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玉昭令 No Boundary Season 1第29話温孤(オンコ)が端木(タンボク)営を訪ねると、ちょうど端木翠(ダンムーツェイ)が悪夢にうなされていた。苦しそうな将軍を見た温孤は術を使って起こそうとしたが、運悪く阿弥(アビ)に見られてしまう。「何をしている?!」阿弥は温孤が将軍に危害を加えていると誤解、いきなり襲いかかった。すると打たれたせいで温孤の首筋に一瞬、幽族の原型が浮き出てしまう。「(はっ!)大胆不敵な幽族め!」「誤解しないくれ、私は将軍を目覚めさせようとしただけだ!」温孤は仕方なく殺したければ殺してくれと開きなおったが、その時、端木翠が目を覚まして阿弥を止めた。「人族であれ幽族であれ、彼は私に悪意を抱いていない…」温孤は母が人族だった。そのため幽族の地では半妖と蔑まれ、人族の地では正体を隠さねばならなかったという。すると温孤は種族で差別されなかったのは初めてだと感謝し、端木翠のために処方を書いた。「これで安眠できるようになります…将軍、ご安心を、もう2度と近づきません」一方、展顔(ヂャンイェン)は幽族の捕虜となった虞都(グト)を救出、端木営に入隊したいと頼んだ。「将軍と面識が?」「あると言えばある…実は女傑と名高い端木将軍に憧れているんだ」しかし端木営は男を採用しないため、虞都は兵士を募集している楊鑑(ヨウカン)将軍に推薦するという。「必ず応募しろよ!じゃあこれで!」崇城(スウジョウ)では人族の温夫人が熱心に怪我をした小動物を助けていた。しかし幽王はせっかく元気になった兎を無惨にも放り出してしまう。幽王は温夫人が自分たちの息子・太敖(タイゴウ)を勝手に王宮から出したことが未だ許せずにいた。すると温夫人はこのまま王宮にいれば息子が幽王のようになってしまうという。「私が医者として唯一の後悔はあなたを救ってしまったことよ!」幽王は自分に反抗してばかりの夫人に憤ったが、いずれ幽族が人族を統治すれば分かる日が来ると言った。息子を手放してから孤独な日々を送る温夫人、そんな夫人のそばにはいつも紅鸞(コウラン)がいてくれた。紅鸞は夫人が王宮から出したからこそ太敖は善良のままでいられると安心させる。しかし温夫人は特殊な身分の息子が心配だと漏らした。そこで紅鸞は自分が太敖の安否を確認して来るという。虞都が捕虜となり、觳閶(コクショウ)は機密が漏れていると気づいた。そこで端木翠と高伯蹇(コウハクケン)だけを呼び、今後の協議は副将抜きで行うと伝える。将軍たちの話が気になる成乞(セイキツ)はわざと銅貨を落とし、拾うふりをしながら天幕に近づいた。すると偶然、通りかかった温孤が落ちている銅貨を拾ってしまう。落とし主を探して見回す温孤、すると視線の先に成乞の姿があった。「大人(ダーレン)、これはあなたの銅貨では?」「知るか!失せろ!」「…銅貨から幽族の匂いがする、何かやましいことでも?」成乞は何か勘付かれたと動揺して温孤に剣を突きつけたが、騒ぎに気づいた端木翠たちが出てきてしまう。高伯蹇はまた面倒を起こした成乞を一喝、陣営に引き上げることにした。すると端木翠は温孤の身を心配し、咄嗟に先日の薬が良く効いたので1日おきに届けて欲しいと頼む。「もし来なければ私が高伯営を訪ねよう」成乞は兵営で温孤に手を出せなくなった。そこで温孤に安邑城の外を巡回するよう命じ、幽族に口封じを頼む。一方、紅鸞は太敖を探して安邑城の近くまでやって来た。そこで偶然、刺客に襲われる人族の兵士を見かける。「太敖?!」紅鸞は深傷を負った兵士が太敖だと気づき、桃花の術で助け出した。しかし刺客に追いつかれ、包囲されてしまう。その時、人族の兵営を目指していた展顔が通りかかり、巨闕(キョケツ)で助太刀した。「(はっ!)君たちだったか?」「どこかでお会いしましたか?」「かもな…」展顔は桃花の術で刺客を囲い込むよう助言、紅鸞は見事に刺客を退けた。その頃、上機嫌の成乞はまた端木営に嫌がらせにやって来た。「いっそのこと皆で高伯営の男に嫁いだらどうだ~」しかしその時、虞都が元気な姿で戻って来る。「私なら生きているぞ?」端木営の姉たちに囲まれ嬉しそうな虞都、その様子を成乞は呆然と見ていた。「まさか…なぜ?!」「もしや私に死んで欲しかったのか?あいにくだがこの通り無事だ」すると驚いた成乞は逃げるように帰ってしまう。やがて騒がしい声に気づいた端木翠が外へ出て来た。そこには生還した虞都の姿ある。(  ̄꒳ ̄)<将軍!( ;∀;)<…よくぞ戻った!紅鸞はひとまず人里離れた衣羅(イラ)の家に避難することにした。戦乱で両親を亡くした衣羅は天涯孤独となったが、かつて賊から助けてもらった縁で紅鸞を姉のように慕っている。衣羅は紅鸞がついに想い人を見つけたと喜んだが、紅鸞はでたらめだと否定し、薬の準備を頼んだ。しかし展顔はなぜ好きなのに認めないのかと首を傾げる。「釣り合わないから見守るだけでいいの、彼が幸せなら十分よ」「目の前の機会をつかまなければ一生、すれ違いで終わるのに?」「どうして分かるの?」「…そんな気がした」すると紅鸞はなぜ桃花の術を知っていたのか聞いた。展顔は古書で読んだことがあるとごまかし、2人に会えて良かったと告げる。「2人の幸せを願っている」虞都は端木翠に展顔という腕利きの男が助けてくれたと教えた。しかしどうやら人族の陣営に内通者がいるという。端木翠は虞都の馬が急に動かなくなったと聞き、真っ先に成乞を疑った。「馬の管理は高伯営の仕事、あの時、成乞自ら馬を届けに来るなんて変だと思った」温孤が目を覚ました。喜んだ紅鸞はかつて太敖が助けてくれた桃の花だと伝える。「修練を積んで人の形を手に入れたのか…」「あなたのおかげでです」「そんなことはない、お前の努力の賜物だ…私はもう太敖ではない、温孤と名乗っている」温孤の″温″は母の姓で、孤独の″孤″は誰にも頼らず生きるという戒めだという。そこへ展顔がやって来た。温孤は自分たちを助けてくれた恩人だと知り、心から感謝する。すると展顔が虞都の推薦で入隊するつもりだと聞き、一緒に兵営まで行こうと誘った。紅鸞は自分も一緒に行くと言ったが、温孤は正体がばれたら危険だと訴え、かえって自分の負担になるという。仕方なく紅鸞はあきらめ、何かの時は会いに来て欲しいと頼んだ。一方、安邑城では幽族太子が報告を聞いて激怒していた。人質の虞都には護送中に逃げられ、成乞の要請で送った配下も全滅したという。焦った魑女は成乞に事情を聞いてくると伝え、急いで出かけた。すると刺客たちが桃花の術で襲われたと分かる。「この身の程知らずは誰かしら?」紅鸞はやはり温孤について行こうと決め、衣羅の家を出た。すると途中で香袋を忘れたことに気づき、引き返すことにする。一方、衣羅も紅鸞の香袋を見つけ、届けに行くことにした。しかし門を開けたところで運悪く温孤を探していた魑女たちと出くわしてしまう。温孤の似顔絵を見せられた衣羅は知らないと誤魔化して逃げようとしたが、何か隠していると勘付かれ、魑女に捕まった。衣羅は拷問されたが口を割らず、無惨にも殺された。何も知らずに戻った紅鸞はすでに事切れた衣羅を発見、涙に暮れる。その頃、虞都は内通者を探して馬を走らせていた。すると馬が何かに気づいて勝手に駆け出してしまう。紅鸞は衣羅の敵を討つため家を飛び出した。やがて魑女と成乞を見つけ、様子をうかがう。すると成乞が手の傷を見ながら、女に引っかかれたとぼやいていた。「すぐ殺さないからよ」紅鸞は衣羅を殺したのが成乞だと確信、いきなり襲いかかる。「覚悟するのね!」しかし魑女が立ちはだかり、霊力の弱い紅鸞は吹き飛ばされた。つづく(  ̄꒳ ̄)展顔まだ~?w
2022.12.28
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玉昭令 No Boundary Season 1第28話觳閶(コクショウ)の凱旋を祝う宴。端木翠(ダンムーツェイ)は犬猿の仲である高伯(コウハク)営の将軍・高伯蹇(コウハクケン)と一触即発となり、中座した。実は高伯蹇は先の戦で功を焦って幽族の小物を追いかけ、そのせいで端木軍が援軍を得られず3千人が戦死している。岳老(ガクロウ)営の幕舎にはこれまで戦死した兵士の令牌が並んでいた。端木翠は戦友たちの令牌の前で献杯し、やりきれない思いで酒をあおる。「私が必ず守ってみせる…」今や父の端木村も母の虞山(グサン)村も大勢の仲間を失い、生き残りはわずかしかいなかった。すると年長者の岳老が端木翠の酒瓶を取り上げてしまう。「もう帰って休め…」端木営の成人男性が途絶えて5年、唯一残っていた少年の虞都(グト)も18歳になった。端木営では虞都を大切に守っていたが、当の本人はそろそろ自分が姉たちを守り、兄のように戦場で活躍したいという。すると高将軍の腹心・成乞(セイキツ)が端木営にやって来た。成乞は寂しい女たちが刀を振る姿など哀れで見ていられないと暴言を吐いて帰ることにしたが、阿弥(アビ)が門まで追いかけて来る。そこで成乞は端木営で苦労するより、自分の女になったらどうかと誘った。「女になるとしてもここでは嫌だわ…」一方、幽族の太子・尾龍(ビリュウ)は安邑(アンユウ)城に入った。しかし父王はもし人間との子が行方不明でなければ皇太子の座も安邑城も自分に渡さなかっただろう。「この機に証明してやる、父王があの雑種に目をかけたのは間違いだと…」そこで魑女(チジョ)に人族から使えそうな者を探してくるよう命じた。その夜、阿弥は成乞を林の中へ呼び出した。艶かしい姿の阿弥に鼻の下を伸ばす成乞、すると隠れていた端木営の仲間が現れ、成乞を袋叩きにして憂さ晴らしする。成乞は激怒したが、軍紀を乱した手前、やり返すことができなかった。「…あの成乞という男は使えそうだわ」その様子を物陰から魑女が見ていた。翌日、端木翠は高伯営で新兵の温孤(オンコ)が折檻されているのを目撃、止めに入った。成乞は上官が配下をどうしようと勝手だと反発したが、端木翠はならば上官の自分も命令するという。「僕射長の成乞を一月の俸禄停止に処す、さらに馬歩で1刻ほど訓練場を回れ いじめの代償を皆に知らしめる!」成乞は阿弥に弱みを握られた上、端木翠に見せ物にされ、怒りが収まらなかった。そこで高将軍に端木営への報復を訴えたが、かえって将軍を怒らせてしまう。「お前は馬鹿か?!端木翠は怖くもないが、義父は丞相で義兄が楊鑑(ヨウカン)、觳閶が許嫁だぞ?!」「将軍…私が間違っていました」成乞は仕方なく下がったが、無能な上官の下では功も上げられないと苛立ちを募らせた。その時、突然、美女が声をかけてくる。「あなたを慕う者です、協力したくて来たの…」すると魑女に術をかけられた成乞は枕を魑女だと思い込んで一夜を共にした。徴兵の告示に集まった群衆の中にある男の姿があった。帽子を目深にかぶり、頬には大きな傷跡、眼帯で片目を隠しているため顔ははっきり分からない。…かつてと同じだ…觳閶が費仲(ヒチュウ)を殺し、太子が安邑城を引き継いだ…決戦が迫っているその男は端木翠を利用して沈淵(チンエン)を開かせ、千年後に戻って来た江文卿(コウブンケイ)だった。江文卿は軍営に紛れ込むため兵役に応募することにした。すると岳老と高伯営の成乞の姿がある。いつもは雑務を嫌う成乞だったが、人材を補強したいという高将軍の指示で徴兵の選抜に来ていた。…確か当時、成乞は魑女と結託し、徴兵を幽族に漏らしたはずだ…やがて江文卿の順番が来た。しかし証書がなければ入隊できないと断られてしまう。江文卿はちょうど近くにいた岳老に泣きついたが、その時、突然、幽族が現れた。江文卿は咄嗟に岳老を連れて物陰に隠れた。この後、人族の援軍が駆けつけ、幽族は長くは止まらない。岳老は男がなぜ戦況を読めるのか分からなかったが、確かに楊鑑(ヨウカン)たちが到着、難を逃れた。「岳老!遅れてすまぬ…この者は?」すると岳老は恩人である江文卿を自分付きの従兵だと紹介した。丞相は各将軍を集め、安邑城に斥候を放つと伝えた。真っ先に名乗りを上げたのは高伯蹇だったが、端木翠が反対する。「兵站(ヘイタン)を担って来た高伯営に務まるだろうか?…端木営なら確実に遂行できます」しかしすかさず成乞が女ばかりの端木営では目立つと横槍を入れた。觳閶は高将軍を推挙したが、その時、虞都が端木営にも男がいると訴える。「私に行かせてください!」「ダメだ!」端木翠は最後の男子を守るため反対したが、虞都は遠方の敵を射抜く弓術がある自分こそ最適だと言った。「しかし…丞相?!」困惑した端木翠は義父に助けを求めたが、江易は虞都に決めてしまう。その頃、展顔(ヂャンイェン)は端木翠を探して林をさまよっていた。するとその夜、偶然、独りで歩いている幽族を発見し、腕を締め上げる。「私の質問に真面目に答えれば殺しはしない…」「(゚ェ゚(。_。(゚ェ゚(。_。*)コクコク」男は幽族の豹(ヒョウ)男だった。豹男は安邑城の守衛で端木営を待ち伏せしていたという。「端木営?端木翠を知っているのか?」「ああ、人族で唯一の女将軍だ、おっかねえぞ?」どうやら端木翠はどこへ行っても有名人らしい。展顔は豹男の話から崇城の決戦がまだだと気づき、悲劇が起こる前に端木翠を連れて帰ろうと決めた。そこで豹男の身包みをはがし、木に縛りつけてしまう。端木翠はまた顔の分からない男の夢を見た。話を聞いた阿弥は觳閶将軍ではないかと言ったが、端木翠は違うという。「将軍…結局のところ觳閶将軍と愛し合っているのですか?」「愛など重要ではない、端木営の今後を考えると觳閶に嫁ぐのが一番なのだ」阿弥は将軍の決意に胸が痛んだが、端木翠は阿弥と虞都がいてくれればそれで十分だと笑った。「ただこたびの虞都の任務には胸騒ぎがする…」その時、虞都が幽族の捕虜になったと一報が飛び込んだ。成乞の情報で幽族は簡単に虞都を生け捕りにした。人族の捕虜と共に連行される虞都、その後を展顔がつけている。その時、ちょうど用を足すため列を離れた幽族がいた。展顔は男に声をかけ、金をつかませて護送の列に紛れ込ませて欲しいと頼む。こうして展顔は幽族の一行に入り、虞都と接触する機会をうかがった。幽族たちは休憩を取りながら、端木翠の噂話を始めた。「今回は気分よく帰れるな、あの悪鬼(アッキ)の手下を捕まえたからな~」端木翠と言えば3日も埋められながら生きていたという逸話がある。その話を聞いた展顔はふと端木翠が暗闇が苦手だったことを思い出した。…君が暗闇を恐れたのは辛い過去が原因なのか…すると噂話に虞都が激怒、幽族は反抗的な虞都に暴行を加えながら、嘲笑うかのように内通者の存在を明かした。しかし展顔が咄嗟に幽族を止め、生け取りとの命令だと諌める。「殺したらまずい」「ふん、命拾いしたな!…お前が見張っていろ!」展顔は一行が離れると、密かに虞都の縄を切って目配せした。そこで2人は同時に幽族に襲いかかり撃退したが、虞都はなぜ幽族が仲間を裏切ったのか首を傾げる。「実は事情があって幽族のふりをしている」「感謝する、兄弟!」…展顔たちがいなくなった現世啓封(ケイフウ)では九獄から解放された幽族が頻繁に目撃されるようになっていたしかし幽族は神出鬼没、啓封府を任された上官策(ジョウカンサク)も手をこまねいているその日もまた幽族が現れたと通報があり、上官策は様子を見に行くことにした朱雀街に幽族が現れたすると白髪の娘が包子(パオズ)の露店で足を止める驚いた店主は幼い息子をかばってうずくまると、その娘は饅頭の代わりにかんざしを置いて去って行った息子は母が止めるのも聞かず物珍しいかんざしを持って嬉しそうに走り出したが、その時、ちょうど啓封府の馬車がやって来る「危ない!」母の悲鳴を聞いた白髪の娘は大きな翼を広げて引き返し、すんでの所で子供を抱き上げた上官策は馬車から飛び降り、少年の無事を確認した「危ないじゃないの」白髪の娘は馬車の男を責めたが、母親が誤解だと告げる「こちらは啓封府の上官大人です、飛び出した息子が悪いの」すると母親は包子の代金には高価すぎるとかんざしを差し出した白髪の娘はならば明日も包子をもらいに来ていいかという「もちろん、好きな餡を用意するわ」「私は菜食だから豆腐の餡をお願い」「はお」上官策は思わず白髪の娘を呼び止めた「姑娘(グゥニャン)、名は何という?」「…鶴雪(カクセツ)よ」鶴雪は幽族ながら外見も心も美しい娘だった…端木翠はまた顔のわからない男の夢を見ていた。しかし男の顔を見ようとしたその時、突然、穴に落ちて閉じ込められてしまう。すると誰かが土の中に手を伸ばし、端木翠を引き上げた。『恐れるな、どこにいようと永遠に君のそばにいる…』「ヂャン(展)…」つづく( ๑≧ꇴ≦)展顔www闇落ちじゃないのに厚化粧wそうそう、長老の側仕えだった白髪の娘は鶴だったのねてっきり白狐だと思ってたわ( ̄▽ ̄;)
2022.12.27
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皎若云间月 Bright as the moon第19話「誤算の夜」白頭峰(ハクトウホウ)の神鳥洞に潜入した雲浅月(ウンセンゲツ)と容景(ヨウケイ)は偶然、三皇子・夜天逸(ヤテンイツ)と藍漪(ランイ)の話を立ち聞きした。激怒した浅月は思わず飛び出そうとしたが、容景が止める。「この状況で三殿下に何を言っても無駄だ…今、出ていけば雲家全体に危険が及ぶ」浅月は容景がまだ自分の身を案じていると知り、腕の傷も自分が原因だと分かった。「私のせいで″虎の目″なんて馬鹿げた嘘を信じたのね?私を思っているのに遠ざけて…」「思い上がりだ…早く鳳凰関から離れたほうがいい」「いつも冷静ね、でも時には後先考えず無茶をしてもいいでしょう?」浅月は被災民を守るため洞窟の兵糧を奪い返すと決めた。その夜、上官茗玥(ジョウカンメイゲツ)は配下に指示して町のあちこちに火を放った。一方、浅月と容景は洞窟から兵糧を盗み出し、被災民たちにばら撒いてしまう。兵士たちが火消しに追われる中、三皇子のもとに一報が届いた。しかし三皇子はこれが陽動作戦だと気づき、慌てて藍漪と一緒に神鳥洞へ向かう。すると見張り番が倒れ、洞窟の中はすでに火の海だった。秦玉凝(シンギョクギョウ)は救援物資と兵糧の盗難の件で鳳凰関に派遣された。容景との再会に胸が躍る玉凝だったが、容景の目には相変わらず雲浅月しか映っていないと痛感する。このまま皇帝から見放された三皇子に嫁ぐなど真っ平ごめん、玉凝は酔った勢いで既成事実を作ろうと思いついた。「衛漾(エイヨウ)、手を貸りたいの…」その夜、容景は誰かにつけられていると気づいた。咄嗟に三皇子の寝所に隠れる容景、すると衛漾が窓からこっそり媚薬を吹き込んで走り去る。容景は口をふさいで外へ出ると、何事もなかったように部屋へ戻った。しかし何も知らずに宴から戻った三皇子がそのまま寝台に入ってしまう。翌朝、目を覚ました三皇子は隣で寝ている秦玉凝に気づき、飛び起きた。「景世子…」目的を果たした玉凝は猫撫で声で呼びかけたが、ようやく共寝の相手が三皇子だったと知る。( ≧∀≦)<!なぜここに!>(≧∀≦ )↓三皇子の二度見wwwwwwwww三皇子はかすかに残る媚薬の香に気づき、こんな卑しい手を使ったのかと蔑んだ。しかし玉凝は容景の部屋のはずだったと動揺、三皇子は容景目当てだったと知る。実はその頃、朝から騒がしい三皇子の部屋の前に侍女たちが集まっていた。「どうしたの?!」通りかかった浅月と彩蓮(サイレン)が駆け寄ると、その時、三皇子の部屋からあられもない姿の秦玉凝が飛び出して来る。あーっ!( ゚Д゚)゚Д゚)・・・・・ピキッ!Σ(°∀° ノ)ノ玉凝は逃げるように走り去ると、後から三皇子が現れた。(; ꒪ω꒪)꒪ω꒪)・・・・・(꒪ꇴ꒪〣)<月R!まさか浅月がいるとは知らず、三皇子は慌てて釈明したが、浅月は婚約者を大切にするよう諫めて行ってしまう。その時、容景は事の顛末を遠目から見ていた。三皇子は浅月から突き放され、呆然とたたずんでいた。その背中を見つめながら、藍漪は三皇子と初めて出会った時のことを思い出す。かつて藍漪は江湖の争いで絶体絶命のところを三皇子に助けられた。藍漪は恩返しを約束、本来なら藍家は朝政に関与しないが三皇子を追って辺境へ向かい、その志を遂げるため協力すると申し出る。しかし今や三皇子は男女の情にかまけていた。秦玉凝は部屋にこもり、涙に暮れた。責任を感じた衛漾は自分に怒りをぶつけて欲しいと訴えたが、玉凝は出ていけと怒鳴りつける。「いいえ…14歳で秦府に入り、小姐(シャオジエ)に出会った時、生涯尽くすと心に誓いました」「なぜあの部屋に三殿下が?!」「…私の過ちです」すると衛漾は三皇子へ復讐すると決意、部屋を飛び出した。衛漾は無謀にも三皇子に斬りかかった。危うく返り討ちに遭うところだったが、容景が現れ助けてくれる。三皇子は騒ぎを起こさぬよう引き下がり、そこへ秦玉凝が駆けつけた。「部下を救ってくださりありがとうございます」「あなたのためではない、鷹揚衛(ヨウヨウエイ)は陛下のものです」相変わらず冷たい容景、すると玉凝はせめて慰めの言葉くらいかけて欲しいと涙ながらに訴える。しかし容景は自分の慰めなど不要だと突き放し、下策に走った玉凝に最後まで辛辣だった。一方、宮中では皇太子暗殺未遂の罪で冷貴妃が白綾を賜った。「娘娘(ニャンニャン)のご出立だ」するといよいよ怖くなった冷貴妃は、兄の冷王に頼まれて香粉を渡したと証言してしまう。急に参内するよう命じられた冷王は身の危険を感じた。そこで息子・冷邵卓(レイショウタク)に三皇子への密書を託しておく。「計画を実行するよう伝えてくれ」秦玉凝は一刻も早く鳳凰関を去りたかった。そこで三皇子に断りを入れることにしたが、三皇子と藍漪の話を立ち聞きしてしまう。「父皇は私を警戒し玉凝を寄越したのだろう、今回の件を利用できるかもしれない」「つまり玉凝をお許しに?」「小事にこだわるより今、重要なのは失った兵器庫だ」「兵器庫なら他にもあります、地方の製造ゆえ質は劣りますが、十分、使えるかと…」玉凝は三皇子が謀反を企てていると知り驚愕した。しかしうっかり物音を立て、捕まってしまう。三皇子は自分と手を組んで生き延びるか、死ぬしかしかないと秦玉凝を脅した。「…そなたは賢い、私が皇位につけばそなたは皇后だ、そうなれば誰でも踏みつけにできるぞ? 夫婦になったのだ、苦労を共にし栄華を享受しよう、どうだ?」すると三皇子はいくら愚かな部下でも部屋を間違えるはずがないと匂わせた。「(はっ)誰かが仕組んだと言うの?」「仕組んだというより利用したのだ、誰の仕業かはもう分かるだろう?」玉凝はようやく容景が自分を追い払うため画策したと気づき、深い愛情が憎しみへと変わってしまう。そこへ藍漪がやって来た。「冷王が皇宮に呼び出されたと連絡が…密書です」三皇子は冷王が捕まるかもしれないと気づき、密書を開けた。…容景は慕容家の長子…「ふっ…決行だ」その頃、容景は柳茵茵がいた廃墟の前にいた。通りすがりの老父の話では慕容家の事件のあとに引っ越し、それから誰も住んでいないという。つづく( ๑≧ꇴ≦)何この展開?浅月も大概だけど、容景も酷すぎないか、これ?w
2022.12.26
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皎若云间月 Bright as the moon第18話「洞窟の基地」倒れた雲浅月(ウンセンゲツ)が客桟へ運び込まれた。三皇子は医者から浅月が毒に当たったと聞き、これを利用して浅月を取り戻し、容景(ヨウケイ)を排除しようと企む。一方、容景は官吏・杜斉(トセイ)の案内で郊外にいた。「水を流し込むのはこの窪地しかないな」「窪地の周囲は山林です、土地勘のない者が入れば必ず道に迷い、脱出できなくなります」実は鳳凰関(ホウオウカン)は敵を封じ、攻撃する絶好の場所だった。何やら訝しむ容景、その時、弦歌(ゲンカ)が息急きって駆けつける。「大変です!郡主が毒に…」「郡主は?今どこだ?!」弦歌は道すがら彩蓮(サイレン)から解毒に″重瞳(チョウドウ)の虎の目″が効くと聞いたと教えた。そこで容景はその足で虎山へ行くことにしたが、竹林では弓矢を構えた刺客が待ち伏せしている。謀られたと気づいた時には手遅れ、突然、物陰から矢が飛んで来た。容景は腕に矢傷を負ったが、腹心の上官茗玥(ジョウカンメイゲツ)が駆けつけ難を逃れる。「虎の目を使う解毒法などない!郡主は無事だ!」その頃、治療が終わった浅月は目を覚まし、すっかり元気になっていた。しかしその夜、偶然、中庭にいる刺史・馮時道(フウジドウ)と医者の話を耳にする。ω- )<三殿下の具合は?ω- )<しばらく休養が必要です、ただ郡主には心配かけたくないと内密に…驚いた浅月は何があったのか2人を問い詰めた。医者の話では三皇子が郡主の解毒に必要な虎の目を手に入れるため虎山に入り、深手を負ったという。浅月が三皇子の寝所に駆けつけると、三皇子は青白い顔で横になっていた。「どうして隠していたの?!」「愛する人に命を捧げることは当然だ…」すると三皇子は鳳凰関での残りの数日間、そばにいて欲しいという。浅月はすっかり三皇子の芝居に騙され、恩に報いるためにしばらく三皇子に付き添うと約束した。上官茗玥は容景の腕の傷を手当てし、浅月の事となると途端に冷静さを失うと諫めた。「やはり郡主とは距離を置くべきだ」すると上官茗玥は″友″の居場所が分かったと伝えて引き上げてしまう。そこで容景は独り夜の町に出た。廃墟から琴の音が聞こえて来た。容景が中に入ってみると、墨閣(ボクカク)の閣主・柳茵茵(リュウインイン)が琴を弾いている。「宰相の命であなたと三殿下を追って来ました」実は朝廷の救済事業を調べたところ、毎年支給される救援物資が鳳凰関に入るといつの間にか行方知れずになっていた。どうやら夜天逸(ヤテンイツ)が関わっているらしい。「なぜ宰相に報告せず、私に?」「それは景世子が慕容(ボヨウ)家の冤罪を調べているからです…父は慕容将軍の盟友でした」柳茵茵の正体は淇(キ)国の丞相の娘・玉洛瑶(ギョクラクヨウ)だった。淇国が滅ぼされた時に家族は皆殺しとなり、生き残った父と玉洛瑶は亡国の恨みを晴らすため身を隠したという。父亡き後は遺志に従って墨閣を継承、名を柳茵茵と変えて都で情報を集めていた。これも天聖の後継者争いを激化させ、政変を起こすためだという。「淇国滅亡後、父親同士の往来は?!」「2人は兄弟同然の間柄でした… 慕容将軍が天聖に降服した時も父は恨むことなく救出を図りましたが、骨すら持ち帰れなかった それを悔いた父は2年後に亡くなりました」すると柳茵茵が墨客の主に与えられる令牌を差し出した。「父は墨客の主となるのは慕容将軍の長子しかいないと…どうかお力添えを…」しかし容景は真相を知りたいだけだと断り、政争に巻き込まれたくないと言った。「天聖の景世子としてひとつだけ言っておこう、一時の執念で災いを招かぬように…」その頃、ちょうど浅月も気分転換に彩蓮と街を散策していた。すると急に雨が降り始め、慌てて軒下に避難する。その時、偶然、向かいの廃墟から容景と柳茵茵が現れた。「あれは柳茵茵?…なぜここにいるの?」 容景は柳茵茵から扇と傘を受け取って帰ろうとしたが、その時、ふと視線の先にいる浅月に気づいた。2人は目が合ったが、怒った浅月は逃げるように帰ってしまう。翌朝、浅月は被災民の間で疫病が流行っていると知り、急いで駆けつけた。そこで布団や衣服を日に干し、食器は煮沸するよう勧め、竹炭を使って濁った水を濾過(ロカ)する方法を指導する。被災民は頼りになる郡主に心から感謝し、都から聞こえて来る悪評は嘘だと分かった。するとそこへ容景がやって来る。浅月は柳茵茵と密会していた容景への怒りが収まらず、思わず再建費用を栄(エイ)王府が出してくれると勝手に発表して憂さ晴らしした。柳茵茵は容景の説得に失敗、かえって疑われる羽目になった。しかも雲郡主を手放すことができないと見える。配下は郡主に手を下すか聞いたが、柳茵茵は容景が郡主を巻き込むことは望まないと止めた。「我々が道を指し示せば良い」一方、南梁睿(ナンリョウエイ)は相変わらず雲香荷(ウンコウカ)と顔を合わせれば喧嘩になっていた。すると香荷から居候の穀潰しと罵られ、激怒して宮中へ行ってしまう。皇帝は遊歴中に天聖に立ち寄ったという南梁睿を歓迎、宮中で過ごすことを許した。そこで南梁睿は早速、想い人の月岐(ゲツキ)公主・拓跋葉倩(タクバツヨウセイ)に接触したが、全く相手にされない。葉倩の目には四皇子しか映っておらず、南梁睿が入る隙などなかった。そんな葉倩とは裏腹に肝心の四皇子はまだ浅月を吹っ切ることができない。兄の未練に気づいた妹の軽暖(ケイダン)は浅月にとって兄は友人でしかないと苦言を呈し、心を捧げてくれる人に目を向けるべきだと諫めた。「公主は結婚が決まって嬉しそう、そんな公主の幸せを壊す気なの?」「…私はきっと葉倩を愛せない」しかし軽暖は喧嘩ばかりしている兄と公主の仲もまんざらではないと感じていた。浅月は今日も被災民に食事を配っていた。すると美しい羽を持っている少女を見かける。少女の話では父からもらった神鳥の羽で、白頭峰(ハクトウホウ)の神鳥洞に住んでいるという。浅月は鳳凰かもしれないと喜び、少女から行き方を聞いて早速、出かけることにしたが、実は柳茵茵の差し金だった。一方、容景は柳茵茵からもらった扇を調べていた。扇には何も書いていなかったが、塩水につけてみると山水画が現れる。それは白頭峰への地図だった。浅月は道なき道を進み、ようやく神鳥洞を見つけた。あとは坂を下るだけだったが、急に容景に腕をつかまれ引き止められてしまう。「なぜここに?」「声を出すな…」すると兵士たちが神鳥洞に兵糧を運び込む姿が見えた。浅月はこれが食糧不足の原因だと憤慨、容景が止めるのも聞かず洞窟へ降りて行ってしまう。洞窟の前には見張りの兵が2人いた。浅月は2人の目を盗んでこっそり中へ入ろうとしたが、その時、物陰からひょっこりもう1人の見張りが現れる。(((ʘ ʘ;)))うわぁぁぁーっ!驚いた浅月が叫び声を上げたせいで2人の見張りも振り返ったが、容景が3人とも片付けてくれた。洞窟の中は兵糧だけでなく、金銀や武器が備蓄されていた。すると浅月は箱についている青い花の印に気づく。「これは藍家の印よ、摩天崖(マテンガイ)で見たの、望春楼(ボウシュンロウ)の火事の時もこの印があった(はっ)ちょっと待って、望春楼の火事の日、あなたもいたの?」「考え過ぎだ、いるわけない」しかし浅月は意識を失う直前に白い衣の男に助けられたことを思い出した。「あれはあなたよ!」浅月は思わず容景の腕をつかむと、容景は痛みで顔を歪める。「怪我したの?見せて」驚いた容景は浅月の手を払い除け、雲家が巻き込まれないよう鳳凰関から離れるべきだと説得した。「どうして?…まさか謀反でも起こるとか(はっ!)夜天逸ね?」その時、奥の部屋から怒号が聞こえた。藍漪(ランイ)は自分の配下より女が大事なのかと三皇子に激怒していた。「容景を始末すると言うから仲間を出したのに、浅月を手に入れることが目的だったなんて!」すると三皇子は自分が頂点に立った暁には最大の功臣として藍家を近衛軍の待遇を与えるとなだめる。「将来、100倍にして報いよう、藍家の青い花は我が心に…決して見捨てたりはしない」つづく(  ̄꒳ ̄)え?浅月はなぜ柳茵茵を知ってるんだっけ?あれ?四皇子と南梁睿って月岐で会ったっけ?って、私はちゃんと見てるのか?!(((ノ*>∀
2022.12.26
