まいかのあーだこーだ

まいかのあーだこーだ

2025.09.29
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望の夜の叙々苑妻とライス大 秋深し穴空くスリッパケチな僕 秋刀魚買ひおろし求むる風の坂 月の宴笑顔で立て替えポイ活中 芋天や友母くれし翌朝に 図書館の除菌機熟す吾子八月 ひげ根なぞとらぬもやしや野分の夜 残業や一駅分の虫時雨
9月25日のプレバト俳句。
お題は「とっておきのmy節約術」。

今回も川柳になりがちな兼題です。




さや香新山。
もち の夜の叙々苑 妻とライス大
月夜の叙々苑 妻と分け合うライス(大)
(添削後)

添削は一種の改作ですが、

作者の本来の意図を汲むなら、
肉食わず飯をたらふく 望の夜

のようになるかと思います。




秋刀魚買ひおろし求むる風の坂
秋刀魚買ひ次は八百屋へ風の坂
(添削後)

原句は、
動詞が「買ふ/おろす/求む」と、
3つ並んでるように見えてしまう。

まあ、
大根おろしのことだとは思ったけど、
おろし金や大根ならともかく、
大根おろし自体は売ってないから、
どこに「求む」のかも分かりにくい。

添削句のほうは、
中七「次は」が説明くさいので、
秋刀魚得て八百屋へ向かう風の坂

とも直せますが、

どっちにしろ上五の時制が過去になる。

あくまで現在を写生するなら、
八百屋への坂道 籠の秋刀魚二尾

のようになるかと思います。



千原ジュニア。
図書館の除菌機熟 じゅく す吾子 八月



読みが《じゅくす》or《こなす》の2通りあって、
手元の広辞苑によれば、
《じゅくす》が自動詞で《こなす》が他動詞です。

なので《じゅくす》と読ませる中七は、
「除菌機 じゅく す」の略であって、
「除菌機 じゅく す」の略ではない。
だとすれば助詞「に」は省略できません。

一方、
小学館の日本国語大辞典には、
他動詞《じゅくす》の項目もあって、
「言の清濁を熟す」「知識を熟す」の用例もあるけど、
https://kotobank.jp/word/熟する
自動詞か他動詞かが分かりにくい場合にも、
やはり助詞は省略すべきじゃありません。

たとえば「豚食べる」と書いたとき、
自動詞で「豚 食べる」なのか、
他動詞で「豚 食べる」なのか分からないから。

この句は、
音数的に助詞を省かざるをえないので、
他動詞と明示するには《こなす》と読ませるべきです。




梅沢富美男。
ひげ根なぞとらぬもやしや 野分の夜
野分聞く夜や もやしのひげ根なぞ
(添削後)

たしかに、
中七の動詞「取らぬ」は説明くさいけど、
だからといって省略はできないでしょ。

実際のところ、
「ひげ根なぞ取らぬ」と、
「ひげ根なぞ要らぬ」とでは、
まったく意味が逆になってしまいます。

むしろ添削句は、
「ひげ根なぞを食べてゐる」の略に見える。
(つまり「ひげ根だけを食べている」ように読める)

その意味では添削でなく改作というべきです。



清水アナ。
残業や 一駅分の虫時雨


上五は、
季語でも映像でもなく「原因」ですよね。
あるいは状況説明、
もしくは《今日は残業だったなあ》という心情。

いずれにしても、
切れ字「や」で詠嘆する必然性は弱い。
かりに心情を詠嘆するなら俳句でなく川柳です。

そもそも、
残業したら早く帰りたいはずなのに、
なぜわざわざ一駅分を歩くのか、
考えてみるとよく分からないのよね…(^^;

各駅停車が終了したから、
快速電車の停まる駅まで歩くってこと?
あるいは乗り換え先への路線が終了したってこと?
もしくは一駅分を歩けば家に着くってこと?




南果歩。
芋天や 友母くれし翌朝に
金欠よ 友の実家の藷天 いもてん
(添削後)

原句は日本語がおかしい。

後段の「友母くれし翌朝」は、
友人の母かママ友かも分からないけど、
いったい何をくれたかも分からないし、
時制がいつなのかもよく分からない。

本人の説明によれば、
「翌朝に…と言って友人の母がくれた芋天」
とのことだけど、そうは読めない。

一方、添削句は、
上五で「金欠」を詠嘆するところが、
やはり写生句というより川柳っぽいです。

ためしに7・8・5ですが、
友人宅の帰りの藷天ひと包

としてみました。




真田ナオキ。
秋深し 穴空くスリッパ ケチな僕
秋深し 穴空きスリッパ六年目
(添削後)

原句は三段切れ。
下五は不要な説明ですね。

添削句は中八ですが、
たとえば1年短くすれば、
穴開きのスリッパ五年 秋深し

のようにも出来ます。



福山梨乃(CANDY TUNE)。
月の宴 笑顔で立て替え ポイ活中
立て替えはワタシ 月夜のポイ活中
(添削後)

ポイ活とは初耳です。

ポイポイ捨てる断捨離かと思いきや、
「ポイントを貯めて買い物する活動」
のことだそうで、
いかにも企業臭のする新語ですね…(^^;

添削では、
原句の三段切れを中間切れに直してますが、
取り合わせが説明くさくて川柳っぽいし、
ポイ活中とは一定期間の話だろうから、
「月夜のポイ活中」ってのも変だなと思う。

ためしに、
立て替えてポイ活の吾や 月の宴

としてみました。


▽過去の記事はこちら
https://plaza.rakuten.co.jp/maika888/diary/ctgylist/?ctgy=12



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最終更新日  2025.09.29 07:40:05


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