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12月1日(日) 短歌用語辞典(飯塚書店発行) も(22) もてあます 持て余す(他動詞四段活用)処置に困る。取り扱いに苦しむ。 とほぐもる渚によする白波のこの単調をもてあまし居り 中島栄一 言葉あらく酔ひたる吾をもてあまし吾がよき友ら眠りたるらし 小暮政次 退屈に身をもてあますひまもなし 未知と未見の限界の中 土岐善麿 もてなし 持て成し(名詞)もてなすこと。ふるまい。馳走。取り扱い。 もてなしの酒に足(た)りつつ盃に浮きゐる秋の蚊も呑みにけり 吉野秀雄 やさしかりしはたむごかりしありしままおんもてなしのなつかしきかな 山川京子 (つづく)
2013.11.30
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今日の気持ちを短歌に:後藤人徳の今日の短歌「人徳の部屋」よりhttp://www.izu.co.jp/~jintoku/11月30日(土)すっかりと葉が落ちたれば露(あら)わなり取る人のなき鈴なりの柿明日(みょうにち)の自主防災の訓練に備え点検するは三役市町村対抗駅伝大会の最下位なりしわが町下田対岸の沈む日を受け里山のもみじいよいよ華やぎている十二月になるというのに鶏頭がいまだ紅蓮の花をかかげる南天も千両の実も色づきぬ心が燃えているかのように市の予算削られたれば乗合いのバスは来年三時間待ち肌色に染まりていたり遠山の雲は女性の寝そべるがごと夕方の車はどれもスピードを出して走れり家路急ぐと【送料無料】わが家の天使 [ 後藤瑞義 ]価格:1,260円(税込、送料込)
2013.11.30
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11月30日(土) 短歌用語辞典 飯塚書店発行:(1993年) も(21) もてあそぶ 弄ぶ・玩ぶ・翫ぶ(他動詞四段活用)手にもって遊ぶ。遊ぶ。慰み愛する。 なぶる。 雲南(うんなん)の白き翡翠をもてあそびたなごころ冷ゆ天日(てんじつ)は冷ゆ 葛原妙子 春潮のひびくるまひるま碁石といふかなしきものを人もてあそぶ 岩野亮成 もてあそぶこのひと片(ひら)は天ぎらし降りくる雪の中のひとひら 斎藤 史 (つづく)
2013.11.29
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今日の気持ちを短歌に:後藤人徳の今日の短歌「人徳の部屋」よりhttp://www.izu.co.jp/~jintoku/11月29日(金)ダイソーとのじまの開店待ちわびて今日も新聞チラシ見ている芸術祭反省会に欠席し会長よりの説明うける会長と待ち合わせたる時刻より三十分も早く着きたり明日(みょうにち)は自主防災の準備なり防災倉庫の点検をせんレトルトのごはんカレーに味噌汁で炊き出し訓練準備完了【送料無料】わが家の天使 [ 後藤瑞義 ]価格:1,260円(税込、送料込)
2013.11.29
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鑑賞:歌集「悲しき玩具」(9)(下書き) (注)歌の順序は歌集の順序によります。 いつまでも歩いてゐねばならぬごとき 思ひ湧き来ぬ、 深夜の町町。 死の行軍などという言葉があります。それは、太平洋戦争のときのことで、明治時代の啄木の歌とはもちろん関わりはありません。ただ、この歌から私はその「死の行軍」という言葉を思い出したのです。 「いつまでも歩いてゐねばならぬ」は、「ごとき」がついているので、喩です。ですから、実際には歩きつづけているわけではないのです。何かを継続する、それも楽しいことではなさそうです、どちらかといえば苦行を強いられているといった感じでしょうか。これは結句の「深夜の町町」とくに「深夜」という言葉によってそう感じるのかもしれません。 実際に深夜の町を歩いていたかもしれません、そしてある思いが湧いて来たのも事実だと思います。それが、「いつまでも歩いてゐねばならぬごとき」思いなのです。 自分は、いつまでもこんなことをしているのだろうか、皆が寝静まった深夜まで、今日もまた、…。たとえば、朝日新聞の校正係として夜遅くまで働いていた。啄木としては、不本意な仕事で夜遅くまで働らかされているという気持でしょうか。いつまでこんな仕事で人生を無駄にしているのだろうか、といった気持に近いかもしれません。 問題は、「深夜の町町」です。「深夜の町」なら分るのです。朝日新聞の校正係で、今日も深夜まで仕事をして、東京の町を歩いている。いつまでこんなことをしているのだろうか。まるで、いつまでも歩き続けなければならないような日々だ。 啄木のことをちょっと調べれば、彼が一年ほどの間北海道を、函館、札幌、小樽、釧路と流浪したことが分ります。そこでの啄木はどのような生活であったでしょうか。わたしは、この「深夜の町町」のなかに思いが込められていると思うのです。新聞記者として記事を書いているのと新聞社の校正係の仕事をしているのとの違いがあったとしても、深夜まで一生懸命働いていた点では同じではなかっただろうか。それは、強制ではなくあるいは自分の意志でそのような状態に追い込んでいたのかもしれないにしても、深夜まであるいは酒を飲んでは自分の生活の改善を思い悩んでいたにしても、あるいは友人と深夜まで文学論を語り合ったにしても、「いつまでも歩いてゐねばならぬごとき」思いが、啄木の真実の思いではなかっただろうか。いつまでも歩いてゐねばならぬごとき 思ひ湧き来ぬ、 深夜の町町。
2013.11.28
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11月29日(金) 短歌用語辞典 飯塚書店発行:「短歌用語辞典」(1993年)によるも(20) もて (連語)…で。…によって。…をつかって。「以(も)ちて」の略。 念ひもて人を殺さんたくらみをあわれむ風情あじさいのあお 岸田のり子 はかどらぬ針もてやうやく老母の冬着縫上げ心安けし 三浦すゑ
2013.11.28
