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2024年12月07日

シュマリ(by手塚治虫)

2024年もあと24日となりました。寒いですね。管理人のゆうすけです。
備忘録的に最近読んだマンガの記録をしておきます。

「シュマリ」は手塚治虫のマンガ作品です。
『ビッグコミック』に1974年6月号から1976年4月号まで連載されました。現在でも文庫などの形で読むことが出来るはずです。あらすじはこんなかんじ。
「大月祥馬に妻お妙を奪われた和人シュマリは、東京と改名されたばかりの江戸から北海道へ渡ってきた。アイヌの族長から狐を意味するアイヌ語のシュマリという名前を与えられ、過去と決別してシュマリは北海道の原野をさまよい続ける。ひょんなことから、五稜郭の戦いで隠された黄金3万両の隠し場所を知ったシュマリは、太財一族から土地を買い受け開拓を始める・・・。」
明治初めの北海道を舞台にした壮大なドラマです。なんか「ゴールデンカムイ」に似ているという説もありますが、当然こちらが先です。囚人に財宝の隠し場所を刺青で記して、というネタも出てきますが、わりとあっさりとそのエピソードは終わります。つぎつぎといろいろな事件が起こりますが、基本的にシュマリの腕力とか暴力とかで解決していきます。
個人的に思うのは、このマンガは、原作:手塚治虫、作画:石川賢でやってみたら良かったかなと。
シュマリのキャラクターが、石川賢の描くアウトローに被ります。
派手なバイオレンスシーンもありますので、手塚・石川先生は、天国で合作してほしい。

管理人はこのマンガを図書館で借りて読みました。
昭和63年に購入されて、ハードカバー版なんだけど、ものすごくボロボロになっている。
いったい何人がこれを読んだのか。本が歪むぐらい使い込まれている。
現在は開架書庫には置かれてなくて、収蔵されていたのをピックアップしてもらいました。
手塚治虫はいまでもマンガ家としてはビッグネームですが、じつは最近ではほとんど読まれていない気がする。
「ブラックジャック」「火の鳥」ぐらいなら入手できるけど、「シュマリ」「奇子」ぐらいになるとなかなか本屋でお目にかかれない。昔のマンガはみんなそうですね。
ああ、電子版を読めばいいのか。
そういう時代なんだね。

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感想(0件)


2024年11月24日

大迫力! 異常存在SCP大百科(監修 朝里 樹)

管理人宅の近所には1件だけ本屋があります。
個人でやっている本屋さんはどんどん廃業している昨今ですが、その本屋さんはがんばっています。
ときどき散歩のついでに立ち寄るのですが、最近そこで見つけた本がこれです。

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大迫力!異常存在SCP大百科  2023/11/6
朝里 樹 (監修)
西東社 1430円(税込)


SCPとは、アメリカで生まれた共同創作サイト「SCP財団」の投稿から誕生した創作上の存在です。現代では説明のつかない生物や事象など“異常存在”のことを指します。
「SCP財団は未知の異常存在から人類を守る秘密組織」という設定のもと、世界中のクリエイターが財団と異常存在についての作品を「財団職員による報告書」という形で日々投稿しています。作品はWEB上で誰でも読むことができます。ものすごい数があります。
「大迫力!」シリーズは、この他にも都市伝説や妖怪、危険生物などを図鑑形式で紹介している児童向けの人気単行本です。とうとうSCPに手を出してしまいました。
小学生などに人気が出たので、じつは第2弾も出ています。すごいね。
1巻が2023年10月発売で、2巻目が2024年7月発売。けっこうハイペースだ。
1巻では、特に人気の高いSCP-076「アベル」やSCP-096「シャイガイ」をはじめ、約100件のSCP記事を大迫力のカラ—イラストで紹介しています。
児童向けなので、SCPの内容をかなりざっくりと紹介しています。
立ち読みしただけなのでアレですが、分かりやすいですね。
ただ、オリジナルのペダンチックな雰囲気は失われています。
イラストがメインなので、映像化しにくいものはパスです。
管理人が好きなSCP「ねこです」は1巻に、「終わりなき英雄譚」は2巻に収録されています。
個人的には大人向けのSCP図鑑が欲しいのですが、いずれ刊行されるというか、たぶんコミケで見つかると思います。
できればご近所の本屋さんで買いたいですね。

