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今まであまりフランス皇帝となった「ナポレオン1世(1769-1821)」について興味を持たなかったのですが、今読んでいる塩田七生著「男の肖像」の1人にナポレオン1世が取り上げられていて、その生い立ちや人生を知ると何だか人間臭いナポレオン1世の姿が見えて来ます。 「アルコル橋上のナポレオン」1796年 ジャン=アントゥアン・グロ エルミタージュ美術館蔵 フランス革命(1789年)後の混乱を収拾しヨーロッパ大陸の大半を勢力下に収め、1804年に皇帝として即位する前にナポレオンが「英雄」としてパリに迎えられる初戦となった対オーストリア戦争でのシーンを描いた絵です。何だか劇画タッチで描かれています。 「書斎のナポレオン」 ダヴィッド 「ナポレオン2世」 左が「男の肖像」の中に使われている絵で「吾輩の辞書に不可能という文字は無い」という私のイメージ通りの肖像画です。右はネットの画像のナポレオン1世の嫡男「ナポレオン2世」の肖像画です。病弱で21歳で亡くなったようで、人生の儚さを彷彿させる肖像画です。男系が絶えたため「ナポレオン3世」として後を継いだのはナポレオン1世の甥で、彼が最後の皇帝となりました。 昨年読んだ原田マハ著の「たゆたえども沈まず」の中にナポレオン3世の従妹でパリで豪華なサロンを開く「マチルド・ボナパルト」が登場し、俄然ナポレオン3世に興味を持つようになりました。大河「青天を衝け」の中でもパリ万国を表敬訪問する徳川家一行を出迎えるホスト役として登場し、去年の日記にナポレオン3世のことを何回か書きました。 「男の肖像 ナポレオン」を読んで一番驚いたのはナポレオンがかつてはイタリア所領だったコルシカ島生まれだったということです。有名な話なのかもしれませんが私は知りませんでした。そしてコルシカ島はナポレオンが生まれる3ヵ月前にフランス領になっているので所謂国籍としてはナポレオンはフランス人ということになります。 塩野七生氏はナポレオンはイタリア人的かフランス人的か?と疑問を投げかけていて、氏の答えは「イタリア人」です。理由の1つは「戦争の仕方」で、もう1つは「家族博愛主義」を挙げています。彼を除いて兄弟4人、妹3人の落ち着き先を見事に実行しています(長兄はスペイン王、妹の1人はトスカーナ大公夫人、弟の一人をオランダ王に等など) そしてオランダ王にした弟の妻にはナポレオンの先妻「ジョセフィーヌ」の娘を選び、嫡男がナポレオン3世(1808-1873)として即位するという徹底ぶりです。 イタリア語に「システマーレ」という言葉があって「就職先を見つけるとか結婚相手を探すための片付け」という文化・習慣がイタリアでは定着しているようです。 何となく平安時代の家族思いであった「平清盛」を思い出したりしますが、やはり長くは続かず「奢れる者は~」になってしまうのかとしみじみ思います。
2022.04.30
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昨年の4月に書いた日記ですが、ロシアのウクライナ侵攻が未だ続き「核使用」の不安がある中、改めてこの本の事を思い出しました。 半藤利一著の「昭和と日本人 失敗の本質」の中でチャップリンが監督、製作、脚本を手掛け、主演を演じた映画「独裁者」の中の台詞が紹介されていました。「独裁者」はオーストリア併合、ポーランド侵攻、ユダヤ人虐殺を行った「アドルフ・ヒトラー」の独裁政治を批判した作品で、第二次世界大戦の影響を未だ受けていなかったアメリカで1940年に公開されました。日本はドイツと同盟国だったため「独裁者」が公開されたのは1960年です。 「昭和と日本人~」の中に『映画の公開から24年後の1964年に日本政府(佐藤内閣)は米空軍参謀総長として来日した「ルメイ大将(第二次世界大戦中B29による日本の空襲を指揮した人物)」に「勲一等旭日大綬章」を贈ったというニュースに、映画「独裁者」の中の台詞「1人殺せば殺人者となり、百万人殺せば英雄となる」が胸に突き刺さるように蘇った』と書いています。 当時の日本政府の対応には大いに疑問符が付きますが、この言葉を借りるなら映画公開から80年も経った現代でロシアではプーチン氏は英雄になるのかとやるせない思いです。 そしてロシアがウクライナに対して勝利宣言を出したいとしている5月8日はソ連がナチスドイツに勝利した日です。その3ヵ月前の1945年2月の「ヤルタ会談」でソ連の「スターリン」はドイツ降伏後の3ヵ月後の8月に「対日参戦」を行うとルーズベルト大統領とチャーチル首相に明言しています。既に日本の敗戦は決定的で戦後処理としてドイツや朝鮮半島のように日本分割案の提示がソ連から出されていました(分割案はいくつかあるようですが、北海道分割というのもあります) アメリカとソ連の戦後優位に立つための駆け引きが続く中、アメリカは優位を確実にするためにソ連が日本本土に侵攻する前に原爆投下を決定します(ソ連が「満州国」に突然侵攻したのは8月9日で原爆は既に投下されていました) 言葉が適切ではないかもしれませんが、この箇所を読んだ時ソ連はアメリカに出し抜かれたという気もしました。その後の2国間の「冷戦」や現在のロシアとアメリカの関係も考えて長く尾を引くきっかけになったソ連にとっての事件なのかなと思ったりします。 日本の終戦に向けての和平交渉が遅々としていたことにも大きな原因がありますが、「北朝鮮」のニュースを見るにつけ、もしソ連によって日本分割が行われていたらと想像すると怖いものがあります。結局はアメリカの「核」の力によってかろうじて分割されなかった国として存続することになりますが、「核」という存在も含め大きな大きな宿題を現代の私たちに残しています。 「昭和と日本人~」の帯に書かれている「なぜ、戦争は繰り返されるのか」は正に「人間の本質」にある欲だったりエゴだったり防衛本能だったりするのかと・・。ただただ今の戦争を止めて欲しいという事と「唯一の被爆国」に生まれた国民として核の使用は絶対にしないで欲しいという気持ちだけです。
2022.04.28