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今日の気持ちを短歌に:後藤人徳の今日の短歌「人徳の部屋」よりhttp://www.izu.co.jp/~jintoku/11月28日(木)一センチほどの高さに躓きぬ七十才の現実かこれがこんなはずではなかったに躓きて腹這いのまま考えている山茶花の白き花びら散る今宵ことさら思う亡き子を思ういちょうの葉はや散り初(そ)めぬ輝やける今年最後の勇姿見守るもみじする力なけれど何かせん冬に入る前われ何かせん歌を詠む機械となるな歌詠まぬ人間としてむしろ生きよと短歌滅べ短歌ほろべと叫びたし化石のような短歌は滅べと【送料無料】わが家の天使 [ 後藤瑞義 ]価格:1,260円(税込、送料込)
2013.11.28
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短歌用語辞典 11月28日(木) も(18) もつれる(もつる) 縺る(自動詞下二段活用)からみ合う。 もつれたる糸ほぐすごともどかしく互みに老の話しゐる声 月丘一郎 春嵐はげしく吹けば縺れつつ柳のみどり萌えはじめたり 大林明彦 突っぱってばかりいないで甘えよと鶏頭の葉の縺れる湖畔 秋元千恵子 (つづく)
2013.11.27
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今日の気持ちを短歌に:後藤人徳の今日の短歌「人徳の部屋」よりhttp://www.izu.co.jp/~jintoku/11月27日(水)騒音の訴訟中にて山上に稼動出来ずに風車並べり予定する介護施設の用地なり檜林に囲まれている路地植えのアロエは海に向いており槍の穂先を天に掲げて亡き友の遺歌集のため同人誌三十年分をチェックしている母の歌夫の歌と自らの病気の歌に秀作多し【送料無料】わが家の天使 [ 後藤瑞義 ]価格:1,260円(税込、送料込)
2013.11.27
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後藤早苗の短歌 (注)同人誌「賀茂短歌」(平成二十五年十二月号より転載) あと一切れ残った柿を食べようか食事制限の身には迷える (読売新聞静岡版 よみうり文芸 十一月二十六日 入選 三枝たかゆき 選)
2013.11.27
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11月27(水)短歌用語辞典(飯塚書店発行)も(18)もっとも最も(副詞)何よりも一番に、とりわけ。たいそう。非常に、「もとも」とも。はたらきて生き働けぬ老となり一生の果てもつともさびし 窪田章一郎春の日のかがやく下にあるときにもつともさびし卵といふもの 真鍋美恵子今もつとも美しかるべき少女(をとめ)らのあららぐる言葉に心冷ゆる日 中村克巳(つづく)《短歌新聞社》窪田章一郎紅梅集 窪田章一郎歌集 …現代歌人叢書28 【中古】afb価格:1,000円(税込、送料別)
2013.11.26
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今日の気持ちを短歌に:後藤人徳の今日の短歌「人徳の部屋」よりhttp://www.izu.co.jp/~jintoku/11月26日(火)ふっくらと黄の葉をまとういちょうの木黄落前のいっときを酔うすっぽりと日のかげりたる里山の遠山のみがはなやぎて照るその白き穂をなびかせてススキたち今喜びの舞をまいおり柿の葉のはでさはなくて栗の葉が土色となり土に帰えれり引き出しに枯葉のごとく溜りたる書類を破り整理している【送料無料】わが家の天使 [ 後藤瑞義 ]価格:1,260円(税込、送料込)
2013.11.26
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11月26日(火)短歌用語辞典(飯塚書店発行)も(17) もち望(名詞)望月。陰暦十五夜の満月。ひとところ秋蕎麦の花今さかり望のこよひの月の出(で)の前 岡 麓望すぎて幾夜なるらん庭の木のこもりにいでていざよふ月は 四賀光子月待ちて月待ち飽かぬ伊豆彦の望の夜を来つ雨の夜も来つ 馬場あき子 (つづく)
2013.11.25
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今日の気持ちを短歌に:後藤人徳の今日の短歌「人徳の部屋」よりhttp://www.izu.co.jp/~jintoku/11月25日(月)栃飛龍磋牙司共勝ち越してまた初場所が楽しみとなる霧覆う朝の里山薄化粧したるごとくに紅葉しており寒き雨降る庭隅にふるえつつ八つ手の白き小花輝くわが友はがんセンターに通うらし前立腺はわれも気になる散るときは真赤に燃えてゆきたいとわれも思うよ紅葉のように【送料無料】わが家の天使 [ 後藤瑞義 ]価格:1,260円(税込、送料込)
2013.11.25
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11月25日(月) 短歌用語辞典飯塚書店発行:(1993年)も(16)もち餅(名詞)正月の祝いの膳の主食。年の暮れにつく。また、めでたい時にもつ。「もちひ」とも。たのみたる餅(もちひ)つきあがり重(かさ)ねればゆたけきごとし来む正月は 筏井嘉一馬鈴薯を搗いて飾りの餅となし故国に焦れしシベリヤ遠し 岩野亮成紅白の餅(もちひ)をくれてゆきにけり子を生(な)せるものの声あでやかに 木俣 修(つづく)【ゆうメール便で送料100円】【2,000円以上で送料無料】【国際メール便】【現代短歌鑑賞】鑑賞 ...価格:1,260円(税込、送料別)
2013.11.24
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今日の気持ちを短歌に:後藤人徳の今日の短歌「人徳の部屋」よりhttp://www.izu.co.jp/~jintoku/11月24日(日)ようやくに紅葉いろづく伊豆の山霜踏みて行く朝の散歩にコスモスの茎は枯れるも花びらを保ちていたりすざまじきまで紅葉する天城に向かいサイレンを鳴らして白き救急車走る散るときは血の色をして燃えるがに願いているか赤きさくら葉夕暮は急に冷たき風吹きて枯れ葉の道を駆け下りたり【送料無料】わが家の天使 [ 後藤瑞義 ]価格:1,260円(税込、送料込)
2013.11.24