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皎若云间月 Bright as the moon第17話「水害被害」鳳凰関(ホウオウカン)に到着した容景(ヨウケイ)は一足先に客桟へ到着した。都からやって来た美男の使節に大興奮の侍女たち、すると1人の侍女が穿心蓮(センシンレン)を持ってやって来る。聞けば新婚夫婦の部屋の入り口に挿しておくと添い遂げられると伝わる植物で、三皇子と妃の部屋に届けると話した。三皇子は藍(ラン)家の警固のもと、役所でここ数年の軍費を記した帳面を見ていた。刺史(シシ)・馮時道(フウジドウ)の報告では朝廷からの物資は倉庫に保管し、闇鉱山で作った武器や銭荘の銀も準備できているという。「あとは殿下の号令のみです」しかし三皇子は容景が同行していることから慎重を期し、決して情報が漏れることがあってはならないと釘を刺した。雲浅月(ウンセンゲツ)も客桟に到着した。すると案内された部屋の扉に見慣れない植物が挿してある。浅月は何の意味か尋ねたが、侍女は当地の習慣で郡主を祝福するものだとしか教えなかった。早速、部屋を見て回る彩蓮(サイレン)、すると扉で仕切られた寝室を見つける。「郡主、こちらにも寝所があります!私はこちらを使います」その夜、三皇子は中庭に出て独り物思いにふけっていた。すると藍漪(ランイ)が現れ、郡主へ肩入れし過ぎると諫言する。三皇子は浅月への愛を捨てられず、そもそも思惑が異なる宰相との娘・秦玉凝(シンギョクギョウ)との縁談は無理だと言った。どちらにしても三皇子を慕う藍漪にとって雲浅月という存在は目の上のこぶでしかない。「私は従順な者が好きだ…時がくれば分かる、我らが心で通じ合う仲間だとな」「そのお言葉があれば死をも厭いませぬ」一方、容景は窓から浅月の部屋の明かりを眺めていた。自分から突き放しておきながら浅月を諦めきれない容景、すると三皇子が浅月の部屋にやって来る。三皇子は何度か声をかけていたが、返事がないため勝手に入って行った。その時、沐浴していた浅月は誰かが来たと気づき、慌てて湯殿を出て衣を羽織る。「来ないで!」「(はっ)返事がないので誰もいないのかと…」「私の部屋よ?勝手に入らないで」しかし三皇子はこの部屋が自分たち2人の部屋だと教えた。浅月は寝所が2つある本当の理由を知って動揺したが、三皇子は君子として振る舞うと安心させる。「月児…私の将来には君が必要なんだ、それだけは譲れない」三皇子はゆっくり顔を近づけたが、浅月はうまくかわして離れた。「本当に思い出せないの、覚えていないことにこだわりたくない…」「記憶は本当に戻っていないのか?」実は三皇子は墓参りでの浅月の言葉を聞いていた。「君は嘘をついたな?」浅月は驚いてうっかり花瓶を落とし、割ってしまう。ガッシャーン!物音を聞いた彩蓮は部屋に入ろうとしたが弦歌(ゲンカ)が引き留めた。すると弦歌の予想通り屋根伝いに浅月の部屋へ駆けつける容景の姿がある。物音を聞いて居ても立ってもいられなくなった容景、そっと瓦を外して部屋をのぞいてみたが、思いがけず親密そうな浅月と三皇子の姿を見てしまう。↓容景wwwww浅月は記憶が戻ったことを認めた。確かに三皇子はただの友人ではなく、あえて奇行を繰り返すことで皇太子との縁談を破棄させようとしたのも事実だという。「あなたを待つと言ったわ…でも今は…」すると三皇子は浅月を抱きしめ、また最初から始めようと言った。容景は全て終わったと肩を落とし、そこで瓦を戻して浅月の本心を聞かずに部屋へ戻ってしまう。「ごめんなさい…」実は浅月は三皇子の腕の中から逃れ、記憶が戻っても愛しているのは容景だと告白していた。運命とは皮肉なもの、浅月は三皇子と再会する2ヶ月前に7年の記憶を全て失い、他の人を愛した。実は容景と出会い、三皇子への思いは尊敬や同情によるもので、男女の愛ではなかったと気づいたという。「信じない!信じないぞ!…私との7年の愛はそんなに軽いものだったのか? 君への想いをどうすればいい?黙ってあいつと一緒にいる君を眺めていろと?」しかし浅月はただ謝ることしかできなかった。翌朝、浅月は侍女にすぐ別の部屋を用意するよう頼んだ。実は官吏が気を回して三皇子と郡主を同じ部屋にしたが、三皇子は何も知らなかったという。ともかくこれで一安心、浅月は被災地の手伝いをしながら、鳳凰の宝探しを始めることにした。鳳凰関は海江(バイコウ)と汀江(テイコウ)の合流地点にあった。今年は雨が多く2カ所が決壊、しかし幸い雨が収まって大災害は免れたという。三皇子はまず被災地の状況を確認するため、容景と手分けして水の出所を調査することにした。すると容景を案内した官吏・杜斉(トセイ)は腐敗が蔓延する役所では救済に目を向ける者などいないと吐露する。「役所がこのまま何もしなければ民は路頭に迷ってしまいます」容景たちが町へ戻ると浅月が被災民への配給を手伝っていた。その様子を見た杜斉は、どうやら郡主の悪名がただの噂だったらしいと笑顔を見せる。すると浅月が小さな孫を連れて歩いて来た老婆に粥を届けようとした。しかし急いでいた男がぶつかり、浅月はよろけてしまう。その時、咄嗟に容景が浅月を助けた。「ぁ…安心して、3尺の距離は守るわ」浅月が慌てて離れると、容景はよそ見をすると転ぶと嫌味で返す。「あなたには関係ない」「関係ないが粥がこぼれたらもったいない」すれ違いのまま溝が深まる2人、それでも結局、一緒に並んで配給に参加した。弦歌は中庭で簫を吹いている主に声をかけた。「待ち人ならしばらく戻りませんよ」「…郡主はどこへ?」「やっぱり~ごまかしても丸わかりです」実は弦歌は彩蓮から郡主と家の立て直しへ行くと聞いていた。被災民は浅月の監督の下、今後のため高台に家を建て、周りに排水溝を作ることになった。彩蓮は休憩も食事も取らない郡主を心配したが、被災民たちが郡主を頼って次々と相談にやって来る。すると浅月は現代の知識を活用し難題をあっさり解決、すっかり被災民たちから信頼を得ていた。一方、皇帝は月岐(ゲツキ)公主・拓跋葉倩(タクバツヨウセイ)が四皇子のせいで倒れたと知り、激怒していた。「意中の娘がいるのは知っておる、しかし雲王府の者は避けねばならぬ 現在の外戚の勢力を弱めなければ、お前が天下に君臨する日は来ぬぞ!」皇帝は四皇子に″雲家から皇后を″という遺訓を廃するつもりだと明かした。四皇子は葉倩を介抱しながら、本当に自分に嫁ぐつもりか聞いた。四皇子を追いかけて天聖までやって来た葉倩はもちろんだと答えたが、四皇子は自分を粗末にするなという。「私はあなたのそばにいられればいいの」「急かさないから良く考えてみてくれないか」浅月と彩蓮は手分けして被災民に食糧を配った。すると浅月は病気の子供を見かけ、還魂草(カンコンソウ)さえあれば助かると知る。そこで現地の少年を道案内に浅月は険しい山へ入った。少年はしみじみ役人が皆、郡主のような人なら良いという。「そんなに大変なの?」「悪徳役人の下じゃ暮らしは楽になりません、まあ食べられるだけマシです」浅月は少年の話を聞きながら薬草を鎌で切っていたが、うっかり指を傷つけてしまう。「郡主、それは毒草です!大丈夫ですか?郡主?!」つづく( ๑≧ꇴ≦)また毒かwww
2022.12.26
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皎若云间月 Bright as the moon第16話「鳳凰関へ」雲香荷(ウンコウカ)が目を覚ますと浅月(センゲツ)が付き添っていた。侍女の話では浅月が池に落ちた香荷を助けてくれたという。浅月は容景(ヨウケイ)のために身投げなど馬鹿馬鹿しいと呆れ、そもそも香荷は手が届かないものを欲しがっているに過ぎないと指摘した。「無条件の愛をくれるのは親だけよ?赤の他人のために肉親を悲しませないで あなたは私のたった1人の姐姐(ジェジェ)なんだから…」「でも昔からあなただけが可愛がられる、爺爺(イェイェ)も姑姑(グォグォ)もそうよ」「2人は私を愛してくれる、でも小さい頃に孤児になって″躾が悪い小娘″だと陰口を言われたわ 親を亡くしても私と代わりたい?」香荷はようやく浅月への嫉妬から解放され、わだかまりも消えた。しかしそこへ慌てて南梁睿(ナンリョウエイ)が飛び込んで来る。「浅月!無事か?!…この性悪女に近づいてはダメだ!」「ちょっと!性悪女って誰よ?!」浅月は誤解だと伝えたが、今度は香荷と南梁睿が犬猿の仲になってしまう。雲王府に月岐(ゲツキ)の公主・拓跋葉倩(タクバツヨウセイ)がやって来た。実は皇帝から四皇子との縁談を賜ったという。「それから情報が…景世子が鳳凰関(ホウオウカン)へ行くわ、何でも遠い辺境の地で水害が酷いらしいの」浅月は″鳳凰″と聞いて第3のお宝を思い出し、何か関係がありそうだと気づいた。四皇子は幼い頃から浅月が好きだった。しかし浅月は三兄と親しくなり、自分の気持ちを伝える機会を失ったまま今に至る。…もう黙ってはいられない…月岐公主との縁談が進む中、四皇子は後悔しないよう浅月に告白しようと決めた。そこで酒の力を借りて雲王府へ乗り込むと、ちょうど母の命日で墓参りに出かけるところだった浅月と出くわす。「実は…その~話があるんだ…つまり~私は~私は~」すると運悪く三皇子が現れ、結局、告白できずに終わってしまう。三皇子は容景を牽制するため、鳳凰関に浅月を誘った。驚いた浅月だったがまさに渡りに船、自分も何か手伝いたいと申し出る。すると三皇子は庭卓の上にある作りかけの同心結びに気づいた。「…この結び方は私が教えた」「違うわ、彩蓮(サイレン)から習ったのよ?」「まさか、これは母妃のやり方だ、他の者は知らない」「( ̄▽ ̄;)ぁ…これから母の墓参りなの、もう行くわね」浅月は雲青晴(ウンセイセイ)の墓参りにやって来た。「本物の雲浅月はどこにいるのかしら?とにかく帰る方法が見つからない…」すると後をつけて来た三皇子が物陰から浅月の様子をうかがう。「望春楼(ボウシュンロウ)の火事で記憶を失ったの、三殿下との約束も忘れてしまって…別の人を愛したわ」三皇子は思いがけず浅月の口から真実を聞き、逃げるように引き返した。「娘(ニャン)、どうすればいい?まあ~いずれは帰るから別にいいんだけど…」←いいのかーい!w公主の婚礼のため月岐から使節が到着した。葉倩は腹心の侍女・阿烏(アウ)と再会、必ず四皇子と幸せになると誓う。一方、宰相は皇帝が四皇子に後ろ盾のある妻を娶らせ、三皇子との縁談を拒否した娘に何も言わないことから、三皇子には見込みがないと判断した。さすがの秦玉凝(シンギョクギョウ)も三皇子に同情したが、巻き込まれるのはごめんだという。「父上は私を支えてくださいね」浅月が墓参りから戻ると屋敷のそばで三皇子が待っていた。「浅月、鳳凰関行きは私のためか?…本心が聞きたい」「その~屋敷にいるより外へ出たくて…退屈だから…」三皇子は悲しみをぐっとこらえ、明朝に迎えに来ると笑顔を見せて帰って行った。四皇子は浅月が三皇子と鳳凰関に行くと知り、悶々としていた。…やはり月岐公主との縁談は断る、何が皇子だ、天下だ!欲しいのは君だけだ…一方、浅月も三皇子の言葉を思い出して眠れぬ夜を過ごしていた。…どういたらいいの?でもとにかく行かなくちゃ、第3のお宝があるかもしれない…←そっち?w翌朝、雲王は浅月のため自ら旅支度を揃え、迎えに来た三皇子に孫娘の世話を頼んだ。見送りに来た香荷だったが、南梁睿と顔を合わせれば喧嘩になってしまう。その頃、四皇子は浅月を追いかけるため、葉倩が止めるのも聞かず宮中を出ようとしていた。容景は城門で初めて浅月が一緒に鳳凰関へ行くと知った。弦歌(ゲンカ)は彩蓮と一緒で嬉しいが、あっさり三皇子に乗り換えた雲郡主に困惑する。そんな一行を墨閣(ボクカク)の閣主が見ていた。道中で浅月の乗った馬の蹄鉄(テイテツ)が割れた。驚いた容景は急いで浅月のもとまで駆けつけたが、三皇子がこれみよがしに自分の馬に浅月を乗せてしまう。一方、四皇子は必死で浅月を追いかけたが、途中で馬を潰した。その間に浅月たちの一行が見えなくなってしまう。「まただ、いつも一歩遅い…だから君には私が見えない 分かっている、公主との縁談を断って全てを捨てても、君の心に私がいなければ全て無駄だと…」すると四皇子は父皇から言われた通り、浅月を陰ながら見守ろうと心に決めた。四皇子は激しい雨の中、歩いて徳王府に戻った。すると門前で葉倩がびしょ濡れになりながら四皇子の帰りを待っている。四皇子は驚いて葉倩を抱き上げ、慌てて寝所へ運んだ。鳳凰関に三皇子一行が到着した。官吏たちは揃って城門で出迎え、三皇子に宴席の用意があると伝えたが、容景には挨拶もない。弦歌は思わず主人も皇帝直々の使節だと不満を漏らした。気まずそうな馮時道(フウジドウ)たち、しかし気を取り直して作り笑いで容景に拝礼する。すると容景はすぐ公署へ案内して欲しいと頼んだ。三皇子は一緒に宴席に出ようと浅月を誘ったが、長旅で疲れたと断られてしまう。つづく( ̄▽ ̄;)浅月…他人事すぎるのよね〜
2022.12.23
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…後宮の奥深くに住んでいる、妃でありながら夜伽をしない特別な妃・烏妃(ウヒ)烏妃は不思議な術を使い、成仏できない死者の魂を助けることができた決して人と交わらず孤独な烏妃しかし時の皇帝・高峻(コウシュン)と出会い、宮中の不可解な事件を解決しながら、次第に大切な者が増えて行く…【後宮の烏】今週、いよいよ最終回!BS11、TOKYO MX 他:毎週土曜 23:30~関西テレビ放送:毎週日曜 26:29~他各配信プラットフォームでも順次配信していますなお放送日時・配信日時は変更になる場合あり、必ずご確認ください↓見逃した方はまだ間に合います/📢「#後宮の烏」第1~12話一挙順次開始✨\GYAO~12/27(火) 11:59https://t.co/mKKJXpXsgzABEMA12/23(金) 11:30〜17:00 ※放送後1週間無料配信https://t.co/F2HbDLKJgwニコニコ生放送12/24(土) 13:40~18:50https://t.co/MUnNY61AkIダイジェスト公開中!https://t.co/lDEBX5qM4m pic.twitter.com/mq4m9JNl8s— TVアニメ「後宮の烏」公式 (@kokyu_anime) December 20, 2022年末恒例w今年のリモート仮面カラオケ大会↓管理人は後宮の烏のEDでエントリーです((( *ノωノ)ではMerryXmasって我が家は仏教だけどw
2022.12.22
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玉昭令 No Boundary Season 1第27話端木翠(ダンムーツェイ)に胸をひと突きされ、ばったり倒れた展顔(ヂャンイェン)。しかし展顔は眠っただけ、端木翠はこっそり仙力を放ち、剣で刺したと見せかけただけだった。「展顔…本当に馬鹿なんだから…」人形を抱きしめながら涙に暮れる端木翠、すると温孤(オンコ)が寄り添い抱きしめる。「君と一緒に以前のように過ごしたい」「以前のように戻れるかしら…温孤…解毒薬は偽物でしょう?」「そうだ、幽毒は私の龍丹で作ったもの、解毒薬などない」「除くには…やはりあなたが死ぬしかない」端木翠は温孤を油断させ、鎖心指(サシンジ)を放った。温孤は端木翠に騙されたと知った。「なぜこうなってしまったんだ…」「あなたは過ちを重ね過ぎた…手遅れなの…」その時、蓬莱(ホウライ)が温孤を討つため五蛮雷(ゴバンライ)を落とした。咄嗟に天雷を避けた温孤、すると端木翠が法陣で次の天雷を阻止する。「端木!馬鹿なことを!」「温孤、あなたの想いには応えられない、だから元凶となった私が全て終わらせる!」すると次の天雷が直撃、2人は血を吹き出した。「君の魂まで散ってしまうぞ?!」「いいの!」温孤は端木翠が自分と死を共にすると知り、やはり端木翠は千年前のままだと実感した。そして次の天雷が落ちたその時、温孤は端木翠を突き飛ばし、独りで打たれてしまう。「温孤!」「…私のために泣いてくれるのか…その涙だけで十分だ…私のことは忘れてくれ… 君と過ごした日々を思えば死んでも惜しくない… どこで間違えたのか…もう一度やり直せたら…どんなにいいか…」温孤は端木翠の腕の中で力尽き、魂は粉砕した。。゚(∩ω∩`)゚。温孤が消散し、解毒の雨が降り始めた。人間界は救われ、啓封(ケイホウ)府でも江(コウ)夫人や張瓏(チョウロウ)が目を覚ます。一方、端木翠は急いで展顔の元へ駆けつけた。しかし幽毒を除いてもなぜか故気(コキ)が消えていないと気づく。すると江文卿(コウブンケイ)がやって来た。江文卿は怨念の根源を絶たねば故気が濃くなって抑え切れなくなり、やがて三界全体がのみ込まれてしまうと憂う。「端木、彼らの叫びが聞こえるか?」思えば千年前、端木翠のために無謀にも崇城を攻めた觳閶(コクショウ)軍、その時に散った命が今も泣き叫び、無念を訴えていた。江文卿は今なら最初からやり直すことができると訴え、沈淵(チンエン)を開くようそそのかす。沈淵とは現世と違う速度で時が進むもうひとつの世界、神女の末裔である端木翠だけが開くことができた。「端木、お前だけが非業の死を遂げた魂を慰められる」江文卿は死者に善意と愛の心を思い出させて成仏させれば、故気は自然と消えるはずだと説いた。覚悟を決めた端木翠は展顔の肩から信蝶(シンチョウ)を呼び出し、伝言を託す。そして人形と巨闕(キョケツ)、乾坤(ケンコン)袋を残し、額に別れの口づけをした。千年前、三族の運命は崇城の決戦を機に変わった。沈淵の入り口は崇城の城門、神女の血に導かれてその門は開くという。端木翠は義父が神位を譲ってくれたおかげで生き長らえたと感謝し、命をかけて全てを終わらせると伝えた。「義父…保重」すると端木翠は指を切って血を出し、首の後ろにある印につけた。一方、目を覚ました展顔は自分が生きていることに気づいて驚いた。すると信蝶が飛び出し、端木翠の伝言を聞かせる。…展顔、沈淵を開くわ、觳閶のために過去へ戻る、私と生きる幻想は捨てて啓封へ帰って…「どうしても君を引き止められないのか…」しかし展顔は自分が乾坤袋を握っていることに気づいた。そばには思い出の人形と巨闕がある。「大事なものを全て置いていったのか…(はっ!)私も行く!」端木翠はついに沈淵を開き、恐る恐る歩き始めた。その時、展顔が駆けつけ、急に端木翠を抱きしめる。「どこへ行こうとも私が一緒だ!」「私の居場所はこの先にある、放して!」端木翠は展顔を突き飛ばすと、沈淵の中へ吸い込まれてしまう。焦った展顔は端木翠を追いかけようとしたが、江文卿が引き止めた。しかし展顔はその場にひざまずいて不孝を詫び、これからは端木翠のために生きたいと懇願する。「義父、行かせてください!」「顔児…なぜそこまで…」もはや江文卿は展顔を引き止めることができなかった。すると展顔は捕吏の官服を脱いで義父に渡し門へ向かう。「端木!待っていてくれ!」展顔は沈淵に落ちて行く端木翠に追いつき、腕をつかんだ。「展顔?!どうして来たの?!あなたは啓封を守らなくては…」「今日から私は啓封の捕吏頭ではない、君だけの展顔になった 今回は私のわがままを通させてもらうぞ」しかし2人は急に強い力で引き裂かれ、時間の波に揉まれて飛ばされてしまう。千年前…将軍の幕舎でうたた寝していた端木翠はふと目を覚ました。長い夢を見ていたようだが内容は思い出せず、なぜか胸が苦しい。腹心の阿弥(アビ)は心労からだと気遣ったが、そこへ急報が届いた。「将軍!觳閶将軍が今夜、安邑(アンユウ)城を夜襲するそうです!」「馬を!」一方、端木翠を追って千年前に迷い込んだ展顔は崇城にたどり着いた。…これが千年前の世界、端木、君が全てを捨ててでも戻りたかった場所なのか?…君は今、一体どこにいる?展顔は当てもなく端木翠を探しに出かけた。その時、闇を切り裂くように馬が地面を蹴る音が響き渡る。展顔は急いで坂を下って行くと、安邑へ馬を駆ける端木翠と義兄・楊鑑(ヨウカン)の姿があった。「端木!」端木翠は誰かに名前を呼ばれた気がして馬を止めたが、結局、走り去ってしまう。端木翠と楊鑑は竹林で戦闘の跡を見つけ、馬を降りた。すると暗闇から觳閶軍が現れる。「そなたらは後方支援だ、ここで何を?」觳閶は勝手に応援に駆けつけた端木翠を叱責、これも許嫁を守るためだという。実は觳閶軍は安邑軍を罠にはめ、見事に敵将・費仲(ヒチュウ)の首を取っていた。もし端木翠と楊鑑がもう少し早く到着していたら、敵軍は2人に気づいて警戒し、計画は失敗していただろう。端木翠は急変する戦況に援軍は必要だと反論し、今後は先に相談するよう諫めた。かつて端木営は渑(ジョウ)城の戦いで誤った知らせを受け、甚大な損失を出している。端木翠にとってこれは深い心の傷となったが、觳閶はその時の失敗を引きずって慎重になり過ぎていると指摘した。無神経な觳閶に楊鑑は憤慨、しかし端木翠は手柄を立てた觳閶軍を称えて帰ってしまう。連戦連敗の幽族、そこへ安邑城の費仲が戦死したと報告が届いた。敵将は觳閶、しかし幸いにも人族の追撃はなく、城門を閉めたおかげで城は安泰だという。幽王は安邑城が落ちれば崇城も危うくなると焦り、新たに安邑へ援軍を送ると決めた。しかし志願する幽族はいない。すると太子・尾龍(ビリュウ)が先鋒を務めたいと名乗りを上げた。人族の陣営では觳閶軍の勝利を祝って宴が開かれた。面白くない端木翠はひたすら酒をあおっていたが、その時、向かいに座っていた将軍・高伯蹇(コウハクケン)が嫌味を言う。「觳将軍の祝宴なら許嫁である端木将軍の祝宴も同然だな? 端木将軍が羨ましいよ、配下の女たち共々、立派な許嫁の功にあやかれるんだからな 俺たちは己の力だけが頼り、実力勝負だ!」そうだ!>ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ<おおお~!すると端木翠はいきなり机に短剣を突き立て、高将軍を睨みつけた。「女になりたければ切り落としてやろうか?」つづく(´・ω・`)あ___展顔が官服を捨ててしまった___確か配信当時、このあたりから急激に視聴意欲が落ちてしまったのよねw
2022.12.22
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玉昭令 No Boundary Season 1第26話温孤(オンコ)は端木翠(ダンムーツェイ)が生きていると知り、儺神(ダシン)廟へ駆けつけた。そこで趙武(チョウブ)と張瓏(チョウロウ)を見つけ、端木翠が展顔(ヂャンイェン)と一緒だと気づく。「言え、展顔はどこだ?!」しかし趙武は幽毒をばらまいた温孤を激しく非難、知っていても教えないと言い放った。「…では覚悟するんだな」憤慨した温孤は龍気を放とうとしたがその時、紅鸞(コウラン)が止めた。温孤は柱に縛り付けられた紅鸞に気づいた。「はっ!梱仙縄(コンセンジョウ)?!…端木がここに来たんだな?!」温孤は紅蘭を解放し、崇城(スウジョウ)に行ったと聞いて飛び出して行ってしまう。崇城では端木翠と展顔が幽族に包囲されていた。その時、温孤が戻ってくる。「端木!本当に生きていたんだな!…安心しろ、誰にも君を傷つけさせたりしない」「…温孤、私を傷つけているのはあなたよ?」端木翠は長槍を招喚、温孤の胸に突きつけた。「あなたは良心を失い、民を毒牙にかけた…もう″千年来″の親友じゃない」温孤はついに端木翠の記憶が戻ったと知り、それでもまだ展顔と一緒にいるのかと憤る。「千年前は觳閶(コクショウ)を想い、今度は展顔だ… なぜずっと尽くしてきた私を見ようともしない?!」端木翠は長槍を消し、温孤に蓬莱(ホウライ)で罰を受けるよう説得した。しかし温孤はもはや手遅れだと拒否、後戻りなどできないという。「だったら私がけじめをつける…」端木翠は乾坤(ケンコン)袋から法器を取り出し、温孤を結界に封じ込めた。すると天雷が温孤を直撃、その様子を神仙たちも蓬莱で見守る。温孤は激しい電撃を受けて血を吹き出し、端木翠の仕打ちに深く傷ついた。そしてついに2道目の天雷が落ちて来たが、その瞬間、紅蘭が現れ、温孤の身代わりとなって打たれてしまう。たとえ1道でも仙力の弱い桃花妖には致命傷、紅鸞はその場で崩れ落ちるように倒れた。端木翠は紅蘭に駆け寄り、抱き起こした。「紅鸞…何て馬鹿なことを」「2人とも…私の大切な人だから…傷つけ合って欲しくない… だって私にとって…草盧(ソウロ)で暮らした日々は一番、幸せだったから… 実は…千年前からあなたと親しくなりたかったの… でもあなたは高名な将軍、近づけるはずもない… でも幸運なことに啓封(ケイホウ)で再びあなたと会えたわ…」すると紅鸞は温孤の命だけは助けて欲しいと哀願した。しかし端木翠は約束することができない。そこで紅鸞はわずかに残った内力を使い果たし、温孤を逃した。温孤が去り、幽族も逃げて行った。端木翠は展顔と一緒に霊力を失った小さな桃の木を植えて崇城をあとにする。一方、蓬莱では神仙たちが惜しくも温孤を逃がしてしまったと落胆していた。かくなる上は神女が残した五蛮雷(ゴバンライ)を使って温孤を成敗するしかない。神仙たちはひざまずいて五蛮雷を招喚、すると楊鑑(ヨウカン)の手元に法器が降りてきた。温孤と紅鸞は廃墟と化したかつての王府にいた。すると温孤は端木翠を生き返らせるために集めた生気を取り出し、全て無駄骨だったと握りつぶしてしまう。「お願いよ、端木はあなたのものじゃない、執着してはだめ」「…無理だ、私は端木のために生きてきた、もし死ぬのなら端木の手で死にたい」温孤は結局、端木翠の元へ戻ってしまう。「温孤ぉぉぉ~!」…あの時、幼い太敖(タイゴウ)は枯れそうな桃の木を王府の庭に移植し、自分の血をかけてやった『僕の血には霊気がある、すぐ生き返るよ』すると桃の木はすっかり元気を取り戻し、美しい花を咲かせる『名前をつけてあげよう、お前は鸞鳥(ランチョウ)を引き寄せられる…名は″紅鸞″にしよう』紅鸞はやがて見事な大木となったそんなある日、青年になった太敖は崇城を去ると決意、紅鸞に別れを告げる『もう世話もできぬ…達者で』紅鸞は千年の修行を積み、ついに人像(ヒトガタ)を得たそして恩人であり想い人である太敖を探す旅に出るすると端木(タンボク)村で偶然、太敖を見つけたしかし太敖から人違いだと冷たく突き放されてしまう『私は温孤、端木将軍の副将だ、間違えるな』『温孤…あなたのそばにいてもいい?』内力が尽きた紅鸞は昔を思い出しながら急激に枯れ落ち、ついに消散した。…温孤、私の一生はあなたに捧げた…あなたは私の風、もし来世があったら再びあなたという風を待つわ。・゜・(ノД`)・゜・。端木翠と展顔は啓封に戻った。幽毒で次々と倒れる民たち、その姿に端木翠は心を痛め、札を使って神医たちを招喚する。しかし華佗(カダ)神医は幽毒が故気から作られるため、故気を除かねば仙薬を用いても一時しのぎにしかならないと忠告した。「どうすべきかは端木上仙もお分かりのはずです」一方、趙武と張瓏も啓封府に戻っていた。死が目前に迫った張瓏は何度も趙武を追い出そうとしたが、趙武は決して離れようとしない。すると趙武の根気に負けた張瓏は叶わないと知りながら、元気になったら趙武に嫁ぐと約束した。。゚( ゚இωஇ゚)゚。端木翠は温孤を殺せなかった自分を責めた。しかし展顔は端木翠のせいではないと慰め、何が起ころうとも一緒に立ち向かうと誓う。その夜、展顔は憔悴した端木翠を休ませるため啓封府に連れて帰った。端木翠は実は展顔が自分との思い出の人形や飴細工を大切に保管していると知り、心が揺れる。「…あなたも早く休んで」「眠くない!君のそばにいたいんだ!」すると端木翠は以前、寝つきの悪い展顔に贈った漆園(シツエン)蝶を箱から呼び出し、展顔を眠らせてしまう。「ごめんなさい…」蓬莱は五蛮雷で温孤の魂を粉砕させるつもりだった。しかし端木翠が駆けつけ、自分でけりをつけたいと懇願する。楊鑑は半刻ほど猶予を与えると認め、成敗できなければ五蛮雷を落とすと決めた。「分かったわ、自分の過ちは自分で償う」翌日、江文卿(コウブンケイ)と上官策(ジョウカンサク)は昼になっても目を覚さない展顔に困惑していた。そこへ青花(セイカ)小仙が駆けつけ、展顔に体当たりして術を解く。「(はっ!)…私はどれほど寝ていたんだ?端木は?」すると青花は門主が行方知れずだと訴え、また見失ったのかと責めた。展顔は端木翠が温孤を退治するため独りで出かけたと気づき、すぐ後を追うことにする。「義父、策児、万一私の身に…」「顔児、万一はない」温孤の前に端木翠が現れた。「あなたを親友だと思っていたのに、道を踏み外したわね…」「親友?なぜ恋人にはなれぬのだ?…いくら尽くしても報われず、今や君の敵になってしまった」「どんな理由があれ、無辜の民の命を奪うなんて…」「それが何だ、君がいなければこの世には何の意味もない…」端木翠は自分の配下になった時、一緒に人間界を守ろうと約束したはずだと嘆いた。しかし温孤は他に方法がなく、どうしても端木翠が欲しかったという。「そこまで執着するなら仕方がないわ…」端木翠は長槍を招喚した。すると温孤は端木翠に少しも自分を思う気持ちがないと気づき、考えが変わってしまう。「殺される覚悟で来たが、それでも君の心は得られない…ならば君を展顔から奪う! 端木、君は魂が癒えたばかりで私には勝てない、選択肢をやろう 私と去るか、もしくは私と一緒に死ぬかだ!」「どちらもお断りよ!」江文卿は啓封を見回りながら、幽毒の犠牲となった民たちを見て自責の念に駆られた。あの時、自分が神位を譲って他の者に蓬莱を任せなければ、人々は今日も元気で暮らしていたかもしれない。…この惨禍を招いたのは私だ…どんな代償を払おうとも現実を変えることで罪滅ぼしをしたい…そのためなら時を戻し、天をも覆すそこで江文卿は床に伏せった夫人を見舞い、世人に理解し難いことをしても責めないかと聞いた。夫人は笑顔を見せ、誰に理解されずとも応援すると夫の背中を押す。すると江文卿は覚悟を決め、上官策に啓封府を任せることにした。「もう私がいなくても大丈夫なはずだ、義母を頼む…」崇城では端木翠と温孤の激しい戦いが続いた。すると展顔が駆けつけ、端木翠を救おうと巨闕(キョケツ)で助太刀する。「展顔!巨闕を直したのは無駄死にさせるためじゃないのよ?!」「私は君と生死を共にする」しかし温孤はただの人間である展顔が端木翠と生死を共にすることなどできないと言った。「私こそ端木と結ばれるべきだ!」「温孤よ、端木はお前を心から大切にしてきた お前のために解毒薬の入手に尽力し、誅神(チュウシン)剣にも刺された だがお前は身勝手な理由で民を傷つけ、端木に無理強いしている! お前に端木と結ばれる資格などない!」「ギギギギ…死ね!」温孤は展顔を守ろうとした端木翠を吹き飛ばし、その間に展顔の胸を刺した。「温孤!やめて!」端木の悲鳴を聞いた温孤は剣を止め、民の命と展顔の命ならどちらを選ぶか尋ねる。その手には幽毒の解毒薬があった。「端木…君が展顔の息の根を止めろ」展顔は民のため犠牲になると決意、端木に巨闕を渡した。そして肌身離さず持っている人形を差し出し、自分の代わりに持っていて欲しいという。しかし端木翠は巨闕で人形を払った。「私はあなたをもう愛していない」「馬鹿だな、私が愛すれば十分だ」そこで温孤が展顔から剣を引き抜くと、端木翠は泣きながら巨闕を展顔に突き刺した。「私を忘れて…(グサッ!)」「ウッ!」つづく( ;∀;)ェェェェェ___展顔んんんんん!
