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上阳赋 The Rebel Princess第59話「解放」王儇(オウケン)は賀蘭箴(ガランシン)との婚姻を承諾する見返りに捕虜の解放を約束させた。知らせを聞いた龐癸(ホウキ)はいつ動くのか指示を求めたが、王妃は見送ることができないという。一方、大成は激しい雷雨に見舞われていた。皇帝陵の山には雷が落ち、土砂崩れで石が転がり落ちて皇帝陵が崩れてしまう。翌朝、急報を聞いた皇帝・馬子澹(バシタン)は驚愕したが、それでも出征の決意は変わらなかった。江夏王・王夙(オウシュク)は朝廷で改めて出兵の反対を表明した。そこで太祖皇帝の遺言に″後世の皇帝が国事で過ちを犯す場合は士族らの連名で皇帝を諌めることができる″とあったと入れ知恵する。温宗慎(オンシュウシン)はもはや皇帝を止める方法はこれしかないと覚悟し、万が一の時は自分が責任を負うと言った。すかさず王夙は自分も一緒だと追従、重臣たちも運命を共にすると決める。次に王夙は宋快恩(ソウカイオン)を慈安(ジアン)寺の家に招いた。懐恩も皇帝の無謀な決断が正しいと思えなかったが、かと言って豫章(ヨショウ)王妃を放っておけないという。すると王夙はすでに護衛を忽蘭(クラン)に派遣して調査中だと教えた。実は懐恩も王妃の消息を知って寧朔(ネイサク)に文を送っておいたという。「王妃は人望の厚い方、寧朔軍は黙っていないでしょう!」王夙はその忠誠心に敬服し、懐恩こそ乱世に終止符を打つ英雄になると持ち上げた。しかし懐恩はそれが叶わぬ夢だと知っている。「ありがたいお言葉ですが恥ずかしい限りです…たとえ能力があっても私は寒門の出身ですから」「…だから何だ?」その声は王藺(オウリン)だった。王藺は生きていた。驚愕した懐恩はしばし立ちすくんだが、ふと我に返って拝礼する。王夙は皇太后の密命が届いた時、懐恩を助けたのは父だと教えた。「父は″粛毅(シュクキ)伯は偉大な人物であり国の柱、汚い連中に殺させてはならぬ″と仰った」すると王夙は父と懐恩を残して出て行った。王藺は懐恩の弱点が寒門出身だと指摘した。蕭綦(ショウキ)は功績を買われて王に冊封されたが、結局、悲惨な末路を迎えている。「蕭綦の二の舞は御免であろう?」そこで王藺は自分と手を組むなら養子に迎えると持ちかけた。士族は衰退したと言ってもその影響力は今も大きい。王藺はもし懐恩が事を成し遂げれば王氏の族譜に載り、いずれ士族の頭になれると懐柔した。蘇錦児(ソキンジ)は子澹の信頼を得るため、一緒に忽蘭へ行くと申し出た。子澹は了承したが、翌朝、書房の前に大臣たちが押し寄せる。「謀反でも起こすつもりか?」「陛下…今日は宮殿を出られませぬ」先頭に立った温丞相は太祖皇帝の位牌を示し、宗廟に残された遺言を盾に皇帝を諌めた。そこで皇帝が考えを変えないなら反省するまで式乾(シキケン)殿に留まるよう迫り、国事なら大臣たちで話し合って進めるという。「陛下、お戻りください」忽蘭では賀蘭箴と王儇の婚礼の儀が始まろうとしていた。アリマとウリモクは賀蘭箴の令牌で捕虜を解放したが、龐癸は王妃を探すことにする。「小禾(ショウカ)と沁之(シンシ)を頼む」その頃、婚礼衣装に身を包んだ王儇は侍女に案内され、ある天幕に入った。天幕には誰もいなかったが、突然、天井から網が落ちてくる。すると王倩(オウセン)が現れ、捕らわれの身となった王儇に短剣をちらつかせた。「今日はひとつずつ貸しを返してもらうわ」王倩は高貴な王儇に土下座を強要し優越感に浸った。しかし背中まで踏みつけられた王儇はさすがに我慢できず、強引に起き上がってしまう。身重の王倩はバランスを崩し転倒、腹を押さえて苦しみ出した。その隙に龐癸が現れ王妃を解放したが、兵士たちが駆けつけ2人は捕まってしまう。一方、賀蘭箴は花嫁の天幕にいた。花嫁衣裳の王儇に感激もひとしおの賀蘭箴、しかし面紗をめくり上げてみると花嫁が別人だと知る。ヒイィィィ!!(゚ロ゚ノ)ノ<誰だ?!( ˙꒳˙ )<長澤ま◯みです花嫁はカル族の王女・ミアだった。激怒した賀蘭箴は花嫁を置いて飛び出し、ちょうど父の天幕の前にいた賀蘭拓(ガランタク)を見つけてつかみかかる。「知っていたのか?」「すまない…王命ゆえにどうしようもなかった」すると賀蘭箴は兄の罠だと知らず、父の元へ急いだ。賀蘭箴は足止めする衛兵をなぎ倒し、父の天幕に入った。すると父が腹を突き刺され死んでいる。「父王?…父王?」そこへ賀蘭拓が現れ、賀蘭箴が王を殺したと叫んで拘束した。忽耶奇(コツヤキ)は主を救おうとするも、連行された賀蘭箴の目の前で殺されてしまう。全ては賀蘭拓の計略だった。賀蘭箴は無実を訴えるも、怒り心頭で父の天幕に入る王子の姿を招待客たちが目撃している。誰もが賀蘭箴の仕業だと信じて疑わず、賀蘭拓は正義を振りかざして反逆者を火刑にすると命じた。賀蘭箴は両手を縛られ、吊るされた。そこへ王儇と龐癸が連行される。賀蘭箴は王儇だけは見逃すよう哀願したが、賀蘭拓は最後に真実を伝えることにした。「六盤を滅ぼしたのは蕭綦ではない…俺だ、つまりお前の母と妹妹は俺の手で死んだのさ、ふっ」すると賀蘭拓は王儇に剣を差し出し、賀蘭箴を殺せば助けてやる言った。「俺を殺したかったはずだ…その機会が訪れたな、俺を殺して生き延びるといい」賀蘭箴は自分が蕭綦を殺したと明かし、王儇がためらうことなく自分を殺せるよう仕向けた。王儇がついに剣を振り上げた。しかし賀蘭箴を拘束していた縄を切って解放する。慌てた兵士たちは賀蘭箴と王儇めがけて突進し、賀蘭箴が身を挺して王儇を守った。「逃げろ!」賀蘭箴は約束通り王儇を守り、背中を突き刺され死んでしまう。その時、突然、壇上に巨大な戦鼓が投げ込まれ、兵士たちをなぎ倒した。呆気に取られる賀蘭拓、そこへ男が現れ、賀蘭拓の首に剣を突きつける。「動くなぁぁぁ!」王儇を救ったのは死んだと思っていた蕭綦だった。馬子澹が式乾殿に軟禁されて数日が経った。暉(キ)州の危機の時も二皇子の反乱の時も阿嫵(アブ)を救えず、子澹は今回も何もできずにいる。一方、大臣たちは今や最も重要な将軍となった宋懐恩を引きれようと必死になっていた。王藺は懐恩が蕭綦とは違い、勇敢そうに見えても欲があると見抜いている。「この手の人間は利用されやすい…」王夙は馬静(バセイ)の身分を明かすか聞いたが、王藺はまだ早いと止めた。解放された捕虜たちは豫章王と合流、王儇を救うため引き返していた。小禾は龐癸を解放して王妃と一緒に大王の元へ駆けつけ、賀蘭拓を人質に皆が揃って無事に忽蘭から脱出する。つづく(  ̄꒳ ̄)ヒゲだーわん、ヒゲだんいや一瞬、誰だか分からなかったわw
2022.03.31
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琉璃(琉璃美人煞) Love And Redemption第52話頑なに褚璇璣(チョセンヂー)を拒んできた禹司鳳(ウシフォン)。しかし璇璣の真心が本物だと気づき、ついに正直な気持ちを打ち明けた。「怖かったんだ…君に会うのも会えないことも…君と再会して最後に全て幻に終わるのが怖かった」「司鳳、私を信じて…私たちはもう2度と離れない、ずっと一緒よ」璇璣は司鳳の情人呪を解いてみせると誓い、自分から唇を重ねた。そのまま寝台に倒れ込む2人、そこで璇璣は司鳳の襟元をはだけてあざを確認する。「司鳳…胸元にあった羽根のあざが消えているわ…」「ふっ…ははは…それは情人呪が解けた証しだ」感激した司鳳は思わず璇璣に口づけし、今世で生きる意味を取り戻した。…このまま璇璣を残して死ねない… ←(。つ∀≦。)ちょwww司鳳は金赤鳥のかんざしを出した。実は壊れたかんざしを直してくれたのは阿蘭(アラン)だという。すると司鳳は再び璇璣の髪にかんざしを挿した。璇璣はこれで全て昔に戻ったと安堵したが、ただ秘境で助けてもらった時のことが気にかかる。「何も覚えていないの…でも何かに呼ばれた気がしたわ、破壊しようとした時はなぜか辛かった もしかしたら私と魔煞(マサツ)星は何か関係があるのかも?」司鳳は咄嗟に戦神が魔煞星を討ち取ったからだとごまかした。しかし璇璣は天界に多くの猛者がいるにも関わらず、なぜ戦神だけが修羅と戦ったのか腑に落ちない。それに戦神には来歴がなかった。「…私はどこから来たの?」「璇璣、考え過ぎるな」司鳳は今後、琉璃盞(ルリサン)に近づかないよう念を押した。そこでこれからは過去を振り返って思い悩まず、共に今世を全うしようと約束する。しかし急に司鳳が苦しみ出した。実は琉璃盞を封印する時、怪我をしたという。司鳳はかすり傷だと嘘をついて安心させたが、璇璣を寝かせてからこっそり寒潭(カンタン)に向かった。司鳳は璇璣を救った時に体内に取り入れた均天策海(キンテンサクカイ)の力に耐えられず、情人呪の発作がなくとも死期が早まっていた。無支祁(ブシキ)から長くて1年だと告知されたが、寒潭のおかげか意外にも今日まで生き延びる。運良く寒潭で成長した雪霊芝(セツレイシ)を得られれば均天策海の力を抑えられるが、まだ小さな芽が出ただけだった。騰蛇(トウダ)神君には全て見透かされていたが、その日、ついに雪霊芝が成長を始める。「天はまだ見放していない…」喜んだ司鳳は寒潭を後にしたが、璇璣につきまとっていた鴉に知られてしまう。一方、若玉(ジャクギョク)と小銀花(ショウギンカ)は魔域でようやく修羅族の典籍庫にたどり着いた。すると急に棚が倒れ、落ちた典籍の中から″創生霊獣″を発見する。「(ペラペラ~)あった!″魔域の黒潭に蠱蛾(コガ)あり、蠱蛾の繭は主の血で成虫に羽化し、 成虫が霊獣の血を吸えば主従の契りは断たれる″…これだわ!」小銀花は霊獣と主の契りを断つ方法を見つけて喜んだが、若玉は″蠱蛾″の部分が不自然に破り捨てられていることを怪しんだ。「″霊草を摘み蠱蛾に与えれば繭を得られる″…か、だが少し妙だ、蠱蛾の説明だけが欠落している 重要な内容のはずなのに…」しかし気が急く小銀花はともかく蠱蛾を探しに行こうと言った。小銀花は元朗(ゲンロウ)の罠とも知らず、典籍に従った。まず黒潭で元朗が仕込んでおいた蠱蛾を手に入れ魔域を脱出、その後、山で鴉がくわえていた霊芝を奪い、早速、蠱蛾に与えてみる。若玉は道中、まるで自分たちを導くように飛んでいる鴉を思い出し、どこかおかしいと心配した。しかし期待に胸を膨らませる小銀花を見ると何も言えなくなってしまう。褚玲瓏(チョレイロウ)から璇璣の元へ令符が届いた。…璇璣、元気?みんなあなたのことを心配しているわ、16日の父上の誕生日には帰れる?…一方、薬房にいた司鳳は再び均天策海が暴走、急に喀血した。(´゚ω゚):;*.’:;.,.ブハッ!その時、璇璣が司鳳を呼ぶ声が聞こえる。璇璣は令符の話をしようと薬房へ駆けつけた。しかし司鳳の姿がなく、床に吐血の跡を見つける。「司鳳?!」蠱蛾が繭を作った。あとは主である司鳳の血をたらして羽化させれば霊獣の契りを断てる。若玉は司鳳に合わせる顔がなかったが、それでも小銀花が心配で一緒に行くと決めた。「そうだ、これ…君と若雪(ジャクセツ)に1つずつ贈るつもりだった」若玉はあくまで兄から妹への贈り物だとごまかし、愛しい小銀花へ腕輪を渡した。璇璣は司鳳の身に何かあったと焦り、追魂術で司鳳を探した。すると寒潭で倒れている司鳳を発見する。璇璣は霊力を注いで司鳳を助けると、ようやく全てを知った。「だから私を怒らせて追い返したのね?…困難には一緒に立ち向かうはずでしょう?」「安心してくれ…あれを…あの霊芝が見えるか?」司鳳はあの雪霊芝が成長すれば均天策海の暴走を抑えられると教えた。雪霊芝の上に見えるのは金色の輪、これこそ世にも得難い霊芝で、今年には完全な形になるという。璇璣は喜び、これまで司鳳が自分を守ってくれたように今度は自分が司鳳を守ると約束した。しかし2人の幸せの影で仲間たちの身に危険が迫る。ある日、柳意歓(リュウイカン)の前に四聖獣の応龍(オウリュウ)と白虎(ビャッコ)が現れた。2人はすでに玉児(ギョクジ)を捕らえたという。その時、紫狐(シコ)が駆けつけ助太刀した。紫狐は無支祁(ブシキ)が来るとうそぶいたが、応龍と白虎に襲われてしまう。司鳳と璇璣が草屋へ帰ると、天界から戻った騰蛇が待ちくたびれていた。「どこ行ってたんだよ~!どうやら仲直りしたようだな、これで料理にありつける!」そこで騰蛇は司鳳と一緒に厨房へ向かい、こっそり天界が四聖獣に戦神の捕縛を命じたと報告した。ただいずれにしても気配を消しているため、四聖獣に璇璣は見つけられないだろう。しかし司鳳は璇璣をしつこく狙う天界に憤った。璇璣が霊力を注いでくれたおかげで雪霊芝は瞬く間に大きく育った。あともう少しで司鳳が助かると喜ぶ璇璣、その時、突然、小銀花と若玉が現れる。璇璣は六師兄や司鳳の信頼を裏切った若玉を嫌悪したが、小銀花は若玉の事情を説明してかばった。「褚璇璣、あなただって司鳳を傷つけたわ…」小銀花に痛いところを突かれ返す言葉もない璇璣、すると司鳳は若玉を許すという。「これからは改心してくれ、だがもう会うことはない…私は璇璣と幸せに暮らせれば満足だ」驚いた小銀花は璇璣より自分がふさわしいと訴え、主従関係を断つ方法を見つけたと教えた。璇璣は深手を負った司鳳が血の契りを断つのは危険だと反対した。しかし小銀花は璇璣が嫉妬で邪魔していると誤解して喧嘩腰になる。そこで司鳳は主従のよしみで小銀花の願いを叶えると決めた。「…だが契りを断ち、自由の身にしてやるだけだ」「(*゚▽゚)*。_。)*゚▽゚)*。_。)ウンウン…未来のことは誰にも分からないもの、まずは契りを断つの」すると司鳳は契りを断てば災いが起こるため、くれぐれも気をつけるよう警告した。一方、草屋では騰蛇がのんびりしていた。すると予想外に青龍神君が現れる。「なぜここが?!」「人探しに有効な天界の宝を忘れたか?」騰蛇は青龍が柳意歓から天眼をえぐり取ったと知り呆然となった。「まさかお前がやったのか?ギギギ…」「私だったら何だ?…お前との契りを断つために褚璇璣の腕でも斬れるぞ?」激怒した騰蛇は仙術を放った。しかし相手は青龍、蛇の騰蛇では敵わない。「たとえ格下だとしても璇璣を害する者とは命懸けで戦うまで!」青龍は騰蛇を興奮させてしまったことを後悔し、柳意歓なら無事だと教えた。しかし褚璇璣には帝君から誅殺令が出たという。すでに他の神君たちも戦神を殺すために下界に来ていた。青龍は盟友の騰蛇を救うため説得したが、騰蛇は無情な天界より、命より大事なものがある人間界を選ぶという。「ここでお前と決着をつけるっ!」一方、寒潭ではついに司鳳と小銀花の血の契りが断たれた。(´゚ω゚):;*.’:;.,.ブハッ!小銀花は感激したが、急に雷鳴がとどろき、天雷に見舞われてしまう。同じ頃、激しい雷雲に気づいた青龍と騰蛇は戦いを中断した。これで璇璣はもはや天界の監視から逃れられなくなってしまう。洞窟は凄まじい金雷に襲われ、若玉と小銀花が雷に打たれた。焦った司鳳は仲間を守るため無理をして翼を広げ、金雷を一身に引き受けてしまう。「司鳳っ!」(´゚ω゚):;*.’:;.,.ブハッ! ←うーん…53話またぎで微妙か?つづく
2022.03.31
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琉璃(琉璃美人煞) Love And Redemption第51話妖魔にさらわれた阿蘭(アラン)を追って洞窟にやって来た禹司鳳(ウシフォン)と褚璇璣(チョセンヂー)。すると妖魔が気を失った阿蘭を連れて現れた。妖魔は人の姿になったばかりの玃猿(カクエン)、実は修行者の許嫁に妖魔だと暴かれ、婚礼の夜に殺されそうになったという。運良くその玃猿は助かったものの、一族は許嫁と同門に殺されていた。「世に知らしめるのだ!婚礼の席で女子が見せる情は全て偽りだとな!」司鳳は玃猿の苦しみに理解を示し、素直に引き下がった。驚いた璇璣は見逃せないと反対したが、司鳳は裏切られる辛さなら自分にも分かるという。思えば自分が妖魔だと知った後、璇璣は若い金赤鳥たちを殺し、容赦なく朱雀瓶を使った。璇璣は何も知らなかったと釈明し、司鳳を殺そうと思ったことはないと訴える。その時、玃猿は新郎が妖魔だと知って驚いた。「金赤鳥だと?」「そうだ、私も妖魔だ…仲間だろう?」司鳳は玃猿を油断させて近づき、隙をついて一撃で仕留めた。司鳳の作戦は成功した。璇璣は改めて誤解を解こうとしたが、司鳳は取り付く島もない。「璇璣、人と妖魔は相容れない、分からないのか?もう過ぎたことだ…君とはもう一緒にいたくない」しかし璇璣はここに残ると言った。「前に今世こそあなたを忘れるなと言われたわ、やっと会えたんだもの いくら嫌われて憎まれようと、絶対にあなたの手を離さない」「…君がいたら私が死ぬ」すると司鳳は呆然と立ちすくむ璇璣を残し、阿蘭を連れて帰った。司鳳は妖魔退治で功力を使い過ぎたのか、均天策海(キンテンサクカイ)が暴走した。(´゚ω゚):;*.’:;.,.ブハッ!そこで急ぎ均天策海の力を抑えられる寒潭(カンタン)へ向かう。…もう時間がない、間に合わないのか…司鳳は寒潭に浸かりながら、1株の雪霊芝(セツレイシ)を見上げた。天界は未だ戦神の居場所を突き止められず、柏麟帝君(ハクリンテイクン)が焦っていた。そこで璇璣の仲間を捕らえて行方を聞き出すよう命じたが、司命はどうやら仲間も気配を消していると報告する。「ならば天眼を盗んだ柳意歓(リュウイカン)を探せ!天眼なら痕跡が残る!」四聖獣はようやく天眼が盗まれたことを知り、帝君から大目玉を食った。騰蛇(トウダ)神君は2人の話がついた頃を見計らって戻った。しかし璇璣はなす術なく、翼(ヨク)公子の草屋の前で立ち尽くしている。「私がいると司鳳を傷つける…でもそばにいたいの、わがままかしら?」「あ~もうバカだな?あいつは忘情丹を飲んでいなかった、つまりまだお前が好きなのさ 情人呪が解けぬ限りいつか発作は起きる、だったら早く奴と向き合え お前の気持ちを伝えなければ情人呪は解けないぞ?」見かねた騰蛇は璇璣の背中を押し、2人で草屋に乗り込んだ。司鳳の態度は相変わらず冷たかった。そこで璇璣は3人分の夕食を作って来ると言って厨房へ向かう。騰蛇はその間に司鳳を説得した。「いつまで逃げるつもりだ?お前がここにいるのは寒潭の雪霊芝のためだろう? …もう一度だけ璇璣を許してやってくれ、お前を探して随分と苦労したんだ」しかし司鳳は頑なだった。かつて璇璣が天界で自分に心を開いたのは孤独を恐れたため、今回も同じ理由で執着しているという。騰蛇は頑固な司鳳に苛立ちを隠せず、司鳳も璇璣の正体を知っているはずだと言った。「私が思うに…(´゚艸゚)∴ゥッ!…とにかく詳しくは話せないが、天界が璇璣を追っている 次に招喚されたら私は天界に戻らねばならぬ、呼び戻される理由はおそらく璇璣だ」司鳳は琉璃盞(ルリサン)が安全なら璇璣も無事だと信じていたが、騰蛇はもう少し調べたいと言って天界へ帰ってしまう。その話をあの鴉が聞いていた。璇璣はせっかく作った汁物を落とし、足に火傷した。やはり司鳳は急いで駆けつけてくれたが、薬の場所だけ教えて手当もしてくれない。そこへ阿蘭が差し入れを持ってやって来た。阿蘭はこれみよがしに妻のように振る舞い、嫉妬した璇璣は婚姻なら芝居のはずだと指摘する。憤慨した阿蘭は璇璣の腕をつかんで追い出そうとしたが、その時、うっかり翼公子に返そうと思っていたかんざしを落とした。璇璣は失くした金赤鳥のかんざしだと気づき、司鳳が持っていてくれたと安堵する。しかし司鳳は璇璣が決別のためにかんざしを折って捨てたと誤解していた。「司鳳、違うの!」「言い訳はいい、過ぎたことを話しても無意味だ、薬を塗ったら出て行ってくれ」すると璇璣はその場に座り込み、絶対に出て行かないという。結局、司鳳は怪我を負った璇璣を無理に追い出すことができず、阿蘭を帰した。その夜、璇璣は久しぶりにぐっすり休んだ。司鳳は璇璣が眠ってから火傷の手当てをしてやったが、また具合が悪くなって寒潭へ出かけて行く。翌朝、草屋に戻ると璇璣が三清(サンセイ)茶を用意して待っていた。しかしまたしても阿蘭が現れ、薬草採りに連れて行って欲しいと頼む。すると司鳳は結局、璇璣のお茶に口もつけず、阿蘭と出かけて行った。司鳳は阿蘭を口実に使ったことを詫びた。しかし医術を学ぶためではないなら訪ねて来ないよう頼む。「すまないが君に特別な感情はない、今も将来も…」すると阿蘭はともかく今は医術と妖魔退治を学びたいと言った。「あ、そうだ、このかんざしを返しておくわ」阿蘭は婚礼の儀で挿してもらった金赤鳥のかんざしを返した。その時、璇璣が足を引きずりながら司鳳を追いかけて来る。「すふぉ~ん!待って!すふぉん!」あっ!≡≡≡ ⊂⌒~⊃。Д。)⊃ コテ! ←予想通りの展開w璇璣はつまずいて盛大に転んだが、呆れた阿蘭は翼公子を引っ張って先を急いだ。司鳳は璇璣を無視したが、やはり気になってふと振り返った。しかし璇璣の姿がない。そこで阿蘭に柴胡(サイコ)を採りに行くよう頼み、先に帰ると伝えて璇璣を探しに向かった。璇璣は偶然にも双翼彩蝶(ソウヨクサイチョウ)を見つけ、無我夢中で追いかけていた。「璇璣!」司鳳は崖っぷちに立つ璇璣を見つけ、慌てて呼び止める。「司鳳!見て!双翼彩蝶よ!」しかし双翼彩蝶はすぐ姿を消してしまう。呆れた司鳳はすぐ引き返したが、慌てて璇璣が追いかけた。「司鳳!怒っているの?!」「…君が残れば私が死ぬんだぞ?」「情人呪が解けなければ私も一緒に死ぬわ、だから避けないで」璇璣はいきなり短刀を招喚し、自分の手を切った。驚いた司鳳は短刀を払い落とすと、璇璣は司鳳の発作が起きる度に自分を切ることにしたという。「痛みを味わうのも死ぬのもあなたと一緒よ! …私が以前のままと決めつけないで!確かに私は孤独を恐れていたわ でもあなたを求めるのは別の理由なの、あなたと生きて行きたい!」「全て手遅れだ…蝶を探しに行け」「双翼彩蝶には言い伝えがあるの、あの蝶は男女の縁を結ぶ使者で、切れた縁を再びつなぐと… 恋人が願掛けすれば一生、添い遂げられるわ…でも消えてしまった」「天意だな」司鳳は2人の縁が尽きたと告げ、自分が出て行くと決めた。そこで璇璣は司鳳が追われたくないなら、ここでずっと待つという。「好きにしろ…」こうして司鳳は再び姿を消した。司鳳は寒潭にこもった。(´゚ω゚):;*.’:;.,.ブハッ!璇璣は客桟の阿蘭に司鳳の居所を尋ねたが、阿蘭はてっきり璇璣と一緒だと思っていたと知らぬふりをする。再び司鳳を探し回る璇璣、その様子を司鳳が物陰から見ていた。…璇璣、もう手遅れだ、私はいつ死ぬとも知れぬ身だ、今はただ君があきらめてくれることを祈る…私のことは忘れてくれ山間は雪になった。阿蘭は草屋の様子を見に来たが、璇璣が庭のあずま屋でうずくまっている。「いくら待っても無駄よ、家に入って!」「いいえ、約束したの…いつまでも待ち続けるって…いつか私を思い出して戻って来るかも… その時、ここにいなかったら会えないわ…」阿蘭は頑固な璇璣に呆れて帰った。実は阿蘭は翼公子から璇璣の世話を頼まれていた。しかしどんなに説得しても璇璣は梃子でも動こうとせず、翼公子にあのままでは凍死すると伝える。吹雪の中で凍えながら司鳳の帰りをひたすら待ち続ける璇璣、するとついに倒れてしまう。「璇璣?!璇璣!」璇璣は一瞬、司鳳の姿を見たが、それが現実なのか夢なのか分からないまま意識を失った。司鳳は璇璣を家の中に運び、部屋を暖めた。やがて目を覚ました璇璣は付き添っている司鳳に気づき、思わず抱きついてしまう。「司鳳…大人になるまで何かを恐れることなどなかったわ…心も感覚もなかったから… でも今は怖いの、あなたが消えてしまいそうで…ゥッ… いつまで?…いつになったら私を信じてくれるの?(꒦ິ⌑꒦ີ)ダーッ!」璇璣は焚如城で前世を見たと話し、転生の度に司鳳を傷つけていたが、本当は愛していたと認めた。すると司鳳は璇璣を強く抱きしめ、ようやく本心を明かす。「璇璣…ずっと君を待っていた、遅いから腹が立ったんだ…来てくれて嬉しかった」つづく( ̄▽ ̄;)何なの?この季節感…でもまあ〜すふぉんがそれで良いなら良いのw
2022.03.29
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琉璃(琉璃美人煞) Love And Redemption第50話修羅族の典籍を探して魔域にやって来た若玉(ジャクギョク)と小銀花(ショウギンカ)。すると修羅大将軍の棺のふたが外れ、黒い羽根も消えていた。2人は元朗(ゲンロウ)の元神がついに消滅したと思って安堵したが、実は元朗は黒羽のおかげで自由になり、魔域の壁画で戦神の秘密を知ることになった。あれから褚璇璣(チョセンヂー)と騰蛇(トウダ)神君は禹司鳳(ウシフォン)を探して南下していた。( ・`ω・´)<騰蛇…カラスがついて来るわ( ゚д゚)<カラス?…って食えるのか?(๑・᷄ὢ・᷅๑)<まったく~一方、昊辰(コウシン)として歴刧を終えた柏麟帝君(ハクリンテイクン)は戦神がまだ司鳳を探していると聞いて憤慨した。そこで戦神と仲間たちを捕らえるよう命じ、反抗すれば切り捨てて構わないという。青龍神君は騰蛇が霊獣になったのは本人の意思ではないとかばったが、帝君は取り付く島もなかった。「四聖獣よ、下界へ降り、奴らを捕らえよ!」天界の追跡を恐れる璇璣と騰蛇は土地神に情報を聞くこともできなかった。「無患子(ムクウジ)で気配を消しても帝君は追って来るかしら? そう言えば琉璃盞(ルリサン)を壊そうとした時、魔煞(マサツ)星と柏麟が何か話しているのを見たの 柏麟は過ちを犯したみたいだった」「オイオイオイ…柏麟帝君は私が最も尊敬する神だぞ~あ!あそこに村がある!腹ごしらえしよう!」2人は村に立ち寄ったものの、褚玲瓏(チョレイロウ)がくれた路金はすでに底をついていた。食費を稼がなくてはならない璇璣たち、すると村の告示で妖魔を退治すれば報奨金がもらえると知る。「どうやら稼げそうね…」妖魔退治を募っていたのは西穀という客桟だった。女将の話では一室だけ勝手に明かりがつき、近づくと泣き声も聞こえるという。実は翼(ヨク)という腕のいい″妖魔祓い″がいるが、神出鬼没で待ってもいられなかった。給仕の阿蘭(アラン)は若い娘に妖魔退治など無理だと反対、しかし璇璣は独りで部屋に入ると、見事に黄鼠狼(コウソロウ)を退治して戻って来る。「三ヶ月前に油をかけられた仕返しですって」「確かに…盗み食いをしていたから油をかけてやったの」女将は感謝し、ここに泊まっていくよう勧めた。そこで璇璣は似顔絵を広げ、司鳳に見覚えがないか聞いてみる。女将は見たことがあるような気がしたが、宿を利用する客は大勢いるため確信は持てなかった。その夜、騰蛇は次にどこへ行くのか聞いた。璇璣が司鳳を探し続けて1年、何の手がかりもないまま最南端へ到達している。すると璇璣は司鳳が金赤鳥の故郷が西にあると言っていたと思い出し、明日から西へ向かうと決めた。その頃、阿蘭の文を見た翼公子が客桟に駆けつけていた。「…どうやら退治は済んだようだな」阿蘭は食事をして行くよう引き止めたが、翼公子は帰ってしまう。翌朝、客桟をあとにした璇璣と騰蛇は市場で食糧を調達していた。その時、璇璣はふと三清(サンセイ)という司鳳が愛飲するお茶の匂いを嗅ぎ取る。「司鳳?!」璇璣はこの村に司鳳がいると確信し、滞在を延長すると決めた。そこで妖魔退治を引き受ける代わりに村人に人探しを頼んだが、結局、半月経っても手がかりはない。阿蘭は翼公子の商いを横取りした璇璣たちに不満を募らせたが、璇璣は想い人のためにムキになれる阿蘭を羨ましく思った。翼公子は人嫌いで普段は山で薬草を採っていた。阿蘭は差し入れの桂花酒を届けたが、受け取れないと断られてしまう。「実は相談があるの…宿に2人の修仙者が居座ってる 人々をたぶらかし、あなたの商いを邪魔しているわ、新入りに思い知らせてやって」しかし翼公子は興味がなさそうにむしろ時間ができて助かるという。すると黄龍(コウリュウ)鎮に住む阿蘭の叔父が血相を変えてやって来た。「大変なんだ!妖魔を退治してくれ!」黄龍鎮では最近、婚礼を挙げると新郎新婦が初夜に殺されるという事件が起きていた。実は昨夜、3件目の被害が出たという。叔父にはようやく良縁に恵まれた息子がいたが婚礼を延期、このままでは相手に逃げられてしまうと嘆いた。そこで阿蘭は翼公子を手伝うため、新婦役を買って出る。困惑する翼公子だったが叔父に泣きつかれて仕方なく、阿蘭と新郎新婦を装って妖魔を誘き出すことにした。翼公子は阿蘭に夜明珠を渡し、これを売って婚礼の支度を整えるよう頼んだ。阿蘭はすっかり舞い上がり、新婦役に選んでくれたのは翼公子も自分を好きだからだと誤解する。そこで婚礼衣装は自分で用意し、女将に夜明珠を預けて出かけた。「翼公子がくれた愛の証しなの…ふふ」女将はにわかに阿蘭の話が信じられず、ちょうど妖魔退治を終えて戻った璇璣と騰蛇に聞いてみることにした。「これは価値があるの?お金になるかしら?」「はっ!これは離沢(リタク)宮の夜明珠!以前、司鳳が持っていたわ」璇璣はついに司鳳の手がかりを得て喜んだ。「老板娘、これをどこで?」「翼公子が阿蘭に贈った愛の証よ」何でも阿蘭は翼公子に嫁ぐと言って出て行ったという。璇璣と騰蛇は黄龍鎮の婚礼に駆けつけた。すると阿蘭と拝礼の儀を行っている新郎こそ司鳳だと分かる。「ん?妖気だ!」騰蛇は咄嗟に仙術を放って騒ぎを起こし、婚儀を邪魔した。驚いて逃げ惑う客たち、その時、ふと振り向いた司鳳は璇璣の姿に気づき驚愕する。「こんなに痩せて…だから似顔絵では見つからなかったのね」璇璣は司鳳の頰に手を伸ばしたが、司鳳は思わず後ろに下がった。「お嬢さん、私に何か?」阿蘭は璇璣たちの尋ね人が翼公子だと知って困惑したが、司鳳は人間違いだという。そこで璇璣は司鳳に何とか思い出してもらおうと、壊れた魯公鎖(ロコウサ)や伝令鈴を見せた。しかし司鳳は自分たちの婚礼を邪魔するなと一蹴、以前に何かあったとしても忘れて欲しいという。阿蘭は話が見えなかったが、とにかく今は翼公子は自分の夫だと言った。すると司鳳は阿蘭が差し出した手を握りしめる。騰蛇は激怒して司鳳と手合わせしようとしたが、璇璣が止めた。「忘情丹を飲んだのなら命は助かるわ…あなたを見つけ出して許してもらいたかったの でも愛する人を見つけて幸せなら私も嬉しい」「そうだ、私は幸せだ」阿蘭の手を取り婚礼に戻ってしまう司鳳、璇璣は司鳳が別の女子と愛を誓う姿に耐えられず。泣きながらその場を去った。司鳳は偽りの婚儀を挙げ、妖魔を誘き出すため寝所へ入った。…突き放されて深く傷ついただろう、璇璣、他に術がないのだ…上の空の翼公子を見た阿蘭は、あの2人が本当は知り合いなのだと分かった。「なぜ偽の婚姻だと言わなかったの?」「色々あった…また悲劇が起こる前にここから離れて欲しい」阿蘭は思わず璇璣を愛していたのかと聞いたが、司鳳は珍しく感情的になり、話したくないと断った。騰蛇は璇璣を慰めているうち夕食を食べ損ね、祝宴の残り物をあさっていた。「婚礼のごちそうは?…あ、床入りの部屋に料理があるのか!」しかしさすがに新郎新婦の寝屋に忍び込むのははばかられる。騰蛇はやはり帰ることにしたが、その時、司鳳と阿蘭の声が聞こえた。「あなたは身体が弱いから中で休んで」「妖魔は幸せな新婚夫婦に恨みを持っているはずだ、土地のしきたりで宴は3日続く 3日以内には現れるだろう、君が外で寝たら計画がばれてしまう」騰蛇は婚姻が嘘だと知り、急いで璇璣に知らせた。2人は初夜なのに床と寝台で別々に寝るという。「だいたいおかしいと思わないか、知らない娘でも目の前で泣かれたら普通は心配する なのに奴は冷たかった…私が事情を探って来る!」騰蛇は妖魔を装い、司鳳を林に誘き出した。「大変だ!妖魔が現れ、すごい力で璇璣がさらわれた!」驚いた司鳳はすぐ後を追おうとしたが、ふとおかしいことに気づく。「戦神をさらえる妖魔などいない」「ふふ、璇璣のことを忘れたんだろう?なぜ戦神だと知っている?」(  ̄꒳ ̄)ぁぁぁ___(」゚ロ゚)」<出てこいや~お前のことを覚えてるぞ!すると物陰から璇璣が現れた。騰蛇は2人で話し合うよう勧め、退散した。そこで璇璣は柳意歓(リュウイカン)から南にいると聞いて1年も探していたと説明する。「病はどう?苦しくない?」「君に会わなければ死ぬこともない…何もかももう過ぎたことだ」璇璣は涙ながらに謝罪し、そばにいさせて欲しいと懇願した。しかし司鳳は自分に近づかないで欲しいという。その時、妖魔に捕まった阿蘭の悲鳴が聞こえた。つづく
2022.03.28
