【4-1-1. 政策決定指標】
金融政策
政策金利及び政策発表は、金融政策決定会合終了次第となっており、時間が不定時です。ほぼ正午前後に発表されますが、大きな政策変更があるときには発表が遅れるというジンクスがあります。
現在の関心事は「いつ量的緩和を止めるのか」です。
単純化します。金利がほぼ0でも高齢化によって国内消費が減るなら国内投資に繋がりません。そのために量的緩和に踏み切ったものの、米欧のやり方を踏襲するなら、緩和解除には成長が必要です。がしかし、高齢化による消費拡大による成長が見込めない以上、生産性向上か経常収支改善(JPYベース)が成長には必要です。
変な話ですが、残業規制であれ何であれ人為的に起こせば賃金上昇が生じます。賃金が上昇しても、USDベース輸出単価が一定で円安が進めば、JPYベースでの労働生産性低下が見掛け上は生じません。そして、国内横一列の賃金上昇なら、国内競争で負ける心配もない訳です。
日本も表向きこそCPI上昇(インフレ誘導)を掲げるにせよ、米欧よりも円安・輸出好調がより切実に望まれる構造になってしまったのではないでしょうか。
(1) 政策金利
(2) 金融政策決定会合議事要旨公表
景気指標
短観は日銀金融政策の判断材料とされています。景気指標への反応は、日欧が小さく米英が大きいという傾向があります。報道では大きく扱われますが、ほぼ反応がないため取引は行いません。
4月3日発表では、企業景況感が、大企業製造業/非製造業・中堅/中小企業の全規模で改善していました。この結果は、2016年度が前回調査から増益修正となったことが影響した可能性が指摘されています。2017年度は全産業で増収減益見通しです。雇用人員判断は全規模で大幅な不足超過で、1992年以来の不足超幅でした。
(1) 日銀短観
物価指標
金融・財政政策に影響を与えるため記録していますが、ほとんど動かない指標のため、取引には向いていません。なお、海外におけるコアCPIに相当するのは、全国消費者物価指数のコアコアCPIです。日本におけるコアCPIは生鮮食料品だけを除き、エネルギーを除いていません。
日銀が目標とする物価上昇率2%とはCPIの年率2%を指しています。
(1) 全国消費者物価指数(CPI)・東京都区部消費者物価指数 (2017年1月27日発表結果検証済)
(2) GDPデフレータ速報値 (2017年2月13日発表結果検証済)
【4-1-2. 経済情勢指標】
基本的には、指標結果の直接的影響よりも株価を通じた間接的影響がUSDJPYに影響しているようです。
経済成長
米国・中国・EUに次ぐ経済規模なのに、なぜこの程度しか動かないのか、昔から不思議です。とはいえ、日本指標の中では、速報値発表時にBOJ(日銀)政策金利発表に次いで動くようです。
(1) 四半期GDP速報値 (2017年2月13日発表結果検証済)
国際収支
貿易収支と経常収支で反応に結び付くのは貿易収支の方です。がしかし、発表前後の反応はほとんどありません。反応は09:00からの株取引が始まってからの方が大きく現れがちです。日本の対米・対中収支は、政治的発言・事件によって景気や為替に影響を与えます。
2016年度貿易収支は4兆69億円の黒字で、年度黒字化は6年ぶりです。 対米黒字は6兆6294億円で8.2%減となり、減少は5年ぶりです。なお、2016年度年足は、始値112.6円・高値118.7円・安値99.1円・終値111.4円で、陰線でした。ちょっとマズいですね。
(1) 貿易収支・経常収支 (2017年2月8日発表結果検証済)
(2) 貿易統計(通関ベース) (2017年3月22日発表結果検証済)
実態指標
全体的には反応が小さな指標と言えます。08:50の発表結果は、09:00からの東証寄り付きの反応方向と一致し、且つ、前日までのトレンド方向と一致するとき、10pipsを超える反応となりがちです。是非そういう機会は逃さないようにしたいものですね。
かつてよりも製造業はBtoB(企業-企業間取引)を重視しています。CPIではわからない動きを指標で掴むため、製造業の動向が必要です。日本ではなぜかPPIにあたる指標が全く注目されていません。
(1) 機械受注 (2017年2月9日発表結果検証済)
(2) 鉱工業生産速報値・確報値 (2017年2月14日発表結果検証済)
以上
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