2022.12.21
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玉昭令 No Boundary Season 1第25話啓封(ケイホウ)の城門が結界でふさがれ出入りができなくなった。幽族の仕業なのは明らか、人間では太刀打ちできない。江文卿(コウブンケイ)は成偶(セイグウ)と朱然(シュゼン)に城門の見張りを任せ、働き詰めの展顔(ヂャンイェン)と上官策(ジョウカンサク)を休ませることにした。しかし展顔は端木草盧(ソウロ)が心配になり、雨の中、様子を見に行ってしまう。その夜、端木翠(ダンムーツェイ)は城門を封じている結界を解いた。やはり結界は龍族のもの、幽毒は本当に温孤(オンコ)の仕業らしい。端木翠はひとまず草盧へ帰ったが、そこには雨に濡れた青花(セイカ)小仙を気遣う展顔の姿があった。咄嗟に仙力で自分の姿を消す端木翠、すると青花は蓬莱(ホウライ)まで行って主人を救っておきながら、なぜ手放したのかと展顔を責める。展顔は努力したが上仙の端木とは釣り合わないと釈明し、ともかく青花を部屋まで運ぼうと手を差し出した。しかし青花は怒って独りで先に入ってしまう。その時、展顔は急に激しく咳き込み、喀血した。端木翠は自分が近くにいるせいだと慌てたが、展顔は意識を失って倒れてしまう。青花と小薬瓶は何とか展顔を寝台まで運び、薬を用意した。どうやら展顔は心労がたたり倒れた様子、その時、外から物音が聞こえ、青花たちは慌てて飛び出して行った。その隙に端木翠は展顔の具合をそっと確認する。するとうなされた展顔が端木翠の手をつかんで放さなかった。「端木…私を置いていかないでくれ…お願いだ…端木…」「展顔、私はここよ、大丈夫、ごめんなさい…」端木翠は泣きながら展顔の口へ薬を運ぶと、やがて眠ってしまう。( ;∀;)展顔んんん展顔が目を覚ますと端木翠の寝顔があった。愛しい端木翠を見つめながら髪をなでる展顔、すると気がついた端木翠は慌てて出て行こうとする。しかし展顔が咄嗟に端木翠の手を引っ張って抱き寄せた。「私を見捨てるはずないと思っていた…端木、本当に君なんだな?」端木翠は展顔の背中に手を回そうとしたが、ふと楊鑑(ヨウカン)の警告を思い出して展顔を突き放してしまう。「展大人(ダーレン)、私は所用で戻って来ただけ、あなたがいると知っていたら入らなかったわ」「…すまない、無礼な真似をして」展顔はなぜ端木翠が自分を冷たく突き放すのか理由も分からないまま、草盧を後にした。。・゜・(ノД`)・゜・。端木翠はひとしきり泣いた後、気を取り直して啓封府に江文卿を訪ねた。「義父、ご無沙汰しました」「過去の記憶が戻ったんだな?…展顔の件は早く決断せねば厄介なことになる」「…展顔とは縁を切ります、どうかご心配なく、幽毒を一掃したら蓬莱へ帰ります」実は端木翠が啓封府を訪ねたのは幽毒の件だった。江文卿は啓封府が全面的に協力すると約束、直ちに温孤医院へ行かせる。一方、端木翠を生き返らせるため生気を集めた温孤は、幽族を煽って蓬莱でひと暴れすることにした。温孤医院では城門がふさがれたせいで薬が不足していた。そこで端木翠は飲み水の中に幽毒に効く札を溶かし、おかげで苦しんでいた患者たちの症状は劇的に緩和される。しかし幽毒の源を除かねば焼け石に水だった。端木翠は啓封の水源となる井戸の水を調べた。そこで自ら水を飲もうとしたが、突然、現れた展顔が柄杓を奪って飲んでしまう。「展顔!毒が入っていたらどうするの?!…今は非常事態よ、気をつけて」「私を心配してくれるのか?」しかし端木翠は何も言えなかった。「井戸が幽毒の源だと思ったけれど違ったわ…地中の気なのかもしれない」恐らく温孤が何か仕組んだはず、すると端木翠はある神仙の存在を思い出した。端木翠は展顔と儺神(ダシン)廟へ駆けつけた。すると壊れた仏像が床に転がっている。「儺神は下位の神仙だけど気位が高い、己の像の破損は許さないはず…」その時、端木翠は像の近くに落ちている龍の鱗を拾った。「思った通り温孤はここへ来たのよ」捕吏の張瓏(チョウロウ)は最初の患者だった子供を助けた際、幽毒を吸い込んでいた。札の水を飲もうとするも水瓶はすでに空、ついに発病して喀血してしまう。趙武(チョウブ)は感染も恐れず愛する張瓏を背負い、慌てて端木翠を探しに出かけた。その頃、端木翠は仏堂の外で地中に埋められた儺神の像を発見した。「(はっ)温孤は儺神を殺して幽毒をまいている!」端木翠は早速、三昧真火(サンマイシンカ)で幽毒を除いたが、突然、雲行きが怪しくなり、激しい雨が真火を消してしまう。すると紅鸞(コウラン)が現れた。門主の無事な姿に感激する紅鸞、その一方で温孤の悪事を知られてしまったと動揺する。そこで紅鸞は幽毒をまいたのも故気を放ったのも自分だと罪をかぶったが、端木翠をごまかすことはできなかった。「いいわ、温孤と会う」「門主!」紅鸞は端木翠を引き留めようとしたが振り払われ、その勢いで面紗がずれて枯れた右頬があらわになってしまう。…そもそも他人の生気を奪うのは天に背く行為そのため肉体を離れた生気は自然と散ってしまうしかし紅鸞は草木の命が源である桃花妖のため、自分の生気を使って人間の生気が散るのを防げた全ては愛する温孤のため、すると生気を激しく消耗したせいで紅鸞の顔の半分が枯れてしまう…紅鸞は温孤の悪行が全て端木翠のためだったと訴え、恩情を請うた。しかし端木翠は民を害した者には情けをかけられないと一蹴、自分の手で成敗するという。「端木!温孤はあなたのために神位を捨てて幽王になったわ、あなたが心の支えなの! どうかお願い、残酷な真似はしないで…」すると端木翠は引き止めようとする紅鸞を仏堂の柱に梱仙縄(コンセンジョウ)で縛り付けてしまう。「そこで頭を冷やしなさい」温孤は端木翠を奪い返すため、幽族を率いて蓬莱に乗り込んだ。そうとは知らず、端木翠は温孤を探しに崇城(スウジョウ)を訪れる。千年前の償いもままならぬうち、まさか自分のせいで温孤が無辜の民を死なせることになろうとは…。展顔は辛そうな端木翠を気遣い、責任は選択した本人が取るべきだと慰めた。崇城に千年前の敵・端木翠が現れた。幽族は騒然、しかし端木翠は温孤に会いに来たという。「幽王はご不在だ!」「どこにいるの?!」その頃、温孤は帰墟(キキョ)にいた。しかし端木翠の情債(ジョウサイ)箱がない。すると楊鑑(ヨウカン)が駆けつけ、端木翠なら温孤の尻拭いで人間界へ行ったと教えた。にわかに信じられない温孤、これも楊鑑の嘘だと激怒して襲いかかってしまう。2人は激しく激突したが、麒麟の小天(ショウテン)が現れ、主人を守った。「温孤、やめろ!端木上仙は本当に生きている!お前の行いももうバレているぞ!」「不可能…」「端木上仙は幽毒を除くため啓封へ行った!蓬莱を襲ったことも上仙は絶対に許さないぞ!」小天の言葉に温孤は激しく動揺した。「端木がまだ生きている…?!」温孤の怒りの黒雲が啓封を覆い、豪雨が襲った。家屋は浸水、啓封府では大事な文書の運び出しに追われていたが、その頃、張瓏を背負った趙武はようやく儺神廟に到着する。しかし端木翠の姿はなく、柱に縛られた紅鸞がいた。紅鸞はもはや手遅れだと教えたが、趙武は愛する張瓏を必ず救うという。「もう十分よ…趙武…もう行って…早く!」「絶対に嫌だ…辛ければ私の手を噛め」すると張瓏は泣きながら趙武の手を噛んだ。「本当に馬鹿な人ね…死ぬのが怖くないの?」「母さんが言ってた、男は女房以外を怖がるなって」紅鸞は趙武の深い愛情に心を打たれたが、その時、温孤が現れた。「言え、展顔はどこだ?!」つづく( ๑≧ꇴ≦)キィャァー! ←何が?w
2022.12.20
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皎若云间月 Bright as the moon第15話「狙われた赤子」雲浅月(ウンセンゲツ)の叔母・雲皇后に皇子が生まれ、皇帝は上機嫌だった。すでに問題児を装う必要がなくなった浅月も今や皇帝のお気に入りの郡主、可愛がられている。一方、銭荘の爆破事件を追っていた容景(ヨウケイ)は腹心・上官茗玥(ジョウカンメイゲツ)に民間の爆薬製造所を調べさせていた。すると工房が墨閣(ボッカク)という組織と関係していることが分かる。しかも墨閣の実態は淇(キ)国人の集団で、若く美しい女頭目は慕容(ボヨウ)将軍と深い関わりがあった。「慕容の冤罪に淇国の惨劇…目的は復讐に違いない」冷(レイ)王は妹の冷貴妃を訪ねた。兄から見ても冷貴妃は慎みがなく皇帝の足も遠のくはず、そのため子宝にも恵まれない。そこで冷王は皇帝の寵愛を得るよう努力し、皇后には従順であるよう諭した。「そうだ、お前にやった月岐(ゲツキ)の香粉を少しくれないか」冷貴妃は兄が帰ると早速、聖陽宮へ向かった。すると雲郡主が慣れた様子で皇后の寝宮を取り仕切っている。冷貴妃は皇帝が雲郡主のために寝殿まで用意したと聞いたことを思い出し、もしや姪も入宮させるつもりかと揶揄した。「そのうち容色が衰えたら皇后を追い出してそなたを後釜に置くかも…」バシッ!⊂彡☆))`Д´)アゥッ!浅月は叔母を辱めた冷貴妃を引っ叩き、侍女に命じて追い返してしまう。皇帝は嫡子の九皇子・天賜(テンシ)を太子に冊立した。焦った冷王は三皇子の生母・蕭(ショウ)妃を訪ね、皇太子を狙うと教える。実は冷王と蕭妃は過去に少なからず関係があった。「灯火は何本もあるゆえ、1本のみに気を取られないよう…」皇帝は皇后と夕食を共にした。その間、浅月は皇太子をあやしていたが、冷貴妃に手を上げたことを皇帝から追及されてしまう。しかし浅月の弁明を聞くと皇帝は憤慨、むしろ浅月が宮中に留まることは問題ないと許した。すると乳母が急に悲鳴を上げる。「太子殿下ががが!」侍医は皇太子が中毒だと診断した。命に別状はないが、知能に障害が残る可能性が高いという。少なくとも毒は口から入ったわけではないと分かったが、原因を特定するには調べが必要だった。皇帝は容景に調査を任せた。知らせを受けた容景は早急に参内、すると浅月が独り途方に暮れている。「(はっ)景世子…」「…その時、太子はどこに?」「ここよ」皇太子は赤子用の寝台で寝ていた。口に入れる物は常に検査しているので毒の混入はありえないという。容景は早速、浅月と一緒に寝台を調べたが、ふと浅月がいつもと違う香りだと気づいた。「ある種の香は嗅ぎすぎると昏迷したり気が触れたりする、こういった毒物は険しい山に多い 薬草を採りに山へ入る者はその毒物を採取してろうそくの芯を作り、燃やして快楽にふける…」すると容景はろうそくの火を吹き消した。容景はろうそくの芯に薬物が染み込んでいたと報告した。火がつくと無味無臭の煙が出て皮膚から吸収され、大人に影響はないが皇太子が窒息してしまったという。「幼い子だけに効く毒です」皇帝は悪辣な方法に激怒、すると浅月が月岐の公主・拓跋葉倩(タクバツヨウセイ)を連れて駆けつけた。実は公主の蛇なら毒のありかを見つけられるという。葉倩はろうそくの香が月岐特産の曼陀羅草(マンダラソウ)だと気づき、蛇の餌にも入っていると説明した。葉倩の蛇は冷貴妃の寝宮へ入った。蛇を見た冷貴妃と侍女は悲鳴をあげて動けなくなったが、そこへ皇帝たちがやって来る。すると葉倩は蛇を回収し、冷貴妃の化粧台にあった箱を容景に渡した。中には確かに曼陀羅草の粉末が入っている。浅月は赤子を狙った冷貴妃を非難したが、覚えのない冷貴妃は困惑した。「濡れ衣です!この粉は長いこと使ってきました!決して毒などでは…」その時、冷貴妃は兄の冷王に曼陀羅草を渡したことを思い出し、ようやく何が起きたのか悟った。しかし兄の仕業とは言えず、令宮送りになってしまう。皇太子は治療のため南梁(ナンリョウ)に預けることになった。浅月は必ず良くなると叔母を励ましたが、雲皇后は辛くてたまらないと涙に暮れる。「あまり思い詰めず、ゆっくりお休みください…」一方、皇帝も心を痛め、政務にも身が入らなかった。すると三皇子が薬湯を差し入れにやって来る。「もし外地への任務でもあれば私にお任せください」三皇子は殊勝に振舞って父皇の反応を見たが、皇帝から早々に追い返されてしまう。三皇子は冷王を厳しく非難した。「父皇は私を疑っている…今回はやり過ぎだ!仮にも私の弟だぞ?! 私は自分の力で権力を勝ち取りたい! 昔から感じていた、父皇に見放され、期待とは無縁の息子だと… 秦玉凝(シンギョクギョウ)との縁談も、秦家に私を監視させることが目的だろう それも受け入れたというのに、この有り様だ…納得いかぬ!」すると冷王が三皇子が長年、駐屯していた鳳凰関(ホウオウカン)に治水工事の上奏があったと教えた。「治水の監督を名目に、現地で兵力を固めては?」冷王はいっそ挙兵してはどうかと提案した。確かに父皇が受け入れてくれないなら、別の道を行くしかない。三皇子はついに覚悟を決め、冷王も三皇子に命を捧げると誓った。上官茗玥は慕容家の古い友人が鳳凰関にいると突き止めた。その者を探せば当時の状況が分かるという。容景は先日、水害地域の鳳凰関に食糧配給の上奏文が出されたことを思い出したが、辺境に疎い自分を陛下が派遣するとは思えなかった。そこでひとまず茗玥が先に探りに行くと決めたが、容景が急に参内を命じられる。実は三皇子が一足早く水害が深刻な鳳凰関を任せて欲しいと嘆願していた。確かに鳳凰関は淇国との国境に近く機微を要する地域、すると皇帝は天逸(テンイツ)に災害救済を任せると決める。しかし軍人の三皇子は政務に不慣れだと、容景を補佐につけた。三皇子はおとなしく拝命して下がったが、屋敷に戻ると冷王に不満を爆発させた。「明らかに警戒している!まさか容景も一緒だとは…」三皇子は容景が望春楼(ボウシュンロウ)を焼いたことを知っていると明かし、すでに父皇の耳に入ったのではと疑心暗鬼になる。しかも容景は月岐で慕容家の事件を嗅ぎ回っていた。すると慕容と聞いた冷王は急に高笑いする。「三殿下、景世子の出現は天の助けですぞ!ご安心を、この冷王が全て手はずを整えます」一方、雲王府では香荷(コウカ)が宮中に入り浸りの浅月に嫉妬していた。そこで生母に泣きつき、景世子との縁談を祖父に頼んで欲しいと訴える。生母は身分が違いすぎると相手にしなかったが、香荷は断るなら池に飛び込むと脅した。しかしうっかり足を滑らせ、本当に落下してしまう。その時、ちょうど帰ってきた浅月が池に飛び込み、香荷を助けた。皇太子の病を重く見た皇帝は四皇子に葉倩との婚姻を賜った。葉倩は夢が叶ったと感激もひとしお、しかし浅月が好きな四皇子は喜べない。皇帝は四皇子が婚姻に乗り気でないことを知っていた。そこで四皇子を散策に誘い、早く身を固めて自分の地位を継いで欲しいと説得する。月岐と婚姻を結べば両国の後ろ盾を得て大切な人も守れるようになるからだ。実は皇帝は軽染の生母を入宮させたことを後悔しているという。「宮中になど入らず、普通の家に嫁いでいれば苦しませることもなかった 同じ思いを浅月にさせたいか?」つづく(  ̄꒳ ̄)今度は鳳凰関か〜って″鳳凰″の何かがここにあるのか?!
2022.12.19
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皎若云间月 Bright as the moon第14話「南梁の玉環鏡」三皇子は父皇が決めた許嫁が宰相の娘で軍人の秦玉凝(シンギョクギョウ)だと聞き愕然となった。冷(レイ)王も予想外だったが、これは四皇子と宰相の連盟を崩す好機だという。「ようやく帰還できたのです、詔に公然と背けば陛下の不興を買うことに…」すると使用人が駆けつけ、秦都官が訪ねて来たと伝えた。秦玉凝は三皇子も当然、自分との婚姻を拒否するはずだと高をくくっていた。そこで三皇子から婚姻の破棄を申し出て欲しいと懇願する。しかし驚いたことに三皇子は互いに想い人がいても情が湧くこともあると言った。「我々の間にあるのは愛ではない、いわば一種の連携だ」三皇子は思わず玉凝を引き寄せると、憤慨した玉凝は帰ってしまう。冷たい雨の夜、雲浅月(ウンセンゲツ)は酒楼の欄干に腰掛けて酒をあおっていた。その様子を遠目から容景(ヨウケイ)が見守っている。すると浅月はうっかり酒瓶を落とし、2階から落下しそうになった。その時、突然、容景が現れ、浅月を引き上げてくれる。「三殿下の結婚の知らせでやけ酒か?」「あの人は無関係よ…」浅月は全て思い出したと教えた。これで何もかも終わったと落胆する容景、しかし浅月はそれでもなお愛しているのは容景だという。浅月の気持ちを聞いた容景は突き放すことができず、泥酔した浅月を雲王府まで送って行った。その様子を浅月の帰りを待っていた三皇子が見てしまう。容景を諦められない秦玉凝は朝議で三皇子との婚姻を辞退した。「以前から慕うお方がいます…景世子です」玉凝は鷹揚衛(ヨウヨウエイ)を率いて尽くした功績をもって容景との婚姻を賜りたいと嘆願する。しかし容景は即座に秦都官の厚意に応えられないと断り、従来より患う病により療養したいと皇帝に申し出た。朝堂は騒然、玉凝に袖にされた三皇子も容景に断られた玉凝も面目を失ってしまう。三皇子は自ら栄王府に容景を訪ね、同盟を持ちかけた。しかし容景は政争に興味などなく、懐柔も警戒も必要ないという。「それにしても都に敵なしの三皇子が、なぜわざわざ前太子の前途を火中に?」屋敷に戻った三皇子は憤慨した。全ての証拠を消したはずだったが、まさか容景に尻尾をつかまれていたとは…。藍漪(ランイ)はすぐ動くか聞いたが、三皇子は自分より気持ちが収まらない者が動いてくれるという。すると三皇子は南梁(ナンリョウ)との国境で異変を起こすよう命じた。南梁では吉日に異変が起こると玉環鏡を祭壇に掲げ、天に鎮国の祈りを捧げるという伝統がある。「その時こそ行動を起こす好機だ」「しかし国宝である玉環鏡は…」「噂の真偽はどうであれ可能性があるならやるしかない、皇帝の座も、女人に対しても同じことだ」「…では殿下は天下と女人を得るため藍家を渦中に?」「お前はいつも鋭い、賢い女だ」南梁の城門に顒(ギョウ)が現れた。これは干ばつの兆し、報告を受けた南梁王は玉環鏡を出して祈祷を行ったが、その最中、祈祷師の中に紛れていた賊に鏡を奪われてしまう。南梁王は民の動揺を恐れて鏡の件を内密にし、世継ぎの南梁睿(ナンリョウエイ)に必ず探し出すよう命じた。浅月が中庭で物思いにふけっていると、突然、南梁睿が現れた。「よ!久しぶり~!」「ヒィッ!Σ(°∀°ノ)ノ 何でここにいるの?!」「公式訪問だ」すると南梁睿は玉環鏡を探すために来たと説明し、浅月に手を貸して欲しいという。浅月は玉環鏡が千年の寒鉄と玉で作られてた南梁の秘宝だと知り、例の3つの宝器だと気づいた。実は鏡が賊に奪われ、不審者を追ったところ藍家という江湖の組織が関係しているという。当主は腕の立つ女で、根城は天聖の摩天崖(マテンガイ)だと分かった。「私、知ってる!一緒に行きましょ!血を流さず取り返す方法があるの、磁石って知ってる?」南梁にとって玉環鏡を失うことは国の半分を失うも同然だった。古くから国宝として尊重されてきた玉環鏡は″天命を受けた者″の象徴、失えば天運が尽きるという。そこで浅月は摩天崖へ向かう道すがら、天然の磁石を探すことにした。浅月と南梁睿は摩天崖に潜入、そこで浅月は火をおこして洞窟に煙を充満させた。驚いた藍漪は配下たちに調べて来るよう命じ、玉環鏡を袋に入れて避難することにする。すると南梁睿が現れ、藍漪の行く手を阻んだ。「そなたのような美人を放ってはおけぬからな~ようやく理想の恋人が見つかったよ」憤慨した藍漪は謎の公子に襲い掛かり、南梁睿も応戦した。浅月は物陰から2人の手合わせを見ていた。洞窟に並んだ箱には藍家の印がついていたが、浅月はその印に見覚えがあると気づく。あれは確か火事に巻き込まれた酒楼で前太子の部屋の扉にあった印と同じだ。その時、南梁睿は藍漪が腰から下げていた巾着を上手いこと外すことに成功する。そこで浅月が落下した巾着の近くに磁石を投げて鏡を引き寄せ、見事に取り返した。すると南梁睿は藍漪を突き飛ばし、その隙に姿を消してしまう。雲王府に戻った浅月は南梁睿にしばらく玉環鏡を貸して欲しいと頼んだ。「必ず返すから~」「だめだ、国の宝なんだぞ?」2人は子供の喧嘩のように玉環鏡を奪い合ったが、その時、浅月は南梁睿の扇子を見て驚いた。その扇子は確かに浅月が幼い頃、兄に贈ったものだ。現代の手法で作ったため、浅月以外に作れるはずがない。「これをどこで手に入れたの?!」その時、騒ぎに気づいた雲王がやって来た。南梁睿は浅月の実の兄だった。初対面の時も南梁睿は浅月が妹だと知っていたが、当時はまだ明かせなかったという。「双子の噂は本当だったのね?」「昔から天聖では双子は不吉と言われておる だから生後間もない梁睿を母の実家である南梁に送り、養育させたのだ」雲王は命に関わる秘密のためくれぐれも公害するなと浅月に口止めした。南梁睿は雲王府に滞在することになった。そこで浅月が部屋へ案内することにしたが、中庭で偶然、従姉・香荷(コウカ)と出くわす。「妹妹~嫁入り前なのに陛下が知ったらお怒りになるわ~」しかし南梁睿が南梁の世継ぎだと知ると香荷は急に目の色を変えた。浅月は″白玉の神龍″と″千年の寒鉄″を手に入れた。残るは鳳凰の何かだが、どこで探せばいいのか見当もつかない。そんな中、叔母の皇后が皇子を出産、浅月は従弟の顔を見に行った。皇后は幸せだったが、宮中の平穏など長くは続かないものだという。叔母として浅月にも守ってくれる相手がいれば安心できると言ったが、浅月は自分で何とかすると答えた。「誰かが決めた相手とは結婚できないわ…」つづく( ๑≧ꇴ≦)蝎王(いや違うけどw)そうだったのか~!
2022.12.18
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玉昭令 No Boundary Season 1第24話愛する端木翠(ダンムーツェイ)を守るため司法星君・楊鑑(ヨウカン)に立ち向かった展顔(ヂャンイェン)。しかし神剣・巨闕(キョケツ)があるとは言え、人間の展顔では神仙の力に敵うはずもなかった。展顔は耐え切れなくなり喀血、驚いた端木翠は展顔をかばう。「大哥(ダーグァ)!展顔のことは私が何とかする、過去は自分自身で乗り越えるしかない 展顔は私のために鎖を切りに来たの、犠牲にはできないわ…この身が滅んでも意思は変わらない!」すると楊鑑は天兵たちを引き上げさせ、2人を見逃した。展顔と端木翠は人間界に戻った。記憶が蘇った端木翠は以前の自分とは違うと言ったが、展顔は何も変わらないという。その時、端木翠が立ちくらみを起こした。展顔は咄嗟に端木翠を支えたが、端木翠はその手を振り払ってしまう。「結構よ…自分で歩けるわ」…私には亡くなった戦友たちへの償いが残っている…だけど、展顔を忘れるにはどうしたらいいの?(´・ω・)おぅ…一方、温孤(オンコ)は端木翠を生き返らせるため、人間の生気を集めることにした。そこで手始めに宣平(センヘイ)村に幽毒をまいたが、幼い子供や神医だった自分を知っている男に情けをかけてしまう。すると紅鸞(コウラン)が現れ、子供と男を始末した。「もう後戻りはできません、殺せないなら私がやります」楊鑑は義妹の記憶を封じ込め、誅神(チュウシン)剣で刺してしまった後ろめたから端木翠を解放した。しかし神仙たちは沈淵(チンエン)を開かれることを恐れ、端木翠を蓬莱へ連れ戻せと説得する。すると楊鑑は何とかする代わりに3つの条件を出した。「1つ、端木の決定に口出ししない、2つ、展顔と端木に仕返ししない、3つ‥まだ決まっていない」端木翠と展顔は山間から上がる煙に気づいた。展顔が宣平村だと気づいて急いで駆けつけたが、村人の姿はなく、静まり返っている。端木翠は仙力を使って調べようとしたが、まだ魂が修復したばかりで力が出せなかった。「日が暮れる、ここで休もう」すると展顔は適当な民家に入り、安全だと分かるまで自分と離れるなと言った。「君は寝台に、私は床でいい」その夜、眠っていた端木翠は黒い煙を吸い込み、戦死した觳閶(コクショウ)の夢を見てうなされた。目を覚ました展顔は苦しそうな端木翠を抱きしめながら、やはり端木翠が許嫁を忘れられないのだと思い知る。「…大丈夫だ、端木、私がついている」すると翌朝、目を覚ました端木翠は隣にいる展顔に驚いて身体を起こした。「うなされた君が手を離してくれなかったんだ」「起こしてくれればよかったのに…展顔…話があるの」「腹が減っただろう?厨房へ行くよ」展顔は逃げるように外へ出ていってしまう。…展顔は何か知っているんだわ、觳閶のことを話さなくては…(´・ω・)展顔…端木翠は厨房で料理している展顔に話があると切り出した。しかし展顔は料理の手を休めず、端木翠の話を遮ってばかりいる。「展顔…啓封での日々が今までで一番、楽しかったわ、ありがとう、素晴らしい思い出よ」「きのこの汁物ができた、冷め…」「展顔!私の話を聞いて」痺れを切らした端木翠は展顔の手を止め、千年前の話を始めた。…端木(タンボク)村の首領だった端木翠には觳閶という許嫁がいた物心ついた時から觳閶は将来の夫と決まっていたというやがて幽王の暴政に立ち向かおうと2人で入隊2人は共に戦い、共にたくさんの苦難を乗り越えたしかし端木営はいつも先鋒を務めたことからやがて全ての男が戦死、女だけが残されてしまうすると義父・江易(コウイ)は觳閶と端木翠を夫婦にして端木営と觳閶営を統合しようと考えた…「だけど…私は拒んだ、従属したくなかったの」…端木翠は端木営の旗印を守りたかったそこで自分への愛を示さねば嫁がないと条件を出し、觳閶を困らせるすると觳閶は端木翠を娶るため崇城(スウジョウ)を落とすと約束、結局、無茶をして全滅した…「私のせいなの…婚姻の条件がなければ觳閶は無謀な攻撃をしなかった…私が悪いのよ…」端木翠が苦しんでいたのは許嫁への愛ではなく、仲間を死なせたことへの罪悪感だった。展顔は号泣する端木翠を抱きしめ、自分がそばにいるとなだめる。「いつも私が一緒にいるよ、そばにいさせてくれ」「展顔、どうしたらいいの?…私は多くの戦友を殺した 目を閉じると血に染まった戦場が浮かぶの…皆を忘れられない…ウッ…忘れられないの…」展顔は端木翠を抱きしめることしかできなかったが、その時、黒い煙が忍び寄り、展顔は急に意識を失ってしまう。しかしちょうど楊鑑が現れ、展顔から黒い煙を取り除いた。「大事ない…端木、話がある」端木翠や展顔を襲った黒い煙は″故気(コキ)″だった。実は崇城(スウジョウ)は宣平から東に10里のところにあり、当時、端木営はこの村で陣営を張っている。故気とは決戦で亡くなった多くの死者の怨念のことだった。これまで儺神(ダシン)が怨念を鎮めてきたが、神位を捨て幽王の地位を継いだ温孤が解き放ってしまったという。温孤は端木翠を楊鑑に殺されたと逆恨みし、蓬莱と人間界を敵視していた。「展顔が倒れたのは故気のせいだ、故気が生じた原因もそなたにある」楊鑑も端木翠もかつて人間界で手を血に染めた将軍だった。しかも怨念は愛する人にまでつきまとうという。「神仙なら心配ないが展顔は違う…」楊鑑は記憶を取り戻した端木翠は真っ先に沈淵を開くと思っていた。しかし思いがけず蓬莱を去ると聞いて気がついたという。「觳閶への想いは悔恨で、本当に愛しているのは展顔なのだな… だがそなたと一緒にいれば展顔は故気に侵される」「愛するほどに展顔を傷つけてしまうってこと?」そこで楊鑑は展顔の運命簿を招喚した。展顔は徳を積んできたため本来なら長生きできる運命数だったが、端木翠と知り合ってから確かに変化が生じている。やはり神仙が人間と一緒になることは不可能だった。「端木、お前から手を離してやらねば、展顔は非業の死を遂げることになる」展顔はまだぐっすり眠っていた。端木翠は机にある巨闕を鞘(サヤ)から抜き出し、刃のあちこちに入ったヒビに気づく。展顔は蓬莱へ行くため巨闕の力を使ったが、巨闕を操るには代償として寿命を差し出さねばならなかった。『巨闕が折れたら展顔は死ぬ』楊鑑の話を聞いた端木翠は別れを決意し、最後に自分の血で巨闕を修復した。…展顔、あなたとの出会いが私にとって1番の幸運だった…でも縁はなかったのね…手放してあげる、今日からあなたは自由よ展顔が目を覚ますと啓封府に帰っていた。確かに宣平にいたはずだが、義父母の話では門の前で倒れている展顔を見つけ、風邪のため3日間ほど寝込んでいたという。驚いた展顔は端木翠が独りで沈淵を開くつもりだと気づき、飛び出して行った。しかし朱雀街を探し回っても端木翠の姿はない。…私を送り届けたのならまだ近くにいるはずだ、沈淵を開いたら大変なことになる、止めないと…そこで展顔は端木翠が好きな露店を回り、門主を見かけたら月老廟で待つと伝えるよう頼んだ。…展顔、なぜそこまでするの?…端木翠は姿を消して展顔を見守りながら、人知れず涙を流した。思い詰めた展顔は啓封府に戻り、義父母に端木翠との縁談を申し出た。何も知らない夫人は喜んだが、江文卿(コウブンケイ)は端木翠と話し合ったのか確認する。「義父母の同意を得たら、すぐ想いを伝えて来ます!」江文卿は展顔の初めての頼みとあって断れず、すぐ婚姻書を書いた。その夜、展顔は月老廟の庭にある縁結びの樹に灯籠を下げた。端木翠はその様子を眺めながら、楽しかった展顔との思い出が蘇り、うっかり嗚咽を漏らしてしまう。すると展顔は気配を感じ、肩を叩いて信蝶(シンチョウ)を呼び出した。信蝶はやがて何もない場所でくるくると舞い始め、展顔はそこに端木翠がいると気づく。「端木、君は言った、家がないから明かりの下で待つ人がいないと… これからは私が君の家になろう、私が毎晩、明かりを灯し、君の帰りを待つよ 今宵、月老廟の前で誓う、私、展顔は端木翠を妻にすると約束する 君は生涯でたった1人の妻だ…嫁いでくれるかい?」端木翠は展顔の愛の告白に感激もひとしおだったが、ふと楊鑑の警告を思い出して涙をふいた。端木翠がついに姿を現した。「端木!やっぱりここにいたんだな!」喜んだ展顔は義父が書いてくれた婚姻書を取り出したが、端木翠が取り上げてしまう。「嫁がないわ」端木翠は心を鬼にして婚姻書を破り捨て、帰って行った。↓( ̄▽ ̄;)ビリビリに破かれちゃった展顔~端木翠は啓封を離れた。しかし故気の方は深刻な状態となり、楊鑑の話では幽族が啓封に入ったという。「次の目的は啓封の制圧だろう」その頃、捕吏の趙武(チョウブ)と張瓏(チョウロウ)は幽族に襲撃された朱雀街の後片付けに追われていた。すると明らかに具合が悪そうな子供がふらふらやって来る。「どうしたの?!大丈夫?!」2人は子供から放たれた幽毒に気づかず、慌てて医館へ運んだ。その様子を温孤と紅鸞がながめている。「さて、これで啓封の民から生気を集めれば端木を救うことができるな…」子供を診察した医者は幽毒だと気づいた。するとあっという間に感染が広がり、患者はひとまず仙薬がある温孤医院に集められる。展顔は病み上がりながら捜査に加わったが、もはや端木翠を頼るわけにいかなかった。展顔の様子がおかしいことに気づいた江文卿は神仙など当てにならないと嘆き、啓封を自分たちの手で守ろうと奮起する。…蓬莱図が消えた今、幽族を封じる神器はない…それなのに幽毒が人間を苦しめるとは…これは私が望んだ世ではない、過去に戻れば一からやり直せるはずだ温孤は久しぶりに細花流(サイカリュウ)に立ち寄った。「どれだけ犠牲者を出しても君を救い出す…」すると紅鸞がやって来る。「王上、端木の救出に十分な生気が集まりました…後始末はお任せください」「蓬莱は決して私を許さぬだろう、啓封は最後の切り札だ」温孤は紅鸞に宝器を授け、これで啓封を封鎖するよう命じた。「王上?…私が死んだら悲しんでくれますか?」「…無意味な質問だ」啓封では幽毒を恐れた民が逃げ出そうとしていた。しかし紅鸞が城門を封印してしまう。「温孤…あなたが決めたことなら何でも手助けするわ」つづく
2022.12.17
