まいかのあーだこーだ

まいかのあーだこーだ

2023.07.19
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カテゴリ: 政治
今回も、やや基礎的な考察です。

ジャニーズ問題を取り上げたBBCの番組では、
「チャイルドグルーミング」 がひとつのキーワードになっています。
子供に対する性的な手なずけを意味する用語です。
▶ https://globe.asahi.com/article/14872032



わたしが思うに、
人間社会における性的なグルーミングは、
子供だけでなく、成人に対しても広範に行われている。

たとえば「結婚」は、

家の都合で10代の少女を嫁入りさせる前近代的な社会では、
制度的にグルーミングをしているように見えます。

それどころか、
女性が性的にグルーミングされるのは、
現代でも普通のことじゃないかという気がするし、
ほとんどの場合、人間社会のセックスは、
権力者のグルーミングで制御されているように思える。

そもそも、
学校でまともな性教育を行わない日本のような国では、
性的な主体性を身につける機会がほとんどなく、
権力者のグルーミングによってセックスを学ぶしかないのでは?


権力者によるグルーミングの支配力を維持するためにこそ、
日本の学校は、あえて性教育を行わないのかもしれません。



広い意味でいえば、
政治権力は民衆をグルーミングし、

経済強者は経済弱者をグルーミングしている。

子供にかぎらず、多くの大人たちが、
権力に手なづけられ、飼い慣らされ、
精神的な主体性と身体的な主体性を奪われている。

しかも、グルーミングされる側は、
そのことをかならずしも不幸とは感じていない。

むしろ、多くの人々は、
偉大な権力にグルーミングされることを幸福に感じる。
それを苦痛だと感じる人のほうが少数かもしれません。



ジャニーズの場合も、
じつは多くのタレントたちが、
ジャニー喜多川にグルーミングされたことを幸福に感じ、
多少の苦痛があったとしても、
それによって成長しえたことを感謝してきたのでしょう。

デヴィ夫人なども、
「ジャニーに感謝しこそすれ、文句を言うなどケシカラン!」
と主張しているわけですね。

もちろん、それこそが 《権力者のロジック》 なのですが。

デヴィ夫人の経歴を考えれば、
性的なグルーミングに肯定的なのは当然かもしれません。
(知らんけど)



とはいえ、
「権力者によるグルーミングをありがたく甘受せよ」
…ってのは、
いかにも旧世代的な発想であって、
現代の人権社会ではもはや通用しないのでしょうね。

大多数の人々がグルーミングを受け入れても、
それを拒む人たちは一定の割合で存在するし、
現代のような社会では、
そうした少数者の人権も尊重しなければなりません。







ところで、

セックスが暴力であるか否かは、双方の「マッチング」で決まります。
マッチングが適合すれば、セックスは情愛の交換になりますが、
マッチングが不適合なら、セックスは一方的な暴力になる。

これはグルーミングについても同じです。



たとえば、

ジャニー喜多川が、
「愛情をもってタレントを育てた」というのは、
一面では真実だろうと思いますが、
その一方で、受け手によっては、
それを愛情とは感じず、むしろ苦痛と感じていたでしょう。

苦痛だと感じた人たちは、
彼の強制的なセックスを「暴力」として告発するけれど、
愛情だと感じてきた人たちは、
それによってこそ自分は成長できたのだと感謝する。



一般的な女性の場合でも、

セックスを愛情だと感じることができれば、
自信にも繋がるし、他者への信頼にも繋がるし、
社会人としての成長にも繋がると思うけど、

セックスを苦痛だと感じれば、
それはトラウマになって、
男性不信や社会不信にも繋がっていきます。



片方が愛情をもって接していても、
受け手には苦痛でしかないってことが日常的にありうるわけで、
これはセックスにかぎらず、
あらゆる恋愛にもいえるし、あらゆる人間関係にもいえます。

たとえばストーカーの場合も、
あるいは毒親などの場合も、
一方的な愛情は、ときとして暴力になりうる。



奇しくも、先週、
「強制性交罪」の名称が 「不同意性交罪」 に変更されて、
セックスには事前の同意が必要となりました。
これは、ひとつの進歩です。

しかし、
事前の同意をしたからと言って、
そのセックスが幸福だとはかぎらない。

非対称な力関係の中で、
「同意させられる」とか、
「同意せざるをえない」という事例もあるだろうし、

そもそも、
実際のセックスの相性の良し悪しは、
事後でなければ分からないってこともあるでしょう。



なので、より本質的には、
「マッチングの可否」によってこそ、
そのセックスが幸福かどうかが決まるのだと思います。

たとえばセックスレスの夫婦のあいだでも、
生理的な拒否感とか、求める頻度のずれとか、
さまざまなマッチングの不和が起こっているはずですが、
そうした不和にもかかわらず無理強いをすれば、
夫婦間のセックスでさえ「暴力」になりえます。



わたしがマッチング技術についての記事を書いた のは、
もう4年も前 (…早!) のことなのだけど、
この間に、AIはどの程度進歩したのでしょうねぇ。

もしも、AIのマッチングアプリで、
事前に「セックスの相性」を判定できるようになれば、
性暴力は技術的に消滅するかもしれません。

のみならず、
マッチング技術が進展すれば、

片思いの恋愛とか、
パワハラとかセクハラとか、
虐待とかいじめとか、
そういう非対称な関係性がことごとく消滅するような、
SF的な未来も実現するかもしれません。

そんな近未来社会を、つい望んでしまいます。

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最終更新日  2023.07.20 07:42:43


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