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先月の日記に一度だけ立ち寄ったことがある北鎌倉の「東慶寺(縁切寺)」について書きました。その時検索して東慶寺は鎌倉幕府8代執権の「北条時宗」の妻だった「覚山志道尼」が1285年に開山したことを知りました。 北条時宗と言えば鎌倉幕府の全盛期で2度のモンゴル襲来(元寇)を打ち破っています。「元寇」とか「神風」という言葉はしっかり記憶にあっても、それが執権北条時宗の名前とは私には繋がっていませんでした。 「万願寺所蔵」(北条完宗像説が有力) 先週友人から「この本読む?」と渡されたのが塩野七生著「男の肖像」で5番目に登場したのが「北条時宗」でした。カバーの裏には「人間の顔は、時代を象徴する。幸運と器量に恵まれて、世界を揺るがせた歴史上の大人物たち・・」とあり、アレクサンダー大王、ジュリアス・シーザー・織田信長、ナポレオン等14人の中の1人として時宗が取り上げられていて、まず驚きました。 鎌倉時代の17代続いた執権職の8代目で1268年に17歳で執権になった年に「蒙古」から使者が来ています。そして33歳という若さで病死するまでの16年間のうちに2度の蒙古襲来を受け、それを「天運」のような神風のお陰もあり撃退しています。塩野氏の言葉通り「モンゴル一色に彩られた生涯」です。そして世界の中でもモンゴルに攻められて撃退した民族は日本人だけ、モンゴル軍の残酷さは筆舌に尽くしがたいものがあるようです。 時宗は1284年に亡くなる2年前北鎌倉に「円覚寺」を建て、元寇の戦死者を供養しています。そして亡くなった翌年に妻の覚山志道尼が同じ北鎌倉に「東慶寺」を建てています。命がけで国を守った夫への弔いの気持ちと思えば納得がいきます。そしてこのお寺が後に「駆け込み寺」として女性たちを救うお寺になるというのも何か面白い縁かなと思います。 因みに「北条時宗」は2001年の「大河」でした。残念ながら私は見ていないのですが、平均視聴率は18.5%で歴代大河の中で42位です。世界征服を目指すモンゴル帝国の日本襲来をCGを駆使して迫力あるシーンが描かれているようです。機会があれば是非見てみたいものです。
2022.04.25
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ブルーチーズに相性が良いワインはボルドーの「ソーテルヌ」に代表される極甘口の貴腐ワインやポートワインが定番と言われますが「マリアージュ 神の雫・最終章」のブルーチーズ対決では神咲雫も遠峰一青もどちらも辛口のワインを合わせています。雫:「Fourme d' Ambert(フルム・ダンベール)」フランス 牛乳 クリーミーでナッツのような甘み これに合わせたワインが「Domaine Dela Janasse 2013 Cotes du Rhone (コート・デュ・ローヌ) 」の辛口ロゼ(グルナッシュ50%、シラー30%等)です。一青:「Roquefort(ロックフォール)」フランス 羊乳 ピリッと鋭い塩辛さと羊乳独特のコクと甘味 これに合わせたワインが「Chateau Cosd'Estournel Saint-Estephe(サンテステフ)」 2001年 ボルドー左岸、渋みのあるカベルネソーヴィニヨン多用の赤です。 サンテステフのワインはシンガポールでは60ドル台以上なので、ロックフォール(ブルーチーズ全般にも)に合うワインを「ワインコネクション」のスタッフに勧めてもらい、即答で2本薦めてくれたうちの1本です。 ボルドー右岸「Chateau du Bois Chantant(シャトー・デユ・ボワ・シャンタン)」2018年 14.5% 26.90ドル(2200円ぐらい)でサンテステフに比べるとかなり手頃です。フルボディながらメルロー種86%(ブチ・ヴェルド6%、カベルネ・フラン5%、カベルネ・ソーヴィニョン3%)らしい滑らかで飲みやすいワインでロックフォールとの相性は私には抜群でした。 このワインを検索してみると、何とヴィンテージ2018年は「パリ農業コンクール 2020年の金賞受賞」でした。美味しいはずです。相性料理は牛肉のタルタル、ウサギのロースト、そしてブルーチーズの盛り合わせとしっかり書かれていました。 そして最近食べたスイス産のブルーチーズ「ブルーシャトー」が今まで食べたブルーチーズの中でも一番マイルドで塩味も抑えられているので白ワインに合わせてみようと思い、ちょっと贅沢にオーストリア産の白を選んでみました。 2018年 アルコール度数 12.5% 42ドル(3500円くらい) 葡萄品種は「Gruner Veltiliner(グリュナー・ヴェルトリーナー)」でフルーテイーながらかなり辛口、そしてたっぷりのミネラル感でオーストリア産のワインってこんなに美味しかったんだと目から鱗でブルーシャトーとは私には完璧なマリアージュでした。 「ワインの美味しさは値段に比例する」本当にその通りだと思うのですが、庶民としては少しでも手頃なワインで料理とのマリアージュを楽しみたいものです。
2022.04.24
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21日に秋篠宮ご夫妻が「立皇嗣の礼」のため伊勢神宮を参拝したというニュースを見ました。立皇嗣の礼は初めて聞いたので調べてみると「皇位継承順位1位を示す」ということで、最近「愛子天皇実現が?」が取り沙汰されているので果たして現在の今上天皇との年齢差が5歳の秋篠宮の皇位継承はあるのだろうかと考えさせられます。 伊勢神宮は「天照大神」が祀られている神社という知識しか無かった2013年の「式年遷宮」の年に訪問しました。 当時の「祭主」の池田厚子様(昭和天皇の第4子、現在の祭主は黒田清子様)の参拝があり、一般参拝者はちょっと足止めとなりました。間近で皇族の方を見るのは初めてで「静謐は空気が流れる」という貴重な経験をしました。 伊勢神宮訪問から8年経って、やっと去年読んだ「あらすじとイラストでわかる古事記 日本書紀」のお陰で日本の神話、国造りや国譲り、天皇制について興味を持つようになりました。 出雲神社に祀られている「オオクニヌシ」が国造りを進めほぼ完了しそうになった時に、「古事記」に描かれている天上世界の「高天原」では地上世界の征服計画が持ち上がっていました。「国生み」をしたイザナキの左目から生まれたという女神「アマテラス」によってオオクニヌシの後継者が倒され、結局オクニヌシは「出雲大社」を建てることを条件にアマテラスに「国譲り」を承諾します。 出雲大社は2015年に訪問しました。 そして実際に地上世界に行ったのはアマテラスの孫であり初代神武天皇の曽祖父にあたる「ニニギ」でした。後に天皇の証となる「三種の神器」も受け取り、これで「目出度し目出度し」となったようです。 因みに「ニニギ」は「コノハナノサクヤビメ(山の神の娘)」と結婚し「3柱(神の数え方)の男神」を授かっています。コノハナノサクヤビメは富士山の頂上から桜の花びらを撒き、国中に桜を広めたという言い伝えから「桜の神」とか「富士の神」として祀られていることも初めて知りました。そしてコノハナノサクヤビメを祀る「富士山本宮浅間大社」は桜の木を神木にしているそうです。現代に繋がる神話世界のエピソードです。浮世絵師「歌川広重」の「江戸名所百景」 左に小さく「富士山」が描かれています。
