~RO Novels~   第五章 信頼のゲフェン編  突入

~RO Novels~   第五章 信頼のゲフェン編  突入

2007年05月05日
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 ここ2、3日更新できなかったのは、実は4月の終わりに、おばさんが亡くなったからです。93歳でした。

  このおばさんは成田に住んでいたので、僕は成田のおばさん と呼んでいました。その夫さんを 成田のおじさん と呼んでいました。


 小学生の頃の正月、成田山という山にお参りに行った帰りには必ず寄って お年玉をもらいに 新年の挨拶に行っていたものでした。成田のおじさんはいつも煎餅を割ったようにしわくちゃな顔をして、コタツに入ってヌクヌクしていたのを覚えています。そして2人はいつも帰りになると、お年玉をくれました。

 しかし、時が経つにつれて、成田山へも行かなくなり、結果おばさんたちの家からも足が遠のきました。それでも、お歳暮や暑中見舞いが来るたびに、電話をかけたりかかってきたりで「またこいや~」と僕を呼んでくれていました。




 ――そんなおじさんは、結構前からかなり危ない状態だったみたいでした。病院に入院をし続け、もうほとんど聞いてるのかいないのかわからない状態まで行っていたそうです。もういつ死んでもおかしくなかった。そんなおじさんを看護し続けたのがおばさんでした。

 しかし、皮肉なもので、そのおばさんが先に逝ってしまったのです。昨日は通夜で今日が告別式でした。そして、通夜の晩、再び悲しい事が起きました。

























成田のおじさんが死んだ



 なんと、おばさんの通夜の晩、おじさんも後を追うように逝ってしまいました。僕はそれを聞いた時びっくりしましたが、告別式に集まった人が酒を飲みながらこう言っていました。

「(成田の)おばさんな、いつも(成田の)おじさんに言ってたんだ。あたしより先に死ぬなって。だからな、俺思うんだが、おじさんは意識はほとんど無かったけど、おばさんより少しでも長く生きようとずっと病院のベットで頑張ってたんじゃないかな?」


こんな小説みたいな事が、本当に起きるとは思っていませんでした。来てくれたお坊さんも、「こんな事は初めてだ」と言っていました……なんていうか、すごく感動しました。






そして、それを聞いた数時間後、おじさんは眠るようにして亡くなったそうです。




 今日、僕は成田のおじさんの顔を見ました。昔見たのと違って、顔は煎餅のようになっていませんでした。綺麗な顔で、やさしく目を閉じていました。僕はもっと老けてると思ってびっくりしました。


  明日は成田のおじさんの告別式と納骨です。僕は本当にこのおじさんの事を忘れないでしょう。91歳でした。








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Last updated  2007年05月06日 00時48分09秒
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