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☆そういち☆

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2012年06月13日
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カテゴリ: カテゴリ未分類
中上健次の鳥のように獣のようにというエッセイの中に以下のような文章がある。


ぼくの「十九歳の地図」の、かさぶただらけのマリアさまは、小林美代子さんをモデルに借りた。それで、けんかして、音信が途絶えた。それまで朝から晩まで、もしもしと彼女独特の蚊の鳴くような声で電話がかかり、彼女の一方的にしゃべりまくる小説の構想をきかされ、「関係」にふんがいしはじめるのをたまりかね、「いいですか、単眼じゃなくて複眼で書くんですよ」と激励とも注文ともつかぬことをしゃべったのをおもいだす。「フクガン、そうなの」といって、また一方的に、編集者が家にまで来てくれ、ウィスキーをビールのコップいっぱいについで出すと、それを眼を白黒させてのんで、フクガンといっっていたとはなしだす。ぼくの家へくると言うので、国立の駅までむかえにいくと、顔よりもおおきい大きな帽子のようなかつらをかぶり、黒のエナメルの手さげをもって、上等のかっこうでやってきた。ぼくはそんな小林さんをむしょうに好きだった。


自らの精神病院の体験を書き、賞を受け数年後自殺した作家小林美代子・・・・・


発病した者の哀れさより、精神病の持つ忌まわしさの方を強く感ずる。

その浅ましい忌まわしいものを身辺から極力遠ざけようとするのは、当然なのであろう・・・・・


小林美代子著・・・髪の花より・・・・・


アウシュビッツにも似た精神病院の中で生きようとする意思と絶望的な現実・・・おそらく1960年代の精神病院の現実・・・

中上は、小林の自殺に衝撃を受け以下のように書く。

小林氏の自殺は、その後知った。



作家小林美代子でなく、小説を書く小林美代子さんということを考えると、つらくてしょうがない小説など書かないほうがよかった・・・・・


小説、髪の花は、今も昔もそうは、変わらぬ精神病者の置かれた状況を抉るように描写している。

僕は、この小説を読んで走馬灯のようにさまざまな人々や出来事を思い起こした。

読んでいてかなり辛くなった。

小説など書こうが書くまいが、絶望的な現実と孤立の中で小林は、死んだのでは?

というのが、髪の花を読み、僕が感じたところである。

この作品の中で自殺した病院仲間に対するモノローグがある。

私はりえ子に言いたかった。一時の狂気の為に、全体の自分を自ら台なしにするなと。(略)僅かに残る正気を武器にし、おぼつかないながら、狂気を踏台にし、利用してでも生きる目標となるものを掴み出し、燃え立たせてほしい。悲しみに溺れ、世の人々に甘えて自殺等考えるな。残る三分の正気も滅ぼしてしまうな、と


この言葉自体が、作者が自身に常に言い聞かせた言葉のように僕には、思えてならない。

僕の人生の中で感じたこと経験したこと考えたこと

そのすべてが、髪の花には、書かれていた。



それだけに、小林への中上のまなざしは、暖かい。

しかし、それ以上に精神病を抱えたある種の人々の孤立は、途方もなく深い。

自身もまた。。。。

恵まれた環境にありながらも

小林美代子と重なる部分がとてつもなく多い。



発病してからというものユダヤ人の歴史文献を読み漁っている。

ペストが流行しバタバタと病に死すヨーロッパでユダヤ人が井戸に毒を入れたという流言が流れ・・・

無残にも惨殺されていくユダヤ人たち。。。


似たようなことは、わが国でも関東大震災で在日朝鮮人の人々へ行われた。

その墓碑銘がある木根川橋のすぐそばで生まれ育ち、悲惨な歴史を聞いて育った。


この世は、涙の谷だと言ったのは釈迦だったか?

われわれに救いというものがあるとしたら・・・・

それは、いったいどのようなことなのだろうか?

そんなことを思うことが最近多い。

髪の花を読み、やるせない思いが抜けない・・・・

でも、それが、現実なのだ。

どうしようもないまでに・・・・


(-∧-)合掌・・・







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Last updated  2012年06月14日 01時52分22秒
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