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残夢整理私:図書館に予約して、3ヶ月半ほど待って借りられた。 著者の多田富雄氏は、この本が出版される2ヶ月ほど前の今年4月に前立腺ガンで亡くなっている。 1934年(昭和9年)生まれだから、享年76歳だね。 俺たちと同じでまさに昭和を中心に生きた人だね。 図書館に予約したとき、題名からして、死の準備についての本かと期待したが違っていたね。 76歳になるまで、学生時代からの友人や恩師や知人などの死にあっている。 その人々の生涯など、いろいろな思い出を淡々と綴っているね。 その中心となる時代は昭和だから、副題に「昭和の青春」とあるのだろうね。A氏:俺たちの年代になると、若い時に親しかった人の死にあうという経験が次第に増えていくね。私:この本を読んでいるときに、喪中で年賀を欠礼するというはがきが突然来た。 見ると、俺がまだ、若い頃、仲人をした部下が9月に亡くなったとの知らせだった。 当然、俺より若い。 奥さんも俺の職場で事務をしていて、職場結婚だった。 俺に仲人を頼みに来て、はじめて2人の仲を知った。 仲人は、工場長など、もっと上の年配者に頼めといったが、是非ということで引き受けた。 その後、俺は別の部門に移ったし、彼は地方の工場に転出し、そこで住むようになった。 それ以来、俺も会社をやめたりして、疎遠になり年賀状だけになっていたね。 だから、かっての部下のその奥さんから年賀状欠礼の知らせが来て驚いたわけだ。 奥さんに電話したら、偶然だが多田富雄氏と同じ前立腺ガンで享年69歳だったという。 高度成長時代の良き部下だったが。 知っている人の訃報は今まで年上の人が多かったが、次第に年下の人も増えてきたなぁ。A氏:君が製造業の第一線で活躍していた頃は、高度成長が始まった時代だから、どんどん人は動いた頃だね。 ところで、この本では60年安保などが出てくるのかね。私:戦争の話は出てくるが、戦後の政治経済問題は登場しないね。 著者が、医学の研究に没頭したせいもあるかもしれない。 そういう面で、怒涛の高度成長経済の話はあまり出てこないね。 人生、いろいろだね。A氏:たしか、2005年の12月に「脳梗塞からの "再生"免疫学者・多田富雄の闘い」というNHKTVのドキュメンタリーがあったね。私:著者は、2001年、脳梗塞で右半身不随となったんだね。 それでも左手でパソコンのキーを叩き、執筆活動をしたようだね。 その戦いの記述がほしかったね。 ところで、俺は医学の素人だが、著者の恩師のアレルギー性の病変は、免疫反応が正常に起こって生じたものと、過剰な反応のための異常な臓器の反応の様相を示すもの、反応力が疲弊した結果、逸脱した病変として現れるもの、の3つに分類されるという研究結果には興味がもてたね。 日本エッセイストクラブ賞をもらっている人らしく、文章が簡潔ですらすら読めたね。 いずれにせよ、「昭和は遠くなった」ね。 俺の後、この本を待っている人が38人いるので、12月9日まで借りられるのだが、明日、図書館に返しにいくよ。 待っている人も同じ「昭和の青春の人たち」だろうからね。
2010.11.30
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A氏:先週の月曜日に続き、また、ISO9001のことで質問だ。 俺の後輩で、品質保証部門にいる奴が勉強熱心でこった質問をするので困っているよ。 最近、ISO9001の項目4.2.3の「文書管理」にある次の文章をよく読むとおかしいと言うんだね。私:どういう文章だね。A氏:「品質マネジメントシステムで必要とされる文書は管理しなければならない。 ただし、記録は文書の一種であるが、4.2.4に規定する要求事項に従って管理しなければならない」 だね。 この中で、後半の 「記録は文書の一種であるが、4.2.4に規定する要求事項に従って管理しなければならない」 がピントこないと言うんだね。私:どういう点だね。A氏:「文書は記録の一種である」というと、「文書」は「記録」と「記録以外の文書」の2つに分かれることになる。 記録+記録以外の文書=文書 そうなると、4.2.3の「文書管理」は正確には「記録以外の文書の管理」とすべきだと言うんだね。私:その後輩は優秀だね。 規格を鵜呑みにしないで「ケンカ読法」で読んでいるね。 優秀の意味は、ISO9001規格に対する「知的体力」があるということだね。 暗記力頼みの批判力のない学力優秀とは違うがね。 「文書」と「記録」の用語の意味のあいまいさは、ISO9001のアキレス腱なんだ。 君の後輩は、それを発見したんだね。 ISO9001のもとは英文だから、英語の問題からきているのかね。 英語では「文書」はドキュメント(document)だが、ドキュメンタリー映画というように「記録」の意味もあり、混在しているね。 しかし、ISO9001の4.2.3の「文書管理」で要求している内容と、4.2.4の「記録の管理」で要求している内容は全く違う。 「記録は文書の一種」ではないね。 管理的には全く別のものだね。 だから、君の後輩が疑問をもつのは当然だね。A氏:なるほど、「女は男の一種であるが、別のルールに従う」というようなものか。 論理的に「文書」+「記録」=「文書」だからおかしいんだね。私:ISO9001規格は、言語だけだの「言語モデル規格」だね。 養老孟司氏は「言語は人が考え出した産物だ」という。 実際にあるものは、多種多様だと言っているね。 だから、「言語モデル規格」は抽象的な用語の定義が重要なので、ISO9000といって用語定義集がある。 これには、「文書」は「情報及びその媒体」としかない。 「記録以外の文書」の定義はない。 「情報」の用語定義は「意味のあるデータ」とあるから、「文書」の定義と重なっている。 そして、「記録」は「達成した結果を記述した、又は実施した活動の証拠を提供する文書」とある。A氏:用語定義集でも、また、「文書」と「記録」とそれに加えて「情報」の3つの関係がゴチャゴチャだね。 「文書」+「記録」=「文書」というおかしな論理は同じだね。 「文書」+「記録」=「情報」で問題ないだろう?私:その通りだね。 そうなると、ISO9000の「文書」の定義がおかしくなるがね。 要するに、論理的には「男性」+「女性」=「人間」と考えればいいんだよ。 そして「文書」と「記録」をまとめた総称名を「人間」と同じように「情報」とすればいいんだね。 俺は下の図のように分かりやすくまとめているよ。 「文書」と「記録」の本質的な違いは、 「『実行』を挟んで「文書」は『実行の前』にあり、「記録」は『実行後』にある」 「「文書」にはこれから『実行』することだから、実行前に実情に沿った改訂(修正)があるが、「記録」は過ぎた事実なので改訂はない」 ということだろうね。 そして両者とも「情報」だね。文書 記録 文書による実行 A氏:なるほど、ISO9001規格を正確に理解するには「知的体力」が必要だということか。私:その後輩が孤立しないように、応援してやってよ。 これからの会社の発展のためには、頼りになる人材だよ。
2010.11.29
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超マクロ展望世界経済の真実私:日本はバブル崩壊後、4回の不況を経験し、そのたびに財政出動をしたが、景気は回復しなかった。 そして結果として巨額の財政赤字を抱えるようになった。 法人税を大幅減税すれば、それによって企業業績は好転すると考えたが、実際には増収ではねかえってこない。A氏:法人税減税でiPadは期待できないからね。私:低成長時代になっているのに、まだ、経済成長を前提とした政策を続けて失敗の連続。 それなのに、まだ、経済成長の幻想を捨てきれない。 年金も基礎計算は経済成長を前提としているし、少子化の見通しも甘い。 経済学もベースに経済は成長するものだという暗黙の前提がいまだにある。A氏:ギリシャの財政危機も、経済成長やインフレによって将来は解決されるだろうことで椀飯振舞をして、終に国家財政は破綻し、国民には厳しい緊縮財政政策となる。私:ところで、なぜ、市場に矛盾が生じたかというと、低成長の現実を金融経済化によって、ごまかそうとしたからだね。 しかし、金融バブル崩壊で、その矛盾はさらに危険な状態で露呈した。 世界の金融経済は余剰マネーで100兆ドル。 実物経済では60兆ドル。 これに金融緩和で紙幣を増やしても、投機によって資産価格の上昇をもたらすだけで物価はあがらない。A氏:リフレ論者の期待に反して、日本では10年以上、ゼロ金利、金融緩和しているが、インフレにならない。私:インフレが期待できるのは、耐久消費財が普及していく過程だが、現在は普及が終り、インフレ時代も終わった。 現在のデフレは一時的な不況のせいで起こっているのでなく、構造的な問題なので、金融政策でデフレを克服すれば、不況も克服できるものではない。 新興国との賃金競争による先進国の賃金低下と、新興国からの安い商品の流入によって、デフレは先進国の構造的な問題だね。A氏:今朝の新聞では、「好況ドイツ賃上げ続く」とあるが、これは一時的な現象かね。 私:ドイツは、今、ギリシャ、アイルランド、スペインなどのEU 諸国の経済危機で頭が痛いだろうね。 ところで、両氏は、円高は円安より好ましいという。 円高のほうが高騰する資源を安く購入できる。 円安になると日本の企業や資産が外国の企業やファンドから買い叩かれてしまう。A氏:今週の日経ビジネスでも「円高は日本の国益・『輸出産業に打撃のウソ』」という特集を組んでいるね。 しかし、今朝の新聞では、「円高で自動車大手利益8000億円消滅」とあるね。 それに反して、円高による資源購入のメリットのニュースはないね。私:日本は経済成長もインフレも期待できない。 だから、財政赤字は簡単に改善できないので大問題だね。A氏:今、イギリスが緊縮財政で授業料の値上げで学生デモが暴徒化しようとしたが、日本でも、これから、歳出カットせざるを得ないだろうね。私:「低成長の現実を直視して、歳入増は期待できないから、歳出を切り詰める方向で財政再建にいそしむ」ことになるから、高齢者の社会保障も危機だね。 もっと明るい経済戦略はないものだろうか。 そこで、この本では競争でなく環境規制そのものが市場をつくり出している例をあげている。 欲望の自由な展開という今までの考えでなく、なんらかの規制によって付加価値をつけた市場を創出することが新しい経済戦略になっていくという。 それから、また、世界の余剰資本をどのように規制するかも必要だね。 今までは、近代社会は膨張の時代だった。 これからは、自由主義でなく規制によって市場を豊かにするという方向になるだろうという。 両氏は、低成長社会の課題に真っ先に直面している日本は、「想像力と知性」を動員して、新しい市場のかたち、経済のかたちを、世界にさきがけてつくりだしていく立場にあるという。A氏:そういう「想像力と知性」を持ったリーダーが日本で育っているのかね。 明治維新のように。 だから坂本龍馬が今ブームになるのかね。 もっとも、明治維新には目指すモデルがあり、「坂の上の雲」の時代だった。 今は、モデルのない「下り坂社会」だね。私:この対談の両氏にもその「想像力と知性」を期待したいね。
2010.11.28