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感想(11件)


2024年11月17日

セトウツミ(by此元和津也)

「セトウツミ」は此元和津也によるマンガ作品です。
全8巻で完結しています。
此元和津也は漫画家ですが、脚本家としての仕事もしていて、アニメ「オッドタクシー」で脚本を書いています。
マンガのあらすじはこんなかんじ。
「高校生の瀬戸と内海が河原の階段でたわいもない話をするお話。特に大きな事件が起こることもなく、河原での時間つぶしが繰り返されていく・・・」
この作品でウィキペディアを検索すると、壮大なネタバレをかまされますので気を付けてください。
あらすじの項目がとくに危険です。マジで。

管理人は連載中は熱心に読んでいなかったというか、「ヘンなマンガ」だと思っていました。
基本的に川辺で高校生二人が掛け合いしているだけのマンガなのです。
しかも関西弁で。
なんやねん。
と思っていましたが、全巻通して読むと、また別の印象が立ち上がります。
といいますか、「オッドタクシー」の出来がものすごく良かったので(劇場版含めて)その脚本家が描いたマンガはどんなもんだろうと思ったわけですよ。
やられましたね。
基本的に「会話劇」の面白さがいちばんなんですけど、伏線とその回収も見事でした。
マンガ的にはかなり異端で、舞台が「高校近くの川辺」に限定されているので、絵的には厳しいものがあります。たぶん作者には「自分の強みは絵ではなく会話と構成だ」という自覚があったのでしょう。
あまりマンガ的な誇張や省略をせずに、実写的な絵柄で「リアルな会話劇」が描写されます。
高校生が延々と会話する作品といえば、阿部共実の「潮が舞い子が舞い」を思い出しますが、あの作品はこれよりももう少し形而上学的な内容を孕んでいるので、少し味わいが異なります。
「セトウツミ」は、コメディでありながらもサスペンスな要素も盛り込み、一見単調な舞台設定も、会話やカメラワーク、コマ割りで飽きさせない、緊張を維持できる、相当に手の込んだエンタメ作品として成立しており、単なる「日常系マンガ」でくくれない魅力を持っています。
うん、此元和津也君って天才かよ、という気がします。
世の中にはスゲエ奴がいるよね。

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感想(7件)


2024年11月11日

僕の心のヤバイやつ第11巻(by桜井のりお)

2024年11月8日に「僕の心のヤバイやつ」第11巻が発売されました。
アニメが好評だったので劇場版が制作されるとのことです。刮目して待とう。

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11巻は、夏合宿が終わってからのお話。
夏休みの終わりと、二学期が始まってからの学校編。夏祭りや文化祭など、イベント盛りだくさんです。
市川と山田が付き合いはじめてから本格的に学園生活が始まるんだけど、いろいろと前途多難です。
自分の周りの信頼できる友人にはそのことを伝えたいんだけど、うまくいかない。
とくに山田。
いちばんの親友の小林に、まだ言えてない。
一方の市川は、不本意な事件のせいで結果的に足立には伝えられて、少し安心です。
何も知らないはずの小林は、「嘘から出たまこと」じゃないけど、自分で言ったことに自分で気づいた節がある。まあ、気づくよね、さすがに。