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11月24日(日)短歌用語辞典飯塚書店発行:「短歌用語辞典」(1993年)によるも(15) もだす黙す(自動詞サ変格活用)ものを言わない。口をつぐむ。だまっている。無口である。沈黙する。病める身はたやすく疲れ遠く来(き)し友に対ひてもだしがちなる。 結城哀草果おほきなる入日目にあり立枯れの原を黙してゆけどもゆけども 米田雄郎こひねがひ潰(つひ)えたる夜を黙しゐて子の万華鏡のさまざま覗く 田谷 鋭もたらす齎す(他動詞四段活用)持って来る。ひきおこす。金にては幸福は齎されぬといふならばその金をここに差し出し給へ 安立スハル耳掻(みみかき)をもつ妻の膝にゐる我に外の月夜は知慧をもたらす 佐藤佐太郎(つづく)
2013.11.23
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十一月号歌評下書き 後藤瑞義(同人誌「賀茂短歌」より転載) 原 明男七年後そんなに遠くなき五輪傘寿のいまに残る明るさ 七年後に東京でオリンピックを開催することが決定しました。作者は、七年後はそんなに遠くないとまず言っています。ここで注目するのは、「そんなに」という言葉です。誰かに、あるいは、ご自分自身の自問かもしれませんが、「七年後、…遠いなあ、生きているかどうかもわからない」と言われたか、そんな思いが少し脳裏をよぎったのかもしれません。それに対して、「いや、七年後などすぐ来るよ、そんなに遠くないよ」とでも言ったのか、自答したのではなかったのでしょうか。今八十歳の作者は、「必ずオリンピックは見るぞ、オリンピックを見るまでは、死なないぞ」と一つの大きな目標を作ったようです。その将来にたいする目標、生きる目標を得たことによって、「明るさ」、将来に対する「明るさ」を得た、そんなふうに思います。 渡辺つぎおむかえさんいつでもどうぞだんだん歩けなくなりますからね 作者は百二歳です。まず、「おむかえさんいつでもどうぞ」と、「ちょっとそこまで」といった感じの言い方です。作者は現在ご自分の足で杖もつかずに歩いています。「だんだん歩けなくなりますからね」、これもそのままの、なんの気負いもなくさらっと言っています。先にも書きました作者のご年齢を考えますと「おむかえ」の内容はたいへん深いものがあります。それをいとも軽々と表現しています。作者はあの世でも歩こうと思っているからこそ歩けるうちに、まだ歩はく力のあるうちにあの世にいきましょうと思ってでもいるような感じがします。この一首は、三十一文字(音)に二文字(音)不足の二十九文字(音)です。ただ、字足らずといった感じは、あまりせず、むしろちょっと息切れがしたって感じでしょうか。「なりますからね」の「ね」がなんとも明るい感じがします。 鈴木菊江召し上れさあたっぷりと大好きな新米のお粥仏前に供う 「召し上れさあたっぷりと大好きな新米」までは、親しい人への明るい呼びかけの声のようです。次の「お粥」で少し感じが変ります。すなわち病人への呼びかけのようだと思うわけです。そして結局、実はこの呼びかけのお相手はすでに亡くなられた方、ご主人への呼びかけであったと分るわけです。この歌でなんといいましても、私の心を強く打ちましたのは、「おかゆ」のひと言でした。これにより作者の心のこまやかさ、亡くなられたご主人に対する深い愛情を感じとったのです。単に新米をお供えするだけではないのです。新米をわざわざお粥にして、亡くなられた人に供えるところに涙が出るのです。 黒田幸子瓢箪の池に生命の誕生のありて泳げる稚魚十一匹 瓢箪の形をした池があるようです。そこに鯉がいて卵が孵化したようです。歌にしているくらいですから、作者としては卵の孵化を感動をもって見守っているようです。いままで余り孵化しなかったのでしょうか。まさか瓢箪に駒ということでもないでしょうが、稚魚が感動的だったはずです。もうひとつは、十一匹です。この数字は一瞥で分る数ではないので数を数えられたはずです。一匹、二匹、三匹…十一匹という具合に…。それほどかわいらしかったのでしょうか。一匹一匹がいとしかったのでしょう。それから、十一という数字も、九・一一とか、三・一一という悲しい記憶が蘇ります。それとともに、なぜか私は、十一面観音菩薩像を思ったりしたのでした。 後藤早苗畑より帰りて服を着替えればダンゴロ虫がポタリと落ちる 一読なんということもない、そのままの歌です。「畑より帰りて服を着替える」という動作に、泥にまみれた感じがあり、農作業を連想させます。それを具体的にしたのが、「ダンゴロ虫がポタリと落ちる」という描写です。「ダンゴロ虫」も存在感を与えていいですが、なんといいましても「ポタリ」に生々しさが出て胸に迫ります。 藤井美智子雨戸くり最大級とふ台風をひとり待つなりケセラセラ云ひ 今年は、大きな台風が続きました。最近も、フィリピンで大被害があったばかりです。そういった最大級の台風という報道に作者は「雨戸を繰りて」備えているわけです。ここでわたしが注目したのは、「繰る」という言い方です。「雨戸を閉める」より具体的に行動が目に浮びます。作者にとっても「繰る」という行動が大切だったのかもしれません。それに、なによりも「待つ」、台風を待つという表現がいかにも作者のある面を表している言葉のようにおもえたのでした。たとえば、待つ人生、耐える人生、…ちょっと深読みというか、これはわたしの根も葉もない想像ですみません。それにしましても、「最大級台風」「ひとり待つ」という心細さに対して「ケセラセラ」 はなんとも軽めの、のんきな、気楽な言葉を配しています。「ケセラセラ」という言葉もある年代にはなつかしい言葉です。ヒチコックの映画なども思い出します、日本ではペギー葉山が歌っていたでしょうか。いろいろ思い出しました。 小池美恵子雷が恐いと泣ける四歳は臍を押さえつ涙をこぼす この歌だけ読みますと、われわれ世代なら納得できる幼子の仕種です。ただ、この前の歌は、「インターネットでしらべましょと母親にスマホ持ち来る孫は四歳」です。インターネットの歌は今日的な、世代の違いといいますか、いまの子はインターネットでなんでも調べてしまう、驚きです。それも、四歳ですから。カルチャーショックということでしょう。それにしましても、この雷の歌はどういうわけでしょうか。まるでタイムマシーンで昔にかえったようです。そういう意味でこの歌を注目しました。これは、四歳の子に昔話を、あるいはおとぎ話を聞かせたのでしょうか。子供の心はやはり昔も今も変らない。文明が発達しても人間の心はそう劇的に変るものではない、そんな思いをしたのでした。この昔話はお腹が冷えないようにするために作られたようですが、理にかなっていると思うのです。【送料無料】わが家の天使 [ 後藤瑞義 ]価格:1,260円(税込、送料込)