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长歌行 The Long Ballad第28話「あの頃のように」永安(エイアン)公主・李楽嫣(リラクエン)は弟の代わりに南山の視察へ向かった。すると道すがら弟の亡骸にすがりつく少女・五娘(ゴジョウ)と出会い、自分の姿を重ねて胸を痛める。一方、流雲観(リュウウンカン)では阿碧(アヘキ)が阿離(アリ)と名を変えた李長歌(リチョウカ)に食事を届けていた。「あすぁん!」長歌は阿詩勒隼(アシラシュン)の夢を見て飛び起きると、阿碧が心配そうにやって来る。「阿離、悪い夢でも見たの?…″あすゎん(阿孫)″って誰?飼っていたサルの名前?」「…阿隼よ」「すぁん?じゃあ鳥を飼っていたのね?」「…昔の連れだった、でも私がひどいことをしたの、恨んで会いに来ない方が私も気が楽だわ」その頃、阿隼は中原人の衣に着替え、秦(シン)老たちと行動を共にしていた。偵察から戻った緒風(ショフウ)は長歌らしき女子が確かに医者と若い男と一緒にロバで洛陽(ラクヨウ)に向かったと秦老に報告したが、阿詩勒隼が幼い媛娘(エンジョウ)をあやしている姿を見て激高する。媛娘を親の敵から引き離そうとする緒風、しかし秦老が咄嗟に間に入った。秦老は阿詩勒隼に媛娘を寝かせつけて欲しいと頼むと、興奮する緒風を叱る。「媛娘を第二の小公主のように憎しみの中で生きて行かせるつもりかっ?!」洛陽府衙に戻った楽嫣は皇太子・李承乾(リショウケン)が街へ出かけたと聞いた。視察をさぼって遊んでいる弟に呆れる楽嫣、しかし民の惨状を見るのも勉強になると思い、騒ぎを起こしさえしなければ構わないという。しかしその頃、流民を煽っていた逆賊が街をかっぽする皇太子を狙っていた。「晟辛(セイシン)?夫人がお前を選んだのだ、この先はお前の腕次第だぞ」承乾は大道で見た雑技を気に入り、腕比べが終わると喜んで褒美を撒き散らした。すると群衆が銀子に群がり大混乱、承乾はもみくちゃにされてしまう。護衛たちは皇太子を見失い、騒ぎに乗じた逆賊が皇太子を押し倒してわざと手を踏みつけた。その時、年の頃も近い少年が現れ、承乾を助け出してくれる。承乾はわざわざ薬まで塗ってくれた少年に感謝したが、護衛たちが現れると少年は名前も告げずに逃げて行った。イケメン好きの媛娘はすっかり阿準(アジュン)哥哥に懐いた。しかし阿隼はやはり緒風の言う通りだと気づき、自分に近づいては駄目だと言い聞かせる。「…これは狼笛だ、草原だけにある 償いはできないが困ったらこれを吹け、ご両親に代わって見守る」( ˙³˙♟༄ ピィ~プゥ〜皇太子の評判は人里離れた流雲観にも届いた。慰問に来た皇太子が雑技を見て金をばら撒き、街は大混乱になったという。そのせいで大勢の怪我人を出し、流雲観も手当てに大忙しだった。長歌は相変わらずの皇太子に呆れたが、そこへ司徒郎郎(シトロウロウ)が現れ、これから南山へ行くという。承乾は府衙に帰るなり長安に戻りたいとわめいた。そこで皓都は公主に太子の世話を任せ、騒ぎ立てた物乞いを捕まえに向かう。今までならすぐ切り捨てていた皓都、しかしふと公主の言葉を思い出し、明府に処置を任せた。その夜、野宿していた秦老たちは媛娘がいないと気づいた。緒風たちは手分けして探すことになったが、その時、どこからともなく笛の音が聞こえる。狼笛だと分かった阿隼は慌てて駆け出すと、花を摘んで高台に上がれなくなった媛娘を発見した。安堵した秦老だったが、なぜこんな所まで来たのかと尋ねる。すると媛娘は明日が母の誕生日だと言った。( ˙꒳˙ )<木にちゃいているはにゃには手が届かにゃくて…穴に落ちちったの楽嫣は自ら皇太子の手当てをした。すると魏淑玉(ギシュクギョク)が負傷者の数と戸籍を調べ、一軒ごと慰問に行こうと提案する。しかし承乾はせっかく金をまいたのに仇で返されたと憤慨した。「そうだ、阿姐が代わりに行ってよ!怪我をしたんだ、数日、休ませて」「はあ~今回だけよ」楽嫣は仕方なく弟を許し、部屋を出た。承乾は怪我を理由に流民の慰撫を姉に押し付けた。しかしまた街に出る勇気はなく、淑玉に隋(ズイ)の梓微(シビ)宮に行ってみたいと頼む。梓微宮とは煬帝(ヨウダイ)が民からの搾取で建てた宮殿、淑玉は民の反感を恐れ、それより視察すべきだと諌めた。すると承乾はいかに贅を尽くした宮殿かを見て己を戒めると屁理屈を並べ、強引に出かけてしまう。長歌は今日も南山へ出かけた。すると流民の五娘が静澹(セイタン)真人に頼まれて付近を案内してくれる。五娘は元気がない阿離を心配し、自分の飴をあげた。「阿離姐姐?家族は?」「…いないわ」「私の家族ももういないの… 家は雲州にあって、冬が近くなると草原の人たちが強奪に来たわ その後、災害が重なって生きて行けなくなって、両親は私たちを連れて逃げたの 南へ行くと助かるって…でも父さんは病にかかって死に、母さんも病で… 私たち民は天にすがるしかない、天が命を奪う気なら従うしかないの」五娘は結局、弟と2人で流雲観に流れ着いたが、先日ついに弟まで病で失っていた。「みんなこれで弟はもう辛くないって言うの…阿離姐姐、本当にそうなの?」「…そうよ、もう辛くない、きっと両親と一緒にいるわ」「でも私はちっとも嬉しくない…やっぱり辛い…」長歌は五娘の涙を見て心が締めつけられる思いだった。かつては農民の家に生まれて平穏に暮らしたいと願うこともあったが、どうやら大きな間違いだったらしい。「今頃、気がつくなんて…」長歌はやはり飴を五娘に返し、一緒に観主の元へ戻った。その頃、秦老たちは無事に洛陽へ到着、大普客桟(ダイフキャクサン)に落ち着いた。一方、長歌は五娘のおかげで迷いが消え、観主に自分も流民を救いたいと申し出る。そこへ偶然にも楽嫣が慰問にやって来た。五娘は公主が来たと聞いて喜んで出迎えた。すると楽嫣は民を救済している弟子たちの中に懐かしい従姉の顔を見つける。ついに再会を果たした長歌と楽嫣、2人は互いの無事を喜び、旧情を温めた。「チャングァ…私を恨んでいる?」「過去の私は執着し過ぎるあまり拒み続けた、楽嫣、許してくれる?」「許すも何も…」2人は手を取り合い、再び姉妹の絆を取り戻した。長歌はウサギの刺繍の袋を思い出し、雲州に楽嫣を探しに行ったと話した。しかし皓都に先を越されてしまったという。楽嫣はあの娘が勘違いしたのも仕方がなかったと合点がいったが、その時、雲柔が駆けつけた。「公主!皓郎君が来ました!」驚いた楽嫣は明日あらためて市場で会おうと約束し、長歌を逃がす。長歌は不自然にならないよう早歩きで山荘に向かうと、楽嫣が皓都を引き止めてくれた。「皓都!ちょうどもう行くところよ」「お待ちを…」皓都は長歌に似た後ろ姿が気になって追いかけようとしたが、楽嫣は咄嗟に腹痛を訴える。「月のものが…って、ぁ…( ̄▽ ̄;)」すると皓都は安柔に剣を預け、公主を抱き上げて引き返して行った。|ω・`).oO(あの2人、どうなってるん?!阿隼と緒風はなかなかわだかまりが解けなかった。しかし洛陽にはちょうど視察で皇太子が来訪、しかも城内で暴動も起きているという。その夜、秦老はこんな時こそ力を合わせるべきだと訴え、思い切って阿詩勒隼と緒風に決着を付けるよう勧めた。「宿を壊さんでくれよ」つづく( ;∀;) ユェンニャン…可愛すぎる…
2022.03.27
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长歌行 The Long Ballad第27話「無為」皓都(コウト)は無事に永安(エイアン)公主・李楽嫣(リラクエン)を保護し、洛陽(ラクヨウ)府衙(ガ)で休ませた。うなされる公主を心配し、思わず肩を揺すって声を掛けてしまう皓都、すると楽嫣が飛び起きる。「(はっ)公主、失礼しました」「小五(ショウゴ)は?…小五はどこ?!」「手厚く埋葬させました」楽嫣は自分と一緒にいたせいで小五が死んだと泣き崩れたが、皓都は小五の死に顔が笑っていたと安心させた。そこで楽嫣は小五を送り出すため、皓都に明日、付き添って欲しいと頼む。皓都は自分が怖くないのかと驚いたが、楽嫣にはもはや怖いものなどなかった。安堵した皓都はふと思い出し、以前、弘義(コウギ)宮で落とした平安符を懐から出す。「これが私を導いてくれた…今後も公主を守ってくれるようお返しします」しかし楽嫣は少しでも役に立つならと改めて皓都に贈った。その頃、李長歌(リチャングァ)は司徒郎郎(シトロウロウ)たちと流雲観(リュウウンカン)にいた。ここでは流民たちを保護し、面倒を見ている。流雲観には3つの敷地があり、右は薬房、向かいが孫(ソン)真人の診察室、正面が観主の居所だった。長歌はその裏にある弟子たちの居所に案内され、部屋なら有り余っているので自由に選んで構わないという。付近を見回しながら歩く長歌、その時、″無為″という掛け軸が目に止まった。その部屋は静室と呼ばれ、観主が静修する部屋だという。「この部屋にします」李楽嫣は皓都を連れて小五の供養に出かけた。墓石には″義弟小五の墓″と彫られ、墓前には約束通り食べきれないほどの白米が並んでいる。すると皓都は小五の形見となる腕輪を渡した。楽嫣は小五のような悲劇が2度と起こらないよう、唐の民が戦火に巻き込まれず、飢えや寒さに苦しまない太平の世が来ることを願う。「小五…阿姐(アージェ)が代わりに食べるわね?こんなにあるから飢えも心配ないわ」楽嫣は白米をひとつかみ口に入れ、小五との日々を思い出して涙した。皓都は長安から到着した侍女・安柔(アンジュウ)に公主の世話を任せ、巡回していた。すると夜更けというのに衙門に早馬が到着する。皇帝の親書を受け取った皓都は急いで公主の部屋に駆けつけたが、人の気配はなかった。そこで親書だけ置いて帰ろうと部屋に入った時、ちょうど湯あみを終えたばかりの公主とかち合ってしまう。「お許しを…まさか公主が…その~出直します!」「待って、緊急なのでしょう?」楽嫣は弟が父の代理で洛陽諸県を慰撫に来ると知り、自分がお目つけ役になると決めた。これまでのか弱い公主から一転、皓都は公主がすっかり変わったと目を丸くする。どうやら放浪の旅で禍福を経た楽嫣は立派な公主に成長していた。「以前の私は表面ばかり見ていた、でも人を理解するには心を知らないと… 冷たそうに見えても善人もいるのね」長歌は司徒郎郎から言われた通り、なかなか剣法を習得できずにいた。「…何が違うの?」行き詰まった長歌はふと公孫恒(コウソンコウ)の言葉を思い出し、自分の信念とは何かと思い悩む。一方、羅十八(ラジュウハチ)は長歌を探す道すがら、偶然、阿詩勒隼(アシラシュン)と再会していた。そこで秦(シン)老たちに暗号で連絡し、阿詩勒隼を連れて合流する。緒風(ショフウ)は思いがけず刺史の敵と遭遇し激高、しかし秦老がひとまずなだめた。「李都尉(トイ)の殉死を告知したのはお前か?」「そうだ」秦老は長歌を守るには最上の策だったと感心し、なぜ今になって探し回っているのかと訝しむ。すると阿隼は言葉を選び、″友″だからだと答えた。緒風は敵同士が友とは呆れたが、秦老は合点がいく。わざわざ李都尉の殉死を告知して民の怒りを収めたり、弓の名手である特勤がなぜか李都尉に狙いを付けながら外していた。「…変だと思っていたがようやく分かった、李都尉とは昔からの友ゆえ手を差し伸べたのだな」秦老は感情的にならないよう緒風を諭し、今の目的は若主公を探すことだと言った。「共に関所に入ろう」皇太子・李承乾(リショウケン)が洛陽に到着した。しかし衙門に流民が押し寄せ、全く出入りができないと知らせが来る。魏淑玉(ギシュクギョク)は安全のため道を変えると決めたが、皇太子が止めた。「父上が余を遣わしたのは民の苦難を理解させるため、天下の民のために余が解決せねば 世に知らしめるのだ、後継者はこの世の一級品であるとな」洛陽府衙の前は飢えに苦しむ流民たちが集まり騒然としていた。「余は唐の太子である!反抗するでない!」通りで仁王立ちになった承乾は皇太子としての威厳を見せつけようとした。すると流民を煽っていた黒幕の男たちが目をつけ、流民の怒りの矛先を皇太子に向ける。慌てた淑玉は護衛たちと共に皇太子を守ったが、丸腰の民を傷つけることもできず、剣を抜くわけにいかなかった。その時、黒幕の男が額に血糊を付け、官兵に襲われたと嘘をつく。流民たちはさらに興奮し騒ぎが拡大、収拾がつかなくなった。楽嫣は皇太子が洛陽に到着するも府衙に入ることができないと知った。そこで自ら衙門に立ち、流民たちに食事や寝床も用意すると伝えて協力を訴える。流民は公主の言葉で落ち着いたが、その時、楽嫣は額から血を流している男に気づいた。「止血しないと傷が化膿するわ」楽嫣は薬を塗ってやろうとしたが、なぜか男は怒って逃げ出そうとする。すると皓都は咄嗟に男を捕まえ、血を拭った。「…負傷を装い民を煽ったな?目的はなんだ?」楽嫣は飢えているだけだとなだめて解放させると、皓都はこんな男まで気遣う公主が流民を見捨てるはずないという。こうして立派に騒ぎを収めた楽嫣、実はその黒幕が官兵を襲って食糧を奪っていた男たちだとは気づかなかった。淑玉は公主の元気な姿を見て心から喜んだ。「ずっと探していたんだぞ?国境中、探しても見つけられなかった…私が悪いのだ、すまなかった」「淑玉哥哥のせいじゃないわ、それに私なら無事でしょう?」楽嫣は多くのことを経験したと話し、放浪しなければ生涯、風雪も知らぬままの金糸雀(カナリア)だったという。「これからは2度と苦労はさせないよ」淑玉の言葉に胸を躍らせる楽嫣、そこへ侍女がやって来た。「公主殿下、そろそろ太子のところへ…」楽嫣は淑玉の手を借りて階段を降りると、その様子を皓都が寂しそうに見ていた。承乾は視察に出かけるのが嫌で高熱が出たと嘘をついた。しかし姉にあっけなく見破られ、皇太子が仮病で隠れることなど許されないと叱られてしまう。楽嫣はいつか独り立ちしなければならないと諭し、自分がはぐれている間の経験を話して聞かせた。「…皇族は民に養われている以上、民の人生に責任を持つべきよ、阿弟?儲君(チョクン)の意味が分かる? ″儲″とは蓄えておくという意味、″君″は尊い天下の首…」すると承乾はいつの間にか姉の腕の中で眠っていた。淑玉は公主を見つけてくれた皓都に感謝した。しかし皓都が長歌に執着していなければ公主を見失うことはなかったと釘を刺す。「執念に駆られると己を見失うぞ」皓都は内心穏やかでなかったが、言い返す言葉がなかった。一方、長歌は飲まず食わずで部屋に閉じこもり、壁の書を眺めていた。話を聞いた司徒は様子を見に行くことにしたが、そこへ観主・静澹(セイタン)真人が現れる。「私が話してみましょう」観主は静室を訪ね、微動だにせず掛け軸を見ている長歌に声を掛けた。「何か悟りましたか?」「…幼い頃から師に学び諸子百家に触れるも、道家の教えは嫌いでした 身を守るために戦い、天命と争っても道を切り開く…長年そう信じて来たのです しかし間違いだと気づきました 戦わなければ弟のような大切な人は死なずに済んだのでは? 父のように優しかった人は首を献上しなくても良かったのでは? 私に娘を託した老将軍は危険に身をさらす必要などなかったのでは? そして友の家族まで私のせいで死んでしまった ある先達が亡くなる前に語ったのです、自分の信念を探せと…」長歌はようやく″無為″の意味が分かったと言った。すると観主は悟りを開くことができたのなら、この部屋も役目を果たしたという。長歌は今さら悟ったところで死者は生き返らないと涙したが、観主は悟りこそ貴重だとなだめた。今の洛陽は流民が増え続け、この流雲観も救済で忙しい。「私と孫真人を手伝ってもらえる?…信念とは結局、人に帰するもの、世の美しさを見るべきね 過去にとらわれても煩悩が増すだけです」観主が静室を出ると回廊に司徒がいた。中庭では孫真人がお茶を用意して観主を待っている。「あの所作からただ者ではないと察したはず…正体を尋ねようとは思わんのか?」「…流雲観は″来る者拒まず去る者追わず″です 懐かしいですね、私もあの頃は自分が天下一賢いと思っていました」孫真人は長歌と観主には縁があるようだと笑ったが、観主は孫真人こそ縁が深いようだとやり返した。「ところで明日はここより流民が集まる南山へ行ってみませんか?」悟りを得た長歌はようやく食事に手をつけ、初めて窓から景色を眺めた。阿碧(アヘキ)は安堵し、観主がここを故郷と思って留まればいいと言っていたと伝える。「…そうね、お世話になるわ」「良かった!私とあなたの他に田静(デンセイ)と柳児(リュウジ)も年が近いのよ?これでにぎやかになるわ! 私は王氏阿碧、あなたは?」「私は姓がないの…阿離(アリ)よ」つづく( ๑≧ꇴ≦)ここでまさかの阿離!太子の登場で急激に視聴意欲が落ちている…wまあ〜他にも理由はあるのですが…ゴニョゴニョ
2022.03.26
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上阳赋 The Rebel Princess第58話「王妃の消息」王儇(オウケン)はその夜、偶然にも中原人の捕虜たちの牢屋にいる龐癸(ホウキ)と再会した。すると驚いたことに捕虜の中に小禾(ショウカ)と沁之(シンシ)兄妹がいる。実は賀蘭箴(ガランシン)が兄妹を人質として連れ去り、助けようとした蕭綦(ショウキ)たちが総攻撃に遭っていた。「小禾、大王を見た?!」「はい、しかし私と妹を助ける前に…(はっ!)」小禾は思わず口ごもったが、まだ幼い沁之が素直に伝えてしまう。「あの時、大王叔叔は崖でたくさんの人に囲まれていたの…」仕方なく小禾は賀蘭箴が吊り橋を切り、蕭綦たちは崖のきわに追い込まれて逃げ場を失ったと教えた。結局、兄妹は賀蘭箴に連行され、大王は殺されたという。驚いた捕虜たちは一斉にひざまずき、お悔やみを申し上げた。「立って…」王儇は絞り出すように声を出したが、あまりの衝撃に耐えられず、その場から走り去ってしまう。一方、皇都に戻った王藺(オウリン)は王夙(オウシュク)の手筈で密かに慈安(ジアン)寺に身を隠した。王安(オウアン)は死んだと思っていた主と感動の再会を果たしたが、まさかこんな狭い部屋に閉じ込められているとは思いもせず、涙に暮れる。「人の心には天下があり、垣根には縛られぬ…」王藺はここで小皇子・馬静(バセイ)を育てると決めた。その時、門が開く音がする。王夙は階下へ様子を見に行くと、静慈師太が弟子を連れて掃除に来ていた。「ここは生前、長公主が丹念に拭き掃除をされた部屋でございます 私もその遺志を継ぎ、拭き掃除に参りました」「お気持ちは感謝しますが静かに暮らしたいのです、誰にも邪魔されたくありません 掃除なら私がしましょう」静慈師太は孝行な江夏王に任せると言って引き上げたが、上階に誰かいると薄々、勘づいていた。皇帝・馬子澹(バシタン)は朝議に復帰したが上の空だった。すると丞相・温宗慎(オンシュウシン)が東方と北方の民が反乱を起こし、西北でも動きがあると報告、兵が足りないので増援部隊を送るよう上奏する。粛毅(シュクキ)伯・宋懐恩(ソウカイオン)はそれとなく江夏王の顔を見たが、王夙は首を小さく横に振った。結局、誰も名乗りを上げず、温宗慎は仕方なく衛(エイ)氏の息子・勘(カン)を推薦する。皇帝はまるで興味がなさそうに了承すると、面倒臭そうに退朝した。宋懐恩は王夙になぜ止めたのか聞いた。すると王夙は勇敢に戦った豫章王の末路を見れば分かるという。「待て、今は待つのだ」実は推薦された衛氏の息子なら王夙もよく知っていた。確かに兵書を熟読しているかもしれないが、机上の空論で勝てるほど実践は甘くない。恐らく代わりに派遣できる者がおらず朝廷は慌てふためくはずだ。「手を上げるのはその時に…」一方、衛侯は丞相を呼び止めていた。実は豫章王亡き今、宋懐恩に人気が集まり、当時の蕭綦と同等の威信を持っているようだという。しかし蕭綦と違って宋懐恩は役人との交流を好み、屋敷も豪華に飾り立てていた。衛侯は丞相も見に行ってはどうかと勧めたが、温宗慎は見たところでどうにもならないという。「おいおい考えるとしよう」貴妃に封じられた蘇錦児(ソキンジ)は皇帝唯一の妃だったが、子澹は一度も錦繍宮に現れなかった。「陛下がお越しにならないなら、私が行くしかないわね…」痺れを切らした錦児は差し入れを持って式乾殿を訪ねた。子澹はまだ政務中だったが、いずれにせよ貴妃にも蓮の実の吸い物にも興味はない。そこで錦児は子澹のそばへ行く口実に少しばかり墨を擦り、早々に帰ることにした。すると子澹は錦児の残り香に気づいてふと引き止める。「(クンクン…)そなたの身体から蘇合香(ソゴウコウ)の香りがする…」「(ニヤリ…)私は王妃と共に育って来ました、王妃の好みに影響されて…」錦児はかつて謝宛如(シャエンジョ)の企みで使った方法を利用し、再び子澹の寝屋に潜り込むことに成功した。王儇は愛する蕭綦を失い途方に暮れた。まさかその頃、蕭綦が自分を探しながらライオ◯キングになっているとも知らず…。翌朝、凌春(リョウシュン)が嬉しそうに式乾殿に駆けつけた。「陛下!豫章王妃は生きています!」実は豫章王を捜索中の兵から急報が舞い込み、賀蘭箴が忽蘭(クラン)に連れて行った女人が王妃にうり二つで、豫章王妃に間違いないと噂になっているという。思わず寝所の帳から飛び出した子澹だったが、ふと錦児の話と違うことに気づいた。錦児は咄嗟に崖から身を投げながらも王妃が助かったと喜び、何にせよ良い知らせだと満面の笑みを浮かべる。「…ああ、その通りだ」すると子澹は急に冷たくなり、そのまま出て行ってしまう。王藺も王夙から阿嫵の消息を聞いていた。子澹が大成をくまなく探しても見つからなかったはず、どうやら阿嫵が自死したというのは錦児の嘘だったのだろう。「錦児は幼い頃より家族同然ながら、阿嫵を救う手をお前と相談することもなく子澹を訪ねた 計略があったのだろう…」「…蘇貴妃を甘く見ていました」錦児の裏切りに唖然とする王夙、しかし宋懐恩の方は自分たちの役に立ちそうだと報告した。喜んだ王藺は懐恩が望むものを満足いくまで与えるよう助言し、懐恩が豫章王を超えたと考えるようになれば蕭綦への依存から脱却できるという。すると王安がやって来た。皇帝が王夙を呼んでいるという。そこで王藺は子澹が阿嫵を救出するために忽蘭へ行けと命じても応じるなと助言した。阿嫵を連れ戻すためなら子澹はどんな犠牲も払うはず、そうなれば士族の不満が爆発する。王藺はその責任を子澹1人に負わせ、この混乱を利用して王氏を再興しようと企んだ。何より阿嫵には反逆者の妻という罪名があり帰京しても危険なだけ、賀蘭箴が阿嫵に心を寄せているなら今はかえって忽蘭にいる方が安全だという。参内した王夙は回廊で偶然、蘇貴妃と出くわした。王夙は貴妃に拝礼しようとしたが、それより先に錦児が丁重に挨拶する。「貴妃に封じられたのですから一礼は結構です」「…恐れ多いことです」すると錦児は気まずそうに去って行った。王夙は朝堂に入る前に宋懐恩を呼び止め、これから朝廷が大騒ぎになるが、自分に従って欲しいと釘を刺した。「一体、何事ですか?」「…屋敷で宴を開く、来てくれればその時に分かる」すると王夙の言った通り朝廷は紛糾した。子澹は朝議で上陽郡主が忽蘭で生きていると報告、江夏王を交渉に行かせ、拒まれば戦うと宣言する。驚いた大臣たちは猛反発したが、子澹は阿嫵のためなら国などどうでも良いと言い放った。「江夏王、そなたはどう考える?」「…陛下、妹1人のために国を危険にさらすことはできません! 朝廷では兄妹愛よりも国の利益が重要です!」「江夏王っ!…余を失望させたな、妹を見捨てるとは兄の風上にも置けぬ! 粛毅(シュクキ)伯…お前の妻と上陽郡主は姉妹同然、お前も豫章王に可愛がられた部下だ 上陽郡主を助けるか?」宋懐恩はすぐにでも助けに行きたい気持ちを必死に抑え、江夏王に追従した。「上陽郡主と共に戦い、人となりをよく存じております …万が一、陛下の意向を知れば郡主は同意しないはず、どうかご再考くださいますよう」大方の予想を裏切り王夙と懐恩まで戦に反対した。孤立無縁となった子澹は激高し、自分独りでも阿嫵を救いに行くと決める。「すでに心を決めた…退朝せよ」陛下!なりませぬ!ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ<陛下!三思!侍女から報告を聞いた錦児は恐れていた事態になり動揺した。大臣たちは皇帝の書房の前で嘆願を始め、朝廷は大混乱だという。「陛下、謁見が許されぬなら大臣らは死んでも動かぬと…」「伝えて来い、3日後に出征する、死にたいなら望み通りにしてやるとな」すると子澹は侍従に剣を投げた。王藺は予想通りの展開に高笑いした。しかしあの温宗慎がいるかぎり戦は起こらないだろう。子澹が騒げば騒ぐほど無能さと幼稚さが露呈し、人心を失うだけだ。すると王藺は王夙に懐恩を呼んでくるよう命じた。その夜、王儇が珍しく賀蘭箴の天幕を訪ねた。「民を大成に送り返してくれたら要求をのむわ」「婚姻してくれるか」「ええ…民を解放してくれるなら婚姻する」喜んだ賀蘭箴は思わず王儇を抱きしめた。王儇は早速、牢屋を訪ね、賀蘭箴が解放を約束したと教えた。そこで龐癸に近いうちに民たちと発つよう告げる。つづく
2022.03.25
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上阳赋 The Rebel Princess第57話「貴妃への転機」王儇(オウケン)の暗殺に失敗した王倩(オウセン)。賀蘭拓(ガランタク)は仕事の邪魔をするなと折檻したが、王倩は自分で王儇を殺して大成での恨みを晴らしたいという。しかし賀蘭拓は婚礼の儀まで手を出すなと命じた。「俺の仕事が終わったら煮るなり焼くなり好きにしろ!」一方、小皇子・馬静(バセイ)は危うく連れ去られそうになったところを王藺(オウリン)に救われた。翌朝、王夙(オウシュク)は父から隠し事をしたと責められたが、実は阿嫵(アーウォ)から身分を隠して守るよう伝言があったと釈明する。王藺は顧采微(コサイビ)を襲ったのが皇太后の手下だったと教え、小皇子は自分のそばに置くのが最も安全だと言った。その意味を悟った王夙は小皇子が権力争いに巻き込まれるのを阿嫵は望まないと反対したが、王藺は皇子に生まれた以上、巻き込まれるのも宿命だという。王夙は采微が怪我をしたと知り、急いで顧家を訪ねた。「迷惑をかけてしまったな、すまない」しかし采微はむしろ預かったのが王夙の子供ではなかったことに安堵している。王夙は嘘をついたと認めて事情を明かそうと思ったが、采微が遮った。「あの子が誰であろうと気にしません、このまま知らぬふりを通します、理由があるのでしょう?」「ああ、助かるよ」すると王夙は明日、皇都に戻ると伝え、一緒に行かないかと誘った。采微は何の約束もなく心許ないと感じ、皇都に行っても今の顧氏では役に立てないと言葉を濁す。そこで王夙は約束の品として自分の玉佩を贈り、采微も自ら刺繍した手巾を渡した。王儇は賀蘭拓の天幕から出て来た王倩を呼び止めた。すると王倩はさそりのことなら自分ではなく術士のせいだと言い逃れ、ここで贅沢な暮らしができるのも王儇のおかげだと心にもないことを言う。そんな歯が浮くよう台詞を王儇が信じるはずもなく、相変わらず嘘つきで性格が悪くなったと呆れた。しかし王倩は王儇が夫も両親も失い、侍女にまで裏切られたのは報いだと言い放って行ってしまう。皇帝・馬子澹(バシタン)は阿嫵の自死を知って倒れ、それから飲まず食わずとなった。心配した蘇錦児(ソキンジ)は式乾殿を訪ねたが、冷たく追い返されてしまう。しかし錦児は門前でひたすら待ち続けた。侍女・凌春(リョウシュン)は困惑したが、確かに憔悴して行く皇帝にただ手をこまねいているわけにもいかない。「陛下に薬を飲むよう説得してもらえますか?」錦児は皇帝に目通りが叶い、たとえ死を命じられても言わねばならないと切り出した。「一国の主として国のために生きてください 王妃は豫章(ヨショウ)王の妻です、もう認めてください お2人は長い時間をかけて愛を育まれました、王妃は陛下を忘れたのです 王妃を命懸けで守り天下を取っても、どれだけ尽くしても、王妃の心に陛下はいません…」「誰か!追い出してくれ!」凌春は皇帝の怒号を聞いて駆けつけた。しかし錦児は話をやめない。「陛下?!…私はしがない侍女ですが、陛下が王妃に尽くすように私も陛下に尽くして来ました 私は尽くしたいのです、陛下に哀れんで欲しいのではありません 亡き王妃もこのような陛下のお姿を見たくはないでしょう お願いです、どうか早く立ち直り、ご自身を大切に…」「…話が済んだら出ていけ」すると凌春は錦児を連れて行った。豫章王妃の死で皇帝はふさぎこみ、朝議にも顔を出さなかった。大臣たちは王妃の死を皇帝の耳に入れたのが蘇錦児だと知り、この機に罪人の侍女も始末しようと決める。すると式乾殿に鳳池(ホウチ)宮の宮女が駆けつけた。蘇錦児が投獄され、皇帝に助けて欲しいという。蘇錦児は拘束され、地下牢に連行された。牢で待っていた温宗慎(オンシュウシン)と衛(エイ)侯は豫章王妃の自死が事実かと確認、錦児が認めると処刑を命じる。しかし地下牢から出ようとしたところで皇帝がやって来た。子澹は自分の従者を勝手に殺すつもりかと激怒したが、2人は皇帝のためであり後悔はないという。「陛下、豫章王の残党を生かすわけにはいきません!」すると子澹は朝廷が錦児をどうしても殺したいなら逆に可愛がると言い放ち、その場で錦児を貴妃に封じてしまう。その頃、カルから戻って来た忽蘭(クラン)王は未だ王儇が生きていると知って憤慨した。賀蘭拓は賀蘭箴(ガランシン)が王儇に大勢の護衛をつけたため近寄れないと釈明し、婚儀の日までに方法を考えるとなだめる。一方、賀蘭箴は王儇に草原の婚礼服を届けた。心配せずとも婚礼は王儇に地位を与えるため、何も強要するつもりはないという。しかし王儇は未だ蕭綦(ショウキ)の死を信じられず、″豫章王妃″以外の称号はいらないと断った。賀蘭箴は現実を受け入れるよう説得したが、王儇はたとえ蕭綦の死が事実だとしても、婚礼服は着ないと突き返す。「帰って…」「俺には気がないようだ…少しも心が揺れないと?」「…あなたとの時間は苦痛であるだけ、永遠に消え去って欲しい」( ꒪ͧ⌓꒪ͧ)ガーン…な賀蘭箴w賀蘭箴は自分の天幕に戻り、阿嫵の婚礼服を大切に飾っておいた。自分との時間が苦痛以外の何物でもないと突き放され、さすがに深く傷ついた賀蘭箴、しかしそれでも一生、阿嫵を待つと決意する。その頃、蕭綦は愛する妻を取り返すため、孤独な旅を続けていた。🦁<ナーツィゴンニャー〜♪ ←あくまでイメージw蘇錦児が目を覚ますといつの間にか寝殿にいた。すると控えて侍女が錦繍(キンシュウ)宮は保護され、誰も蘇貴妃を傷つけないと安心させる。実は牢獄で首を吊られて気を失ったあと、子澹が病を押して助けに来ていた。子澹はその場で蘇錦児を貴妃に冊封、錦繍宮を下賜したという。…子澹の心には私がいたのね!…感激した錦児は身支度もせず、少女のように裸足のまま駆け出した。子澹は今日もひとり阿嫵の絵を眺めていた。すると意識を取り戻した錦児が現れ、拝礼して助命に感謝する。「…余が落ちぶれ隠れて帰京した時、助けてもらった恩を忘れぬと言ったではないか この数年、そなたの余への想いは分かっておる」「このご恩、死ぬまで忘れません、私はこの人生を陛下のために生きています」しかし子澹は錦児が望む答えをくれなかった。「…余は誰のために生きればいいのか分からぬ」子澹が錦児を助けたのは想いが通じたからではなく、阿嫵が大切にしていた侍女だからだった。( ꒪ͧ⌓꒪ͧ)ガーン…再び王夙と宋懐恩(ソウカイオン)の一行が江南から帰京した。夫の無事な姿を見て涙する蕭玉岫(ショウギョクシュウ)、一方、王夙は徐(ジョ)女官と阿越(アエツ)を連れて久しぶりに王氏の屋敷に戻る。「阿嫵が戻るまで以前の部屋を使いなさい…王安、一緒に出かけるぞ」王夙は王安を連れて母が眠る慈安(ジアン)寺を訪ねた。そこで静慈師太に母が頻繁に夢に現れるようになり、母のそばで過ごせるよう寺の近くに静かな家を探していると告げる。「手を貸してくださいませんか?」「さすがは孝行息子ですね、当然、協力しましょう」その夜、なかなか寝付けない阿嫵は幕営を散策していた。すると偶然、夫と密会しているアリマを目撃する。「アリマ?」驚いたアリマはウリモクとひざまずき、王妃に拝礼した。ウリモクはアリマの夫で、奴隷として一緒に連行されたという。王儇はウリモクが祭りでアリマの酒を飲んだ男だと思い出したが、その時、どこからともなく王儇を呼ぶ声が聞こえた。「王妃!」王儇が付近を見回すと、捕虜の牢屋に見覚えのある顔がある。「龐癸(ホウキ)?!」王儇は急いで牢屋に駆けつけた。「生きていたのね、死んだと思っていたわ…」「王妃、私は無事です!」つづく( ;∀;)ぱんだあぁぁぁぁ!