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超マクロ展望世界経済の真実私:すでに、歴史的に見て、実体経済で冨を蓄積した国は、次に、バブルを起こして崩壊するというパターンがある。 それなのに、先進国では、後から追いついてきた日本でなぜアメリカよりバブルは10年ほど早かったのか。 考えてみると、日本の近代化のスピードは、極端に早く、明治維新からでも100年だ。 ヨーロッパは300年ぐらいかかり、アメリカでも200年くらいかかった近代化と比較すると、ものすごいスピードだね。 その分、破局も早い。 ここでやはり「人口ボーナス」論が出るが、明治元年(1868年)のとき3402万人の日本人口は、100年後には1億人超という急激な増加で、増加率が一番高い。A氏:そうなると、高齢化のスピードも一番速いことになる。私:まず、日本は近代資本主義のしくみ、すなわち、実物経済で安く仕入れて高く売るというしくみで、もっとも利益を獲得することができた国であることだ。 アメリカと違って、日本はわざわざ金融空間をつくって他国の資本を呼び込まなくても、国内の貯蓄が膨大な額になっていた。A氏:アメリカの方は他国のカネを当てにするから、国際資本が自由化するまで待つ必要があったが、日本はその必要がなかったということだね。私:日本のバブルのきっかけはアメリカが仕掛けたという見方もあるね。A氏:日本のバブルは、アメリカが日本との間の膨大な貿易赤字で、日本に内需拡大を要求したのがきっかけだというのが通説だね。私:そうではなく、冷戦時代のレーガン大統領時代にアメリカは財政赤字を拡大させながら、ソ連と軍拡競争をしていたために、日本のカネが必要で、日米の間にお金を還流させることが必要だった。 ところが、プラザ合意でドル安になったとき、日本企業はアメリカ国債で大損する。 そのために日本がアメリカ国債を売ると困る。 それで、アメリカがバブルをしかけたという。 日本のバブルで株や土地が高騰してその大きな含み益で、日本企業は、ドル債で損してもビクともしないでアメリカ国債を持ち続けた。A氏:バブルのピークはベルリンの壁崩壊直後の1989年で平均株価が4万円近くまでになるね。私:しかし、同時にその頃、米ソ冷戦が終了し、日本マネーのバックは不要となる。 CIAが冷戦終了で、経済にシフトしたということもあるね。 アメリカにとって日本があまり強くなるのは好ましくない。 外国投資家主導で日本での売りが殺到し、バブル崩壊で株価は一挙に半分以下に下落。 実体経済では内需は増えないのだからバブルは当然だね。A氏:内需拡大の前提がなくなってきているからね。 日本を含め先進国は少子化が始まる。 世帯数は都市化が終わると増えないので内需拡大も終わる。私:日本では1973年から74年にかけて都市化が終わる。 だから、日本に内需拡大を要求しても無理なことをアメリカは知っていたのではないか。 内需拡大ができないと株や土地などの資産にカネが集中しバブルになる。 そしてバブルは当然、崩壊する。 当時、日本の一部企業はバブル崩壊で米ドル債を売った。 同じ頃、ドイツも東西ドイツ統合で旧東ドイツの復興にカネが必要になり、米ドル債を売った。 アメリカは、日本とドイツ両国のカネで助かっていたようなものだから、この売りでアメリカのS&L危機(貯蓄貸付組合の連続破綻)の原因となったという。A氏:日本バブルは、アメリカで本来は発生すべきバブルを先行して肩代わりしたのかね。私:そのために日本は、低成長社会のもと、金融経済化していく先進国のなかで、先行性をもつことになった。 日本が悩まされている長期の低金利、長期のデフレは、今後の資本主義先進国が同じようにぶつかる問題だということだね。 日本が先頭を走っているのだから、国際比較は無意味で、モデルはない。 明日は、では今後、日本はどうすべかという話題に移ろう。
2010.11.27
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超マクロ展望世界経済の真実私:この本では、歴史的にさかのぼって、途中で、資本主義の起源についての対話となっている。 それは資本主義は決して市場経済とイコールでなく、そこには国家の存在が深く組み込まれているからだ。 しかし、多くの経済学者やエコノミストは「国家」と「資本」は対立するものだという前提に立っているという。だという。 グローバル化で「国家廃絶論」まで登場しているという。A氏:だから、多くの経済学者やエコノミストは現実と異なった論評となるのだろうね。私:資本主義経済が誕生する直前の15世紀までの中世は、農業の技術革新によって農村の実質賃金が向上する。 しかも、14世紀にはヨーロッパ人口は減少し、人手不足で労働者のほうの立場が強い。 地主である封建貴族の儲けは減る。 中世後期は労働者の黄金時代であると同時に、支配層にとっては最大の危機となる。 危機を脱するために資本主義が生まれる。A氏:つまり、資本主義は封建制に対立するものでなく、その機能不全を乗り越えようとして生まれたというわけか。私:封建制の封建単位から国家単位に移行する。 一人の国王が国家を治める国家単位の経済となる。 その背景には戦士たちの独立性を失わせた銃の発明がある。 さらに貨幣経済の発展がある。 16世紀の近代主権国家は、国王が資本家でもあるので資本と国家は一体。A氏:現代中国はその点では、16世紀の体制だね。私:資本主義が民主主義と一体化するのは、市民革命以降で、唯一の資本家だった国王がいなくなるとともに、国民が資本の担い手となる。 国民(資本家)と国家が一体となる。 国家権力をバックに、戦争や略奪で資本家は富を蓄積する。 政治と経済は一体だ。 一体だが、資本主義では国家の枠内で、暴力を専門的に担う政治主体と労動を管理する経済主体の分離とそれぞれの役割分担があるということだね。A氏:2008年の金融危機でアメリカの金融機関に莫大な公的資金が注入される。 この国家の存在なしでは市場自体がもたなくなってしまうというわけか。私:市場というのは、所有権にもとづいて交換されたり資本蓄積がされたりするが、国家はその所有権をこえて人々からカネを集めることができる。 市場での冨のやりとりは、税という非市場的なお金の動きを前提として成立していることになる。 資本主義は、この2つの役割の連携で成り立っているということになるね。A氏:国家による税の徴収と、資本による利潤の追求が合わさって、資本主義における蓄積というものが成り立っているということになるね。私:ところで、現代の資本主義は、金融危機で大きな歴史的な転換を迎えている。 まず、金融危機に至るまでのアメリカだが、スタートはニクソン・ショックだね。 これは、アメリカは実物経済で勝負するより、金融経済を優位にするための考えが根底に一貫してあったという。 レーガン大統領時代は国債の利上げで外国の投資を呼びこむが、利子負担が増えて成功しない。 95年になると国際資本の流動性が完全になり、かつ、「強いドル」のPRで世界中のカネを株式で集めて成功する。 そして、アメリカは国の赤字を埋めて余ったカネを海外投資して儲けた。 国際資本の自由化によって、アメリカは世界中の預金を自分の預金であるかのように使えるようになった。 そしてバブルを起こす。 問題は日本のバブルだね。 アメリカより10年早い。 なぜだろうか。 そのあたりは明日、ふれていこう。
2010.11.26
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超マクロ展望世界経済の真実私:覇権問題を「空間支配」という見方らから歴史を振り返ると、最初、陸での戦争で勝った者が支配権をにぎってきた。 それがオランダの造船技術の向上で、オランダ、イギリスの「空間支配」が海に移る。 世界の海を支配したものが覇者になるという訳だ。 イギリスは海賊によって資本を蓄積し、海での自由貿易を管理することで世界的な冨の集積地となる。 海を支配して、植民地を全世界に広げる。 イギリスの冨の蓄積は、産業革命よりもこの社会構造のほうの貢献が大きかったという。A氏:アメリカは海支配ではないね。 植民地もほとんどない。私:両氏は、アメリカの「空間支配」は空だという。 圧倒的な空軍力、人工衛星による的確なミサイル攻撃力。 そして、それは「月面上陸」のように宇宙空間にも広がる。 アメリカは空を軍事的に支配しながら、ドル基軸体制を守り、そのもとでの自由貿易市場の管理者となることで、世界資本主義の覇者となった。 しかし、宇宙空間の支配は利益を生まないというものだね。A氏:そうか。 「空間支配」が空になると、経済的覇権に結びつかないということになるのか。私:だから、資本主義史上始めて、「空間支配」が経済覇権に結びつかないという変化が生まれたことになる。 それまでは、「空間支配」の軍事力が覇権国家の需要な要素だった。 すなわち、軍事力の世界的な支配力が経済力とともに覇権国家に必要だった。 それが今度の金融危機で分離してきたという。 経済的覇権と軍事力覇権の分離となってきた。 アメリカは当分の間、経済力は弱まっても、他の国より圧倒的に優位な軍事力は維持するだろうからね。A氏:米中戦争による覇権争いは考えられないね。私:また、経済も今までは覇権国家は世界の中心的な生産拠点でもあった。 それが覇権国家と工場が分離するだろうという。 中国やインドのように経済成長をして高い利益を生み出す地域と、世界資本主義を管理する地域が分離する。A氏:要するに覇権が分裂して、経済覇権、軍事覇権、経済の管理覇権が分離するということになるということか。 そういう意味で、ある国が独自の覇権国家になる時代は終わったということかね。 そういう意味で国家が世界的に役割分担して協調いていくルールが必要だね。 今後は国民国家を単位にした国際秩序でなくなる、という大きな変化が考えられることになるのかね。 覇権国家の歴史の終わりだね。私:もう一つ、大きな問題は資本と国家の分離だね。 この分離で深刻なのは先進国だね。 今のように、先進国の資本が後進国の生産現場に結びつき、生産拠点がどんどん新興国に移転すると、先進国の資本は先進国の国民を見捨てることになる。 先進国では資本主義のルール策定や運営にたずさわる人たちは、よりグローバルな世界で大きな利益を得るだろうが、その繁栄の裏では多くの中産階級以下の人たちが没落していくことになる。 いや、現実に没落している。A氏:今までは、先進国は、言わば後進国を搾取して経済発展をしてきたが、オイルショックでその構造が崩れ、後進国が発言権を増し、経済発展をして先進国の仲間入りをしてきた。 それは同時に先進国の搾取構造の消滅だから、先進国は儲ける場がなくなる。私:資本主義の根本的な危機が訪れるのではという。 明日は、再度、歴史的に資本主義を政治体制の変化と関連して考えていこう。
2010.11.25
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超マクロ展望世界経済の真実私:石油市場の動きを歴史的に見ると、1972年にイラクのフセインによる石油の国有化、1973年にオイルショックが起き、石油価格の決定権はOPEC(石油輸出国機構)の手に移る。 それまでは、石油メジャーが油田の採掘も石油の価格も支配していた。 これは帝国主義の名残りだね。 それが崩壊する。 先進国側は反撃する。 1980年代に、石油を金融商品化して国際石油市場を整備して、先物取引などで石油を戦略物資から市況商品に変えた。A氏:石油は領土主権から市場メカニズムのもとに置かれたということか。私:それに、ドルを基軸通貨としてきたのが、1971年のニクソン・ショックによって金の裏づけをなくした。 しかし、冷戦で西側が資本主義体制を維持するためにドル基軸通貨体制を守ってきた。 それが、冷戦が終わったら、ドル基軸通貨体制を裏づけるのは石油しかない。 ところが、イラクのフセインは石油売上代金をドルからユーロへの切替えようとした。 これをやられては、ドルを基軸通貨としているアメリカの「金融帝国」としての根底が崩壊する。 だから、フセインを倒し、基軸通貨としてのドルを守る必要があった。 これが、イラク戦争と関係しているんだね。 アメリカはイラク戦争でイラクの石油確保を狙ったと言うが、もう、そのような領土主権時代ではないね。 それにアメリカは、物量的にイラクの石油に依存していたわけではない。A氏:ドルを基軸通貨としてまわっている国際石油市場のルールを守るための戦争だということか。私:軍事力の行使が、陸地の獲得やコントロールから、経済システムの管理へと変わってきた。 裏にユーロの登場があるね。 ところで、視点をもっとマクロに置いて、資本主義500年の流れを見てみよう。 ある流れが繰り返し存在する。 最初は、イタリアの都市国家のジェノヴァ、ヴェネチア、フィレンツェというところから、資本主義が始まる。 しかし、その都市国家の儲けは減少する。 その後、資本主義の勃興とともに世界経済の中心はオランダに移る。 次に18世紀から19世紀に覇権はイギリスに移る。 20世紀前半にイギリスからアメリカに移る。A氏:繰り返しているようだね。私:共通点は、どの国も実体経済で儲けて、次にその儲けが低下すると儲けたカネで金融拡大を起こす。 そしてある種のバブル経済となる。 金融化が進むとその国の覇権は終わりに向かう。 金融拡大の局面で蓄積された資本が、儲けの多い次の新しい覇権国に投資されていく。 ジェノヴァで蓄積された資本はオランダに投資され、オランダが稼いだカネはイギリスに融資され、産業革命などの生産拡大の後押しをして、イギリスの黄金時代を準備する。A氏:アメリカの金融危機も、戦後に世界的に高度成長をもたらした生産拡大の局面があった。 その後、実体経済では、儲けが少なくなった。 そこで金融拡大の局面に移り、30年ほど続くが、最終的には金融危機となるというわけか。 歴史は繰り返すということか。 オランダの場合はチューリップ・バブル、アメリカはITバブル、住宅バブルだね。 そうすると、今、そのアメリカ金融資本が投資されている中国とか、インドが次の覇権国家になるのかね。私:両氏とも、もっと大きな構造変化が起きるのではないかという。 それは明日の話題にしよう。