2022.04.23
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昨日は予定通りスペインレストラン「Binomio」で楽しみにしていたメイン料理のイカ墨パエリアにポルトガルワインを合わせました。相性はまずまずという感じでしたが、同席のAさんが学生時代に一ヶ月スペインに留学していたということが分かり本場のスペイン料理の話でも盛り上がりました。 私の好きなスペインオムレツ「トルティージャ」は家庭料理の定番中の定番で「お家ご飯」に招待された時は必ず食卓にのる1品でAさんは留学中に作り方を教わり「自分で作りますよ」ということで今度お招きを受けることになりました。 「パトロン」 「Terras Do Dao Cabriz」葡萄品種「トゥーリガ・ナショナル」 そしてAさんのお薦めがスペインのししとうと言われている「Padron(パドロン)」という野菜でした。ししとうと言ってもピーマンのような大きさでから揚げして塩味を付けてちょっとスパイスのような物がかかっていましたが、シンプルで程よい苦みのある絶品でポルトガルの赤にはこちらの方がマリアージュという感じでした。日本のビールには枝豆のようにスペインのビールにはパドロンがお決まりの一品だそうです。 イベリコハムやマンチェゴチーズには「ガリシアの女王」の異名を持つ白ワインの葡萄品種「Albarino(アルバリーニョ)」100%を選びました。3人でも完食出来なかった(残りはお持ち帰りで)イカ墨パエリアはポルトガルの赤と最後に注文したスペインのスパークリング「CAVA」で頂きましたが、締めのスパークリングで気持ちもすっきりでした。 気になっていたトルティージャに付いているディップについては聞く余裕もないほどお店は満席状態でスタッフももの凄く忙しそうだったので次回に持ち越しです。というかスペイン通のAさんだったら食べて中には何々が入っている!と即答だったかもと今気が付きました(汗)
2022.04.22
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明日スペインレストラン「Binomio」へ行くので自分のブログに書いたスペインワインを読み返していたら、昨年の4月の日記にBinomioの料理に合わせて書いていたので修正してアップします。 中央がポルトガルの赤「ALIANCA」 「Heclua(ヘクラ)」葡萄品種 モナストレル 先日買った4本で99ドル(1本が2千円台弱です)のワイン(スペイン赤2本、白1本、ポルトガル1本)のうちスペイン赤の「ヘクラ」はラベルのデザインがユニークで一番最初に開けました。アルコール度数14.5%のフル・ボディで鳥レバーを使ったレバニラに合わせました(相性はまずまず・・) 2本目に開けたのが、左の写真の右にある「Rioja(リオハ)」の「Faustino Rivero Ulecia(ファウスティーノ・リヴェロ・ウレシア」です。裏のラベルに葡萄品種は「Garnacha(ガルナチャ/フランスではグルナッシュ)とTempranillo(テンプラニーリョ)」相性料理は肉とチーズとだけ書かれています。アルコール度数は13.5%です。 このワインのためにスペインレストラン「Binomio(ビノミオ)」のサイトでお持ち帰りのための料理を注文しました。 1. Spanish Potato &Onion Omelette(ジャガイモと玉ねぎのオムレツですがトルティージャと呼ばれています) 2. Bar Grilled Chorizo(グリルしたチョリゾ) 合わせて1600円くらいです。 本当はスペイン名産のイベリコハムを買いたかったのですが、私には高価だったので名前だけは聞いたことがある「チョリゾ(豚肉をみじん切りにして腸詰し自然乾燥したもの)」にしました。 料理は30秒ほどレンジで温め別のお皿に載せてからワインを一口飲むと2種類の葡萄の程よい融合で香りは繊細でフルーティな味わい、そして飲んだ後にガツンとくるような力強さもあり1本目の14.5%よりパワフルな感じです。 チョリゾは一口食べると私にはかなり塩気が強いのですが、ワインを飲むとその塩気が飛んでいくようで流石にスペイン繋がりで相性は抜群です。後でチョリゾを調べるとラテン語で「しょっぱい」が語源でした。 トルティージャは添えられているディップを付けずに食べてもコクのある味わいのオムレツですが、酸味のあるディップを付けて食べるとオムレツが2倍美味しくなり、ワインとの相性もかなり良くなります。果たしてこのディップには何種類のものが使われているのか? 一緒に食事をしていて「これは中に何々が入っている」と即答できる人は本当に羨ましい味覚の持ち主だと思います。私はどうも味覚音痴(単に食材の知識が少ないのかもしれません)で、この魔法のようなディップについては次回レストランで食べた時に聞いてみようと思っています。 これは明日忘れずに確認予定です!先日NHでスペインでトルティージャが作られるようになったのは戦争の時栄養補給のためと説明がありました。私自身は原田マハ著「暗幕のゲルニカ」の中でこの料理が何度も出て来て、一度本場の物を食べてみたいと思ったのがこのレストランに行くきっかけとなりました。果たして明日はこのトルティージャにどんなワインを合わせるのかも楽しみです。
2022.04.20
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明後日、久々にスペインレストラン「Binomio」で外食することになり前から一度試したいと思っていた「イカ墨パエリア」に合わせて持ち込むためのポルトガルワインをまずネットで調べてみました。 ヒットしたのはポルトガル中部の「Terras Do Dao(テラス・ド・ダオン)」の赤「Mariposa Tinta Dao 2014」で葡萄は「Tinta Roriz(ティンタ・ロリス)」主体で「Touriga Nacional(トゥーリガ・ナショナル)」で色付けと説明があります。ティンタ・ロリスはスペインの「テンプラニーリョ」のポルトガルでの呼び方で、この2つの葡萄がイカ墨の旨みとあさりや帆立の出汁と合うそうです。 「ワイン・コネクション」ではプロモーションになっている1本だけポルトガルワインがありました。同じテラス・ド・ダオンで何と19.8ドルなので千円台のワインです。 