2022.03.24
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琉璃(琉璃美人煞) Love And Redemption第49話情人呪(ジョウジンジュ)仮面の恐ろしい罰を知った褚璇璣(チョセンジー)。衝撃を受けた璇璣は姿を消した禹司鳳(ウシフォン)の手がかりを求め、騰蛇(トウダ)神君と離沢(リタク)宮に駆けつけた。しかし誰もいないはずの宮殿から物音が聞こえる。「司鳳!」離沢宮にいたのは無支祁(ブシキ)と紫狐(シコ)だった。思わぬ宿敵との対面に騰蛇は怒り心頭、しかし璇璣は司鳳と義兄弟になった無支祁なら悪い妖魔ではないという。「司鳳はどこですか?誤解を解いて許してもらいたいのです」「…知っているが教えられぬ、司鳳との約束だ、悪く思わないでくれ」璇璣は仕方なくあきらめ、ならば琉璃盞(ルリサン)の封印に使った均天策海(キンテンサクカイ)が欲しいと頼む。すると無支祁は急に千年前のことを聞いた。「かつて私が君を魔域に誘い込んだ時、君は何を見て憤慨し、天界で凶行に及んだのだ?」「分かりません、天界に記憶を消されて覚えていないので…」「ふっ、天界の隠匿体質は変わらぬようだな~」無支祁は均天策海なら司鳳に渡したと教え、欲しいなら司鳳を探すしかないと言った。ただし司鳳は情人呪を解くため忘情丹(ボウジョウタン)を飲み、璇璣のことを忘れたと聞いたという。「情で苦しむなど、この世で最大の愚行では?」「…私の最大の愚行は司鳳を失ったこと、必ず探し出します」無支祁は今生の戦神が天界の時より面白いと笑い、璇璣の額中に傲来(ゴウライ)国の無患子(ムクウジ)を入れてやった。「これで気配を隠すことができる、″面倒″な輩を避けられるぞ?ふっ… 実は司鳳にも渡してあるゆえ、奴は簡単には見つからぬ」無支祁は紫狐を連れて出て行った。すると騰蛇は司鳳が触れた物があれば自分でも見つけられると豪語する。璇璣は魯公鎖(ロコウサ)があると思い出し、早速、頼んだ。そこで騰蛇が仙術をかけると、魯公鎖が司鳳の元へ飛んで行く。2人は慌ててあとを追ったが、そこは司鳳が使っていた部屋だった。どうやら無支祁が言った通り司鳳の気配が消えているため、魯公鎖はかろうじて気配が残っている部屋に来たのだろう。騰蛇は仕方なく仙術を解いて司鳳を探し回る魯公鎖を回収した。しかしこれをきっかけに魯公鎖が壊れ、中から司鳳の秘密が出てくる。…真実を話す前に全てが明るみに出てしまった、だが他に隠し事はない…璇璣はあの時の言葉が真実だったと知り、全て自分の誤解だったと泣き崩れた。無支祁は束縛を嫌い、しつこく付きまとう紫狐を突き放した。どんなに尽くしても無支祁にとってふわふわした狐でしかない紫狐、すると無支祁は酔い潰れて眠ってしまう。「私を好きになることがそんなに難しい?」紫狐は深く傷つき、無支祁にそっと口づけして姿を消した。翌朝、無支祁が目を覚ますと紫狐が朝食を準備していた。「…まだいたのか?」千年前の教訓を思い出した紫狐はどこまでもついて行くと宣言、無支祁は頭を抱えてしまう。一方、若玉(ジャクギョク)は妹の行方を探すため、魔域にやって来た。そこで元朗(ゲンロウ)が落とした黒い羽根に修羅大将軍の棺から煞霊を集めてみると、元朗の元神が現れる。「妹はどこだ?!言え!言わなければ羽根を消滅させるぞ!」すると石に字が浮かび上がった。…離沢宮の地下牢…離沢宮に駆けつけた若玉はちょうど無支祁と紫狐が出て行くところを見た。咄嗟に隠れて難を逃れた若玉、すると司鳳を探していた小銀花(ショウギンカ)と出くわす。「みんなどこへ行ったの?」「分からない…とにかく幽閉されている妹を連れて帰るよ」「妹?!」若雪(ジャクセツ)は誰もいなくなった冷たい地下牢で独り倒れていた。駆けつけた若玉は妹を抱きしめ、ようやく家に帰れると告げる。若雪は自由になれると聞いて笑顔になったが、そのまま兄の腕の中で息絶えた。若玉は小銀花と一緒に若雪を離沢宮近くの海岸に埋葬した。小銀花は元朗が家族を人質にして配下を操っていたと知り、若玉も自分と同じように愛する人を守って来たと理解を示す。「ここで初めて君を見た時、後ろ姿が若雪にそっくりだった…」愛する妹を失った若玉は今の唯一の気がかりが小銀花のことだけだと言った。「しっかり生きてくれ、助けが必要なら連絡して欲しい」すると小銀花は司鳳を傷つけず契りを断ち、陸嫣然(リクエンゼン)として司鳳を堂々と愛したいと願った。「はお、私が力になるよ」若玉は修羅族が霊獣を扱う術を熟知していることから、魔域にある典籍を読めば解決できるはずだと言った。璇璣は司鳳を探しに行くため、父に下山の許しをもらうことにした。天虚(テンキョ)堂が消滅し、今なら自分がいなくても天下は安泰だろう。璇璣は天界では鎧を身につけて英雄となったが心は空虚だったと話し、今生は人間として普通に生きたいと訴えた。「ある町に根を下ろし、1人の相手と添い遂げたい…その相手は司鳳よ」褚磊(チョライ)は黙って璇璣を送り出してくれた。すると褚玲瓏(チョレイロウ)が旅立つ璇璣を呼び止め、同行できない代わりに自分の蓄えを持たせる。「司鳳はきっと見つかるわ…帰りを待ってる」璇璣は道すがら騰蛇に別れを告げた。「傷つかずに契りを断つ方法を知らない? …悪を倒すためにあなたを霊獣にしたの、私的な用事に付き合わせるわけにいかない」しかしあれほど霊獣を嫌がっていた騰蛇はなぜか怒り出した。「私の誠意がお前には分からぬのか?!いいだろう、断てよ!断ってみろ!」「はおはお…もう契りを断つなんて言わないから怒らないで…じゃあ同行してくれる?」「どうしてもって言うなら…一緒に行ってやるよ」騰蛇は司鳳が璇璣との思い出の場所にいるのではと予想した。そこで懐かしい場所をたどりながら、かつて司鳳たちと一緒に泊まった来客酒肆(ライキャクシュシ)にやって来る。璇璣は給仕に司鳳の似顔絵を見せ、当時は仮面をつけていたと説明した。すると給仕は司鳳のことを良く覚えていたが、あれ以来、見ていないという。実は当時、司鳳はある人に料理を作りたいと頼み、夜更けに料理長から調理法を学んでいた。司鳳との大切な思い出がある青木(セイボク)鎮の庭は焼失していた。願掛けの木も失くなり落胆を隠せない璇璣、もはやどこを探せばいいのか分からない。「思い出すのは司鳳が尽くしてくれたことばかり…なのに私は薄情だった その上、剣で刺して酷い傷を負わせてしまったわ 騰蛇?…どうして私はこんなに残酷なの?」「アウアウアウ…あ~そうだ!柳意歓(リュウイカン)はどこに住んでいるんだろう?天眼で探せるのでは?」柳意歓は娘・玉児(ギョクジ)と慶陽(ケイヨウ)城で暮らしていた。ようやく2人の落ち着き先を見つけた璇璣たち、しかし意歓は司鳳の行き先なら知らないと取りつく島もない。璇璣は自分が間違っていたと謝罪したが、意歓は余生を平穏に過ごさせてやれと口を滑らせた。「余生って…まだ発作が?!無支祁は司鳳が忘情丹を飲んだと言ってたのに…」( ̄▽ ̄;)<ぁ…それは…飲んださ、君のことは覚えていない璇璣は司鳳を傷つけてしまった後悔を切々と訴え、どうしても司鳳を探し出して償いたいと言った。しかし意歓は首を縦に振らない。憤慨した騰蛇は自分の娘が償う機会を得たのに、璇璣には与えないのかと迫った。←正論過ぎるwそこで璇璣は今生こそ司鳳と幸せな結末を迎えたいと哀願し、2度と傷つけないと誓う。「司鳳に愛されなくてもいい、柳大哥(ダーグァ)が玉児を守るように司鳳を守りたいのです!」そこへ玉児がお茶を持って来た。玉児は教えるべきだと父を説得、むしろ探してもらえば父の心配もなくなるという。「はあ~やれやれ、本当に行き先は知らないんだ、ただ南方を探してみろ 霊力の満ちた場所に行けば見つかるやも…」柳意歓は司鳳が離沢宮を出ると知った時、司鳳が独りどこかで死を待つつもりだと心配した。しかし司鳳はまだ死ぬ気はないと安心させ、実は無支祁から均天策海の力を抑えられる寒潭(カンタン)があると聞き、そこへ行くと決めたという。ただ璇璣については結ばれない運命だと見切りをつけ、あきらめると言っていた。つづく( ̄▽ ̄;)え?確か陸嫣然は実在していたはず…
2022.03.23
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琉璃(琉璃美人煞) Love And Redemption第48話琉璃盞(ルリサン)の封印で霊力を使い果たしてしまった禹司鳳(ウシフォン)。そこで宮主の座を譲ることにしたが、羅(ラ)長老から宮主は司鳳しかいないと断られてしまう。しかし柳意歓(リュウイカン)は司鳳が霊力のことだけでなく、人知れず姿を消してひっそり死を待つつもりだと見抜いた。司鳳は体内にある均天策海(キンテンサクカイ)が魔煞(マサツ)星の復活に利用されるのを恐れ、戦神からできる限り離れたいのだろう。「そこまで覚悟できているなら忘情丹(ボウジョウタン)を飲んだらどうだ?」褚璇璣(チョセンヂー)が目を覚ますと自分の部屋だった。すると付き添っていた褚玲瓏(チョレイロウ)は琉璃盞なら父が封印してくれたと嘘をついて安心させる。騰蛇(トウダ)神君も璇璣では魔煞星の心魂を消すことなどできず、昊辰(コウシン)の勘違いだとごまかした。秘境でのことを思い出そうとすると激しい頭痛に襲われてしまう璇璣、しかし何かがおかしい。一方、無支祁(ブシキ)と紫狐(シコ)はがらんとした離沢(リタク)宮にいた。弟子を連れて出て行った司鳳、自由を愛する無支祁には司鳳がなぜ自ら重荷を背負うのか不思議でならない。しかし紫狐は自由より大切なものがあると言った。「縛られることを望む者だっているの…」床を離れた璇璣は師兄との約束を果たすため、再び秘境に向かった。しかし霊獣である騰蛇がすぐ感知し、桟橋に現れて止める。すると璇璣は琉璃盞を破壊しようとした時、なぜか胸が痛んだと話した。「実は見たの…おぼろげだったけれど、誰かが魔煞星の心魂を取り出していた でもその痛みが伝わって来るなんて変だわ…」璇璣はともかく三界の平和を守るためにも再び壊せるか試したいという。真実を伝えられず必死にごまかす騰蛇、それがかえって璇璣の疑念を深めた。「本当に父上が封印したと言うの?…自分の目で確かめる」琉璃盞には金赤鳥の封印があった。騰蛇は璇璣も真実を知るべきだと考え、実はあの時、司鳳が心魂と共に消滅しかけた璇璣を救って封印してくれたと教える。「司鳳がお前に言うなって…」司鳳はもちろん本物の魔煞星ではなく、元朗(ゲンロウ)を倒すために装っていただけだという。驚いた璇璣は司鳳に会って確かめると決めたが、そこへ褚磊(チョライ)がやって来た。「離沢宮には誰もおらぬ…敏行(ビンコウ)に探らせたが、結界が取り除かれ、中はもぬけの殻だった」「それでも行くわ!」すると慌てた様子で大師兄が現れた。「急報です!不周山で烏童(ウトウ)を目撃したと…」褚磊は司鳳も一族を連れて不周山へ行ったに違いないと考え、引き続き調査するよう命じる。しかし報告にはまだ続きがあった。「それが…玲瓏が烏童を殺すと不周山へ…」玲瓏は鐘敏言(ショウビンゲン)の黒白指輪を持ち出していた。玲瓏は花妖の記憶を頼りに不周山の根城にやって来た。すると半妖と化した烏童を発見、背後から襲い掛かる。しかし人間が妖魔に敵うはずもなく、あっさり烏童の手に落ちた。「お前が探しに来ると思っていた…その様子だと鐘敏言は死んだな?ふっ」烏童は玲瓏から奪った面紗を取り出し、今日こそ自分たちの婚礼だと喜ぶ。そこで玲瓏は素早く足で地面に雷神を敷いた。「烏童…今日は命日よ?ふふ、私の命を供物にして天雷を呼んだの 私とあなたの功力なら強力な天雷が起きる…あなたは死ぬのよ!あっはははは~!」その時、激しい天雷と共に山が揺れた。門番の神荼(シント)と鬱塁(ウツルイ)は不周山の異変に気づき、焚如城の様子を見に行くことにした。しかし騰蛇神君が現れ、足止めされてしまう。璇璣はその間に不周山へ潜入し、崩れる洞窟の中から玲瓏を助け出した。その時、柱の下敷きになっていた烏童がはい出して来る。「天虚堂も離沢宮も禹司鳳のせいで離散した、元朗の千年の計もついえたではないか! 戦神には恐れ入る…魔煞星の禹司鳳に琉璃盞よりもお前との将来を選ばせるとはな」烏童の話は騰蛇の話と一致していた。璇璣は烏童に司鳳の行き先を聞いた。まさか璇璣が司鳳の居場所を知らないとは笑止、烏童は司鳳が元朗を抹殺し、自ら命を絶つつもりだという。「確かに魔煞星になってもつまらぬ、愛する人がいなければ生きる意味もないだろうな…ふっ」当てこすられた玲瓏は激怒、思わず烏童に襲いかかった。「玲瓏っ!」璇璣は咄嗟に止めようとしたが、突然、天雷が落ちて吹き飛ばされてしまう。烏童は自分に戦いを挑む玲瓏の姿さえも愛おしく思えた。しばらく玲瓏との手合わせ興じる烏童、しかし再び激しい天雷が落ちて来る。2人は地面に激しく叩きつけられたが、先に立ち上がったのは玲瓏だった。玲瓏は烏童に突進、渾身の力で烏童の胸を突き刺す。「ふっ、私を憎む顔も美しい、やっと分かった… 望んだのは五大門派への復讐などではない、そのまなざしだ…私を見て欲しかった」その時、烏童は焚如城の門が開いたと気づいた。ついに焚如城の門が開いた。烏童はいっそ玲瓏を道連れにして死のうと思いつき、咄嗟に玲瓏を抱きしめて身を任せる。「離して!離してよ!」「なぜ生きるのか分からなかった…だが今、分かった、欲しいのはお前だけ…」激しい力に吸い込まれて行く烏童と玲瓏、その時、門めがけて飛んでくる璇璣の姿が見えた。烏童は最後の最後で愛する玲瓏を解放、背中を押して玲瓏だけ助け、独り焚如城へ消えてしまう。すると璇璣が玲瓏をつかんで思い切り騰蛇がいる崖へ放り投げた。しかし璇璣はそのまま焚如城へ吸い込まれてしまう。「璇璣ぃぃぃぃっ!」烏童と璇璣は深い川に落ちた。烏童の身体はゆっくり沈んでいったが、意識のある璇璣はふいに第1話の記憶が蘇る。…ここは忘川河(ボウセンガ)だわ…璇璣は9度目の転生のため焚如城にいた天界に残りたいと涙する罪人たち、しかし璇璣は冷ややかに言う『なぜ執着するの?人生は退屈なだけよ…』『…そうだな、忘れたらいい』驚いた璇璣が振り返ると、ちょうど忘川水を飲んでいる司鳳がいた…はっ!あれは司鳳だわ…すると璇璣はこれまでの転生の記憶が蘇り、司鳳を傷つけてばかりだったと思い出した。…今度こそあなたを大切にすると誓ったのに、また裏切ってしまった、司鳳に会わなくては…その時、天界で天雷の罰を受けた当時の苦しみがそのまま蘇って来た。( ๑≧ꇴ≦)<うわあぁぁぁーっ!ブクブクブク…十二羽金赤鳥は大きな翼で傷らだけの戦神を覆った『君は死ぬべきではない、人間界に行けば天界は君に手が出せなくなる』『許さぬ!』(´゚ω゚):;*.’:;.,.ブハッ!あの時、帝君は怒って司鳳に一撃を与えた結局、記憶を消されて下界に突き落とされた戦神、しかし司鳳がすぐあとを追って来る『私も行こう…私の命で君の邪気を解く…天界の過ちは私が償おう』…司鳳?!ブクブクブク…騰蛇は璇璣を忘川河から救い出した。前世を思い出した璇璣は呆然、確かに天界で金赤鳥と出会い、司鳳がずっとそばにいてくれたと思い出す。…全て忘れ、転生のたびに司鳳を苦しめていたのね…天界でも転生の間も司鳳だけが璇璣を助け、支えて来た。「そんな人が私を裏切るはずないのに…騰蛇、私が間違っていたわ… 最初から最後まで間違いだった!」騰蛇は真実を明かせず、号泣する璇璣に困惑した。「あ!そうだ、少陽で亭奴(テイド)に会った、鐘敏言の治療で来たと…」「それを早く言ってよ!」亭奴の治療のおかげで鐘敏言はようやく意識を取り戻した。人目も憚らず敏言に抱きついて涙する玲瓏、そこで不周山で烏童を討ったと報告する。すると璇璣が急いで戻って来た。褚磊は亭奴に拝礼して感謝したが、亭奴は友人に頼まれて来ただけだという。「司鳳ね…」璇璣は司鳳が亭奴を送ってくれたと分かった。すると亭奴は司鳳からまだ2つ頼まれているという。「褚掌門に伝言です、司鳳はもう妖族を制御できませんが、 金赤鳥一族は今後、人間や修仙門派には関わらないそうです、それからこれを…」亭奴は楚影紅(ソエイコウ)に内力を回復できる妙薬を渡し、帰って行った。鐘敏言は師叔を襲ったのが若玉(ジャクギョク)だったと教えた。「本人から聞きました、私が誤解していたんです」すると璇璣も司鳳が魔煞星ではなかったと明かし、全て終わってから説明すると言われたという。「それなのに私ったら…(はっ!)亭奴!」璇璣は司鳳の居場所を聞くため亭奴を追いかけた。するとちょうど柳意歓と合流して下山する亭奴を見つける。「あの師兄、とんだ食わせ者だ!元朗にやられた傷を小鳳凰のせいにしおって!」驚いた璇璣は思わず2人を呼び止め、今の話は本当かと聞いた。意歓は司鳳を苦しめ続ける璇璣に憤り、この天眼で見たと声を荒げる。「忌々しい少陽派なんぞ来たくなかったわ!」「司鳳は今どこに?」「…金赤鳥は離沢宮を出て人間界から消えた、行き先など知るか」「そんな…もう2度と会えないと?」「それが一番だ!君たちはもう会うな!情人呪の発作が起きたらあいつは死んでしまうからな」「…情人呪って何ですか?」意歓は呆れて帰ることにしたが、亭奴は心残りがないよう教えるべきだと言った。情人呪仮面は最も残酷な刑罰だった。愛する女子がいる者はこの罰を受けるより死を選ぶという。「女子への情が生じると仮面が取れなくなり、3度、情に傷つくと苦痛の中で死ぬ」あの時、司鳳は璇璣への情を断てず、十三戒の煉獄塔に1年も投獄された。結局、璇璣と音信不通になり、司鳳は仕方なく仮面をつけたという。「再会せねば無事でいられたのに…君が現れ付きまとった あいつは期待したんだよ、君が心から自分を愛し、仮面を外して情人呪を解いてくれるとな! しかし何の因果か君は戦神だった… 神木で作られた仮面は君の神力に逆らえず、あっさり外れたよ、呪いを残したままね」司鳳は璇璣への情を断てず、一大決心して璇璣に命を預けた。しかし全ては徒労に終わってしまう。意歓は次に発作が起きれば司鳳は死んでしまうと言った。「だからもう会わないでくれ」つづく( ;∀;)そうだそうだ!もう会うな!←完?w
2022.03.22
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琉璃(琉璃美人煞) Love And Redemption第47話少陽山の弟子たちが見守る中、首陽(シュヨウ)堂で褚玲瓏(チョレイロウ)と鐘敏言(ショウビンゲン)の婚儀が始まった。一方、元朗(ゲンロウ)は禹司鳳(ウシフォン)と無支祁(ブシキ)に騙され、自らが煉魂鼎(レンコンテイ)の標的となってしまう。全ては魔尊のため、これからも魔尊を手助けしたいと命乞いする元朗、すると司鳳はその必要はないと断った。「お前の手助けなどいらぬ…私は魔煞(マサツ)星ではないからな」焦った元朗は盟友の無支祁に泣きついたが、実は無支祁が自分を恨んでいると知る。「お前は修羅王が天界を攻めるよう仕向け、戦いに敗れると保身のために私を天界に売った! 千年の恨み晴らさでおくべきか!」すると元朗はついに煉魂鼎に魂を吸い取られ、消散した。紫狐(シコ)は無支祁が積年の恨みを晴らしたと喜んだ。しかし無支祁は元朗にしてはあまりにあっけなかったと困惑する。「…はっ!忘れていた!元朗は分身の術を使える!」その時、秘境付近の空が赤く染まっていることに気づいた。「少陽を攻める気だ!」「行くぞ!」司鳳が飛び出すと、無支祁は紫狐に危険なので来るなと言った。修羅大将軍の身体を借りた元朗は若玉(ジャクギョク)と烏童(ウトウ)を伴い秘境にいた。しかし分身が禹司鳳と無支祁に騙されたと気づき、戦神の力を奪えなかったと分かる。「まずは琉璃盞(ルリサン)を奪って機会を待つしかあるまい…」そこで若玉と烏童に見張りを頼み、湖底に入った。昊辰(コウシン)は懸命に琉璃盞を封印しようとしたが失敗した。やはり璇璣に自ら破壊させるしかない。そこへ千年前に滅びたはずの修羅が現れた。「朱雀瓶と聞いてお前の正体に目星がついた 四聖獣(シセイジュウ)の法宝を持ち出せる者は限られているからな… だが今のお前では到底、私には勝てぬ」宴もたけなわとなり、鐘敏言は昊辰と杯を交わそうと秘境へやって来た。すると見張りをしていた烏童が現れる。婚礼衣装の敏言を見た烏童は驚愕、敏言を吹き飛ばし、褚玲瓏を探しに行った。騒ぎに気づいた若玉が桟橋に駆けつけた。鐘敏言は若玉が生きていたと知り、司鳳の話が全て正しかったと分かる。「…兄弟のように思っていたのに、見損なったぞ!」若玉は確かに敏言を騙して霊匙(レイシ)を奪い、司鳳を陥れたと認めた。実は師叔の楚影紅(ソエイコウ)を襲ったのも若玉だという。「悪事を重ねて来たからこそ見過ごせない、烏童は半妖だ、勝てるはずない 私が行って来る、玲瓏に手出しはさせないよ」しかし敏言は隙を突いて若玉に一撃を与えた。「全ての借りはいずれ必ず返してもらう…」元朗はすでに弱っていた昊辰を投げ飛ばし、ついに斬りかかろうとした。しかしそこへ司鳳と無支祁が駆けつけ、思いがけず救われる。「ここは私が…」すると無支祁は司鳳に修羅大将軍の相手を任せ、高みの見物を決め込んだ。一方、何も知らず床入れの儀を待っていた玲瓏はようやく戸が開く音を聞いた。「待ちくたびれたわ…早く面紗(メンシャ)を取ってちょうだい」「面紗をめくったからにはお前は私の花嫁だ」あろうことか新婚夫婦の寝所に現れたのは烏童だった。::(;゙゚’ω゚’)::ひいぃぃぃぃ〜っ!烏童は玲瓏を点穴して動きを封じ、抱き上げて部屋を出た。すると敏言が駆けつけ、烏童の前に立ちはだかる。「お前がいるから玲瓏は私を拒むのだ、お前を殺せば手に入る!」半妖と化した烏童は敏言に襲いかかり、玲瓏の前で力の差を見せつけた。玲瓏は敏言が殺されるくらいなら自分が犠牲になることもいとわず、涙ながらに烏童と共に行くと訴える。しかし烏童は玲瓏の敏言への深い愛情に嫉妬、後腐れないよう敏言を殺すと言った。その時、騒ぎに気づいた褚磊(チョライ)たちがやって来る。烏童は仕方なく引き上げることにしたが、咄嗟に玲瓏の面紗を奪い取った。「必ず戻る…」司鳳の放った剣気は修羅大将軍の大きな身体を貫通した。「司鳳〜!こいつは大修羅の煞霊で光に弱い、金赤鳥の黄金の光を使って打ち負かせ」すると司鳳は無支祁の助言に従って金色の翼を広げ、とどめを刺した。司鳳は自ら千年に及ぶ恩怨のけりをつけた。これで璇璣に全てを説明できる。そこで瀕死の重傷を負った昊辰を助けることにしたが、なぜか昊辰の身体は霊気を拒んだ。「…うまく魔煞星に成り済ましたな? 目的が何であれ、お前の所業は何も生まない、全て徒労に過ぎぬ」司鳳には昊辰の言葉の意味が分からなかったが、その時、秘境の異変に気づいた璇璣や長老たちがやって来た。昊辰は璇璣が来たと気づき、突然、司鳳に斬り掛かった。驚いた司鳳は咄嗟に剣を招喚し応戦する。「…お前のせいで璇璣は変わってしまった、元に戻れぬなら利用するまで」すると昊辰は司鳳の剣をつかみ、自ら胸を突き刺した。「師兄!」そこへちょうど璇璣と長老たちが現れ、司鳳が昊辰を刺したと誤解してしまう。璇璣は倒れた昊辰のもとへ駆け寄った。激怒した褚磊たちは司鳳を攻撃しようとしたが、無支祁が結界を張ってしまう。涙ながらに師兄を救おうとする璇璣、しかし昊辰はもう手遅れだと止めた。「師兄!傷は治るわ!これからは師兄の言うことを聞きます…(꒦ິ⌑꒦ີ)アウアウ」司鳳は経緯を説明して誤解だと訴えたが、璇璣は聞く耳を持たない。すると昊辰は琉璃盞を妖魔の手に渡さぬよう破壊して欲しいと言い残し、ついに事切れた。「ししょーん!」昊辰は璇璣や長老たちの目の前で息絶えた。衝撃を受けた璇璣は司鳳を信じて続けて来た自分が馬鹿だったと嘆き、大事な人たちを犠牲にしてしまった自責の念に駆られる。そこで定坤(テイコン)剣を招喚、呆然とたたずむ司鳳の胸を躊躇なく刺した。(´゚ω゚):;*.’:;.,.ブハッ!①「私は魔煞星ではないし、誰かを傷つけたこともない…ここへ来たのは元朗を討つため… 元朗は死んだ…琉璃盞を狙う者はもういない…全てを君に話すよ…」「やめて!」璇璣は憤慨し、さらに深く剣を差し込んだ。(´゚ω゚):;*.’:;.,.ブハッ!②?「璇璣…ゥッ…どうすれば信じてくれる?」「…もとより全て偽りよ、師兄の言う通り六識を求めるべきではなかった 六識がなければ苦しむこともなかったわ 禹司鳳…今は後悔だけ、あなたと出会わなければ良かったっ!」璇璣が司鳳の胸から剣を抜き出すと、司鳳は激しい衝撃から血を噴き出して倒れそうになった。(´゚ω゚):;*.’:;.,.ブハッ!③司鳳は璇璣の言葉に愕然となった。まるで何もかも幻だったように消え去って行く璇璣との美しい思い出、すると司鳳はなぜか急に笑いが込み上げてくる。「ふっ、9度の転生の結末が同じになる理由が分かった 褚璇璣…君は心というものを持ったことがないんだな」「…心がなければ痛むこともないわ 来世も…来来世も…未来永劫…相まみえることはない」璇璣が定坤剣を振りかぶると、無支祁は咄嗟に均天策海(キンテンサクカイ)を放って司鳳を助けた。「司鳳、もうやめろ!命を落とすぞ?! 戦神よ、お前は転生の末にすっかり変わってしまった…愚かだ、実に愚かだ!」無支祁は戦神を激しく責め、司鳳を連れて消えた。↓(# ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾ 愚か者ぉぉぉ!璇璣は昊辰の位牌の前にひざまずき、師兄の戒めを思い出していた。思えば全ての元凶は琉璃盞、すると璇璣は師兄の遺言を思い出し、秘境へ戻る。一方、無支祁はひとまず近くの山で司鳳を休ませていた。司鳳は璇璣の口から″後悔″と言う言葉が出たことに失望し、結局、今世でも同じ結末だと望みを捨てる。「帰りましょう…離沢宮にはまだ処理すべきことが…」「はお」無支祁は司鳳に手を貸そうとしたが、その時、急に均天策海に異変を感じた。そこで招喚してみると魔煞星の心魂に共鳴していると分かる。琉璃盞に手を出せるのは戦神だけ、すると司鳳は昊辰が最期に言い残した言葉を思い出した。「琉璃盞を壊せと璇璣に言い聞かせていました…」しかし無支祁の話では戦神と言えども千年の恨みを溜め込んだ魔煞星に敵わないという。「良くても相打ちになる…」司鳳と無支祁が駆けつけると、長老や玲瓏が見守る中で璇璣が琉璃盞を壊そうとしていた。褚磊たちは司鳳に気づいて迎え討ったが、折よく天界から騰蛇(トウダ)神君が戻って来る。「やめろ!心魂を滅ぼせば璇璣の命が危ない!」その時、璇璣は魔煞星の心魂の記憶を見ていた。…なぜこんなことを?決して許さぬ、うっ…魔煞星は何者かに捕らわれ、短剣で胸をひと突きされていた。玲瓏は朦朧とする璇璣の姿に気づき、確かに様子がおかしいと分かった。焦った騰蛇は真実を伝えようとしたが、天界の箝口令により強引に口を塞がれてしまう。「昊辰が璇璣だけが滅ぼせると言ったのは…ん…ん?!璇璣が…ん…んんん! だから琉璃盞の中の…ん…んんん!あーもう!」そこで騰蛇は証拠となる玉簡を出したが、あっという間に消散してしまう。「これもダメなのかーい!」すると騰蛇はふとおかしなことに気づいた。なぜ昊辰は璇璣だけが琉璃盞を滅ぼせると知っていたのだろうか。璇璣は内傷を負い、激しく喀血した。騰蛇と無支祁は頭の硬い褚磊たちを陣に飛び込め、その間に司鳳は璇璣の元へ急ぐ。しかし司鳳は凄まじい煞霊に手も足も出ず、簡単に跳ね返された。(´゚ω゚):;*.’:;.,.ブハッ!④やはり魔煞星に対抗できるのは戦神だけ、無支祁は司鳳では無理だと止めた。そこで司鳳は騰蛇に璇璣を救う方法を教えるよう迫る。「お前は知っているはずだ!…言え!」騰蛇はしぶしぶ均天策海の力を借りれば琉璃盞に対抗できると教えた。金赤鳥は脇に気が集まるため、そこに均天策海を入れる方法があるが、司鳳が命を落とすことになる。「頼みを3つ聞いてくれるはず…お願いです、どうかっ!」無支祁は鬼気迫る司鳳の訴えに負け、仕方なく均天策海を渡した。司鳳は均天策海を脇に入れ飛び上がると、霊力を集中させた。(lll´ཀ`):;*.’:;.,.ダ~⑤そして一気に気を放ち、琉璃盞と璇璣を切り離すことに成功する。司鳳は気を失った璇璣を抱き止めたが、その時、琉璃盞が激しく反応し、魔煞星の心魂が今にも飛び出しそうになった。驚いた司鳳は璇璣を騰蛇に託し、黄金の翼を広げて再び飛び上がる。「無茶だ!司鳳!」しかし無支祁の叫びは司鳳に届かなかった。司鳳は無謀にも十二羽を使って琉璃盞を封印した。(lll´ཀ`):;*.’:;.,.ダ~⑥?「騰蛇…今日のことは決して璇璣に言わないでくれ…頼んだぞ?」璇璣は何も知らず、騰蛇の腕で眠っている。「…今日から君はただの褚璇璣だ」すると安堵した司鳳はそこで力尽き、意識を失った。無支祁は司鳳を連れて消えた。長老たちは魔煞星を追おうと言ったが、褚磊が止める。すると騰蛇が激怒した。「まだ分からないのか?!いい加減にしろ!璇璣を救ったのも、琉璃盞を封印したのも司鳳だぞ?! 司鳳は元朗を殺して三界転覆の企みも潰した!お前たちが無事でいられるのも司鳳のおかげだ! あいつが魔煞星だと?!少し考えれば分かるだろがあ!」一方、若玉は林の中をさまよっていた。「妹の居場所も告げずに消散するとは…どうなってるんだあぁぁぁ!」その時、偶然にも若玉は草葉の影に落ちている黒い羽根を見つけた。司鳳は離沢宮を去ると決め、羅(ラ)長老に金羽令を託すことにした。実は魔煞星というのは嘘で、今や金赤鳥一族を率いる霊力も失ったという。しかし羅長老は安息の地を与えてくれた司鳳こそ宮主だと訴えた。「ご安心ください、長老たちと体制を整え、宮主のお帰りを待っています」司鳳は頑なに固辞したが、結局、羅長老は金羽令を受け取らずに下がった。黙って聞いていた柳意歓(リュウイカン)は司鳳が人知れずどこかで独り死を待つつもりだと気づく。つづく( ̄  ̄)<お前の正体に目星がついた…司命だな?! ⊂⌒~⊃。Д。)⊃ ズコーッ!
