うりぼうず

うりぼうず

2006.01.31
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 日露戦争が終結し、ポーツマス条約が結ばれる。しかし、大勝利と信じていた国民、そして新聞は「屈辱的内容」と怒り、日比谷焼き討ち事件などが発生した。

 そのあたりの動きを描いたもの。著者によれば、これらの動きを陰で演出したのは、首相の桂太郎だったとする見解。ガス抜きの意味もこめて、黒龍会などの右翼(正確にいうと、現代的な意味の右翼とは違うのだが・・・)を巧みにあやつり、暴動を起こさせたとする。そして、その後は反政府的な新聞を弾圧する・・・。そういう見方もわかる気はするが、そんなに、何もかも、桂が操ったとみてもいいものやら。

 そして、その後、軍隊の凱旋、同盟国イギリス艦隊の訪問などのイベントを企て、一気に国民の不満をどこかに雲散霧消させてしまったという。そのあたりなら、そう、桂の政治的なテクニックが優れていたであろうとは思う。なんせ、日本の歴代首相の中で、一番長くその座にあったのが桂なのだから。

 でも、内地で「勝った、勝った」と興奮しているころ、満州の兵士たちの中には、あまり勝利の実感はわいてなかったとのこと。それだけ、砲弾は撃ち尽くし、補給も細るような状態だったということだろう。彼らは、講和に反対する国民の様子を聞き、反対しているような連中を連れてきて、戦わせればいいと思っていたという。ある意味で、厭戦気分も広がっていたのだろう。

 それにしても、よくこの講和反対の国民の動きを、愚かな大衆として、逆に小村外相らを冷静で道を誤らなかった政治家として賞賛する向きがある。しかし、大衆を動員するために真実を隠していたツケが回っただけではないか。いつまでもだましおおせると思うのが間違いなのだろう。

 そして、その後の満州開発に対する小村の姿勢を見ていると、見事なまでに帝国主義者であったわけだ。当時としては、それが「悪」でもなんでもなかったかも知れないが、彼らの引いた路線が、その40年後の破局につながるわけだから。なんか、本の内容とはだいぶ離れてしまったが。





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Last updated  2006.02.01 02:36:41
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