11巻では、10巻で出番が無かった半沢さんがご活躍です。管理人的に嬉しい。
山田とデートしていろいろプレゼントをもらったり、山田から貰ったお洋服でおしゃれして夏祭りに出かけたりとか。
コミックスのオマケ漫画では、ふたりの「大人の下着」買い物シーンが見られるよ。
半沢さんは「恋」のなんたるかを探し求めている人なので、ふたりにとっては味方です。
11巻のクライマックス、文化祭でふたりを引き合わせたのは半沢さん。
山田からお願いされていたのかは謎ですが、山田を探してうろつく市川を強引に呼び込んでくれました。
えらいね。
巻末のおまけカットでは、市川総監督が指揮した「巨大ダンジョン」が最優秀賞を受賞したことや、その知らせをLINEで知って喜ぶ山田が描かれています。
中学での市川の実績が着々と積み上げられていますが、はたして本命の高校受験はどうなるのか。
そしてふたりの交際はどうなるのか、という引きで12巻へ続きます。

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感想(0件)


2024年10月26日

玉水物語

玉水物語(たまみずものがたり)は日本の御伽草子のひとつです。
御伽草子というのは、鎌倉時代末から江戸時代にかけて成立した、短編の絵入り物語です。一寸法師とか浦島太郎とか、有名な昔話がいろいろあります。
某日、インターネッツで調べ物をしていたときに、偶然このお話を知りました。
じつはそこそこ有名なお話のようです。ただし、ほかの昔話のように絵本などで知られているのではなくて、最近(2019年)、大学入試センター試験の国語の問題として冒頭部分が出題されて話題になったという理由です。

お話は、あるお嬢様に心を奪われた狐が人間に化けて、そのお嬢様にお仕えするというもの。
作者不詳です。
一般的な異類婚姻譚ですと、姫を見初めた狐は男に化けて姫と恋愛関係になるのですが、このお話では敢えて女性(同性)に化けて姫のもとにお仕えする、という形になっています。
管理人は、当初はセンター試験の問題文だけを読んだのですが、内容があまりに尊いので、ネットで検索して全容を学び、ついでにアマゾンで電子書籍まで買ってしまいました。
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玉水物語(現代語訳)
水谷 悠歩 (著) 形式: Kindle版

御用とお急ぎでない方は、いちど読んでみると人生の糧になるかもです。
管理人がこのお話に心を動かされたのは、昔の試験問題を思い出したからです。
40年以上昔のことですが、某S大学の入試問題で、英語の長文読解がこれに似たお話でした。
いわゆる異類婚姻譚で、メスの狐が男のもとに姿を変えてやってくるお話でした。舞台は中国で、おそらく出典は聊斎志異などの古典だと思われます。
いまだに覚えているのは、出題が試験問題のわりに面白くて正解を書けたからだと思います。
その大学に合格したのは、狐のお話のおかげによるところが大きいのです。
ということで玉水物語。
受験生の方は、勉強の息抜きに読んでみよう。

2024年09月25日

エルフ湯つからば(by西義之)

異世界ファンタジーもので、ながらく謎とされてきた冒険者たちの公衆衛生に関する疑問について、ひとつの答えが出ました。
それがこのマンガ「エルフ湯つからば」です。
作者は西義之。少年ジャンプで「ムヒョとロージーの魔法律相談事務所」などを描いてきた方です。
作品のあらすじというか、世界観はこんなかんじ。
「冒険には心強い仲間や強い武器も必要だが、傷ついた時の癒やしも重要である。浸かればあらゆる疲れや汚れを洗い流してくれるという幻の移動温泉「エルフ湯」。たった一人で温泉を率いる番頭・ユフは、懸命に冒険者の「癒やし」のために風呂を入れてくれるという・・・。異世界を舞台に繰り広げられる、まったく新しい冒険物語、開幕!」
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「エルフ湯つからば」
エルフのユフさんが曳く「移動温泉」