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风起陇西(ふうきろうせい)第二十四計(最終話)「 李(スモモ) 桃に代わりて僵(タオ)る」荀詡(ジュンク)は司聞曹(シブンソウ)の部隊を率いて陳恭(チンキョウ)がいる李厳(リゲン)の別荘へ乗り込んだ。成藩(セイハン)は楊儀(ヨウギ)たちが機密について話し合っていると制したが、興奮した荀詡をこれ以上、止める術がない。その時、楊儀が現れた。「嫌疑人から供述を引き出したところだ、急いで丞相に報告する…では失礼」荀詡は不自由な足を引きずりながら陳恭の元へゆっくり歩いて行った。「なぜだ?…なぜだと聞いている?!」しかし陳恭は何も答えず、むしろどこかほっとしているように見える。「連れて行け!」荀詡は陳恭が連行されるのを見ながら、ふと床に広げられた地図があることに気づいた。一方、李厳は楊儀が成都への道をすべて封鎖したため、陳恭の言葉通り漢城を通るしかなくなった。すると待ち伏せしていた馬岱(バタイ)将軍が立ちふさがる。李厳は先帝に従ってから忠誠を尽くしてきたと嘆いて一度は剣を抜いたが、結局、捨ててしまう。「よかろう、諸葛(ショカツ)に会わせろぉぉぉ!」ひと月後、李厳の事変により諸葛亮(ショカツリョウ)の第二次北伐は曹魏(ソウギ)大将軍・王双(オウソウ)の斬殺、陰平(インペイ)と武都(ブト)の回復で終結し、20万の大軍が粛々と漢中へ撤収した。成都に戻った楊儀は諸葛亮に理路整然と事の顛末を報告、しかし諸葛亮は楊儀が司聞曹を利用して李厳を失脚させたことに憤慨する。楊儀は李厳を排除せねば朝廷に災いが起きると訴えたが、諸葛亮は政争にも限度があり、人には守るべき原則があると戒めた。「…よく考えよ、よく考えるのだ、何をしでかしたのかをな」「お待ちを!丞相!全て漢の復興のためにしたことです!」諸葛亮は李厳と面会した。すると李厳は諸葛亮が楊儀に命じて司聞曹を動かし、自分を死地へ追い込んだと責める。しかし諸葛亮は何も知らなかったと答えた。「確かに不当な手段だ…しかし手段は不当でも結果は正しい こたびの事変は楊儀が仕組んだものだった だが二心あって司聞曹に唆され曹魏と手を組み、東呉の侵略を偽って兵糧を断ったのであろう? そなたは徒党を組んで南征を主張し、蜀漢と東呉の同盟を破ろうとした 国の根本を揺るがしたのだ! そなたを捕えてこそ国は滅亡を免れる、これは国家存亡の危機、我々の私怨は関係ない!」「南征か北伐かは国策の争いだ、おぬしが北伐を断行して曹魏を滅ぼせる保証がどこにある?」「この世に万全の策はない…だが東呉と結べば蜀漢は少なくとも30年、平和を保てる もし東呉との同盟に背き荆襄(ケイジョウ)に侵攻すれば、曹魏は機に乗じ漢中を奪うだろう 敵に挟まれた蜀漢は3年もせずに間違いなく滅亡する! そうなればあの世で先帝に合わせる顔が?!そなたが言う天下の民はよりどころを失うのだ 我ら2人は大漢のために命を懸けて尽くすべき、己の名誉に何の価値があろうか?」李厳は諸葛亮の言葉にがっくり肩を落とし、力なく首を垂れた。↓(゚∀゚ノノ゙8888888888〜荀詡は事変に関わることを禁じられたまま、何の情報もなくひと月が経った。するとようやく楊儀が現れ、陳恭の事案が結審し、斬首の後さらし首が決まったと報告する。荀詡は呆然、どうしても陳恭に会わねばならないと懇願し、面会する機会を得た。大罪人の陳恭は牢の中でも拘束具で自由が利かなかった。「判決が下りた…斬首だ、陽長史が見守る」「そうか…遠路はるばる苦労をかけたな」「なぜだ?…聞かせてみろ」すると陳恭は燭龍となった経緯について明かした。郭淮(カクワイ)は陳恭が機密を盗む現場を押さえながらも咎めず、馮膺(フウヨウ)が父を売ったという証拠を見せたという。「お前も同じ文章を見て私を疑ったのだろう?」陳恭は青萍(セイヒョウ)計画に最適の人材だった。そこで折りよく天水に来た荀詡を騙して協力させ、南鄭に戻ることに成功したという。「南鄭に戻ったら馮膺を殺して李厳を裏切らせ、父を害した奴らを始末するつもりだった…」しかし荀詡は信じられないと言った。荀詡はこの1ヶ月、何度も繰り返し考え、ある結論を導き出していた。「街亭(ガイテイ)の事案を機に郭淮は青萍計画を発動 お前は父君を殺した馮膺に恨みを抱いたことで郭淮の信頼を得た 五仙道へ行く表向きの目的は連弩(レンド)の設計図を盗むこと だが真の目的は高堂秉(コウドウヘイ)と五仙道を犠牲にして馮膺の地位に取って代わることだ まさしく私の協力があったから青萍計画を遂行できた 郭淮は一層、お前を信頼した、だが思いがけぬことに楊儀と馮膺がお前に反間計を授けていた 青萍計画は最初からお前たちが目的を果たすための表看板 本当の目的は李厳を陥れて失脚させることだった、だがここで妨害が入る…それが私だ 郭淮が命じたのだろう、手ずから私を殺せと…曹魏に従う最後の証拠だ だから黄預(コウヨ)は西郷(セイキョウ)関を襲撃した、そうすれば私を誘き出し、殺す機会を作れる そこまでは想定内だったが、困ったことに楊儀も私を殺せと命じた 燭龍について捜査をやめない私が反間計を脅かしていたからだ 私が燭龍の事案を追求すれば李厳の失脚は合理性を疑われてしまう、丞相にも影響が及ぶだろう …確かにこれは憶測だ、だが私は誰よりもお前を理解している!」荀詡はあの日、双方に自分の殺害を迫られた陳恭が同時に林良(リンリョウ)にも矢を射させたと気づいた。林良は裴緒(ハイショ)が隠した自分を監禁、陳恭は任務さえ完遂すれば自分を殺さずに済むと考えたのだろう。しかし負傷した自分が逃げ出し、陳恭の作戦は破綻した。本来は馮膺が死ぬはずだったが陳恭は作戦を変更せざるを得なくなる。「私のせいで己を犠牲にするしかなくなったんだな?!」「…間諜には墓場まで持って行く秘密がある 兄弟同士で殺し合い、夫婦も共に暮らせぬ…そんな日々にはうんざりだ」「私の見立て通りか?…これでは…私がお前を殺したのと変わらぬぅぅぅ…」「考えすぎるな」荀詡は陳恭を死に追いやったのが自分だと知り泣き崩れた。すると陳恭は頼みがあるという。「もう捜査しないでくれ…ここまでにしろ、打ち切りにするんだ…もう終わりだ」…荀詡が別荘に乗り込んできた時、陳恭は楊儀に自ら馮膺の代わりに黒幕になると申し出た『曹掾の罪は全て私に着せてください、そうすれば曹掾は汚名をすすぎ復職できる』楊儀は反対した実は李厳を失脚させた後、陳恭を曹魏の上層部に潜り込ませる仕上げの計画があるしかし確かにこの方法なら誰も巻き込まず、全ての事態に説明がついた…荀詡たちは楊儀と共に陳恭の処刑に立ち会った。すると晴れて無罪となり、復職した馮膺が遅れてやって来る。馮膺は荀詡の隣に立ち、丞相からの任務を伝えた。「東呉へ向かい、建鄴(ケンギョウ)で新たな情報網を作れ」その時、いよいよ処刑の刻限が来た。陳恭は大きく息を吐いて執行台に身体を預けると、最後に荀詡へ笑顔を見せる。「…ひとつ頼みがあります」荀詡は馮膺に陳恭と翟悦を同じ墓へ埋葬するよう頼んだ。その時、ついに執行人が剣を振り下ろす。次に処刑場に向かっていたのは狐忠(コチュウ)だった。馮膺が司聞曹に戻ると、部屋を掃除していた孫令(ソンレイ)が出迎えた。「姐夫(ジェフー)…」一方、郭淮は陳恭が処刑されたと報告を受け、計画が全て台無しになったと知り茫然自失となる。また無事に南鄭から離れた柳瑩(リュウエイ)は荀詡と陳恭それぞれからもらった二つの令牌を眺めながら、物思いにふけっていた。荀詡は東呉へ発つ前、翟悦と陳恭の墓に寄った。…阿妹翟悦の墓…妹夫 の墓大罪人として死んだ陳恭の名前はなかったが、馮膺は約束通り夫婦を同じ墓で眠らせ、木碑を建てている。荀詡は献杯して立ち上がると、ふと翟悦と陳恭が仲良く手を繋いで旅立つ姿が見えた。荀詡は林良と一緒に水路で東呉へ向かった。「風が強いゆえ中で休んでは?」「いや構わない」すると林良は陳恭からの言づてを明かすことにした。陳恭は荀詡がひと月後も葛藤しているようなら真実を伝えるよう頼んでいたという。実は荀詡が穴蔵から脱出することは陳恭の思惑通りだった。穴蔵に茶碗を残したのも火打ち石を落としたのも、全て陳恭の指示だったという。陳恭は始めから抜け道がある穴蔵を見つけ、荀詡なら必ず見つけ出すと分かっていた。翟悦を死なせてから陳恭は己を責め、その時から死を求め出したという。この暮らしにへき易していた陳恭は燭龍を捕らえた後、翟悦と隠居するつもりだった。「…しかし悦児が死んだ日を境に計画を変えたのだな」「そうです」あの日から陳恭は己が決めた通りに動き、計画通りの結末を迎えた。荀詡は林良に船を降りる支度をするよう命じた。「こたびお前の立場は従者ではない 大鴻臚(コウロ)の治礼郎(チレイロウ)、つまり役人だ、礼儀に気を配れ」「承知した、手筈は整えている」完( ๑≧ꇴ≦)えー?!なぜ最後にこんな曲?! ←そこ?!
2022.12.17
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风起陇西(ふうきろうせい)第二十三計「賊を擒(トラ)えるには王を擒えよ」魏延(ギエン)と鄧芝(トウシ)は激しい雨が降り続く中、散(サン)関を出発した。狐忠(コチュウ)は矢倉で見送りながら、兵糧を送っても丞相の元に届くことはないとほくそ笑む。しかしすでに水面下で楊儀(ヨウギ)と陳恭(チンキョウ)による包囲網が敷かれていた。その頃、柳瑩(リュウエイ)は侍女を殺し、李厳(リゲン)の書斎に忍び込んでいた。しかし皇帝の密詔が入った箱の鍵を開けることができず、衛兵が物音に気づいてしまう。焦った柳瑩は仕方なく油をまいて火を放ち、衛兵が駆けつける前に脱出した。沔水(ベンスイ)の上流に燭龍(ショクリュウ)から合図が届いた。そこで黄預(コウヨ)は堤防を決壊させるよう指示したが、思いがけず蜀軍に襲撃されてしまう。実は魏延が兵糧部隊と川を渡ったと同時に、魏延の分隊が五仙道を襲う手はずになっていた。またしても陳恭にしてやられた黄預、しかし応戦する余裕もなく逃亡するしかない。すると翌朝、次の山を越えれば魏との国境というところで突然、陳恭が立ちはだかった。「陳恭?!」「黄祭酒…待ちわびたぞ」信徒たちが一斉に陳恭に向かって走り出した。しかし林に潜んでいた蜀軍が一斉に矢を放ち全滅、陳恭と黄預は一対一での決着となる。2人は激しい攻防を繰り広げたが、最後は陳恭が翟悦(テキエツ)からもらった宝剣で胸を突き刺し、黄預は絶命した。「悦児…見ていたか?…奴の血を捧げよう…これで安らかに眠れる…」幕府にいた李厳は火事の一報を聞いて別荘へ駆けつけた。すると皇帝の密詔は灰と化し、骸は影児(エイジ)のものだと判明、柳瑩は行方不明だという。李厳はようやく柳瑩が間諜だと気づき愕然となった。「厳戒令を敷け!そうだ、今すぐ江州へ向かえ、右曲三営(ウキョクサンエイ)を全軍、南鄭に戻すよう命じろ」「全軍ですか?!」「そうだ、五千の精鋭たちを残らず呼び戻せ、すぐに!」その頃、散関では何も知らずに酒を飲んでいた狐忠が楊儀と馬岱(バタイ)に捕縛された。「狐忠、李厳のもとで曹魏と通じ、兵糧の供給を断って北伐の阻止を企てた、大罪だぞ!」陳恭が別荘に駆けつけた。散関での計画は成功、堤防が決壊して兵糧が川に飲み込まれたという。李厳は安堵のため息を漏らしたが、実は柳瑩が書斎に火を放って皇帝の密詔を焼き払ってしまったと教えた。柳瑩が間諜なら送り込んできた馮膺(フウヨウ)も本当に曹魏の間諜だったかもしれない。「我らはまんまと騙された…」楊儀は最後の仕上げにかかるべく、馬岱たちと南鄭へ戻った。すると馬岱は早く攻める方が得策だと進言、戦闘になれば精鋭部隊の右曲三営に勝てる見込みは低いという。しかし楊儀は武力で解決したくないと話し、ただし圧力はかけると言った。李厳は頼みの綱だった皇帝の密詔を失い途方に暮れた。そんな中、南鄭に戻った馬岱将軍が城門を封じていた李厳軍を制圧、幕府を包囲して降伏を迫っているという。馬岱が戻ったと知った李厳は馮膺と楊儀が結託していると気づいて動揺、しかし配下の前では微塵も不安の色を見せなかった。「直接、馬岱に伝えよ、私の陣地に入ればその場で殺す!」その頃、陳恭に閉じ込められた荀詡(ジュンク)は必死に穴を掘り続けていた。するとやがて抜け道に通じ、ついに脱出することに成功する。一方、馬岱軍は4つの城門を掌握、幕府を包囲して圧力をかけた。さらに問題の別荘にも別の部隊を送る。李厳の右曲三営は江州への出征を中止し、南鄭の西門へ進軍中だった。司聞曹(シブンソウ)はなぜ馬岱が李厳に降伏を迫っているのか分からず、裴緒(ハイショ)も首を傾げる。精鋭の右曲三営が西門を破れば形勢は逆転するが、今はかろうじてこう着状態だった。そこへ慌てて従事が駆け込んで来る。「南の山に狼煙が…3本です」それは靖安司(セイアンシ)が使う合図だった。「まさか…頭領?!」陳恭は李厳が狐忠を心配していると分かった。恐らく狐忠は楊儀たちの手に落ちた可能性が高いだろう。李厳はもし狐忠が自供したらと思うと絶望感に苛まれ、思わず足がもつれて床に倒れた。「馬岱も急に態度をひるがえし恩師に対して牙を向きました 馬岱には何か切り札があるのでは?」「つまり諸葛亮(ショカツリョウ)から指令を受けたと?」陳恭は後ろ盾がなければ馬岱に李厳を裏切る度胸などないと指摘した。もしすでに楊儀と馬岱が成都(セイト)に李厳の謀反を告発していたら、狐忠の自供が確たる証拠になってしまう。陳恭は李厳を極限まで追い詰め、考えられる方法はすぐ成都へ向かうことだと助言した。「陛下にすべて報告するのです、成都に行けば謀反の噂など消えてなくなるでしょう この区画は司聞曹の管轄です、城壁から降りることができます」「しかし私が逃げたら軍の指揮はどうなる?」「恩師…兵符をお預けください、3時辰、稼ぎます」その頃、屋敷の外では馬岱軍と侍衛部隊が対峙していた。馬岱は右曲三営が到着する前に攻め込まねば挟み撃ちにされると訴えたが、楊儀が止める。「まだだ…李厳が1人で逃げるまで待つ」陳恭は今すぐ南鄭を離れるよう説得した。仮に戦って楊儀と馬岱を捕らえても、知らせを聞いた丞相が軍を差し向けるかもしれない。「江州にいる公子を頼るのです、そして陛下に謁見し、事の真相を報告して身を守るのが上策かと…」陳恭は恩師のため命を捨てる覚悟だと伝えた。「絶体絶命の苦境に追い込まれるのは2度目だ、いずれも陳父子に救われるとは…」李厳は思わず陳恭を抱きしめ涙した。李厳が城壁を下りて南鄭を脱出した頃、裴緒たちに救出された荀詡がようやく目を覚ました。「あいつは…″陳恭″はどこだ?!」一方、李厳が独りで逃げたのを機に馬岱軍が攻撃、侍衛部隊は制圧された。すると楊儀が屋敷に独り残った陳恭のもとに現れる。「大ごとになる前に収められたな」「李厳が怖気づきました」丞相を欺いたやましさゆえか、李厳は馬岱将軍の裏切りを聞いて丞相の密命だと勘違いしたという。「だから抵抗せず私の言葉を聞いたのです」郭淮(カクワイ)もまさか肝入りの計画を自分たちに利用されるとは夢にも思うまい。まさに陳恭の存在こそが勝利を導く奇策だった。楊儀は上機嫌だったが、その時、信じられない報告が舞い込む。「長史、李厳の侍衛部隊を制圧し右曲三営も退いたのですが… 陰輯(インシュウ)と荀詡に率いられた司聞曹の部隊が陳曹掾(ソウエン)の身柄を要求しています」楊儀は荀詡が生きていると知った。陳恭は荀詡を殺せず、しばらく留置して全てが済んだら事情を話すつもりだったと明かした。「まさか逃げ出すとは…」「陳恭!お前の弱点は優しすぎるところだ!…蜀漢のために殺さねばならぬ!」「荀詡は国に殉じた妻のたった1人の兄です、妻に対し面目ない」楊儀は逆上、もし計画が頓挫すれば李厳は助かり、関わったものは誰も逃げられないと嘆いた。「馮膺の犠牲まで無駄にするつもりか?!」「…1つだけ方法があります」つづく( ๑≧ꇴ≦)おじいちゃんw転げ方が上手い!やっぱり黄預カッコいい! ←そこ?!w
2022.12.16
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斛珠夫人 Novoland:Pearl Eclipse最終話「終わらない伝説」淑容(シュクヨウ)妃・緹蘭(テイラン)が誘拐された。やきもきしながら一報を待つ旭(キョク)帝・褚仲旭(チョチュウキョク)、すると捜索していた陳哨子(チンショウシ)が戻って来る。陳哨子は昶(チョウ)王府で監禁されている淑容妃を発見していた。しかし中には大勢の反乱軍がおり、淑容妃が身重のため下手に動けなかったという。「淑容妃は無事です、首謀者は索蘭(サクラン)王子でした」褚仲旭は自ら緹蘭を救出に向かうと決めた。陳哨子と穆徳慶(ボクトクケイ)は皇宮で待つよう諌めたが、褚仲旭は2度と妻を失えないという。そこで皇宮の指揮を陳哨子に任せ、意表をついて裏門から20人の精鋭だけ連れて出ることにした。褚仲旭はこれまで尽くしてくれた穆徳慶に別れを告げ、万一の時は財宝を持って故郷へ戻れという。しかし穆徳慶は最後まで皇帝に仕える覚悟だった。「陛下…私は長年、陛下のおそばで過ごし、故郷などとうに忘れてしまいました 帰る場所などありません」緹蘭の侍女・碧紫(ヘキシ)は注輦(チュウレン)王に命じられ、公主の情報を密かに送っていた。実は宮女が落とした薬に毒を入れたも碧紫だという。あの時、皇帝が懐妊した淑容妃を守るため愈安(ユアン)宮を禁足とした。注輦に知らせを送れなくなった碧紫は気が急き、毒騒ぎを起こせば皇帝が公主を移動させると考えたという。「信じられないかもしれませんが何もかも公主のためです! 公主を大徴(ダイチョウ)で最も尊い女性にすると言われて…それで王子に手を貸したのです まさか謀反のために公主を利用するなんて…」緹蘭は浅はかな碧紫に激高したが、今は逃げ道を探すことが先決だった。「…碧紫、まだ私の命に従う気はある?」碧紫は見張り番に公主が苦しんでいると訴えた。驚いた兵士が中へ入ると、碧紫が後ろから殴りつけて倒すことに成功する。しかし物音に気づいたもう1人の兵士が駆けつけた。緹蘭と碧紫は呆然、すると兵士は突然、矢に射られて死んでしまう。その時、驚いたことに褚仲旭が自ら緹蘭を助けにやって来た。「びーしゃあ?!」褚仲旭は緹蘭を馬車に乗せて皇宮へ急いだ。しかし反乱軍を率いた施霖(シリン)が現れ、道をふさぐ。実は施霖は注輦の人間、今日のためにこれまで屈辱に耐え忍んできたという。「旭帝よ、もう逃げられぬぞ…殺(シャー)っ!」褚仲旭はわずかな精鋭たちと反乱軍に応戦した。その時、白い影が飛び込んで来たかと思うと、敵を蹴散らして褚仲旭の隣に方鑑明(ホウカンメイ)が立つ。生きてたのかーい!>ʕ•̫͡•ʕ*̫͡*ʕ•͓͡•ʔ-̫͡-ʕ•̫͡•ʔ*̫͡*ʔ-̫͡-ʔ<ザワザワ…死んだはずの清海公(セイカイコウ)の姿にその場は騒然となった。すると馬車の中から緹蘭の悲鳴が聞こえる。「お急ぎください、ここは私が」方鑑明は施霖たちを引き受け、褚仲旭を先に逃した。↓\\\\٩( ‘ω’ )و ////バーン!褚仲旭は産気づいた緹蘭を民家に避難させた。しかし安心したのも束の間、索蘭率いる注輦軍が追いついてしまう。覚悟を決めた褚仲旭は穆徳慶と碧紫に緹蘭を任せ、戦いの渦へ飛び込んだ。わずかな精鋭たちが全滅、褚仲旭は孤軍奮闘した。やがて日も暮れる頃、民家から元気な産声が聞こえる。緹蘭は産後の身体を引きずりながら何とか外へ出たが、そこには致命傷を負って血まみれとなった褚仲旭がいた。驚いた緹蘭は褚仲旭に抱きつくと、褚仲旭は碧紫の腕に抱かれた元気そうな男の子に気づく。「…我らに…そっくりだ…」その時、索蘭はこの機に姉と子を奪えと命じた。褚仲旭は緹蘭を守ろうとしたが、緹蘭が身を挺してかばい、褚仲旭の代わりに刺されてしまう。「緹蘭?…緹蘭!!うわあぁぁぁぁーっ?!」その時、白い影が現れ、一瞬の隙に索蘭の首をかっ切った。方鑑明は一刻も早く褚仲旭を皇宮へ連れ帰ろうとした。しかし褚仲旭は絶命した緹蘭を離そうとしない。「緹蘭が言った…朕のいない世を生きるつもりはないと… もう疲れた…このまま何もしたくない…」すると褚仲旭は大徴の民と息子を方鑑明に託し、愛する緹蘭と一緒に旅立った。城門を死守していた張承謙(チョウショウケン)だったが、いよいよ限界に近づいていた。その時、夜空に照明弾が上がる。反乱軍を指揮していた湯乾自(トウカンジ)は後ろを振り返り、先頭を駆けてくる方海市(ホウハイシー)の姿に気づいて驚愕した。援軍の到着に気づいた張承謙は開門を指示、突撃を命じて援軍と合流する。海市たちは城外で反乱軍と交戦し、湯乾自を生捕りにして決着した。すると任勇(ジンユウ)が駆けつけ、城内の状況を報告する。「索蘭が死にました!しかし…淑容妃も争いの中でお亡くなりに…」海市は任勇から龍尾神の護符を受け取り、湯乾自を激しく責めた。「お前は索蘭と手を組み、緹蘭を死に追いやって天啓の民を不安にさせた!」その時、愛する緹蘭の死に絶望した湯乾自は兵士の長槍を握って自ら身体を突き刺し、自害した。緹蘭の子供は早産のせいか生まれつき身体が弱く、李(リ)侍医は長くは生きられないと診断した。一方、海市はようやく皇宮に駆けつけ、城門で待っていた穆徳慶から旭帝の崩御を知る。「陛下は淑容妃と旅立たれました、混乱と動揺を招かぬよう清海公がまだ内密にせよと… しかも清海公は皇子のため、再び柏奚(ハクケイ)の契りを結ばれたのです」海市は無我夢中で昭明宮に向かった。すると憔悴した方鑑明が寝台に寄りかかって座っている。「来てくれたのか…」海市は鑑明の隣に腰を下ろしたが、何も言えずにいた。「越(エツ)州には戻れない…皇子がお生まれになった…朝廷が不安定な今、正当な補佐が必要になる」「…斛珠(コクジュ)夫人として私が支えるわ」「優しいのだな」鑑明はしみじみ海市にもっと早く会いたかったと漏らした。「私が若い頃に出会えていたら…良かったのに…」「ある書物で読んだわ、この世界には並行する別の世界が存在していると… 別の世界では私たちは同じくらいの年でもっと早くに出会っているかもしれないわ」…別の世界にいる海市と鑑明は宮中で行われた投壺(トウコ)の試合で初めて出会った海市の投げた矢が鑑明の頭を直撃、負けず嫌いの2人は言い争いになってしまう初めこそ鑑明は海市に意地悪だったが、やがて互いを意識するようになり、年頃になると2人は婚姻を約束した…「そして私は何人か子供を産むの、2人で子供を育てゆっくり年老いて行く」「卓英(タクエイ)を忘れているぞ?」「忘れていないわ、この世界では私が年上だから…卓英には師娘(シジョウ)と呼ばせる」鑑明は出会いが遅くなったことを謝り、まだやり残したことがたくさんあると言った。しかし自分でもこれからどうなってしまうのか分からないという。「…海市、少し疲れた、眠らせてくれ」鑑明は横になり、愛する海市の膝枕で眠ることにした。「必ず起こしてくれ…長く眠らないように…」天享(テンキョウ)16年、大徴の順武(ジュンブ)帝が崩御、元号は景恒(ケイコウ)と改められた。忘れ形見となった皇子・惟允(イイン)は淳容(ジュンヨウ)妃を皇太后と呼んで敬っている。やがて順武皇帝は陵墓に葬られ、宗廟の前で大徴高祖の名が贈られた。一方、鵠庫(コクコ)では右王の額爾済(ガクジセイ)が病で逝去した。後継者の奪罕(ダツカン)は他部の帰順を受け入れ瀚(カン)州を統一、自ら渤拉哈汗(ボツラコウハン)と名乗る。″渤拉哈″とは黒いたてがみ″烏鬃(ウソウ)″を意味していた。奪還は早速、大徴と同盟を結びたいと書簡を届け、摂政である皇太后宛に直筆の文を送る。「そうだ、哥哥からひとつ知らせがある」実は方卓英はついに鞠柘榴(キクシャリュウ)と再会を果たしていた。それから5年が経った。惟允は母后がかつて龍尾神を天啓に呼んだと師匠から聞いたが、鮫が怖くなかったかと尋ねる。「鮫人のいるところには鮫が出没するとか、鮫は怒ると船まで噛んで壊すそうですね」「鮫は怖いわ、でも守りたい人がいたから仕方がなかったの」海市は惟允にも困難や危険に立ち向かい、自分の信念に従って民を守って欲しいという。すると惟允は師匠と同じ言葉だと笑った。「今から老師に会いに行きます、母后も一緒に行きましょう!」「老師はお身体の具合が悪い、独りで行きなさい」「以前より回復されました…母后が行けば老師も喜びますよ?」「そうね」その頃、昭明宮では仮面をつけた老師が満開の霽風の花をながめていた。完( ̄▽ ̄;)意地でも海市と師父を一緒にしないという執念だけは伝わったw何だかんだ言いながらも、いざ終わってみると寂しい〜(´・ω・)
2022.12.16
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玉昭令 No Boundary Season 1第23話月老(ゲツロウ)は復活した端木翠(ダンムーツェイ)を落ち着かせるため、展顔(ヂャンイェン)と会わせることにした。そこで月老廟にも小さな結界を届け、端木翠の姿を映す。展顔は端木翠が生きていると知り感慨無量、しかしなぜか端木翠は両手足を鎖で繋がれていた。「私は大丈夫よ」「…本当か?なぜつながれている?」「これは…傷を治すためなの、心配ないわ」「だが苦しそうだ…捕らわれているのだな?」すると焦った月老が結界を閉じてしまう。端木翠は展顔が自分のために無茶することを恐れた。すぐ解放しろと興奮する端木翠、すると楊鑑(ヨウカン)が現れる。楊鑑は情債(ジョウサイ)箱の鎖を修復したら解放するとごまかし、展顔への想いはここで断ち切るよう説得した。しかし端木翠は展顔に会うと言ってきかない。見かねた麒麟の小天(ショウテン)は星君が上仙の代わりにこれから天雷の罰を受けると嘆いた。「温孤(オンコ)が反乱を…」「やめよ」楊鑑は小天の話を遮り、端木翠が暴れないよう仙力で再び眠らせてしまう。九獄に幽王の子が戻った。投獄された紅鸞(コウラン)は無事に解放されたが、久しぶりに見る温孤の様子はどこかおかしい。実は温孤は神位を捨てていた。しかし温孤が神仙であろうと幽王であろうと、紅鸞は愛する人と死ぬまで一緒だと覚悟する。長老たちの配下は人間との子である温孤の台頭に反発したが、温孤の龍気であっけなく灰と化した。「越龍門(エツリュウモン)はもういない 奴が蓬莱図を集めたのは幽族解放のためではなく、己が神仙になるためだった 蓬莱図は余の手にある、余に従うなら九獄から出て崇(スウ)城へ連れて帰ろう」お~っ!>ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ<ヤンヤヤンヤ~↓ブラック化した温孤カッコいい!幽族は九獄から脱出、啓封(ケイホウ)を襲撃した。啓封府が対応に追われる中、江文卿(コウブンケイ)は展顔だけに温孤が蓬莱図を消滅させたと教える。しかし人間である自分たちが焦ったところで何の役にも立たなかった。「分かっていれば神仙の冊封の時、神位を…いや何でもない これでは神仙も守りで手一杯、人間界どころではないだろう」「蓬莱にも危機が?!端木が拘束されているのに、さらに危険が… 義父、蓬莱に行く方法はありませんか?!端木を救わなくては!」江文卿は端木翠が水晶の鎖につながれていると聞いた。恐らく端木翠を拘束しているのは情債箱の鎖だろう。…端木は神仙になった時、戦で兵を死なせた悔恨から沈淵(チンエン)を開こうとした…記憶の封印はそれを阻止するためだろう…そうだ、鎖が切れて記憶を取り戻せば端木は沈淵を開き、全てやり直すことができるやも江文卿はもしやり直せるなら自分が神仙となり、後世の混乱を防げるはずだと考えた。蓬莱図が消滅したせいで三界が通じ、今なら人間界から蓬莱への道も開いていた。江文卿は江家で代々受け継がれて来た巨闕(キョケツ)を展顔に託したが、実は巨闕は上古の神剣で、蓬莱への鍵だと明かす。巨闕は女媧(ジョカ)が天を修復する時に用いた五色石を鍛えて作られた神剣で、主を守る剣霊が宿っていた。「これを持って蓬莱に入れば死から守られる、しかし無理を通すには代償が付きもの 蓬莱に行くことは摂理に背く、剣霊に守られても耐え難い苦しみを味わうだろう」「義父、命を賭する所存です」その頃、温孤は幽族を引き連れ、千年ぶりに崇城へ戻った。これから待っているのは破滅的な最期、温孤は紅鸞に今一度、考え直すよう勧めたが、紅鸞はついて行くという。「身が滅ぼうともおそばにいます」しかし紅鸞は温孤の行いの全てが端木翠のためであり、自分のことなど眼中にないと分かっていた。「端木はもう死んだのですよ?」「黙れ!」温孤は激高したが、急に紅鸞は泣き出してしまう。「端木はいつも私に優しかった、まるで本当の姉のように… 私の恩人です、私も胸が張り裂けそうな思いです」「端木は死なぬ…死ぬはずがない」すると温孤は越龍門から取り返した幽族の秘術を見せた。これで衆生(シュジョウ)の生気を吸収し、端木翠を助けるつもりだという。紅鸞は無辜を犠牲にすれば天罰が下ると警告したが、温孤は端木翠のためならこの身が砕けて消えることも恐れなかった。「私は怖い…あなたを失うことが…また千年も待つことになります」「私を探す必要はない、私が消える時は端木の隣で永遠に眠ることになる…」( ๑≧ꇴ≦)だーわん!江文卿は三界をつなぐ渦潮へ展顔を案内した。「端木はかつて觳閶(コクショウ)を救うため神位を譲ろうとした お前が見た水晶の鎖こそ情債箱を封じる鎖だ、救うには巨闕で断ち切らねばならぬ しかし記憶が戻った端木はお前をもう愛さないやも…それでもいいのか?」「義父、過去の話は知っています、たとえ私たちの縁が切れても、端木を苦しみから救いたい 彼女は何も悪くないのですから…」展顔は江文卿の目論みなど知る由もなく、愛する端木翠を救うため蓬莱を目指した。…展児、悪いがお前を利用させてもらう、いつか私の苦しみを分かってくれるだろう…( ゚д゚)分かってたまるか!蓬莱では温孤をかばった端木翠への風当たりが強くなった。そこで楊鑑は神仙たちを黙らせるため、義妹の代わりに天雷の罰を受けると決める。しかしいざ刑場に立った楊鑑は上位を利用して雷神を脅した。「雷神よ、度が過ぎて私を傷つければ過失の罪に問うぞ?」「はあ?…ったく、あれこれ口出しするなら自分でやってくれ!」雷神は屁理屈ばかりの星君にへき易し、雷を落とす金槌を渡して帰ってしまう。その頃、展顔はついに蓬莱の門に到着、門衛と対峙した。「何者だ?!…なぜ人間なのに神気を感じるんだ?!」↓( ๑≧ꇴ≦)開眼じゃんいぇん!楊鑑は適当に懲罰を終わらせた。温孤が蓬莱に背いたとは言っても、まだ焦るほどのことでもない。端木翠も長い眠りにつき、夢から目覚める頃には人間界も100年後、情やら何やらはもう遠い過去のことだ。しかし小天が駆けつけ、門衛と争っている展顔を見たと知らせる。「何だと?!」その頃、巨闕の力を借りて門衛を退けた展顔はすでに帰墟で情債箱の鎖を斬っていた。すると端木翠はついに千年前の記憶を取り戻し、情債箱が壊れてしまう。…あの時、觳閶は端木翠を娶るため功を急いて崇城へ出陣したしかし待ち伏せに遭って部隊は全滅してしまう觳閶の無言の帰りに打ちひしがれる端木翠、すると兵士たちはこれも端木将軍のせいだと激しく非難した江易(コウイ)は楊鑑に令牌を継がせて攻撃の続行を命じたが、その時、端木翠が義父の手から令牌を奪い取る『お願いします、私に觳閶と兄弟たちの敵を討たせてください』こうして端木翠は崇城に攻め込み、幽王に戦いを挑んだ激しい攻防の末、最後は刺し違えた2人、先に倒れたのは幽王だった『将軍!』『グフッ…阿弥(アビ)…私を…觳閶と…一緒に埋葬して…』すると端木翠は自ら幽王の剣を胸から抜き差し、絶命した人族と幽族の凄惨を極めた戦いが終わり、江易は蓬莱図で楊鑑たちを神仙に封じて蓬莱へ送った戦死した觳閶と端木翠は棺の中で並んで眠っている江易は養女の端木翠をこのまま逝かせるに忍びなく、自分の神位を譲って助けた目覚めた端木翠は自分ではなく觳閶を救って欲しいと嘆願したが、江易は全員を救うことは難しいという『義父…この恩は来世で必ずお返しします』上仙した端木翠は觳閶と兄弟たちを救うため、沈淵を開こうとした沈淵を開けるのは神女だけ、端木翠は今になってなぜ母が首の後ろにある印を隠せと言ったのか気づく実は端木翠は神女の末裔だったしかし神女はかつて沈淵を開けば三界が乱れると予言していたため、神仙は開いてはならないと反対する端木翠はそれでも開くと躍起になり、楊鑑は仕方なく端木翠の記憶を封印したのだった…展顔は情債箱から現れた端木翠を抱き留めた。愛しい端木翠に口づけしようと顔を近づける展顔、しかしその時、端木翠がうわ言を呟く。「…觳閶」「やはり思い出したんだな」端木翠はようやく目を覚まし、展顔が救ってくれたと気づいた。「どうしてここへ?」「とにかく逃げよう!」一方、温孤と紅鸞は儺神(ダシン)廟を訪ねた。儺神は死者の怨念を自らの身体に封じて鎮めていたが、疫病神と忌み嫌われ、参拝する人間もなく廟は荒れ放題、辛酸をなめている。「お前の存在を知らしめてやろう、ただしその命と引き換えにな」すると温孤は儺神の神気を破壊、溜め込んだ千年分の死者の怨念を全て呑み込んだ。展顔と端木翠の前に楊鑑が立ちはだかった。展顔は蓬莱が端木を苦しめていると非難、ここから救い出すという。「人間に何ができる?」すると楊鑑は展顔に仙力を放った。展顔は巨闕で仙力を阻止したが、楊鑑は手を緩めない。「いつまで持つかな?」つづく(# ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾ ハンドンコイツッ!