2010.11.24
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超マクロ展望世界経済の真実私:俺は水野和夫ファンだから、この新書は新聞広告で知って、すぐ書店で買ったよ。A氏:水野氏は、日本の経済成長神話は終了したという論者で、現在のデフレ脱却のために経済成長をとなえる多くの経済学者やエコノミストから批判されているね。 ある意味、少数派だね。 このブログでは、その知的街道として「下り坂社会を生きる」、「デフレの正体」、「経済成長という病・退化に生きる、我ら」と続いてきたね。私:この本は対談形式だから読みやすいが、奥が深いね。 しかも水野氏の対談相手は、これも異色の政治哲学者の菅野稔人氏だね。 この人は、俺ははじめて知ったが、水野氏より一回り以上年下の気鋭の若手学者だね。A氏:なんで経済に政治がからむだろうね。私:政治抜きでは経済が語れないからだね。 多くの経済学者やエコノミストは、政治と市場経済は独立のものと考える。 しかし、それらは密接に関係している。 例えば、資源価格の高騰だが、これは先進国と新興国のあいだの政治的な力が強く働いている。 新興国の台頭によって、エネルギーをタダ同然で手に入れることを前提にした近代社会の根底が揺さぶられている。A氏:新興国の台頭により、先進国が自分たちの利益を最大化するために、石油などの資源を安く買い叩くという構造の崩壊だね。私:その変化は1970年代から現れている。 先進国の儲けは減少傾向になり、途上国の儲けが上がりだす。 それまでは、先進国が安く原材料を仕入れて高く完成品を売る一方で、周辺諸国は高い工業製品を買って安い原油を売るという構造だった。 1990年代の半ば頃までは、原材料の値上がりは、技術の向上や製品への価格転嫁でしのいできたが、それ以降は限界が来た。 そこで、企業は利益を出すため、今まで固定費だった人件費の削減に手をつけた。 人件費は変動費になった。A氏:だから、日本では02年から07年のリーマンショック以前の6年間は長期の景気拡大をしたけれど、国民の所得は増えなかったんだね。 90年代半ばは、日本では派遣社員や契約社員の非正規労働者が急増した頃で、人件費が変動費になった影響だね。私:資源の高騰によって、景気と所得が分離された。 景気がよくても賃金はあがらないという構造になってきた。 景気が回復するというのと所得が回復するのは別の問題になってきて、連動しなくなった。A氏:先進国は実物経済では稼げなくなったということだね。 背景に先進国と途上国の政治的な力関係の変化があるということか。 経済を市場だけでは語れないということだね。私:先進国では少子化が進んでいるので、国内市場は収縮傾向だ。 そこで先進国は金融で儲け口を見出す。 例えば、最大のエネルギー消費国のアメリカは資源高騰で実体経済の打撃が一番大きかった。 そこで金融経済化の道を進む。 世界の余剰マネーがアメリカのコントロール下に入る。 アメリカの2001年のデータでは全産業の営業利益のうち、金融機関の利益が全米企業の49%を占めるほどになる。 95年から金融危機が起こる08年までの13年間で世界の金融機関で100兆ドルのお金がつくられた。A氏:アメリカの「金融帝国」化だね。私:アメリカだけでなく、先進国の曲がり角に立っていたヨーロッパもシェアが3割で、金融の道を進んでいた。 だから、アメリカだけでなくヨーロッパも今回の金融危機の痛手が大きかった。 明日は、石油価格とイラク戦争の関係に話を移そう。
2010.11.23
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A氏:品質マネジメントシステムの国際規格のISO9001には「予防処置」の要求があるが、先々週の月曜日で扱った「是正処置」とどう違うんだね。私:「是正処置」はなんらかのトラブルが現実に発生したのを受けて、とられる「再発予防処置」だね。 これにも「予防」がつくので混乱しやすいが、あえて、これと対比させると「予防処置」のほうは「『初発』予防処置」だね。 「再発」と「初発」が違うね。 「予防処置」は、トラブルがまだ、現実に未発生だが、発生を予測して、先手を打つ対策だね。A氏:ということはなんらかの行動前に、予防策を立てて、それを実行することかね。私:そうだね。 しかし、ISO9001の規格では、順序からして、一番、最後にこの項目がある。A氏:予防が最後に来るのはおかしいね。私:ISO9001の2000年版と2008年版は、PDCA順に書いてあるということになっているが、これと矛盾しているね。A氏:PDCA 順というのは、Plan (計画)、Do(実施)、Check(チェック)、Act(改善)の順序のことだね。 そうすると、「予防処置」というのは、Plan (計画)の段階でいろいろ「起こりそうなトラブルを予測」して、実際の行動前の計画に織り込むことになるべきだね。私:その通り。 だから、ISO9001では、顧客要求通りの製品を提供するために、企業内で、いろいろな「予防処置」が日常業務に織り込まれていることを要求している。 例えば、仕事を開始する前に、仕事に応じた訓練をあらかじめして、その適切な修得者を配置することを要求している。 機械・設備などは適切なものを仕事の開始前に配置するように要求している。 温度湿度などの作業環境も同様だ。A氏:そして、そこへ顧客から注文が来るね。私:まず、営業では顧客の製品の要求事項を明確にして、注文が来たときに間違いがないか「念押し」をすることを要求している。A氏:レストランに行くとウエイトレスが顧客から注文を聞き、伝票に書いて、さらに復唱して顧客に確認するのと同じだね。 間違ったものを顧客に出さないためのレストランとしての予防行為だね。私:設計では、図面や仕様書が発行される前に、検図、試作をして設計の内容が顧客の要求を満たすものであるかを出図前に確認することを要求している。 購買するには、要求通りのものが納入されるように、あらかじめ業者を評価して選択してから発注することを要求している。 注文内容は購入業者に明確に伝えるようにするように要求している。 次に、製造業者だと、製造工程をきちんときめ、図面通りにできるように計画し、実施段階では、進行中の仕事を監視し測定し、もし、問題があれば、早めに手を打つように要求している。 測定に使う計測機器は、狂わないように、ときどき校正して管理するように要求している。A氏:ISO9001の要求の中核は、まさに「予防処置」要求そのものだね。私:それでも、人のやることだから、全部、予防できなくて、トラブルが発生する。 そのときは、放置しないで再発を予防する「是正処置」の要求がある。 これだって、転んでもタダでは起きないで、「次の行動への予防行為」と言える。 だから、ISO9001のマネジメントシステム規格の基本は、「予防行為」の要求の連続だね。 「予防行為」がその企業のマネジメントシステムにきちんと確立されていれば、顧客は安心出来るというわけだね。A氏:マネジメントの基本的な発想は「先手」だということだね。私:しかし、ISO9001規格そのものが「予防処置」となっているのに、これとは別に、項を改めて、「予防処置」を要求している。 これが規格を理解するときに分かりにくくなっている点だね。 だから、ISO9001規格の「予防処置」の項目を正確に理解するには、このような基礎的なマネジメントの「知的体力」があるかを試されることになるね。 規格の「ケンカ読法」が正確で有効なマネジメントシステムの理解に不可欠だね。
2010.11.22
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私:昨日、インフルエンザ予防接種をしてきたよ。 2千円だね。 そのせいか、ちょっとだるいね。 体調が異常でなければ、予約なしですぐにできる。 インフルエンザの予防接種は、4年前までしていなかったんだが、2008年からするようになったね。A氏:07年の君のブログの「A型インフェルエンザにかかる」と「タミフル体験記?」によるとA型インフルエンザにかかって、こりたとあるね。 インフルエンザの予防接種をするようになったのはそれ以来だね。私:そうだよ。 ブログを見ると、07年11月21日に「インフルエンザ予防接種」とあるね。 その頃かね、「インフルエンザ予防接種無効論」が出たね。 これは厚労省が、対策をしていないと無策だと批難されるので、無理してやっているという意見だね。 理屈を聞くともっともな点もあるが、一度、こりているので、どうしても安全を考えてしまうね。 去年の日記を見ると12月4日(金)にやっているね。 ブログには記録がないがね。 これで毎年連続になった。 効果があったのか知らないが、予防接種をしてから、インフルエンザにはかかっていないね。A氏:副作用はどうだね。私:少し、体がダルイ感じがしたね。 まぁ、ウオーキングもやめ、入浴もシャワー程度にしたよ。 今年もインフルエンザにかからないことを祈る次第だよ。 タミフルはこりたからね。
2010.11.21
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私:17日の水曜日に、なんとなくテレビのチャンネルを回していたら、NHKの番組「ためしてガッテン」で40代のうつ病の人のことをやっていた。 やる気が出ないので、医者に行くと「うつ病」と言われる。 しかし、抗うつ剤を呑んだりしても、改善されない。 長い間、苦しんでいた。 ところが、ある医者に「あなたはLOH症候群の疑いがある」としてその治療を受けたら、すっかり治ったという。A氏:LOH(ロウ)症候群? 今まであまり聞いたことがないね。私:男性ホルモンのテストステロンの減少による病気だという。 ここ5年くらいで明らかになったものだ。 この症候群にかかっている人は、日本では約600万人だという。 この番組では、もう一人、70歳代の人で、筋力が急に衰え、歩くのがしんどく、座っていることも苦痛になり、家で横に寝ころんでいる人の例をやっていた。 LOH症候群は、テストステロンの注射などで簡単に治るという。A氏:うつ病でなかなか治らない人はLOH症候群かもしれないね。 長いうつ病で自殺する人もいる。 その意味では朗報だね。 しかし、大体、男は年をとると男性ホルモンが減少してくるんだから、しかたがない点もあるね。私:この番組では、テストステロンの減少をできるだけ抑える予防策として3つあげているね。 1つ目は、毎日15分程度の軽い運動の継続。 2つ目は、脳でもテストステロンを作っているので、脳活動の活性化として、会話や人との交流だね。 3つ目は、テストステロンの合成を誘導する含硫アミノ酸の摂取だという。 これは玉ねぎとかネギ類に含まれ、切って、すぐに加熱して食するといいという。 しかし、インターネットで「含硫アミノ酸」の多い食品を検索すると、鰹節がトップだね。 それから、カゼインや大豆食品が登場するね。 最後に、LOH症候群の疑いがあるかの「自己診断チェックシート」が説明された。 次のような17問について5段階で評価して、合計点が50点以上なら専門医に行くべきだという。 1.総合的に調子が思わしくない 2.関節や筋肉の痛み 3.ひどい発汗 4.睡眠の悩み 5.よく眠くなる、しばしば疲れる 6.いらいらする 7.神経質になった 8.不安感 9.からだの疲労や行動力の減退 10.筋力の低下 11.ゆううつな気分 12.「絶頂期はすぎた」と感じる 13.力尽きた、どん底にいると感じる 14.ヒゲの伸びがおそくなった 15.性的機能の衰え 16.早朝ぼっきの回数の減少 17.性欲の低下A氏:年をとると、15、16、17は自然にそうなるね。私:まぁ、無理しないで死ぬときは朗らかにポックリといきたいね。 ところで、インターネットで調べると、テストステロンの量を調べるための血液検査には保険がきかず、1万円くらいかかるようだね。 テストステロンの注射は1回あたり、3千円ほどするらしい。 600万人も患者がいるそうで、自殺の原因にもなっているそうだが、保険はどうなるかね。 「ためしてガッテン」はその点の説明がなかったようだね。 俺たちは、今のところ大丈夫だがね。
2010.11.20