エルフのユフさんが屋台?のお風呂を提供してくれるという、異色のファンタジーです。
西先生、ジャンプの系統出身だけあって、バツグンに絵が上手い。風呂屋台とか薬湯の材料とかユフさんの衣装とか、いろんな細かい部分にデザインセンスの良さが光ります。
(ユフさんの衣装は風呂屋の三助の衣装をモチーフにしていて、異世界感とセクシー度がプラスされています。)
移動風呂のしくみなどは、セリフではなく、絵で見せてくれる辺りが、じつにプロの仕事らしい。

管理人がこのマンガを初めて読んだのは、某SNSです。タイムラインに第1話が流れてきたのを何気なく読んで、その発想のユニークさに驚きました。
エンターテインメントは数多ありますが、異世界とエルフと風呂という三題噺は未開拓でした。
その後、コミックスの1巻を手に入れたので喜んで読んでみました。5話まで収録されていて、どのエピソードも傑作です。
エルフ湯は作中では「伝説」「絵本の物語」ぐらいのレベルで伝わっている「幻の湯」です。
単に汚れを落とすだけでなく、人生を一変させるほどの癒しの効能がある、とされています。
エンタメの王道として「カタルシスを与える」というものがありますが、このマンガは文字通り、登場人物にも読者にも、カタルシスを与える効果をもっています。
その過程についても、セリフではなく「絵」で見せるところがこの作品の見どころです。
コミックスは現在1巻まで発行されていて、連載が止まっていたようですが、再開されるようです。
西先生のご活躍に期待します。

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2024年07月15日

九井諒子 ラクガキ本 デイドリーム・アワー(by九井諒子)

「九井諒子 ラクガキ本 デイドリーム・アワー」は、漫画家・九井諒子が『ダンジョン飯』執筆中に描き溜めた漫画、イラスト、スケッチの数々を収録したフルカラーの豪華本です。
「ダンジョン飯」以外の過去作品も収録されています。

「ダンジョン飯」をアニメや漫画で知って、ファンになった人にはご褒美の一冊です。
アニメでは、エンディングのイラストを九井先生自身が描いていました。
構図とか色使いとか、ものすごく上手かったのでびっくりしましたが、この本を見ると納得します。
すごいです。プロとはこれほどのものかと驚く。
ちなみにEDのイラストについては本編の前日譚を描いているものがあるので、「ダンジョン飯・冒険者バイブル」と併せてみると、それぞれの場面の意味が理解できます。

「作品は読者のモノ、作品の前と後は作者のモノ」という言葉があります。
ひとつの作品には、物語が始まる前と、物語が終わった後があるのですが、基本的にそれは作者だけが知っていればいいものです。また、それを愉しめるのも作者の特権です。
たくさんの設定やキャラクタの隠れたエピソードなどは、すべて作品内で語られるわけではありません。
そういった、作者だけが知っている秘密のアレコレを、惜しげもなく見せてくれるのがこの本と、「冒険者バイブル」です。
見れば分かるとおり、「ダンジョン飯」のキャラクタ達を誰よりも深く考えているのは作者です。
自明のことですが、あらためて「絵」で示されると圧倒されます。

いろいろな設定画に加えて、文字通り白昼夢(デイドリーム)な絵も多数収録されています。
衣装交換や種族チェンジ、現代服を着せてみたり、クリスマスのプレゼント交換をさせてみたり。
ファンならいろいろ想像することを、作者本人が描いてくれる有難さです。
「ダンジョン飯」のキャラクタで、誰かを特に好きになった人は、その為だけに買っても損はしない。
2,000円ぐらいですが、安すぎるね。
管理人は電子版で購入しました。ちょっとだけ中身をご紹介しておきます。

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ライオスのパーティメンバーがそれぞれに合わせたデザインのTシャツを着たイラスト。
デザインの秀逸さと、色の組み合わせの美しさが光る。



2024年06月06日

ダンジョン飯(by九井諒子)