2022.03.21
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琉璃(琉璃美人煞) Love And Redemption第46話魔域から戻った禹司鳳(ウシフォン)は褚璇璣(チョセンヂー)が戦神であり魔煞(マサツ)星でもあると確信した。理由は定かでないが恐らく天界が関係しており、璇璣が九世に渡って苦しんだのもこれが原因だろう。司鳳は璇璣が魔煞星として覚醒しないよう、羅睺(ラゴウ)星と計都(ケイト)星が融合するのを阻止しようと考えた。しかし柳意歓(リュウイカン)はいい加減に璇璣と縁を切れと呆れ、そもそも天象を変えることなどできないという。すると司鳳は無支祁(ブシキ)に力を借りると言った。璇璣が魔域から戻ると褚玲瓏(チョレイロウ)が待っていた。姉妹の合同婚儀が近づき、急いで作らせた婚礼衣装が届いたいう。しかし璇璣は何やら思い詰めた様子でどこかへ走って行った。璇璣は掌門・昊辰(コウシン)を訪ね、自分を騙したと激しく非難した。すると昊辰はやはり璇璣が司鳳に手を下せず、朱雀瓶を使ったと聞いてあきらめがつく。「はお、全て白紙に戻そう…婚姻を強要しない、しかし例え何があろうと私は君の師兄だ」璇璣は師兄を尊敬する気持ちに変わりはないと伝え、守境者として琉璃盞(ルリサン)を必ず守ると誓った。しかし魔煞星が復活し、秘境の結界も失われた今、琉璃盞は危険な状態にある。「もし琉璃盞を守れぬ時は君の手で破壊しろ 魔煞星の元神と心魂が1つになれば天下に二度と平和は戻らぬ …かつて天界は慈悲の心から魔煞星の心魂の浄化を試みた 魔煞星が登仙する日が来ると期待してな…だが結局、奴は改心せず、天に背き続けている こうなっては心魂を滅するしかない、これは戦神にしかできぬ 司鳳を殺せないのなら、せめて琉璃盞だけは渡すな さすれば天下の民を守り、奴が魔道に堕ちるのを阻止できる」璇璣はこれが自分のことだと知る由もなく、その時が来たら琉璃盞を破壊すると約束した。その夜、司鳳は無支祁のために一席設けた。そこで正直に無支祁を助けたのは妖魔再興のためではなく自分のためだったと白状する。「どうか元朗(ゲンロウ)に均天策海(キンテンサクカイ)を渡さないでください」無支祁は馬鹿正直な司鳳に失笑し、いずれにしても命の恩人と義兄弟の契りを結び、願いを3つ叶えると決めていたという。「簡単なことだ、だが…お前に質問が3つある、元朗に琉璃盞を開けさせたくないと?」「はい」「お前は魔煞星ではない、そうだな?」「そうです」「やはりな、邪気で深手を負うのは合点がいかぬ、つまり魔煞星の復活を望んでいないと?」「…私はただ妖族を再び戦火に巻き込みたくないだけです」司鳳は璇璣のことを黙っていたが、無支祁は司鳳の答えに満足した。「気に入った!安心しろ、元朗には渡さぬ」実は無支祁も司鳳と同様、魔煞星の復活を望んでいなかった。魔煞星が復活すれば必ずや天界に報復するはず、そうなれば魔域左使として尊主の命に従わねばならない。無支祁はそれより酒を飲みながら楽しく暮らした方がいいと笑った。司鳳はもうひとつ気になることがあった。「元朗が所有する魂を吸う鼎(カナエ)をご存知ですか?」無支祁は煉魂鼎(レンコンテイ)を知っていた。煉魂鼎は99人分の魂を吸収すると血の法陣を形成し、標的の力を吸い取るという。すると無支祁は戦神が自らの力で心魂を封印したことを思い出し、琉璃盞を開けるには均天策海の他に戦神の力が必要だと気づいた。「つまり元朗は璇璣に使うと?」元朗が璇璣を覚醒させたのは戦神の力を奪うためだった。驚いた司鳳は璇璣を守るため何としてでも阻止すると言ったが、無支祁はむしろ好都合だという。鼎の力は強大なため元朗1人では手に余るはず、何とかして自分たちを懐柔するはずだ。「…奴に貸しを返してもらおう」すっかり意気投合した司鳳と無支祁、そこへ回復した紫狐(シコ)がやって来た。紫狐は無支祁のそばから離れようとせず、自分も3つの願いを叶えて欲しいと懇願する。微笑ましい2人を見た司鳳は思わず笑顔になり、恋人が皆2人のように添い遂げられたら幸せだと言った。≡≡≡ギュッ(((/ ̄ー(・・。)/ <突っつくなよ司命は柏麟帝君(ハクリンテイクン)を心配して迎えに来た。「帝君…掟を破って下界に来たため、その肉体は限界に来ています、どうかお戻りください」「どうやらもう時間がないようだな…」今世の修行が最後の機会、昊辰は璇璣の登仙のために奔走して来たが、全て無駄に終わった。「璇璣が永遠に魔に落ちるのを見るくらいなら…この手で滅ぼす(๑•̀ㅂ•́)و✧」全ては三界のため、自分で蒔いた種は自分で刈らねばならない。司鳳と無支祁はまず元朗の信頼を得るため、宴会を開いて妖魔族の結束を固めた。司鳳は元朗に十分、報いてこなかったと反省し、わだかまりを解くことにする。「今後、離沢宮の采配は右使に一任しよう」元朗は喜んで拝命すると、司鳳は次に朱雀瓶で自分を殺そうとした戦神への恨みを募らせた。そこで無支祁が魔尊の心魂を取り戻すためにも少陽派を攻めようと提案する。「戦神に琉璃盞を開けさせる策はないものか…元朗?何かないか?(チラッ」すると元朗はある法陣があると教えたが、準備に3日は必要だと断り、詳細は隠した。元朗は司鳳をまだ信用できず、投獄された若玉(ジャクギョク)を解放した。すると帰り際、通りかかった牢から烏童(ウトウ)が自分も助けて欲しいと訴える。元朗は烏童の使い道を思いつき、若玉を司鳳の見張りに行かせた。元朗は烏童を連れて魔域の廃墟にやって来た。「千年前、魔域を支配した修羅族は戦神に敗れた 魔域は一夜のうちに滅び、混沌に満ちた廃墟と化したのだ 修羅の霊が閉じ込められているゆえ、邪気は消せぬ だが無支祁のおかげで焚如(フンジョ)城の門が開き、邪気の大半は消えた、それゆえ入れたのだ」2人の視線の先には化骨潭(カコツタン)が見える。すると元朗は烏童を投げ飛ばし、飛び石の代わりにした。元朗は烏童を踏み台にして化骨潭に飛び移った。ここには将軍たちの棺が収められていたが、元朗はその中から修羅大将軍の骸を借りることにする。一方、邪気の海に落ちた元朗はもがき苦しみながら意識を失った。すると元朗の身体に邪気が入りこんでしまう。司鳳と無支祁は元朗からまだ信頼されていないと分かっていた。しかし計画には自分たちの力が不可欠なはず、無支祁は必ず罠にかかるはずだと自信を見せる。2人は怪しまれないよう早々に別れたが、その姿を小銀花(ショウギンカ)が見ていた。「司鳳、元気そうね…安心したわ…」すると小銀花は立ちくらみを起こして倒れてしまう。その時、ちょうど若玉が通りかかり、小銀花を抱きかかえて密かに司鳳の部屋へ送り届けた。小銀花が目を覚ますと司鳳がいた。司鳳は小銀花が考え直して帰って来たと思ったが、小銀花は璇璣のことだけは譲れないという。「一度でいいの…霊獣としてではなく私を見て欲しい」「…小銀花、君は大切な友人だ、もし納得できないなら去るといい」「はお…あなたはきっと後悔する、契約を解く方法を必ず見つける、私はもう霊獣じゃない」その夜、元朗の部屋に突如、半妖になった烏童が現れた。復讐のため元朗に襲い掛かる烏童、しかし身体が妖気に耐えられず、苦しみ始める。元朗は妖気を抑えて楽にしてやると、自分を手伝うなら妖気の扱い方を教えてやると懐柔した。玲瓏は婚礼の支度をしていたが、どこか寂しそうな璇璣を心配した。「璇璣…あなたにふさわしい人は必ず現れる、生涯を共にする人がね、だから辛いことは忘れて」「もう時間よ、早く準備して、外の様子を見てくるわ」しかし璇璣が正門を出た途端、足元に剣が飛んできた。「司鳳?!」その頃、少陽の裏山では元朗が煉魂鼎を取り出し、法陣を敷いていた。物陰から見ていた若玉は元朗の合図に気づき、煞霊軍と待機している烏童の元へ急ぐ。「準備は完了した、始めよう」「少陽派を葬り去るぞ!」すると烏童は覚醒した修羅大将軍ら煞霊と共に姿を消した。司鳳を追いかけて来た璇璣は林の中で元朗の陣に捕まった。すると物陰に隠れていた司鳳、元朗、無支祁が現れる。元朗は早速、戦神の力を奪おうと陣に入ったが、その時、司鳳と無支祁が鼎に術をかけ陣眼を調整、璇璣ではなく元朗が標的となった。陣眼から外れた璇璣は紫狐の姿に戻り、陣から脱出する。「私の幻術の腕はどう?」元朗はようやく自分が罠にかかったと気づいた。何とか逃れようともがき続ける元朗、しかし鼎にはすでに99人分の魂と魔域の邪気が吸い込まれ、到底、太刀打ちできない。一方、本物の璇璣は林の中をさまよっていた。…変ね、この木はさっきも見たわ…そこで定坤(テイコン)剣を招喚し、付近の木を切ろうとする。「うわぁぁぁ~やめろ!切らないで~!」木に化けていたのは柳意歓だった。璇璣は意歓になぜ自分を足止めするのか聞いた。「(はっ!)司鳳の指示ね?!司鳳はどこなの?」「それは…司鳳に聞いてくれないか?…あっ!司鳳っ!」驚いた璇璣が振り向くと、意歓はその隙に逃げ出した。つづく( ๑≧ꇴ≦)ししょん!
2022.03.21
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长歌行 The Long Ballad第26話「それぞれの後悔」阿詩勒隼(アシラシュン)は養母の死を目の当たりにし、草原での勝利や栄光など無意味だと悟った。そこで可汗に草原を出たいと願い出る。延利(イエンリー)可汗は阿隼の他に鷹団特勤(テギン)は務まらないと引き留めたが、阿隼の失望は大きかった。「自分が強くなればみんなを守れると…でも阿娜さえ守れなかった 草原の英雄にはなれない、草原を去ります、争いたくない、もう十分だ」阿隼の覚悟を知った可汗は認めることにしたが、どこにいても息子を思っていると伝えた。一方、李長歌(リチャングァ)は危機一髪のところで遊歴中の侠客・司徒郎郎(シトロウロウ)と孫(ソン)真人に救われていた。しかし意識を取り戻すと阿隼を深く傷つけてしまったことを思い出し、独りにして欲しいと頼む。…私を許さないで~♪それで二度とあなたを巻き込まず、苦しませなくて済むのなら…司徒郎郎と孫真人は娘に馬車を占領され、仕方なく離れた場所で待っていた。「老爺子、次の村でロバを馬に換えよう、もうすぐ子を産みそうだ、ちっとも動かない」「いいや、ロバはいいぞ~」可汗は鷹団をあとにした。しかし阿伊児(アーイアル)を死に至らしめた阿詩勒渉爾(アシラシャアル)への怒りは収まらない。阿隼を草原につなぎとめる唯一の存在だった阿伊児、これで阿詩勒部最強の鷹団を制御することが難しくなった。「この役立たずめ!」孫真人は娘が心の病だと分かった。手当てしてやっても本人に生きる気力がなければ神仙でも治せまい。そこへ長歌がやって来た。「恩返しが不要でしたらここで失礼します」すると司徒郎郎が急に襲いかかって来る。長歌は瞬時に反応して手合わせしたが、背中を木に打ちつけて激しく血を吐き出した。驚いた司徒郎郎は娘を抱き起こすと、孫真人が脈を診て失笑する。「あれ?どうやらお前の一手が娘の生きる意欲を呼び覚まし、心の憂いを解いたようだ」長歌は瘀血を吐き出していた。渉爾が林の中で合図の口笛を吹いていると阿隼がやって来た。「俺を殺せる絶好の機会だったはず、なぜ助けた?」「阿詩勒隼、お前を本当に殺したいと思ったことはない…」渉爾にとって阿隼は最大の敵だったが、共に育った兄弟でもあった。しかしどんなに努力しても常に阿隼が立ちはだかり、自分を超えてしまう。渉爾は阿隼を逆恨みし、何かにつけて争うようになった。「でも本当に恨んでいたのはお前じゃない…お前に及ばぬ自分だ 過ちは認める、それにお前がいないとつまらん…残って俺に復讐しろよ?」「復讐して解決するなら殺してる!」すると渉爾は阿隼が李長歌のために去るのだと気づいた。阿隼は李長歌こそ命をかけて守りたい相手だと認め、鷹団がひと段落したら血の果てまでも探しに行くという。すると弥弥古麗(ミミクリ)と穆金(ムージン)が駆けつけた。弥弥は恨みがあるなら自分にぶつければ良いと訴え、長歌の居場所を教えて欲しいと泣きつく。弥弥に誤解されていると知った渉爾は長歌なら南で中原人らしき男に助けられたと教えた。「生死までは知らない…その時に落としたものだ」渉爾は阿隼に長歌のかんざしを渡すと、帰って行った。(๑•̀ㅂ•́)و✧<チャングァ…待っていてくれ奕承(エキショウ)公主は中原の風景画を眺めながら昔を懐かしんでいた。しかし突然、可汗が現れ、愚かな渉爾のせいで阿隼が自分から離れてしまったと激怒する。奕承公主は渉爾にもう一度だけ機会を与えるよう懇願したが、可汗は無能な者など草原の王に値しないと一蹴した。「今日よりひと月、禁足だ!能無しの息子と反省せよ!」すると可汗は机に広げてあった中原の画を破いてしまう。一方、鷹団では長歌を捜索していた蘇伊舎(スーイーシャー)が特勤の天幕に駆けつけた。国境で確かに中原人が目撃されており、ロバが引く車に乗った老人と若い男が娘を連れていたという。「治療のため南に向かうと…」長歌の無事を知った阿隼は安堵し、鷹団を穆金に託して出かけることにした。実は阿伊児を運んだ羅十八(ラジュウハチ)も長歌の生存を信じてとっくに去ったという。(^ꇴ^)<隼?…長歌が好きなのか?(  ̄꒳ ̄)<…そうだ、認めるよ、彼女が好きだ(^ꇴ^)<もう伝えたのか?( ̄◇ ̄)<伝えるのか?(; ̄▽ ̄)
2022.03.19
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长歌行 The Long Ballad第25話「失えないもの」阿詩勒渉爾(アシラシャアル)は阿伊児(アーイアル)の首に剣を突きつけ、阿詩勒隼(アシラシュン)に平伏するよう強要した。驚いた阿伊児は自分のために屈しないよう訴えたが、阿隼は自分を育ててくれた大切な養母のために叩頭しようとする。その時、阿伊児は剣先をつかみ、自ら首を切った。「あなぁぁぁぁっ!」渉爾は思わぬ展開に呆然と立ちすくんでいたが、急に恐ろしくなり逃げ出してしまう。義母を腕に抱き取り乱す阿隼、すると阿伊児は最期に愛しい阿隼の頬に触れて息絶えた。阿隼の深い悲しみは激しい復讐心に変わった。しかし狼団に囲まれ、背後から腹を突き刺されてしまう。阿隼は深手を負いながらも狼団を容赦なく斬りつけ、渉爾の姿を探した。阿隼は必死に逃げている渉爾を発見し、咄嗟に弩(ド)を構えた。いきなり足に矢を受けた渉爾は転倒、そこへ阿隼がやって来る。「よくも殺したな…」「俺じゃない…向こうが勝手に…」しかし阿隼は矢をつがえて渉爾に狙いを定めた。一方、李長歌(リチャングァ)は阿隼の身に危険が迫っていると気づき、穆金(ムージン)たちと牙張へ急いだ。すると広場で倒れている狼団たちの中に阿伊児を発見する。「遅かった…」長歌は羅十八(ラジュウハチ)に阿伊児を頼み、阿隼を探しに向かった。阿隼はついに渉爾に矢を放った。「やめて~!」その時、突然、可敦(カトゥン)が現れ、息子をかばって背中に矢を受けてしまう。怒りが収まらない阿隼は再び矢をつがえて構えたが、渉爾と可敦は抱き合って互いに自分を殺せと訴えた。目の前で身を挺し相手を守る母子、阿隼はどうしても次の矢を放つことができず、絶叫して弩を投げ捨ててしまう。雷蒙(レイモン)が狼団を連れて駆けつけた。「阿詩勒隼を捕らえろ!」その時、鷹団が現れ、矢を放って狼団を牽制する。雷蒙はひとまず可敦と小可汗を連れ帰るよう命じたが、興奮した阿隼は渉爾を置いていけと怒鳴った。すると長歌が必死に阿隼を制する。「阿隼!冷静になって!」「冷静だと?…なぜこんなことになった?お前が無茶をしたせいだ!だから阿娜は死んだ!」長歌は返す言葉もなかったが、仕方なく阿隼の首を突いて眠らせた。穆金は阿隼を背負い、十八は阿伊児の亡骸を馬に乗せ、長歌たちは撤退した。しかし渉爾が見逃すと言っても雷蒙は配下を連れ、鷹団を追いかけてしまう。長歌はこのままでは追いつかれると判断、穆金に阿隼を連れて隠れるよう指示し、十八にも阿伊児の亡骸を運ぶよう命じた。「私は鷹師を率いて右に行く、早く阿隼の手当てをして」「おとりになるつもりか?!後で俺が怒られる!」「彼の養母と鷹師を巻き込んだのは私、恨むなら私を…」長歌は鷹団を率いて馬を駆けた。やがて分かれ道に差し掛かると、ここで二手に別れることにする。「阿詩勒部は同族の捕虜を殺さない、狼師に追いつめられたらすぐ降伏して!」「しかし…」蘇伊舎(スーイーシャー)は李軍師の提案に困惑したが、その時、狼団の馬のいななきが聞こえて来た。「分かったわね、必ず自分の命を守って!私に関わってはダメよ!」長歌は独り別の道を行った。しかし追いかけて来た雷蒙が弓矢を放ち、長歌は背中を射抜かれ落馬してしまう。鷹団の幕営に戻った阿隼は意識が戻り、養母の亡骸と対面した。「守れなかった…」阿隼は可汗が渉爾と自分を競わせるため、阿伊児を人質に取ったと分かっていた。あえて養母を突き放すことで守れると思っていたが、まさかこんな結末になろうとは…。「俺はバカだ…父汗に逆らってでも取り戻すべきだった…家族も守れず、勝利や栄光に何の意味が? 心配しないで、隼はもう二度と衝動的にはならない…二度とあんな殺戮はしない 守りたい人たちを必ず守ってみせるよ…」すると阿隼は来世で必ず恩返しすると誓い、叩頭した。穆金は手当てが終わった阿隼に薬湯を持って来た。蘇伊舎たちは狼団に捕まったが、全員、無事だという。しかし長歌はおとりとなって散り散りになり、行方が分からなかった。驚いた阿隼は長歌を探しに行くと言ったが、穆金は傷口が開くと止める。「長歌が助けた命を粗末にするな!」「…阿娜を亡くし、彼女まで失うことなどできない!不慣れな草原で生きて行けると?!」穆金はすでに捜索しているとなだめ、何か分かり次第、伝えると安心させた。「お前は生きて待て!」渉爾は母を心配し、日が暮れるまで可敦の天幕の前で待った。すると天幕から巫医(フイ)が現れ、無事に矢も抜けたと安心させる。しかし小可汗が可敦の天幕に近づくのは良くないと諌め、早く帰ったほうが良いという。実の息子でありながら母の看病もできない渉爾、仕方なく負傷した足を引きずりながら歩き始めたが、ふと月を見上げた。…阿詩勒隼、一体、何の因果なのか、長年、反目して来たが何のためだ?…お互い小可汗と鷹師特勤でなければ良い兄弟になれただろうか?渉爾が天幕に戻ると雷蒙と図魯克(トルカ)が待っていた。牙張に乗り込んだ鷹団は投獄したが、阿詩勒隼は追撃できず幕営に戻ったという。「阿詩勒隼を殺す絶好の機会を逃しました、今後、仕留めるのは至難の業かと…」雷蒙は渉爾の阿詩勒隼への複雑な情に気づいていた。「阿詩勒隼に勝てなければ可汗は可敦との面会すら許さないでしょう …敵を思いやれば己に跳ね返るだけ、今日は母親を失うところだったんですよ?!」「ごうら!お前の忠告などいらぬ!…で李長歌はどうした?」実は雷蒙は李長歌を包囲したが、突然、凄腕の侠客が現れ、李長歌を連れ去っていた。その侠客は身なりからして中原人、鷹師の幕営には向かわず南に向かったという。すると雷蒙はその時に拾ったかんざしを渡した。長歌の行方は一向に分からなかった。弥弥古麗(ミミクリ)は居ても立っても居られず穆金と一緒に捜索に加わったが、手がかりもない。阿隼はやはり狼団に捕まったと考え、渉爾を呼び出した。渉爾が川岸に向かうと阿隼が待っていた。「やはりお前か…あれは昔の暗号だな」渉爾は阿伊児の件なら手違いだったと釈明し、いつも勝者である阿隼への妬みだと認める。「渉爾、いつになれば分かるんだ!」呆れた阿隼は渉爾の胸ぐらをつかみ、小可汗も特勤もただの尊称ではなく、草原の未来を担う存在だと諭した。「幼稚な奴め!昔からずっと幼稚だった!」阿隼は今でも渉爾を八つ裂きにしたい気持ちだったが、例え殺しても養母は戻ってこない。復讐も殺戮も終わりなき争いを招くだけ、阿隼はこれで幕引きすると決め、鷹団と李長歌を解放するよう頼んだ。しかし渉爾は李長歌のことは知らないという。長歌がふと目を覚ますと見知らぬ老夫と侠客がいた。侠客は使徒郎郎(シトロウロウ)と名乗り、孫(ソン)真人と遊歴中に阿詩勒部から長歌を救った恩人だという。「…離れてくれない?」長歌は阿隼を傷つけてしまったことを思い出し、急に悲しくなった。…阿隼、ごめんなさい、私のせいであなたの阿娜が…延利(イエンリー)可汗が狩りから戻った。すでに騒ぎが叔父の耳に入っていると知った渉爾は動揺し、今さらながら阿伊児を利用したことを後悔する。雷蒙はこの機会に阿詩勒隼を排除しようと手を回していたが、渉爾は阿隼に借りがあると訴えた。しかし雷蒙は可敦の侍女とは言え死んだのはただの奴隷に過ぎず、権力を握ってこそ息子として可敦を幸せにできると説得する。「奴への情けは可敦への裏切りです」渉爾は可汗の天幕を訪ね、脱獄した羅義(ラギ)を始末したと報告した。すると可汗は狼団の全精鋭を招集するよう命じ、すぐ出かけるという。「阿詩勒隼はワシが不在の間に唐将を助け、可敦を負傷させた、そんな不届き者を許しておけぬ」「叔汗!…渉爾からご報告があります」穆金は不眠不休で飲まず食わずの阿隼を心配し、天幕に差し入れを届けた。すると阿隼は地図を広げ、以前、調べておいた草場と水源を記している。「もしも牙張が鷹師を捨てたら、全員を率いて移動しろ」穆金は阿隼が鷹団から去るつもりだと気づき、何もかも独りで決めるなと声を荒げた。そこへ亜羅(ヤールォ)が駆けつける。「斥候から可汗と狼師の旗が見えると…すぐ到着します!」穆金は全騎兵を招集するか聞いたが、阿隼は犠牲者を出したくないと止めた。「穆金…このあと何を見聞きしようとも、みだりに動くな、俺の指示に従え それから新特勤を迎える準備を…」「鷹師を率いるのは阿詩勒隼のみ、鷹師の総意だ」しかし阿隼は命令だと言った。阿隼は独りで可汗を出迎えに向かった。そこで阿隼は可汗の前でひざまずき、鷹団の命は見逃してほしいと嘆願する。しかし可汗はひとまず天幕で話そうと言った。可汗は狩り場で第一報を聞いていた。その時は自分の手で阿隼を殺すつもりだったが、牙張で渉爾から事の顛末を聞いたという。渉爾は阿隼への借りを返すため、狼団と鷹団で羅義を追いかけたが、功を焦るあまり阿隼が誤って可敦を傷つけ、誤解した渉爾が阿伊児を人質に取り、悲劇が起きたと説明していた。可汗は養母を失った阿隼に同情し、望みを全て叶えると約束した。すると阿隼は養母が生前、広い世界を見たいと望むも叶わなかったと話し、自分が代わりに世界を見て回りたいという。「もし鷹師を任せられる候補がいれば、その者を私の後継に…」つづく(´-ω-。` )シャRったら…本当はあすぁんと仲良くしたかったのね…って、いよいよ草原編が終わってしまうん?