2013.11.23
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今日の気持ちを短歌に:後藤人徳の今日の短歌「人徳の部屋」よりhttp://www.izu.co.jp/~jintoku/11月23日(土)千余年津波に会わず過ぎたるや海辺に建てる白濱神社千余年伊豆の浜辺に鎮まれる産土の神白濱神社は幼子が二礼二拍し一礼す丈夫に育てと祈るばかりぞ産土の神社で祝う七五三お神酒(みき)をぐいと幼子が飲む世の中の景気はいかに去年より七五三の子等出席多し【送料無料】わが家の天使 [ 後藤瑞義 ]価格:1,260円(税込、送料込)
2013.11.23
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11月23日(土)も(13)もたげる(もたぐ)擡ぐ(他動詞下二段活用)持ち上げる。起こす。あたたかき焼野の土をもたげゐるさわらびの芽のなつかしきかも 古泉千樫夜の部屋に蟷螂ひとつ迷ひきてふとキリストの顔をもたげぬ 高松秀明地に伏して小花もたぐるコスモスを濡らしゆきつつ秋霖(づゆ)昏し 木俣 修(つづく)《新潮社》伊藤左千夫/長塚節/島木赤彦/古泉千樫日本詩人全集5 伊藤左千夫/長塚節/島木赤彦...価格:1,000円(税込、送料別)
2013.11.22
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今日の気持ちを短歌に:後藤人徳の今日の短歌「人徳の部屋」よりhttp://www.izu.co.jp/~jintoku/11月22日(金)にわとりを飼う楽しみのひとつにて産みたて卵のぬくき感触たっぷりと餌をやりても喧嘩する鳥根性というはすざまじ南天の実も赤くなり豊かなり千両万両後に続いて初霜の予感なりしか布団にて足の爪先冷えたる今朝はマイウエイボリューム上げて歌いおり回覧板の声のするまで気分良くマイウエイをば歌いしが採点なんと七十点なりわの背に並ぶ子なれば問いたれば小学生とはにかみて言う半ズボンはちける体の小学生力士になれと言いて別れぬ対岸の神社の銀杏(いちょう)黄に染まり散る日まではと輝いている【送料無料】わが家の天使 [ 後藤瑞義 ]価格:1,260円(税込、送料込)
2013.11.22
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11月22(金)短歌用語辞典(飯塚書店発行)も(13)もだ黙(名詞)ものを言わないこと。沈黙。何もしないでぼんやりしていること。大鴉一羽渚に黙ふかしうしろにうごくさざなみの列 北原白秋ただひとこと悔みをいひて黙ふかきこの村びとは母とおなじ齢(とし) 岡野弘彦無線兵われ先んじて敗戦を知りし夜の長き黙を忘れず 菊池正吾(つづく)[CD] (オムニバス) よみがえる自作朗読の世界 北原白秋/与謝野晶子/堀口大學・ほか価格:2,050円(税込、送料別)
2013.11.21
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今日の気持ちを短歌に:後藤人徳の今日の短歌「人徳の部屋」よりhttp://www.izu.co.jp/~jintoku/11月21日(木)天城路の昭和の森の庭園に赤に黄色にもみじ輝く母親の薬もらうともみじする天城峠を越えて行きたりコスモスが最後の力振絞り強風に向き花びら保つ山越えの潮風求めつわぶきは頭を西に向けて咲きおりそのままの歌のよさ知りそのままに歌うは難(かた)しことと知りたり【送料無料】わが家の天使 [ 後藤瑞義 ]価格:1,260円(税込、送料込)
2013.11.21
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11月21日(木)短歌用語辞典(飯塚書店発行)も(12) もず鵙・百舌(名詞)くちばしが鋭く頭が大きい小鳥。飛ぶ力が強く蛙・ねずみ・昆虫などを捕食して勇猛。秋に人里近く現れ鋭い声で鳴く。食卓の茄子の漬物むらさきに朝々晴れて百舌鳥のなく声 太田水穂母のなきうつつはありて夕陽さす林に鵙の鋭声ひびかう 松坂 弘赤光りの鵙柿山にただ一つ全身燃えて敗れ来しなり 馬場あき子(つづく)【送料無料】現代短歌の鑑賞事典 [ 馬場あき子 ]価格:2,940円(税込、送料込)
2013.11.20
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今日の気持ちを短歌に:後藤人徳の今日の短歌「人徳の部屋」よりhttp://www.izu.co.jp/~jintoku/11月20日(水) 部屋隅にほこりまみれの内裏雛子の幸祈り飾りたるもの黄の色の褪せ枯れきたるあわだち草猛けしがゆえの哀れさ思うようやくに紅葉始まる里山はいまさんさんと朝の日を浴ぶ農協の共済の人また言いぬあなたばかりが悪いんじゃない事故すれば自働車保険が上がるのは仕方ないです素直なるわれ栃飛龍三勝三敗五分となるあと一番の無事を祈ろう【送料無料】わが家の天使 [ 後藤瑞義 ]価格:1,260円(税込、送料込)
2013.11.20
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11月20日(水) 短歌用語辞典飯塚書店発行:(1993年)も(11)もし若し(副詞)かりに。万が一。あるいは。ひょっとして。「もしは」「もしも」とも。「もしや」の「や」は疑問の助詞。けしの花もろくはかなく散りにけりもし母あらば悲しからまし 茅野雅子昏れ落ちて秋水黒し父の鉤(はり)もしは奈落を釣るにやあらず 馬場あき子我れもしも彼にてあれば如何にせし原爆投下の命受けし兵 近藤 正行き違ひにもしやも家に君来しと心さやぎていそぎ帰りつ 古泉千樫(つづく)【送料無料】風姿花伝 [ 馬場あき子 ]価格:945円(税込、送料込)
2013.11.19
