“テトロドトキシン”と聞いてまず思い浮かべるのは、フグだと思います。
しかし、フグ以外にもテトロドトキシンを生物がいます。
今回はテトロドトキシンを有するフグや他の生物、症状について紹介します。
猛毒“テトロドトキシン”
出典・ photoAC
フグが持っていることで有名な毒 「テトロドトキシン」。
フグ毒とも言われていますが、フグが生成する毒ではなく、 フグ以外にも保有している生物がいます。
青酸カリの500〜1000倍の毒性を示す猛毒であり、熱耐性があるため300度以上に 熱しても分解されません。
人体に取り込んでしまうと 死に至ることもある 非常に危険な毒です。
フグが中毒死しないのはなぜ?
テトロドトキシンは細菌が貝類などに取り込まれ、それを餌としているフグが食べ、フグの体内で濃縮されて毒性を持ちます。
フグが中毒死をしない理由は、テトロドトキシンに対して高い耐性を持っているためと言われています。
テトロドトキシンの中毒症状
テトロドトキシンを摂取すると、 30分〜数時間 で症状が現れます。
主な症状は身体の麻痺で、急速に症状が進行すると24時間以内に亡くなってしまう例もあるほど危険な毒です。
●消化器系
腹痛、嘔吐
●神経系
初期では指先や口唇の痺れ、進行すると運動麻痺や意識消失、呼吸困難、血圧降下
処置方法
テトロドトキシンは解毒方法が見つかっていないので、体内で代謝によって無毒化され排出されるのを待つしかありません。
そのためには、 麻痺症状が出た初期段階から人工呼吸を継続し、麻痺が無くなるまで呼吸を確保することが対処法になります。
テトロドトキシンを持つ代表的なフグ
最もテトロドトキシンを有していることが多い魚が “フグ”です。
一般的には 肝臓や 卵巣、 皮に強い毒性を持っています。
しかし、フグの種類によって毒を有する部分が異なり、雑種フグのように どこに毒を有しているか分からないフグもいるので注意が必要です。
釣れても自分で捌いてはいけない!
フグは食用にもなっている魚ですが、食用にできるフグの種類や漁獲場所、食べられる部位が決められています。
そのため、素人が調理をすることは出来ません。
フグを調理するときは必ず、フグ調理師免許持つ方にお願いしましょう。
何より釣ったフグを食べないのが一番ですね。
フグ以外のテトロドトキシンを有する生物
フグ意外にもテトロドトキシンを有している生物がいます。
ここでは比較的身近にいる生物を紹介します。
● アカハライモリ
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名前の通りお腹が赤いのが特徴の日本固有のイモリ。
本州から九州の淡水域に生息し、危険を感じるとお腹を見せて毒を持っていることをアピールします。
● ツムギハゼ
熱帯に生息しているハゼ科の魚。
筋肉にテトロドトキシンを有し、他のハゼと見分け見分けがつきにくいので注意が必要。
海外では市場に出回ってしまい食中毒を引き起こしたケースも。
● ヒョウモンダコ
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海水温の上昇により、近年では日本各地で分布範囲を広げている小型のタコ。
食用としてしまった場合だけでなく、唾液にテトロドトキシンが含まれているので、噛まれた場合にもテトロドトキシン中毒を引き起こす。
小型でカラフルなだけに、手に取りたくなる気持ちもわかりますが、近づかないのが懸命です。
● カブトガニ
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生きた化石として、天然記念物に指定されている地域もあるカブトガニ。
近縁種であるマルオカブトガニなどはテトロドトキシンを有している個体もいます。
海外で食中毒を引き起こしたケースがあります。
● スベスベマンジュウガニ
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千葉県から沖縄県に掛けて生息しているスベスベマンジュウガニ。
丸みを帯びたまるでおまんじゅうのような滑らかな甲が特徴。
タイドプール・潮だまりで見かけることが多く、テトロドトキシン以外の毒も持っていることもある猛毒なカニです。
● トゲモミジガイ
日本中部から南側の浅い砂浜などに生息しているヒトデ。
移動の時には管足を使って歩き、見た目に似合わず意外と移動速度が速いのが特徴です。
体内にテトロドトキシンを持っており、食べてしまうと中毒症状を引き起こします。
テトロドトキシンに注意!
フグをはじめ意外と身近に潜んでいる生物も保有しているテトロドトキシン。
保有している生物や万が一の時はどうすれば良いのかを知っておくことが大切です。
水辺のレジャーを楽しむ際には、事前準備を怠らないようにしましょう。
最後までご覧いただきありがとうございます。
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