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A氏:昨日、高齢者運転免許講習を受けてきたよ。 法の改正で、75歳以上にはさらに認知機能検査が追加になったんだね。 それで、俺は、認知機能検査を始めて受けたよ。私:俺も免許更新が近いので、受けないといけないんだが、認知機能検査って何をやるんだね。A氏:30分間くらいのペーパーテストだね。 テスト用紙が5枚くらいあったかね。 腕時計は外してかばんにしまってください、という試験官の指示で始まった。 何故だろうと思ったら、最初の一問は、今日の日付、曜日、現在時刻を書けとかいう問いがあった。私:どういう認知機能をみているんだろうね。A氏:次は5つの空白のマスが並んでいて、これに例えば、さ行の「さしすせそ」の5文字を逆にそれぞれの枠内に記入するという問題で、これが2問だ。 右から左に記入してはいけないんで「そせすしさ」と書く。私:50音表の記憶の調査かね。A氏:次に、丸を大きく紙いっぱいに時計を描き、11時10分の短針長針の位置を描いてくれとなったね。私:俺みたいに、デジタル時計ばかりに取り囲まれているのは、嫌な質問だね。A:そして最後は記憶力テストだ。 1枚のOHPシートに4つの絵が描いてある。 ラジオとか、オートバイとか、ニワトリとか、ライオンとかだね。 これが4枚あって、合計16の絵が逐次映し出される。 その際、試験官が質問しながら説明する。 例えば、「4つのうち、動物がいますが、何でしょう」と聞く。 皆が絵を見て「ライオンです」という。 これを1つずつやる。私:声に出すとよく覚えるというね。A氏:声を出すのは強制ではないがね。 これを4枚のシートについて連続してやる。 そして、ちょっと時間をおいて、テストペーパーに16の絵の名称を順序不同でいいから何を書いてあったかを思い出して書くわけだ。私:完全に記憶力テストだね。A氏:俺は16のうち、10しか書けなかった。 ところが救いがあって、次のテストペーパーにヒントが書いてあるんだよ。 例えば、「動物は何でしたか」というようにね。 それで思い出して「ライオン」と書く。 ヒントがついたら、不思議に16個全部思い出したね。私:記憶というのはある論理で覚えていると思い出しやすいんだね。A氏:これで認知機能テストは終りで、後は、いつもの通りの3種類の視力検査、ゲーム式のテスト、15分くらいの自動車教習場での運転だね。 運転は、車庫入れ、S字カーブもある。 俺たちの時代にはなかった、道路に車止めのようなものがあり、これに乗り上げ、すぐにブレーキを踏むというのもあったね。 全部で3時間くらいの講習だった。 この講習は受けるだけで落ちるということはないが、7千円の受講料は痛いね。私:認知機能検査の結果はどうなんだね。A氏:最後に検査結果の紙をくれる。 3ランクあって、俺は異常なしだった。 しかし、ランクが低い人は、免許更新後の一定期間内に信号無視や一時停止などの特定の交通違反をすると、警察から連絡があり、専門医の診断を受けるのだという。私:高齢者社会だから、仕方が無いね。 とにかく、半日の試験でご苦労さんでした。 これからも安全運転をしてね。
2010.11.19
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A氏:CM天気図というコラムは毎週水曜日、天野祐吉氏が書いている。 本来、テレビコマーシャルについてのコラムだが、昨日の記事は政治がらみだね。 昨日のコラムの出だしをそのまま転記するよ。 「『尖閣ビデオ大爆発で轟沈した菅内閣』『民主党がわが国を殺す』『菅政権が脅える尖閣ビデオクーデター』『菅外交が日本を滅ぼす』『日本がどんどん縮んでいく』『民主党政権終わりの予感』----。 すごいなあ。マスコミが記事につける見出し(キャッチコピー)を見ていると、日本という国が明日は地球上からなくなっているような、いや、なくなっているに違いない、という気持ちになる。 気の弱い人は、預金をおろしに銀行に駆け出すんじゃないだろうか。 (中略) 近ごろはエスカレートして、集団ヒステリーのようになっていませんかね。 (中略) このほうが「国を滅ぼす」んじゃないかと心配なくらいだ」私:簡潔に今のマスコミの低レベルを指摘した名文だね。 名エッセイだね。 週刊誌もこのところ、毎週のように、ヒステリックなことばを使っているね。 今朝の新聞の週刊誌の広告を見ると「恥をかき続けた哀しきピエロ『菅直人』総理」、「『赤い官房長官』の暴走」、「国民が知らない『異常な人格』」とデカデカ出ているね。 落語の八さん、クマさんが「頭のいい人たちなのに品がねえなあ」と言っていそうだね。 「国家の品格」なんか、吹っ飛んでいるね。A氏:「批評の本質はホメたりケナシたりすることでなく『つくりかえの提案』をすることだと言った人がいる」と天野氏は言って、ロールスロイスの例をあげているね。私:同じ新聞紙面にやくみつるの政治漫画があって「有言実行内閣改メ、やる気ない閣・ない閣総理大臣菅直人」というが載っていたね。 これも「ことばが浮いている」けなし方だけれど、こういうのは漫画くらいでいいのではないのかね。 国会でも野党になった自民党まで、民主党の野党時代と同じように「誰の責任だ」と意味のない追及を偉そうにしているね。 管首相の「最終責任は私にある」という中身のない下らない答弁を引き出しているだけだね。 それで終り。A氏:けなされる方もけなす方も、どっちもどっちだね。 中国の反日運動が形を変えて、日本国内のマスコミに伝染したのかね。 まさか、中国マネーがマスコミの裏で動いているわけでもあるまい。私:それが本当の日本の置かれた問題点だろうね。 この天野祐吉氏の言う状況をやくみつるが政治漫画を描くとすれば、土俵の上で菅首相にマスコミや野党が口汚く罵って、そのツバで管首相が土俵際に追い込まているという画になるかね。 土俵のまわりの観客(中国人もいるかも知れない)は土俵を見ず、あちこち見ていて白けているというのにしてはどうかね。 熱心に土俵を見ているのは中国人の観客だけかもしれないね。
2010.11.18
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私:先日、久しぶりに近くにある総合病院に行ったんだが、IT化が昨年からすすんでいて、全部電子カルテになったという。 診察が終わって、会計も診察券がカードになっていて、それを自動支払機に入れると、支払金額が表示され、駅の券売機みたいに、紙幣とコインで支払いするので、速いね。 釣銭も出る。A氏:電子カルテだと医者はペンや鉛筆の代わりにキーボードだね。私:それなんだよ。 問題を感じたのはーーー。 医者は、あまり患者の方をあまり見ないで、一生懸命、キーを叩いて、パソコンの画面を睨んでいる。 向い合っての会話が減っているのではないのかと思ったね。A氏:携帯電話のメールと同じだね。 目は画面だね。私:それから、入院病棟では、大部屋は数人いて、カーテンで仕切られているんだが、だんだん、カーテンを閉めきっている入院患者が多いそうだね。 おしゃべいりの女性のお年寄りでも、カーテンを閉めきっている人が多いそうだ。A氏:大部屋だと暗くなるのではないの。私:明るいのは窓際の人だけだね。 だから、同じ部屋の患者同士の会話がなくなっているという。 食事のときもカーテン内だ。 食事を配膳する人も、カーテンを閉めきっていられると、ちょっとカーテンを開けるのを躊躇するという。 それに大部屋の場合、入り口に名札が貼られるのが、個人情報保護なのか知らないが、患者が希望しないと空白だという。A氏:見舞い客が困るのではないの?私:そういう人には見舞いがこないのか、見舞いを拒否している嫌がるのだろうね。A氏:孤独死予備軍かね。私:世の中、だんだん、若者だけでなく、顔を付き合わせてのコミュニケーションが全体に希薄になっているようだね。 何故だろうかね。
2010.11.17
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私:尖閣諸島事件を経由して、話を村上春樹の「1Q84」に持って行くよ。A氏:えらく迂回するね。私:まず、例の尖閣諸島の中国漁船衝突問題で、YouTubeに流出した海上保安庁のビデオをインターネットで直接見たよ。 直接見ないで、あうだ、こうだ言いたくないからね。 長いのでいくつかに分割されているね。 最初は漁船の後ろから網を引き上げているシーンがかなり長くあるね。 まぁ、後はテレビでやたら流れているお馴染みのシーンらしいので、それ以降は見るのをやめたね。 全部で40分くらいあるからね。 ところで、尖閣問題でYouTubeをいろいろ検索しているうちに、地デジ9チャンネルの「西部邁ゼミナール」の録画がひっかかった。 このゼミナールでも、尖閣諸島問題を論じていたね。A氏:西部氏は、対中強硬論者だね。私:「西部邁ゼミナール」はその時々の話題をテーマに毎週土曜にゲストを呼んで30分番組として2年前からやっているが、それらが、YouTubeで全部視聴できる。 その中に、今年6月のもので、文芸評論家の富岡幸一郎氏をゲストに呼んだ「1Q84」についての討議があった。 折からの 「1Q84」のブームを扱ったものだね。A氏:ようやく尖閣諸島から村上春樹の「1Q84」にリンクしたね。私:西部氏は、評論家として一応、村上春樹を知っておこうと思い、村上春樹の「ノルウェイの森」を読みだしたが、5ページほど読んで放り出したという。 読書好きの奥さんも20ページほどでやめたという。A氏:やはり、文体だろうね。 「頭がグチャグチャになる」んだろうね。私:富岡幸一郎氏の「1Q84」評は酷評だね。 さらにこんな本がベストセラーになるのは日本の読者もおかしいという。 村上ファンは怒るだろうね。 西部氏は作家の生活体験が希薄なのは問題としているね。 このYouTubeからの富岡氏の情報は「村上春樹『1Q84』をどう読むか」1、2に次いで村上春樹知的街道の1つに追加したよ 俺は、4年前に「ノルウェイの森」を読もうと図書館に予約しようとしたが、待ちが多すぎるので、待ちのない「アフターダーク」を借りて読んだ。 村上作品はこれで終わりだね。 4年前のこの本の読書感想のブログを読むとやはり文体の問題に引っかかっているね。 作品の評価は別にして、これは共通している読者感想だろうね。
2010.11.16
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私:先週の月曜日のブログには、「是正処置」とはISO9001では「再発予防」のことであり、その進め方は、まず「原因」を「特定」し、次にその原因をつぶす「対策・是正処置策」を「決定」し、実行するということだと説明したね。A氏:「特定」という意味は、起きたトラブルの「固有な原因」を絞り込んで明らかにすることだね。 犯罪の「犯人の特定」とは犯人をDNAレベルの固有名詞で明らかにすることだね。私:ある自動車の小さな部品を組み立てている百人くらいの中小企業があった。 顧客からバラの部品を支給してもらい、それを組んで顧客に納入する。 クレームが来たら、「原因」を追及しなくてはならない。 その会社はISO9001をとっていた。 ところが、その会社の社長は 「うちに対するクレームの『原因』はすぐわかるよ。 大抵『組み立て違い』だよ。」 と言っていた。 簡単に言えば、AとBを組むべきなのに、AとCを組んでしまったということだね。A氏:その社長は、「特定」の意味が分かっていないんだね。 それでもISO9001はとれるんだね。私:そうだね。 自動車は多品種生産だから、品種によって、『組み立て違い』の個別の「原因」が異なる。 要するに「何故、その製品では『組み立て違い』をしたのか」という「何故」がない。 ましてや、さらに連鎖する5Wという考えがない。 「特定」の意味を理解していないと、次のようなナンセンスな5Wが発生する。 ある有名なISO9001の指導機関の講習会で「特性要因図の作り方」の例で、次のような5Wによる説明が載っていた。 講師:不良は何故発生する? 受講生:機械の調子が悪いから。 講師:何故、調子が悪い? 受講生:整備しないから。 講師:何故、整備しないか? 受講生:整備をする標準書がないから。 講師:何故、標準書がない? 受講生:PDCAの習慣がないから。 講師:はい、従って、PDCAを回さないことが根本原因だと分かった。 これを特性要因図に表しましょう。 この例は4Wだが、この例がナンセンスの原因はどこにあると思う?A氏:最初から「何の不良」かがあいまいで5W2Hがない。 「特定」のために5Wを使うということが完全に分からず、ただ、「何故」を連鎖して問答しているだけでで、だんだん「特定」するどころか、「拡散」だね。 これでは5Wの勉強になっていない。 講習費を返却しないといけないね。 それに論理的なつながりがメチャメチャだね。 大体、整備する標準書がないから整備しないとか、標準書がないのはPDCAの習慣がないからだというのは、それ自体、論理的に意味を成さないね。私:5Wという形式にとらわれ、それを使う目的を理解しないための最悪の典型的例だね。 それから、よくあるのは、「うちのトラブルの原因は大抵、ヒューマン・エラーだから、対策は『注意するように朝礼で言う』で終わりだ」というところもあるね。 今年の1月29日に新幹線の停電事故があって、1日中ダイヤが混乱した。 「原因」は「パンタグラフの部品交換の際、社員3名が4個のボルトをすべて付け忘れたこと」という単純なもので、それが大事故につながった。 ヒューマン・エラーだね。A氏:これは君のブログにあるね。 「是正処置」は「ボルトなど部品の数量が一目でわかる容器を使用し、修繕の重要作業では『チェックシート』を使うように4月まで整備する」だね。 ボルトの容器を工夫して締め忘れたら、ボルトが残っているからおかしいと気がつくようにしたわけだ。私:トヨタはこれを「ポカヨケ」と言っている。 人間はポカミスをおかす性質があるから、人の注意力でなく、機械的、電気的、治具、容器の形状などの方法でミスを作業直後に知らせるというアイデアを出す。 アイデアを出すのは「知恵」すなわち、「知的体力」の勝負だね。 「注意します」「さらに十分確認します」「徹底します」という言葉が「是正処置」に登場したら、それはその会社の「知的体力」のレベルの低さを示しているね。