「Cabriz(カブリス) アルコール度数12.5% ボトルの裏のラベルには葡萄品種が書かれていないのでネットで調べるとカブリスはトゥーリガ・ナショナル100%のようです。この品種は収穫量が少ないため農家にはあまり喜ばれないようですが、タンニンが多く力強く熟成により香り高いワインを造るそうです。果たしてイカ墨パエリアとの相性は?レストランでは1本ワインを注文すると一本持ち込み可のシステムです。スペインの白の後に飲みたいと・・。 そしてボトルの裏のラベルを見ると下の方に日本語でも「亜硫酸が含まれています」とあってまず日本語に驚きました。ワインの香味を保つために古代エジプトやローマで数千年前から使われていたようですが、元々は樽の消毒用というのも驚きです。今まであまり気にしていなかったけれど酸化防止剤を使ったワインを飲むことによって起こるらしい頭痛(翌日の頭痛はいつも飲み過ぎと思ってました)が実際に起こるのかも興味津々です。勿論明後日一緒に食事する2人には事前にお知らせします。と言っても普通に気が付いていないだけで酸化防止剤を使用したワインはたくさん飲んでいると思うし、酸化防止剤の話で大いに盛り上がることを期待します。 ポルトガルワインと言えば、漫画「マリアージュ 神の雫 最終章」18巻の後ろ4ページに「コンビニ飯と安旨ワイン」にお薦めの一品とワインのコーナーがあって、その中の「イワシのかば焼き缶詰にポルトガルワインを合わせてみて」を昨年試しました。イワシのかば焼きは味付け海苔をちょっと巻いて(ゴージャス感が出るとアドバイスも書かれていたので)、それとポルトガル名物「タコライス」のために蒸しダコを購入し簡単にトマトソースと赤ワイン、玉ねぎ、にんにく等を入れた一品を作りました。ポルトガルっぽい海の景色の写真を見ながらだと一層気分はスペインを飛び越えてポルトガルという感じでした! 「Douro」地区の「ALTANO」
2022.04.19
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先週の大河「鎌倉殿の13人」で木曽義仲に攻められた「平宗盛」が「安徳天皇(第81代)」と「三種の神器」を持って都落ちをし、後白河法皇が後鳥羽天皇(第82代)を即位させるため三種の神器の奪取を命ずるというシーンがありました。 2019年の「今上天皇」の即位式の時もテレビから「三種の神器」という言葉が流れ、神話の時代から引き継がれていることに改めて日本の歴史の長さを感じます。 昨年読んだ「古事記」の中で「三種の神器」は「高天原」から地上世界に降り立った「アマテラス」の孫で初代「神武天皇」の曽祖父「ニニギ」が地上世界の先導役の神から受け取り、三種のうちの宝剣「草薙剣」の出自については詳細が書かれています。 日本の「国生み」を任された「イザナキ」の「鼻」から生まれた「スサノオ(オオクニヌシの6代前の先祖)」に「ヤマタノオロチ」退治の命が下されます。 「ヤマタノオロチ」は「目は真っ赤で、一つの体に8つの頭と8本の尾、全長は8つの山と8つの谷にまたがるほどの今風に言えば巨大モンスター」です。そしてこの「ヤマタノオロチの正体」として出雲地方にいた「反体制的集団」という説があるそうです。 お酒に目がない「ヤマタノオロチ」にお酒を飲ませて退治をしたことから、この反体制的集団がお酒をこよなく愛する人達だったかと想像します。 退治した「ヤマタノオロチの尻尾から1本の剣が出現」し、これが「三種の神器」の1つ「草薙剣」となっています ヤマタノオロチが反体制集団であるという説を取ると、その集団から勝ち取った「剣」が「三種の神器」の1つというのは納得がいく話です。 そしてこの「草薙剣」は源平合戦の最終戦「壇ノ浦の戦い」で安徳天皇が「三種の神器」とともに入水し、「玉」と「鏡」は後に海から回収されたものの「剣」だけは発見できずその後伊勢神宮からの代替品になってしまったという曰く付きの物です。 後白河法皇の画策によって天皇の皇位を継いだ「後鳥羽天皇」が安徳天皇の死の2年前に即位し、2年間は系図上にも2人の天皇が存在していたというのもなかなか興味深く、その辺りも「鎌倉殿~」で描くのかなとか三谷幸喜氏の脚本に今後の展開が楽しみです。
2022.04.17
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4月からNHKで月曜から木曜まで毎日朝ドラと同じように15分の放送で夜ドラが始まりましたが、夜ドラと言えば2020年と21年放送の「いいね!光源氏くん」を思い出します。 「光源氏」を演じた「千葉雄大」さんの容姿の平安っぽさや今風の服にあまり違和感を感じなかった「烏帽子」や感動すると和歌が飛び出すという演出が何ともユニークでした。恋人役を演じた伊藤沙莉さんの演技も自然で2人のやり取りにほっこりしました。そしてラストシーンはまるで映画「卒業」のように教会から花嫁を奪うという驚きの結末でした。 個人的には「源氏物語」はかなり好きで随分以前に「田辺聖子」著「新源氏物語」と漫画家「大和和紀」の「あさきゆめみし」を読んで、その時一番驚いたのは「1000年以上という時を超えても、登場人物の愛や憎しみなどの感情は全く色褪せることはない」というものでした。 平安時代に「藤原道長」の娘「彰子中宮」に家庭教師役として仕えた「紫式部」が藤原道長のアドバイスを受けながら書いたという説もあります。 「紫式部日記絵巻」から「夜陰に紛れ式部の局の戸を叩く道長」 雑誌「再現日本史」からの画像 全54帖から成り、そのうち41帖までが光源氏を主人公に彼を取り巻く女性たちとの恋愛や政治的なことが書かれています。後半の42帖から54帖までが「宇治十帖」で晩年の光源氏や最愛の女性「紫の上」との関係、そして彼の訳ありの子供「薫」を中心にした恋愛模様が描かれています。 「源氏物語」は登場人物が多いため自分なりにきちんと理解したいと思って系図のような物を書いて、読み進めたことを覚えています。ただ今でも思うのは「源氏物語」で伝えたかったのはシンプルに仏教観に基づく「因果応報」ということに尽きるのかなぁということです。 「光源氏」が幼少の頃に亡くなった母「桐壺の更衣(更衣は側室のようなもの)」に瓜二つの「藤壺中宮(皇后と同じ)」に横恋慕したことから物語はスタートします。 「藤壺」は桐壺の更衣が亡くなった後、光源氏の父「桐壺帝」の妻になった人で、光源氏は母を慕う気持ち以上の募る気持ちを抑えられず、後の「冷泉帝」となる子を藤壺との間に設けてしまいます。光源氏18歳の時の出来事です。 その後、光源氏の最初の妻となった「葵上」や彼を取り巻く様々な女性たちとの恋愛や親友の「頭中将」との交流などの描写が長く続きます。 