2022.03.18
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上阳赋 The Rebel Princess第56話「憎悪と流言」新帝・馬子澹(バシタン)が倒れた。知らせを聞いた大臣たちが急ぎ駆けつけたところ、ちょうど申(シン)太医が寝殿から出てくる。太医の見立てでは古傷が何らかの刺激によりぶり返したとのこと、しかし今回は問題ないという。「ただ今後は刺激を与えてはなりませぬ」そこで丞相・温宗慎(オンシュウシン)は衛兵に何があったのか聞いた。衛兵は皇帝がずっと豫章(ヨショウ)王妃と蘇錦児(ソキンギ)を探していたが、錦児が訪ねて来て間も無く倒れたと説明する。「王妃は夫のあとを追ったとか…」子澹は錦児も側仕えたちも追い出し、独り悲嘆に暮れた。まさかあの阿嫵(アーウォ)が自死するとは、豫章王を本気で慕っていたというのか。子澹は阿嫵と共に過ごした10数年が豫章王とのたった数年に負けたのかと思うとやるせなかった。阿嫵を取り戻そうと忌み嫌っていた政権争いに身を投じたが、今となっては皇帝の座に何の意味もなくなってしまう。「死んでそなたのあとを追うか…ふっ…わはははは!」一方、蕭綦(ショウキ)は阿嫵を探して楝羽(レンウ)山にやって来た。ひとまず情報集めに山間の茶屋に入ると、店主と客が噂話をしている。「″皇帝が二度変わり大成の世は傾く″、そこらの子供でも唱えているさ~」「確かに豫章王がこの世を去ってから皆の心にぽっかり穴が空いちまった まるで守護神を失ったようだ、皇家は右往左往するばかり、この先、どうなる?」その時、運悪く店に禁衛軍がやって来た。蕭綦は咄嗟に裏から脱出、兵士たちの様子をうかがう。どうやら禁衛軍は阿嫵を探しに来ていた。豫章王妃は身を投げたという噂だが、子澹は阿嫵の亡骸を見つけるまで信じられないらしい。すると兵士たちは確かにこんな美人がそばにいれば天下など必要ないと笑った。その頃、ついに徐(ジョ)女官と阿越(アエツ)が江南に到着、江夏王と再会を果たした。王夙(オウシュク)は阿嫵が馬静(バセイ)を連れて逃げたと聞いて驚愕したが、先帝と先皇后の最期の望みだったという。あれから王妃の消息は分からず、王夙の元にも何の知らせもなかった。しかし龐癸(ホウキ)が一緒なら無事だろう。王夙はともかく2人を休ませることにしたが、念のため身分を隠すよう命じた。「小皇子はここではない所で育てよう…心当たりがある」賀蘭箴(ガランシン)は王儇(オウケン)を連れ出し、高台から美しい花畑を見せた。大成から戻ったあと王儇のために作った花畑で、心を込めた贈り物だという。「…私が受け取ると思う?」「阿嫵、現実を受け入れろ、豫章王はこの世を去った 前を向け、目の前にはそなたを大切にし、生涯そなたを守る男がいる」しかし王儇は蕭綦の最期を見たのかと迫った。賀蘭箴は大成の人間がこぞって話していたとごまかしたが、それがかえって王儇に希望を持たせてしまう。「流言を聞いたのね?」「流言ではない」「自分の目で見たの?」「それは…いいや」「私を欺いたのね?確信はないのに…」賀蘭箴はともかく血生臭い朝廷から離れて草原で身体を休ませるようなだめたが、王儇は頑なだった。「花畑は気に入ったわ、山や木々も好き…でも受け取れない」その夜、王夙は顧(コ)府を訪ね、采薇(サイビ)に赤子を預かって欲しいと頼んだ。しかし子供の身分を明かせず、かつて酔った勢いで一夜を共にした舞姫が産んだと嘘をつく。采微は衝撃を受けながらも引き受けることにしたが、王夙はどうやら采微の切ない気持ちが分かっていないらしい。安堵した王夙は顧府を後にすると、その様子を密かに皇太后の配下・金全(キンゼン)が見ていた。翌朝、青雲(セイウン)は王藺(オウリン)に朝食を届けがてら、軍営で徐女官と阿越を見たと報告した。その後、江夏王が独りで顧氏の屋敷を訪ねたが、出て来た時には背負っていたはずの竹籠がなかったという。忽蘭に嫁ぎ拓妃となった王倩(オウセン)は思いがけず草原にいる王儇を見かけた。術士からサソリの毒には解毒薬がないと聞いた王倩は王儇を訪ね、旧情を深めに来たと装う。「ここの寝具は毛皮で熟睡できないかと…綿の布団を持って来ました」王儇は王倩の姿に驚きを隠せなかったが、その大きなお腹に気づいた。「懐妊して何ヶ月?」「5ヶ月です…ここには家族がいないから会えて嬉しい」殊勝な王倩に戸惑う王儇、すると王倩の侍女が王儇の寝台に布団を敷き終わり、帰って行った。金全はついに小皇子を発見、その夜、刺客と共に顧家に潜入した。采微の横ですやすや眠っている馬静、金全は采微を起こさないようそっと抱き上げたが、采微がふと目を覚ましてしまう。「誰かっ!」すると突然、王氏の護衛が現れ、金全たちを殺して馬静を救った。一方、賀蘭箴はアリマから知らせを聞いて王儇の天幕に駆けつけた。王儇は眠っていたが、サソリがその首元を歩いている。危ない所でサソリをつかんだ賀蘭箴、すると王儇が目を覚ました。「俺が来ていなければ毒に冒されていたな」すると賀蘭箴は飛び出して行った。アリマは拓妃の侍女の様子がおかしいと気づき、賀蘭箴に報告していた。「ありがとう、アリマ」するとアリマはひざまずき、かつて王妃と会ったことがあると伝える。あれは遊牧民族の祭りに豫章王と王妃が飛び入りした時のことだった。アリマはその時に豫章王を踊りに誘った女子だという。豫章王が亡くなったと噂が広まり忽蘭に侵略され、アリマは奴隷に身をやつしていた。「豫章王の最期は知っているかしら?」「聞いた話では豫章王は罠にはめられ、楝羽山で殺されたと…」しかし誰の仕業なのかまでは分からなかった。一方、賀蘭箴は賀蘭拓(ガランタク)の天幕を訪ね、報復として方術士の首を届けた。寝耳に水だった賀蘭拓は無関係だと釈明し、むしろ愛する女子ができたことを喜んでいたと訴える。「それが事実なら感謝する、疑って悪かったな… 王倩に伝えてくれ、王儇を害するものは誰でも同じ目に遭うとな」賀蘭拓は身重の王倩を引っ叩いた。王倩は夫のためにしたことだと反発、成功すれば夫の功績になったはずだという。しかし賀蘭拓は王儇に手を出すなと叱った。つづく( ๑≧ꇴ≦)アウォの衣装が可愛い!
2022.03.17
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上阳赋 The Rebel Princess第55話「懐恩の決意」新帝・馬子澹(バシタン)は即位にあたり恩赦を実施、寧朔(ネイサク)軍も赦免となった。城門では守衛たちが次々と晒し首を回収していたが、豫章(ヨショウ)王たちを見送りたいと集まった民たちが見守っている。すると城外の露店でその様子を見ていた客たちが噂話を始めた。「王妃は寧朔に行ったとか…」「忽蘭(クラン)に連れ去られたという話もあるぞ?」「反逆者の妻に転落か~」しかし店主は王妃をかばった。店主は王妃のおかげで生き延びたと話し、豫章王も戦死した兵の家族の面倒を見ていた立派な人だという。その話を農民に成り済ました蕭綦(ショウキ)が聞いていた。その頃、忽蘭では和親の障害となる豫章王妃を乗せた馬車が密かに幕営を出ていた。忽蘭王を信じて脱出を試みた王儇(オウケン)、しかし夜の林の中に独り放り出されてしまう。一方、蕭綦は寧朔軍の首を運ぶ兵士たちを追跡していた。山へ入った兵士たちは穴を掘って首を放り込みながら、豫章王妃は夫が死んだことも知らずに探し続けているだろうと笑っている。すると蕭綦が現れ、兵士たちを皆殺しにし、殉葬させた。…兄弟たちよ、お前たちが私のために受けた苦痛と屈辱を何倍にもして返す…約束しよう、この蕭綦、皆のために必ず雪辱を果たす蕭綦は松明を放り込み、燃え盛る炎に復讐を誓った。王儇は夜の林に置いてきぼりにされ、怯えながらさまよっていた。そこへ王儇の置き手紙を見た賀蘭箴(ガランシン)が迎えに来てくれる。実はこの林は猛獣だらけ、王儇は忽蘭王が初めから自分を殺すつもりだったと知り落胆した。「もう大丈夫だ、一緒に帰ろう…神に誓ってもいい、命をかけて君を守る」江南では王夙(オウシュク)が父に皇太后から届いた密命を見せていた。王藺(オウリン)は妹をみくびっていたと後悔し、今や江夏王となった息子に判断を委ねる。すると王夙は宋懐恩(ソウカイオン)を生かしたいと言った。懐恩はこれまで我が身を省みず何度も阿嫵(アーウォ)を助けており、恩を返したいという。何より一緒に治水作業を行う中で、懐恩が賢く勇敢だと高く評価していた。王藺はあっさり息子の意見に従った。いささか拍子抜けする王夙、すると王藺は王夙と阿嫵に恨まれても仕方がないという。「お前たちと瑾若(キンジャク)に厳し過ぎた…瑾若に顔向けはできないが後悔はしていない 私がしてきたことは自身のためではなく、王氏の繁栄のためだ」歴代の皇帝は即位すると王氏の制圧を試みた。王藺は側女の韓(カン)氏が懐妊して死を賜った時、自分の子は自分の手中に置くと心に誓ったという。「二度と他人に抑えつけさせぬとな…」「分かります」「何を分かったと?本当に分かっていたのなら1人の女にうつつを抜かさなかったはずだ」「…桓宓(カンヒツ)の件は私が間違っていました」「これから頼れるのはお前だけだ…志を共にせぬか?」王夙は思わぬ父の言葉に目を潤ませ、一緒に王氏を盛り返すと誓った。しかし王藺は自分たち2人だけでは難しいという。「助っ人が必要だ…」王夙は懐恩のことだと分かった。賀蘭箴は忽蘭王を訪ね、例え父でも王儇を傷つければ容赦しないと釘を刺した。そこで王儇以外を妃にするつもりはないと宣言、髪の毛1本でも傷つければ忽蘭と決別すると脅す。忽蘭王は憤慨したが息子は賀蘭箴1人だけ、結局、何も言い返すことができなかった。新帝は軍の残党を排除する絶好の機会に大赦を行い、朝廷は戸惑いを隠せなかった。丞相・温宗慎(オンシュウシン)だけは一挙に排除するのは難しいと理解を示したが、時局が急速に変化し、大臣たちも戦々恐々としてる。そこで温宗慎は争う心を捨てて国のために働こうと団結を呼びかけた。しかし皇帝に謁見を願い出ても馬子澹は会おうとせず、半日は書斎にこもって詩を書いている。一方、忽蘭王も聞き分けのない息子に頭を悩ませていた。賀蘭拓(ガランタク)は父子の争いに乗じて継承式を延期するよう提案したが、忽蘭王は継承式も婚礼も延ばすつもりはないという。「もはや大成にとって王儇は重要ではなくなった…お前が人を送り始末してくれ」「分かりました」すると忽蘭王は明日にもカルに発って両部族の和親をまとめ、10日後には継承式と婚儀を行うと決めた。粛毅(シュクキ)伯・宋懐恩の耳にもついに寧朔軍の凶報が入った。そこで直ちに軍営を発とうとしたが、江夏王に足止めされてしまう。ひとまず馬を降りて王夙と膝を突き合わせた懐恩、しかし怒りは収まらず、大王と王妃の潔白を証明するために命をかけると奮起した。しかしどちらにしても江夏王がいなければ自分はとうに死んでいたと知る。懐恩は皇太后の密命を見て呆然、悔し涙を流しながら、国に忠誠を誓った自分たちへの不当な扱いに憤った。「豫章王のような英雄がこんな終わりを迎えるとは…あまりにも無念です…とても悲しい 私がそばを離れたから…はっ!」その時、懐恩は皇太后が大王を殺すために故意に自分を遠ざけたと気づく。すると王夙は帰京を止めにきたのではなく、帰京後にどうするか相談したいと言った。「どうだろう、このまま死を待つより命懸けで生きる道を模索してみないか?」王夙は王氏という名家と豪傑の懐恩が手を組めば悪を根こそぎ排除し、この乱世で覇業を成し遂げられると訴えた。懐恩は江夏王の提案を注意深く考えた。幕舎を取り囲んだ兵士たちは剣を抜き、江夏王の合図を今か今かと待っている。…杯が割れる音がしたら首をはねろ…すると王夙はついに杯をゆっくり持ち上げた。その時、懐恩がようやく重い口を開く。「江夏王は私の命を救ってくださいました… 条件があります、一緒に豫章王の潔白を証明してください それから…王妃を探しましょう」「ふっ…もう探させている」王夙は配下に下がるよう合図を送り、懐恩と杯を交わした。賀蘭拓は方(ホウ)術士の天幕を訪ねた。忽蘭王に王儇を殺せと命じられたが、和親がまとまって賀蘭箴が王位を継承すれば草原を統一する大王になり、自分が追求されるだろう。「そうなれば私は草原と大成どちらでも罪人となる…トホホホ…」しかし術士は失笑した。「今、手を下さぬのなら、いつやるのだ?」馬子澹の待ち人がついに皇宮に現れた。書斎にこもっていた子澹は急いで寝殿に戻ると、憔悴しきった蘇錦児(ソキンジ)がへたり込んでいる。「安平王…いいえ、皇帝陛下でした」「ずっと探していたのだ…無事で良かった、阿嫵は?そばにいなかったのか?今どこに?」「…亡くなりました」錦児は皇帝が王妃をあきらめるよう嘘をついた。実は逃亡生活を続けるうち王妃が豫章王の死を知って大病を患ったという。錦児は皇帝の元へ帰ろうと再三、説得し、王妃も徐々に落ち着きを取り戻して行った。すると王妃が豫章王を弔うため楝羽(レンウ)山に行くと言い出し、その言葉を信じてついて行ったが、山崖に到着すると身を投げたという。「嘘だっ!…阿嫵が自死を選ぶはずがない…偽りだぁぁぁ!」子澹は烈火の如く怒り出した。つづく
2022.03.17
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琉璃(琉璃美人煞) Love And Redemption第45話禹司鳳(ウシフォン)に固執する褚璇璣(チョセンヂー)を見限り、自ら敵討ちをすると決めた昊辰(コウシン)。しかし深傷を負った身体では思うように動けなかった。責任を感じた璇璣は師兄をなだめ、自分で決着をつけるという。すると昊辰はならば魔域へ行くよう教えた。もうすぐ15日、司鳳は焚如(フンジョ)城の門が開くこの日に無支祁(ブシキ)を救うつもりだろう。魔域の邪気に耐えられるのは十二羽の後継者と戦神だけ、昊辰はこれで司鳳の行いが全て妖魔族のためだったと分かるはずだと言った。そこで念のため璇璣に邪気を浄化する浄気瓶(ジョウキビン)を授ける。「どうしても手を下せない時は禹司鳳の邪気を浄化すればいい 根本は解決せずとも奴は善心を取り戻すだろう」…璇璣、最後にもう一度だけ君を信じる…一方、褚玲瓏(チョレイロウ)は鐘敏言(ショウビンゲン)との別れを決め、その夜、父に独りで下山すると伝えた。褚磊(チョライ)は困惑し、実は午後に敏言が訪ねて来て玲瓏との婚姻を申し込んだと教える。「そんなはずないわ…」玲瓏はてっきり敏言が自分に愛想を尽かしたと思っていたが、そこへ敏言が現れた。今も昔もこれからも玲瓏を好きな気持ちは変わらないという。「絶対に手放さない…」敏言は師匠に1日も早く玲瓏を娶って安心させたいと懇願、そこで褚磊は5日後に璇璣たちと合同で婚儀を行うと決めた。↓娘のイチャイチャを見守るパパ( ̄▽ ̄;)元朗(ゲンロウ)は魔域の辺境でようやく司鳳に霊匙を渡した。しかし亭奴(テイド)と柳意歓(リュウイカン)は自分が世話をすると脅しておくことも忘れない。すると司鳳は単独で魔域に向かった。司鳳は霊匙で魔域の封印を解いた。しかし突然、璇璣が現れる。「師兄の言う通りだった…やはり来たのね」璇璣は司鳳に戦いを挑んだが、司鳳は隙を見て結界に飛び込み消えてしまう。司鳳を見失い途方に暮れる璇璣、するとなぜか修羅城の門が開いた。「尊主のご帰還を歓迎いたします…」璇璣には意味が分からなかったが、ともかく司鳳の後を追い石段を駆け上がる。すると待機していた紫狐(シコ)がひょっこり顔を出し、門が閉まるぎりぎりのところで滑り込んだ。魔域に入った璇璣は司鳳を探した。「禹司鳳!…どこなの?!出て来い!禹司鳳!」すると司鳳が現れ、璇璣の背後にいた修羅の煞霊(サツレイ)を片付けた。「大声を出せば覚醒するぞ?…死にたいなら叫び続けろ」「…勝負して!」しかし璇璣が騒ぎ出したせいで目を覚ました煞霊が押し寄せ、司鳳は璇璣を連れて避難した。「助けてもらっても許すつもりはないわ!」「…下を見ろ」璇璣は足元の煞霊に気づいて慌てて剣を振り下ろしたが、司鳳はその隙に姿を消してしまう。司鳳は化骨潭(カコツタン)を探している途中で偶然、壁画を見つけた。どうやら千年前の仙魔大戦の様子を描いているようだが、肝心の戦神と魔煞星の対決はない。すると戦神が銅鏡の前に座っている画があった。しかし銅鏡に映っているのは戦神の顔ではない。…映っているのは魔煞星?!やはり同一人物なのか?!…その時、司鳳を探して璇璣が追いかけて来た。司鳳は咄嗟に壁画を燃やして先を急いだが、かえって璇璣に誤解されてしまう。…壁画の戦神まで傷つけるなんて、私たちはもう戻れないのね…司鳳は定海鉄索(テイカイテッサク)の鍵穴がある化骨潭に到着した。しかし鍵穴の場所が特定できず、再び璇璣に追いつかれてしまう。司鳳はこの機会に璇璣の生母の死の真相を調べたと話し、かつて戦で金赤鳥一族が得た褒美の記録を渡した。「魔域の邪気は修羅族のみが有する、記録を読めば分かる 一族の中で元朗のみが修羅王から邪気を賜った、つまり君の母君を殺したのは元朗だ」「こんな物…今さら何になるの?」璇璣は思わず記録を投げ捨てた。璇璣にとって司鳳はもはや仇敵(キュウテキ)となっていた。司鳳は深く傷ついたが、いつか璇璣にも自分の苦心を分かってもらえるはずだと訴える。その時、暗闇に月の光が差し込んできた。元朗の話では月が中天に昇る日に焚如城の門が開くはず、今すぐ鍵を開けなければならない。そこで司鳳はその場にへたり込み、傷口から邪気が入ったようだと嘘をついた。「あそこに青い蓮が咲いている…邪気を浄化する力があるようだ…採って来てくれ」璇璣は半信半疑ながら蓮の元へ向かった。その時、ついに満月が昇って鍵穴が現れる。…璇璣、すまない…司鳳は翼を広げて飛んで行ったが、璇璣に見つかって阻止されてしまう。「師兄は正しかった…お前は変わってしまった」すると棺で眠っていた煞霊が覚醒、二人に襲い掛った。司鳳は璇璣と協力して煞霊を退治、しかしこのままでは鍵を開けに向かう時間がない。しかし折よく紫狐が現れた。「紫狐!無支祁を頼む!」一方、再び満月を迎えた無支祁は焚如城の最下層で暴れていた。「この忌々しい鎖め!いつか神仙の口に押し込んでやる!」その時、突然、定海鉄索が外れ、傷だらけになった紫狐が落下してくる。「小狐狸?お前か…苦労をかけたな」紫狐はついに愛する人を救えたと喜び、魔域から来たと教えた。「無支祁…司鳳が…司鳳が一緒に定海鉄索を解いてくれたの…司鳳を助けて…」すると紫狐は意識を失ってしまう。璇璣は再び司鳳に騙され激高、戦いを挑んだ。仕方なく司鳳は事情があって魔煞星を装ったと釈明したが、璇璣は聞く耳を持たない。「私は大事な人を守るため苦心している…またいつか愛し合える日が来ることを願っている… 璇璣、時間をくれないか?何もかも説明する」「お前の言葉など信じられぬ!」璇璣は剣を収め、司鳳を信じ続けて来た自分を恨んだ。「でも分かった…以前の司鳳はもういないのよ!」( ꒪ͧ⌓꒪ͧ)ガーン璇璣の言葉に呆然とたちすくむ司鳳、その隙を狙って璇璣は浄気瓶を放った。璇璣はこれで司鳳の邪気が浄化できると信じ、少しの辛抱だとなだめた。しかし司鳳は喀血、苦しみもがき始める。(lll´ཀ`):;*.’:;.,.ダ~ ① (꒪ꇴ꒪〣)<すふぉん?!璇璣は話が違うと焦って神器を回収しようとしたが手遅れだった。(lll´ཀ`):;*.’:;.,.ダ~ ②そこへ無支祁が駆けつける。「戦神!恨みがあるとはいえ、朱雀瓶を使うとは残酷すぎるぞ?」実は昊辰がくれたのは浄気瓶ではなく、天界でも最強の邪気を持ち、神仙さえ溶かしてしまう朱雀瓶だった。すると無支祁は命の恩人を救うため、神器・均天策海(キンテンサクカイ)で朱雀瓶を破壊する。「司鳳!しっかり!目を開けて!」「私がいなければ死んでいたぞ?…まあいい、千年の付き合いだ、今日のことは忘れるよ」無支祁は泣き崩れる戦神を残し、司鳳を連れて消えてしまう。辺境で待っていた元朗の前に突然、結界が現れ、無支祁が司鳳を連れて戻って来た。元朗は再会を喜び、霊匙を集めるため奔走したと恩を着せたが、無支祁は元朗の目的が均天策海だと知っている。ともかく恩人である司鳳の手当てが先決、無支祁は一足先に離沢宮へ戻った。風(フウ)長老は無支祁の無礼な態度に驚いたが、元朗は魔域左使の方が強いため仕方がないという。一方、誰もいなくなった魔域では司鳳が燃やした壁画が崩れ、その裏から別の壁画が現れていた。その壁画には思わぬ秘密が描かれていたが…。司鳳は朱雀瓶の赤煙(セキエン)と邪気を受けていた。亭奴の話では治療法はたった1つ、司鳳を超える強大な妖力を持ち、同等の功力を有する2人が邪気を排出させることだという。無支祁は自分と元朗しかいないと言ったが、元朗は司鳳が魔煞星だと確信がないと渋った。「ああ~千年前のように我ら妖族を裏切る魂胆か?」無支祁の思わぬ言葉に騒然となる長老や弟子たち、実は千年前、元朗は天界の間者になったという。元朗はこれも妖族のためだったと正当化し、無支祁の口をふさぐために手を貸さざるを得なくなった。一方、騰蛇(トウダ)神君は柏麟帝君(ハクリンテイクン)の寝宮に忍び込んでいた。するとついに戦神に関する玉簡を発見したが、青龍神君に見つかってしまう。司鳳は無支祁と元朗のおかげで助かった。付き添っていた意歓は安堵したが、璇璣がこれほど残忍だったことに驚きを隠せない。しかし司鳳は自分が欺き続けたことが原因だと言った。「璇璣の信頼を失ってしまいました…でもいつか真相を知れば理解してくれる」呆れた意歓は璇璣が司鳳を殺すつもりだったと憤慨した。もはや司鳳への情など残っていないのだろう。すると司鳳は無支祁が解放され、計画が成功すれば全てはっきりするはずだと期待した。「魔域で璇璣の前世を見ました、戦神であり魔煞星でもあるのです」つづく( ๑≧ꇴ≦)キィャアー!ムカイリ、カッコいい!!!(←違うけどw
2022.03.16
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琉璃(琉璃美人煞) Love And Redemption第44話無辜の民を巻き込まないよう一対一で戦うことになった褚璇璣(チョセンヂー)と禹司鳳(ウシフォン)。元朗(ゲンロウ)はこの機に戦神の凄まじい霊力を奪い取ろうと考えたが、突然、結界が破れ、断念するしかなかった。結界を破ったのは密道から攻撃を仕掛けた昊辰(コウシン)たちだった。璇璣は何も知らなかったが、司鳳は初めから自分を誘き出し奇襲する作戦だったと誤解、愕然となる。その時、昊辰が九天玄火を放つのを見た。「ふっ、璇璣と共に有情訣(ユウジョウケツ)を修め、心も霊力も通じ合っているのだ!」昊辰に挑発された司鳳は激怒、ついに金色の翼を広げた。司鳳は弟子たちを宮内に避難させ、昊辰たちを金鐘罩(キンショウトウ)の中に閉じ込めた。「修仙門派は正々堂々と戦うと思ったが、こんな卑怯な手を使うとは… 良い勉強になった、撤退せぬなら金鐘罩で粉々に打ち砕いてやる!」昊辰は自分たちを犠牲にしても攻め込めと命じたが、璇璣は代償が大きすぎるとあきらめ、撤退すると約束した。司鳳は金鐘罩を開けるために必要な四大神器を取りに戻った。すると元朗が何食わぬ顔で現れ、殿内の凄惨な様子を見せる。昊辰たちに無惨にも殺されたのはまだ内功も未習得の若い弟子たちだった。司鳳は残虐な昊辰への恨みを募らせ、この手で敵を討つと誓う。司鳳は再び門前に戻ると、四大神器で昊辰だけ解放した。「…気が変わった」驚いた鐘敏言(ショウビンゲン)は前言を翻すのかと叫んだが、司鳳は冷たい視線を投げかける。「よく言えたな、抜け道を教えたのはお前だろう?」すると司鳳は四大神器に術をかけ、黄金色の刀を造った。「これは鎮獄(チンゴク)神刀だ、地獄の悪霊を退治し、現世の悪人を成敗する… 昊辰…今日、この神刀でお前を葬ってやる」司鳳と昊辰の戦いが始まった。璇璣は戸惑いながら2人の争いを見守っていたが、昊辰の危機を見過ごすことができず、咄嗟に飛び出し加勢する。睨み合う司鳳と璇璣、その時、昊辰が隙をついて背後に回り、司鳳を刺した。「禹司鳳…私と璇璣の有情訣の下に死ね!」(´゚ω゚):;*.’:;.,.ブハッ!①「すふぉん!」璇璣は激しく動揺した。このままでは本当に司鳳が死んでしまう。璇璣の心に魔が差し、そのせいで有情訣の功力が弱まった。その瞬間、司鳳は渾身の霊力で璇璣と昊辰を吹き飛ばすと、昊辰に襲いかかる。(´⊙_⊙):;*.’:;.,.ブハッ!( ๑≧ꇴ≦)ししょーん!司鳳は昊辰の胸を神刀で突き刺した。小銀花(ショウギンカ)は柳意歓(リュウイカン)と亭奴(テイド)を連れて離沢宮に戻った。すると思いがけず璇璣と戦う司鳳を目撃、主人を助けるため飛び出し、璇璣を背後から刺してしまう。司鳳と璇璣は互いの力が激しく反発、2人は跳ね飛ばされ、地上に戻った。「禹司鳳、あなたを信じたのは間違いだった…今後、あなたとは一切、縁を切る」司鳳の苦しい胸の内も知らず、璇璣は絶縁を宣言して撤退した。司鳳は亭奴のお陰で体力が回復した。しかし天眼を持つ意歓から魔煞(マサツ)星ではないと見抜かれてしまう。司鳳は元朗に対抗するためだとごまかし、亭奴に弟子たちの手当てを頼んだ。意歓は司鳳と2人きりになると本当のところを聞いた。「お前が魔煞星を装うのは本当の魔煞星の正体を隠すためだろう? お前が命懸けでかばう相手は1人しかいない…」意歓は天眼でも過去が読めない璇璣こそ魔煞星だと見破ってしまう。そこで司鳳の腕を確認したが、やはり人情呪の羽根の印があった。「次に璇璣に誤解されて傷つき発作が起きれば落命するかもしれないんだぞ?!」意歓は弟のように可愛がってきた司鳳の身を案じ、考え直すよう諭して出ていった。司鳳は意歓が出ていくと隠れていた小銀花を呼んだ。「お前は璇璣に手を出さないと誓ったのに傷つけたな?」「…罰を受ける覚悟はできてる」しかし璇璣をどうしても許せず、小銀花は例え命を懸けても主人を守ると譲らない。司鳳は仕方なく自分の腕を斬って血の契りを断つと決めたが、驚いた小銀花は咄嗟に術を放ち、司鳳の動きを封じた。すると自ら契りの血を取り出し、司鳳に返還する。司鳳は術を解くよう訴え、これでは自分たちの契りを断つことなどできず、小銀花がただ傷つくだけだと言った。「構わない…禹司鳳が無事ならそれでいいの……我走了」司鳳は怪我人の様子を見に行った。すると賀(ガ)長老が急に重篤になっている。亭奴の話では弓矢に化骨水(カコツスイ)の毒が塗られており、体内に浸透して五臓が蝕まれていた。そこへ元朗がやって来る。司鳳は魔域右使(マイキユウシ)の黒羽令で自分の名を語り修仙門派を挑発したと追求、どういう了見かと迫った。焦った元朗は平伏し、妖魔族を再興させたかっただけだと訴える。そこで司鳳はこの機に乗じ、共に魔域へ行こうと提案した。「お前は魔族でない、魔域に行けば影響を受ける、まあいい、早急に返事をくれ」「では宮主の傷が治り次第、出立しましょう 私は魔域の外で宮主に霊匙を渡し、長老4人と共に成功を祈りながらお帰りをお待ちします」神刀で深傷を負った昊辰は少陽山で静養していた。璇璣は心配で見舞いに駆けつけたが、会いたくないと追い返されてしまう。一方、鐘敏言は苛立ちを募らせ、ひとり川岸に出た。妖魔を退治する大義とは言え、やはり友を裏切ってしまった後ろめたさは消えない。すると小師妹が現れ、稽古をつけて欲しいと頼んだ。しかしまだ三式を修練する力がなく、小師妹がうっかり倒れそうになる。敏言は咄嗟に抱きとめ、焦らず順を追って習得するよう諭した。「重要なのは高潔さだ…もう帰りなさい」そんな2人の様子を敏言を探していた褚玲瓏(チョレイロウ)が見ていた。玲瓏は聡明で気立の良い文宣(ブンセン)を羨ましく思った。「…私は高潔さを失ってしまったわ」敏言にふさわしいのは自分ではないと卑下する玲瓏、しかし敏言はなぜ自分の気持ちを信じてもらえないのかと憤る。「いつまで過去に捕らわれているつもりだ?…これ以上、私にどうしろと?」敏言は大きなため息をついて先に戻ってしまう。騰蛇(トウダ)神君は司命殿で魔煞星の秘密を探っていた。膨大な玉簡に頭を悩ませる騰蛇、しかし偶然、落ちて来た玉簡から柏麟帝君(ハクリンテイクン)の書斎と同じ香の匂いがする。「おう?!帝君もここに魔族の資料を調べに来たのか?」そこで騰蛇は再び資料を探し始め、ついに手がかりを見つけた。「あったぞ!…ん?戦神に関する記述か~帝君も閲覧したのか~でも妙だな? 戦神が魔煞星を斬り殺したことは全く載っておらぬし、戦神の素性だけ記されていない まさか帝君が隠匿したとか…」するといつの間にか青龍(セイリュウ)神君がいた。|°_° ) ヒイィィィ!!(゚ロ゚ノ)ノ焦った騰蛇は青龍神君の資料を見ていたとごまかし、昔と今とでは違うと玉簡を見るよう勧めて逃げ出した。魔域に行くと決めた司鳳は意歓と亭奴を呼び、偽物だとバレないような良策が必要だと訴えた。しかし運悪く紫狐(シコ)に聞かれてしまう。「魔煞星じゃなかったのね~じゃあ本物は?」「知らない、有益だから名乗っているだけだ」すると紫狐は自分も魔域に行くと言った。司鳳は了承すると、意歓の心配をよそに亭奴が邪気の害を抑制できる霊薬を作るという。その功力がどれくらい続くかは分からなかったが、司鳳は十二羽と千年狐妖なら持ちこたえられると期待した。「必ず生還します!ʕ•̀ω•́ʔ✧」昊辰は床を離れ、旭陽(キョクヨウ)峰にこもった。すると璇璣が駆けつけ、自分の霊力で癒そうとする。しかし昊辰は拒んだ。「私がどうなろうと君は関心などないだろう…」「いいえ、師兄を心配していました」「では禹司鳳は?彼を諦められるのか?」璇璣は即答できなかった。「やはりな…君が最も気にかけるのは禹司鳳のことだけ」「約束します、次に禹司鳳と会ったら手加減しません」「ふっ、次か…次なら倒せるのか?次とはいつだ?!…君にはこの機会しかない!私にもだ!」昊辰は思わず口を滑らせたが、璇璣には意味が分からなかった。「禹司鳳は君の心の魔となった、奴を断ち切らねば君の全てが台なしになる …もうよい、私が君に変わって師匠の敵を討つ!」すると昊辰は怒りのあまり喀血してしまう。(´⊙_⊙):;*.’:;.,.ブハッ!つづく(  ̄꒳ ̄)確かにちょっとめんどくさいわ〜玲瓏wそろそろ自分で立ち上がらないとね