2022.12.14
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玉昭令 No Boundary Season 1第22話温孤(オンコ)は龍族の末裔であることが露見、蓬莱の掟に従い死罪を言い渡された。展顔(ヂャンイェン)は楊鑑(ヨウカン)が放った誅神(チュウシン)剣を巨闕(キョケツ)で阻止しようとしたが、弾き飛ばされてしまう。すると温孤は覚悟を決めて目をつぶった。その時、端木翠(ダンムーツェイ)が身を挺して温孤をかばい、自ら誅神剣に刺されてしまう。(Ŏ艸Ŏ)だんむう~! 端木翠は大量に血を吐き、その場に倒れた。「大哥…私が命で償うから温孤を許してあげて… これからは人族と神仙と幽族、互いに干渉しないと約束して…」端木翠は息も絶え絶えに嘆願し、ふと展顔の悲痛な表情に気づいて微笑を浮かべる。「神仙は死なない、私は蓬莱に戻るだけよ…」その時、展顔が肌身離さず持っていた人形が落ちた。端木翠は思い出の人形を愛おしそうに眺めながら、自分を騙した展顔を責める。「私を嫌いだって言ったのに、なぜ人形を持っていたの?」「2度と嘘をつかないと誓う、君が好きだ…逝かないでくれ」「…この人形を私だと思って」すると端木翠は愛する展顔の腕の中で力尽き、人像(ヒトガタ)が消散した。誅神剣は神仙や妖怪を討つための剣、この剣で殺された者は魂が砕け散るという。展顔は激しい衝撃から心脈が傷つき、血を吐きながらばったり倒れた。温孤は悲しみに打ちひしがれた。…かつて蓬莱へ送られる端木翠を眺めながら、身を引き裂くような痛みに耐えて龍の角を切り落とした温孤再び端木翠のそばにいたいと願い、ちょうど修練を積んで蓬莱図を手にした新たな神仙を殺したそして温孤は天への階(キザハシ)を上がり、自分の過ちを闇に葬るため、蓬莱図を砕いてしまう…あれから温孤は端木翠に釣り合う神仙になろうと医術で人々を救って来た。しかし理不尽にも端木翠を殺され、温孤は蓬莱への恨みを募らせる。「必ず端木を連れ戻す!」すると温孤は蓬莱図を奪って姿を消した。楊鑑は結局、端木翠が命懸けで守った温孤を見逃し、倒れた展顔も助けることにする。…端木が大切な人形を託した相手だ、仕方がない…展顔は端木翠と朱雀街を散策している夢を見ていた。幸せな時間を過ごす2人、しかし展顔は一瞬目を離した隙に端木翠を見失ってしまう。『端木!端木どこだ?!…端木!』…展顔、悲しまないで、私はもう行くわ…展顔はついに目を覚ました。激しいめまいの中、夢の中で帰墟(キキョ)を見たことを思い出すが、それがどこなのか展顔に分かるはずもない。…端木、どこへ行ったんだ?…一方、楊鑑は麒麟の小天(ショウテン)と帰墟にいた。かつて端木翠は許嫁の觳閶(コクショウ)や戦友を救おうとして沈淵(チンエン)を開こうとしたことがある。楊鑑たちは端木翠の記憶を情債(ジョウサイ)箱に封印することで阻止して来たが、そのおかげで帰墟には端木翠の精神がわずかに残っていた。そこで楊鑑は情債箱の中に端木翠を閉じ込め、砕けた魂が修復されることを願う。「あとは天命を待とう…」江文卿(コウブンケイ)が汶水(ブンスイ)県から昏睡した展顔を連れ帰り、すでに3ヶ月が経っていた。ようやく目覚めた展顔は端木翠の面影を求め草盧(ソウロ)へ出かけたが、すでに精霊たちの姿もない。その時、展顔はふと端木翠からもらった信蝶(シンチョウ)を思い出し、肩を叩いて呼び出した。「(はっ!)信蝶!端木に会わせてくれ!」信蝶は山を下りて朱雀街を飛び回った。しかし端木の幻影が見えても触れることは叶わず、やがて展顔は道にへたり込んでしまう。「端木…」。゚(∩ω∩`)゚。 展顔…展顔は朱雀街で偶然、青花(セイカ)小仙と薬瓶に出くわした。2人は主人の死を信じられなかったが、上仙していないため蓬莱に会いに行けないと嘆く。「主人いわく神仙の魂は蓬莱に戻り、帰墟で眠るって…」展顔は夢で見た光景が帰墟だと気づき、慌てて啓封(ケイホウ)府に戻った。そこで江文卿に蓬莱へ行きたいと訴える。しかし蓬莱へ行けるのは悟りを開いて神仙になれた者だけ、しかも肝心の蓬莱図は温孤の手にあった。「温孤にかけ合います!」「…温孤はもう人間界にはおらぬ」一方、温孤は帰墟に忍び込み、端木翠を連れ出そうとした。しかし情債箱は天地の霊気で鍛えられた頑丈な箱、そう簡単に壊すことはできない。そこへ楊鑑が駆けつけた。温孤は端木翠を殺した敵だと襲いかかったが、星君の仙力には叶わず、深手を負ってしまう。すると楊鑑は降参すれば命だけは助けると言った。激情に駆られた温孤は自分の神位を取り出し、端木がいない蓬莱など未練はないと言い放つ。「…端木がいなければ上仙の座もいらぬ! この温孤、今日を限りに上仙の座を捨て、蓬莱を不倶戴天の敵とみなし、死ぬまで戦う!」温孤は楊鑑の前で神位を握りつぶし、必ずや端木翠を取り戻すと言って帰って行った。温孤は幽王の子でありながら、子供の頃から温厚な性格だった。『お前の身体には龍の血が流れている、慈悲深く、情にもろくては余の後継者にふさわしくない』これまで薄氷を踏む思いで生きて来た温孤、しかし端木翠を失った今、父の苦言が身に沁みる。「蓬莱は非情すぎる…断じて許すものか!蓬莱は君を犠牲にして人間界を守った なら私は人間界を破壊する!端木、何としても君を取り戻す!」そんなある日、月老(ゲツロウ)廟に妖怪が出たと騒ぎになった。ちょうど巡回中だった展顔は趙武(チョウブ)と張瓏(チョウロウ)を連れて捜査に向かったが、そこで青花小仙を見つける。青花小仙は頑張って稼いだ金で線香をあげたが、月老が主人に伝言してくれないと怒っていた。「稼いだ?盗んだお金でしょう?」張瓏の話では端木門主が去ってから碗に金を盗まれたという訴えがたくさん来ているという。すると展顔は確かに月老なら端木翠の居場所を知っていると気づいた。そこで筆を取り、願い事を書き始める。「月老が伝言しなければ明日から月老廟に検問所を設け、参拝客を厳しく尋問する そうなれば月老廟で線香をあげる者はいなくなるだろう」↓どこかで見た顔だと思ったら、激落ちくんじゃない?w展顔はその日から端木翠へ文を書いては燃やした。すると灰は蓬莱へ届き、端木翠の元まで飛んで行く。…端木、離れてから何百年も経ったような気がする…展顔のそばにはいつも2人に良く似た人形があった。↓衣装は展顔の手作りなのか?w…端木、古人いわく人は運命の相手と結ばれるという…君は神仙に姻縁はないと言ったな、だが端木、天上であれ黄泉であれ私は君と歩み続けたい『端木…端木…端木…』情債箱に絶え間なく降り注ぐ展顔の深い愛、その真心は確かに端木翠の魂に届き、ついに端木翠は目を覚ました。月老は展顔から脅され、端木翠への伝言を持って帰墟にいた。するとついに情債箱が壊れて端木翠が飛び出し、鎖をはずそうともがき出す。「上仙!その鎖は外れません!」月老は上仙の精神が僅かに残っていたおかげでこうして魂が修復できたと教えた。「その鎖はすでに上仙と一体になり外れません、これを機にゆっくり静養しては?」しかし端木翠は月老が何か隠していると気づいてしまう。焦った月老は端木翠を落ち着かせるため、ひとまず展顔と会わせることにした。展顔は今日も月老廟で端木翠への文を焼いていた。…私は元気だ、心配するな…しかし展顔はあきらかにやつれて見える。端木翠は愛おしい展顔に手を伸ばそうとしたが、急に鎖に引き戻され悲鳴を上げた。すると展顔は不思議と端木翠の気配に気づき、殿内を探し回る。「端木…端木?!君なのか?!端木!」その時、月老が下界にも結界を作った。つづく( ;∀;)展顔が可哀想〜早く会わせてあげて〜 ←いやドラマだからw
2022.12.13
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皎若云间月 Bright as the moon第13話「記憶を取り戻す旅」月岐(ゲツキ)の公主・拓跋葉倩(タクバツヨウセイ)が軍機大営で四皇子・夜軽染(ヤケイセン)と一緒にいることが皇帝の知るところとなった。しかし四弟を失脚させるつもりだった三皇子の目論みは失敗する。皇帝は怒るどころか月岐公主の来訪を歓迎、宮中に滞在することを許し、これを機に四皇子を宮中に戻すと決めた。「本日よりそなたの任務はひとつ、公主を楽しませよ」「はあ?!」三皇子は雲浅月(ウンセンゲツ)との関係が一向に進展せず焦っていた。そこで思い出の場所を訪ねる旅を計画するが、浅月は過去より今を大切にしたいと乗り気ではない。「少し考えさせて…」「はお」しかし李蕓(リウン)は確かに記憶を取り戻せば本物の雲浅月が戻ってくるかもしれないと気づいた。自分が身体を借りているせいで浅月が想い人である三皇子と再会できないとしたら不憫でならない。すると軍営を出た葉倩が浅月を訪ねてきた。浅月は月岐から戻ってすぐの頃、容景と想いが通じ合ったと葉倩に報告した。しかしある日突然、容景の態度が一変したと嘆く。葉倩は三皇子への嫉妬ではないかと推察し、改めて容景に気持ちを伝えるよう助言した。「でも避けられているのよ?」「待っているだけじゃ機会を逃しちゃうわ!」すると葉倩は浅月を強引に引っ張って栄(エイ)王府に連れて行ってしまう。弦歌(ゲンカ)は雲郡主への愛に苦しむ主の姿に心を痛めていた。すると偶然にも郡主が訪ねてくる。まさに渡りに船、弦歌は郡主を招き入れ、葉倩は門で待っていると笑顔で見送った。容景は用がないなら帰ってくれと浅月を突き放した。そこで浅月は三皇子から記憶を取り戻す旅に誘われたと教える。「行きたくないの…だって過去の記憶と引き換えにあなたを忘れてしまうかも… 記憶を取り戻したいと思わないわ、過去がどうであれ私は今の雲浅月でいたい」しかし容景は郡主にふさわしいのは三皇子だと心にもないことを言って浅月を追い返そうとする。傷ついた浅月はたとえ記憶が戻ってどうなろうと容景とは無関係だと言い残し、飛び出して行った。「葉倩、決めたわ、三殿下と旅に出る!」三皇子はかつて浅月と訪れた寺院を参拝、大師に預けた書き付けを返してもらった。すると封書に入っていた金の葉には″10年後も変わらぬ愛を誓う″と書いてある。「10年前、結婚の約束をした時に預けた文だ」そこで三皇子は月岐に届いた浅月の文を渡した。…はっ!この手紙は一体、何?雲浅月と私の筆跡が全く同じだなんて、こんなことがあるの?…浅月は確かに自分の筆跡だと認めたが、どうしても自分が書いたとは思えなかった。「君の心は変わってしまったのかもしれない…だが私の心はあの頃のままだ、君を忘れられない まだ諦めたわけじゃない、月児、因果や輪廻といった営みにもそれが生じる理由があるはずだ 記憶を失った君は遠くにいる私の代わりに奴を好きだと思い込んだ その気持ちは本当の愛なのか?それも不変の愛だと言えるのか?」…そうよ、李蕓、あなたはどうしたいの?元の世界に帰らずここで一生を終えるの?…三皇子は浅月も迷っているのだと察した。「やはり君の記憶を取り戻したい」旅を終えた浅月はかえって混乱した。寺院で文を目にした瞬間、覚えていないにも関わらず懐かしさを感じたのはなぜなのか。…筆跡も同じだった、ここに来たばかりだし、体験しているはずないのに…その時、浅月は容景の弟・容楓(ヨウフウ)の言葉を思い出した。『持ち主は見つからないよ?だってその万年筆は君のだから…』容景は愛する浅月を傷つけた自責の念から体調が悪化した。三皇子よりずっと前から浅月を愛していた容景、しかし当の本人は何も知らないだろう。この2ヶ月、浅月から三皇子を遠ざけようとしてきたが、いずれ記憶が戻れば浅月はこれまでの日々を忘れてしまうに違いない。…そうなれば私もこれ以上、思い悩む必要はなくなる…翌朝、浅月は不思議な夢を見た。城門で月岐へ旅立つ三皇子を見送る浅月、そこへ容景が現れる…容景は浅月が望んだから来たと言って手を伸ばした『私とおいで』『どうして?』浅月はどこへ行くとも知らず容景の手を取ったが、急に容景が消えてしまう『容景!…容景?!』容景を探し回る浅月、するとそこで目が覚めた。浅月は屋上で急に倒れた時の記憶をたぐり寄せた。よくよく思い出してみると、見知らぬ世界で目を覚ました時、確かまだ幼い浅月の姿だったはずだ。あの時、李蕓は宮中の池のほとりでびしょ濡れ、隣には見知らぬ少年が倒れていた。…私は10年前、ここに来ていたのね…それからずっと雲浅月の中身は李蕓だった…何が起きてそうなったの?まさかもう戻れないの?なぜ私がこの時代に?…しかも10年も経ってるなんて、あなたは何者なの? 一方、容景は浅月を忘れようとすればするほど、かえって想いが募っていった。李蕓は改めて三皇子から届いた金の葉を読み返してみた。すると次第に10年前の記憶が蘇ってくる…李蕓は元の世界に戻れず浅月として鬱々と過ごしていたが、偶然、三皇子と出会った意気投合した2人は共に過ごし、やがて三皇子が月岐へ派遣されることになるあの時、李蕓は慣れない針仕事ながら手巾に刺繍し、月岐へ発つ三皇子に贈った『君への便りを金の葉に書くよ、それを読んで私の気持ちを感じて欲しい 文箱を渡しておく、寂しい時はこれを見て私のことを思い出してくれ』『忘れないで、絶対に太子より目立ってはだめよ?』『うん、2人の未来のために気をつける』それ以来、李蕓は現代の知識を使って陰ながら三皇子を助けて来た…三皇子から届いた金の葉には辺境も安定し、これなら浅月を妻にできる日も近いと書いてあった。冷王は四皇子が月岐公主と結婚し、月岐の後ろ盾を得ることを懸念した。そこで皇帝に年頃の三皇子と四皇子の縁談を上奏、長幼の序からすれば四皇子の婚儀が後になると進言する。三皇子が後継者なら雲郡主を嫁がせるはず、しかし皇帝は美しく才女と評判の宰相の娘・秦玉凝(シンギョクギョウ)がふさわしいと言った。報告を聞いた三皇子は到底、受け入れがたく、すぐ冷王を呼ぶよう命じる。一方、玉凝も三皇子との縁談話を知り激高していた。…あの人以外、誰の元にも嫁ぐものですか?!…つづく( ๑≧ꇴ≦)記憶を取り戻す旅、短っ!w小三皇子が可愛くて憎めない、いや浅月が塩対応過ぎて三皇子を応援してしまうわw
2022.12.12
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皎若云间月 Bright as the moon第12話「夜灯会」容景(ヨウケイ)は雲浅月(ウンセンゲツ)と距離を置くことにした。しかし連絡をくれない容景にしびれを切らした浅月が栄(エイ)王府に乗り込んで来る。急に冷たくなった容景に困惑する浅月、すると容景は浅月と一緒にいても時間の無駄だと追い返してしまう。弦歌(ゲンカ)はさすがに郡主が可哀想だと主を諌めたが、容景は誰より胸を痛めていた。その夜、三皇子は雲王府に浅月を訪ね、明日の乞巧(キツコウ)節に出かけようと誘った。気が重い浅月だったが、三皇子に封鎖された雲王府を救ってもらった恩があり断れない。一方、軍機大営に潜入する月岐(ゲツキ)の公主・拓跋葉倩(タクバツヨウセイ)も明日の乞巧節は男女が互いの思いを確かめ合う日だと小耳に挟み、四皇子を誘うことにした。四皇子は軍紀を乱すと断ったが、葉倩はならば鎧を脱いで女だとバラすという。しかし四皇子は軍営を抜け出したのが父皇に知られれば、どちらにせよ幽閉されると言った。「ふふ、私に任せて!」乞巧節を迎え、秦玉凝(シンギョクギョウ)は久しぶりに鎧を脱いで美しい衣をまとった。しかし肝心のお目当てである容景は屋敷にこもって鬱々としている。弦歌は少しでも主の気を晴らそうと屋敷の中に灯籠を飾り、残念ながら郡主は三皇子と出かけてしまったと教えた。「今年の謎かけの勝者は三皇子でしょうね、初めて王座を奪われてしまいます」すると容景は居ても立ってもいられなくなり、密かに出かけてしまう。三皇子は浅月を乞巧節の伝説の木へ案内した。男女がこの木に一緒に紅い布を結べば心が通じると言われている。三皇子は早速、枝に紅い布を結び始めると、その間、浅月は容景の姿を探した。結局、容景は見つからなかったが、人混みの中に葉倩の姿を見つける。「来てたのね?!」「(はっ!)浅月!」誰かと思えば、葉倩と一緒にいる大きな娘は軍営を抜け出すために女装した四皇子だった。しかし四皇子は浅月が三皇子と一緒だと知るや否や、葉倩を連れて慌てて逃げ出してしまう。その様子を向かいの通りから容景が寂しそうに見ていた。夜灯会では謎かけの催しが開かれた。今年は謎を解いた者が次の謎かけを出し、最後の3問目を解いた者が勝者となって縁起が良い大輪灯をもらえるという。最初の出題者に名乗りを挙げたのは冷邵卓(レイショウタク)だった。解いたのは秦玉凝、そこで2問目は玉凝が出題する。三皇子はこっそり浅月に答えを教え、浅月が正解して最後の出題者となった。その時、浅月は会場の方へ歩いてくる容景の姿に気づく。「答えが分かった人は私のそばへ来て答えてください」容景は思わず立ち止まり、浅月の出題を聞いた。「いいですか?…″木目は心にまたがり″ ″小坊主に毛なし″ ″古人は反文を作り″ ″凄惨に涙なし″ それぞれが1文字を表します」雲郡主の思わぬ難問に人々は頭を悩ませた。するとどこからともなく″才人の景世子でなければ分からない″という声が上がる。その時、誰かが容景に気づいた。景世子だ!>ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ<景世子が来た!浅月の難問を解いたのは容景だった。「″木目は心にまたがる″は″想″、″小坊主に毛なし″は″你″、″古人は反文を作り″は″做″… ″凄惨に涙なし″は″妻″」3問目の正解は″想你做妻(君を妻にしたい)″だった。しかし容景は答えを直接、浅月に告げることができず、大輪灯を受け取らずに帰ってしまう。容景はその帰り道、お忍びで街に出た皇帝と出くわした。すると皇帝は一緒に見物しようと誘い、露店の茶屋で一休みする。そこへ偶然、三皇子と浅月が通りかかり、皇帝は2人を同席させた。しかし突然、近くの銭荘・湘雅居(ショウガキョ)が爆発、浅月は無意識に隣にいた容景をかばって意識を失ってしまう。四皇子と葉倩は一足先に軍営へ戻っていた。それにしても夜灯会で爆破とは誰の仕業なのか。女装から解放された四皇子は考えあぐねていたが、葉倩は自分たちには関係ないと茶々を入れた。しかし四皇子の幕舎で寛いでいる葉倩の姿を冷邵卓に見られてしまう。浅月が自分の部屋で目を覚ますと、容景がいた。「付き添ってくれたのね…」「私を守ってくれたことに恩を感じている、ゆえに誠意を尽くさねば…義務は果たした」「私は貸し借りを作らない主義なの、以前の借りを返せたのなら、これでお互い貸し借りなしね」「そういうことだ」すると容景は帰ってしまう。墨閣(ボクカク)に爆破を指示したのは奏宰相だった。皇帝の不安を煽ることが目的だったが、まさか多くの負傷者を出すとは予想外、しかも皇帝の身まで危なかったとあって怒りが収まらない。しかし閣主は三皇子が裏で私腹を肥やしており、その場所が銭荘だと報告した。皇帝が爆破事件を捜査すればおのずと三皇子の野心が明るみに出るはずだという。「頂いた情報を頼りに証拠を集めました…あとは宰相大人が上奏するだけです」湘雅居が裏で偽札を大量に流していたと判明した。そこで秦宰相は三皇子がこの銭荘に出入りするのを見た者がいると上奏する。皇帝は表向き普通の銭荘のためおかしくないと言ったが、すぐ三皇子を呼んだ。しかし三皇子はまだ調査中で、偽札の件も知らないという。「朕の命を狙ったのは側近の者ではないのか?」「ご心配なく、必ずや賊を引きずり出します」「お前は戻ったばかり、行動は慎重にな、平穏に見えても朝廷には暗雲が渦巻いている」翌朝、冷王は三皇子を訪ねた。三皇子は密偵の藍漪(ランイ)が火薬の痕跡を見つけたと教え、誰かが故意に起こした爆発だと憤慨する。しかも誰の入れ知恵なのか、父皇は明らかに自分を疑っていた。「まだ何か起こるかもな…」すると冷王は今回の爆発で一番の利益を得る人物こそ黒幕だという。「二兄は銭荘のことを知っている…私をはめるとしたらあのうつけ者、軽染(ケイセン)か?」「本当にうつけ者かは分かりませぬ」そこへ藍漪が駆けつけた。実は昨夜、湘雅居の軍給輸送隊が襲われ、全員、殺されたという。「恐らく四殿下かと…」藍漪は証拠として現場に落ちていた令牌を渡したが、実は部隊を襲って令牌を置いたのは墨閣だった。罠だと気づかず怒り心頭の三皇子、しかし思いがけず冷邵卓が四皇子の弱みをつかんだという。三皇子は直ちに軍機大営へ駆けつけた。すると四皇子の幕舎で月岐の公主を見つける。葉倩は軍装だったが、面識のある三皇子を騙すことはできなかった。つづく
2022.12.12
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风起陇西(ふうきろうせい)第二十二計「樹上に花を開(サ)かす」激しい雨が降り続く天水(テンスイ)にようやく黄預(コウヨ)から報告が届いた。郭淮(カクワイ)は陳恭(チンキョウ)が期待に応えていると分かって喜び、郝昭(カクショウ)に陳倉(チンソウ)を1ヶ月死守するよう命じておく。一方、馮膺(フウヨウ)が陳恭の父の敵だと知った荀詡(ジュンク)は改めて陳恭について考え直し、疑わしいことばかりだと気づいた。そんな中、西郷(セイキョウ)の関所が五仙道の残党に襲われたと急報が舞い込む。陳恭がすでに西郷へ向かったと聞いた荀詡は急いで後を追うことにしたが…。陳恭は黄預と合流、山道を登ってくる荀詡たちの一行を狙った。しかし車に乗った荀詡と裴緒(ハイショ)の話から自分を疑い始めたことに気づき、動揺を隠せない。「ここまで来たら余計なことは考えるな、決断しろ」陳恭は黄預に急かされ、ついに毒矢を放った。毒矢は荀詡の胸に命中、と同時に黄預の号令で五仙道が部隊に襲いかかる。驚いた裴緒はひとまず荀詡を連れて逃げ出し、物陰に荀詡を隠してから助太刀に戻った。裴緒は重傷を負ったが一命を取り留めた。しかし裴緒から聞いた場所をどんなに探しても荀詡の姿は見つからない。陰輯(インシュウ)は陳曹掾(ソウエン)に報告し、あの荀詡のこと、西郷へ急いだのには何か理由があるはずだと言った。普段は荀詡のやり方に賛同できないことも多いが、才能と知謀は確かだという。「それから裴緒は何か隠しているような気がしました」狐忠(コチュウ)は諸葛亮(ショカツリョウ)が陳倉を落とせず、行き詰まっていると報告した。しかし李厳(リゲン)は諸葛亮の容易に諦めない性格を良く知っている。恐らく諸葛亮は長安を取る気などなく、狙いは上邽(ジョウケイ)か天水のいずれかを取り戻すことだろう。それだけで軍の士気は上がり、勝報が成都(セイト)に届けば皇帝の心も揺れるはずだ。「そうなれば今までのように私を信じてくれるかどうか…」李厳は不確かな要素に希望を託さぬよう諭し、機会を奪われてはならないと釘を刺した。陳恭がようやく李厳を訪ねてきた。陳恭は馮膺の失態を謝罪、靖安司の内密の調査に気づかなかったと釈明する。実は李厳は荀詡の襲撃が陳恭の手配だと踏んでいた。陳恭は燭龍の件に固執する荀詡が高堂秉(コウドウヘイ)の死で警戒を深め、いずれ恩師に累が及ぶことを恐れたという。「そなたと荀詡は兄弟も同然だったはず、私のために即断したとは…辛かったであろう しかし非常な功を成すなら非常な手段を取らねばな」すると李厳は狐忠を急いぎ定軍(テイグン)山へ戻したと教えた。散(サン)関の準備が整うのは10日後、李厳が第1の兵糧を送っても丞相の元に届くことはない。「東呉が侵攻したとなれば丞相は両方の戦線に対応できません すかさず恩師が魏と呉を阻んで収拾すれば、丞相一派が束になっても恩師の功績は隠せません」「あとはその計画をいかに実行するかだな」「この命をかけて全力を尽くします」←違った意味でwその頃、荀詡は小さな灯りを頼りに自分がどこにいるのか調べていた。すると急に明かりが差し込み、誰かが小窓から食事を差し入れ、すぐ閉めてしまう。「誰だ?!なぜ私を閉じ込める?!」荀詡はともかく薬湯を飲み干し、器を割って地道に壁を削り始めた。荀詡の面倒を見ているのは陳恭に頼まれた林良(リンリョウ)だった。「順調に回復している」「決して誰にも漏らさぬように」陳恭は荀詡の身を隠して別名を用意し、林良に託した。しかし林良は荀詡の性格上、解放すれば必ずこの件を追及すると危惧する。もし荀詡に真相を暴かれれば誰も逃れられず、両全の策などない。「心を決め、安らかに逝かせたほうが…」「林良…私が疲れ果てているのは翟悦(テキエツ)のことだけではない 今になって誰が正しいのか分からなくなった」陳恭は混乱し、精根も尽き果てていたが、ただ1つ分かっているのは荀詡は生きるべきだということだった。「奴を生かさねばならない…あいつは皆と違う、あんな男は他にいない」陳倉道、蜀軍は連敗を装って敵軍を誘き出した。虎威将軍・王双(オウソウ)は余力がない蜀軍をここで一気に追い詰めようとしたが、副将から諸葛亮の罠かもしれないと止められてしまう。しかし時すでに遅し、引き返すと決断した時には逃げ場がなく、蜀軍に包囲されていた。諸葛亮は王双を討ち、首級を成都へ送った。これから蜀軍は祁(キ)山に進み郭淮率いる曹魏の主力と対決、ひと月以内に天水と上邽を奪還するという。屋敷で報告を聞いた李厳は動揺し、直ちに江州へ使いを送るよう命じた。「次の動きに出る」すると李厳は急ぎ皇帝に上奏する。…呉主・孫権(ソンケン)は表面上、丞相と盟約を結びましたが、実は秭帰(シキ)に入りました…魏を攻める名目で西川(セイセン)を奪えと陸遜(リクソン)に命じ、2隊に別れて江夏(コウカ)と宜都(ギト)へ…我が軍の北伐に乗じて川沿いに攻めて行くつもりです…我が軍の精鋭は陳倉と祁山の一線におり、王双を斬るも効果はなく、陳倉は未だ落とせません…勝利もなく2国から攻められ、先帝の得た地が危険にさらされています激しい雨の中、沔水(ベンスイ)上流では黄預が指揮をとり水をせき止めていた。あとは陳恭の合図で放水させ、蜀軍の兵糧が通るのを邪魔すれば良い。一方、荀詡は必死に壁を掘り進めていた。その時、誰かの足音に気づき、開いた小窓から食事を差し入れた腕を咄嗟につかむ。「林良か?!」荀詡は自分を監禁したのが陳恭だと気づいて愕然となった。腕がもげそうになった林良は必死に陳恭が荀詡を救おうとしていると訴える。荀詡は仕方なく林良の腕を放し、ともかく陳恭を呼ぶよう頼んだ。しかし陳恭は李厳に命じられ、兵糧の調整で定軍山に出かけて留守だという。「戻るのは数日後だ…いつも水に混ぜている薬は矢傷に効く、忘れずに飲んでくれ」すると林良は小窓を開けたまま帰ってしまう。「自ら会いに来いと伝えろよ!」柳瑩(リュウエイ)は未だ皇帝の密詔を処分できずにいた。そこで密かに動くべく黒衣に着替えたが、運悪く侍女・影(エイ)児が入って来る。「小姐、温かい汁物をお持ち…(はっ)」「…どう?私の変装?」すると柳瑩はいきなり隠し持っていた短刀で影児の胸をひと突き、始末した。諸葛亮は李厳の後方支援に一抹の不安が残り、念のため参軍の鄧芝(トウシ)を散関に派遣した。予定通り狐忠から兵糧を引き継いだ魏延(ギエン)、しかし馬岱(バタイ)の報告で橋が壊れて近道の西側が通れず、回り道の東側の道へ行くことになる。つづく( ๑≧ꇴ≦)ショーシャンク荀詡、あっさり小窓から出られそうなのにwww
2022.12.11