2010.11.15
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私:今年、99歳になっていまだに現役の日野原重明氏は、毎週土曜発行のbe紙にエッセイを書いているね。 昨日土曜日のエッセイは例のチリの鉱山の落盤事故に関してのものだが、後半は、氏が直接2日間ほどカンズメにされた危機についての体験談だね。A氏:俺も読んだが、例の40年前の3月に連合赤軍の「日航よど号ハイジャック事件」のとき、よど号の乗客として日野原氏がいたんだね。 しかも、リーダーシップを発揮された。 40年前だから、日野原氏は59歳の時だね。私:赤軍が乗客の一人から「ハイジャック」の意味を聞かれ、赤軍代表が答えられなかったので、日野原氏が後方席から前方に移り、手の麻縄を解いてもらい、マイクで語源を説明したという。A氏:インターネットで検索したら、2010年3月29日の産経ニュースでは、日野原氏の談話として 「乗客の1人がハイジャックとはどういう意味かと質問をしたが、田宮高麿代表も答えられなかったので、私がマイクをもらって『ハイジャックする人が説明できないのはおかしい』といったところ、一同は大笑いして、座が急に明るくなった」 とあるね。私:よど号から解放されて、飛行機から降りる順序を決めるとき、日野原氏は立ち上がって「私は最後でよいです」と言ったという。 これがきっかけで、後方にいた乗客も「前の席の者からにしてよい」と言い出し、皆が納得して順序を決め、一同無事に降りたという。A氏:チリの落盤事故の時も、責任者が最後だったね。私:ハイジャックされたよど号の狭い空間に乗客はカンヅメにされていたわけだね。 そのさっきの産経ニュースでは、日野原氏のハイジャックの説明で座が明るくなり、生きるも死ぬも皆が同じ運命にあるという意識から生じたという。 敵味方の一体感に一同が酔ったといえるのかもしれないとあるね。 3日目に解放されるが、乗客の1人が別れの歌「北帰行」を高らかに吟じ、それに対して赤軍一同が革命歌「インターナショナル」を歌うと、学生時代に左翼運動に参加したと思われる乗客たちが手拍子を取って一緒に歌ったりもしたという。 ウィキペディアの「よど号ハイジャック事件」によると、乗客に、この日に福岡で行われる日本内科学総会に出席途上であった医師が多く含まれていたために、福岡で「病人」との理由で解放された人質の選定に協力を行ったという。 なお、その中に虎ノ門病院院長の沖中重雄や聖路加国際病院内科医長の日野原重明がいたとある。
2010.11.14
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A氏:今朝の朝日新聞の経済面で、各大手銀行の国債保有残高が08年のリーマンショック以来増え続け、5年前より5割近く増えたとある。私:銀行の担当者によると「これはバブルで崩壊が怖い」という。 大手銀行の9月中間連結決算で、純利益倍増というのは、背景に先進国の積極的な金融緩和などで市場金利が下がり、国債価格が上昇したのでその売却益と、償還によって得た利益が前年同期に比べて3倍になったからだという。A氏:原因は金融緩和などで銀行にお金があふれているのに、本業の企業や個人への貸し出しは減り続け、行き場がないからだという。 だから運用益が安定している国債の購入に向かう。私:デフレだからね。 企業は需要減退で、新たな投資には慎重だね。 個人も同様だね。 消費人口と言われる生産年齢人口が2000年頃からドンドン減っているからだね。 消費に慎重な高齢者が増えてきている。 それなのに、政府は需要を増やそうと、国債で借金してでもいろいろカネをばらまこうとしているね。 自民党政権からこの政策はをしても需要は増えない。 バラマキの一つであるエコポイントで少し乗用車や家電製品の需要は増えたが一時的なものだね。 乗用車はエコポイント切れとともに、大きく需要が減少しているね。 だから、企業は投資に慎重になる。 個人の財布の紐も固くなる。 銀行にカネはだぶつく。 それがまた国の借金である国債の購入にまわる。 変な循環だね。A氏:国債バブルも下半期はリスクが増えそうだという。 欧州中心に金利が上昇し、国債価格が下がり出しているという。私:「中小企業や個人向けの貸し出しがの割合が低い」とある経済アナリストは言っているが、消費需要が増えないので当然だろうね。 それ以外に円高で安くなっている海外資産の買収などに事業を広げる必要があるという。A氏:それもすでに90年代の円高バブルの時に大分日本は海外資産を購入して失敗した苦い経験があるのではないの?私:大手銀行による外国の金融機関の買収が計画されているようだね。 火傷をしないように注意すべきだね。
2010.11.13
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私:昨日かね。 例の尖閣列島の中国漁船体当たりビデオの流出で、仙谷官房長官が記者の「ビデオを流出した人に同情の声が多い」という質問に「多いとはどういう情報ですか。 多くないと思いますよ」と返事をしていたが、これはまずいね。 世論調査の質問の仕方で、同情の声が多かったら、どうするのかね。 YouTubeのハンドルネームがセンゴクだしね。 これは60年安保のときに、問題になった岸首相の発言を思い出したからだ。 「国会周辺は騒がしいが、今日も後楽園は満員だったそうではないか」と言ったという。 この発言が問題になるね。 もっとも、後楽園なのか、神宮球場なのか、定かでないらしいが。 これについて、当時、巨人の捕手をしていた森祇晶氏がこの企画に寄稿しているね。A氏:この寄稿で思い出したんだが、60年、昭和35年のプロ野球のセ・リーグでは大洋ホエールズが優勝したんだね。 全く想定外。 巨人は敗れて2位。 大洋は三原修監督で、巨人は水原茂監督。 当時大洋は1954年から59年まで6年連続最下位であり、万年最下位の大洋に名将三原が監督に就任したことは大きな話題を呼んだね。 それが1年で優勝した。 しかも日本シリーズは「ミサイル打線」と言われた大毎オリオンズが相手だ。 これを4連勝(すべて1点差)で破り日本一になる。 「三原マジック」だね。私:この年の三原・水原の対立は「巌流島の戦い再現」と言われたね。 最初の「巌流島の戦い」は、三島が西鉄ライオンズの監督をしていたときの日本シリーズ戦だね。 これは、俺のブログの「稲尾投手の急逝」に書いてあるよ。A氏:負けた水原はこの年、東映フラーヤーズの監督になる。 左遷かね。 巨人は川上哲治監督となり、翌年からV9が始まるね。私:翌61年に「巨人、大鵬、玉子焼き」という子供の好きな物を羅列し、流行語になるね。 60年は、その基礎を作った年と言えるね。A氏:この文藝春秋の企画にその大鵬が寄稿している。 60年は大鵬が初入幕初優勝などで横綱の基礎を築く年で、翌年、柏戸と同時に横綱になる。 大相撲は「栃若時代」に代わって大鵬の時代になる。私:ところで、当時、プロレスは力道山が活躍していた頃だね。 この企画にはプロレスからはアントニオ猪木が寄稿しているね。 彼は、60年にブラジルにいたとき、力道山にスカウトされる。A氏:17歳だったという。 力道山は3年後の1963年になくなるね。私:スポーツでは、他に1960年のローマ・オリンピックで男子体操が団体で金メダルをとる。 以後、19年世界一を維持するね。 考えてみるとプロ野球と相撲はグローバル化のせいか、大きく変わったね。 昔のほうが、スケールが大きかったような気がするね。 とにかく、1960年頃は、日本はまだ、戦後の貧しさを残していたが、この年あたりを境として、ベビーブームの世代が成長しだし、生産年齢人口の増大の恩恵という「人口ボーナス」を受けて、日本は経済高度成長に転換していくね。
2010.11.12
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文藝春秋 2010年 12月号 [雑誌] 私:たまたま、「六〇年安保」を読んでアンテナを張っていたので、今月の文藝春秋の特別企画の「安保と青春・されどわれらが1960」に関心を持って、買ったよ。A氏:俺も「六〇年安保」刺激を受けて買ったよ。 君がとりあげた西部邁氏の感想も載っていたね。私:西部氏は「『莫迦は死んでも治らない』私の出発点」と題して短い記事を書いているね。 やはり、デモの先頭に立った全学連の分派のブントの西部氏にとっては「60年安保」はその後の人生の原点だったんだね。A氏:西部氏によると50年もたってから、今頃、「全学連同窓会」のようなものを喜び勇んで開催し、「なつかしく麗しきあの日々」とやらを思い起こしつつ、「我々は闘ったぞお」と叫んでいる中期高齢者の一群がいるのだという。私:タイトルの「莫迦は死んでも治らない」はそこからきているんだね。 西田氏の当時の思い出は、湿った4畳半でゲジゲジが布団の上にまで這い上がってくる飢えのために幻覚状態だった頃、路上に落ちている吸いかけのタバコを思わず拾おうと身をこごめた頃、を思い出すだけだという。 20歳代前半のその姿は中期高齢者となった現在、思い出したくもないという。A氏:氏は、その活動の中から「人が左翼であるのは、その新旧のいずれかを問わず、人が右翼であるのと同じように、人が莫迦になるための近道である」という真実を少しずつ学んでいったとあるね。私:この企画には当時の全学連財政部長の東原吉伸氏の短い寄稿もあるが、そこで、60年1月16日に岸首相の訪米を阻止しようとした羽田事件でブントから西部氏など幹部の大量逮捕者で出て、保釈金の金策に窮したとあるね。 そこで右翼の田中清玄氏に頼んで出してもらったという。 50年経って、先日、東原氏が西部氏にあったら西部氏が「あのとき保釈されず、あの春に暴れていなかったら、俺の人生も良かれ悪しかれ、かなり違った気がする」と言われたのは皮肉なものだと東原氏は書いているね。A氏:保釈された西部氏は6月3日の首相官邸襲撃事件で再逮捕されたからね。 これが氏の原点になっているね。 保釈されなかったら、この再逮捕はなかっただろうからね。私:半藤一利氏は、当時30歳で「週刊文春」の編集部員。 会社はデモなどの騒乱地に近い場所にあったが、その騒々しさの記憶はないという。 そして、60年の5月19日から6月18日までの1ヶ月間、東京の中心部が革命の坩堝の中にある頃の「週刊文春」の目次を広げたら、安保問題を正面からとりあげた記事は一本もなかったという。 そして6月15日に樺美智子さんの死があった直後の16日に編集会議が開かれ、編集長が来週の緊急特集は「デモは終わった、さあ就職だ」と指示が出たという。A氏:半藤氏は、忘れていたその特集号を見たが、なんと6月14日から毎日のように、東大では、各大企業の要望で就職説明会をしており、6月30日までの半月の間に約百社の一流企業が学生相手に揉み手で説明会を行っていたのだという。 編集長の読みは鋭かったね。私:明日は、その他の人の60年安保をひろってみよう。
