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「新撰組!」のハナシなので,興味のない方はとばしてください。 お風呂に入りながら息子が言った。「山南さんは天国にいったの?また生まれ変わる?」しみじみと目をうるうるさせながら。「山南さんはいいひとだからもうどこかで生まれ変わってるよ」 どこかのサイトでは山南さんの除名嘆願運動まで起こるほど,堺雅人と三谷幸喜が作り上げた山南敬助の人生は美しかった。堺さんは映画の「壬生義士伝」では沖田役を演じているらしい。喀血も美しいんだろうな。 新撰組の同志はみんな山南さんを逃がしたい,死なせたくないと願い,それぞれ山南さんが逃げ出しやすいように行動するのだけれど,覚悟を決めてあまりに静かな境地の彼は受け付けない。わたしは源さんが膳にそっと添えたにぎりめし(これを持ってどうか逃げてください的な)で涙。愛人の明里(鈴木砂羽)が菜の花を持って精一杯の演技をして別れるシーンで鼻水もすすらず,ラスト土方の号泣で息子とふたり号泣。これって青春ドラマだよ。司馬さんの「龍馬がゆく」とか一連の作品は青春ドラマでもあるから,もうそろそろ三谷版新選組を解禁して見て欲しいな。だってキャラが抜群だもの。こんない切ない青春ドラマ,最近ないよ。 「ママは唯人が小さいときドラマを失敗しちゃったの?」しんみりしながら息子は聞いてきた。だんだん物事や世間を知ってきたのだなぁ,こんな質問もできるようになったのだ。 「ママは三谷幸喜みたいに唯人を感動させるドラマをつくるからね」 パパに笑われそうだけど,大真面目な自分は結構いいなと思っている。 それにしても,明里になりたかった!さよなら山南さん。
2004.08.22
近所に住む友人が無事男の子を静かに産み終えた。第三子だ。自宅で家族に見守られながら誕生したみどりごは,とても美しい名前で,ご紹介はできないがこの季節に合った,どこまでも深い,豊かな森を思わせるもので,相変わらず親のセンスのよさに感心するばかり。小さな命の誕生は背中をピンとまっすぐにしてくれる。妊娠のわかった当初は思いがけない時期のことで戸惑いもあったという。軌道に乗りつつあった新しい仕事,手がけていた仕事をひとたび離れることへの不安等,落ち着いた頃に話してくれた。もう三人の母の横顔で,うつくしいなと感じた。 別のところで,産後2ヶ月の女性と話す機会があった。 まだ若く,これからいろんな道がいかようにも択べるような明るさを感じさせる女性だ。「別れました」という言葉を聞き,一瞬聞き返してしまった。様々な諸事情が重なり妊娠中はひどいストレスがあったという。身重であって動きたくても動けず,出産後も状況は悪化するばかりで,決心したようだ。若くて行動力があり,来春からは看護学校に復学し,働きながら学ぶようだ。彼女からはひとつの重い命を一手に引き受けることへのプレッシャーとか強すぎる意気込みとかを感じるよりも(勿論抱えているとは思う),彼女自身が出産と同時に生まれ変わったような錯覚を覚えたのだ。からだも柔軟なひとだけど,やわらかく明るい様は,生まれたての命のような瑞々しさとでもいえばいいか。ひとは人生の途中で何度か生まれおちることに似た経験をするならば,彼女はまさにそうなのだ。親となっていく過程で様々な思いを抱え日々を生き続けるだろうが,彼女のそれからを想像すれば,やはり明るい躍動感がベースにきこえる。 赤ちゃんの名前の一字に「虹」の字がある。うつくしいなと思う。 調布クラスに来ていただいたみなさま,暑い中ありがとうございました。月並みですがこのクラス,本当に楽しいです。息子の日記のしめくくりみたいな表現ですが,楽しくて嬉しかった。よい夏休みをお過ごしください。
2004.08.04