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风起陇西(ふうきろうせい)第二十一計「刀を借りて人を殺す」荀詡(ジュンク)は赤岩峰(セキガンホウ)で馮膺(フウヨウ)を待ち伏せ、曹魏(ソウギ)と通じて機密を漏洩した罪で捕縛すると告げた。馮膺は青雲(セイウン)殿に到着した折、使用人に謝礼を渡していたが、裴緒(ハイショ)が押収したところ、品物の中に馮膺直筆の密書が忍ばせてあったという。本来なら上官を捕らえる権限がない荀詡だったが、今回は丞相の将令があった。諸葛亮(ショカツリョウ)の大軍が南鄭(ナンテイ)に到着、しかし入城せず野営となった。狐忠(コチュウ)は李厳(リゲン)将軍に一報を伝えたが、実はもう1つ報告があるという。「馮膺が捕縛されました…計画の1歩目として曹魏に情報を送ろうとして現場を取り押さえられたとか 間諜が情報を取りに来る前でしたが、文が馮膺の直筆だったのです」しかも馮膺を捕縛したのは丞相の将令を持っていた荀詡だった。一方、諸葛亮も楊儀(ヨウギ)から馮膺捕縛の知らせを聞いた。馮膺が裏切るなど考えられない諸葛亮、しかし楊儀の話では荀詡が燭龍(ショクリュウ)の事案に疑念を抱き、圧力を受けつつも調査を続行、不審点を見つけて馮膺が情報を渡す現場を押さえたという。楊儀は証拠となった馮膺直筆の文を渡し、確かに我が軍の兵力や戦術を漏らしていると訴えた。「危うく魏延(ギエン)将軍の部隊が全滅するところでした」「…馮膺とは旧知だ、何か裏がある」諸葛亮は馮膺の拘禁を命じ、戦の後に自ら尋問すると決めた。李厳は何としても馮膺に口止めせねばと焦った。そこで狐忠に指示し、陳恭(チンキョウ)にこの事案をもみ消してもらい、馮膺の連絡係を自分の元へ寄越すよう伝える。狐忠は早速、連絡係を介して馮膺と接触、決して李厳将軍の名を明かすことはないと確約を取った。一方、諸葛亮は皇帝が後方支援に李厳を指名したことが気がかりだった。すでに戦は目前、情報中枢である司聞曹(シブンソウ)の平穏を保つためにも南鄭に楊儀を残し、陳恭を補佐するよう命じる。その頃、司聞曹では馮膺を捕らえて意気揚揚とする裴緒の姿があった。しかし荀詡は重要な案件にもかかわらず簡単に解決できたことに違和感を禁じ得ない。高堂秉(コウドウヘイ)の死後、馮膺の衣から出て来た壁土と木片、裴緒が気づいた密偵の連絡法、さらに赤岩峰で馮膺が送ろうとしていた直筆の文、なぜやすやすと手に入ったのだろうか。「全てが順調すぎる、まるで何もかも仕組まれていたような…」そもそも馮膺が間諜なら蜀漢の情報系統は筒抜け、白帝(ハクテイ)が生還できるはずがない。荀詡は考えあぐねた結果、馮膺はわざと捕まったのだと結論づけるしかなかった。「だとすれば目的はただ一つ、より重要な者を守るためだ」そこで荀詡は馮膺に関する文書を全て持ってくるよう裴緒に頼んだ。↓(´-ω-`)むむ…目下、司聞曹を司っているのは陳恭、そこで陳恭は捕縛された馮膺を連れ出し、楊儀と秘密裏に会わせた。すでに楊儀から″資中(シチュウ)県の乱″について証言を聞いた陳恭は誤解していたと謝罪、確かに当時、馮膺は上からの命で曹魏に軍機を流したが、敵を誘き出して夏侯淵(カコウエン)の部隊を滅ぼすことが目的だった。「父が国に殉じたと分かりました…本望だったでしょう」陳恭は馮膺が自分のために高堂秉殺しまで引き受けたことに感謝し、進んで汚名を負ったことに敬服した。陳恭とわだかまりが解けた馮膺は安堵、必ず生き抜いて欲しいという。陳恭によれば青萍(セイヒョウ)計画の仕上げは自分が曹掾の座を奪い、李厳将軍を脅して蜀漢の中枢を掌握することだった。「李厳将軍と丞相を対立させるのが最低目標です そうすれば曹魏は漁夫の利を得て蜀漢を滅ぼし、東呉を呑んで天下を統一できる」確かに郭淮(カクワイ)も悪くない算段を立てたが、陳恭が命を受けて動いていたとは思いもよるまい。街亭(ガイテイ)の事案後、郭淮が青萍計画を始動させたと知った馮膺と楊儀は敵の裏をかくことにした。曹魏の標的が李厳だったため成り行きに任せ、反間計を弄したのだ。陳恭は父の死の理由に憤りながらも信念は揺らがず反間計は成功、そこで荀詡を採用し、荀詡は天水(テンスイ)に到着後、陳恭と手を組んで見事に高堂秉をあぶり出し、しかも気づかれぬまま青萍計画の段取りは進んだ。今や李厳も罠にかかり、遅かれ早かれ失脚は免れない。問題は李厳が持っている皇帝の密詔だった。そこで陳恭は郭淮から燭龍に密令が下ったことにして柳瑩(リュウエイ)に対処させるという。陳恭は馮膺が難を逃れる術があるのか心配した。しかし馮膺は自分が曹魏の間諜でこそ李厳を死地に追い込めるという。実は馮膺はこの計画を始める時から死を覚悟していた。「陳恭、お前は郭淮に信頼されている、曹魏の心の臓を突く司聞曹の刃となったのだ これから重要な役割を担うことになる」すると陳恭は複雑な表情を見せた。実は先日、郭淮が黄預(コウヨ)を遣わし、手ずから荀詡を殺せと命じたという。郭淮は陳恭が曹魏に従う最後の証拠を欲したのだ。↓(´-ω-`)むむむ…陳恭は馮膺が人員を決める際、荀詡は性格的に向かないと何度も反対していた。やはり郭淮に弱みを握られることになったが、馮膺は適任だったと否定する。荀詡だからこそ司聞曹の目を盗んで事を成し、計画通り進めてくれたおかげで陳恭も任務を果たせたのだ。すると楊儀は荀詡の役割も終わったと言った。個人の死より漢の偉業が優先、馮膺と楊儀は郭淮に疑われぬよう荀詡を殺すしかないと迫る。「情に流されるな」一方、荀詡と裴緒は馮膺が関わった文書を徹底的に洗い出していた、そしてついに建安23年に起きた″資中県の乱″にたどり着く。荀詡はようやく陳恭が馮膺に恨みがあると知ったが、陳恭が公私混同するとは思えなかった。黄預は荀詡を誘き出すため配下に西郷(セイキョウ)城外の関所を襲わせた。もし陳恭が義兄弟の始末にしくじった時は五仙道を破滅させた恨みを晴らす絶好の機会が訪れる。一方、陳恭は李厳の別荘にいる柳瑩と接触、しかし皇帝の密詔はまだ見つからなかった。最近は李厳の許可がなければ書斎に入れず、手をこまねいているという。陳恭は密詔の破棄が任務だと釘を刺し、柳瑩にあらかじめ司聞曹が出した通行許可の令牌を渡した。「任務を終えたら速やかに発て…この地を離れ、生き延びてくれ」↓(´-ω-`)ん__天水は激しい雨だった。今にも氾濫しそうな黄河を眺めながら、郭剛(カクゴウ)は叔父に燭龍からの連絡がないと告げる。しかし郭淮は陳恭の能力を信じていた。「こたびも諸葛亮は天の時を得られぬだろう」魏延(ギエン)を率いて斜谷(ヤコク)を攻めるのは目くらまし、真の狙いは陳倉(チンソウ)だ。陳倉城は小さいが堅固、守りやすく攻め難い。郭淮は郝昭(カクショウ)に死守させると同時に援軍として王双(オウソウ)を遣わしていた。諸葛亮は陳倉で兵糧を備蓄し、後方支援の拠点にしたいのだろう。陳倉を奪えなければ祁(キ)山で我が軍と相対、李厳はその隙に計画を実行し、蜀軍は数月で内部から崩壊するはずだ。陳倉を攻め始めて20日、蜀軍は敵の固い守りに手こずり、数名の将軍を失っていた。諸葛亮が陳倉を陥せないと踏んだのか、郭淮は渭水(イスイ)に到着後、北岸に陣を張ったという。真の狙いは陳倉ではないが、諸葛亮は撤退しないと決めた。「王双を討ち、故(コ)道から祁山へ抜け、魏延の先鋒と合流しよう 待ち構えているなら勝負といこうか」諸葛亮はここ最近の風向きが川を渡るのに有利だと指摘した。そこで船に新式の連弩(レンド)を乗せ、郭淮の度肝を抜くという。「廖(リョウ)将軍、引き続き陳倉を攻め、力ずくで奪え…案ずるな、私に考えがある」つづく
2022.12.10
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斛珠夫人 Novoland:Pearl Eclipse第47話「卑劣な裏切り」淑容(シュクヨウ)妃・緹蘭(テイラン)はかつて涼薬を大量に飲んだ弊害から、時折、腹痛や出血が見られた。大事にはならずに済んだが、旭(キョク)帝・褚仲旭(チョチュウキョク)は早々と子を世継ぎにすると決め、すでに準備もできているという。「誕生を待って穆徳慶(ボクトクケイ)が宣言する手はずだ…女子とて即位できるぞ 嗣子(シシ)を立てたのち、そなたを皇后に冊立するつもりだ」そんなある日、索蘭(サクラン)が差し入れを持って緹蘭に会いに来た。索蘭は具合の悪い姉を心配し、天啓に祭祀も連れて来たので龍尾神の護身符を祈祷してはどうかと提案する。護身符を外したことがない緹蘭は困惑したが、弟の厚意を無下にできず護身符を預けた。一方、琅嬛(ロウケン)を送り届けた方海市(ホウハイシー)は越州の海沿いで適当な家を見つけ、方鑑明(ホウカンメイ)と腰を落ち着けた。まず2人で庭に霽風(セイフウ)花の種をまき、鑑明はこれから海市の夢をひとつずつ叶えると約束する。隠遁して初めて知る自由な生活、海市と鑑明は幸せな時間を過ごしていた。↓師父が笑っとるwそんなある夜、方鑑明は鳥文を読んでいる海市の姿を見つけた。「何を見ている?」「ぁ…何でもないの」「私に隠し事か?」すると海市はばつが悪そうに張承謙(チョウショウケン)からの知らせだと白状した。実は鑑明のこと、どこにいても皇帝が気がかりなはずだと考え、時々、皇帝の様子を知らせてくれるよう頼んだという。「あ、心配しないで、あなたのことも私の居場所も伝えていない…陛下はご無事よ」鑑明は海市の気遣いに感謝し、これで安心だと喜んだ。索蘭が居所に戻ると、密かに潜入していた湯乾自(トウカンジ)が現れた。「文の内容は本当ですか?」「姉の護身符を見ただろう?真実の証しとして龍尾神を私に託したのだ」索蘭は皇帝が昶(チョウ)王の件で注輦(チュウレン)を許せず、姉の懐妊も公にせずに禁足を命じていると吹き込んだ。実は姉の身体は青あざだらけで、数日前には出血もあったという。湯乾自はかつて皇帝が公主を冷遇していた時を知っているだけに、状況はさらに悲惨になったと誤解した。そこで索蘭は今こそ奮い立って姉を救わねばならないと煽り、ついに野心をあらわにする。「旭帝を亡き者にし、子を奪うのだ、産まれた子が即位すれば姉は摂政太后となる」↓マイケルェェェェ…翌日、索蘭は緹蘭を訪ね、祈祷したと嘘をついて龍尾神を返した。「そろそろ注輦に戻るよ、帰る前に挨拶に来る」その頃、暗衛営の陳哨子(チンショウシ)が黄泉営からの急報を受け、慌てて謁見した。「陛下、緊急のご報告が…黄泉関の主将・湯乾自が許可なく姿を消したそうです」実は湯乾自が病を装っていたため、10日も経ってから報告が届いたという。索蘭たち注輦の特使一行は帰途についた。一方、褚仲旭は天啓防衛を指揮する張承謙を呼び、黄泉営を出る際に不審な点がなかったか確認する。張承謙は賀尭(ガギョウ)将軍の教練中で異常はなかったと証言したが、そこへ第2報を受け取った陳哨子が駆けつけた。「陛下、詳細が判明しました、5日前に大勢が毒にあたり、湯乾自の側近が賀尭を軟禁 黄泉営にいた将兵を集めて天啓攻めを企てています!」驚いた褚仲旭は張承謙に城門を閉めて守りを固めるよう指示、陳哨子には鳩を飛ばして各州の刺史に援軍を要請するよう命じた。「陛下、あの方には…」「あやつは自由の身だ、知らせるな」しかし張承謙が密かに海市に鳩を放ってしまう。その夜、緹蘭は騒がしい音で目を覚ました。侍女・碧紫(ヘキシ)の話では反乱軍が侵攻、皇帝が兵を分けて防衛の配備をしているという。皇帝は自ら指揮を執り、今夜は戻らないと知らせが来ていた。一方、海市は張承謙から思わぬ密書を受け取った。何でも湯乾自一派が天啓に侵攻、突然のことで城内の兵は2万5千しかなく、皇帝は城門を封鎖して応戦する構えだという。方鑑明は越州の援軍を動かすのが手っ取り早いと気づき、海市と二手に分かれることにした。そこで海市が越州の軍営に向かうと決める。「湯乾自は聡明な人よ、権謀のために暴挙に出るとは思えない…恐らく淑容妃を想っての決断だわ」すると鑑明は自分の玉板指を海市の胸に掛け、海市と別れて天啓に急いだ。反乱軍の攻撃が始まった。張承謙は鉄壁の守りで城門を死守、褚仲旭はわずかな護衛を残し、兵馬を城門へ回す。「必要あれば朕も皆と共に戦う!」すると褚仲旭は穆徳慶に緹蘭を密室へ移すよう命じた。もし城門が破られても緹蘭だけは助け、万が一の時は緹蘭を連れて皇宮の外へ逃げろという。その頃、緹蘭の元に別の太監が駆けつけていた。実は皇帝の命で淑容妃を先に避難させるという。緹蘭は最後まで皇帝のそばにいると拒んだが、碧紫から子供を守るためだと説得された。すると道すがら突然、何者かに襲われ眠らされてしまう。穆徳慶が迎えに行った時には淑容妃と碧紫が消えていた。衛兵はすでに太監が迎えに来て避難したと報告、褚仲旭は激高する。すると緹蘭を連れ出した太監と衛兵たちは口封じに殺されたのか、皇宮の外れで亡骸が見つかった。翌朝、緹蘭は廃屋で目を覚ました。そばには碧紫が付き添っていたが、なぜか弟の索蘭が現れる。「ここは封鎖中の昶(チョウ)王府だ、身を隠すには最適だろう?」反乱軍を先導したのは索蘭だった。索蘭は湯乾自の姉への真心を利用して反乱を起こし、旭帝を誅して姉の子を大徴の皇帝に立たせるという。「…力と尊厳は自力で勝ち取るものよ?他人から奪うものじゃない! 索蘭、国を乗っ取れば罵声を浴びせられるだけ」「勝者は手段を問われない、それに反逆したのは湯乾自だ!注輦は何ら関係ない!」緹蘭は弟の裏切りに深く失望した。すると索蘭は例え姉が死を望んだとしても、子を産み落とすまで絶対に死なせないと脅す。「碧紫、姉上をしかと見張っておけ」「…はい」「索蘭、父上も知っているの?」「父上の命令に従ったまでだ」↓マイケルェェェェ…索蘭は施霖(シリン)の周到な計画のおかげで姉を宮中から脱出させることに成功した。精鋭兵100人を隠すのは容易でなかったが、封鎖されたばかりで誰も寄りつかない昶王府は絶好の潜伏場所となる。施霖はもはや大局は王子の手中だと喜ばせたが、その様子を密かに偵察する影があった。つづく( ๑≧ꇴ≦)大哥ぁぁぁぁ〜!いや知らんけどw
2022.12.09
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斛珠夫人 Novoland:Pearl Eclipse第46話「新たなる旅立ち」方鑑明(ホウカンメイ)は鮫人(コウジン)族の琅嬛(ロウケン)の血で解毒してもらうことになった。しかし琅嬛はまず皇帝との柏奚(ハクケイ)を解く必要があるという。褚仲旭(チョチュウキョク)は今からすぐ始めようと言ったが、方鑑明は柏奚を結んだ時と同じ時刻でなければならないと教えた。それから数日後の満月の夜、方鑑明はついに褚仲旭との柏奚を解くことに成功する。褚仲旭は長年、感じることのなかった痛みを思い出し、指から流れる血を見て生きていることを実感した。方海市(ホウハイシー)が琅嬛の血を持ってやって来た。鮫人の血はいかなる毒も排出できる妙薬だという。しかし流觴(リュウショウ)方氏は特殊な体質のため、鮫人の血を受け入れられるかどうか琅嬛にも分からなかった。方鑑明は琅嬛から聞いた話を正直に海市と褚仲旭に伝え、もし自分の血と琅嬛の血が相克すれば命を落とすと教える。「海市、こたびは隠さぬ…また心配をかけてすまない」すると鑑明は迷うことなく琅嬛の血を飲み干した。方鑑明は激しく血を吹き出し、倒れた。そして翌朝、天啓(テンケイ)に清海公(セイカイコウ)の訃報が告示される。その様子をちょうど城門に到着した馬車の窓からうかがう者がいた。朝議では清海公に流暢郡王の名と靖翼(セイヨク)の諡号が贈られ、位牌は廟堂に安置されることになった。また朝廷は3日ほど休廷、流暢の民は100日の喪に服す。主を失った霽風(セイフウ)館も昭明宮を出て古巣へ戻ることになり、早々に荷物を運び出した。海市は朝議を終えると、しばし師匠と過ごした昭明宮を散策した。実は昨夜、李(リ)侍医が意識を失って倒れた方鑑明を脈診したところ、体内の毒が消え、積年の傷まで全て消失していると分かる。褚仲旭は喜び、くれぐれも口外しないよう釘を刺して李侍医を下げた。『方海市、この機を逃すでないぞ…清海公がこの世を離れる時が来た』海市が鳳梧(ホウゴ)宮へ戻ると、寝所の物陰から方鑑明が現れた。固く抱き合う2人、しかし海市は今さらながら鑑明に多大な犠牲を払わせてしまったと自責の念に駆られる。清海公という身分を失い、霽風館を指揮することもできず、先祖が眠る朝堂に祭られることもない。しかし鑑明は海市のおかげで安らぎと幸せを得られたと感謝した。そこで海市は皇帝が自分たちの新しい戸籍を作り、越(エツ)州の官府に届けてくれたと報告する。鑑明は早速、皇帝から賜った手形を開いてみると、新しい名前は″霽諸(セイショ)″となっていた。翌日、誰もいなくなった昭明宮に方鑑明と褚仲旭の姿があった。鑑明は″死ぬ″前に取りに戻れなかった荷物があると話し、化粧箱の蓋をあけて微笑む。その中には海市との婚姻書が入っていた。すると褚仲旭は″方″と刺繍された香袋を見つけ、確かに不器用な海市の作だと笑う。「永遠の別れではない…数年してほとぼりがさめたら朕がお忍びで会いに行く」「はお」一方、海市は身重の緹蘭(テイラン)を気遣い、龍尾神を見送りに行くとしか伝えなかった。しかし緹蘭は海市が宮中に戻ってこないと気づく。「寂しくなるわ…でもあなたが想い人と結ばれることは嬉しい」緹蘭は海市のために作った龍尾神の護身符を贈った。「あなたは私の1番の友よ」「いつか必ずあなたとあなたの子に会いに来るわ」そして翌朝、皇帝と大臣に見送られ、淳容(ジュンヨウ)妃は天啓を出発した。こうして清海公と淳容妃は天啓から姿を消し、やがて人々の記憶からも消えて行くのだろう。方鑑明が去って褚仲旭は心に穴が空いたような寂しさに襲われた。それでも親友の幸せのため、手放すしかない。緹蘭は友を思う皇帝の真心に深く感銘を受け、これからは天が守ってくれると安心させた。「清海公には及びませんが、私とこの子はずっと陛下のおそばにいます」一方、海市は宿で一夜を過ごすことになった。いざ天啓を離れてみると寂しさが募る海市、すると別の馬車で到着した方鑑明が現れ、海市の好きな桂花糖を差し入れる。海市は貴重な菓子を少しずつ食べることにしたが、鑑明は越州にも支店があると教えた。「他にも酒やお気に入りの装飾品、絹の織物も越州で買える」実は鑑明は霽諸の名で海市の好きな店を買収、他にも手広く田畑や鉱山を買っていた。まだまだ秘密はあるが、少しずつ教えるという。海市は清貧に暮らせればいいと思っていたが、鑑明は頑なに拒んだ。「周幼度(シュウヨウド)の家は店を持っていたな…お前に酒をおごり、贈り物で喜ばせ、奇術まで見せた あの者ができるなら私もできるぞ、もっとすごいことだって……(๑•̀ㅂ•́)و✧」「負けず嫌いなのは知っていたけれど、周幼度と張り合うなんて…( ̄▽ ̄;)」海市は子供のような鑑明に呆れながらも、かつて皇帝から聞いた自由奔放な姿に戻ったことが何より嬉しかった。緹蘭は弟の索蘭(サクラン)と再会を果たした。弟は立派な後継者に成長、注輦(チュウレン)も自国で力をつけなければならないと考え、今後は姉を頼って大徴の庇護を得たりしないと約束する。「注輦を発展させ、必ずや姉上の支えになってみせるよ…(๑•̀ㅂ•́)و✧」一方、海市は無事に琅嬛を海へ帰した。海市の手を握った琅嬛は海市と方鑑明が結ばれたと知り安堵する。「また会いに来るわ」「待ってる」琅嬛は海原を自由に泳ぎ出し、やがて深海へ消えて行った。つづく(* ゚ェ゚)<ハッ!あなたたち…って琅嬛、何を見てしまったのか?!www
2022.12.09
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玉昭令 No Boundary Season 1第21話幽族の長老・越龍門(エツリュウモン)は幽王が残した宝・宝塔琉璃(ホウトウルリ)灯の中に端木翠(ダンムーツェイ)を閉じ込めた。琉璃灯の中では端木翠など恐れるに足らず、越龍門は端木翠から持ち物を全て取り上げたが、蓬莱図が入った乾坤袋がない。「残念でしたっ♪どこにあるか教えてあげな~い」「得意になるな!…一旦、火をつければ6刻以内にお前は燃え尽きる!」すると怒った越龍門は火を放って姿を消してしまう。一方、投獄された紅鸞(コウラン)は長老に刃向かって収監された幽族たちに先王の子が人間界にいると吹き込んでいた。「あの方なら仁政を敷くわ…皆さん、王子の帰りを一緒に待ちましょう! 越龍門を倒し、幽族に自由を!」すると牢獄で歓声が湧き上がった。端木翠を探していた温孤(オンコ)は血相を変えて走って来る展顔(ヂャンイェン)を見つけた。展顔は事情を説明、端木翠が消えた場所へ案内する。「言ったはずだ、お前たちが一緒になれば端木が傷つくことになると…なぜ忠告を聞かないんだ?! 端木が死なぬ限りあきらめないと?」「…その時は私も端木の後を追う」その時、端木翠が走ってきた。「展顔!温孤!私なら無事よ!…越龍門は強者よ、やっと逃げ出してきたの」しかし展顔は巨闕(キョケツ)を抜いて端木に襲いかかった。「こやつは端木ではない…端木は決して敵を褒めないからな」すると越龍門が正体を現した。 越龍門は端木翠をある場所に閉じ込め、あと数刻で燃え尽きると教えた。激高した温孤は龍気を集めたが、展顔は越龍門を殺せば端木翠の居場所が分からなくなると止める。そこで越龍門は蓬莱図を渡せば端木翠を解放すると持ちかけた。展顔はここにはないと嘘をつき、自分ひとりで届けに行くという。「ただの人間なら脅威にはならないはずだろう?」「はお、東通りの廃屋で待っている」 その頃、端木翠は自分の身を守れる術もなく、激しい炎の中でもがき苦しんでいた。すると再び母と生き埋めにされた時の記憶が蘇る。あの時、まだ幼い端木は泣き叫びながら棺の蓋を開けようともがいていた。母は爪から血を流す娘を必死に止めながら、これは自分たち母娘の運命だとなだめる。『首の印を人に見せないで…過去を変えるためには沈淵(チンエン)を開いてはだめよ』啓封(ケイホウ)府に端木翠が失踪したとの報告が届いた。展顔によれば汶水(ブンスイ)県の殺人事件に仙薬が絡んでいるという。江文卿(コウブンケイ)は仙薬が蓬莱図の断片だと気づき、役所を上官策(ジョウカンサク)に任せ、成偶(セイグウ)と朱然(シュゼン)を連れて汶水へ向かうことにした。展顔が廃屋に現れた。展顔は端木翠の居場所が先だと言ったが、越龍門は蜥蜴(トカゲ)に変身、展顔から乾坤袋を奪って逃げ出してしまう。しかしその乾坤袋は偽物だった。林の中でようやく気づいた越龍門は憤慨、すると温孤が現れる。温孤は騙された越龍門を嘲けったが、越龍門はどちらにしても展顔は端木翠を助け出せないと言った。「お前には同情を禁じ得ない…いくら愛を捧げても端木翠の目には展顔しか映らぬからな お前は端木翠のために蓬莱図を奪って神仙となり、蓬莱図を砕いて捨てた 己の所業を他人に知られるのが怖いか?」温孤はようやく越龍門が幽族解放のためではなく、神仙になるために蓬莱図を集めていたと気づいた。ならば今ここで越龍門を消して全てを闇に葬ればいい。すると越龍門が急に端木翠に変身、温孤が一瞬、ひるんだ隙に逃げられてしまう。( ๑≧ꇴ≦)温孤ェェェェ___展顔は宝塔琉璃灯の中に端木翠が閉じ込められていると分かった。そこで硝子の笠を外そうとするが取れない。すると温孤が駆けつけ、越龍門に逃げられたと教えた。「端木翠はこの中だ、だが開かない」「これは宝塔瑠璃灯、中は猛火のはずだ」温孤はひとまず法術で冷気を送り時間を稼いだ。展顔と温孤はひとまず役所に戻った。温孤の話では越龍門は先王から継承した宝塔瑠璃灯と誓約を結んでいるはず、つまり越龍門と瑠璃灯は一連托生だという。「越龍門が死ねば琉璃灯も壊れ端木も助からぬ、越龍門が自ら琉璃灯を開ければ救えるのだが…」すると展顔がある方法を思いついた。「琉璃灯に物を入れることはできるか?」「私ならできる」そこで展顔は端木翠が自分に託した乾坤袋と琉璃灯を温孤に渡した。蓬莱図の最後の断片を琉璃灯に入れれば越龍門は開けるしかない。しかし温孤は端木翠との仲を邪魔した自分を信じてくれるのかと聞いた。「端木翠を助けたい気持ちは同じだろう?」展顔は琉璃灯に物を入れられるのが温孤だけだと聞き、温孤が幽王の息子だと分かった。「温孤…気をつけろ」温孤は蓬莱図の断片を使って越龍門をおびき出した。そこで越龍門の目の前で琉璃灯の中に乾坤袋を入れてしまう。「端木が死んだら蓬莱図など何の意味もない、しかしお前はどうかな?」越龍門は仕方なく端木翠を解放、一緒に飛び出してきた蓬莱図を盗んで逃亡した。すると温孤は乾坤袋を端木に渡し、駆けつけた展顔に任せて出かけてしまう。乾坤袋の中には2つの大きな丸薬が入っていた。端木翠は仙力を回復させるため1粒飲み込むと、展顔が残りの丸薬をつかむ。「展顔!…今の私には越龍門を倒す力がないの 確かにこの丸薬であなたも法力を持てるわ、でも…人間が飲めば心脈が傷ついてしまう」「君のためにも無茶はしないよ」すると展顔は丸薬を飲み込んだ。越龍門は最後の蓬莱図の断片を手に入れた。ついに体内で蓬莱図を完成させた越龍門、すると蓬莱の御来光に気づいた人々が一斉に平伏して拝み始める。その時、ちょうど県城に江文卿一行が到着した。「誰かが神仙になったのか…」一方、蓬莱でも温孤以来、数百年ぶりの新たな神仙誕生に沸いていた。人間が修練で神仙の域に達するなど至難の業、運命簿を管理する司命さえ誰なのか知らないという。しかし楊鑑(ヨウカン)だけは新しい神仙が幸か災いなのか分からないと冷静だった。越龍門は光に導かれ天への階(キザハシ)に到着した。「ついに神仙になれる!わっははははは~!」すると突然、雷鳴がとどろき、天雷に見舞われてしまう。蓬莱図で上仙した神仙は天劫を受けないはず、しかしたちまち暗雲が垂れ込めた。地上でも急な天候の変化に驚いた人々が逃げまどっていた。江文卿は端木翠たちが幽族の野望を阻んでいると気づいたが、蓬莱がなぜ助けに来ないのか分からず憤る。…私が冊封した神が役立たずばかりだったとは、もしやり直せるならこうはならぬ…すると江文卿は無関係の成偶と朱然を先に帰すことにした。越龍門の前に温孤が現れた。実はかつて大罪を犯した龍族だけは神仙になれず、この″九重(キュウチョウ)の天劫″は幽族の王族である龍族に落とす天雷だという。「ではなぜお前は神仙になれた?」「私は龍の角を除いたからだ」実は温孤は最後の蓬莱図の断片に自分の角を忍ばせていた。…端木、千年前、私は君の後を追うため、ここに角を埋めた…私は龍族の象徴を消したことで蓬莱図に受け入れられ神仙になれた…そして事実を隠匿するため、蓬莱図を砕いて捨てたのだ…だがお前たちは断片を探し集め、端木を傷つけた…蓬莱図さえあれば神仙になれるとでも?…龍の角がある者は必ず蓬莱図に殺される(  ̄꒳ ̄)砕き方が3つ?って雑すぎるわ~ってかそもそも適当に捨てるなってw越龍門は罠にはめられたと知った。そこへ仙力を回復させた端木翠と展顔が駆けつける。2人は温孤の身分まで露見すると警告したが、温孤はこれまで端木翠に寄り添えただけで本望だと言った。すると越龍門に天劫が直撃、魂は砕け散り、同時に蓬莱図と龍の角が放り出される。そのせいで温孤は天雷を受け激しく血を吐き、咄嗟に角をつかんだ端木翠まで巻き込まれた。その頃、江文卿は地上から心配そうに空を見ていた。…あれは巨闕の魂だ…展顔は端木翠と温孤を守るため、巨闕で天雷を阻止しようとしていた。やがて倒れた端木翠の手が力なく開き、龍の角が持ち主である温孤に戻ってしまう。「うわあーっ!」温孤はついに龍の姿を現し、蓬莱は龍族の残党を捕らえるべく天兵を招集した。端木翠は展顔だけでも逃げるよう訴えた。しかし展顔は死んでも構わないという。「端木、君のそばにいる、決して離れない」すると楊鑑が大軍を引き連れてやって来た。楊鑑は千年前、龍族のせいで多くの戦友を失ったと嘆き、幽王の血を引く温孤を見逃せないという。「それは温孤の父親の過ちよ…」「端木、温孤はずっと正体を隠して我らを騙してきた」「事情があったのよ!温孤は私の友、邪念など持っていないわ!」その時、展顔が端木翠を守るため、楊鑑に向かって巨闕を向けた。「人間ごときが私に刃向かうのか?!」「…大哥、私の想い人なのよ」展顔はその時、初めて端木翠の口から本当の気持ちを聞く。「そなたの友と想い人か…ならば私は何だ?!」「唯一の家族よ…大哥、私の敵にならないで…」温孤は人形(ヒトガタ)に戻り、素直に罪を償うことにした。「君は千年前と少しも変わらない」あの時、将軍だった端木翠は自分が幽族だと知っても端木営の一員だと守ってくれた。すると楊鑑は誅神(チュウシン)剣を招喚、蓬莱の掟に従って幽王の子である温孤を死罪に処すと宣言する。覚悟を決めて目を閉じる温孤、しかしその時、端木翠が飛び出した。つづく( ๑≧ꇴ≦)あぁぁぁぁぁぁーっ!