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今日の気持ちを短歌に:後藤人徳の今日の短歌「人徳の部屋」よりhttp://www.izu.co.jp/~jintoku/11月19日(火)餌をやるわれを見つけて金網にわとりたちは犇いている昼食の時間をしばし抜けて来ぬ鶏に餌与える為に枯葉掃くかすかな音たて枯れ葉はくわれの残れる骨のごとくに掃けば散りちりては掃きてだんだんに心鎮まりくるまでを掃く米山寺秋の大祭役員となりて朝より準備している【送料無料】わが家の天使 [ 後藤瑞義 ]価格:1,260円(税込、送料込)
2013.11.19
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11月19日(火)短歌用語辞典飯塚書店発行:「短歌用語辞典」(1993年)によるも(10)もくれん木蓮(名詞)春、葉に先だって紫・白の大きな花が開き、芳香を放つ。木蓮の落花一ひら拾ひ上ぐ女一人生きてゆかねばならぬ 大西民子木蓮の花が見たしとくり返す神のごときを背負ひて降りる 大塚陽子うらうらと春日が霧(き)れば庭かげの白木蓮の青みさびしも 今井邦子(つづく)大西民子【中古】雲の地図 大西民子歌集価格:2,500円(税込、送料別)
2013.11.18
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今日の気持ちを短歌に:後藤人徳の今日の短歌「人徳の部屋」よりhttp://www.izu.co.jp/~jintoku/11月18日(月)うっすらと霧に覆われ里山は紅葉(もみじ)の前の静けさにあり稜線を少し残して里山は眠れるごとく霧におおわる白浜の短歌会には新人が一人増えたり有り難きこと波は打つ波は砕ける波は散る涙ぐましき波の営み今はわれはわれは幸せ今われはわれは幸せ今いまわれはその今が問題なんだ今と言い今と言えども同じ今なし【送料無料】わが家の天使 [ 後藤瑞義 ]価格:1,260円(税込、送料込)
2013.11.18
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短歌用語辞典11月18日(月)も(8)もくせい木犀(名詞)秋に葉のわきに黄や白の小花が群がり咲き、芳香がつよい。閉ざしたる夜の部屋にして一塊(くれ)の香気醞釀す黄の木犀花 葛原妙子葉をもるる夕日の光近づきて金木犀の散る花となる 佐藤佐太郎物音もたてぬ一日と寂しめり木犀の花よるの卓にこぼるる 大西民子(つづく)佐藤佐太郎集 第八巻【1000円以上送料無料】佐藤佐太郎集 第8巻/佐藤佐太郎/阿川弘之【RCP】価格:5,250円(税込、送料込)
2013.11.17
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今日の気持ちを短歌に:後藤人徳の今日の短歌「人徳の部屋」よりhttp://www.izu.co.jp/~jintoku/11月17日(日)冬の日を背後にうけて朝焼ける雲の真下を子と歩きたり一晩中起きてたためか買い物の車の中で子は眠りたり黄の色にいちょうようやく色づきて伊豆はこれから紅葉(こうよう)の時機高き枝になりたる柿は熟れはじめ鳥の餌食になりはてんとす顔くずれ石になりたる地蔵様すべてを容るるごとく立ちおり片側を夕日に向けて立ちている静かに明日に向う樹木は【送料無料】わが家の天使 [ 後藤瑞義 ]価格:1,260円(税込、送料込)
2013.11.17
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11月17日(日)短歌用語辞典(飯塚書店発行)も(8)もがな(助詞)…があってほしいなあ。…でありたいなあ。自己の願望を示す。「もがも」「もが」とも。この浦の木槿花咲く母が門(と)を夢ならなくに訪はむ日もがな 明石海人病む夫も今日の眠りに入りぬべし星光くだる夢の炎もがも 浜田陽子あたらしき命(いのち)もがもと白雪のふぶくがなかに年をむかふる 斎藤茂吉(つづく)【送料無料】万葉秀歌(上巻)改版 [ 斎藤茂吉 ]価格:840円(税込、送料込)
2013.11.16
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今日の気持ちを短歌に:後藤人徳の今日の短歌「人徳の部屋」よりhttp://www.izu.co.jp/~jintoku/11月16日(土)子の迎え忘れていたりあわてればスピード注意背に妻の声黄の信号止まらざりしもかくばかり彼岸の道も急げるわれか経済が優先するや変換を押せば単価が最初に出たり「なんだこれ」という作品を好みたり金子光晴岡本太郎わが罪にあらずすべては神よりの賜物なりと思うやすらぎ【送料無料】わが家の天使 [ 後藤瑞義 ]価格:1,260円(税込、送料込)
2013.11.16
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白浜短歌会歌評下書き(2) 後藤瑞義 G子さん若き日に姉と唱ひし「青春日記」テープをかけて独り聞きをり迷ふこと今なにもなくおほらかに秋の雲ゆくを窓越しに見る正月用一抹の不安も消へて年あらた希望をもちて明日へとむかふ1お姉さんはご健在でしょうか。「青春日記」という歌は残念ながら知りませんが、題名が示すように、若い頃の色々なことが思い出されるのでしょう。特にお姉さんとの思い出。「独り聞きをり」に思いがこもっています。2.「迷ふこと今なにもなく」の「今」に思いがこもっています。色々迷っていたのでしょうか、しかし、今はその迷いもふっきれたということだとおもいます。「おほらかに」に作者の思いがこもっているのでしょう。「窓越し」は色々想像されます。例えば病院のベットで寝ているとか、病院でなくとも自宅で寝ているとか。しかし、思いはあくまでも「迷うことなし」「おおらか」なのだと思います。3.二首目と連動しているような歌です。「希望をもちて明日へとむかふ」が新年詠にふさわしいと思います。 原 明男木に攀(よ)じて熟れし木通を捥ぎたれど少年の日の高きに竦(すく)むあの島に天災地変ありしとは思えずに立つ浜の夕凪正月用男の孫の夢膨らみてゆくらしも補助輪はずし大道をゆく 1.木によじ登ってアケビを取ったのでしょうか。少年の頃はらくらくに登った高さを身のすくむ思いで見下ろしているのでしょうか。年取ったなあと実感しているのでしょうか。 2.あの島というのは、台風で山崩れして大被害を受けた大島です。もっと遡ればあの噴火もありました。まさに天災地変です。今夕凪の白浜の浜辺に立ちて深い感慨にふけっている作者なのでしょう。3.お孫さんが自転車の補助輪をはずして乗っている。まず作者はこの光景を目撃したのでしょう。そして、たいへん喜んだはずです。独り立ちするお孫さんの成長を実際に確認できたのですから。その喜びが、「孫の夢膨らみゆくらしも」と思わせたのでしょう。実はこれは、作者自身の夢が膨らんだのかもしれません。とくに男のお孫さんですので。その余韻は、「大道をゆく」といった表現につながったのでしょう。男性としては、胸を張って堂々と大道を歩いて生きて行ってくれというのが作者の願いでもあるのでしょう。【送料無料】わが家の天使 [ 後藤瑞義 ]価格:1,260円(税込、送料込)