特にその中でも不義の子を設けた「藤壺」似の幼子「紫の上」との出会いや、彼女を手元に引き取ったシーンは印象的です。正に自分の理想通りの女性に育て上げようという思惑も見え隠れします。 晩年になって光源氏は当時の天皇「朱雀帝」から自分が亡くなった後の将来を案じた娘「女三宮」との結婚をお願いされます。 そしてこれが「因果応報」へと繋がって行きます。光源氏の友人だった「頭中将」の息子「柏木」と「女三宮」が惹かれ合い不義の子「薫」が誕生します。光源氏48歳の時の出来事です。 「女三宮」にとって光源氏の最愛で理想の女性「紫の上」の存在が重くのしかかっていたためかとも思います。 自分の犯した罪の仕返し(因果応報)に心を痛める光源氏にとって心身共に紫の上の助けが必要だった時、紫の上は俗世から離れる「出家」を決意します。「現世」では手の届かない遠い所へ行ってしまうことを嘆く光源氏ですが、こればかりは何ともしようがありません・・ 物語の初めから終わりまでピシッと一本の糸で繋がった感があります。よるドラでは紫の上ではなく壇蜜さん演じる「紫式部」が登場してこれもなかなか面白い演出だなぁと思いました。 因みにパロディとして使われた1967年のアメリカ映画「卒業(The Graduate)」の中の1シーンは教会のガラス戸を叩きながら泣き叫ぶように愛する人の名前を呼ぶベンに、振り向いた花嫁姿のエレーンが必死なベンの姿に本当に愛する人は誰なのかを悟り、2人で手に手を取って教会から逃げるというものでした。 懐かしくなってYoutubeで3分ほどに纏められている映画案内を見てみました。「サイモンとガーファンクル」の名曲「サウンド・オブ・サイレンス」にのせてオープンカーを走らせる主役のベン(ダスティン・ホフマン)の姿が時代を超えて本当にカッコいいと思いました。
2022.04.14
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先月久々に日本産の養殖生牡蠣を食べた時はワインはロワール産のソーヴィニヨンブラン100%を合わせました。本当は「神の雫」お薦めのルイ・ジャドのシャブリに合わせたかったのですが、思っていた以上に値上がりしていたためです。 漫画「神の雫」の「シャブリと生牡蠣を大検証」のページにはシャブリ地区は「キンメリジャン」という牡蠣の貝殻が無数に含まれている土壌に覆われているため貝殻の成分であるミネラルが葡萄に溶け込んでいて牡蠣との相性が良いと説明があります。そして高価な長期発酵物や樽発酵より肉厚ではない格下の村名シャブリの方がさっぱりとしていて牡蠣に合わせやすいと書かれています。何はともあれ安価な方が相性が良いというのは嬉しいことですが、ルイ・ジャドは私にとっては高級品です。 生牡蠣とワインでフランス旅行で2回食べた生牡蠣の事を、そう言えばそのどちらもシャブリに合わせなかった事を思い出しました。 2007年2月にボルドー市内を観光中にたまたま牡蠣の専門レストランを見つけ、1ダース(これが最少の注文数)の生牡蠣をあっという間に「シャンパン」と完食しました。一応「シャブリ」と言ってくれるかと思ってお薦めを聞きましたが、あっさり「シャンパン」という答えでした。私なりにシャンパンとのマリアージュは満点でしたが・・。そして名前だけで憧れの一品「フォアグラ」にはシェリー酒がお薦めでした。 牡蠣を12個も一気に食べて流石にお腹のことがちょっと心配でしたが、フランスの生牡蠣は貝毒が溜まりにくい海域で育つためあたりにくいということを後で知り、勿論食べた翌日は全く問題がありませんでした。 2014年の5月「オペラ座」近くの普通のレストランの店頭で牡蠣が売られていて、こちらも美味しく頂きました。グラスワインで選択肢が限られていましたがお薦めはシャブリではなくソーヴィニヨンブランだったと思います(メモするのを忘れていました) 改めて本当に生牡蠣にはシャブリが合うのだろうか考えてしまいますが、根拠となる理由もしっかりあるのだから次回福岡産の生牡蠣が運良くまた購入出来たら迷わずにルイ・ジャドを試そうと思っています。
2022.04.13
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未だ未だ朝ドラ「カムカム~」ロスですが、今日から「チムドンドン」のスタートです。沖縄の方言でチム(胸)ドンドン(ドキドキする)という意味なんですね。ネットでは使用例として「あなたといるとチムドンドンする!」とか出ていました。 私は沖縄に行ったことがないので、友人が旅行した時の土産話やもらった絵葉書から沖縄の素晴らしさを想像するだけですが、方言「なんくるないさあ」と書かれた絵葉書は今でも大切にしていて見るとどんな時でも元気になります。 この方言の解釈はいくつかあるようですが「挫けずに正しい道を歩むべく努力をすれば、いつか良い日が来る!」の解釈が私は気に入っています。この方言も朝ドラに出て来るかなと・・。 そしてこの絵葉書を送ってくれた友人から教えてもらった事が旅行に行った時に自分にも「絵葉書」を送るということです。彼女と出会ったころはもう既にメールでのやり取りが普通で正直「絵葉書?」と思いましたが、これはもらっても自分で書いて自分に送っても特別な物になることを今でも実感しています。 この一枚は彼女がフィンランドを旅行中に送ってくれた絵葉書です。裏面には「タンペレ」という地方都市でムーミンの原画を見てムーミン哲学に触れ、原画の横に書かれた言葉「全てがあいまいなのよ。でもそれだからこそ安心できるんだけどね」に思わず納得と書かれています。 今もこの深い哲学的意味をあれこれ考えてしまいます。 自分宛に送ったうちの2枚で、左は2006年にタイの世界遺産「アユタヤ」を旅行した時の物で、何を書いたかなと見ると「バンコクのキヤックレストランで鮑ご飯が食べられなかったのが残念!」とあって遺跡よりよっぽど鮑が食べたかったんだと思うと笑ってしまいます。 右が2014年フランス、ランスの藤田礼拝堂を訪ねた時のものです。「洗礼を受けた後に自らの手で建てた礼拝堂。そこに眠る藤田嗣治。こんな幸せな人生ってあるんですね。ランスは期待を裏切らないところでした」 話が絵葉書になってしまいましたが、シンガポールには人気の沖縄料理店「ニライカナイ(海のかなたや海底にあると信じられる理想郷)」があります。来星後にここで初めて「海葡萄」を食べて感動したことを昨日の事のように思い出します。「ゴーヤチャンプル」「沖縄そば」等々、朝ドラを見てニライカナイに行く回数が増えそうです。
2022.04.11