2022.03.14
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长歌行 The Long Ballad第24話「独り善がりの代償」庫里台(クリタイ)大会、阿詩勒隼(アシラシュン)は決闘に勝利し、堂々と李長歌(リチャングァ)を取り返した。しかし長歌は捕虜となった羅義(ラギ)将軍を見捨てることができず、鷹団に戻ることを拒否する。阿隼は仕方なく延利(イエンリー)可汗に褒美を辞退したが、身勝手な長歌の行動に憤った。阿詩勒渉爾(アシラシャアル)は長歌を連れて天幕を出た。しかし自ら狼団に残ると言い出した長歌に不信感を抱き、阿隼に何か企みがあると疑う。長歌は何も知らないとあしらい、どちらにしても弥弥古麗(ミミクリ)が戻ることはないと釘を刺して居所へ戻った。その夜、長歌は幕営が寝静まった頃を見計らい居所を出た。すると天幕の外で独り酒をあおっている阿隼を見つける。「阿隼、ごめんなさい」「ふん…で、どうやって羅義を救うんだ?」「気づいていたのね、でも約束だから言えない」「誰と?奕承(エイキショウ)公主か?…羅義は救えない、お前でも奕承でもだ」「…とにかく私の邪魔はしないで欲しい、阿隼…感謝はしている」「感謝しているなら今回は俺に従ってくれ」「…もう帰って、関わらないで」長歌は阿隼と別れて独りになると、密かに合図の草笛を吹いた。阿隼は怪我を理由に狩りを辞退、夜のうちに鷹団へ帰ることにした。そこで蘇伊舎(スーイーシャー)に牙張(ガチョウ)の見張りを頼み、特に羅義に関して動きがあったら知らせるよう命じる。「俺が戻ったことは渉爾の耳に入れろ」一方、李楽嫣(リラクエン)は小五(ショウゴ)と2人で洛陽(ラクヨウ)を目指していた。小五は熱が下がったものの咳が治まらず、この数日で痩せ衰えている。しかし小五は楽嫣を心配させまいと、自分を奮い立たせた。翌朝、可汗は慣例通り各部首領たちと狩猟へ出かけた。阿詩勒渉爾は阿隼が昨夜、鷹団へ戻ったきり動きはないと聞いたが、見張を続けるよう命じる。すると可汗の愛馬が逃げ出したと知らせが来た。「偶然すぎる…李長歌がいるか確かめに行くぞ」しかし奴隷の居所に長歌の姿はなかった。可汗の不在中に一体、何を企んでいるのだろうか。「そうだ、今、最も警備が厳重なのは…(はっ!)」その頃、長歌は阿伊児(アーイアル)と一緒に水汲みに出かけていた。あやうく守衛に見破られそうになったが、可敦(カトゥン)が現れ、事なきを得る。やがて人目のない場所まで出ると、長歌と阿伊児は樽に隠れていた羅義を出した。阿隼の予想通り牙張で動きがあった。長歌と羅義が姿を消し守衛が捜索中、小可汗も追跡しているという。穆金(ムージン)は羅義に関われば巻き込まれると警告したが、阿隼は穆金の手を振り払って飛び出して行った。阿詩勒渉爾が牙張に戻って来た。すると配下が駆けつけ、水汲みから戻った阿伊児の荷車に血痕があり、捕らえたと報告する。…阿伊児だったとは、まさか母上が?…渉爾は阿伊児を密かに自分の天幕に移すよう命じ、続報を聞いた。脱獄した羅義は樹林添いに東へ移動中と分かり、雷蒙(レイモン)が追っているという。「南から回り込むぞ!」燕雲(エンウン)十八騎の唯一の生き残り・羅十八(ラジュウハチ)は昨夜の長歌の草笛に呼応し、駿馬を用意して待っていた。しかし主と合流できたのも束の間、雷蒙たちに追いつかれてしまう。「追っ手が多い…」足を負傷している羅義は永寧郡主の足手まといになると考え、これも天命だと覚悟を決めた。「羅十八よ、命令だ、お前の新しい主は李長歌、叩頭せよ! …郡主、十八は私にとって娘も同然、今日、我が娘を郡主に託します」すると羅義は十八に最後の命を告げた。「長歌を連れて逃げよ!」こうして羅義は長歌と十八を逃がし、雷蒙の剣で絶命した。十八は絶望の中、長歌を連れて必死に馬を駆けた。しかし前から阿詩勒渉爾たちが現れ、行手を阻まれてしまう。長歌は十八に逃げるようささやいて自ら馬を降りたが、十八は決して動こうとしなかった。その時、突然、弓矢が飛んでくる。渉爾は咄嗟に避けたが、落馬した。キタキタキタキタ━━━(゚∀゚≡(゚∀゚≡゚∀゚)≡゚∀゚)━━━━!!阿詩勒渉爾の前に阿隼が現れた。「俺のものだ、連れて行く!」長歌を巡って対峙する鷹団と狼団、そこへ雷蒙が追いついた。すると雷蒙は隼特勤(テギン)をなだめ、独断で李長歌を手放してしまう。阿隼は長歌を自分の馬に乗せ引き返した。怒りが収まらない阿詩勒渉爾は追いかけようとしたが、雷蒙に止められてしまう。「あの奴隷が羅義を逃したことで、可汗は渭水(イスイ)の矢も故意だったと怪しむでしょう その奴隷を阿詩勒隼が救ったのです、これで小可汗は無関係となり鷹師が疑われます」雷蒙は公主の命で小可汗を守っていた。小可汗を後継者にするため鷹師を消すのが責務、しかし渉爾にとって策略など関係ない。「阿詩勒隼は俺の獲物!あいつに勝って草原中に知らしめてやるんだ!」長歌は阿隼に馬を止めるよう頼んだ。しかし阿隼は無視して疾走する。長歌は仕方なく後ろから強引に手綱を引っ張り、馬を止めた。「今度は何だ?!」「これで鷹師も巻き込まれてしまう」「俺が考えることだ、お前は関係ない」そこへ穆金が駆けつけ、阿隼に文を届けた。阿隼は穆金から文を受け取ると顔色が一変した。そこで長歌を連行して先に戻るよう命じたが、長歌は自分で蒔いた種は自分で刈るという。するとこれまでになく阿隼が感情を爆発させた。「黙れっ!…ならなぜ強行した?!羅義を救えたか?!羅義は死に、お前も鷹師も巻き込まれた! 李長歌、お前が招いた結果だ!…もうお前は鷹師とは無関係、中原へ帰れっ!…うせろっ!」(; ̄◇ ̄)<ぁ… ガーン…(꒪ꇴ꒪〣)長歌はひたすら馬を走らせた。するとしばらくして十八がついて来ると気づき、馬を止める。「十八、もう行って、羅将軍の話は忘れていいの」「…死ぬまで主に背かぬのが掟です」( ゚д゚)<え?話せるの?…ずっと黙っていたから( °_°)<話す必要がないので…十八は自由だと言われても、どうしていいのか分からなかった。そこへ穆金がやって来る。「何?私が草原に居座るとでも?」「阿隼はそれを案じてる…」長歌は穆金に文の内容を聞いた。しかし穆金は中身を見ていないという。長歌は阿隼が文と一緒に入っていた耳飾りを見て怒り出したことを思い出し、牙張に阿隼と関係がある女性がいるか聞いた。「(はっ!)母親か…」「母親?身寄りはいないはずじゃ…」「養母だよ、阿伊児だ!」幼い阿隼を拾って育ててくれたのは阿伊児だった。可汗が阿伊児を牙張に置いているのは阿隼を従わせるため、すると長歌は罠だと気づく。「阿隼の身が危ない!早くしないと!」阿隼は独り牙張に戻った。すると渉爾が阿伊児を人質にして待ち構えている。「ふっ、ひざまずいて非を認めれば命は助けてやろう、生死はお前次第だ」阿隼は天を仰ぎ、養母のために剣を捨て、ついに膝をついた。愛しい阿隼の惨めな姿に阿伊児は必死に首を横に振って泣き叫んだが、渉爾はさらに叩頭しろと迫る。つづく( ;∀;)あすぁん!カッコいい!
2022.03.13
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长歌行 The Long Ballad第23話「中原から来た女」阿詩勒(アシラ)部の捕虜となった羅義(ラギ)と密かに接触した李長歌(リチャングァ)。しかし独房を出たところで運悪く警戒中の兵士に見つかってしまう。「新しい奴隷です、通りかかっただけで…」「通りかかっただと?ではあの倒れている見張りは何だ?!」そこへ可敦(カトゥン)の侍女・阿伊児(アーイアル)が駆けつけた。口が利けない阿伊児は身振り手振りで長歌が可敦の天幕の奴隷だと説明、兵士を納得させる。長歌はなぜ阿伊児が自分を助けてくれるのか分からなかったが、そのまま話を合わせて可敦の天幕を訪ねた。可敦は滅亡した隋(ズイ)の奕承(エキショウ)公主だった。若かりし頃には自身も男装していた経験からか、可敦はひと目で長歌が女子だと見抜く。そこでなぜ羅将軍を助けようとしたのか聞いた。長歌は仕方なく独房に潜入したことを認めたが、亡き父が羅将軍の配下だったと嘘をつく。実は羅義は隋王朝時代に涿(タク)郡に駐留しており、可敦も忠義ある勇敢な英雄だと知っていた。「あなたはあまりに私と似ている…渭水(イスイ)でのことなら私も耳にしたわ 私の予想ではあなたは唐皇を救ったのね?」すると可敦は中原を戦火から守ってくれた長歌に感謝した。長歌は公主の協力があれば羅義を逃がせると期待したが、可敦は誰も牙張から逃げ出すことはできないという。何より正妃とは言っても延利(イエンリー)可汗にとっては所詮、中原からやって来た信用できない女、可敦には何の力もなかった。一方、隊伍とはぐれた李楽嫣(リラクエン)は小五(ショウゴ)と2人で旅を続けていた。小五はいつの間にか楽嫣を本当の姉のように慕い、楽嫣も小五の面倒を見ているうち、皇帝としての父の苦労を理解するようになる。「長安に帰ったらあなたを父上に会わせるわ、長安に着けば食べ物を奪い合わなくていい あなたには礼儀や学問、音楽や詩を教える、武術が学びたいなら達人を招いて師事させるわ…」楽嫣は洛陽(ラクヨウ)にさえ到着すれば全て良くなると安心させたが、小五はいつの間にか眠っていた。阿伊児は長歌に差し入れを持たせて見送った。なぜか長歌を愛おしそうに見つめる阿伊児、すると居所へ戻る長歌の前に阿詩勒隼(アシラシュン)が現れる。「可汗の天幕に滞在できることになった、こっそり様子を見に来たんだ(はっ!)…誰が手当てをした?!」「奕承公主よ、食べ物と薬をもらったの」「牙帳では俺以外は誰も信じるな、中原人でもな」阿隼は庫里台(クリタイ)大会までに救出する方法を考えておくと安心させたが、すでに長歌は羅義が捕虜になったと知っていた。「見捨てることはできないわ」「救出は不可能だ!」「命を懸けるまでよ…その時は私を止めないで」すると阿隼は思わず長歌を抱きしめ、生きて欲しいと伝えて戻って行った。庫里台大会の日、可汗が最も寵愛する錦瑟(キンシツ)夫人が牙張に現れた。可汗と3ヶ月ぶりに顔を合わせた錦瑟は可敦などお構いなし、ろくに挨拶もせず可汗の膝に乗る。「定㐮(テイジョウ)にいる隋室の寡婦や童たちはどうしておる?」「ご安心ください、蕭(ショウ)皇后と幼い隋王なら私に頭も上がりません、ふふふ~」すると可敦は定㐮に残る隋の民たちを思い、舒勒(シューラー)可汗は蕭皇后と皇孫を厚遇すると約束してくれたと口を挟んでしまう。これに可汗は憤慨、舒勒の息子・阿詩勒渉爾(アシラシャアル)が今回の南征で失態したことを持ち出した。可敦は息子を守るため慌てて退席することにしたが、錦瑟はわざと可汗に喉が乾いたと訴える。そこで可汗は奕承に酒を注ぐよう強要した。可敦は屈辱に耐えながら錦瑟に酒を注ぎ始めたが、うっかりこぼし、激怒した可汗に酒を浴びせかけられてしまう。可敦の我慢も限界に来ていた。そこで長歌を天幕に呼び、これまでの鬱憤をぶちまける。30年前、啓民(チーミン)可汗に嫁いだ奕承公主、しかし逆縁婚の慣習により始畢(シービー)可汗、舒勒可汗、そして延利と婚姻を繰り返して来た。「自尊心をずたずたにされたわ…実の息子にも会わせてもらえない」「息子が?」長歌は渉爾が舒勒可汗と公主の息子だと知った。しかし公主が延利の可敦になったため、表向き母子として認められないという。実は可汗は渉爾にも母親に密かに会えば天狼神の呪いで病となり、母親が死んでしまうと吹き込んでいた。すると可敦は庫里台大会が終わると可汗が慣例通り各部首領たちと狩猟へ行くと教え、長歌にある計画を耳打ちする。「だからその時…」ヒソヒソ…(ノ°д°(・ω・)ハッ!阿詩勒渉爾は偶然、母の天幕から出てくる長歌を見かけた。そこで長歌を引っ捕まえ、どんな企みがあって可敦に近づいたのかと迫る。長歌は無視して帰ろうとしたが、憤慨した渉爾は長歌の首をつかんで脅した。すると長歌の首にのどぼとけがないと気づき、実は女だったとばれてしまう。「ふっ、そういうことか…」渉爾は長歌と弥弥古麗(ミミクリ)が親密な理由を知って安堵し、思いがけず阿詩勒隼の弱みを握った。阿詩勒渉爾は庫里台大会の酒宴に美しい奴隷を連れてやって来た。奴隷は面紗(メンシャ)で顔を隠していたが、阿隼はすぐ長歌だと気づいて呆然となる。すると可汗は狼団にこれほど美しい奴隷がいたのかと驚き、どこか見覚えがあると言った。しかし嫉妬した錦瑟に諌められ、長歌は正体を暴かれずに済む。渉爾の挑発に怒り心頭の阿隼、そこで可汗に庫里台大会のしきたりに従い渉爾との決闘を申し出た。「俺が勝ったら隣の奴隷は俺がもらう!」「叔汗、隼特勤(テギン)の挑戦なら渉爾も断れません」そこで渉爾は自分が勝ったら鷹団の奴隷になった弥弥をもらうと言った。大切な人を守るため戦うことになった阿詩勒隼と阿詩勒渉爾。2人は激しい攻防を繰り広げ、やがて阿隼が渉爾の剣を弾き飛ばすことに成功する。しかし渉爾は柄(ツカ)に隠していた小刀を抜き出し、阿隼の一瞬の隙をついて襲い掛かった。阿隼は咄嗟に剣で止めようとしたが胸を刺され、さらに小刀に仕込んであった鉄鎖で首を絞められてしまう。劣勢となった阿隼の姿に動揺を隠せない長歌、その時、阿隼が渾身の力で鉄鎖を引きちぎり、渉爾を蹴り飛ばした。渉爾は勢い余って剣の上に倒れそうになったが、阿隼は情けをかけて助けてくれる。「渉爾、お前の負けだ!」阿隼は勝利をおさめ、堂々と長歌を連れて帰れることになった。しかし長歌はこのまま羅義を見捨てることができない。一方、渉爾は可汗から天幕に呼ばれ、叱責されていた。「首領らの前で阿隼に破れるとは…草原を中原人に渡すつもりか?!」するとそこへ戦利品の奴隷が駆け込んでくる。「大可汗!私を牙張に置いてください!私は牙張の奴隷、主は1人だけです」可汗は仕方なく縛り付けて鷹団へ送ると約束したが、阿隼は長歌の願いを叶えることにした。「結構です、渉爾に仕えさせます…2人ともお似合いだ」つづく(  ̄꒳ ̄)やはりラバちゃんはこうでないとね〜
2022.03.12
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上阳赋 The Rebel Princess第54話「新たな皇帝」目を覚ました王儇(オウケン)は再び賀蘭箴(ガランシン)の手に落ちていた。「私のそばにいた者は?!パンダとヂンRは?!」「パンダは死んだ、蘇錦児(ソキンジ)のことは…気にするな」王儇は錦児がくれた水に薬が入っていたと気づき、実は長いこと自分を裏切って賀蘭箴と通じていたと知る。すると賀蘭箴が今や大成の至る所に貼られた豫章王妃の手配書を見せた。「誤解するな…今のそなたには忽蘭(クラン)しか安全な地はない、行こう、私がかくまう」一方、朝廷では依然、皇子の行方がつかめず、大臣たちは空となった帝位に頭を悩ませていた。丞相・温宗慎(オンシュウシン)は諸王たちの皇位争いを懸念、もはや別の皇帝を立てるしかないと決意する。それはつまり安平王・馬子澹(バシタン)を新帝に立てることを意味した。中書・顧閔汶(コビンムン)は思わず謝(シャ)氏の血を引いていると口を滑らせたが、今の朝廷に王氏だ謝氏だと争っている余裕はない。すると城門の守衛から報告が届いた。安平王が勅命なしに帰京したという。子澹はわざと城門の前で待機していた。もし新帝として受け入れられなければ、謀反と糾弾される恐れがある。すると大臣たちが駆けつけ、温丞相が″安平王″の帰京を出迎えた。しかし子澹は無視する。その時、突然、衛(エイ)侯がひざまずいて拝礼した。「次期皇帝のご帰還をお喜び申し上げます!」( ̄ー ̄)ニヤリ子澹は永安宮の寝所を訪ねた。病床の皇太后は侍女が戻って来たと思ったが、水を飲ませてくれたのが憎き謝氏の息子・子澹だと気づいて悲鳴を上げる。回廊に控えていた侍女たちは気が気でないが、許可なく入ることなどできなかった。「…長年、知恵を働かせましたね? 父上に毒を盛り、母上に濡れ衣を着せ、謝氏を没落させた そして私と阿嫵(アーウォ)を引き裂きました 皇帝とご自分の兄を殺し、息子を皇位に就かせた…で、このような末路にご満足ですか?」子澹は当時、神を恨んだ。悪事を働き、道理に背いた皇太后がなぜ宮殿に居座れるのか。いつか必ず両親の敵を討とうと考えて来たが、こうして哀れな皇太后を目の前にすると、やはり神は平等なのだと納得した。「楝羽(レンウ)山の変はあなたが仕組んだことだ… まさか私に利用されるとは想像もしなかったでしょう? 真実を教えましょう、あなたの息子・子隆(シリュウ)の死は…」温丞相が永安宮にやって来た。凌春(リョウシュン)と元宵(ゲンショウ)は太平王が中にいると止めたが、その時、皇太后の断末魔のような叫びが聞こえてくる。驚いた温宗慎は寝所へ乗り込み、嫡母である皇太后への忠誠と孝行を欠けば民心が離れると諌めた。しかし子澹は深読みするなと言って皇太后の頭を優しくなでる。「孝行したくて会いに来ただけだ、焦ることはない…日を改めて見舞いに参ります」子澹が永安宮を出る頃にはすっかり日が暮れていた。凌春は道中に助けた娘が目を覚ましたと報告し、身元を調べたところ寧朔(ネイサク)軍の胡瑶(コヨウ)だったという。しかし肝心の豫章(ヨショウ)王妃の行方が分からなかった。実は蘇錦児が約束を違え、目印を残さなかったという。すると子澹は独りで鳳池(ホウチ)宮を訪ね、人質となって過ごした阿嫵との時間を懐かしんだ。…承康(ショウコウ)2年8月、太極殿で安平王・馬子澹の即位の儀が行われた…そして生母の謝貴妃は香純昱寧(イグネイ)皇太后に追封される…こうして大成の朝廷では2年の内に3度も皇帝が変わり、国中が不安に陥っていた江南は今日も激しい雨だった。安平王の即位を知った王藺(オウリン)はみすみす好機を逃したと苛立ち、王夙(オウシュク)に八つ当たりする。豫章王が謀反を企て皇帝暗殺に失敗して死んだなど誰が信じるものか。恐らく温宗慎ら古参は子澹の企みだと気づいているのだろう。「もはや江南に隠れる意味はない…」賀蘭箴の一行が忽蘭の幕営に帰って来た。忽蘭王は豫章王と寧朔軍を滅ぼした息子の帰還を手放しで喜び、カル族の使者として来訪していたコンプ王を紹介する。実はこれを機に賀蘭箴に王の座を譲り、カル族の王女・ミアとの婚姻を決めていた。しかし賀蘭箴は自ら婚姻を断り、コンプ王を怒らせてしまう。思いがけず忽蘭とカル族の和親は破断となった。賀蘭箴は婚姻するくらいなら王の座を放棄すると言い出し、忽蘭王は激怒して刀を突きつける。しかし息子はもはや賀蘭箴だけだった。「…なぜ私しかおらぬかは父上がよくご存知のはず 私にとって大切な2人、母上と妹はこの世を去った、助けられる機会はあったのに… あなたがその機会をふいにしたのです、だから二度と愛する人を失いたくありません 忽蘭に連れて来た女人と婚姻するつもりです」忽蘭王は原因が女だと知って失笑し、剣を収めた。賀蘭箴は王儇の幕舎を訪ね、世話係のアリマを紹介した。アリマは草原では珍しく大成の言葉に長けているという。しかし機嫌が悪い王儇は視線を落としたまま、アリマの顔をろくに見ようともしなかった。すると賀蘭箴は王儇の顔がよごれていると気づき、アリマにお湯を運んでくるよう命じる。「さあ…草原特製のお茶だ」「出て行って」賀蘭箴はこの茶を飲めば身体が温まると伝え、今日のところはおとなしく出て行った。一方、深手を負ってさまよっていた胡瑶はいつの間にか倒れ、気がつけば宮殿にいた。すると助けられたのは自分独り、一緒にいたはずの大王がいなかったと知って安堵する。慣れない衣に身を包んで皇帝に謁見した胡瑶、そこで豫章王と寧朔軍は無実だと訴え、潔白を証明して欲しいと嘆願した。しかし子澹は興味がなさそうに朝廷が調査しているとあしらい、寧朔軍にも大赦が適用されるという。「そなたが宮殿を出ようと誰も止めまい」忽蘭王は息子が特別に準備したという王妃の天幕を訪ねた。すると豫章王妃は賀蘭箴に拉致されて草原に来ただけで、息子に何の感情もないどころか嫌っていると知る。安堵した忽蘭王は和親のために王妃を解放すると持ちかけた。「本当ですか?」「使いの者に送らせよう、今夜だ、二度と戻って来ないでくれ」|ω・`).oO(あの毛皮…私のより大きいかしら?その頃、蕭綦(ショウキ)は恩人が留守の間に無理をして旅立っていた。…必ずや恩を返しに戻る…壁には蕭綦が残した言葉が刻まれていた。つづく(  ̄꒳ ̄)今回の見どころは…子澹のキラキラ衣装とアウォとおじいちゃんのモフモフ対決!←どこ見てんだw
2022.03.11
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上阳赋 The Rebel Princess第53話「侍女の裏切り」病の床に伏し、信じていた温宗慎(オンシュウシン)にも裏切られた皇太后。しかし何としてでも孫の馬静(バセイ)を取り返すため、皇后時代の侍従・金全(キンゼン)を呼ぶよう命じた。口封じのため監禁されていた金全は侍女・朝雲(チョウウン)の顔を見ると涙を流して喜び、皇太后のため再び働くことになる。一方、豫章(ヨショウ)王妃・王儇(オウケン)の馬車は城門で足止めされていた。護衛・龐癸(ホウキ)が皇后の令牌を示したが、守衛は皇帝が崩御した一大事に皇都を出るのはおかしいと怪しむ。そこへ皇太后の命で王儇を追う禁衛軍がやって来た。「門を開けてはならぬ!太后の命令だ!豫章王は反逆により楝羽(レンウ)山で殺された! 皇后の令牌を盗み、脱出を企てた王妃を殺せーっ!」←え?殺すの?( ̄▽ ̄;)龐癸は覚悟を決めて馬を降り、護衛たちと王妃の馬車を守った。すると騎馬隊が一斉に弓矢を放ち、次々と護衛たちが倒れてしまう。その時、王妃の馬車だと知った守衛たちが立ち上がった。「じぃぁんしめん!我々は豫章王の部下だった!王妃を危険にさらしてはならない!」守衛は城門を開けて王妃一行を逃し、命をかけて禁衛軍を阻止した。郊外まで逃げたところで王儇は馬車を止めた。このまま皇子が自分と一緒にいては危険と判断し、二手に分かれるという。そこで王儇は馬静を徐(ジョ)女官に託し、阿越(アエツ)と一緒に江南にいる兄・王夙(オウシュク)に送り届けるよう頼んだ。そして自身は蘇錦児(ソキンジ)と龐癸で大王を探しに狩り場へ向かうという。錦児は王妃が居眠りしている隙に窓から目印を落とした。すると物音に気づいて王儇が目を覚ましてしまう。焦った錦児は怯えながら、暉(キ)州の時と同じように王妃を守れなかったらと思うと怖いと訴えた。「…ごめんなさい」「ばかね、私たちは一緒に育ち、嫁いでからも2人で困難を共にしてきた、なぜ謝るの?」王儇は神様が必ず守ってくれると励ましたが、まさか姉妹同然の錦児に裏切られようとは夢にも思わなかった。賀蘭箴(ガランシン)の一行は分かれ道で錦児が馬車から落とした目印を拾った。そこでここからは腹心・忽耶奇(コツヤキ)に追跡を任せ、王儇を傷つけずに連れてくるよう命じる。一方、禁衛軍も部隊を招集し、豫章王妃を追っていた。しかし暗闇の中、潜んでいた賀蘭箴の配下に襲撃され、一網打尽にされてしまう。やがて遅れて刺客を連れた金全が分かれ道にやって来た。雷雨でぬかるんだ道にはどちらにも馬車が通った跡が残っている。金全は恐らく王妃が江夏王を頼ると考え、迷わず江南を目指した。江南の王夙は今朝も堤防の見回りに出かけた。すると道すがら行き倒れの男を見かける。男は兵士には目もくれず王夙に助けを求め、こっそり手首の入れ墨を見せた。王夙は男が父の護衛だと気づき、救助するふりをして幕営にかくまった。すると父・王藺(オウリン)が実は生存していると知る。宮殿に潜んでいた護衛は王藺が危険に陥ったため北へ向かい救出、刺客たちをあざむくため他人の骸を利用して死を装い、秘密裏に逃亡していた。当初は王藺の死を完全に信じさせるため息を潜めていたが事態が悪化、危険を冒してまで会いに来たという。龐癸は夜を徹して馬車を走らせ、追っ手をまいた。そこで馬を休ませがてら休憩することになり、錦児が近くの川で水を汲んで来てくれる。何も知らず勧められるまま水を飲んだ王儇と龐癸、すると2人は急に意識を失った。一方、王夙は医者を連れ、護衛の案内で人里離れた荒ら屋にやって来た。すると疫病を患い憔悴した父が横たわっている。王藺も護衛も近づいてはならないと警告したが、王夙は無視して父に駆け寄った。錦児は愛する安平王のため王儇を裏切った。「王妃…申し訳ありません、お許しください…本当は安平王に連れて来いと命じられました でも王妃が戻られれば、恐らく安平王は後先考えず王妃と婚姻するはず… あなたは豫章王妃、無理に臣下の妻と婚姻した皇帝が国を治められるでしょうか…いいえ 婚姻はさせません!恨むならどうぞ私を、すべて私の一存です 安平王のためなら地獄へ堕ちたとしても甘んじて受け入れます…」その時、ついに忽耶奇が到着する。「うまくいったな、俺の目は正しかった、お前は残酷な女だ」忽耶奇は配下に王妃と護衛を連れて行くよう命じた。王妃への後ろめたさに目を潤ませる錦児、しかしこれでようやく役目が終わったと安堵する。「もう二度と訪ねて来ないで…」「それは難しいな…お前のような女を放っておけるわけがない」当初から錦児に目をつけていた忽耶奇、錦児は馬車に押し込まれ恥辱されてしまう。 皇帝陵では馬子澹(バシタン)が平常心でその時を待っていた。するとその夜、ついに皇都から合図の照明弾が打ち上がる。一方、瀕死の重傷を負った蕭綦(ショウキ)は見知らぬ民家で気がついた。「娘(ニャン)!あの男の人が目を覚ましたよ!」子供から聞いた父親は慌てて離れに駆けつけた。「…他に…誰か生き残っていた者は…」「お前さんは1人で倒れていた」蕭綦は寧朔軍が全滅したと知り、再び意識を失った。王藺は医官の手当てで快方に向かった。江南は今日も激しい雨、以前はこの時期に水害と疫病が蔓延したが、護衛の話では王夙の治水のおかげで状況が一転したという。「江夏王を過小評価しておられましたね?」「…そうか、今度はちゃんと評価しよう」蕭綦を助けてくれたのは山奥で薬材を作っている一家だった。おかげで蕭綦は命拾いしたが、このまま静養している時間はない。「よう!起きてもいいのかい?さあ、薬だよ…お前さんはすごいねえ~ この怪我なら普通は何ヶ月も起き上がれない」「ずっと寝ていて、外で何が起きたかも知らなくて…」すると男はふもとで聞いた話を教えた。豫章王が反逆して皇帝は殺され、皇后は殉葬、皇太后も倒れたという。何でも城楼には豫章王の首が晒されているとか。「豫章王妃について何か知っているか?」「確か皇都を脱出したそうだ、お尋ね者になり官府が捜索している」蕭綦は床を離れ、楝羽山での攻防を思い出していた。自分と生死を共にすると誓い、戦ってくれた兄弟、そして愛馬…。寄る辺もなく逃亡している阿嫵(アーウォ)は今どこにいるのだろうか。実はその頃、王儇は草原を走る馬車の中にいた。「止めてっ!」意識が戻った王儇は賀蘭箴の姿を見て驚愕、馬車が止ると飛び降りる。しかしそこは何もない草原がただ広がっているだけだった。つづく:(;゙゚’ω゚’): 錦児…本当に地獄に落ちてしまったじゃないの…