2013.11.16
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白浜短歌会十一月歌評下書き(1) 後藤瑞義 A子さん 夕映えに照らされ美しうろこ雲大空一面何処へ流るる 枯葉散り風に誘われころころと小鳥と思えば落葉の動き 正月用 年老いし我に寄り添う可愛い子(二才曾孫)片事おしゃべり珍紛漢紛 1.夕映えのうろこ雲が大空一面にうつくしいのでしょう。「美しい」は、夕映 えだけで十分出ているようです。ただ、結句の「何処へ流るる」に作者のこ ころが反映されているようにも思えます。「美しい」とこいうことばはあまり使 わないで作る努力も大切だと思います。 参考:夕光に照らされているうろこ雲大空一面何処 (いずこ)へ消える 2.枯葉に作者の思いを託しているようにも思えます。 参考:枯葉散り風に誘われころころと小鳥のように転がりてゆく 3.「可愛い子」は「二歳の曾孫」のほうが良いと思います。「可愛い」ということばもな るべく使わない努力も必要だと思います。 参考:年老いし我に寄り添う二歳の曾孫片事おしゃべり珍紛漢紛 十一月 B子さん 故郷の空見上げるに海風は我にはげしくゆさぶりかける やさしさの声にあまえて話したるますます甘え心やわらぐ 1.なかなか心理的な、深みのある歌だとは思います。ただ、なかなかむずかしい歌 だと思います。「空」が出て来て、「海風」が出て来る。「見上げるに」の「に」はどうい う意味でしょうか。「見上げる時に」の「に」でしょうか。「見上げているのに」の「に」で しょうか。故郷の空を見上げているのに、祈るような気持で故郷の空を見上げている のに、冷たい海風がわたしを激しくゆさぶりかける…。そんな想像をしました。 参考: 故郷の空見上げるに海風は我をはげしくゆさぶりかける 2.心理的な歌です。気持はよく出ていると思います。「話したる」は「話したり」とここ でひと息いれることも出来ると思います。あるいは「話しつつ」などとしても良いかもし れません。 参考:やさしさの声にあまえて話しつつますます甘え心やわらぐ 3.新年詠はお休みするとのことですが、新年を意識しなくてもいまの気持を歌ったも ので結構です。本来それがほんとうです。 H子さん(新人) 生きる糧ひとつふえたり短歌会拙き我も共に歩まん 新年詠 書き初めの習字懐かしお正月あふれる未来も頓着なくて 登校し歌ってお饅頭 ( まんじゅう )お土産にバナナ世代の元旦のこと いちょうの樹ぼうずになりて空高く迎える新年幸多かれと 1.短歌は自分の思いをあらわすのに適しているといわれます。ただ、なかなか気持 を歌にするのは結構むずかしいのです。この歌など素直な気持が出ているように感じ ます。「ひとつ」がいいと思います。 参考:生きる糧ひとつふえたる短歌会拙き我も共に歩まん 2.(わたしの説明不足でした。新年詠は一首でよかったのです。) 子供の時の、楽しい思い出でしょうか。「希望」などの文字も書いたでしょうか。 あのころもう少し「希望あふれる未来」を考えておけばよかった。未来のことなど 頓着しないで無邪気だったなあ。そんな昔が懐かしい。新人の歌としては上出 来だと思います。 参考:書き初めの習字懐かしきお正月あふれる未来も頓着なくて 3.これもわたしなどにはよく分る歌です。もう少し個性がほしい気がします。ちょっと 一般化しています。しかし、新年詠に、こういう記憶がよみがえったのは個性的かもし れません。バナナ世代も、元旦と組み合わせると個性的になっているかもしれませ ん。 参考:登校し紅白饅頭いただきしバナナ世代の元旦のこと (注)「し」は、過去の回想の助動詞「き」の連体形。 4.「いちょうの樹ぼうずになりて空高く」は短歌の基本である写生に基づいているよ うです。この点が他の三首と違います。こちらのほうが基本に忠実のようですので、 最初はこのように歌ったらよろしいと思います。銀杏の樹が葉を落として空高く聳えて います。その姿に何か祈りのようなものを感じたのでしょうか。そんな気がします。「空 高く」がよいか、「空高し」がよいか。「高し」だとここで終止し、次に続きます。 参考:いちょうの樹ぼうずになりて空高し迎える年の幸よ多かれ 関連はありませんが、過去のわたしの歌に下のような歌があります。 葉の落ちて初めて知りぬ枝全て天に向うがごとく伸びるを C子さん 今迄は五分もあれば乗れたのに転居してからバスは遠くなったり 村祭り白浜名物サンマ寿司娘の許へ今年も届けぬ 本年はなり年なのか渋柿は花のごとくにみごと実のなる 1.「なったり」は「なりたり」でどうでしょうか。転居前の住みなれた住居の便利 のよさをなつかしんでいるのでしょう。それは、バスだけのことではないように思 いました。 2.そのままの歌です。そのままがいいと思います。それにより、村祭り、サンマ寿 司、娘などの言葉が生きてくるようです。「サンマ寿司を」と「を」を付けるとメリハリが つくように思います。 3.「花のごとくに」というたとえが、ユニークです。「渋柿は」の「は」は「渋柿が」と 「が」のほうが自然な感じがします。 D子さん 三姉妹そろって作る祭ずし絆かたしと寿司をにぎりぬ 空もよう見ながら始める冬仕度じゅうたん敷けば足もと温くき 正月用 今年またつつがない日々おくりたく心新たに初詣する 1.これはこれでよろしいと思います。「絆かたし」の「かたし」はよろしいのでは ないでしょうか。 2.「空もよう見ながら始める冬仕度」というのに、ちょっと注目しました。わたし なら、「曇り空見上げ始める冬仕度」などとするかもしれません。「じゅうたん敷 けば足もと温くき」はちょっと平凡か。 参考:曇り空見上げ始める冬仕度じゅうたん敷けば足より温くき 3.新年詠の見本のような歌です。今後はあまり新年にこだわらず作ったらよい と思います。 