2022.12.08
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玉昭令 No Boundary Season 1第20話展顔(ヂャンイェン)は意地を張って端木翠(ダンムーツェイ)を引き止めることができなかった。しかし2度と会えなくなると思うと居ても立ってもいられなくなり、啓封府を飛び出して行く。その頃、江文卿(コウブンケイ)は草盧(ソウロ)まで端木翠を見送りに来ていた。「江大人(ダーレン)、お元気で」「君も気をつけて」端木翠が土遁(ドトン)術を放つと、砂が舞い上がって庭に大きな穴が出現した。…蓬莱図の最後の断片が無事に手に入ったら、展顔ともう永遠に会えないのね…展顔が息急き切って草盧へやって来た。しかしひと足遅く、端木翠はすでに行ってしまったと知る。江文卿はやはり展顔が端木翠を諦めきれないのだと分かり、目の前の人を大事にすべきだと諭した。「…でももう遅い」「そうとも限らんぞ?実は汶水(ブンスイ)県から捕吏を1人、応援に寄越して欲しいと依頼があった」「(๑´ω`๑)義父~」江文卿はこんなこともあろうかとすでに移動命令を準備していた。「手伝えるのはここまで、あとはお前次第だ」蓬莱図の断片は汶水県の富豪の娘・王繍(オウシュウ)が持っていた。幽族の長老・越龍門(エツリュウモン)は断片同士が引き合う反応で居場所を突き止めたが、断片を引き離すことができない。そこで王繍の恋仲の法師・劉彪(リュウヒョウ)という男を殺して成り代わり、接近した。しかし主を守っている蓬莱図は王繍から離れようとしない。…女から心臓の血を差し出させるしかないようだ…その頃、端木翠も汶水県に到着していた。しかし蓬莱図の断片が反応を示さず、何の手掛かりも見つからない。仕方なく端木翠は露店の店主に近頃、おかしな出来事がなかった聞いてみた。すると店主が王府の不思議な話を教えてくれる。「娘婿がさっぱり稼げない流しの医者だったが、先日この娘婿に事件が起きた 一夜で老け込んで姿を消したんだ すると不思議なことに重病だった妻の王繍が少女のごとく若返ったのさ」それ以来、失踪した王繍の夫・梁文祈(リョウブンキ)は幽族だと噂されていた。その夜、端木翠は王府へ潜入、ちょうど琴を弾いている王繍を見つけた。|ω・`).oO(ビンゴ!蓬莱図を持ってるわそこへ梁文祈の行方を探している林(リン)捕吏がまた話を聞きたいと訪ねて来る。|ω・`).oO(展顔だったらあっという間に解決するのに~すると端木翠は展顔を忘れられない自分に驚き、うっかり物音を立てた。王繍は勝手に倒れた急須に気づき、もしや梁文祈がそばにいるのではないかと誤解してしまう。王繍はやはり梁文祈が幽族かもしれないと怯え、劉彪を頼った。すると劉彪はどこで見つけたのか梁文祈を捕縛し、大道で幽族を追い払う祈祷を始める。しかし運悪く端木翠が通りかかった。…端木翠め、もう来たか…端木翠は梁文祈から幽族の気息を感じず、密かに折り鶴を飛ばして偵察させた。折り鶴の報告では梁文祈に心拍も呼吸もなく、すでに死んでいるという。長老は端木翠に暴かれるのを恐れ、咄嗟に梁文祈に術をかけて王繍を襲わせた。驚いた王繍は思わず短刀で夫を刺し、殺してしまう。劉彪は王繍に罪はないと慰め、徹底的に幽族を消すためにも骸を焼いた方が良いと助言した。祈祷を見ていた野次馬たちも幽族を完全に始末するべきだと賛同、王繍も了承する。…すでに死んでるのにもう一度、殺したわ…端木翠は法師が死因を隠すため遺体を焼くつもりだと分かった。その夜、端木翠を心配した温孤(オンコ)は王府を訪ねた。そこで夫人に端木翠という女子を知らないか聞いてみたが、王繍は会っていないという。すると王繍は夫が幽族だと知っていたか尋ねた。温孤は幽族ではなかったと否定し、元気そうな夫人の姿に困惑する。実は温孤は梁文祈と面識があった。梁文祈は王繍の病を治すため神医の温孤を訪ね、妻の命を救って欲しいと懇願したという。温孤は残念ながら寿命だと答えたが、その際、梁文祈は妻を″仙薬で救うしかない″と言っていた。「どうやら服用したようですね…」王繍は夫が自分を救ってくれたと知り、誤解して殺してしまったと後悔した。そこへ劉彪がやって来る。「梁文祈のせいで私は死ぬと言ったわね?本当なの?彼は私に仙薬を飲ませたそうよ?」その時、突然、劉彪が血を吐いてしまう。実は王繍の病は症状を抑えただけで完治しておらず、密かに自分の寿命を王繍に移したというのだ。しかし梁文祈を見つけた時に負傷し、法術で捕縛したせいで身体に限界が来たという。「心臓の血がなければ死んでしまう…しかし私に血を捧げてくれる者など現れぬ…」「私がいるわ!」王繍は自分の胸に裁ち鋏を突き刺そうとしたが、突然、端木翠が現れ阻止した。「この男に愛はないわ」長老はあと一歩のところで王繍の心臓の血を手に入れられるところだったが、正体を暴かれる前に逃げ出した。端木翠は幽族を追って夜の街へ飛び出した。すると裏道で自分を追って来た展顔と再会する。展顔は素直に端木翠が恋しかったと訴え、離れてから眠れず食欲もなくなったと話した。「翠児…すまなかった」「今、何て呼んだの?」「翠児…この花は私の気持ちだ」展顔は花を一輪、贈った。しかし端木翠が受け取ると花は消散、同時に端木翠の身体は急に小さくなってしまう。「翠児よ、うかつだったな~」展顔に化けていたのはあの劉彪だった。劉彪は端木翠を捕まえようとしたが、身軽になった端木翠に逃げられてしまう。端木翠は急いで王府に戻った。すると偽物の展顔が林捕吏と一緒に梁文祈の聞き込みに来ている。「新しい捕吏長の展顔です、梁文祈の事件は私が引き継ぐことになりました」|ω・ )<展顔の姿で今度は王繍を騙すつもりね?!端木翠は小さくなったせいで法術が使えなかったが、展顔の両足に梱仙縄(コンセンジョウ)を引っ掛けておいた。「梁文祈の遺体を調べたが幽族ではなく人間でした、しかも死んでから何日も経っていた 幽族に関わるゆえ役所に連行します」しかし展顔はつまずくこともなく、あっさり縄を切ってしまう。|ω・ )<あれ?幽族だけに効く縄を切ったわ…じゃあ本物?!展顔は役所の客室に滞在することになった。そこで椅子に腰掛け、端木には手放したと嘘をついた思い出の人形を眺める。展顔を追いかけて来た端木翠は机の上に飛び乗ったが、展顔はなかなか気づかなかった。「端木、君に会いたい…でもだめなんだ」|ω・ )<はあ?なんでよ?!何考えているのかしら?端木翠はしびれを切らし、長槍でいきなり展顔の手の甲を突き刺した。「(痛っ!)ジーッ…(はっ!)何だ、これは?」「端 木 翠 よ っ !」「端木?…君なのか?!」展顔はようやく小さくなった端木翠に気づき、手を差し出して乗せた。「本当に君なのか?…どうしてこんな姿に?」「私の勝手でしょう?!」まさか幽族の罠にはまったとは言えず誤魔化す端木翠、その時、王繍の悲鳴が聞こえた。王繍が幽族に襲われた。展顔と林捕吏が駆けつけ難を逃れたが、王繍はようやく劉彪が偽物で、自分を殺すのが目的だったと知る。部屋に戻ると端木翠は蓬莱図の断片が王繍の身体にあると教えた。梁文祈は愛する妻を救うため王繍に断片を飲ませたのだろう。王繍を襲ったのは当然、蓬莱図を狙う幽族だ。しかし断片は自ら王繍の血に潜んだため、王繍が自ら差し出さねば取り出せないという。「幽族も蓬莱図の断片に導かれて来たと?」「その通り、私が失くした断片を持っているはずよ」端木翠は幽族を見つけるため乾坤袋から断片を取り出したが、断片は消散してしまう。「うっそ~ん!これも偽物だわ!私から2つも奪い取るなんて…敵の思う壺ね」「大丈夫、私がいる」展顔は小さくなった端木翠を心配し、今夜は一緒に寝ることにした。そこで布団に入った展顔は端木翠を手に乗せ、宝物のように優しく包み込む。「悪夢を見ないでね、握り潰されたらたまらないわ」「そう言われると眠れないな(クスッ」すると端木翠は柔らかい展顔の手のひらですぐ眠りに落ちた。「端木、すまなかった、つらい思いをさせて…」翌朝、展顔は端木翠を連れて王繍の部屋を訪ねた。すると展顔は梁文祈の遺体から見つけた離縁状を渡す。梁文祈は死を前にして激しく血を吐いたのか、離縁状は真っ赤になっていた。…そなたは婚約を守って落ちぶれた私に嫁いでくれた…暮し向きが厳しく苦労をかけたな…私は持病があり、仙薬の力で生き長らえている…これでそなたを救ってやれるのがせめもの天からの恩恵だ…劉彪は裕福でそなたに優しい、世話してもらえれば安心だ…私に残された時間は短い、そなたの末永い幸せを祈っている展顔は2度と梁文祈ほど命懸けで愛してくれる相手には巡り会えないだろうと諭した。「私も同じ経験をした、身分が釣り合わなくても梁文祈の愛は本物だった 簡単なことではない、そんな相手は2人といない」「あなたも愛する人を失ったの?」展顔は思わず端木翠を見つめ、間違いを犯して裏切ったと答えた。「許してもらえるか分からない…」|ω・ ).oO(私のことかしら? ←情が封印されているので疎いw自責の念に駆られた王繍は自害しようとした。しかし展顔が制し、死は梁文祈への最悪の裏切りだと諭す。すると王繍はならば仙薬を取り出して欲しいと端木翠に頼んだ。「でも取り出したら年老いて死んでしまうわ」「…このまま生き続けたら恥の上塗りよ、老いて死んだ方が良い、夫に会いに行くわ」端木翠は王繍が手放した蓬莱図の断片を取り出し、最後のひとつを手に入れた。端木翠は展顔を問いただした。「さっきの話はどういう意味?…探り合いは嫌いよ、はっきり言ってちょうだい!」「端木…すまない、ひどいことをした」「そうね、もう怒らせないで」「はお、約束する、君を怒らせない」…私が臆病なせいで君を傷つけた、今からでもやり直せるだろうか?…2人は仲直りして巡回に出た。すると林に入ったところで蓬莱図の断片が反応する。どうやら端木翠の蓬莱図の断片を奪った幽族が近くにいるようだ。端木翠は念のため断片を展顔の帽子に隠してから先へ進む。その時、突然、目の前に蜥蜴(トカゲ)が現れたかと思うと、人形(ヒトガタ)に戻った。( ゚д゚)<あらやだ、爬虫類の幽族?(# ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾<端木翠っ!爬虫類って言われるのが一番、嫌いだ!憤慨した越龍門は展顔に一撃を放ち、肩から振り落とされた端木翠を捕まえて姿を消してしまう。つづく( ๑≧ꇴ≦)やだ何これwww面白すぎるわwwwしかも長老がカメレオンってwwwそりゃドラゴン温孤に嫉妬するわけだわwww
2022.12.07
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玉昭令 No Boundary Season 1第19話温孤(オンコ)は庭に出て端木翠(ダンムーツェイ)の帰りを待っていた。「心配いりません、端木門主は無事に戻られます」紅鸞(コウラン)に化けた長老は温孤をなだめながら内心ほくそ笑んだが、やがて端木翠の折り鶴が思わぬ伝言を届ける。「九獄の内通者は黒猫の江墨(コウボク)でした」実は端木翠は黒猫を誘き出すため、法力を失ったふりをしていただけだった。江墨は自分の過ちを認め、端木翠と一緒に細花流(サイカリュウ)へ行くことになった。そこで主・江易(コウイ)の生まれ変わりである江文卿(コウブンケイ)に別れを告げ、罪を償ってから会いに来ると約束する。しかし端木翠は戻るのは難しいと言った。「審問が終われば蓬莱はお前を九獄に送るわ」「九獄に?なぜ長老・越龍門(エツリュウモン)を捕まえないんだ?私は長老の命で動いたんだ」実は江墨は端木翠さえ殺せば江文卿が神位を取り戻し、生死の苦しみを免れると長老に吹き込まれていた。「…私が死んでも神位は戻らないわ、冊封されなければダメなの」江墨はようやく長老が蓬莱図を手に入れるため自分を利用したと気づいた。その時、黒煙が現れ、江墨の口を封じるべく急襲する。江墨は咄嗟に身を挺して主を守り黒煙が直撃、その場にへたり込んだ。江墨は激しく喀血、もはや虫の息だった。主を神仙にできなかったことは悔やまれるが、最期に唯一できることは自分の記憶を全て主に移すことだという。「父上はおっしゃった…″虎となれる王の心を持て″と…今から過去を全てお伝えします 猫でいるか虎になるかは父上がお決めください」すると江墨は自分の記憶を取り出し、江文卿に全て託した。…江文卿は千年前、人族の丞相・江易だった江易を支えていたのは3人の将軍で、義理の子である端木翠と楊鑑(ヨウカン)、そして觳閶(コクショウ)だ江易は人族を率いて幽族との戦いに勝利したが、戦闘で重傷を負った端木翠を救うため神位を譲渡、自身は人間になる道を選ぶ激しい雨の夜、江易は黒猫を拾った『今日からお前は江墨だ』江易は江墨を連れて隠遁し、修練の日々を送る『お前は小さな猫だが虎の心を持たねばならない、猫は人に飼われるが虎は山林を駆け回る …私は神位を失った、神仙にはなれん、だが懸命に修練を積めばお前には道が開ける それが私にとって最後の願いだ』すると江易は江墨の額に″王″と描いたやがて人間の江易は天命を全うし、この世を去った独り残された江墨はついに千年の修練を積んで人形を手に入れたが、もはや喜んでくれる父の姿はない…幽族を取り逃した端木翠と展顔が戻って来た。すでに江墨は消散していたが猫の命は9つ、端木翠は江墨が再び戻って来ると知っている。すると自分の前世を全て思い出した江文卿は端木翠の姿を目の当たりにして唖然となった。「江大人?」「端木…私はお前の義父だった」事件が解決し啓封(ケイホウ)に平穏が戻った。しかし江文卿は上官策(ジョウカンサク)に役所を任せ、部屋に閉じこもったまま鬱々としている。すると端木翠が啓封府にやって来た。上官策は展顔と端木門主の仲を取り持つため、事件のことなら展顔が対応すると言って逃げ出してしまう。「外で話さないか?」展顔は端木翠を細花流まで送ることにした。久しぶりに2人で歩く朱雀街、共に過ごした幸せな時間がまるで昨日のことのように思い出される。やがて互いに想いを秘めたまま端木橋に到着、結局、展顔は端木翠を引き止めることができなかった。(TㅅT)ค.oO(…端木、再見江文卿は新しい猫を拾って可愛がったが、江墨のことが忘れられなかった。夫人は夫に何か思うところがあると気づき、自由の身になって高みを目指しても構わないという。「今からやり直せるだろうか…猫のままでいるか、虎になるか」「あなたの心に″王″の字が輝いていれば可能よ」「…しかしもう機会はないだろう」「機会とは?」すると江文卿は急に端木草盧へ出かけしまう。端木翠は蓬莱の義兄に事件の解決を報告、実は義父だった江文卿が会いに来ていると教えた。驚いた楊鑑は端木草盧へ降臨し、感激のあまり身分も忘れて江文卿に抱きついて涙してしまう。「義父は当時のままだ」しかし記憶を封じ込まれている端木翠は確信が持てなかった。「本当に義父上なの?」「後身だから記憶を取り戻せたのだ」江墨は自分を犠牲にして江文卿に記憶を移していた。実は今回が9つ目の命だったという。恐らく長老は江墨が最後の命だと知り、そこに付け込んだのだろう。記憶を取り戻した江文卿は長老の目的が蓬莱図だと分かった。「神仙になる者がいる時、蓬莱図が現れる、蓬莱への扉を開くと同時に九獄を封じる鍵にもなるのだ 蓬莱図が消滅すれば幽族は九獄を脱出できる」端木翠は鏡妖から蓬莱図の断片をもらったと教えた。しかし乾坤袋にいれたはずの断片が見つからない。楊鑑は端木と近しい紅鸞を疑った。「蚊男のせいで法力が落ちた時なら触れられたのでは?」ともかく端木は乾坤袋をひっくり返して中身を全て出してみたが、結局、蓬莱図はなかった。江文卿の話では蓬莱図には知恵があり、自在に姿を変えることができるという。「最近、関わった事件は何だ?」「…啓封府と組んだ劉喜妹(リュウキマイ)の事件よ(はっ!)そう言えば思い出した!」端木翠は展顔を助けた時に手に入れた繭を見つけ、法力をかけてみる。すると繭が蓬莱図の断片に変わった。蓬莱図はなぜかどこかへ行きたがっているように振動している。江文卿は蓬莱図が他の断片に反応していると気づき、その断片に従えば残りを集められると教えた。「ただし九獄より先に見つけねば… 現れたからには蓬莱図は必ず一体となる、集まろうとする力は誰にも止められぬ」「もう巻き込まれたも同然なのね…なら私の手で揃えてみせる」一方、九獄では紅鸞が細花流を心配していた。自分に成りすました長老は繭となった断片を奪いに行ったはず、温孤の身が危ない。「脱出しなくては…」翌朝、端木翠が中庭に出ると展顔が門の前にいた。展顔は早朝の巡回のついでに寄ったと言ったが、青花(セイカ)は昨夜からずっとここに居たとバラしてしまう。「義父に聞いたんだ…帰るそうだな」「耳が早いのね…そうだ、話があるの」端木翠はすでに荷造りを始めていた。そこで展顔は乾坤袋の中身を整理整頓し、食べ物は左側で神器は右側だと教える。「左側って…あなたから見て左なの?」すると展顔は端木翠の手を持って乾坤袋に入れた。「君から見て左だ」しかし端木翠は気まずくなって展顔から乾坤袋を奪い取ってしまう。「自分でやるわ…それでこれを見て欲しいの」端木翠は蓬莱図の断片を手に乗せると、ある風景が映し出された。「展顔、ここはどこか分かる?」「…啓封最北の汶水(ブンスイ)県だ」「北なのね…寒い所なら衣が必要だわ」端木翠は蓬莱図の断片を探すため汶水県へ発つことになった。蓬莱図を集めて九獄を封じ直せば啓封に幽族が現れることもなくなり、端木翠の人間界での役割は終わる。「もう会うこともないわね」「耳が痛いと思うが聞いてくれ…夜は食べ過ぎないように、胃がもたれるぞ それから薄着に注意しろ、見た目を気にして風邪を引かないように 君は美しいから厚着しても神仙の気品は失わないさ」「…蓬莱では人間の身体じゃないの、冷えないし、胃ももたれない」「そうだった、お節介だったな」「口うるさい人がいなくなると寂しくなるわ…ぁ…」端木翠は展顔を見送りに出た。すると長老は端木翠の腰に乾坤袋がないと気づき、今のうちに部屋に忍び込んで偽物の蓬莱図と取り替えてしまう。一方、端木翠は門で展顔と別れた。…展顔、あなたの人生から私が消えれば平穏に暮らせるわ…長老は2つ目の蓬莱図の断片を手に入れた。そこで温孤に別れを告げる。「皆さんに悪いことをして来ました、ここにいると気まずいのです 上仙も回復したので安心して出ていけます」「噬心咒(ゼイシンジュ)がまだ解けていないだろう?」「あ…ご心配なく、九獄は混乱していて越龍門も手を出せないはずです 桃林に入って修練を積み、自分を取り戻します」温孤は紅鸞を許して引き止めたが、紅鸞の決意は変わらなかった。江文卿は端木翠を見送るため草盧へ出かけた。しかし展顔は現実に向き合えず、部屋に閉じこもって調書を読んでいる。上官策は後悔しないよう引き止めに行けと言ったが、展顔は無駄だと動かなかった。「展顔、門主の気持ちを聞いたのか?」「留まりたいなら去ったりしない」「展顔?!まさか女子から″離れたくない″とでも言わせたいのか?!あり得ん! ぐずぐずしていると触れることも叶わなくなるんだぞ!」つづく( ̄▽ ̄;)今さら気づく…これ1話がちょっと長いのねw
2022.12.06
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玉昭令 No Boundary Season 1第18話黒猫の小黒こと江墨(コウボク)は細花流(サイカリュウ)の騒ぎを大きくして蓬莱(ホウライ)が罰しに来るのを待っていた。一方、温孤(おんこ)を救うための九獄に戻った紅鸞(コウラン)は解毒薬を発見、しかし長老に捕まり、刑場で裏切り者と糾弾されてしまう。するとそこへ投獄されていた端木翠(ダンムーツェイ)が引っ立てられた。驚いた紅鸞だったが、端木翠を連行して来た幽族が実は展顔(ヂャンイェン)だと気づく。「…門主、早くお逃げください」「私はあなたを救いに来たの」展顔は密かに紅鸞の手錠を外すと、紅鸞は温孤の解毒薬が長老の部屋にあると教えた。そこで端木翠は自由が利く展顔に解毒薬を取って来て欲しいと頼む。目印は桃の花びらだ。端木翠は時間を稼ぐため、温孤にどんな手を使って毒を盛ったのか聞いた。すると長老は間者を忍び込ませたと教えたが、それは紅鸞のことではないという。「端木翠、お前の命を狙う者は多いぞ?」一方、展顔は長老の部屋に忍び込んでいた。しかし溶岩の上に敷き詰められた板石を踏み間違えるとマグマが飛び出し、展顔を襲う。展顔は慌てて引き返し物陰に隠れて難を逃れたが、マグマが反応したせいで長老は何者かが部屋に侵入したと気づいた。「端木翠!誰を連れて来た?!」展顔は長老の部屋に火山灰が積もりやすいと気づいた。…誰かが通ったところには足跡が残っているはず…そこで展顔は地面すれすれのところから板石を確認、すると他よりわずかに高くなっている板石を数枚ほど見つける。↓横になってもカッコいい展顔(←そこ?w一方、端木翠と紅鸞は刑場で幽族に応戦していた。端木翠は蓬莱の鞭(ベン)で敵を蹴散らし先を急いだが、紅鸞は噬心咒(ゼイシンジュ)のせいで急に苦しみ出し動けなくなってしまう。紅鸞がいないことに気づき慌てて引き返した端木翠、しかしひょっこり紅鸞が現れ、2人は無事に刑場を脱出した。無事に解毒薬を手に入れた展顔はちょうど逃げて来た端木翠たちと合流した。3人は門まで到着、端木翠が結界に穴を開けて負傷した紅蘭を逃す。「閉じる前に早く!」「うん!」…端木翠、お前が道を開いてくれたおかげでついに九獄を出られる…実は本物の紅鸞は噬心咒のせいで逃げ遅れたところを捕まり、長老が紅鸞に成りすましていた。(* ゚ェ゚)え?でも今までの幽族は結界の緩みから逃げられたはずじゃ?今まで何してた?温孤は解毒薬を飲み助かった。端木翠は確かに紅鸞は隠し事をしていたが事情があり、改心する機会を与えようという。すると門に立っていた紅鸞が申し訳なさそうに入って来た。「長老に強要されていたんです、噬心咒をかけられ苦しんでいました…それで仕方なく」「…手を出せ、噬心咒を診る」慌てた長老はそれより門主が九獄で負傷したと報告、驚いた温孤は紅鸞のことなど後回しで端木翠の脈を診た。しかし大したことがないと分かって安堵する。その時、突然、端木草盧(ソウロ)に暗雲が垂れ込めた。蓬莱から天兵がやって来た。端木翠が九獄の結界を破ったのは周知の事実、さらに細花流が幽族をかくまい人間界に災いをもたらしたと上奏があったという。端木翠は自分以外に手を出さないよう訴えたが、天兵は全て捕縛し調査すると譲らなかった。「細花流に手出しさせないわ!」「ではご無礼をお許しください!」すると端木翠は空に舞い上がり、天兵と激突した。地上で心配そうに見守る温孤、しかし紅鸞に成り済ました長老はほくそ笑む。その時、司法星君・楊鑑(ヨウカン)が現れ、争いを止めた。楊鑑はひとまず蓬莱に戻って釈明するよう説得した。しかし端木翠は頑なに拒否し、義兄にまで襲いかかってしまう。義妹に手を焼いた楊鑑は仕方なく老君から賜った宝・盤古幡(バンコハン)を放ったが、端木は必死に抵抗した。すると盤古幡から一撃を受け、端木翠は真っ逆さまに落ちてしまう。その時、ちょうど草盧に駆けつけた展顔が端木翠を抱き止めた。楊鑑は盤古幡を回収した。すると展顔は星君が降りてこないのは人間界で好き勝手できないからだと挑発する。憤慨した楊鑑は小天(ショウテン)を連れて降臨、そこで展顔は真相を突き止めるので3日の猶予が欲しいと嘆願した。「場所を変えてお話ししたいことが…」一方、黒猫に煽られた民たちはまた草盧へ押しかけていた。そこで小天が門の前に立ちはだかり、中に入らぬよう脅しをかける。やがて星君が端木翠たちを連れて民たちの前に姿を見せた。「この事件は啓封府に任せることにした、蓬莱は2度と干渉せぬ 皆を安心させるため細花流の全ての妖魔を草盧に封印しよう また端木翠の法力を封じて人間と同様にする」民に紛れて話を聞いていた黒猫は喜んだ。…法力を失えば端木翠など敵ではニャい…啓封を救った英雄だった端木翠はもはや幽族の首領として民に忌み嫌われた。展顔は法力を使えず民に責められ放題の端木翠をかばったが、端木翠は自分で潔白を証明すると反発する。その様子を黒猫が見ていた。(ΦωΦ)ふふふ…その夜、黒猫は独りで歩いていた端木翠に襲いかかり、裏道へ誘き出した。端木翠は細花流で面倒を見た小黒だと気づき困惑、しかし人形(ヒトガタ)に戻った江墨は端木翠への恨みを爆発させる。「何としてもお前を殺して主(アルジ)の神位を取り返す!」「主?誰のこと?」「″義父上″と仰いでおきながら、受けた恩をすっかり忘れたのか!」「私の義父…江易(コウイ)のこと?」「黙れ!もう義父上と呼ぶな!…あの方は私ひとりの父上だ」「父上?イヤイヤイヤ〜だってあんたは野良猫…」「かつて私は父に救われ法術を教わった、いつか人形になるためだ お前が父から神位を奪ったせいで父はいまだに人間として生老病死に苦しんでいる 輪廻転生から抜け出せず、私と千年も離れ離れに! 父は過去ばかりか私のことも覚えていない…お前のせいだ!殺してやる!」激怒した江墨は端木翠に襲いかかったが、端木翠が放った盤古幡に捕まってしまう。「展顔、出て来て」展顔はすでに小黒に目星をつけてた。蓬莱で上奏できるのは修練して悟りを開いた者か法術ができる幽族だけ、当然、啓封の民の中に悟りを開いた者などいない。また、毒に侵された被害者たちは一様に猫に襲われていた。展顔は民の中に幽族が紛れ込んでいると気づき、誘き出す策を提案する。そこで楊鑑は展顔に協力し、敵を油断させるため端木翠から法力を奪ったと嘘をついていた。江墨は猫妖だった。しかし端木翠に拾われ虎の人形に変えられてしまう。「虎は可愛いでしょう?」「額にあった″王″も消された!」「いやだからあんたは猫だって…」「何も分かってない!私の理解者は父だけだ!」すると江墨は激しい怒りから巨大な猫妖となり、檻を壊して飛び出してしまう。啓封府に巨大な猫妖が現れた。衛兵たちは江公爵を守るため猫妖を包囲、そこへ端木翠と展顔も駆けつける。「こいつが事件の黒幕よ!」端木翠は法術を放とうと構えたが、江文卿(コウブンケイ)が止めた。「小黒、お前なのか?」すると江墨は人形に戻った。江文卿は端木翠の義父であり江墨の主でもある江易だった。千年前、江易は黒猫を拾って江墨と名付け、数十年を共に暮らし、人形になれるよう修練を教えたという。しかし端木翠が崇城(スウジョウ)の決戦で死にかけた時に神位を譲ってしまい、江易は神仙になる機会を失っていた。人間の江文卿は千年前の記憶などなかった。しかし江墨が自分のために罪を犯したのは事実、自ら責任を取って職を辞すと決める。誰もが江公爵を引き止め、江墨も自分が罪を償うと訴えたが、江文卿の決意は固かった。すると端木翠がやはり江墨本人に償わせるという。「今回の事件は解決しました、小黒を細花流へ連れて行けば蓬莱も納得します」江文卿は仕方なく細花流へ行くよう命じ、江墨も素直に応じた。つづく
2022.12.05
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斛珠夫人 Novoland:Pearl Eclipse第45話「偽りの人生」方鑑明(ホウカンメイ)は方海市(ホウハイシー)を鳳梧(ホウゴ)宮へ送り届け、″目覚めたら来て欲しい″と伝言を託した。翌朝、海市は急いで昭明宮へ向かったが、呼ばれた理由は分からない。「なぜ起こしてくれなかったの?」すると玉苒(ギョクゼン)は清海(セイカイ)公から疲れている淳容(ジュンヨウ)妃を起こさぬよう申しつかったと釈明した。今日の昭明宮は人影もなく静かだった。涼亭で待っていた方鑑明は海市に好物の桂花糖を勧め、方卓英(ホウタクエイ)から届いた密報を見せる。海市は師匠の雰囲気がいつもと違うことに戸惑いなら、久しぶりに師兄の筆跡を目にした。…師父、先日、奪洛(ダツラク)が少ない兵馬で右部を奇襲しました…塔拉(トウラ)は私を救うため不幸にも命を落とすことに奪罕(ダツカン)はこの悲劇で部下たちの信用を失わぬよう、単騎で奪洛を草原へ連れ出し、決闘を申し込んだという。そして配下が見守る中、卓英は徒手で奪洛を屈服させ追放、ついに鵠庫(コクコ)統一を果たした。↓だからあえてこのカツラだったのか〜って(;╹⌓╹)ェェエエ工?!塔拉が死んだ?!褚季昶(チョキチョウ)の謀反は失敗、雷州諸部は大徴と同盟を結び、瀚(カン)州も落ち着いた。方鑑明は天下泰平の世が訪れたと実感し、ようやく海市に本心を打ち明ける。当時は自分の死後に昶王が海市を害するのではと恐れて慌てて入内させたが、もはや海市を傷つける者はいなくなった。今後、海市がどこで何をしようと皇帝が許してくれるという。実は皇帝は朝廷が安定したら柏奚(ハクケイ)を解いて鑑明が官職を辞すことも認めていた。「共に行っても良いか?…お前がどこで何をしようとお前のそばにいたい…」( ゚д゚)<はぁ?…あなた、私のそばにいたいの?って、なぜ?(๑•̀ㅂ•́)و✧<それはお前を愛しているからだ!鑑明は海市が救ってくれた命を無駄にしたくないと訴え、もう一度だけ機会が欲しいと懇願した。(・Д・)<もし嫌だと言ったら?( ̄◇ ̄;)<ぁ…手紙を出すよ…その~時々、会ってくれるだけで…(´゚艸゚)∴ブッ<方鑑明!そんなに簡単にあきらめるの?!海市はこの言葉をずっと待っていたと涙を流して喜んだ。そこで今後は隠し事をせず、決して2人は離れず、ずっと愛し合い子供を持ちたいという。鑑明は何でもすると約束したが、海市は全て書き記して署名して欲しいと笑った。「はお、では今すぐ書こう!」(* ゚ェ゚)え?…てっきりハイC、ちゃぶ台ひっくり返すんだとばかり…方鑑明と海市は手を取り合い、書斎に急いだ。そして鑑明は海市が見つめる前で誓いの書をしたため、完成させる。「あとは署名するだけね…」すると鑑明はいきなり海市を押し倒してしまう。「今生、絶対にお前を裏切らない」鑑明と海市は共に生きることを誓い、愛を確かめ合った。方鑑明が謁見した。旭(キョク)帝・褚仲旭(チョチュウキョク)は幸せそうな鑑明の姿に安堵し、解毒が終わったら柏奚を解くという。「そして朕は清海公の訃報を公表し、方海市に密勅を下す 琅嬛(ロウケン)を送ったら現地に留まり、龍尾神と善行を積めとな そうすれば清海公と淳容妃はこの世の中からいなくなる」鑑明は皇帝の周到な準備に感謝したが、その一方で投獄された弟を心配していると分かった。実は褚季昶は気が触れたのか、牢でおかしな話ばかりしているという。机には昶王に厳罰を要求する上奏文が山積み、しかし褚仲旭は唯一の血族の命をどうしても奪えずにいた。注輦(チュウレン)の王子・索蘭(サクラン)が自ら故郷の果物を届けるため宮中にやって来た。肉親の情に苦しむ褚仲旭は索蘭をしばらく滞在させると決め、淑容(シュクヨウ)妃・緹蘭(テイラン)に情勢が落ち着いたら再会させると伝える。「姐弟の絆に恵まれるのは良いことだ…幸運だな」緹蘭は昶王のことを思うと胸が痛んだが、必ず良い解決法が見つかるはずだと慰めた。「皇室に生まれたら兄弟の縁は薄いものなのだろう…」しかしそんな中、ある重大な事実が判明する。翌朝、皇帝に謁見した索蘭が思わぬ秘密を明かした。「牢にいる昶王は陛下の本当の弟ではありません!」( ꒪ͧ⌓꒪ͧ)マイケルェェェェェ___昶王の謀反の件は注輦にもすぐ伝わっていた。するとそれを知った褚季昶の元使用人の男が酒に酔ってうっかり秘密を漏らしたという。実は褚季昶と大徴の皇帝は血族ではなく、本当の褚季昶は注輦に来て間もなく不慮の事故で水死していた。しかし当時、仕えていた女官が罰を恐れ、王宮の外でよく似た偽者を探して来て替え玉にしたという。報告を受けた注輦王は使用人を拷問にかけ詳細を問いただし、本物の褚季昶を埋葬した場所まで発見していた。褚季昶の遺骨と証人はすでに大徴に向かう道中だという。褚仲旭はにわかに信じられなかったが、索蘭が献上した供述書を確認し、怒りのあまり身体が震えた。褚季昶の牢に皇帝が現れた。褚季昶は兄にすがりついて命乞いしたが、褚仲旭はまるで他人を見るような冷たい目つきをしている。思えば儀(ギ)王の乱の時、褚李昶は注輦でこっそり皇兄に協力し、偽帝姫(テイキ)の件では命を惜しまず皇兄を救った。「そなたは言ったな…朕がそなたを大切にすれば、そなたも朕に尽くすと…」「一時の気の迷いからこんなことを…哥哥…哥哥ぁぁぁ…」「…だがそなたは朕の弟か?」すると褚仲旭は偽者の手を振り払って帰ってしまう。「哥哥…讒言を信じないでください!哥哥ぁぁぁ~!」褚仲旭は方鑑明と海市に供述書の真偽を尋ねた。冷静な鑑明は証言だけでは信じられないと考え、霽風(セイフウ)館で調査させるという。しかし海市がすぐ真偽が分かる方法があると進言した。海市は深夜、誰にも見られぬよう褚季昶を連れて琅嬛の浴槽を訪ねた。すると琅嬛が褚季昶の手を取り、記憶をたどる。『ごめんよ、お前を売らねば弟も妹も飢え死にしてしまう』『泣かないで母さん、僕は大丈夫…』『…家族の無事を願うなら何も問わないことだ 今日からお前は大徴から来た王子・季昶、大徴の風習や季昶殿下の性格と習慣は教える』琅嬛は残念そうに首を横に振った。海市は偽の昶王に毒酒を届けた。慈悲深い皇帝は偽者を完全な姿で逝かせてくれるという。しかし偽者は慈悲など偽善者の言い訳に過ぎないと冷笑し、高貴な身分にいれば自分や家族を守れると言った。「私も漁村で育ち、阿娘もただの漁民だった… でも阿娘は万民の幸福のため望んで命を捨てたわ あなたがもし九州を統一したとしても阿娘の高貴にはかなわない」「わははは~斛珠夫人よ、母を聖人とするような戯言はやめろ…理解できん」「あなたには分からない…分かる必要もないわ」海市は何とも虚しくなって牢をあとにすると、寝宮で方鑑明が待っていた。方鑑明は自分が代わりに行くべきだったと後悔した。すると海市はこの手で母の敵を討ちたかったという。しかし気が晴れるどころか、悲しく惨めな気分になったと吐露した。それにしても皇帝はなぜ激怒しながら秘して公表せず、公然と処刑しなかったのだろうか。鑑明はこれも全て淑容妃のためだと教えた。「この事案は熟考が必要だ 注輦王はとうに真相を知っていたのやも…だが紛争を恐れ、暴かずにいた可能性もある もし公にして調査しても、その結果が陛下の望むものとは限らない」「この件が注輦と関係するなら緹蘭の地位に影響するからなのね」皇帝は緹蘭と子供のために必死に怒りを抑えていた。「でも昶王の従者として共に注輦に行った湯乾自(トウカンジ)が…」「今は調べるな、陛下は時機を待つおつもりだ」海市は皇帝と師匠が実の兄弟のように理解し合っていることに感銘を受けた。「これから私は陛下よりもずっとあなたを理解し、どんな時も隣にいる、もう独りにさせない」「私もそばにいてお前を大切にして愛し、喜ばせる…他には何もない」謀反で逆賊を欺き功績を上げた黄泉営の将兵たちは朝議で褒章を賜った。軍侯・張承謙(チョウショウケン)は明威(メイイ)将軍に封じられ、海市を大哥と慕っていた任勇(ジンユウ)・肖武(ショウブ)・呉恙(ゴヨウ)・郭大成(カクダイセイ)は参軍に封じられる。 つづく( ๑≧ꇴ≦)あれ?郭大成が生きてた!wwwwwじゃあ葉母を護衛していた小郭って誰よ?!wそれにしてもここに来て大事な話がさらっと流されてる~