「ダンジョン飯」はアニメで人気の作品ですが、原作は九井諒子氏のマンガです。
2014年から2023年まで「ハルタ」誌に連載され、コミックスは全14巻で完結しています。
管理人はかなり前にコミックスを3巻ぐらいまで読んで、その後はアニメの方だけを見ていました。
アニメの出来がとても良いので、アニメの放送分まで原作を読もうと考えてレンタルしてきたのですが、うっかりと9巻まで借りてしまいました。アニメ放送分だと、7-8巻ぐらいでよかったんだけど、ま、いいか。

サクサクと9巻まで読んでしまったのですが、すごいですね、初連載でこの完成度。
しかも巻を重ねるごとにどんどん上手くなっている。1-3巻ぐらいまでは「まあまあ上手い」レベルでしたが、4巻ぐらいからスイッチが入り、7.8.9巻辺りになると驚異的な上手さに愕然とします。
アニメの方が面白いというご意見もありますが、この原作のクオリティがあって、あのアニメが出来たのだと思います。
九井さんの経歴はネットで調べた限りではあまりはっきり分からないのですが、たぶんどこかの美大を出ているのではないかと思われます。
デッサンがやけにしっかりしているし、素材の描き分けが上手すぎる。人間を含めた動物や魔物のフォルムがしっかりしていて(骨格で描き分けている)、構図が時々絵画風に見えます。
地下迷宮という、描くのが超めんどくさい舞台を楽し気に描いている辺り、ただモノではない。
もともと絵が上手い人が、10年近く連載を続けると、ここまで伸びるのかという見本ですね。
あの「ハルタ」誌で10年近く連載していたというのが、本格派の証拠だと思います。

作品内容についてはまだ最後まで読んでいないので詳しく書きません。
というか、続きが猛烈に読みたいけどガマンしています。でも耐える自信がない。無理かも。
管理人的には、初期Wizardry世代なので、バッチリです。
PC版でプレイしたこともあるし、スーパーファミコン版でも死ぬほどやりこみました。
地下8階でパーティーが全滅して、救助隊を編成して死体回収をやったこともあります。
ゲームをプレイしていた時に浮かんだいろいろな疑問がこのマンガで解き明かされるのが快感です。
(あくまで九井氏の見解・設定ですが、考察が深くて感心します)
などと書いていますが、もう10巻が読みたくて辛抱がたまらん。
どうしよう。

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感想(20件)


2024年05月19日

青春リビドー山(by位置原 光Z )

世界中で局所的に人気が高い位置原光Z(いちはらひかりZ)先生のコミックスを電子版で購入しました。
リアル書店ではあまり見かけません。買うところを人に見られたくないし。
ついでに「いって いっぱい いって」もご購入しました。やったね。
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「青春リビドー山」は2017年~2022年に渡り発表された、位置原光Zの世界観全開なショートギャグ集です。
「いって・・・」のほうは、2021-2023年ぐらいに発表された作品集です。
いずれもかなり下品で性癖が歪んだ男女ばかりが登場します。お子様の手の届かない場所に保管してください。
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内容についてはあまり深く追求しません。
騙されたと思って読んでみてください。騙されますから。
1万年後に人類が滅亡した後で、来訪した異星人がたまたまこの本を読んでしまうとヤバい本です。
「こういう連中なら滅亡するよなあ」と思われそう。いや、違うんです、誤解です。