2010.11.11
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経済成長という病私:著者は「デフレの正体」同様、日本の人口減少によって、生産と消費の量的な減少は確実であるとしているね。 「デフレの正体」にある「人口ボーナス」や「人口オーナス」という言葉が出てこないのは不思議だね。 エマニュエル・トッドらの人口学者は、識字率の向上と女性の地位向上が、出生率を下げるとしているが、これは発展途上国の場合だね。 もともと識字率が圧倒的に高く、教育水準の高い日本の場合には識字率と出生率の相関は当てはらまない。A氏:勝間和代氏は3女の母親だというし、厚労省の局長だった村木厚子氏も2女の母親だね。私:世界は出生率が異常に高い国と、自然な出生率へと戻っていく社会が共存している。 著者は、出世率の低下は問題にしていない。 人口が減少していく社会の未来は必ずしも暗いだけでなく、むしろ人口適正社会ともいうべき状態を作り出し、人口増加社会が持っていた多くの問題を解決すると著者は言う。A氏:しかし、少子化対策として政府は出世率をあげようと懸命だね。私:出産率を上げるというのは、解決にならないことは「デフレの正体」でも指摘していたね。 率で考えるのはおかしいね。 出産率をあげても母親世代が減少しているのだから、子どもの絶対数は増えない。 分母が減っているのに、率を上げても子どもの絶対数は増えない。 少子化に変わりはない。 人口減少は、経済成長を鈍化させる原因でなく、経済成長の結果だ。 人口を増加させ、経済成長を持続する夢をみるのでなく、人口減少社会を設計すべきだという。A氏:人間で言うと、アンチエージングは問題だね。 いつまでも若い時代を捨てきれない。 しかし、肉体は確実に老いていく。 若い時代への復帰は幻想で終わる。私:人口減少社会は、人間で言えば、老いに入ったということだね。 老人なりの生き方があるのではないかね。 こないだテレビで健康食品のコマーシャルをやっていたが、ある必要な栄養を取るのに、1日に魚10匹を食べないといけない。 それは無理だ。 ところが、その宣伝している健康食品では、1日何粒か飲めばいいという。 一歩、退いて考えると何か論理がおかしいね。 高齢者社会の商業主義はそこまできている。 俺はサプルメントや健康食品はやめることにしたよ。 何か、老体に無理を強いるような気がしたし、幻想に溺れることを意識したからだね。 この本を読んで、俺なりに個人的に実践したことはサプルメントや健康食品からの脱出だね。 本の山からは既に脱出しているが。 俺なりの経済成長神話からの脱却だね。
2010.11.10
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経済成長という病私:図書館で待ちなしで借りた。 読んでいくうちに、繰り返し、同じことが書かれている。 「あとがき」でわかったのは、この本は書き下ろしでなく、いろいろな雑誌に投稿したものをまとめたものだという説明で理解できた。 それから、「贈り物」という言葉が登場したり、不祥事が起きるとマスコミがすぐに一方的な犯人探しをしたりして、知的な視野に欠けているという指摘は内田樹氏の書いたものと似ている。 そしたら、著者は内田氏の小学校同級生で、共著もあるというのでナルホドと理解できた。 もっとも平川氏のほうの文体は読みやすいように感じた。 それは、「あとがき」でこの本にまとめるのに、大幅に修正したということでもわかる。 氏のブログからの引用もあるが、理解のために、言い回しや漢字など一部を修正して掲載したという。A氏:ブログだと一般の読者には分かりにくい文体もあるだろうね。 それにしても、君がブログでとりあげた11月7日の朝日新聞の読書欄の「著者に会いたい」で著者の平川克美氏の記事を見たが、この「経済成長という病」という本にある経済成長否定論は、経済成長論者からは大分、問題にされたとあるね。私:経済成長の論理は、規制撤廃、自由競争、効率向上、テクノロジーの革新、株主への貢献などだね。 一方で格差の拡大、貧困層の発生という負の部分もある。 「年越し派遣村」問題をとりあげているが、企業を擁護するコンサルタントや評論家、そして一部の経営者が、派遣労働者は自らその職を選んだのであり、その働き方が不安定なのを承知していたはずだといい、自己責任論を持ち出す。 それに対して、労働者側からは自己責任論は、企業の責任の放棄であり、自己を正当化するための詭弁だという反論がなされた。 氏は、この場合の自己責任論はそれが正しいか間違っているかでなく「的外れ」であるということを指摘すべきだという。 派遣労働者の中には、選択の自由もない人もいるし、自ら選んだ人もいる。 人間だから、真面目に働く人もあれば、いい加減なやつもいる。A氏:こないだNHKテレビ討論であるトラックドライバーの人が「私が40年間、一生懸命に働いてきたが、、昼間からパチンコ屋にいる多くの若者を見ると、その人達のために私の税金を使いたくない」と言っていたね。 昨年の「年越し派遣村」では、派遣村に来た人々に何万円か現金を渡し、その後、金銭をもったまま行方をくらました人もいるね。私:氏は、それは当たり前のことではないかという。 労働力が商品と同じように必要なときだけ必要な分だけ手に入り、不要になったら返却できるシステムがあり、それが企業側に利益を生み出すなら、企業経営者はその誘惑には勝てない。 今のシステムを温存したままで、それ以上の倫理を企業に求めても、ムダだというわけだ。 同時に派遣社員に対して自己責任を求めるのもお門違いだというわけだ。A氏:経済成長優先のシステムの中では、それは当たり前の現象だということか。私:そのシステムの問題まで追求しないと、この議論は意味が無いね。 話は違うが、この本で扱っていた北九州の病院で看護師が入院患者の高齢者4人の爪を剥がすという事件があったね。A氏:マスコミは、この看護師が老人を虐待しているとしてとりあげていたね。私:当時、テレ朝の報道番組「ザ・スクープ」でこの「爪はがし」は高齢者に多い「肥厚爪」の治療の一環であったと報じていたという。 俺はこれについて納得がいったね。 実は、俺は若い時に無茶な登山をしたせいか、足の両方の親指が「肥厚性爪」なんだ。 水虫の症状に似ているんだが、医者に行っても菌が発見されない。 治療は、大きくなると自分で大きな爪切りで、剥がすようにざっくり切るんだね。 死んでいる爪だからあまり痛くはない。 しかし、孫はこれを見ていると怖がるね。 しかし、俺にとっては治療行為だね。A氏:マスコミの報道は、知性がなくすぐ一方的な犯人探しだね。私:冷静な目で視野を広く持って判断することが必要だね。 明日は、人口問題と経済成長の関係にふれよう。
2010.11.09
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A氏:先々週から毎月曜続いた「環境側面」の「特定」と、「環境目的・目標」の「決定(設定)」の違いは勉強になったね。「設計で電力を使う」は、設計活動にある客観的な事実を定めることだから「特定」。 「設計課で昼休みに消灯する」のは人の主観的な判断が入るから「決定(設定)」だね。 設計課の「省エネ」には、「昼休みに消灯する」以外に、「パソコンの未使用時の自動電源停止」、「パソコン画面の液晶化」など、いろいろ案がある。 それらから人が評価して「昼休みに消灯する」に決めたんだからね。 人の主観的な意思が介在するね。私:「特定」と「決定」の重要な違いの認識は品質のISO9001にもあるんだよ。 何か不良品で顧客からクレームがあったとする。 修理とか、良品との交換とか、当座の処理はするが、ISO9001ではさらに未来に向けて「再発防止」を要求している。 これをISO9001では「是正処置」と言っている。A氏:「是正」というからには「是正処置」は「修正」とか「修理」することかね。私:全く違うね。 「修正」とか「修理」は、トラブルの事後処理だね。 「是正」だけならそういう解釈もできる。 しかし、これに「処置」がついて「是正処置」となると、意味が百八十度違う。 「是正」の「処置」ではない。 再発予防行為だから、未来に向けての「改善」のことだね。 今後の対策のことだね。A氏「是正措置(そち)」とも違うんだね。 これも起きたトラブルの事後処理のことで未来に向けての「改善」を意味しないね。私:「改善」活動に事後処理の「是正」という用語を使ったので、混乱しやすいね。 これは日本語訳だけの問題でなく、もとの英語でも「是正処置」をcorrective action というために、「修理・修正」を意味するcorrectionと混同しやすい。 だから、用語規格に両者は異なるという注記があるくらいだね。 ところで「改善」は、今までの仕事の方法を変更して、良いものにして、2度と同じトラブルを起こさないようにすることだね。A氏:それと「特定」と「決定(設定)」はどうからむの。私:トラブルの再発予防を考えるには、起きたトラブルの「原因」を正確に客観的につかまないといけない。 この原因を捉えることをISO9001では「原因」の「特定」という。 そして、その原因をつぶし、改善となる方法をきめる。 これを「是正処置」の「決定」という。A氏:「原因」を「特定」し、「是正処置」を「決定」するというステップだね。 自社の業務の「環境側面」や「危険源」を「特定」し、その環境影響や危険を軽減する「環境目的・目標」や「労働安全衛生目標」を「決定」するのと同じ順序だね。私:ISO9001をとっても、会社の品質が向上しないという場合、大抵、この「是正処置」をしても再発や再々発していることが多くい。 それは最初のトラブルの「原因」の「特定」が不十分なことがあげられる。A氏:「原因」の「特定」が正確でなく、客観性に乏しいということかね。私:まず、5W2Hと言って、いつ(When)、どこで(Where)、誰が(Who)、何を(What)、何故(Why)、どのように(How to)、どのくらい(How much)というようにもれなく起きた現象を「特定」して把握する。 それだけでない。 Whyについてはさらに、5Wというのがある。 カイゼンで有名なトヨタ生産方式では、「原因」では「特定」が甘いとしてと「真因」という。 「真因」まで「特定」してそれをつぶさないと再発するというわけだ。 「真因」を「特定」するテクニックとして、「何故Why」を次の例のように5回連鎖して追求して問うので、5Wと言っている。 機械が急に停止した→何故か(1W)・ヒューズがとんだからだ→何故とんだ(2W)・渦電流がながれたからだ→何故、渦電流が流れたのか(3W)→潤滑ポンプの汲み上げが不十分だからだ→何故、不十分なのか(4W)→ポンプの軸が摩耗してガタガタになっているからだ→何故、摩耗したのか(5W)→濾過器がついていないので、切粉が詰まったからだ 対策(是正処置)はヒューズを換えることでなく、濾過器の設置だね。A氏:言い換えれば効果的な「是正処置」のためには「原因」でなく「真因」を「特定」するということか。私:ところでこの重要な5Wにもとんでもない誤用がある。 来週はその例についてふれよう。
2010.11.08