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先月のアリアンセ・フランセーズ主催の「チーズ・ワークショップ」でお土産にもらった2種類のチーズ、スイス産のブルーチーズ(ブルーシャトー)とフランスロワール産の山羊のチーズも残り僅かとなり、ブルーシャトーに合わせてスイス近郊のワインが飲みたくなって「ワイン・コネクション」に探しに行きました。 ブルーチーズに相性が良いワインはボルドーの「ソーテルヌ」に代表される極甘口の貴腐ワインが定番ですが、甘口がちょっと苦手なのとスイス産の「ブルーシャトー」が今まで食べたブルーチーズの中でも一番マイルドで塩味も抑えられているので試したことがないワイン(葡萄)に合わせてみたいなぁと。 2018年 アルコール度数 12.5% 42ドル(3500円くらい) オーストリアで生産されるワインは8割が国内消費用で海外への輸出は少ないため、スーパーのワインコーナーで見ることはあまりありません。全体の9割を生産する二大産地は「Niederosterreich(ニーダーエスタライヒ)」と「Burgnland(ブルゲンラント)」で「SAND 1」はオーストリアの北東部、チェコとスロバキアの国境沿いにある「Nieder~」で生産されています。 「ワイン・コネクション」でもこの一種類しかありませんでした。葡萄品種は「Gruner Veltiliner(グリュナー・ヴェルトリーナー)」でフルーテイーながらかなり辛口、そしてたっぷりのミネラル感があるようです。「山羊のチーズ」の方が合うかなとか想像するのも楽しみの一つです。 相性料理を調べると白身魚のお寿司で何と「タコ焼き」にも合うようです。熱々のタコ焼きの上にブルーチーズをのせてと考えるとかなりテンションが上がります。タコ焼きはシンガポールでも数店出店しているので今日は一番美味しいタコ焼きと白身のお刺身を探しに行くつもりです。
2022.04.10
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今年の本屋大賞の発表があったので、久し振りに「紀伊国屋書店」に行ってきました。新刊コーナーには既に大賞を受賞した逢坂冬馬著「同志少女よ、敵を撃て」が並べられていてこれも是非読みたい本の一冊ですが、文庫本になるのを待ちます。 文庫本を物色していると百田尚樹著「新版 日本国紀」が目に止まりました。「上・下」2冊の「上」は第一章「古代~大和政権誕生」から第七章「幕末」までで最初の数ページを立ち読みしました。 「序にかえて」に『日本ほど素晴らしい歴史を持っている国はありません。神話とともに成立し、以来二千年近く、一つの国が続いた例は世界のどこにもありません。これ自体が奇跡といえるほどです』と書かれていてグッと惹かれました。 続いて第一章の初めに『・・しかも古事記も日本書紀もただの作り話ではありません。そこここに考古学的な裏付けのある話がちりばめられているのです』とあり、ちょうど「記紀」のことを自分なりにもっと知りたいと思っていたので、ここまで読んでこの本を買いました。 そして昨年10月に放送された「ブラタモリ」の「淡路島」の回も思い出しました。神話の中でイザナキとイザナミが初めて国生みをした場所が「淡路島」で、なぜ「淡路島」なのかを地理的、考古学的に説明をしていて随分納得したのを覚えています。 下記は同じく10月に日記に書いた内容です。 最初は国生みがうまく行かず高天原の神々と相談した結果「大八島国(おおやしまくに)」をイザナミは出産します。その8つのうちの最初の1つが「淡道之穂之挟別島(あわぢのほのさわけのしま)」現在の「淡路島」です。「何故淡路島?」と思いましたが、本の中では特に説明はなかったので疑問はそのままになっていましたが、先週の「ブラタモリ」でかなり解明してくれました。①大阪湾に蓋をするように位置する淡路島が外敵から大和朝廷を護る要塞の役割となっていたこと。②地殻変動によって出来た淡路島を囲む海が4つの異なった海域を持つため魚の種類が非常に多く、 大和朝廷の食糧基地になっていたこと。③淡路島では優れた造船技術があり、弥生時代に既に朝鮮半島から鉄製品を作る最先端の技術を輸入し矢じりや小刀などが造られていたこと。③淡路島の伊弉諾(イザナギ)神宮の「陽の道しるべ」で夏至、冬至、春分・秋分の日の「日の出」や「日没」の方角が日本を代表する諏訪大社、出雲大社、伊勢神宮など日本を代表する神社や神宮と直線状の位置にあることが証明されていること。 「日本国紀」は読みやすい文体で書かれていて「序にかえて」の締めくくりに『ヒストリーという言葉はストーリーと同じ語源とされています。つまり歴史とは物語です。本書は日本人の物語、いや私たちの物語なのです」とあり、百田尚樹氏自身の大胆な解釈も加えられているようで「上」を読み終えて「下」を買いに行く日が今から楽しみです。
2022.04.09
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岡山で戦災孤児だったトランぺッター「大月錠一郎」とジャズ喫茶「Dipper Mouth Blues」のオーナー「柳沢定一」が線で繋がった辺りから更にドラマに引き込まれ、回を重ねる毎に人と人との繋がりに心温まるものがありました。 今日の最終回で私が思い出せる限りの「あの人は?」が全て繋がってくれて、脚本の素晴らしさや朝ドラサポーターへのファンサービスのような至れり尽くせりの演出には脱帽でした。 「ひなた」の初恋の相手であり英語に興味を持つきっかけを作った「ビリー」はてっきり「安子」の夫「ロバート(木漏れ日のような人でしたで昨日亡くなったことが判明)」繋がりなのではと思っていましたが、まさかひなたのラジオ英語講座のパートナー(そして後の伴侶)を務める「ウイリアム・ローレンス(ビリー)」に成長していたとは・・。そしてひなたが子供の時に言えなかった「後で家に回転焼きを食べに来ませんか?」を淀みない英語で。「あなたのことをひなたと呼んでもいいですか?」と最後の最後に城田優さんに良いところを持っていかれた感があります。 ひなたと「文ちゃん」の激突シーンで「こいつ底なしのアホやな」を「Hopeless Fool」と城田優さんがナレーションした回には大笑いしました。 最後まで物語の核となったルイ・アームストロングの楽曲「On the Sunny Side of the Steet」はコロナ禍やロシアのウクライナ侵攻の中、希望の光となる歌でした。 決して偉人伝ではなく庶民の生活、繋がりを大切にして生きる様子を「あずき」という庶民の食べ物で表していたのかなぁとも思います。「おいしゅうなーれ・・あずきの声を聴け」「幸せになーれ・・人の声を聴け」みたいに。 私の故郷では「おやき」と呼んでいます。何だか故郷で懐かしい人達に会っておやきが食べたくなりました。半年間、物語の展開や伏線にハラハラドキドキしながらも本当に楽しませてもらった「カムカム~」に改めて大きな拍手👏と感謝です。