2022.12.04
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斛珠夫人 Novoland:Pearl Eclipse第44話「運命の分かれ道」葉(ヨウ)夫人は娘と再会できると知り、取るものも取りあえず天啓(テンケイ)へ出発した。するとその夜、宿泊先の部屋に暗衛営の郭大成(カクダイセイ)が現れる。郭大成は密かに兵士の部屋を調べ、兵士の荷物から昶(チョウ)王の令牌を見つけていた。「奴らは陛下の配下ではない、逃げましょう」しかし兵士たちに気づかれ、郭大成は殺されてしまう。翌朝、琅嬛(ロウケン)を連れて天啓へ急いでいた方海市(ホウハイシー)の前に刺客たちが現れた。海市は弓を構えたが、その時、敵の馬車の中から母が現れる。しかし葉母は娘の足手まといになりたくないと、刺客が突きつけた剣で自ら首を斬り自害した。海市はそんな母の思いを無駄にするまいと馬車を走らせ逃亡、やがて崖っぷちに追い込まれてしまう。その時、方鑑明(ホウカンメイ)が現れ、馬車に飛び移った。すると鑑明たちはそのまま崖から落下してしまう。褚季昶(チョキチョウ)はまたしても海市の暗殺に失敗したと聞いて激怒した。配下は突然のことで追いつけなかったと釈明、ただどちらにしてもあの高さから落ちれば2人とも命はないはずだという。すると施霖(シリン)が何にせよ明日の龍尾神の披露は失敗、これも皇帝が暴政を行った天罰だろうとなだめた。「その通りです」その声は黄泉営から戻った符義(フギ)だった。符義の話では奪洛(ダツラク)が右部と交戦中で黄泉関を攻める余裕がないという。奪洛が黄泉関を牽制できなければ褚季昶は不利になるが、符義は一緒に戻って来た暗衛営の張承謙(チョウショウケン)をすでに引き込んでいた。張承謙と鵠庫(コクコ)が通じていた証拠をでっち上げたところ、千両で寝返ったという。「私の腹心をそばに置いてあります、怪しい動きを見せれば即刻、始末します」しかも今回、黄泉営から率いて来たのは符義と湯乾自(トウカンジ)の配下ばかり、北府軍にも2万ほど符義の配下がいるため心配はないはずだ。特使たちも皇帝が龍尾神を招くことができなかったと知れば自分に味方するはず、褚季昶はそうなれば簒奪も容易だと安堵した。宴の夜、符義の副将は張承謙の配下を連れて城楼にいた陳哨子(チンショウシ)を捕らえた。「霽風(セイフウ)館が雷(ライ)州諸部の使者と結託し、謀反を企んでいると密告があった」「…忠告しておく、反逆の罪は重いぞ?」しかし多勢に無勢、陳哨子は連行されてしまう。一方、紫辰(シシン)殿では旭(キョク)帝・褚仲旭(チョチュウキョク)が雷州諸部の特使たちを招き、歓迎の宴を開いていた。すると痺れを切らした尼華羅(ジカラ)の特使・吐昴薩(トコウサツ)が上奏、宴も半分を過ぎたのに龍尾神が現れないと訝しむ。何より前特使と副使の殺害について釈明もなく、もし龍尾神の話が嘘なら大徴(ダイチョウ)と開戦も辞さない覚悟だと訴えた。これをきっかけに他の特使たちも皇帝への不信感をあらわにする。頃合いを見計らっていた褚季昶は自分の太監に目配せ、そこで太監は大殿を出て回廊にいた張承謙に合図し、張承謙が照明弾を上げた。「張承謙が信号を放ちました」待機していた符義は兵士に号令、ついに謀反が動き出した。緊迫する紫宸殿に穆徳慶(ボクトクケイ)が駆けつけた。穆徳慶は皇帝に何やら耳打ち、すると褚季昶がいよいよ立ち上がり、皇兄を追い詰める。「陛下に徳があるなら龍尾神は必ず姿を現すでしょう、陛下、どうか龍尾神をお呼びください これ以上、使者たちを待たせられません(クスッ)」褚季昶はこれが運命の分かれ道だと気が付かなかった。「季昶よ…そんなに龍尾神に会いたいか?」褚仲旭は弟に最後の機会を与えたが、褚季昶は選択を誤ってしまう。「…本当に今、会いたいのだな?」「もちろん!」その頃、符義は計画通り兵士を引き連れ、宮中へ入った。褚仲旭は弟と特使たちを連れて奥殿にやって来た。殿内には巨大な箱が鎮座しているだけだったが、そこへ方鑑明と斛珠(コクジュ)夫人がやって来る。2人が死んだと思っていた褚季昶は呆然、何とか符義たちが間に合うことを祈るしかない。そんな弟の心を褚仲旭は見透かしていた。「季昶…待っても無駄だ、龍尾神の他には誰も現れぬぞ」( ゚Д゚)゚Д゚)゚Д゚)ジェットストリームポカーン一方、張承謙は自分の兵を引き連れ、何も知らずに宮道を進んで来た符義を足止めした。実は張承謙は自分を見張っていた符義の配下をあっけなく買収できたという。裏切られた符義はひとまず退くことにしたが、後方から陳哨子たちが現れ、挟み撃ちにされた。「シャァァァァァ(殺)!」海市は手のひらに清水をつけて鮫人の印を見せた。そしてその印を巨大な箱に押し当てると、驚いたことに水晶槽が明るく輝き、海水の中で泳ぐ琅嬛の姿が見える。龍尾神の姿を目の当たりにした特使たちは驚きのあまり言葉を失っていたが、やがて一斉にひざまずいて祈りを捧げ始めた。褚仲旭は特使たちを連れて紫宸殿に戻り、宴も無事、御開きになった。龍尾神の降臨はまさに大徴の瑞兆、しかし特使たちは龍尾神をすぐ海へ返して欲しいと嘆願する。雷州では海は民の暮らしの一部、龍尾神の庇護が不可欠だ。そこで褚仲旭は大徴との同盟を結び、今後一切、大徴を侵略しないよう約束させる。「背いた者は龍尾神の庇護を失うであろう」こうして雷州諸部は大徴と同盟を結び、褚季昶の思惑は外れた。動揺を隠せない褚季昶は早々に退散することにしたが、その時、海市がやって来る。「昶王殿下、そう慌てなくても…主役なのですから」すると捕縛された符義たちが連行された。褚仲旭は符義が皇宮に立ち入る前に改心していれば褚季昶を見逃すつもりだったと明かした。驚いた褚季昶はひざまずき、一時の気の迷いだったと命乞いする。しかし海市は昶王が策略を巡らせ特使と副使を殺したと明かした。こたびは龍尾神を襲撃、聖旨を捏造して母を誘拐し、兵を動かして皇位簒奪を企んだという。「証拠も物証も揃っています!たとえ慈悲深い陛下でも見逃すことはできないでしょう」海市は容赦なく褚季昶を追い詰めた。方鑑明は黙って悲しみに耐えている褚仲旭を心配していたが、追い打ちをかけるように尼華羅の特使が昶王の厳罰を嘆願する。すると褚仲旭は涙をこらえながら、昶王と加担した者たちを投獄するよう命じた。褚仲旭は長旅で疲れた琅嬛を海水で満たされた大きな浴槽に移した。すると琅嬛は海市に未生花(ビセイカ)を解毒できると教える。方鑑明は体力を消耗している琅嬛を気づかい、回復してから相談したいと遠慮した。「鮫珠粉で当分、持ち堪えられる」褚仲旭も大徴と民を守ってくれた琅嬛に深く感謝し、2度と危険な目には遭わせないと約束した。海市たちは琅嬛がゆっくり休めるよう早々に出ていった。すると鑑明が回廊で突然、海市を手刀で打ち、眠らせてしまう。「…何だ?!」「戻ってから不眠不休で食事もしていません、無理をさせれば私より先に死んでしまう… 先に送り届けて来ます」褚仲旭は鑑明の急な変化にいささか面食らった。しかしどうやらあの石頭もようやく気がついたらしい。つづく( ゚д゚)え?何だか視聴者が置いてきぼりになってる?w
2022.12.03
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风起陇西(ふうきろうせい)第二十計「魏を囲んで趙を救う」柳瑩(リュウエイ)は間諜だと認めなかったが、荀詡(ジュンク)がそう思うなら捕まえてくれと言った。しかし荀詡は結局、柳瑩を逃すと決める。「この令牌があれば城門を出られる…お願いだ、この地を離れてくれ」すると柳瑩は思わず荀詡に抱きつき、黙って帰って行った。そこへ見張りをしていた裴緒(ハイショ)が駆けつける。「林良(リンリョウ)が近くにいるので追わせます」「必要ない…」すると荀詡は陳恭(チンキョウ)にも言うなと釘を刺した。一方、陳恭も″連環の計″の前に不安の種を除くべく馮膺(フウヨウ)を茶に誘った。いつかこの日が来ると覚悟していた馮膺、するとやはり陳恭は建安23年の資中(シチュウ)県での敗戦について知りたいという。「何と答えたらよいか…予想もつかないことが起こった、翟悦(テキエツ)のことがそうだ お前も五仙道に侵入した時、翟悦を失うとは思わず己の使命のみを考えたはずだ」馮膺は当時、賊軍に資中県を包囲させることが自分たちの戦略だったと明かした。10年前、先帝・劉備(リュウビ)は陽平閣で川を挟み夏侯淵(カコウエン)と対峙していた。夏侯淵の守りは堅固でつけ入る隙がなかったが、ちょうどその時、郭淮(カクワイ)が夏侯淵を助けるため″囲魏救趙(イギキュウチョウ)の計″を仕掛ける。すると楊儀(ヨウギ)が急ぎ先帝の密詔を届けた。密命は馮膺に資中県の守備状況を密かに曹魏に流させることだったという。諸葛亮(ショカツリョウ)は曹魏の″囲魏救趙の計″を逆手に取ったのだ。馬秦(バシン)・高勝(コウショウ)の資中県の乱の後、定軍山の曹魏軍は判断を誤って攻撃に転じ大敗、夏侯淵は戦死する。「陳黻(チンスウ)の死は決して作戦の本意ではない、私は命に従い動いた、それは嘘ではない」馮膺はそれまでも命に従い郭淮に情報を売ったことを認め、信じられねば楊儀に直接、聞いて欲しいと訴えた。確かにこれまで多くの犠牲を払ったが、国の利益と個々の命なら前者を選ぶという。「それがこの馮膺の信念だ…過去にとらわれないで欲しい、敵対せぬ事を願う」「ご心配なく、この陳恭も大義を選ぶ人間です…で、高堂秉(コウドウヘイ)の死は?」「私が手配した、この件はお前とは何の関係もない」陳恭は荀詡が馮膺を調べていると警告したが、馮膺はなぜか構わないと許した。「それより楊長史と会え、丞相の将令を得る手はずを整えろ」↓(´-ω-`)うむ1一方、李厳(リゲン)と狐忠(コチュウ)は馬岱(バタイ)を計画に引き込むため紫煙(シエン)閣に呼びつけていた。しかし実直な馬岱は到底、謀反に賛同できるはずがない。すると李厳が皇帝からの密詔と馮膺や陳恭の署名がある誓約状を見せた。「なるほど…諸将の支持がこれだけあれば何の憂いもない」馬岱は皇帝の勅命を受け、自ら署名押印し杯を交わした。↓(´-ω-`)うむ2間軍司の梁倹(リョウケン)が天水(テンスイ)郡守の役所に駆けつけた。諸葛亮が大軍を率いて漢中に入り、先鋒の将軍・魏延(ギエン)は秦嶺(シンレイ)山脈に沿って進み武都・陽平の両郡へ、しかしもう1つ謎の部隊が密かに進んでいるという。その部隊は祁(キ)山の南側から建威(ケンイ)に出るようだ。郭剛(カクゴウ)はどちらが主力部隊なのか調べるよう命じたが、郭淮は今回の蜀の侵攻が奇怪なことに気づく。そこでしばし武都と陽平をあきらめ、祁山に戻って上邽(ジョウケイ)と天水の一線を守ると決めた。東呉と西蜀に侵略され兵を分ける余裕がない。「諸将に告ぐ!天水の全軍を出動させ、渭水(イスイ)に布陣し蜀軍を迎え撃つ!」陳恭は荀詡を訪ねた。相変わらず歩行訓練に余念がない荀詡、今では杖がなくてもわずかに歩けるようになっている。荀詡は柳瑩に会ったと話し、布石を打ったので出方を待つと言った。すると裴緒が馮膺に動きはなかったものの、実は曹掾(ソウエン)の部屋の門に誰かが墨で円を書いたと報告する。「小さい円なので馮曹掾が拭き取らねば気づきませんでした」荀詡は密偵の連絡方法だと気づき、これでも問題ないかと陳恭に詰め寄る。そこで陳恭は確かに今日、妙だと感じたことがあったと教えた。「馮膺が青石谷(セイセキコク)の赤岩(セキガン)峰へ行く手配を命じていた…何でも道人に会って占うそうだ 明日の夜明けに出ても到着は巳の刻(10時頃)だろうな」「この多忙な時に占いだと?!ばかばかしい!」荀詡は異変があれば打って出たいと奮起したが、司聞司の司尉(シイ)ごときに何ができようかと嘆いた。しかし思いがけず陳恭が令牌を差し出す。「楊長史に会って来た…丞相の将令を受けた」「よかった!」一方、漢中に戻った黄預(コウヨ)は五仙道の生き残りと合流していた。諸葛亮が大軍を率いて北伐に向かうが、これが五仙道復興の絶好の機会になるという。そこで郭淮の指示通り、散(サン)関の北に潜入して蜀軍の補給路を断ち、西郷場外の関所を攻撃するよう命じた。成都を発った諸葛亮の大軍は明日、申の刻(16時)に南鄭に到着する予定だった。孫令(ソンレイ)は青石谷から急いで戻っても間に合わないと言ったが、馮膺は心配無用だという。こうして馮膺は孫令と従者を連れて青雲殿に到着、その様子を荀詡たちが見張っていた。↓(´-ω-`)うむ3青雲道人は亀卜(キボク)の結果に顔をしかめたが、率直に伝えた。「3日以内に投獄されるという結果が…」しかし馮膺はどこか達観しているように見える。「生死が定めでも難を逃れる手はないものか?」「″君子は生死を超え天命を成す″という」「つまりいかなる手も無益なのか…」孫令は帰りの道すがら、不吉な占いに憤慨した。「戻ったら侍衛を差し向け、青雲殿を叩き壊してやる!」「馬鹿を言うな」馮膺は叱ったが、その時、山中に潜んでいた兵士が現れ、包囲されてしまう。すると荀詡が姿を現した。「馮曹掾は曹魏と通じ、機密を漏洩した…捕えよ」つづく( ๑≧ꇴ≦)踊らされている荀詡、うすうす感じてはいるけれどいつ気づくのかな?
2022.12.02
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玉昭令 No Boundary Season 1第17話展顔(ヂャンイェン)は温孤(オンコ)を脱獄させたのが桃花の妖怪・紅鸞(コウラン)だと気づき、細花流へ向かった。一方、紅鸞は愛する温孤を救うため、解毒薬を取りに九獄へ戻ると決める。「長老があなたを傷つけてごめんなさい…必ず助けるわ」紅鸞は温孤が眠っていると思い真実を明かしたが、その時、突然、温孤が目を開けた。「やはりお前か…幽族の間者だな?!何を企んでいる!」もはや言い逃れできなくなった紅鸞は噬心咒(ゼイシンジュ)をかけられ、やむを得なかったと釈明する。端木門主と温孤を傷つけるつもりはなく、他の使者が送られるくらいなら自分の方がうまく手加減できると考えたのだ。「むしろ私は守りたかったのです!」しかし温孤は九獄の目的が蓬莱図だと分かっていた。「私がうかつだった…」温孤は紅鸞は成敗すると決めたが、頭に血が上ったせいで毒が身体中をめぐり、急に苦しみ始める。「私を信じてください…戻ってから罰を…」すると紅鸞は草盧を飛び出した。温孤は端木翠(ダンムーツェイ)に紅鸞が幽族の使者だったと報告、すぐ捕らえるよう訴える。「九獄へ向かった…捕まえれば細花流の汚名をそそげる」細花流へ到着した展顔は端木橋で紅鸞と出くわした。驚いた紅鸞は桃花の術を放ったが、そこへ端木翠が駆けつけ展顔を守る。すると端木翠の仙力と桃花が激しくぶつかり合って閃光が走り、その隙に紅鸞は姿を消した。実は展顔も牢を襲ったのが紅鸞だと気づいていた。しかし端木翠は自分で解決するので関わるなと突き放してしまう。「紅鸞は九獄へ向かったの、人間は入れない」「私も行く!」一方、紅鸞は九獄へ到着、温孤を救うため燃え盛る火の洞窟を突き進んでいた。温孤を解毒できるのは長老だけだった。黒猫のおかげで今や細花流は悪の根源となり、自分が手を下すまでもなく端木翠は蓬莱から罰せられるだろう。「温孤よ…龍だから何だというのだ、幽族の長老である私も王になれるはずだ! しょせんお前の母は人間、雑種の龍族が高貴なものか! ふん、お前が毒で乱心し、猛獣に成り下がる時を楽しみに待っているぞ」九獄の入り口は入江にあった。崇城(スウジョウ)の決戦のあと三界が誕生、神仙は天上の蓬莱へ、幽族は海底にある最下層の九獄に閉じ込められたという。「見送りはここまでよ」「どうか一緒に連れて行ってくれ」展顔の真剣な眼差しを見た端木翠は黙って乾坤袋から蓬莱の宝物を取り出した。「″隠身衣(インシンイ)″よ、水や炎から身を守り、姿も消せるの」端木翠は展顔の手を取り、渦潮の中へ入った。2人はひとまず一緒に隠身衣をかぶって門衛を通り過ぎ、九獄へ潜入することに成功する。すると端木翠は途中で展顔だけ結界に閉じ込めた。しかし急に立ちくらみに襲われ、ふらついてしまう。驚いた展顔は結界から出すよう訴えたが、端木翠は展顔の安全が大事だと譲らなかった。「…結界は1日で解ける、もし私が戻らない時は逃げて」その頃、黒猫は青年に姿を変え、民をあおって細花流へ乗り込んだ。本来は札がなければ端木橋を渡れないが、細花流に潜入していた黒猫は手に入れた札で結界を破ってしまう。こうして武器を持った民たちは草盧で大暴れ、騒ぎに気づいた温孤はふらふらになりながら庭へ飛び出し、危うく襲われそうになった青花小仙と小薬瓶をかばった。しかしそこへ知らせを聞いた啓封府が駆けつける。江文卿(コウブンケイ)は5日以内に納得の行く説明をすると民に約束、それまでは騒ぎを起こさぬよう厳命した。結界に独り取り残された展顔は幽族が神仙の侵入を知らせる声を聞いた。「このままでは端木の身が危うい…」そこで一か八か神剣・巨闕(キョケツ)で結界を斬りつけたところ、あっけなく壊すことに成功する。恐らく九獄で端木の法力が制限されたのだ。しかし展顔は端木を探すためうっかり隠身衣から顔を出し、幽族に見つかってしまう。「誰だ?!」端木翠は岩に挟まれて泣いている子供を見つけた。子供は幽族に捕まったと訴え、助けて欲しいと手を伸ばす。そこで端木翠は子供の手を握ったが、あらかじめ手袋型の結界で身を守っていた。「石の間に隠れる妖怪、魂を奪うが元の場所を離れると死ぬとか…あなたが傒嚢(ケイノウ)ね?」正体を知られた傒嚢は端木翠に襲い掛かろうとしたが、その時、展顔が現れ助太刀した。しかしそこへ神仙を追っていた幽族たちが駆けつける。すると展顔は幽族のふりをして端木翠を捕まえた。一方、啓封では江公爵が細花流を守ったせいで端木門主を恐れていると揶揄されていた。江文卿の悪口を聞いた黒猫は憤怒、その夜、悪口を聞いた店の前に油をまいて火をつけようとする。しかし巡回していた趙武(チョウブ)と張瓏(チョウロウ)が通りかかり、捕まってしまう。啓封府に連行された黒猫は江公爵の前に引っ立てられた。「父上!」黒猫は思わず江公爵に駆け寄り、かつて放浪していたところを江公爵に引き取ってもらったと訴える。しかし江文卿は江墨(コウボク)という名前を聞いても全く記憶になかった。上官策(ジョウカンサク)は義父がこれまでも大勢の孤児を助けて来たことから、覚えていなくても不思議はないという。そこで江文卿は江墨の家族を探す間、啓封府で面倒を見ると決めた。展顔は端木翠を収監、幽族たちが長老への報告に出かけると、すぐ牢に入って端木翠の縄を解いた。「どうして幽族と?」「君の張った結界は緩かったから巨闕で破った、そこで幽族に出くわしたんだ」しかし幽族は姿を消すことができた展顔を勝手に影族と勘違い、そこで展顔は影族の自分なら神仙を簡単に見つけられると嘘をついて仲間のふりをしたという。「さすが展大人ね~九獄に来ても頭が切れるわ~」端木翠は勝手に結界を出た展顔に嫌味を言ったが、その時、腹の虫が鳴った。すると展顔が啓封で今、人気の飴をくれる。「なぜ飴なんか持ってたの?…私の好物だから?」「…端木門主、考え過ぎだ、巡回の時に子供をあやすために持っていたんだ」「じゃあ子供にあげて!」端木翠はふて腐れて眠ってしまう。そんな端木を黙って見守ることしかできない展顔、やがて端木翠がうなされながら展顔の名を呼んだ。「展顔…お願い…どこにも行かないで…」「すまない…端木」展顔は端木翠の手を握りしめた。江夫人は姿が見えない黒猫を探しているうち、夫の書斎へやって来た。「老爺、小黒(ショウコク)を知らない?」「ここにはいない」すると江文卿の横で机にうつぶして眠っている少年に気づく。「この子が策児が言っていた江墨という子ね?」江夫人は展顔が来たばかりの頃、悪夢にうなされる展顔に寄り添っていたことを思い出した。展顔が黙って出て行ったのは夫に止められると分かって密かに捜査していたせいだろう。江夫人はかえって危険だと心配したが、江文卿は展顔と端木翠が一緒に手がかりを探していると分かっていた。…父上、今度こそ永遠に一緒にいます…夫人が出て行くと江墨は薄目を開けてほくそ笑んだ。端木翠が目を覚ますと隣で展顔が自分の手を握って眠っていた。…展顔、本当は私を案じてくれているのね、なのになぜなの?…その時、幽族たちの足音が聞こえて来る。「何をしている?!」咄嗟に起き上がった展顔は端木翠を押さえつけた。「こやつが逃げようとしたのでねじ伏せてやったところだ」「でかした、女を刑場へ、長老が死刑に処す」つづく( ;∀;)展顔! ←こればっかw
2022.12.01
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风起陇西(ふうきろうせい)第十九計「釜底より薪を抽(ヌ)く」馮膺(フウヨウ)が李厳(リゲン)に献策した連環の計は言わば謀反だった。2歩目で呉(ゴ)軍の侵略を装い、3歩目で戦に備えるという口実で兵糧を移動、諸葛亮(ショカツリョウ)の北伐を覆すという。確かに丞相は東呉にお構いなしで北伐を断行しており、陳恭(チンキョウ)はこれで恩師も大業を成し遂げられると太鼓判を押した。一方、荀詡(ジュンク)は高堂秉(コウドウヘイ)が自害ではなく馮膺に殺されたと考えていた。実は高堂秉から李邈(リバク)殺害についての供述を得ていたが、その緻密な計画を知るに馮膺の指示である可能性が高い。その時、荀詡はふと思い出した。「(はっ!)今日、馮膺と話した時、衣の袖に牢の内壁と思われる汚れが付着していたような…」すると裴緒(ハイショ)が確認して来ると言った。馮膺と陳恭は別荘をあとにした。馮膺の悪辣な計画は丞相の首を献ずるも同然、確かに見事な計画だったが、その容赦ないやり方がかえって李厳を疑心暗鬼にさせる。「あの者は重用するな、警戒せよ…では諸葛亮が出陣したら江州のほうも動き出せ」馮膺と陳恭は一緒に司聞曹へ戻った。すると馮膺は別れ際、陳恭は用意周到だが周到すぎると冗談混じりに指摘する。一方、馮曹掾(ソウエン)が留守の間に部屋へ侵入した裴緒は衣の袖についていた木片を見つけていた。天水(テンスイ)郡守の役所に内報が届いた。諸葛亮は東呉への対応で関中が手薄になった隙に漢中へ侵入する計画だという。どちらにせよ馮膺が失脚して陳恭さえ昇進すれば蜀軍の動向は筒抜けになるが、郭淮(カクワイ)は荀詡が気がかりだった。「陳恭なら馮膺を排除できよう、ただし司聞曹の荀詡は陳恭の義兄弟で事案に肉薄している 荀詡を排除しないと陳恭は窮地に立たされるやも…」陳恭の屋敷に突然、荀詡が訪ねて来た。すると荀詡はしみじみ間諜家業にうんざりすると漏らし、なぜ人は生死を懸けて戦うのかと嘆く。陳恭は漢の復興のためだと言ったが、荀詡はそれが空言にならぬよう願うと答えた。「馮膺が高堂秉を殺した」荀詡は証拠ならあると餅(ビン)に隠して持って来た木片を見せる。確かに証拠としては弱かったが、少なくとも馮膺を疑うには足るだろう。一方、司聞曹では裴緒たちが密かに馮膺の動きを見張っていた。そこへ馮膺が曹掾の部屋に戻って来る。裴緒は時間を記録し、従事に目を離さぬよう頼んで頭領を迎えに行くことにした。孫令(ソンレイ)は諸葛亮が成都(セイト)を出発したと報告した。そこで馮膺は主記室から各部署へ戦時体制に入るよう通達を命じ、北伐を優先すると伝える。「軍謀司と司聞司は丞相の要請を待て…もうひとつ、馬車を頼む、これから青石谷(セイセキコク)へ行く」青石谷と聞いた孫令は姐夫が青雲(セイウン)道人に会いに行くつもりだと分かった。青雲は赤岩(セキガン)峰で20年以上も修行し占卜(センボク)に精通しているという。荀詡は陳恭に信頼できる人手が欲しいと頼んだ。そこで陳恭は馬岱(バタイ)将軍の精鋭たちを借りると約束し、馮膺に毒されていない者たちだと安心させる。しかしそれでは足りず、荀詡は尾行の仕方を心得た腹心が必要だと訴えた。裴緒は自分の面倒を見ながら馮膺を見張っているため手一杯だという。「つまり他にも対象が?」「…天水から戻る際、武都(ブト)の近くで救った女子だ」荀詡は柳瑩(リュウエイ)が現れた時期に作為を感じ、怪しい点が全くないことがかえって心配だった。馮膺を逃すよう頼んだ時のあの並外れた度胸は厳しい訓練を受けて来たとしか思えないという。「これまでの経験から敵の間諜には直感が働くはずだろう? 何より馮膺は豪邸を構え、柳姑娘を李厳将軍に贈った すべてつなげて考えると胸騒ぎがする…馮膺は意図があって柳姑娘を贈ったはずだ」陳恭は嫉妬だろうと茶化していたが、荀詡の執念深さに負けて同意せざるを得なくなった。「うむ、確かに馮膺には何か企みがありそうだ」「馮膺と郭淮が通じていたなら伝達経路があるはずだ」「もしや柳姑娘が連絡係だと?」「調べねば」荀詡は自分の推察通りなら北伐に合わせて馮膺が動くと考え、柳瑩の監視を頼みたいという。すると陳恭は自分の正体が暴露された後に山林に潜んでいた林良(リンリョウ)が今夜、到着すると教えた。「使ってくれ」荀詡は迎えに来た裴緒と一緒に帰って行った。門で見送った陳恭は屋敷へ戻ったが、すぐ異変に気づいて警戒する。すると暗闇から従者を連れた黄預(コウヨ)が現れた。「そう警戒するな、郭淮刺史の命を受けて燭龍大人に会いに来た」黄預は自分が翟悦(テキエツ)を殺し、陳恭が五仙道を滅ぼし、これでおあいこだという。郭淮は黄預をひとまず漢中に戻し、南鄭に潜入して陳恭に荀詡殺害を命じるよう指示した。さすがに郭剛は陳恭にもしものことがあれば全て水の泡になると諫言する。しかし郭淮はだからこそ用心しなくてはならないと言い聞かせた。「人というものは簡単に心変わりする 大業を成したくば誰も信じるな、常に主導権を取り続けろ… もし陳恭が馮膺を排除して司聞曹を掌握したのち糸の切れた凧のようになれば、制御できなくなる 心変わりしても不思議はない… 陳恭が第2の馮膺になれば我々の数年に及ぶ努力はただのお膳立てとなる」「なるほど…妻を殺させ、同僚を殺させ、義兄弟を殺させる そうなれば陳恭の居場所は我が大魏しかなくなるというわけですか」陳恭は郭淮の命を聞いて愕然とした。すると黄預は郭淮から預かった3本の金鈚箭(キンヒセン)を差し出し、表面に猛毒が塗ってあると教える。「陳曹掾は弓の名手、造作ないだろう」人を用いるなら信頼すべしと言うが、どうやら郭淮はまだ陳恭の忠誠心を疑っていた。陳恭は事を急いては仕損ずると反対したが、黄預は手はずなら整えてあるという。「南鄭で殺すのではない、陳曹掾にはいかなる迷惑もかからぬ」黄預は西郷(セイキョウ)の城外で会おうと言って帰って行った。狐忠(コチュウ)は李厳将軍の説明を一言も漏らぬよう書き留めていた。「諸葛亮の率いる軍が成都を離れた、間もなく漢中を抜けて陳倉(チンソウ)道を通る そこに兵糧を届けるのだ、定軍(テイグン)山から兵糧を運ぶ道は2つ、東側は回り道で西側は近道だ こたびは東側を通らねばならぬ …散(サン)関以南は私の管轄だ、そなたは運んだ兵糧を散関で魏延(ギエン)に受け渡せ」「将軍、ご高明です、受け渡し後に問題が起きても将軍は関係ない」魏延は兵糧を受け取ったのち沔水(ベンスイ)へ向かい河口に下るはずだ。しかし陳恭が堤防を壊し山津波が発生、散関では長引く雨で沔水が氾濫しているため天災にできる。その間に東呉の侵略を知った李厳が兵糧を前線に送れば、諸葛亮には露呈するまい。計画は完璧だったが、ただ東側の道を行く理由が必要だった。関所の馬岱将軍を取り込めれば何とかなる。すると狐忠は馬岱が馬超(バチョウ)の従弟で、6年前に馬超が死ぬと古参でない馬岱は丞相に冷遇され、鬱々としていると教えた。荀詡は李厳の別荘に近い裏道で思い出の草笛を吹いた。もう猶予はない。北伐の前に不安の種を除かねば街亭(ガイテイ)の二の舞になってしまう。しかし馮膺にしては証拠が分かりやす過ぎるのが気になった。陳恭も自分が推断できた点をなぜ見逃したのだろうか。「実は踊らされているのやも…」荀詡は一抹の不安を感じながら裴緒に見張りを頼んだ。するとしばらくして別荘を抜け出した柳瑩が現れる。実は荀詡は柳瑩が曹魏の間諜だと気づいていた。荀詡は高堂秉が曹魏の送り込んだ間諜・燭龍だったと伝えた。そこで紫煙(シエン)閣の帳簿を見たところ、高堂秉が毎月3回、柳瑩に会いに行っていたことが分かったという。しかし明らかな証拠がないせいか、柳瑩はあくまで知らぬ存ぜぬを通した。すると痺れを切らした荀詡がついに核心に迫る。「高堂秉から聞いた、君が連絡係だと…」「…なるほど」柳瑩は荀詡の憤りが李厳と自分の仲ではないことにいささか落胆した。「私に利用されたと思ったのね…私を救った後に起きたこと全てが仕組まれたことだと… この想いまで偽りだと? 私を間諜だと思うなら捕えればいいわ、もう疲れたの、休みたい」↓まさに美人の計つづく(* ゚ェ゚)黄預、帰りは堂々と出て行くんだw
2022.12.01
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