみに、照井の淹れるコーヒーはめちゃくちゃおいしいそうで♪」 「次回は真倉活躍の回か」「なんか風都署がクローズアップされるみたいだね。大丈夫かな」
2010.02.04
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「……ちょっと豆買って来る」「へ? 季節ネタ全然やらないで有名なLEが節分? どうしたのいきなり」「なんか変な気分になったからゲンかつぎたいんだと。無神論者のくせしてこういうとき神頼みかよ……」「やかましい。いざというとき頼りになってこそ神様じゃないか。何もしてくれないんだったら拝む意味ない」「で、その買って来る『豆』が柿ピーのピーナッツなのがさらに不謹慎ですね」「厄払いどころか、バチが当たるんじゃないのか?」昼寝しようとしたら家族の夢見た……しかも寝なおしても何回も。なんだろう、不吉な予知だろうか。気味悪いんで豆まきでもすることに。言っておくがまだ豆買ってきてないので変更される可能性も否定できないためあんまり責めないで
2010.02.03
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「有名マジシャンミスターアキのマジックショーにたまきさんに誘われやってきた杉下さん。まあマジックのネタなんか杉下さんには丸わかりだろうけど、それはマナー違反だから。お、瞬間移動マジックか。明かりが消えて……ん、人が落ちてきた!?」「マジックじゃなくて事件だな。死亡したのはミスターアキこと秋川満さんの弟子で沢田……ん、田中? 沢田というのは芸名か。照明用の足場でマジックの手伝いをしていた。転落死したようだが、手のひらの三本傷はなんだろう? あ、それとマジックの手伝いだが、なんでも秋川さんの頭上に黒い布を穴から落とすそうだ。しかし、照明が消えてから足場に移動するから、何も見えんではないか。これでは落ちて当然だ」「のために、穴の前にはあらかじめケミカルライトが置かれて目印になってました。にもかかわらずライトと布ごと落ちちゃって……あれ、確かステージは真っ暗になってましたね。ライトが落下したら見えるはずなのに、そんな光ありませんでしたよ」「それとあの奥さん、沢田の名前が芸名って知ってやけに動揺してたな。なんか半年前に来た四年ぶりの弟子だって言うからどんな奴かもよくわからんし、一度調べてみる必要あるぞ」 「息子の元くん、母親で芸能プロの社長である香菜恵さんはマジシャンにしたいんだけど、秋川さんは大学入ってからでいいってことで予備校通いさせてるんだって。下積み時代が長くて苦労したんだろうね、一理あるけど。あれ、沢田さんの部屋調べてたらトランプ見つけたけど、これトリックカードだよ。裏面の模様がそれぞれ違って数字がわかるの。それと……スペードのエースないね。あとは別に……ボールペンくらいしかないや」「違うぞ、このボールペン型のICレコーダーだ。中身は……沢田と香菜恵さんの睦言やん。不倫してたんだあの二人。でもこれ、使用上遠隔操作できないから沢田自身が録音したものだよな。わざわざこんなもの残して不倫する奴いるか? ――待て、こういうのを残すために不倫したのか?」「は? なんだそれは。とりあえず携帯に残された番号でも……ん、なに、探偵事務所につながった?」「ただの探偵事務所じゃありませんよ。別れさせ工作と言って、離婚したい相手に工作員を送って不倫させ、離婚をスムーズに行えるサービスやってました。こういう仕事があるらしいですけど、いいんですかこんなことやって。で、沢田こと田中さんがそこの工作員だとすると、依頼主は十中八九秋川さんですね」 「なんでもこの人、四年前に弟子がやっぱり事故で死んでるらしい。それで弟子をとるのを嫌がってたんだが、熱意に負けて田中を……やっぱ別れせ工作は完全否認か。で、事件の方だが、数分間あのブリッジ近くに誰もいなかった時間があるのが判明したから捜一もアリバイ調べに入った。香菜恵さんは最後尾でショーを見てて、転んだ客を助けていたそうだ。息子もそれを目撃してたって」「でも、離婚についてはあり得ないって言ってるよ。ミスターアキの名前はスタイルは全部香菜恵さんが考案したものだから、離婚なんかしたら使えなくなるって。