2022.04.08
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アメリカ人作家「スコット・フィッツジェラルド 1896-1940」の「グレート・ギャツビー」はまだ大学生の時に読んだ記憶があり、友人が日本から送ってくれた村上春樹訳の本は読まずにそのままになっていました。昨年ブログにフィッツジェラルド著「ジャズエイジの物語」のジャズエイジって何だろうを書いてから、ふとグレート・ギャツビーが気になり出し読み返していくと「果たして私はこの小説を本当に読んだのか?」と思うほど全く新しい小説のように感じました。 「訳者あとがき」に村上春樹氏は20年の構想のもと「自分の人生で出会った最も重要な本」として渾身の思いと最大限の努力をもって翻訳した「グレート・ギャツビー」は、およそ100年前に執筆された時代の話ではなく現代の話として蘇えらさせることに注力を払ったと書かれています。 物語はロングアイランドでギャツビーの豪邸の隣のコテージを借りて住む語り手でありギャツビーの友人となる「ニック」、ニックの従妹の「デイジー」、彼女の夫「トム」、トムの愛人とその夫、デイジーの友人「ミス・ベイカー」がお互いを巻き込み、巻き込まれていくひと夏の出来事で、中盤までは私には単調な流れでギャツビー邸で繰り広げられる豪勢なパーティーの詳細とギャツビーとは一体何者なのかという憶測が描かれています。 中盤以降デイジーとギャツビーの過去を知りギャツビーに心が傾いていくデイジーにトムが自分のエゴをむき出しにしながら、ギャツビーの父の「もし息子がもっと生きていればきっと偉大な人物になっていたはずだ・・」と言わせるまでの展開には息を飲むものがありました。 村上春樹氏曰く、フィッツジェラルドの登場人物の会話の描き方、文章の独特のリズム感、珠玉の文章は翻訳で表現するのは至難の業で出来れば原書を手に取ることをお勧めするとありますが、翻訳の難しさと唯一無二の作家と評される理由のような物がこの翻訳から十分伝わってきます。 因みに「グレート・ギャツビー」は出版時には高い評価を受けても爆発的に本が売れることは全くなく1930年代には絶版にまでなったそうです。その数年後には40歳の若さで亡くなったフィッツジェラルドは深刻なアルコール中毒者で妻のゼルダは発狂の後精神病院で暮らすという状況でした。それでも書くということや文学に対して常に前向きな姿勢を持っていたようで、ふと画家のゴッホの人生とも相まって村上春樹訳を読んでからこの本が私にとっても大切な一冊となりました。「グレート・ギャツビー」がフィッツジェラルドの死後、再評価されることになったことや画家達が渾身の思いと情熱で描いた絵が死後評価されることになるというのは、何か時代を先取りし過ぎてしまったのだろうかとも思ってしまいます。
2022.04.07
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「カムカム~」も残すところ後3日となり、今日アニーさんが「安子」であることがラジオの放送を通して判明しました。アニーさんを演じる森山良子さんは主題歌「アンデバラン」を作詞作曲した森山直太朗さんのお母さんなので、その演出にも「ほぅ・・」という思いと流暢な英語に驚きました。それでも何故「ヒラカワ?」にやっと合点がいった自分の鈍さにも驚きです。 戦後1946年に始まった「ラジオ英語講座(カムカム英語)」の講師で岡山県出身の「平川唯一(1902-1993)」さんの苗字でした。アメリカで実は平川さんと結婚した?と新たな謎が出て来て、ウィキペディアで平川唯一さんの人生を見ると、アニーの経歴と同じワシントン大学で演劇を学んだという事が書かれていますが、結婚したのは東京出身の女性のようです。 謎と言えば豆腐屋のきぬちゃんや、ひなたが英語に興味を持つきっかけになった初恋相手のアメリカ人の男の子の消息は・・。そして一番気になるのは「あんこのおまじない」をあんなに心を込めて英訳し安子と一緒にアメリカに戻ったロバートさんです。あさイチのプレミアムトークに出演した村雨辰剛さんが華丸大吉さんの質問に「安子は元気にしていますよ・・」と答え2人仲良くと私は思っていたのですが・・。テキストの表紙を見てもロバートさんのことを思い出します。 今朝の回は「ひなた」がラジオ講座で身に付けた英語でアメリカでも大活躍をしていて日本で「ラジオ英会話講座講師」の依頼を受けるというシーンから始まりました。ラジオを使ってのアニーさんの告白といい正に「ラジオは人と人を繋ぐ」という一貫したテーマでドラマが進んでいることにしみじみして、改めてラジオの持つ温かみを感じています。 平川唯一さんのウィキペデイアのページに1993年の訃報に際して、ソニー会長盛田昭夫さんが寄せた言葉がありました。『今や世界の経済大国となった日本の浮上の原動力となったのがカムカム英語だと信じています』 「継続は力なり」も痛感させられます。
2022.04.05
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ウクライナで平和を象徴する花が「ひまわり」とニュースで聞いて、思い出すのはやっぱり映画「ひまわり」です。まだ米ソ冷戦(1945-1989)が続く1970年公開のイタリア、フランス、ソ連、アメリカ4か国による合作映画です。 エンディングで地平線にまで及ぶ画面一面のひまわり畑のシーンは圧巻で、改めてあのひまわり畑のロケ地はと調べるとウクライナ南部の「ヘルソン州」でした(ヘルソン州はロシアに占領されているとの記事があります)最近ニュースで何度も目にする東部「マリウポリ」の西側に位置する州で首都キーウから南へ500キロほどです。 戦争によって引き起こされた悲劇がロシアのウクライナ侵攻と重なり、現在日本で半世紀を経て「ひまわり」の上映もされているようです。シンガポールの映画館で上映があればじっくり見直してみたい映画です。 そしてネットの記事に1982年6月の「オフコース」の武道館公演で「言葉にできない」の曲の後半に大きなスクリーンに映画「ひまわり」の中のひまわり畑が映し出されたというのを見つけました。これは何かで何回か見た記憶があり「ひまわり」の壮大だけれど何か切なさもある映像をすぐ思い出すことが出来ます。私の記憶が正しければ小田和正さんがまるで楽曲の台詞の1つのように涙を流し歌えなくなったシーンも印象的でした。 現在の状況は正に多くの人が「言葉にできない」という思いだと思います。7月にはヘルソン州で咲き渡るひまわりが本当に「平和を象徴する花」として咲き誇ってくれることを願うばかりです。 数年前に日本から持ち帰ったひまわりの種が開花して小さなひまわりがシンガポールの我が家のベランダに咲いた時は本当に幸せな気持ちになって元気をもらいました。【続報】昨日(7月2日)の夜NHKで「伝説の武道館ライブ オフコース」が放送されて、ちょっと驚きました。特にひまわりがスクリーンに映し出される「言葉にできない」を小田和正さんが歌うシーンは食い入るように見てしまいました。私が覚えていた以上に涙を流し歌えなくなる場面は数回あり、改めてこの曲の素晴らしさと40年の時を超えて「平和」を強くアピールする楽曲という思いを強くしました。