E子さん 打ち上がる花火の光大島に白濱神社の神の祈りぞ 朝の窓小学生のランドセル八人列なし冬の朝 1.花火が上がったのは大島にではなくもちろん白浜に上がったのでしょう。 参考:打ち上がる花火の光は大島よ白濱神社の神の祈りぞ 2.結句の「冬の朝」は字足らずです。「朝の窓」「冬の朝」の「朝」のダブりが少 し気になります。 参考:窓に見る小学生のランドセル八つ列なし冬の朝行く F子さん 夕映えに染まり拡がる鰯雲病もつ身の心なごめり 吟の道共に学びし親友逝けり癖ある吟と笑顔残して 直線に蒔いたる筈の小松菜が斜めに曲がり芽を出しており(をり) 正月用 あらたまの年を迎えて祈るなる此の一年も健やかであれと 1.鰯雲は大漁の兆しともいわれます。その鰯雲が夕映えに染まり黄金色をしている のでしょうか。上の句の写生が下の句の思いを納得させます。よいと思います。 2.いいですが、「癖ある吟」という言葉にちょっとひっかかりました。参考は、あくまで参考です。 参考:自らの詩吟を癖があると言い笑いていたる親友逝けり 3.「をり」は旧かなです、「おり」でいいと思います。そのままの歌です。それだからこ そ滲み出るものがあります。4.お気持は分りますが、新年詠だからといって、必ずしも、新年を歌いこむ必要はないでしょう。たとえば、一首目の歌などよろしいではないでしょうか。 (つづく)
2013.11.16
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11月16日(土)短歌用語辞典(飯塚書店発行)も(7) もえる(もゆ)燃ゆ(自動詞下二段活用)火がついて炎が立つ。光を放つ。鮮紅色に輝く。情熱が盛んに起こる。もえ のこる ほた の ほかげ に さしのべし わが あし くらし みゆき ふる よ を 会津八一牡丹雪ふりいでしかば母のいのち絶えなむとして燃えつぎにけり 坪野哲久噴き出ずる花の林に炎えて立つ一本の幹、お前を抱(いだ)く 佐佐木幸綱肺尖(はいせん)にひとつ昼顔の花燃ゆと告げんとしつつたわむ言葉は 岡井 隆(つづく)【送料無料】今はじめる人のための短歌入門 [ 岡井隆 ]価格:740円(税込、送料込)
2013.11.15
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今日の気持ちを短歌に:後藤人徳の今日の短歌「人徳の部屋」よりhttp://www.izu.co.jp/~jintoku/11月15日(金) 人身に被害なければ撤去車の小雨の道に虹が残れり今日もまた喪中はがきが届きたり母九十二歳兄七十五歳高校の三年間を過ごしたり神戸君逝く七十二歳昨日は栃飛龍勝ち本日は磋牙司勝つ郷土力士の仕事には短歌は無駄か短歌には仕事は無駄か無駄もよしとす【送料無料】わが家の天使 [ 後藤瑞義 ]価格:1,260円(税込、送料込)
2013.11.15
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11月15日(金) 短歌用語辞典飯塚書店発行:(1993年)も(6)もえる(もゆ)萌ゆ(自動詞下二段活用)芽が出る。きざす。「草萌え」は名詞。緋(ひ)の悲鳴銀の怒りの立枯れてなぜか萌えざる一角がある 佐佐木幸綱川原(かはら)べの石の間(あひ)より萌えいづる小(を)ぐさの芽にも声あれなとおもふ 中村憲吉草萌をすこしまじへぬ老嬢われの焼きたるうすやきたまご 葛原妙子(つづく)【送料無料】鶴見和子・対話まんだら(佐佐木幸綱の巻) [ 鶴見和子 ]価格:2,310円(税込、送料込)
2013.11.14
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今日の気持ちを短歌に:後藤人徳の今日の短歌「人徳の部屋」よりhttp://www.izu.co.jp/~jintoku/11月14日(木)バックするとき後方の確認をしなかったからわたしの落度わたくしが百パーセント悪いのと言えばすべてがまるくおさまる先方の車も前方不注意と妻言いたててまたもめ始む後方を注意しないはわたくしの落度と言えり警察官もわが過失百パーセントの比率にて保険書類に判を押したり【送料無料】わが家の天使 [ 後藤瑞義 ]価格:1,260円(税込、送料込)
2013.11.14
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11月14日(火)短歌用語辞典飯塚書店発行:「短歌用語辞典」(1993年)によるも(5)もうでる(まうづ)詣づ(自動詞下二段活用)拝みに行く。お参りする。諏訪の湖(うみ)の岸の柳は芽ぶくらむ御墓詣でむと恋ひて思ふも 川井静子野菜市に早咲きの菜の花一束ね買ひて詣づる亡き妻の墓 太田青丘もえぎ萌黄・萌葱(名詞)黄と青との中間色。うすみどり。からたちの萌黄といへどその暗くしづめるいろに花は順(したが)ふ 岡井 隆窓を摩る柳の枝のたゆたひてにじむ萌黄を濃く淡くする 後藤直二落葉松(からまつ)の萌黄の芽ぶきけぶりつつ日はたけなはとなりにけるかも 島木赤彦(つづく)
2013.11.13
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今日の気持ちを短歌に:後藤人徳の今日の短歌「人徳の部屋」よりhttp://www.izu.co.jp/~jintoku/11月13日(水)図書館の会議室にはストーブを借りて五人の歌会をする歌会の話題はいつしか百二歳欠席したる歌友に及ぶ来年も新年会をやりましょう百二歳なる歌友の言づけ百歳はぜひ生きなさい現役の百二歳なる歌友の言葉伊豆にても十一月に霜降れば干柿作りに明日は励まん【送料無料】わが家の天使 [ 後藤瑞義 ]価格:1,260円(税込、送料込)
2013.11.13
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短歌用語辞典11月13日(水)も(3)もう(副詞)もはや。すでに。数を示す語を伴って、その上に。更に。「も」「まう」とも。母はもう植物なれば静かなる青き心を眼に澄ましゐつ 馬場あき子も一針もう一針と編み進み冬日の落ちて市場へ急ぐ 吉野ミヨ子もう(もふ)思ふ(他動詞四段活用)おもう。「思(も)ひ」は名詞。池尻の芦分けいづる水の音小溝と思へどあはれなるかな 尾山篤二郎くちすすき清まる思ひに一年(ひととせ)のおほつごもりと吾が体(からだ)居り 吉田正俊ふるさとの米糠(こぬか)鰯と冷酒(ひやざけ)ともの思いながしかなしみながし 坪野哲久(つづく)【送料無料】現代短歌の鑑賞事典 [ 馬場あき子 ]価格:2,940円(税込、送料込)