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私:今日の朝日新聞は日曜版なので読書欄がある。 いろいろな本の書評があるが、読みたいと興味が沸いて、図書館に新規にインターネットで追加したのは、下記の6冊となった。 1.「抱影」北方謙三 予約待ち125 書評の見出しには「目がくらむほどのハードボイル」とある。 評者は、文体はよけいな説明をせず、ときには読者をまどわせるほど、簡潔を極める。 それと反比例して、描かれる世界は目がくらむほど、豊かに広がるとあった。A氏:村上春樹もハードボイルのチャンドラーの愛読者でありながら、文体はややこしいのと大違いだね。 2.「二人静」盛田隆二著 予約待ち57 本の帯に「リアリズムの名手」とあるが、小説には現代日本社会が抱える、不幸と言い換えてもよいかもしれない問題がこれでもかというほど詰まっていると書評で言っている。 主人公は会社勤務で認知症が進む父を一人で介護。 介護ホームで父の世話をしているヘルパーの女性は、情緒障害の娘を育てている。 離婚した前の夫のストーカー行為に悩まされている。 主人公はこのヘルパーに恋している。 介護制度の不備、貧困、学校のいじめ、介護施設で働く人の待遇問題などが克明に描かれているという。 認知症の進んだ人たちの汚物処理の場面は、目を背けたくなるようなリアリティだと書評は言う。 3.「電子書籍の時代は本当に来るのか」歌田明弘著 予約待ち5 図書館の要旨には次のようにある。 「不透明な先行きに冷静かつ確かな展望をもつために不可欠のポイントを、グーグル、アップル、アマゾンらの最新動向と、それに対峙する日本の出版社・新聞社の試みを丹念に取材・分析することで、浮き彫りにする」 4.「減速して生きる」高坂勝著 予約待ち7 大量生産・大量消費の中で会社の原理にしがみついていた主人公が、みずから原理を転換して、小さなオーガニック・バーを開き、なんとか自分なりの生活を築く話しだという。A氏:「右肩下がりの時代」を先取りしたような生き方だね。 君のブログではすでに成長神話の崩壊、「日本一早い平成史・1989~2009」、「下り坂社会を生きる」、「デフレの正体」と街道が進んでいる「右肩下がり」の知的街道シリーズの1つとなるね。 5.「銃・病原菌・鉄」上巻 ジャレド・ダイヤモンド著 予約待ち114 書評の見出しは「歴史の流れと今を再認識する旅」とある。 図書館の要旨は下記の通り。 「なぜ人間は五つの大陸で異なる発展をとげたのか?人類史の壮大なミステり― に挑んだ話題の書!ピュリッツァー賞、コスモス国際賞受賞」 6.銃・病原菌・鉄」下巻 予約待ち20A氏:下巻の方が、予約待ち数が多いはずなのに、激減しているね。 なぜだろう?私:上下ものはいつもそうだね。 おそらく、ある程度、時間をおいて下巻を頼まないと、下巻が先に来る恐れがあるからかもね。 しかし、この本は推理小説ではないし、過去の歴史物なので、別に俺は逆の順序でいいと思って下巻も同時に予約したよ。 おそらく下巻から先に順番がくるだろうね。
2010.11.07
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私:今日で図書館で貸出し待ちが下のように10冊になったよ。 「次待ち数」というのは、俺が読んだ後に待っている人の数だよ。 「残夢整理」などは、俺が読み終わっても、まだ、40人の人が待っている。 1.「天国は水割りの味がする・東京スナック魅酒乱」予約4/25 待ち数1 次待ち数15 2.「学歴の耐えられない軽さ・やばくないか、その大学、その会社、その常識」予約6/12 待ち数20 次待ち数12 3.「残夢整理・昭和の青春」予約8/8 待ち数8 次待ち数40 4.「特捜神話の終焉」予約8/25 待ち数12 次待ち数26 5.「若者よ、マルクスを読もう・20歳代の模索と情熱」予約9/19 待ち数19 次待ち数4 6.「灘校・なぜ『日本一』であり続けるのか」予約9/19 待ち数12 次待ち数2 7.「2020年、日本が破綻する日」予約10/10 待ち数2 次待ち数15 8.「ネット・バカ・インターネットがわたしたちの脳にしていること 」予約10/15 待ち数49 次待ち数6 9.「移行期的混乱・経済成長神話の終わり」予約10/31 待ち数14 次待ち数18 10.「経済成長という病・退化に生きる、我ら」予約10/31 待ち数0 次待ち数4A氏:「天国は水割りの味がする」は、もう、半年ほど待っているが、そろそろ順番が来るね。 しかも、君の後にまだ、15人の人が待っているとはね。私:「経済成長という病」は、今日、借りた。 この本を読む動機は、「移行的混乱」の著者平川克美氏のインタビューが、10月31日の朝日新聞書評の「著者に会いたい」欄の載ったのを読んだからだ。 平川氏は、「人口減少という日本の歴史上、初の事態を直視したら、経済成長すべしとは言えない」としている。 そして「成長戦略がないことが問題ではない。 成長しなくてもやっていけるための戦略がないことが問題なのだ」という。 そこで図書館にインターネットで予約したら、すでに待ち数は14。 これだとかなり待つようになる。 同じ著者の昨年刊行の「経済成長という病」をキャッチした。 予約はゼロだったが、俺が予約してから「次待ち数」が発生したということは、俺と同じ発想で本を探している人たちがかなりいることが推理できるね、A氏:日本の現代が2000年頃から「右肩下がり」の時代に移行しつつあるという知的街道だね。 このブログでもすでに成長神話の崩壊、 「日本一早い平成史・1989~2009」、「下り坂社会を生きる」、「デフレの正体」と街道が進んでいるね。私:「デフレの正体」の藻谷浩介氏の「人口オーナス」論に対して、同じく日本の人口減少を問題にしている平川克美氏は日本の未来をどのように論じるだろうかね。 楽しみだね。 テーマは実に深刻なんだがね。 「移行的混乱」の図書館の要旨は、次のようだ。 「人口が減少し、超高齢化が進み、経済活動が停滞する社会で、未来に向けてど のようなビジョンが語れるか? 『経済成長という病』で大きな反響を呼んだ著者が網野善彦、吉本隆明、小関智弘、 エマニュエル・トッドらを援用しつつ説く、歴史の転換点を生き抜く知見」 「著者に会いたい」のインタビューで、平川氏は、次のように最後に言っている。 「いずれは人口減少が事態を変え、多くの問題が片づくでしょう。 物事を上手に先送りすることも、大切な解決策の一つなのですよ」
2010.11.06
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ホワイトハウス・フェロー 私:日本は鳩山前首相に典型的に露出したように政治リーダー不在と言われ、その養成制度すらない。 「習近平の正体」を読んでも、中国の政治リーダーはきちんと養成されているようだ。 アメリカではどうかという興味から、この「ホワイトハウス・フェロー」を図書館から2ヵ月半くらい待って借りた。 「ホワイトハウス・フェロー制度」は1964年、当時のアメリカ大統領のリンドン・ジョンソンが未来のリーダーを育てる目的で設立した研修プログラムである。 アメリカの優秀な若者ホワイトハウスに招へいし、1年間フルタイムで行政の最前線で実際に働かせる。 その参加者の職業は軍人や研究者から、コンサルタントまで多種多様。 コリン・パウエル元国務長官もこのプログラムの卒業生だ。A氏:この制度ができてからすでに50年近く立っているが、成果はあるのかね。私:ニクソン大統領は「フェローたちを迎え入れることにより、むしろ私たちの視野が広がった」と評価している。 この制度が始まって5人目の大統領であるレーガン大統領は「この制度は未来のリーダーを育てる手立てとして、行政政府に新鮮な人材を送り込む供給源として、アメリカ社会がどういう業績を奨励し、評価するかを示すシンボルとして機能してきた」と高く評価しているという。 制度設立30周年式典で、クリントン大統領は「党派がいがみ合うこのワシントンで、完全に党派の枠を超えて運営されてきた数少ない制度である。 素晴らしい成功を収めてきた。 いま、この制度の精神をワクチンの形に変えることができるのであれば、いまワシントンで働いているすべての人々にそれを注射したい」と言ったという。A氏:どうやって、毎年選抜されるのかね。私:まず、書類選考で、提出書類は「管理データ」、「資格・資質の説明」、3人以上の「推薦状」の3種類で膨大な量だから文書作成能力が要求される。 推薦状は「大物」の推薦状よりも、よく本人を知っている人の推薦状が効果的。 毎年2月1日が提出期限。 この段階では1000人くらいの応募者があるという。A氏:次は提出された書類の選考だね。私:ホワイトハウス・フェロー事務局で書類の不備がないかチェックされてから、さらに、3人以上のホワイトハウス・フェロー経験者によって書類審査される。 この段階で120人ほどに絞り込まれる。A氏:ホワイトハウスで働くのだから、高度の国家機密にもふれるだろうね。 「身体検査」は行なわれるのかね。私:FBIが行う。 次の段階は、3月から4月にかけて、アメリカ各地の10の都市で面接審査だ。 公平のため、面接官は当日まで明かされないで、面接審査は1日半かける。 人物評価中心だね。 こうして全国で30人ほどの最終候補者が4月に発表される。 最終候補者は、「セレクション・ウイークエンド」という選考会で、ホワイトハウス・フェロー委員会のメンバーによる面接を2日半にわたり受ける。 休憩時間や食事の時間の会話やグループディスカッションの様子も常に監視され、評価の対象となる。 明晰な文書作成能力、協調性、自己中心的な考え方の抑制などがチェックされる。 最後に委員たちによる選考会議で、最初の8~9人はあっさりきまるが、後はいろいろ意見が分かれるという。 最終的に11~19人程度になる。A氏:アメリカのことだから、人種、性別、思想、宗教などの差別はないだろうね。私:もちろんだね。 採用決定後、7月に「配属先決定週間」があり、それぞれ望みの部署の面接を受ける。 そして、決まれば仕事を始めることになる。 中には大統領に接する仕事や、外国の要人がからむ仕事もある。 1年間の任期中、75回程度、大統領を含め、政府高官が出席するセミナーに参加する。 こうして、多様な業界の次期リーダー層が形成されていく。 羨ましい制度だね。 こうして、養成された若者はもう1000人くらいになると思うが、各業界のリーダーとなっていった姿を、この本は具体的な事例で紹介している。
2010.11.05
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スターリンの対日情報工作私:「カチンの森」「モスクワ攻防戦」とスターリン知的街道ができてしまったね。 この本は、図書館からあまり待たないで借りた。 KGBのクリヴィッキーのことから始まる。 クリヴィッキーは1935年に、日独防共協定の交渉進行中、暗号解読書の入手に成功する。 この協定の秘密付属協定まで、スターリンには筒抜けであったという。 クリヴィッキーはスターリン支配の暗黒を知り、身の危険を感じ、フランスに亡命してアメリカに渡り、暗黒政治の実態を回顧録で暴露するが、1941年2月10日にワシントンの安ホテルの一室で謎の自殺をとげる。A氏:日本の暗号はよく解読されるね。私:「モスクワ攻防戦」でふれていたように、独ソ戦で当時のスターリンは、日本が背後から参戦して来るのかの情報が重要だった。 この本ではスターリンが日本からの秘密情報パイプとして、「ゾルゲ」、「日本の機密暗号の解読」、「コード名『エコノミスト』という日本人スパイ」という主に3つのルートがあったことを示しているね。 ゾルゲは駐日ドイツ大使館によく出はいりして、極秘情報を得ていて、1941年の5月には6月20日かその2、3日後にドイツ侵攻があると警告を本土にしていた。 これはスターリンに無視された。A氏:事実、ドイツ軍はまさに6月22日にソ連侵攻を開始しているね それから「モスクワ攻防戦」の本ではゾルゲの「年内に日本軍がソ連を攻撃することはない」という情報でスターリンが東方の軍隊をモスクワ方面に移動するとしているね。私:1941年当時は、ドイツは日本にソ連を後方から攻撃させ、ソ連をサンドウイッチ状態にしたかったが、日本の指導層は南進論、北進論で分裂していた。 ゾルゲは、南進論優勢をスターリンに伝えるが、10月18日に逮捕され、このパイプは切れる。 しかし、この本では、ゾルゲの情報よりも、影響力が大きかったのは、日本の暗号解読であったとあるね。 日本が在外公館宛に発信する機密暗号電報はソ連に解読されていた。 KGBの記録担当のヴァシリー・ミトローヒンがこれらの記録を複写し「ミトローヒン文書」として、ソ連共産体制崩壊後の1992年にイギリスに持ち出す。 この文書によると、日本の暗号解読者はセルゲイ・トルストイという人物であったという。 トルストイの解読した機密電報により日本はソ連を攻撃しないことが明らかになる。A氏:それにより、極東ソ連軍の兵士、戦車、飛行機が対独戦のために、大移動したわけだね。私:2005年にKGBの前身であるNKVDの極秘文書に、1941年頃、日本人スパイからの文書があるというのがわかる。 日本人のコード名は「エコノミスト」だという。 1941年9月6日の南進策を決める「御前会議」の内容なども流れている。 西木正昭氏の小説をとりあげ、情報局総裁天羽英二氏と当時の外務省欧亜局長坂本氏であるとしているという。 しかし、この本の著者の三宅氏は、1954年のラストボロフ事件で逮捕された元北樺太石油労務係長で、当時外務省に勤務している高毛礼茂氏ではないかとしている。A氏:証拠はあるのかね?私:証拠はなく、推定としているね。 スパイというのは、決定的な証拠を残さないから、スパイなのだろうね。A氏:とにかく、日本人の情報管理が無防備に近いのは、伝統的だね。 ロシアの大統領が北方領土まで来たのも、尖閣諸島問題での民主党の外交の弱腰を見ての行動だと有名なソ連評論家が言っていたが、何か裏があるのかね。私:なお、スパイ・ゾルゲは赤軍第4本部の指令によるスパイであったが、日本の検察は、治安維持法違反とするためにコミンテルンのスパイとして扱い、意図的に赤軍との関係を隠したという。 これには、戦時中の日本政府がソ連に対する政治的配慮から故意に行ったという解釈もあるという。 最近の尖閣諸島での船長釈放と似ているね。