2022.04.04
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ロシアのウクライナ侵攻が始まって1ヶ月が過ぎ、ロシアのサンクトペテルブルグにある「エルミタージュ美術館」を訪れる人は現在どのくらいいるのかと考えます。 2011年に3日間エルミタージュ美術館に通いながらも、ロシア革命前にマティスのパトロン的存在だった「セルゲイ・シチューキン」が鬼集した印象派の絵画を直に見ることが目的だったため、膨大な所蔵品の中の有名な絵画もさっと見た程度の物がかなりあったと思います。 そして今でも忘れられない絵がオランダ人画家「レンブラント 1606-1669」の「ダナエ」です。レンブラントは「光と影の魔術師」と称され、「フェルメール 1632-1675)」とほぼ同時期に「バロック芸術(17~18世紀、それまでの宗教画に代わり傑作と言われる肖像画や風景画が描かれた時期)」の巨匠と呼ばれた画家です。1636年 ちょうどこの絵の前に立った時、日本語で解説する声が聞こえ振り向くと日本人の団体ツアーの方々がいました。「この絵には硫酸がかけられて~」の説明が聞こえ「えっ・・」と思ったのですが、じっくり見ることなく写真だけ撮って次の絵に進んでしまったことが今でも悔やまれます。 昨年遅まきながら「ギリシャ神話」に興味を持ち「ダナエ」が神話に登場する女性であるということを知りました。ダナエの父であるアルゴス王の「アクリシオス」は「孫によって殺される」と予言を受けたためダナエを幽閉するものの全能の神「ゼウス」に見初められ黄金の雨に姿を変えたゼウスと結ばれ子を宿すことになります。 ダナエの右手の横にゼウスの姿が暗い色調で描かれているのとは対照的にダナエの裸体は喜びで光り輝くような色彩で描かれています。子は成長して英雄「ペルセウス」となり怪物「メドゥーサ(三姉妹の3女)」を退治したことで有名ですが、予言通りにダナエの父を殺してしまいます。 「ダナエ」の硫酸事件ですが「エルミタージュ見学ガイド」には『1985年6月15日、この日はオランダの巨匠の作品「ダナエ」の最後の日になるところであった。絵に硫酸がかけられ、2ヵ所にナイフの傷を受けた。早急に「レンブラントの部屋」に呼ばれた修復の専門家たちは、キャンバス上に部分的に泡状になった絵の具を見た・・」とあります。 修復作業は約12年間続けられ、完全な修復は叶わなかったものの再び鑑賞者の前に姿を現すことになりました。ネットで調べてみると犯人は「精神疾患を抱えた青年」とありますが、敢えてこの絵を選んだのには何かそれなりの理由があったのかと考えてしまいます。もっとじっくり絵を観賞していたら完全な修復が出来なかった箇所が分かったのかなぁと今更ながらに思います。 ・
2022.04.03
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葡萄品種「グルナッシュ」「シラー」「サンソー」「ムールヴェ―ドル」度数12.5% ワインコネクションで先月のプロモーション(値引き)の一本「Marius Peyol Cotes de Provence Rose(マリウス・ペイヨル コート・ドゥ・プロヴァンス ロゼ」2020年 です。特にキャップのデザインが春らしい花柄でこれに特に魅かれて買いました(29ドル/2500円くらい) フランスの三大ロゼワインの1つ「Provence Rose(プロヴァンス・ロゼ)」は南フランスのプロヴァンス地方で造られる辛口のワインで、バカンスの時に特に中華に合わせて飲むのが人気と何かで読んでから、中華や和食に合わせてプロヴァンス・ロゼを飲むようになりました。 でもやはり南フランスのワインであれば、同じくプロヴァンス地方「ニース」の野菜煮込み料理「Ratatouille(ラタトゥイユ)」に合わせるのが最高のマリアージュのはずです。 この料理の名前は2007年公開のディズニー映画「レミーのおいしいレストラン」の原題が「ラタトゥイユ」だったことで初めて知りました。 映画は今は亡き天才シェフ「グストー」に憧れたレミー(ネズミ)がやって来たパリのレストランで、母の遺言に従ってこのレストランで働く見習いシェフ「リングイニ」と2人でパリ一番のシェフを目指す奮闘物語です。 レストランの名前は「グストー」なので天才シェフが開いたお店で「リングイニ」は実はそのシェフ兼オーナーの息子であったという設定です。 2人の共同作業による料理が徐々に評判になる中、以前「グストー」の料理を酷評した批評家の「イーゴ」がレストランに訪れます。そして彼に出した料理が「ラタトゥイユ」です。フランスではありふれた家庭料理ですが旬の食材を使い心を込めて作った料理を一口食べたイーゴの脳裏に自身の子供時代の記憶が瞬時に蘇り、評論姿勢を反省したイーゴはレストラン「グストー」を絶賛する評論を発表しハッピーエンドとなります。 そして漫画「マリアージュ 神の雫 最終章」の6巻目で「ラタトゥイユ」の本格的な作り方を紹介しています。 ①ニンニクをつぶしてオリーブオイルで炒める(つぶすのが重要) ②玉ねぎのみじん切りを弱火でパチパチ音がするように炒める ③芯をくり抜いてざく切りにしたトマトを加える ④そして別のフライパンでズッキーニ、茄子、パプリカの順で炒める(一つずつ炒めるのが重要) ①~④を混ぜて煮込んで出来上がりです。 そして漫画の中でラタトゥイユに合わせたプロヴァンス・ロゼは「シャトー・ド・ロムラード・キュヴェ・マリー・クリスティ―ヌ」2013年でした。楽天市場で調べてみると2千円くらいです。 ①~④の手順だけと思っても「本当にそれ風に作れるかなぁ・・」と思ったままなので、これは近々に是非挑戦してみようと思っています。
2022.04.02
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