てことは、不倫を理由に離婚して、その権利を奪おうとしたってこと? でも、それと事件とは関係ないよねえ」「どうかな。ところで面白いことが分かったぞ。四年前の事故とやらだが、当時秋川の弟子だった奴がスタジオで一人ファイヤーマジックの練習やってたら火がネクタイに燃え移り、あわてて水場に行こうとしたら階段から落ちて転落死したらしい。で、その現場に弟子が自分で特注したトランプ百セットのうち一セットなくなってた。それがあの秋川のとこで見つけたトランプだ。こりゃどうも怪しいぞ」 「秋川夫妻、やはり離婚するそうだ。元くんは秋川さんが引き取り、ミスターアキの名を捨ててやり直すと。元くんには辛いだろうに……」「その元くんの部屋から焦げたトランプ、例のスペードのエースが見つかりました。なんでも、四年前の事件の変装した秋川さんが捨てるのを偶然目撃し、不審に思って回収していたそうです。その経緯を記した日記とともに沢田に盗まれ、秋川さんへの脅しの種に使われたいたそうな。で、なんとかそのトランプを回収しようとあのショーの隙をついてかすめ取った。秋川さんが脅されたいたとすると動機は成立しますが……あの時確かにステージの上にいた人が、どうやって突き落とせたんでしょう」「突き落とす必要はない。自分から落ちるにすればいいんだ。穴を見落とす、いや、穴の位置を勘違いさせてな」「は? そんなことどうやるんだ」「あの落ちてた黒い布だよ。あれを折って穴を塞ぐ。そうすると暗くなった床と完全に同化するんだ。その上にケミカルライトを乗せてしまえば、勘違いして落ちるさ。よく考えてみりゃ変な話だ。沢田が黒い布を穴から落とす段取りなら、秋川さんは穴の真下にいなきゃならない。だったら墜落した沢田さんに激突してるよ」「でも完全否認してるよ。あ、四年前の件はやっぱ現場にいたんだ。なんでも、そのお弟子さんは優秀だったから図に乗るようになってきて、秋川さんの許可も得ずデビューしようとしてたんだって。そしたら階段から落ちちゃった。だけど弟子を死なせたなんて知れたらキャラ的にまずいから口をつぐんだって。本当かな? ……え、どうしたの?」 「元の奴、客席じゃなくてあのブリッジにいたんだ。見ちまったんだな細工をする父の姿を。どうしていいかわからずその場にいると、沢田が来て落ちてしまった。手のひらにあった傷は、手を出した元の腕時計で削れたんだ。殺してまで隠したいとなると……やっぱ四年前の件も殺しか。考えてみりゃ、ファイヤーマジックの使い手がネクタイに火点いたくらいでビビるわけがない。突き落としたんだ」「才能が憎かったんですね。追い越されるんじゃないかと。そして、ミスターアキの名を捨ててまで元くんを手元に置いたのは、彼をマジシャンにしないために。自分が一番で居続けるために」「さ、最低だなこいつ! 自分の地位を守るためなら息子まで手をかけるか! 弟子が事件以前次々と逃げ出したのは、マジシャンにする気がないことを見抜いたからだろう! こんな奴捨てられて当然だ!」「でも、元くんはそんな父の思いに気づいていて、受け入れようとしてたってのになあ……栄光も未来も自分で握り潰しちまって。結局、墓穴を掘ったのも落ちたのもこいつ一人か」「酷い話だけどさ、元くんはマジシャンになるにしてもならないにしても、立ち直ってほしいねえ」 「また議員になんか手出して……何されても知らんぞ」「ま、宿命みたいなものと諦めるべきでしょう」
2010.02.02
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「うわ! なんか変わってる!」「レイアウト変更してみました」「いきなりなんでまた」「いや、前々からなんか不満あったんだよ。日記の文字幅狭すぎるとか。これでずっと広くなったぞ」「ま、いいんじゃねえか? なんか変わり過ぎて気味悪いが」「……実は俺もなんだよね。そのうち戻すかも」「おいおい」日記はいいんだけど、やっぱ変わり過ぎかなあ。気が向いたら直すかも。――報告。楽サジ第四稿プロローグだけ完成。何もかも変ってしまった。読みたいときはリクしちくり
2010.02.01
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