2022.03.10
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琉璃(琉璃美人煞) Love And Redemption第43話明霞(メイカ)洞にこもって自分を罰していた褚璇璣(チョセンヂー)。昊辰(コウシン)はそんな璇璣を立ち直らせるため、少陽派に連れ戻した。「昊辰師兄、婚約は私を助けるための方便よね?」「…それは違う、私が望んだのだ」昊辰はいつの間にか心の中に璇璣がいたと告白し、実は禹司鳳(ウシフォン)との九世の縁の前に自分たちは会っていたという。そこで万刧八荒鏡(バンゴウハッコウキョウ)の破片を出し、2人の過去を見せた。実は昊辰は璇璣が眠っている間に司命を呼び出し、戦神に天界を思い出させると伝えていた。ただし自分の身分がばれないよう、知るべきことだけを明かしたいという。「神魔の史伝をどう書くかは任せる」鏡の中で昊辰は美しい神仙を招喚、彼女の命柱に赤縄(セキジョウ)を掛けた。すると戦神がその命柱を見に来る。『今まで私の命柱は空だった…皆が羨ましかったけれど、今は赤縄が巻かれている 私はもう独りではない…私がこの良縁花を贈れば私たちは結ばれる…』戦神は命柱の前で″一生を誓う″と刻んだ。璇璣は司鳳と出会う以前に昊辰を慕い、転生の修行の間もずっと昊辰が自分のそばにいたと知った。「君が愛していたのは私だ、ただ私との情を忘れて己を見失っていただけ…」昊辰は璇璣の心が落ち着くまで婚礼を待つと言ったが、秘境の封印だけは急がねばならなかった。一方、離沢(リタク)宮では元朗(ゲンロウ)が煉魂鼎(レンコンテイ)で弟子の魂を抜き出していた。残すところあと3人、すると外から配下の声が聞こえる。「宮主!少主が聖苑(セイエン)に入ったと風(フウ)長老から知らせが!」驚いた元朗は若玉(ジャクギョク)を連れてすぐ部屋を出たが、門が閉まる寸前に紫狐(シコ)が忍び込んだ。司鳳は風長老が止めるのも聞かず聖苑に乗り込んだ。聖苑には修行に不可欠な魔域聖花の最後の1株が保存されていたが、魔族の血を千年も与えられていないせいか、もはや枯れ草に見える。そこで司鳳は風長老の前で手の平から1敵の血を取り出し、聖花に垂らす寸前で密かに仕込んでいた璇璣の血と入れ替えた。すると璇璣の血を得た聖花はみるみる生気を取り戻し、鮮やかな色と輝きを取り戻す。…璇璣の血で金色の曼荼羅(マンダラ)の魔気が蘇った…璇璣は本当に魔煞星なのかそこへちょうど元朗が到着した。風長老は少主が魔域聖花を復活させたと信じ、魔煞星羅睺計都(ラゴウケイト)の復活を喜んだ。そこで司鳳はこれを機に元朗に宮主代理から退くよう迫り、金羽令(キンウレイ)の返却を要求する。すると宮主に反発していた羅(ラ)長老が令牌の返却を拒否すれば私心を疑われると牽制した。しかし司鳳は副宮主こそ魔域右使(マイキユウシ)だと暴露、皆を驚かせる。「右使は今後も私の補佐を務め、大業成就を支えてくれるだろう」追い詰められた元朗は仕方なく3日後に宮主継承の儀を行うと決め、金羽令を返して忠誠を誓った。禹司鳳が魔煞星として覚醒、元朗は妖族の忠誠を全て奪われた。しかも連魂鼎の部屋に何者かが侵入したと分かり、怒りの矛先は若玉へ向かう。「無能め!侵入者も捕らえられぬのか?! 連魂鼎を失えば戦神の力を奪えず、魔煞星に対抗できなくなるところだった!」元朗は若玉の首を締め上げたが、結局、解放してやった。司鳳は困惑していた。もし璇璣が魔煞星なら千年もの間、怨念や怒りをため込み、復讐に燃えているだろう。「阻止しなくては…」その時、司鳳は気配を感じて物陰に掌を放った。🦊<ギャアァァァ~!紫狐は司鳳の一撃に倒れ、そのまま邪気が失われて狐の姿に戻ってしまう。紫狐は魔煞星に殺されたと思ったが、司鳳は自分の霊力で人形(ヒトガタ)に戻してくれた。恐らく柳意歓(リュウイカン)に抜け道を教えてもらったのだろう。司鳳は紫狐の目的が霊匙だと気づき、隠し場所は知らないと言った。そもそも均天策海(キンテンサクカイ)が欲しいわけでも魔煞星の心魂が欲しいわけでもないという。「私は元朗から金赤鳥と他の妖族を守りたいだけだ」「…なら元老が弟子の魂で鼎(カナエ)を錬成しているのも知らないって言うの?!」( ゚д゚)<・・・あんだって?!元朗、コイツッ!紫狐はどうやら本当に司鳳と元朗が仲間でないと分かった。元朗が鼎を錬成している目的は分からないが、無支祁から聞いた話では残酷な術だという。そこで紫狐は手を組まないかと持ちかけた。無支祁を救出してくれたら、司鳳に協力させるという。実は紫狐は無支祁が元朗に陥れられて焚如城に幽閉された証拠を千年かけて集め、再会できた時に渡していた。解放されれば必ずや元朗に復讐するはず、司鳳の強い味方になるだろう。「あとは霊匙だけね?」許嫁となった璇璣と昊辰は旭陽(キョクヨウ)峰で習得できる奥義の1つ、大道有情訣(ダイドウユウジョウケツ)の修行に没頭した。やがてついに最高層である陽厥(ヨウケツ)功力の習得に成功する。そんなある日、離沢宮の新宮主となった禹司鳳からの書簡が届いた。…天界と妖魔界の対立は長く、我らの争いに人間の干渉は許されぬ…我らは霊匙を集め、左使を解放し、我が心魂を取り戻す…3日以内に我らに琉璃盞を渡し、降伏せよ修仙門派の長老たちは司鳳の挑発に激怒、そこで昊辰は宮主継承の儀に攻撃すると決めた。複雑な胸中の璇璣だったが、この戦いで自分の過ちを償い、禹司鳳を逃した責任を取ると約束する。しかしこの手紙は元朗の罠だった。司鳳が聖花を復活させた以上、魔煞星出現の噂はすぐ広まるだろう。元朗はここで司鳳と争えば妖族を敵に回してしまうと考え、素直に譲位に応じるしかなかった。まずは魔煞星が人間と戦う覚悟があるか確かめよう。元朗は密かに少陽派に書簡を送り付け、修仙門派をけしかけた。魔煞星と戦神を戦わせることができれば、この機に乗じて戦神の力を吸収し、魔煞星の権力掌握を阻止できるはずだ。一方、騰蛇(トウダ)神君は魔煞星を調べるため、久しぶりに天界へ戻った。すると戦神の命柱が砕けている。騰蛇は心魔のせいだと気づき、司鳳が原因だと分かった。確か司命が神魔に関する玉簡(ギョッカン)を持っていたはず、これを見れば司鳳の素性が分かるだろう。しかし司命殿には信じられないほど膨大な玉簡が保存されていた。離沢宮でいよいよ新宮主の継承の儀が始まった。今日は天虚堂の各壇主も招かれたが、そこにはあの烏童(ウトウ)の姿もある。そこで司鳳は天虚堂と離沢宮の統合に際し、まず内部の粛正を行うことにした。「若玉、同族の義を欠き、私の命を狙った そして烏童、修仙門派から妖族に身を投じ、己の復讐心のため無辜の妖族を殺した」ザワザワ(*´・д・)(・д・`*)(*´・д・)(・д・`*)ザワザワ「…2人は右使の配下だな?まかさ右使の指示か?」「私は何も知りません!同族に危害など、断じてあってはならぬこと!」元朗は口封じに2人を殺そうとしたが、司鳳が止めた。「使い道があるやもしれん、水牢に入れよ」司鳳は次の満月を待たず、魔域に乗り込むと決めた。そこで元朗に霊匙を渡すよう迫ったが、その時、戦神ら修仙門派が攻めてきたと知らせが来る。恐らく元朗の仕業だと疑う司鳳、すると風長老は自分が先陣を切ると申し出た。しかし司鳳は先の戦で痛手を負ったため、まだ戦う時ではないと止める。「長老たちは内弟子と共に結界外で待機せよ、他の者は命を待て」先鋒として修仙門派の精鋭を率いた璇璣は離沢宮の結界に阻まれていた。そこへついに司鳳が現れる。璇璣は宣戦布告を突きつけた書簡を投げ返すと、司鳳は自分ではないと否定した。「禹司鳳、あなたは本当に魔煞星なの?…私を騙したの?!」「…誓ったのだろう?妖魔を倒して私を倒すと…今さら何を聞くというのだ?」司鳳は拳に力を込めながら、心を鬼にして冷たく突き放した。すると浮玉(フギョク)島の島主・東方清奇(トウホウセイキ)が戦神と昊辰が婚約したと教え、司鳳を揺さぶる。司鳳は衝撃を受けたがおくびにも見せず、ならばさっさと決着をつけようと言い放った。司鳳は無辜の民を巻き込みたくないと、自分と戦神との勝敗で決めようと提案した。褚磊(チョライ)は罠かもしれないと警戒したが、璇璣は誰も陣に入ってはならないと命じる。こうして戦神と魔煞星の直接対決が始まった。一方、紫狐は密かに元朗を尾行していた。すると元朗は独りで城楼に立ち、煉魂鼎を招喚する。実は元朗は離沢宮に陣を仕掛けていた。…ふっ、あとは結界の霊力を利用し、戦神の力を吸い取るだけだ…戦神と魔煞星は陣の中で凄まじい剣気の応酬となった。すると司鳳が戦神の剣気で腕を斬ってしまう。(´・Д・)ガーン… ア…(・_・`)「本当に婚約したのか?」「聞いてどうするの?私は少陽の敵を討ちに来ただけ」「どうやら戦神将軍、これで決別するのだな?…だがこの一戦は負けられぬ」元朗はついにその時が来たと鼎を構えた。しかしその時、突然、結界が破れてしまう。つづく( ๑≧ꇴ≦)すふぉん!ブラック化のセオリーwでも何とも哀愁が漂って素敵だわ〜そして雑な狐ェェェェ…
2022.03.09
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琉璃(琉璃美人煞) Love And Redemption第42話禹司鳳(ウシフォン)の救出を決めた褚璇璣(チョセンヂー)と鐘敏言(ショウビンゲン)。そこで敏言が師叔・楚影紅(ソエイコウ)を誘き出し、璇璣はその隙に令牌を盗んで四象無尽(シショウムジン)洞を開けた。司鳳は気を失っていたが、璇璣が燭龍(ショクリュウ)との戦いで負った内傷を手当てし目を覚ます。しかし司鳳は自分を信じられないなら助けはいらないと辛く当たった。璇璣はこのままでは妖丹を奪われてしまうと教え、ともかく急いで連れ出すことにする。一方、青木(セイボク)鎮にいた小銀花(ショウギンカ)はようやく司鳳に感応し、居場所を突き止めた。璇璣は皆の裏をかいて秘境を抜けて脱出することにした。「あなたが何者であろうと私はあなたを守る、たとえ琉璃盞(ルリサン)を奪っても害したりしない」「褚璇璣、もう一度だけ言う…確かに君に1つだけ嘘をついたが、他に隠し事はない 天虚(テンキョ)堂や琉璃盞、魔煞(マサツ)星とは全くの無関係だ…君は信じないだろうがな」司鳳は思わず璇璣の手を払うと、そこへ小銀花が現れた。「全てあなたのせいよ!」璇璣に不満を募らせる小銀花、しかし璇璣は何も言い返せず、早くここを離れようと先を急いだ。一方、秘境の湖底では恒陽(コウヨウ)と守境者たちが陣を張って燭龍の霊を招喚していた。今日で3日目、間もなく陣が完成する。その時、突如、元朗(ゲンロウ)が現れた。弟子たちは師匠と琉璃盞を守るため戦いを挑んだが、その強大な魔力に手も足も出ない。しかし恒陽は弟子たちが応戦しているわずかな隙に陣を完成させていた。璇璣たちはあと少しで秘境を抜けるところだった。しかし突然、司鳳が鎖妖(サヨウ)陣に捕まって動けなくなってしまう。すると待ち伏せしていた褚磊(チョライ)たちが現れた。褚磊は璇璣に十二羽金赤鳥の妖丹を奪えと命じ、長老たちの力を借りて陣眼となる。驚いた司鳳は霊力の弱い小銀花を咄嗟に招喚して守った。昊辰(コウシン)は掌門の身体がもたないと訴え、璇璣に早く手を貸すよう迫る。父も司鳳も傷つけられず追い詰められる璇璣、そこへ騰蛇(トウダ)神君が現れ、あっさり陣を壊してくれた。司鳳はようやく鎖妖陣から解放されたものの、立ちくらみを起こした。長老たちも霊力を消耗して呆然、その時、褚磊が不意をついて司鳳に剣を放つ。璇璣は慌てて司鳳に抱きつき盾になったが、司鳳が身を挺して璇璣を守った。「(グサッ!)うっ…」(lll´ཀ`):;*.’:;.,.ダー ①褚磊の命剣は司鳳の身体を貫き、役目を果たして自ら戻った。「司鳳…司鳳?!」「君は…私と戦うと父君に誓ったのに…なぜ命懸けで助けようとした?…」「あれは…あの場をやり過ごすためについた嘘よ…信じないで」嘘?(꒪ꇴ꒪〣)@父すると璇璣の傷口から一条の血が飛び出し、どこかへ消えてしまう。一方、元朗は恒陽と弟子たちを惨殺、しかし再び燭龍が現れた。さすがの元朗も燭龍を制するだけで精一杯だったが、その時、琉璃盞が怪しげな光を放ち、燭龍を退けてくれる。すると秘境の岩壁に魔域の花・黒色曼荼羅(マンダラ)が咲き始めた。曼荼羅の開花は魔煞星が出現する証し、いよいよ魔煞星が復活する。焦った昊辰は司鳳こそ魔煞星羅睺計都(ラゴウケイト)だと叫び、璇璣に目の前の司鳳こそ敵だと煽った。司鳳は自分の身体を貫いた剣先が璇璣の胸まで傷つけていたと知った。しかし褚磊たちは司鳳の背中に隠れ、璇璣の血が招喚されたのを見ていない。恐らく怪我をした自分の血で魔域の花が咲いたと誤解しているのだろう。その時、司鳳だけがある真実に気づいた。…璇璣の血が?まさか!そんな事が…すると司鳳は急に璇璣を突き飛ばし、翼を広げて飛び上がった。「そうだ、私が魔煞星羅睺計都だ!」その様子を物陰から若玉(ジャクギョク)が見ていた。司鳳は璇璣を守るため悪役を演じるしかなかった。何も知らない璇璣は呆然、また司鳳に騙されたと誤解してしまう。「嘘は1つだけだと言ったでしょう?どうして…」「目的のためなら何度でも君を欺くさ、ふっ、あははははは~!」すると司鳳は姿を消した。元朗は琉璃盞の凄まじい威力に耐えられず、あきらめて退散した。そこへ褚磊たちが駆けつける。すると恒陽ら守境者たちがすでに息絶えていた。楚影紅はかろうじて命を長らえたが、二度と術が使えなくなってしまう。…全て私のせいよ、私の過ちだわ…自分を責め続ける璇璣、しかし騰蛇は何か裏がありそうだと感じ、天界で調べて来ると伝えた。長老たちは璇璣を首陽(シュヨウ)堂に呼び、厳しく追求した。すると褚磊は父親として自分に非があると認め、いきなり自分の指を1本、折ってしまう。正式な沙汰は妖魔を退治してから、しかしけじめとして昊辰に掌門の座を譲った。そこで昊辰は璇璣が禹司鳳に情けをかけたのはあくまで旧友だからだと断言、そもそも自分と璇璣は天が定めた夫婦だと訴える。( ゚д゚)はあ?「璇璣、天意に従い夫婦になっただけだと誤解されるのを恐れているのだろう? だが我らは心から想い合っている、情が通っていれば恐れる必要はない」(ヾノ・∀・`)イヤイヤイヤ…驚いた璇璣は否定しようとしたが、昊辰は話を合わせるよう目配せした。褚磊もこの機に乗じて璇璣を昊辰に嫁がせると決め、2人を信じて欲しいと長老たちを説得する。戸惑いを隠せない璇璣、しかしこれ以上、父を失望させるわけにもいかず、断腸の思いで決意した。「今日を限りに禹司鳳と決別します」璇璣は明霞洞にこもった。今は自分を罰することでしか悲しみを紛らせることができない璇璣、すると昊辰が現れ、結界を解いてしまう。「六識が戻らなければ苦しまずに済んだのに…私のせいだ 初めから君にしっかり寄り添い、そばに置いておけば偽りの情に惑わされはしなかった」昊辰は二度と璇璣の手を離さないと誓い、一緒に妖魔を退治しようと説得した。胸が痛むのは戦神でありながら俗世の情に染まり、心魔が生じているせいだという。「奴を殺せ、それで何もかも全て終わる」すると泣き崩れていた璇璣はふと大事な人たちを傷つけられた怒りが込み上げて来た。「二度と手出しはさせない…」そこで昊辰は術で璇璣を眠らせる。「知っているか?君はもともと私のものだった…遅れを取ったがまだ間に合う こたび何があろうと必ず君を連れて帰る…戦神の寝殿は千年前のままだ 君は私との過去や情を忘れたがゆえ、司鳳に惑わされた…君は私のものだ やはり忘れさせてはならぬことがあったのやも…」その時、昊辰の頬を涙が伝った。元朗は若玉から司鳳が魔煞星だと聞いた。にわかに信じがたい元朗、そこで離沢宮に戻っていた司鳳の様子を見に行く。すると司鳳の首筋には確かに千年前に柏麟帝君につけられた傷跡があった。激しい殺気は感じられないが、まだ元神と肉体がひとつになっていないせいだろう。それにしてもなぜ司鳳は自分が魔煞星だと分かったのだろうか。司鳳は魔煞星を演じていたが、元朗はまだ確信がなかった。「これから時間をかけて見極めねば、いずれにせよ今はまだ″ただの″禹司鳳でしかない」元朗たちが帰ると小銀花が姿を現した。すると司鳳は全てを知っている小銀花に封口(フウコウ)呪をかける。「うっかり口を滑らせては困る」司鳳はどうしても璇璣が魔煞星とは思えず、必ずからくりがあると疑った。戦神は無支祁(ブシキ)と戦った後に天界を敵視するようになったはず、司鳳は無支祁なら何か知っていると考え、魔煞星に成り済まして魔域へ行くという。驚いた小銀花は次に情人呪の発作が起きれば危ないと訴え、忘情丹を飲むよう哀願した。しかし司鳳の志は揺るがない。「璇璣のためだけではない、私は元朗の邪悪な野心を打ち砕かねばならぬ 魔煞星に化ければ全て阻止できる」司鳳は小銀花が密かに璇璣の血を採って来たと知っていた。「出すんだ…それから柳大哥と亭奴(テイド)に加勢して欲しいと伝えてくれ」つづく( ;∀;)すふぉん~悪者になって高笑いする司鳳、上手いわ~
2022.03.07
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长歌行 The Long Ballad第22話「牙帳の掟」自分を救った弓矢のことが頭から離れない李世民(リセイミン)。すると魏徴(ギチョウ)は息子の話として李長歌(リチャングァ)が談判の前夜、阿詩勒部へ向かったと伝えた。長歌が放った弓矢だと断定はできないが、もし皇帝暗殺を知れば全力で阻止するだろう。「はあ~もし長歌だとしたら…余計に申し訳なく思う」一方、皓都(コウト)はついに雲州を発った隊伍に追いついた。李楽嫣(リラクエン)と小五(ショウゴ)を襲撃した男は官吏が探しているのがあの娘だと気づき、まずいことになったと焦る。そこで長い道中、いつの間にかいなくなる者もいると説明し、先を急いだ。魏淑玉(リシュクギョク)は皇帝に謁見した。斥候からの情報によるとあの弓矢を射たのは小可汗が率いる狼団の精鋭で、小可汗は延利(イエンリー)可汗に叱責され、狼団も草原に戻ったという。もしあの弓矢を放ったのが本当に長歌だったら、ただでは済むまい。李世民と淑玉は共に長歌ではなかったという報告に胸を撫で下ろした。牙帳に可汗が戻った。可汗の正妃・可敦(カトゥン)はすぐ挨拶に向かったが、何も収穫がなかった可汗の表情は硬い。「その辛気臭い顔を見ると気が滅入る!」可敦は息子の阿詩勒渉爾(アシラシャアル)が何か仕出かしたと知り、おずおずと天幕を出た。鷹団の領地に戻った阿詩勒隼(アシラシュン)は長歌を助けるため、礼品を持って牙張を訪ねると決めた。3日後は庫里台(クリタイ)大会、隼は可汗に渉爾との決闘を申し込んで長歌を取り戻すという。穆金(ムージン)は渉爾にかえって隼を殺す正当な理由を与えてしまうと訴え、危険だと反対した。しかし隼は危険だからこそ長歌を救いに行くという。すると弥弥古麗(ミミクリ)が長歌への差し入れを持って駆けつけ、一緒に行きたいと懇願した。「特勤(テギン)、私も連れて行って!必ず役に立つわ」阿詩勒渉爾は可汗との謁見も許されず、狼団で腐っていた。すると図魯克(トルカ)が駆けつけ、例の中原の奴隷を見たことがあるという。「幽(ユウ)州で阿詩勒隼の味方を…」「ふっ、やはりな…奴を連れて来い」一方、隼と弥弥は狼団の陣営に到着、早速、奴隷の居所を訪ねた。しかし少し前に小可汗の配下が新しい奴隷を連れて射的場に連れて行ったという。阿詩勒渉爾は長歌を縛り付けて標的にした。「可汗に会いに行き、鷹師の内偵だと白状するか?!」「知らない、内偵じゃない!」すると憤慨した渉爾はついに弓を引いた。しかし矢を放った瞬間、駆けつけた阿詩勒隼が咄嗟に矢を掴んで阻止する。「正気なのか?!」隼は思わず声を荒らげ、渉爾を突き飛ばした。あの冷静沈着な隼の慌てように渉爾はやはり2人がただの関係ではないと気づく。「阿詩勒隼、ここは鷹師の幕営とは違う、お前の配下でもないなら奴隷をどうしようと勝手だろう? だがせっかくだ、腕比べをしないか?あいつが戦利品だ、3本勝負、お前が勝ったら連れていけ」「…はお」図魯克は長歌の頭に林檎を乗せた。幼い頃は共に技を競い合い、いつも戦利品の林檎をかけて腕比べした阿詩勒渉爾と阿詩勒隼、すると2人は見事に長歌の頭の林檎を射抜く。「昔はお前が負けた」「昔は昔、今回はどうかな?」「負けただけでなく、悪あがきしたな」あの時、可汗は腕比べに勝った隼に林檎を差し出した。しかし面白くない渉爾が横取りし、2人はつかみ合いの喧嘩になってしまう。最後の勝負になった。渉爾はわざとひと回り小さな林檎に替えて隼を牽制する。慎重に狙いを定める隼、すると渉爾が直前で目標を林檎ではなく長歌の頭に変えて矢を放った。驚いた隼は咄嗟に渉爾の矢を射て阻止したが、激高のあまり渉爾を殴ってしまう。阿詩勒隼は急いで長歌を解放した。「怖かっただろう?」長歌の額にはわずかに傷ができている。そこへ炻辛思力(シーシンスーリー)が現れ、可汗が隼を呼んでいると知らせた。すると渉爾は隼の最後の矢が外れたので、奴隷は引き渡せないという。「行って…私は平気よ、阿隼」「数日、耐えてくれ、必ず助ける」↓( ゚д゚)今、阿隼って言ったか?言ったか?長歌が奴隷の居所に戻ると弥弥が待っていた。弥弥は長歌の傷を見て驚き、鷹団から持って来た薬で手当を始める。その時、阿詩勒渉爾が居所に向かっていた。渉爾は弥弥の姿を見つけて笑顔になったが、長歌と仲睦まじい様子に憤慨、足を止める。一方、可汗は鷹団の被害が最小限であることを高く評価し、褒美を出すと決めた。そこで隼は褒美の代わりに庫里台大会への参加を認めて欲しいと願い出る。可汗は喜んで許したが、ただし焦って和を乱さないよう釘を刺した。こうしてこのまま牙張へ止まることが認められた隼、すると兵士が駆けつけ、羅義(ラギ)を捕縛したと報告する。「わははは~天狼神よ!ようやくワシに味方してくれた!これは天意だ!」涇(ケイ)州で反乱を起こした天偈(テンゲ)軍総帥・羅義は李世民に敗れ、数名の警護だけで草原へ逃げていた。唐の駅站(エキタン)や軍の配置を知り尽くしている羅義、可汗は羅義を阿詩勒部に投降させれば鬼に金棒だという。牙張を出た阿詩勒隼はふと可敦の天幕を見た。すると可敦の侍女・阿伊児(アーイアル)が隼の姿を見て嬉しそうに微笑んでいる。隼は挨拶もできず、ただ黙って長歌の居所へ向かった。長歌は狼団に見つかる前に弥弥を帰すことにした。しかし外で阿詩勒涉爾が待ち構えている。実は弥弥はかつて渉爾の奴隷だった。渉爾は初恋の相手である弥弥との再会を喜んだが、そこへ阿詩勒隼が現れる。「弥弥に何のようだ?鷹師の人間だぞ?」「何?!…阿詩勒隼の配下だと?!」「弥弥、戻れ」「はい」渉爾は思わず弥弥の腕をつかんで引き止め、自分に何か言うことはないかと迫る。そこで弥弥は友である長歌を殺さないでほしいと頼み、帰って行った。阿詩勒渉爾は長歌に殺しはしないが優遇もしないと言い放ち戻った。すると阿詩勒隼はしばらく様子を見に来られないが、庫里台大会が終われば迎えに来ると約束する。そんな隼の様子を物陰から阿伊児が見ていた。天幕に戻った阿詩勒渉爾は雷蒙(レイモン)を呼んだ。弥弥古麗のことを聞かれた雷蒙は漠北の出身の奴隷だと思い出し、当時は可汗が甥の気が散ると別の場所に移し、その後、可汗が鷹師に与えたという。「俺だけ知らなかったわけか…」翌日から長歌は重労働を科せられた。すると偶然、幕営に連行される罪人を見かけ、驚愕する。長歌は打ち損じた釘を拾うふりをしてこっそり隠し持ったが、その様子をまた阿伊児が見ていた。可汗は羅義が到着したと知り、すぐに面会した。しかし羅義は死んでも阿詩勒部に下るつもりはないと一蹴する。一方、阿詩勒渉爾は苦々しい表情で長歌を眺めていた。働く姿はまるでひ弱な女のよう、なぜ弥弥はあの男に惹かれたのだろうか。「雷叔、奴をこき使え、休ませるな」その夜、長歌は父と懇意だった羅義と接触するため、密かに天幕に向かった。するとなぜか見張りが倒れ、門が少し開いている。長歌は静かに中へ入り、将軍の独房の掃除に来たと言った。その時、梁に隠れていた刺客が現れ、長歌に襲いかかる。「十八!待て!…今、私を将軍と?お前は誰だ?!」「…10年前、東宮の花園で角弓を頂きました、私を″さすが虎の娘だ″とおっしゃった」羅義はすぐに永寧郡主だと分かった。長歌は詳しい話を後回しにして羅義を逃すことにした。しかし羅義は脚を折られており、鎖を解いても逃げられないという。「郡主が生きているなら希望はある…」羅義は阿詩勒部と共に長安に攻め入れば、郡主の名で太子派を集めて李世民を倒せると期待した。驚いた長歌は再起のために無垢の民を巻き込んではならないと反対する。「土は国に殉ず、どうかお考え直しを…」すると羅義は高笑いし、実は郡主の本音を探っただけだと暴露した。←いや聞こえるから( ̄▽ ̄;)永寧郡主は国を思い、唐を救うために捕虜になっていた。敬服した羅義は延利に屈することはないと安心させ、郡主の無事を願う。そこで長歌は十八にすぐ逃げるよう勧め、将軍を解放したら合流しようと言った。十八は主を見捨てて逃げることができず、黙ってひざまずく。「燕雲(エンウン)十八騎の生き残りはお前だけ、遠くへ逃げろと命じたのに助けに来るとは… 早く行け!」長歌は十八を逃し、羅義に傷薬を渡して天幕を出た。しかし運悪く警戒中の兵士に見つかってしまう。つづく
2022.03.06