2010.11.04
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モスクワ攻防戦私:モスクワ攻防戦に日本が関係するのは、スパイ・ゾルゲを通じてだね。 スターリンは、ドイツの侵攻で追い込まれているときに、背後から、ドイツに呼応して日本が参戦してくるかと心配だった。 もし、日本が攻めて来ないなら、日本の攻勢に備えて置いてある、極東地方の兵士をモスクワ防衛に送り込むことができる。 1941年の8月頃、ゾルゲは「少なくとも、日本は今年中にはソ連に対して戦争はしない」という情報を流す。 ゾルゲ情報をあまり重視していなかったスターリンはようやく9月に信用するようになる。 これにより、シベリア人と呼ばれる極東地域の兵士たちは、10月からモスクワに向かって合計約40万人の兵士が、1941年末から1942年初頭にかけて移送された 防寒具をしっかり着込んだ新たな兵士の到着は、モスクワ防衛軍の状況に劇的な変化をもたらし、モスクワ近くまで進攻していたドイツ軍に衝撃を与える。A氏:ロシアの冬の戦いというのは、近代戦でもそんなにひどいのかね。私:摂氏マイナス20度、30度の世界だからね。 まず、近代戦と言っても馬が重要な役割をする。 ドイツ軍は60万頭の馬を投入する。 ドロ沼にはまった装甲車や戦車も、引っ張り出すときは馬だね。 その馬も冬に強い馬が必要だが、ドイツ軍の馬はそれに適していないので、厳冬になると野外にいるので、人より先に凍死する。 ドイツ軍は冬服の不足などによって、多くの凍死傷者を出す。 冬服の輸送なども、ロシアの鉄道が広軌だし、弾薬輸送が優先され遅れていた。 戦車も厳冬に対する仕様になっていないので、不凍液の不足などによって、その機動力や戦闘能力が著しく低下した。 機関銃の潤滑油も凍るほどの厳寒だね。A氏:ところで、君のブログのジョン・ダワー著「容赦なき戦争」によると、ドイツのスラブ民族への蔑視があり、それが市民の虐殺、捕虜の虐殺が多いことと関係しているというね。 これが、ドイツのヨーロッパ戦争でも西部戦線と、スラブ族などのソ連やその周辺国との東部戦線とは残虐性が違うのだね。 死者の多さは全く違う。 捕虜の扱いもドイツ軍は550万人のソ連人を捕虜としたが、350万人死亡しているとある。 死亡率63%。 これに対して西部戦線の英米人捕虜は約23万、死亡は1万人足らずの4%だとある。私:モスクワ攻防戦には両軍合わせて最高約700万人が投入された。 ソ連兵の捕虜の大半をドイツ軍は殺害した。 ソ連側の戦死者は189万6500人。 ドイツ側は61万5000人。 戦場となった広大なロシアの土地には長い間、戦死者の遺体が放置されていた。 スターリンは遺骨収集をしなかったという。 それに対して、ドイツは戦後、死体は葬ったという。 もっとも、認識票はドイツのものはしっかりしていたので、死体が誰かがわかったが、ソ連兵の認識票はカプセルで腐りやすく、また、縁起がよくないと捨てた兵士もあり、死体の識別は困難だったようだ。A氏:すごい数の戦死者だからね。私:戦後、大分たった今でも不発弾が発見されるという。 あの広大な大地で、4年間も殺し合いをしたわけだから、傷跡も大きいね。 日本も本土決戦をしていたら、どうなったかね。
2010.11.03
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モスクワ攻防戦私:原書の題名は「The Great Battle」で2007年の発行。 「ワシントン・ポスト」が2007年の最良の書として選んだという。 著者はいろいろな人の取材で具体的な史実を明らかにしているね。 約450頁の大著だから、翻訳にも3年ほどかかっているね。 図書館の予約待ち3ヶ月で借りたよ。A氏:独ソ戦では、レニングラード戦とかスターリングラード戦がよくとりあげられるが、モスクワ戦は、あまり有名ではないようだね。私:レニングラードはドイツ軍に包囲されたし、スターリングラードは市街戦となったが、モスクワ攻防戦では市街自体は戦場になっていない。 ドイツ軍の先頭が1941年10月中旬頃、モスクワに後40kmぐらいまで迫った。 東京、横浜間の距離だね。 独ソ戦開始が6月22日だから、ドイツ軍の侵攻はかなり速いね。 しかし、10月中旬というと、モスクワはもう冬で雪が降りだす。 特にこの年は早かったらしい。 冬に無防備に近い状態だったドイツ軍の進撃はそこまでとなった。 12月6日にソ連軍は総反撃に出て、ドイツ軍はジリジリと後退を続ける。 言わば、モスクワ攻防戦は、独ソ戦の勝敗を分けた分水嶺の戦いだね。 それが、この本の中心のテーマだね。A氏:ソ連軍の反撃は日本の真珠湾攻撃が2日後の12月8日だからきわどいところだね。 それにしても、ヒトラーは、ナポレオンがロシアに進行したとき、冬将軍にやられたという歴史の教訓を学ばなかったのかね。私:この本を読むと、ヒトラーは電撃作戦に自信があったようで、冬が来るまでにはモスクワ占領を想定していたようだ。 事実、最初の進撃はすごいスピードだった。 一時、ソ連は、東方のクイブィシェフに首都機能を移転しだす。 ドイツの速攻を許したのは、一つには、スターリンは独ソ中立条約があるので、そんなに急にドイツが攻めて来ないだろうと、油断していたことにあるという。 それにこの東西の専制君主に共通しているのは、幹部の言うことを冷静に吸収できなかったことだね。 ヒトラーは、せっかくモスクワまで近づいたのに、将軍たちの進言を無視して、迂回する。 もっと、ストレートにモスクワに攻め込んでいるか、ソ連侵攻開始を1ヶ月くらい早めにしていたら、冬将軍が来るまでにモスクワを制覇しただろうという。 一方、スターリンも同様で、早くから、ドイツ軍が侵攻してくるという情報を得ながら、最後までそれらの情報を無視する。 そして、無防備状態のところを突かれ、大きな損害をだしながら後退する。A氏:個人独裁の弱点だね。私:ドイツ軍がソ連侵攻を始めた頃、ソ連のT34戦車と遭遇するが、その性能は極めて高く、ドイツ側の対戦車砲では歯が立たなかったという。 だから、ソ連の軍需生産はヒトラーの評価以上にかなり進んでいたようだね。 しかし、この本を読むと、ソ連軍も鉄砲、機関銃、大砲などの基本的な兵器は不十分だったようで、人海戦術でドイツ軍と戦うようになるね。 独ソ戦で、およそ2700万人のソ連国民が犠牲になったが、そのうち、860万人がソ連兵の戦死者だったという。 日本軍のの200万人の比ではないし、それに日本軍の多くは餓死者だ。 ヒトラーが撤退中だった戦争の後半でも東部戦線での戦死者数は、ソ連の方がドイツをはるかに上回り、平均3倍に達したという。A氏:すごい人海戦術だね。 陸上の「特攻隊」だね。私:驚くのは、ソ連の兵隊の後ろに別の「後退阻止隊」がいて、逃亡したり、命令に反して後退したりすると、射殺されたことだね。 それと日本軍顔負けの「生きて虜囚(りょしゅう)の辱(はずかしめ)を受けず」の戦陣訓と同じ指令が徹底していて、捕虜になって、釈放されてソ連軍に戻っても、徹底的な尋問と場合によっては銃殺刑が待っていたという。A氏:だから、兵士は死を覚悟で特攻隊のように前進するしかなかったということか。私:興味があるのは、ソ連の名将、アンドレイ・ヴラーソフだね。 ドイツ軍に捕まるが、寝返り、スターリン政権の打倒、ドイツとの名誉ある和平、粛清の停止、政治犯の開放などを掲げて「ロシア解放軍」を編成。 しかし、1945年にはチェコ人のために逆にドイツに銃口を向ける。 最後にはソ連軍に逮捕され、拷問の末、絞首刑となったという。 ところで、著者は日本語版のはじめに、このモスクワ攻防戦は、日本から遥かに離れた戦いであるようにみられるが、実は日本と深い関係があるとしているね。 明日は、それにふれよう。
2010.11.02
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私:先週の月曜日の「有益な環境側面」のブログを読んだ知人のK氏から個人的にメールをもらった。 K氏の会社はISO9001をとっており、K氏はその管理責任者だ。 環境のISO14001はとっていないが、俺のブログを読んで興味が湧いたらしい。 以下、そのメール。 「ISO 14001における「環境側面」が、OHSAS 18001における「危険源」に、規格の構造上対応していると思います。 これから考えたら、「安全源(?)」などというものが存在するはずが無い、という事になりましょうか? OHSASも、「本業」をやるうえで、副次的に出てくる労働災害をいかに低減するかを目的としたマネジメントシステムです。 例えば、鳶職が「本業」で高所作業をするのは、「高所」という「危険源」に体を暴露しています。 これを「工程改善」で、いかに高所作業を減少するかは、仕事の改善の問題で、即ち、「労動安全衛生目標」で扱うべき事でしょう。 「有益な環境側面」とは、随分無茶な議論が横行していたものだ、と、いささか驚きました。」 このOHSAS 18001というのはOHSAS はオーサスと読む。 Occupational health and safety management systemsの略で、労働安全マネジメントシステムと訳していて、まだ、ISOになっていないが、ISOと同じように、国際規格であり、審査機関で審査して、合格証が発行される。 すでに日本では多くの企業が取得している。A氏:「危険源」というのは?私:企業活動をすると、副次的に働く人は、仕事で怪我をしたり、極端な場合、死亡したりすることもあるし、職業病になることもある。 肉体だけでなく、最近は「うつ病」も問題になっている。 すなわち、副次的に「負傷、疾病などの危害」を働く人に与える。 そのもとになる企業での活動を「危険源」と言うんだね。 「本業」の企業活動の「環境側面」が「自動的」に環境に影響を与えているように、「本業」の「危険源」は「自動的」にその企業で働く人に「負傷、疾病などの危害」を与えるという構造だね。 「環境側面」と「危険源」は「本業」との関係で似た位置にあるね。A氏:工場の中で、健康に良くない有害ガスなど出しているときは、「環境側面」なのか、「危険源」なのか、どちらだね?私:そこが重要な点だね。 環境マネジメントシステムの関心は、工場外に対する環境影響だね。 労動安全衛生マネジメントシステムの関心は、工場内の人の安全衛生だね。 だから、職場内の有害ガスは労働安全衛生マネジメントシステムの問題だね。 企業内の問題に限定されるから、Kさんのいうよう「自動的な安全源」はない。 しかし、その有害ガスが、同時に工場の外に放出されていると、工場外の人の環境影響になるから環境マネジメントシステムの問題だね。A氏:内と外の違いだね。 それにしても、「環境側面」にせよ、「危険源」にせよ、これをきちんとリストアップするのは大変だろうね。私:だから、効果的な環境マネジメントシステムは、「自社のありのままの『環境側面』」をもれなく調査することから始まる。 同様に効果的な労働安全衛生マネジメントシステムは、「自社のありのままの『危険源』」をもれなく調査することから始まる。 これらを規格では「特定する」と言っている。 これに対して、「環境側面」の環境影響を軽減する活動を計画すること、すなわち、「環境目的・目標」を計画することを「決定する」と言って使い分けている。 K氏があげた例の鳶職の「高所作業を減らす」というのは「労働安全衛生目標」で「決定(設定)する」ことになる。A氏:「特定する」と「決定(設定)する」の使い分けがポイントだね。 そうすると先週の月曜の例で「省エネ」が「決定(設定)する」になるときは「有益な環境側面」でなく、「環境目的・目標」の課題ということになるね。 何故なら、ありのままの実態として「特定されない」からだ。私:名答だね。 「特定する」は客観的な事実をそのまま明確にすることだが、「決定(設定)する」は人の主観的な意図が介在するね。
2010.11.01
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