うりぼうず

うりぼうず

2006.09.09
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 佐々木譲は「エトロフ発緊急電」なんかを書いた小説家。そうか、「武揚伝」で、新田次郎賞なんかももらってるんだ。
 さて、江川英龍といえば、ワタシとしては太郎左衛門の方が通りはいいのだが。太郎左衛門というのは、江川家の当主が代々襲名する名前とのこと。そう昔から疑問に思っていたのだが、なぜ、一介の幕府の代官が、伊豆に反射炉などを築きえたのか。ワタシの頭の中では、代官は交代で各地を回っている転勤族のようなものと思っていたが、江川家はもともと後北条氏の家臣で、祖先が家康のころに功績があったため、韮山の世襲代官ということになったんだ。その支配地域は石高で5、6万というから、相当なもの(別に全部がカレの実収入になるわけでは、もちろんないのだが)。
 それはさておき、このころの文化人のネットワークは相当なものがある。英龍の周りでも、渡辺崋山、高島秋帆、川路聖アキラ、・・・。キラ星のような名前が出てくる。そして、技術的なものへの関心。江戸時代も後半以降になると、知識人もただ文学的なものばかりでなく、技術的なものへの関心を高める人間が多くなってくる。西洋列強との違いを、技術力に求める考え方が強くなったということか。

 中島三郎助も、浦賀奉行所の与力から、やはり技術に深い関心を持ち、西洋式の船の建造などにかかわった。日本の歴史が政治史になる傾向が強いことが、これらの人物の影を薄くさせる原因なのだろうか。

 話は、この本の内容からは飛んでしまうが。たしか、吉村昭も中島三郎助を主人公にしたものを書いていたと思う。彼もどちらかというと、技術系の人物が好きだったのではないか(政治型の人間は、大言壮語で自己顕示欲が強すぎる人間が多い)。解体新書にかかわる人物でも、杉田玄白ではなく、前野良沢に焦点をあてているし、戦艦武蔵、零式艦上戦闘機、光る壁、など、技術的な分野が題材になることが多い。





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Last updated  2006.09.10 01:54:29
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