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长歌行 The Long Ballad第21話「勇士の矢」渭水(イスイ)の両岸に集結した唐軍と阿詩勒(アシラ)軍。唐の皇帝・李世民(リセイミン)は″空城の計″で延利(イエンリー)可(カガン)を牽制しながら、戦を回避しようとしていた。「どうしても戦うのなら今夜、渭水から一歩も引かん! 退路を残しておきたければ、明日の正午、この橋の上で再度、機会を与えよう! 大唐と改めて友好を築くのだ!」李世民はそこで一旦、退いたが、阿詩勒軍は攻めて来なかった。魏淑玉(リシュクギョク)は皇帝が陣営に戻るとすぐ、李長歌(リチャングァ)に逃げられたと報告した。しかし李世民は生きていれば良いという。「残りたくないのなら誰にも止められぬ…」一方、阿詩勒軍の偵察のため北岸へ渡った長歌は再び阿詩勒隼(アシラシュン)に捕まった。隼は長歌を連れて急いで自分の天幕に戻り、出征は本意ではないと釈明する。そこへ運悪く可汗と小可汗・阿詩勒渉爾(アシラシャアル)がやって来た。長歌は物陰に身を潜め、可汗の話に耳をそばだてた。すると可汗は唐と盟約を結ぶことに同意したが、それは表向きだという。「お前たちは最も弓に長ける精鋭を出せ、北岸に射手を潜伏させ、杯を交わす際、射殺する」どうやら李世民の作戦が功を奏し、可汗は今回の南征で唐軍を破るのは無理だと判断していた。しかしせめて一矢報いようと李世民を殺すという。長歌は戦に反対と言いながら可汗に加担する阿詩勒隼を非難した。しかし隼は自分が行かなくても誰かが暗殺を決行するという。「私は出て行く!」「どこにも行かせないぞ!…誰か!」隼は長歌を拘束し、天幕から出さないよう命じた。その頃、長歌にまた絶縁された淑玉はひとり物思いにふけっていた。…長歌、君は執着し過ぎる、なぜ分からないんだ ←いやお前もなw( ̄▽ ̄;)…まあ良い、夜が明ければ盟約だ、君が去った後で良かった淑玉は明日、生き延びることができたら今度こそ李楽嫣(リラクエン)を探し出すと誓った。一方、隊伍と一緒に南下していた楽嫣は物乞いの少年と打ち解けていた。少年は乱暴で生意気だったが、実は両親を知らず、名前さえないという。物心ついた時から辺境でひとりだったが、物乞いの仲間たちと楽しく暮らしていたと強がった。「俺は上から5番目、子分だっていた!」しかし仲間たちは飢えや寒さで病になったり、盗みがばれて殺されたり、気がつけば皆、死んでしまったという。そこで楽嫣は少年を小五(ショウゴ)と呼ぶことにした。楽嫣と小五は隊伍から少し離れて暖をとった。そこへ楽嫣の焼餅(シャオピン)を盗んで小五に頭を殴られた男が現れ、2人を襲撃する。楽嫣は咄嗟に小五をかばい、棒で打たれた。驚いた小五は土下座し、姉を許してほしいと懇願する。男はさらに小五を何度か棒で殴りつけたが、やがて気が済んだのか戻って行った。その夜、本当の姉弟のように肩を寄せ合い眠った楽嫣と小五、すると翌朝、目を覚ましてみると隊伍がいない。「小五、早く起きて、皆を追いかけなくては…」しかし小五は高熱を出して動けなかった。渭水では唐軍と阿詩勒軍が見守る中、李世民と可汗は橋のちょうど中間に設けられた席に着席した。北岸の草むらから李世民を狙う狼団の弓兵たち、その中に狼団に成り済ました長歌が紛れ込んでいる。一方、阿詩勒隼たちは別の場所から李世民を狙っていた。すると蘇伊舎(スーイーシャー)が駆けつけ、軍師がまた消えたと報告する。驚いた隼は弓を降ろし、恐らく長歌は現場に来ていると踏んで探しに向かった。李世民はまず人質だった炻辛思力(シーシンスーリー)を引き渡した。すると可汗は皇帝の度量の広さに敬服し、杯を交わすことにする。一斉に弓を引く狼団と鷹団の弓兵、その時、長歌が先走って矢を放ち、李世民の杯を吹き飛ばした。唐軍は阿詩勒軍より早く飛び出し、皇帝を救出して可汗と炻辛思力を包囲した。思いがけず窮地に追い込まれた可汗は動揺を隠せず、何者かが自分を陥れようとしたと苦しい言い訳に終始する。「今回は大目に見てもらいたい、真相を調べて必ずや説明しよう!」そこで軍営を北上させるよう伝令し、誠意を見せた。炻辛思力は対岸で待つ阿詩勒軍へ戻り、直ちに軍を撤退させた。しかし帰路で細苾咄(シビド)が軍を止め、撤退したと見せかけて襲撃すれば大勝利できると訴える。兵士たちも確かにその通りだとにわかに騒がしくなった。阿詩勒渉爾は反対しようとしたが、咄嗟に雷蒙(レイモン)が止める。「可汗が死んだから何です?あなたの責任ではない、阿詩勒隼も静観しています…」すると細苾咄は邪魔をする炻辛思力を捕らえるよう命じ、渭水に戻ると声を上げた。その時、隼が放った弓矢が細苾咄を射抜く。「鷹師よ!可汗は撤退を命じた!刃向かうものはその場で殺せ!」( ๑≧ꇴ≦)またSunに持っていかれてしまうシャRw阿詩勒軍は約束通り90里、後退した。李世民は見事な絶技で自分の杯を射た者の正体が気になり、斥候に阿詩勒軍を探るよう命じる。「唐を思う勇士ならば必ず助け出さねばならぬ…」一方、長歌は李世民暗殺を仕損じたとして可汗の前に引っ立てられた。阿詩勒渉爾は思わず長歌を引っ叩き、狼団の兵士ではないと訴える。しかし長歌は無名の兵まで知っているのかと反論した。「大可汗!李世民は家族の敵、奴が突然、杯を上げなければ復讐を遂げていました もう一度、私に機会を下さい!」焦った渉爾は全て虚言だと否定、自分を陥れる罠だと阿詩勒隼を睨みつける。するとそこへ炻辛思力が駆けつけ、取り急ぎ帰路での一件を可汗に耳打ちした。可汗は造反した細苾咄を処刑した阿詩勒隼を褒め、望みを聞いた。そこで隼は長歌を助けるよう進言、尽力した兵士を殺しては軍の士気が下がるという。「忠誠に免じて命を助けてやれば、各部の勇士らも心に刻むはず 今後も阿詩勒部のために勇敢に戦うでしょう」可汗は大局を重んじる隼を称え、渉爾を役立たずだと罵って追い返した。「さっさと配下を連れて帰れ!しばらく姿を見せるな!」楽嫣は風邪をこじらせた小五を腕に抱いて目が覚めるのを待った。すると楽嫣の歌声に気づいたのか、小五の意識がようやく戻る。小五は楽嫣が自分のために隊伍とはぐれてしまったと気づき、ほとほとお人好しだと呆れた。「これじゃ洛陽(ラクヨウ)どころか、数里も行かずに狼に食われるぞ?」しかし楽嫣は小五と2人で生き抜くと誓った。阿詩勒隼は鷹団へ戻り、李軍師が狼団を騙って連行されたと教えた。驚いた亜羅(ヤールォ)はすぐ助けに行こうと言ったが、努爾(ヌアル)が止める。李軍師と鷹団の関係が明らかになれば救うどころか、かえって李軍師の苦心が無駄になるからだ。「でも狼師も領土へ帰る、小可汗が軍師を放っておくはずない!」「俺が助ける!…むざむざ死なせるものか」「助ける?誰のことだ?」その声は阿詩勒渉爾だった。珍しく阿詩勒隼が動揺する姿を見た阿詩勒渉爾は、やはりあの兵士が鷹師の回し者だと確信する。「お前と関係があるんだな、認めずともあいつの口を割る方法はある」「シャアル…許さぬ」「楽しみにしていろ」李世民は長安に戻っても自分の杯を射た弓矢のことが頭から離れなかった。何者が放った矢なのか、果たして自分を救うためだったのか、ただ仕損じただけなのか。すると魏徴(ギチョウ)は息子の淑玉から永寧郡主が談判の前夜に阿詩勒部へ行ったと聞きたという。つづく( ̄▽ ̄;)ってかもうさ、チャンガを捕まえるなってw
2022.03.06
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上阳赋 The Rebel Princess第52話「守るべき者」皇后・謝宛如(シャエンジョ)は皇帝・馬子隆(バシリュウ)から殉葬を賜った。驚いた王儇(オウケン)は慌てて昭陽殿に駆けつけたが、すでに支度を済ませた宛如が小皇子・馬静(バセイ)を抱いている。宛如は息子を阿嫵(アーウォ)に託し、殉葬は馬静を守るためだと説明した。「今までごめんなさい…私の代わりに静児を守り、朝廷から遠ざけて欲しい 平凡でいいの、健康で生きてさえいてくれたら…」「嫌よ、約束できない」「因果応報だわ…自分に返って来た、でも静児を守ってくれるのがまさかあなただなんて…」「だめよ、母親がそばで見守ってあけなくては…」すると皇太后の命を受けた桂(ケイ)嬷嬷(モーモー)が声をかけた。「皇后、お時間です…太后が報告をお待ちです」侍従はすでに毒酒、匕首(ヒシュ)、白綾を準備して控えている。覚悟を決めた宛如はその場でひざまずき、皇子を託せるのは阿嫵だけだと訴え、拝礼した。「今日からあなたが静児の母親よ!ゥッ…」「約束するわ、今日からこの王儇が静児の母となります、決して不幸にはしません」「静児が恩返しをするわ…早く連れて行って、私の最期を見せたくない」「宛如姐姐…」「来世も姉妹同然の幼なじみになりましょう…」王儇が皇子を抱いて昭陽殿を出ると、外はすでに日も暮れ、雨だった。すると雷鳴に驚いた皇子が泣き始めてしまう。徐(ジョ)女官は皇子をなだめたが、その時、おくるみの中から皇后の令牌を見つけた。王儇は小皇子を抱いて式乾殿に戻った。大臣や妃嬪たちは殿前でひざまずき、静かに皇帝を見送っている。殿内では精魂尽き果てた皇太后が書斎で居眠りしていた。王儇は皇太后を起こさないようそっと寝所へ入り、風前の灯となった子隆に息子を会わせる。「子隆哥哥、静児を連れて来ました…抱いてあげて」静児を皇帝の腕の中に寝かせる王儇、すると子隆は皇子の行く末を案じながら悲しみに暮れた。「阿嫵…すまない、昔から申し訳ないと思っていたが、今はさらに…豫章王にも申し訳ない」「誰の仕業なの?」「…阿嫵…余の過ちだ…実は…権力への欲望に目がくらみ、悪事を働いた…」すると子隆は帝位の恐ろしさを思い出して急に胸騒ぎを覚えた。実は皇位を静児に継承させるよう言い残したが、まるで我が子を火の中に放り入れたも同然ではないだろうか。「この宮殿では母上すらも信用できぬ…信用できるのは阿嫵、お前だけだ、お前を信じる」その時、皇帝の声に気づいた皇太后がふと目を覚ました。<隆児!…隆児?!…母ならここにいますよ!子隆は母の足音に気づき、最期の力を振り絞って訴えた。「早く行け…静児を連れて逃げろ…できるだけ遠くへ行くのだ…急げっ…」皇太后は阿嫵が寝所に来ていたとも知らず、息子の枕元に駆けつけた。すると子隆は夢を見ていたと話し、急に身体を起こす。皇太后は息子を腕に抱くと、子隆は母の腕の中で短い人生を振り返りながら、息を引き取った。「はっ!隆児…隆児ぁぁぁぁぁ!」一方、脇殿から抜け出した王儇は鳳池(ホウチ)宮へ戻らず、そのまま馬車に乗り込んで永華門に向かった。蘇錦児(ソキンジ)は窓を開けて皇后の令牌を差し出すと、警戒中の将軍が中を確認する。奇しくもこの緊迫した状況で再び相見えた王儇と魏(ギ)将軍、すると将軍は黙って窓を閉めた。その時、皇帝の崩御を知らせる鐘が鳴り響く。衛兵たちは宮殿に向かって一斉にひざまずくと、王儇はその隙に馬車を走らせた。激しい雷雨の中、誰かの馬車が疾走する王儇たちの馬車の行く手を阻んだ。もしや自分たちの不在に気づいた皇太后が追っ手を差し向けたのだろうか。しかしそれは護衛・龐癸(ホウキ)の隊伍だった。「龐癸です!王妃、本日の午後、情報が入って来ました 皇帝の窮地を知って調査したところ、寧朔(ネイサク)軍の兵は帰京しておらぬ上、 皇帝の刺客事件に大王が関与しているようです」王府の危険を察知した龐癸は独断で屋敷を整理、使用人を解雇して護衛は姿を隠したという。「よくやったわ…すぐ皇都を出ましょう」皇帝の崩御に打ちひしがれる皇太后、そこへ丞相・温宗慎(オンシュウシン)がやって来た。実は禁衛軍のわずかな生き残りが帰京し、方大勇(ホウダイユウ)が軍を率いて寧朔軍を山谷で包囲したが、相打ち死したと報告したという。「つまり豫章王も死んだと?」「はい、近くの村から情報を受けて駆けつけると、方大勇と豫章王の亡骸があったそうです」皇太后は豫章王の死を知り歓喜したが、それだけでは到底、怒りが収まらなかった。「誰か!豫章王妃を捕らえ、関係のある者は全員、投獄しなさい!」すると桂嬷嬷が駆けつけ、王妃が小皇子を連れて宮殿を脱出したと報告する。逆上した皇太后はすぐ皇子を取り戻せと命じたが、そのまま卒倒した。皇太后の意識は戻ったものの、脳の病は悪化していた。太医の見立てではこれから度々、意識が混乱すると思われ、根治は難しいという。わずか1日の間に皇帝の崩御、皇后の殉葬、そして皇子が失踪し、皇太后が病に倒れた。まるで天がこの国を滅ぼそうとしているかのよう、温宗慎はついに覚悟を決めて皇太后を見舞った。皇太后は温宗慎の姿を見つけると、重い身体を起こした。この大局を安定させることができるのは温宗慎だけ、皇太后はかつての想い人に熱い信頼を寄せる。しかし温宗慎は国のために直ちに君主を立てるべきだと上奏した。大成の士族は王・謝・顧・温、温氏も王氏とまではいかなくても由緒正しき家柄だという。その意味を察した皇太后は再び興奮し、帝位を継ぐのは静児だけだと反発した。「しかし太后、皇位が空けば国は不利になります!士族も同意せぬでしょう」「…私は人を見誤った、温宗慎、出て行って!」皇太后は金全(キンゼン)を呼ぶよう命じた。そこで侍女・朝雲(チョウウン)は監禁している金全の元へ急ぐ。「密令よ、太后のために重要な仕事を…」つづく( ๑≧ꇴ≦)いよいよシーズン3へ!それにしてもパンダ、仕事早すぎw
2022.03.04
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上阳赋 The Rebel Princess第51話「遺言」王儇(オウケン)の告発で一度は鄭(テイ)乳母を怪しんだ謝宛如(シャエンジョ)。しかし自分の誤解だったと気づき、あろうことか皇后の侍女を辱めた王儇に怒りを募らせた。王儇は昨日の今日だというのに昭陽殿へ呼ばれた。宛如の話では小皇子・馬静(バセイ)のそばで過ごしたが、鄭乳母がいなくても泣き通しだったという。「あなたは罪のない人を中傷したのよ?!…何を企んでいるの?!」王儇は自分の顔を見ようとしない鄭乳母の様子をいぶかしみ、皇子に会わせて欲しいと頼んだ。皇子は確かにまた泣いていた。そこで王儇は皇子の身体を調べてみたが、結局、何も見つけることができない。宛如は鄭乳母に謝れと迫ったが、なぜか鄭乳母は王妃も小皇子を心配してのことだとかばった。「愚かね…」乳母の悪事にも気づかない宛如に王儇は思わず捨て台詞を残して帰ってしまう。しかし宛如は王儇の負け惜しみだと思っていた。鄭乳母は寝不足の皇后を寝殿で休ませ、皇子を連れて側殿に戻った。そこでもう1人の乳母と一緒に皇子を沐浴させ、急いで着替えさせることにする。自分を信じて厚遇してくれる皇后には後ろめたいが、乳母たちは恩のある主を裏切ることができなかった。王儇が昭陽殿を出ると永安宮の侍女が迎えにやって来た。仕方なく皇太后へ挨拶に向かうことにしたが、その時、王儇は何気なく見た自分の手が真っ赤になっていると気づく。「王妃?!紅斑が…」「はっ!…昭陽殿に戻るわよ」鄭乳母は皇子が着ていた衣をすぐ処分するよう頼んだ。すると突然、豫章王妃が乗り込んでくる。王妃の姿に動揺した乳母はうっかり皇子の衣を落とし、慌てて拾って小脇に挟んだ。王儇は何を隠したのか迫ったが、乳母は何でもないと取り繕う。そこで徐(ジョ)女官が皇子の衣を奪い取ると、ちょうど騒ぎに気づいた宛如がやって来た。「王儇!大概にしなさい!」「王妃、これです!」徐女官が皇子の衣のからくりに気づいた。皇子が泣き止まない原因は衣に仕込まれた桃の皮だった。王儇は赤くなった自分の手を見せ、桃の皮に触れると自分もこうなると教える。いよいよ逃げられなくなった鄭乳母はその場でへたり込むように平伏した。すると王儇は自分を信じなくても構わないと言い放ち、引き上げる。宛如は信じていた鄭乳母の裏切りに激高、黒幕の名を白状するまで鞭を打てと命じた。まさかその頃、瀕死の状態で帰途についた皇帝・馬子隆(バシリュウ)が宮殿に入ったとも知らずに…。王儇は皇太后を訪ねた。すると待たされたせいなのか皇太后は機嫌が悪く、鳳池(ホウチ)宮で禁足を命じる。その時、侍従が息急き切って駆けつけた。「太后!陛下が狩り場で刺客に遭い、帰京されました!」皇帝はすでに式乾(シキケン)殿に入ったが、太医からすぐ来ないと最期に立ち会えないと知らせが来たという。一方、胡瑤(コヨウ)は意識を失った大王を馬に乗せ、道なき道を進んでいた。皇帝危篤の知らせが宮中を駆け巡った。皇太后はわが子の変わり果てた姿に驚愕、もはや助かる見込みはないと知る。すると丞相・温宗慎(オンシュウシン)は一緒にいた豫章王が行方不明だと報告、禁衛軍が今も狩り場で調査中だという。悲しみに暮れる皇太后、しかし太医は一刻も早く遺言を聞いて欲しいと嘆願した。出遅れた宛如は皇帝の寝所に入れてもらえず取り乱していた。そこで王儇が寄り添い、自分がそばにいるとなだめる。やがて豫章王の居場所を探していた徐女官が戻って来た。しかし豫章王の所在を知る者がおらず、寧朔(ネイサク)軍の兵士も誰ひとり帰京していないという。報告を聞いた王儇は胸騒ぎがした。…先帝が崩御した日の宮中の乱は記憶に新しい…突然、皇帝が刺客に遭い、蕭綦(ショウキ)の行方が知れない今、大きな嵐の予感がする…蕭綦、今まで負けを知らなかったあなたが危険な目に遭っている…どうすればいいの?蕭綦、どこにいるの?子隆は死の淵をさまよいながら遺詔を残し、宛如を呼んだ。ようやく寝所に通された宛如、すると青ざめた顔の子隆が寝台に横になっている。「陛下?何があったのですか、陛下…陛下?私はここです…ウッ…」すると皇太后が中書・顧閔汶(コビンムン)に遺詔を読むよう命じた。「″皇長子・馬静を太子に冊封し、余の死後は太子が帝位を継承するものとする″…」「何をおっしゃるのです、陛下、まだ逝かれてはなりません!陛下…」「″なお皇后謝氏は殉葬を賜る、余と皇帝陵に入れよ″」悲しみに暮れていた宛如は″殉葬″と聞いて急に我に返った。すると宛如は思わず顧閔汶から遺詔を奪い取り、投げ捨ててしまう。恐らく皇太后の差し金だろう。憤懣やるかたない宛如だったが、子隆は消えいるような声で宛如にささやいた。「余は…もう…疲れた…そなたは大成初の謝氏の皇后… 余の死後…そなたと静児を守ってくれる者がおらぬ…安心して目をつぶれぬのだ… 宛如よ…そなたは…余を慕っておるか?」「はい…」「ならば一緒に…逝こう…それが…静児を守る最善の方法なのだ…」皇太后は桂(ケイ)嬷嬷(モーモー)に皇后を昭陽殿に送るよう命じた。子隆から無理やり引き離される宛如、しかしどんなに泣き叫んでも、今や皇帝に自分をかばう力は残っていない。一方、王儇は何も知らず、殿前で静かに待っていた。すると桂嬷嬷がやって来る。「豫章王妃…皇后殿下がお呼びです」「中にいるはずでは?」「昭陽殿に戻られました」「どうして?」実は皇帝が遺言を残し、皇后の殉葬を命じていた。( ゚д゚)<殉葬…つづく
2022.03.03
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琉璃(琉璃美人煞) Love And Redemption第41話青木(セイボク)鎮の夜、小銀花(ショウギンカ)は壊れた金赤鳥のかんざしを拾い、禹司鳳(ウシフォン)に届けた。「落ちていたわ、褚璇璣(チョセンヂー)はあなたと決別するつもりよ!」まさか昊辰(コウシン)の罠だとも知らず、司鳳は震える手で母の形見のかんざしを握りしめる。その時、紫狐(シコ)の叫び声が聞こえた。「火事よ!火事よ!」司鳳たちが中庭へ駆けつけると、山荘はあっという間に火に巻かれた。ともかくすぐ避難することにしたが、結界が張られて逃げ出すことができない。この青い炎は戦神しか使えない九天玄火、小銀花は璇璣の仕業だと激怒した。しかし司鳳は璇璣ではないと否定、結界を破るため翼を広げて飛び上がる。その様子を昊辰が高台から眺めていた。すると突然、司命(シメイ)が現れる。「帝君、大変です!正常だった戦神の命柱が邪気を帯びています!ゼェゼェ…」「やはりな…」璇璣がこのまま情に捕らわれ魔を払えなければ、戦神は間違いなく魔道に堕ちるだろう。どうやらこの一手を打ったのは正しかったようだ。昊辰が火を放ったところで十二羽金赤鳥は殺せないが、2人の仲を裂くことはできる。「本来は覚醒などさせずに今世の修行を無事に終えさせ、新しい記憶と共に天界に戻らせたかった 仕方がない、このまま戦神として妖魔を討伐させ、功徳を積ませよう」翌朝、山荘は全焼したが司鳳たちは無事だった。司鳳は九天玄火で腕に火傷を負っていたが、姿を消した璇璣を心配して少陽山へ行くという。「まだ璇璣の答えを聞いていない、知りたいんだ…警戒が厳しいから独りで行くよ」柳意歓(リュウイカン)たちは先に手当てをするよう止めたが、司鳳は亭奴(テイド)がくれた薬だけ持って出かけてしまう。実はその頃、璇璣は司鳳との密会を知った父から激しく叱責されていた。璇璣は司鳳なら無関係で、母を殺した下手人を探してくれていると訴えたが、激高した父に引っ叩かれてしまう。しかし璇璣はかえって反発した。「戦神だからって何?!私にも感情はあるし、自分で判断できる! 妖魔を殺すだけの道具になりたくない!」褚磊(チョライ)はもはや自分の手に追えなくなったと失望し、盟主となった娘が妖魔と通じている責任をとって自分の命で償うという。追い詰められた璇璣は涙をのんで司鳳との決別を宣言、もし約束を違えれば父が横死して屍も残らないと誓いを立てた。そのやりとりをちょうど少陽山に駆けつけた司鳳が立ち聞きしてしまう。…君がかんざしを残して去ったのは決別のためだったのか…「誰だ?!」司鳳は慌てて裏山まで逃げた。壊れたかんざしを握りしめ情人呪の発作に耐える司鳳、その時、怪しい人影を見つける。司鳳は咄嗟に後を追いかけてみると、賊は秘境で燭龍(ショクリュウ)を煽っていた。「はっ!若玉(ジャクギョク)?!…崖から落ちたのでは?」盟友との再会を喜んだのも束の間、司鳳は若玉こそ元朗(ゲンロウ)の手下だったと気づく。すると若玉は開き直り、燭龍の始末を司鳳に手伝わせようと思いついた。そこで燭龍を刺激して誘き出し、司鳳が応戦している隙に堂主からもらった法器を出す。…この銅銭は忘川河の霊気を吸った法器だ、霊を滅す…お前が少陽の琉璃盞(ルリサン)を入手できたら妹に会わせてやろう若玉は燭龍に法器を放ち、司鳳に燭龍の相手を任せて湖に入ろうとした。しかし司鳳が燭龍を阻止しながら若玉を引き止める。「琉璃盞に触れるな!…若玉、魔煞(マサツ)星の復活は天下を乱す!」「天下?…私は平穏に生きたいだけ!天下など知ったことか!」すると秘境石の異変に気づいて長老たちがやって来た。若玉は仕方なく退散したが、司鳳は再び燭龍に襲われ、逃げる機会を失ってしまう。(´゚ω゚):;*.’:;.,.ブハッ!①司鳳は若玉が放った法器に術をかけ、燭龍を滅した。しかし運悪くちょうどそこへ璇璣たちが駆けつける。昊辰は桟橋に落ちている法器を発見、司鳳が琉璃盞を盗むために侵入したと決めつけた。すると司鳳は璇璣を見つめながら、悲しそうな笑みを浮かべる。「黙って去ったのが君の答えだったのか…私はばかだな」司鳳はここで若玉を見つけ、企みを阻もうとして罠に落ちたと説明した。実は若玉が元朗の手下だったという。若玉と生死を共にした鐘敏言(ショウビンゲン)は呆然、もはや何を信じたら良いのかわからず混乱した。そこで璇璣は苦肉の策として、十二羽金赤鳥を捕まえれば何かの取り引きに使えると提案する。褚磊はまだ娘が司鳳を庇っていると憤慨したが、師兄の恒陽(コウヨウ)が一理あると納得した。「深手を負っているゆえ明霞洞に幽閉すればよい、他派が到着したら処遇を決めよう」秘境を守っていた燭龍が消散、結界も消失した。そこで恒陽は守境者を全員招集し、旭陽(キョクヨウ)峰に残る祖師伝来の秘術で再び燭龍の霊を招喚すると決める。一方、青木鎮では小銀花が司鳳と感応できず、心配していた。しかし紫狐は腕の立つ司鳳より、霊匙(レイシ)を手に入れた元朗が愛しい無支祁(ブシキ)を利用しやしないかと焦る。「離沢(リタク)宮に行って来る…戦う気はないわ、霊匙を盗み出すの」「そうか!確かに霊匙を奪ってしまえば宮主はお手上げだな!」そこで柳意歓は離沢宮に通じる抜け道の地図を描き、亭奴は霊獣の当康(トウコウ)を貸した。少陽山に浮玉(フギョク)島と点睛(テンセイ)谷が到着した。東方(トウホウ)島主と容(ヨウ)谷主は少陽の琉璃盞が狙われたと知り、天虚(テンキョ)堂が定海鉄索(テイカイテッサク)を解いて神器・均天策海(キンテンサクカイ)を入手するつもりだと警戒する。しかし昊辰は魔域に近づくのはそう容易なことではないと言った。魔域と言えばかつて修羅族が支配したという世界、入れるのは毎月15日の焚如城が開門する日だけ、まだ時間はある。すると東方島主と容谷主は司鳳と引き換えに霊匙を取り戻すよう提案した。褚磊は妻の敵をみすみす手放したくなかったが、掌門たちの説得に応じ、大弟子・敏行(ビンコウ)を離沢宮に行かせると決める。そこで楚影紅(ソエイコウ)は天虚堂に詳しい鐘敏言を同行させるよう勧めた。璇璣は金赤鳥のかんざしがないことに気づき、部屋中を探したが見つからなかった。恐らく司鳳は自分に会うため少陽へ潜入し、巻き込まれたに違いない。璇璣はともかく明霞洞へ行くことにしたが、回廊で褚玲瓏(チョレイロウ)に見咎められてしまう。そこで代わりに騰蛇(トウダ)神君に差し入れを持たせて使いを頼んだが、司鳳は受け取らなかった。元朗は離沢宮と天虚堂を一体化すると決め、妖族の再興を掲げた。すると門衛が少陽の使者が届けに来たという書状を持って来る。元朗は司鳳が捕われたと知ったが歯牙にもかけず、使者の首を少陽に送れと命じた。「禹司鳳の処遇は好きにせよと伝えよ!」鐘敏言と敏行は門外で返答を待っていた。しかし突然、弟子たちに囲まれ、襲われてしまう。そこへ偶然にも紫狐が現れ、妖術で2人を助け出した。紫狐は少陽派が危険を顧みず璇璣に会いに行った司鳳を捕らえ、取り引きに使ったと知って呆れた。しかし鐘敏言は司鳳が秘境の燭龍を消滅させたからだと教える。「自分の目で見たの?以前も私を疑ったわね?」「何を信じたらいいのか分からない…でも司鳳のことは守りたい 離沢宮が同意してくれれば、ひとまず霊匙も司鳳も安泰だろう?」浅はかなのか能天気なのか、紫狐は元朗が司鳳を仲間だと思って安否を気にするとでも思ったのかという。「元朗に霊匙を握られ打つ手がないのでしょう?…少し手伝ってよ」実は紫狐は独りで離沢宮に入ることができなかった。離沢宮に入る秘密の通路は苦水(クスイ)牢を抜ける必要があった。しかし人間には無害でも妖魔には危険な水、一滴も濡れるわけにいかないという。鐘敏言は仕方なく紫狐を背負い、今はもう偏見などないと安心させた。離沢宮に入った紫狐と鐘敏言たちは別々に霊匙を探し始めた。すると敏言たちは偶然、元朗と星宿長老の話を聞いてしまう。実は魔煞星の心魂と元神を現す羅睺(ラゴウ)星と計都(ケイト)星がまもなく1つになるというのだ。その時、元朗が気配に気づく。敏言と敏行は咄嗟に逃げ出したが、回廊で弟子たちから挟み撃ちにされた。|ω・`)<バカね…当康、あの2人を逃して!鐘敏言と敏行は当康の妖術で外へ脱出した。どうやら紫狐の指示で助けてくれたらしい。当康はすぐ離沢宮に戻ったが、敏言たちは潜入をあきらめて少陽へ戻った。鐘敏言は宮主が司鳳を見捨てたことから、やはり司鳳は無関係ではないかとかばった。しかし昊辰はあり得ないと一蹴、すると敏行がそれより天で間もなく魔煞星が出現すると報告する。すると血相を変えた楚影紅が入ってきた。実は秘境で燭龍を招喚していたところ、琉璃盞の炎が激しくなって恒陽が内傷を負ったという。昊辰はこの機に乗じ、戦神の手で十二羽金赤鳥を殺し、妖丹を奪ってはどうかと提案した。そこで褚磊は璇璣に盟主としての責任を果たさせるため、司鳳を閉じ込める鎖妖(サヨウ)陣に自ら入ると決める。「さすれば璇璣も躊躇できぬだろう、皆は陣眼の守備を頼む」鐘敏言は密かに璇璣に知らせた。司鳳が取り引きに使えないと分かり、見せしめに明日、璇璣の手で殺させると決まったという。璇璣は説得が無理だと知り、ともかく司鳳を救出すると決めた。「私も行く!」「でも六師兄…」「司鳳は生死を共にした仲間、このまま見過ごせない!」つづく(  ̄꒳ ̄)「毎月15日の焚如城が開門する日だけ」って何だかどこかのセールみたいw
2022.03.01
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