倉本聰作。ふっと家にあったシナリオ集のタイトルが気になり読み出す。1時間ドラマ11本分だ。 海洋開発で沖縄に海底公園をつくる仕事で多忙な仕事人間のショーケン(萩原健一です)。息子は多忙な父や周囲に少しでも振り向いてもらおうとして虚言癖があったりするんだけど,その子が腎臓の病気で余命3ヶ月と診断される。 息子・正一は学校の授業で黒い海の絵を描く。先生(小林薫)は病気の報告に訪ねてきたショーケンに向って,海を青いと感じさせることが親の務めではないかと迫る。 3ヶ月という時間の中で登場人物の思いがいろんな角度から照射され(もう凄すぎる,倉本聰!),自分の手がけた沖縄の水中展望塔のある海を親子で見に行く。沈む夕日の海を見て,ショーケンはショックを受ける。 先生がいつか「あなたはこれまで自分のこどもに海を見せたことがあるか」と聞いた。1年近く仕事で通いつめた沖縄の海を,夕日も何度も目にしながら,その海をきれいとかそういう気持ちでこれまで一度も見ていなかったことに。自分は本当に海を見ていたのか。たとえば海の広さや色に,感動したことがあったか,自分がこどもに海を見せていなかった,これは当然の話だ,自分自身が海を見ていなかったんだから。 正一は命の終わりになって人生で最も輝いた一日一日を生きる。 正一を送ってしばらくすると,先生から手紙が届く。それは沖縄から正一が先生に宛てた手紙だ。同封された青い海の絵とショーケンの静寂。 こうして書くと力足らずで倉本聰に申し訳ないのだけれど,2時間半で一気に読みあげ,4話からは泣きっぱなしで,これを倉本さんは35の時に初稿を書いている。日テレで昭和45年にドラマ化され,12年後に再構築してフジでオンエアされた。ドラマも観たいけれど,シナリオだけでも充分,心のどこまでにも想像が広がり,月並みだけれど感動が溢れて止まない。 ここ最近,物語ばかりをどん欲に浴びている。無性にからだが欲しがっているとでもいうか。 大切なひとたちから少しずつ背中を押されて,やっと若いばっかりで愚かなプライドと挫折から自分を解放できた気がする。仕事だけでなく,家庭を守るだけでない,自分の心が求めて止まないもの,どうしようもなく好きで好きでたまらない,一生片思いかもしれないけれど,わたしも,生きることを重ねるひとたちへ,真夜中のような日々や気持ちを持ちながらも懸命に生を重ねていくひとたちへ,太陽の方を向いている物語を届けたい。西日を受けてごはんをつくりながら,何度もため息をついた。このHPの本当の目的は,ここにたどり着くためだった。 やっとここまできた。
2004.08.03
「新撰組!」に興味のない方はまた後日。 上手いのだ,キャラが立ちすぎてる!ビックリマークだらけな三谷幸喜の「新撰組!」だ。 池田屋事件を経て,内部で分裂が始まるんだけれど,その序章で一度永倉新八を表立たせて,近藤勇(本当は土方歳三)に対して反乱を起こさせるんだけど,(実際後日永倉さんは脱退する)土方と対立する山南さんの今後を暗示させるシナリオが実に上手く描かれ,より山南さんは孤立することになっちまった(上手いけど,マジで悲しくなった)。 とにかくキャラが生きていて,駒を動かしているだけでなく,歴史上の人物がデフォルメされて,ここ最近のドラマでは抜群のキャラの調和なのだ。みんなそれぞれの人物を生かしあってるから,ブレがなく爽快だし,かなり心から哀しみもわいてくるのだ。(山本耕史演じる土方は徹底的に悪で本人もそれでいいっていう潔さがあって,かつ俳句がらみの沖田との冒頭シーンで素の土方をのぞかせるのがまた上手い!) こんなにどきどきして人物がみな色っぽいドラマなのだ,もう坂本龍馬と桂小五郎と近藤勇が一緒に黒船見ちゃってもいいじゃないか。そんなことはどうでもよくないのかもしれないが,やっぱりどうでもいい気にさせてしまう三谷さんの愛に一万点だ。日曜がまちきれないなんて,それも大河ドラマをわくわくするなんて,三谷さん,ステキだ。わたしでよければいつでもどうぞって気分なのだ!!! 山南さんに今年度の流し目大賞をあげたい,是非! 土曜日の笹塚クラス会のことを書く予定でしたが,吹っ飛んでしまいました。参加してくれたみなさん,ありがとうございました。ヘッドマッサージ,パートナーとご一緒にやってみてね。次回は8/28(土),中野の予定です。どうぞご自愛下さいませ。
2004.08.01
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