2013.11.12
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今日の気持ちを短歌に:後藤人徳の今日の短歌「人徳の部屋」よりhttp://www.izu.co.jp/~jintoku/11月12日(火)障害を持ちたる人のやさしさをユーモアのある君に感じる障害者役員会に出席しいつもながらのやすらぎを得るこの今を貴重な今を過去のため殺してならぬ生きねばならぬ栃飛龍磋牙司とも黒星の出発なれどさあこれからだ怪我をせず精一杯に取ってくれ祈るごとくに相撲を見ている【送料無料】わが家の天使 [ 後藤瑞義 ]価格:1,260円(税込、送料込)
2013.11.12
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11月12日(火)短歌用語辞典(飯塚書店発行)も(3)も(助詞)添加・並列・強意をあらわす。文末で感動・詠嘆をあらわす。逆接に用いる。枇杷みのり昭和暮れゆくきみもまた六月に死者おもふひとりか 今野寿美空も川も橋も車も白じろと一つに溶けて春昼となる 高安国世日本脱出したし 皇帝ペンギンも皇帝ペンギン飼育係りも 塚本邦雄綾とりに取れぬ山川魚小鳥人の思ひもわれもさびしも 馬場あき子(つづく)【送料無料】西行百首 [ 塚本邦雄 ]価格:1,575円(税込、送料込)
2013.11.11
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今日の気持ちを短歌に:後藤人徳の今日の短歌「人徳の部屋」よりhttp://www.izu.co.jp/~jintoku/11月11日(月)鉄骨を幸いとして巻きつける蔓のハウスとなり果てにけり芸術祭写真撮影依頼さるダンス演劇バンドシャンソンフラダンスのゆびのうごきにさそわれてうっとりうとうとねむりていたり久しぶりに叔父に会いたり孫娘のバレエの発表見に来たという花束を抱えて叔父は孫娘のバレエの発表はにかみて言う【送料無料】わが家の天使 [ 後藤瑞義 ]価格:1,260円(税込、送料込)
2013.11.11
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11月11日(月)短歌用語辞典(飯塚書店発行)も(11) も面(名詞)おもて。表面。落日の余光に明かき池の面をかるがもら行く家族(うから)ならむか 来嶋靖生岩の面の湿りを吸へる黒蝶のおどろくもなく近寄れば立つ 田谷 鋭日常をこぼれしわれはみづがねの長良川面を渡らむとしつ 稲葉京子も喪(副詞)人の死後、その近親者が何日間か家にこもり死者をいたみ過ごすこと。喪中。忌み。清浄(しょうじょう)と喪のごとく咲く花白し谷のこぶしに舞ふ春の雪 武川忠一大正元年世相の項目今日は読む犬の尻尾に喪章つけたり 水野昌雄【送料無料】現代短歌の歩み [ 武川忠一 ]価格:2,940円(税込、送料込) (つづく)
2013.11.10
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今日の気持ちを短歌に:後藤人徳の今日の短歌「人徳の部屋」よりhttp://www.izu.co.jp/~jintoku/11月10日(日) 対岸の山はすっかりかすみたり今日暖かき朝を迎えるもやかすみきりか何かはわからねど里すっぽりとけむりてしまう対岸の林も家もすっぽりときりにおおわれ夢のなかなりこの道もおぼつかなきまで霧覆い一寸先は白きくらやみ歌の道暗中模索するわれの家も畑も霧に覆わるもののけというものおればこのもやの中より生れてくるかもしれぬ【送料無料】わが家の天使 [ 後藤瑞義 ]価格:1,260円(税込、送料込)
2013.11.10
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11月10日(日) 短歌用語辞典飯塚書店発行:(1993年)め(15)めり(助動詞)…ようだ。…のように見える。…らしい。推定の意をあらわす。推量の助動詞「らし」よりも主観的でよい。終止形に付ける。玉蘭(はくれん)の落葉掻き集(つ)め焚く風呂のねもごろ柔(やは)き湯気に立つめり 北原白秋あそぶかと見ゆる白雲いつしらに伴(つれ)を呼ぶめり富士の中処(なかど)に 岡野直七郎めをひく 目を引く・眼を引く(連語)注意を向けさせる。人をひきつける。登りつかれ心かそかなり雪渓は真白く広く眼をひきてなだる 窪田空穂(つづく)[CD] (オムニバス) よみがえる自作朗読の世界 北原白秋/与謝野晶子/堀口大學・ほか価格:2,050円(税込、送料別)
2013.11.09
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今日の気持ちを短歌に:後藤人徳の今日の短歌「人徳の部屋」よりhttp://www.izu.co.jp/~jintoku/11月9日(土)消防の車庫の扉が開きいて団員一人水を撒きおりJAの職員らしき一団が土曜日の朝缶拾いおり会食をすれば食材偽装の件さっそく話題となり姦しい食材の偽装を咎め料理せし人の力量問う人はなし料理することに命をかけているプロを信じて頂かんとす【送料無料】わが家の天使 [ 後藤瑞義 ]価格:1,260円(税込、送料込)
2013.11.09
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11月9日(土)短歌用語辞典飯塚書店発行:「短歌用語辞典」(1993年)によるめ(14)めや(連語)…することがあろうか。そんなことはない。…するものか。反語の意。未然形に付ける。あが母の吾(あ)を生ましけむうらわかきかなしき力おもはざらめや 斎藤茂吉声ひくしひくくしあれど真心のこゑ大地(あめつち)にとほらざらめや 佐佐木信綱大君の将校として死にけむも親には子なり泣かずあらめや 窪田空穂(つづく)【送料無料】万葉秀歌(上巻)改版 [ 斎藤茂吉 ]価格:840円(税込、送料込)
2013.11.08
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