内容とは別に、作画上のアレコレが気になるマンガです。
99%の確率で言いますが、画用紙にペンとインクで描いています。今どき珍しいアナログ派です。
スクリーントーンが手に入らないせいか、中間色の部分は手描きです。ものすごく雑にフリーハンドで描いています。
ときどき気になるのが、集中線の処理。
いまどきは作画ソフトを使って一発で出来ちゃうんですが、位置原先生は「手描き」にこだわる人なので、なんか味わい深い集中線が多い。だいたい中心がずれていたり、抜きが甘かったり、バランスが悪かったり。
右上の図版の集中線は、なんか投げやりなパターン。じんわりと可笑しい。
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背景も手書きで埋めているので、いまどき珍しいエフェクトがいっぱい見られます。
上の二つはいわゆる「かけアミ」で、左側はとくに「へびなわ」と呼ばれる種類のアミですが、これぐらいヘタクソな「へびなわ」は本邦初かも。昔のアシスタントだったら先生にキン肉バスターかけられそう。
右側は左の絵の数年後に描かれたものですが、とくに成長していない点が素晴らしい。
こういう手描きのいろいろは、じつは作品の世界観的には「アリ」です。
けっこうきわどいネタも、この絵柄でいい感じにまとまっています。
自分の弱点を長所に変えるという必殺のワザを会得している時点で、位置原先生は優勝ですね。
本当に騙されたと思って読んでみてください。騙されるから。

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2024年05月14日

WITCH WATCH(by篠原健太)

「WITCH WATCH(ウィッチ ウォッチ)」は週刊少年ジャンプに連載中のマンガ作品です。
作者は篠原健太。『SKET DANCE』や『彼方のアストラ』の人です。

歳を重ねるとできなくなることが増えていきますが「週刊少年ジャンプを読む」というのもその一つかと思います。中学生のころから毎週読んでいましたが、さすがに還暦近くになるとあの雑誌を読み続けるのが辛くなる。
なにが悪いというわけではないのですが、雑誌の持つ「ノリ」についていけなくなる、といった感じです。
それでも読みたい作品はいくつかあるので、コミックスのほうで読ませていただいております。
「WITCH WATCH」もそういう作品のひとつ。
ときどきレンタルして読みます。
しかも読んだ内容をすぐ忘れるので、毎回、1巻から全部借り直して読んでいる。
今回は1巻から15巻までをまとめて読みました。

うん、面白い。すごく安定感がある。
いちおうご存じない方のために、ざっくりあらすじをご紹介しておきます。
「鬼の力を持つ高校生・乙木守仁は、古い盟約に従い魔女で幼馴染のニコと同居することに!! 魔女修行から戻り、幼馴染との再会にときめくニコだったが、守仁には、予言された災いからニコを守る使い魔としての使命があり…!? “ドジっ子”ニコが突飛な魔法で、回避不能なトラブルを巻き起こす——!! 奇想天外! マジカルコメディ開幕!!」
ということで、メインストーリーには「大災厄からヒロインを守る」というシリアスっぽい内容を置きながら、学園・日常コメディもやってしまおうという欲張りなマンガです。
登場キャラも、魔女、鬼、天狗、狼男、吸血鬼など、正直節操がない。でも不思議と上手くいっている。
基本的に「ざっくりいこうぜ!」というマンガです。

園原健太先生の作品は、いずれもコメディ色が強いのですが、マンガとしてはものすごく真面目で誠実に描かれている点がポイント高いですね。
作画もストーリーも、マンガの教科書みたいです。このクオリティで週刊連載というのがすごい。
ベテランだけあって、いろいろと引き出しが多いというか、キャラクタの立て方が上手い。
敵とのバトルもありますが、陰惨な殺し合いにはならないので、読後感が宜しいです。

管理人が一番好きなエピソードは、コミックス10巻の「憂いの淑女」。
不器用なお嬢様をお助けする話ですが、たまたま週刊誌で読んでしまい、震えながら笑った一編。
あらためてコミックスで読みましたが、やっぱり震えながら笑ってしまった。
ほかにもいろいろ語りたいところが多い作品ですが、あまり話すと野暮になってしまうので、騙されたと思って素直に読んでみてください。
週刊少年ジャンプの良心、かもしれない。

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銀河大計画別館の管理人。 「銀河大計画」は、1993年から細々とやっている同人誌です。 ゆうすけが書いたネタや没ネタなどを、別館で細々と掲載します。どうぞよろしく。 アイコン卵酒秋刀魚さん。
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