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「ワイン・コネクション」へ「豆乳鍋」用のイタリアの白を買いに行った時、スタッフのジャンさんとコルクについて話をしました。スクリューキャップはコルクの病気「ブショネ」の心配も無いし、ワインオープナーも必要ないので便利だけれど瓶内熟成はゼロでやはり寝かせたワインを楽しむためにはコルクは必要と力説していました。 そして「1年寝かせでコルクを通して呼吸した物と比べて欲しい」と薦められたワインがボルドーのオーメドック地区にある「Chateau Haut Beyzac(シャトー・オ―・ベイザック)」で、手にしてみるとやはりボトルの重量感がずしりとあります。「Cru Bourgeois(クリュ・ブルジョワ)」2018年 メルロー/カベルネソーヴィニヨン ラベルにある「クリュ・ブルジョワ」は初めて見たので調べてみると、2007年に一旦使用禁止になったものの2009年に復活した「メドック格付け」に対抗する認証のことでした。5年毎に2年前のヴィンテージに対する評価をが行われ品質保証的な意味合いを持っているそうです。 「シャトー・オ―・ベイザック」はメドック格付け2級に登録されているシャトーがある「St-Estephe(サン・テステフ村)」に隣接するヴェルタイユ村にあり、2020年の評価(2018年のヴィンテージ)ではこのシャトーは249のうち2番目だったそうです。 ラベルに葡萄品種「メルロー」と「カベルネソーヴィニヨン」が表示されていて「AOC」ワインだったら表示はないはずと良く見ると「AOP(原産地呼称保護ワイン)」で「P」はProtegeeの意味でした。特定の産地で生産される上級ワインを指し、地域や葡萄品種が細かく定められていると説明があります。2009年に始まった呼称なので新しい物ではないようですが、ワインも日々進化していてアンテナを張っていないと置いて行かれるのを実感します。 アルコール度数14.5%のこのワインにはラムステーキを合わせたいと思いますが、満足のいく味であればもう1本買って(値引きで2600円ぐらい)何とか我慢して寝かせて1年後に飲みたいと思っています。
2022.01.30
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今読んでいる原田マハ著「常設展示室」の第2章のタイトルは「A View of Delft(デルフトの眺望)」で、オランダのこの町の名前から画家「フェルメール(1632-1675)」と映画「真珠の耳飾りの少女」を思い出しました。 この絵に着想を得た「トレイシー・シュヴァリエ」の同名小説を映画化したもので2003年(イギリスとルクセンブルクの合作映画)に上映されました。この絵の人気の火付け役になったとも言われる映画を私は全く知らず、たまたま「真珠の耳飾りの少女」が絵画の中では特に好きという知人から4年ほど前に強く薦められYoutubeで見ました。 舞台は1665年フェルメール一家が住むオランダの町デルフトで、タイル絵師の父を持つ少女「グリート」がフェルメール家で下働きとして働き始めるところから物語は始まります。彼女が持つ陰影、色彩、構図の天分に気がついたフェルメールは彼女に遠近法や絵の具の調合を教え始めます。 レオナルド・ダヴィンチ(1452-1519)が絵を描いていた時代に半宝石のラピス・ラズリを使うため「青の絵の具」が一番高価だったようですが、この映画の中でも石を砕き青色の絵の具を作るシーンがあり「真珠の耳飾り」でもターバンに使われるこの色は一際強い印象を放っています。 そしてフェルメールは様々な思いから彼女をモデルにして絵を描くことを決心します。しかし彼女の耳に飾られた耳飾りがフェルメールの妻の物であったために・・思わぬ展開になりますが最後のシーンは心温まるものになっています。 原田マハ著「デルフトの眺望」の最後の部分は大手ギャラリーの営業を担当する主人公「なづき」が社用で訪れたオランダで空き時間を利用してずっと見たいと思っていた「真珠の耳飾りの少女」が展示してある「王立 マウリッツハイス美術館」に向かいます。ただなづきの心を捕らえた絵は「真珠~」よりも同画家の「デルフトの眺望」であったのは、彼女の父の最期の場所となる「介護施設」の大きな窓から見える空や雲や昭和の穏やかな風景を彷彿させるものがあったからのようです。 この絵の絵葉書を介護施設に寝泊まりして父を介護をする弟宛に「日本に帰ったら3人(父親も含めて)で思いっ切り話そう」と書いて送ります。結局はなづきが帰国する途中で訃報が届きそれは実現しなかったのですが、この絵が何となくギクシャクしていた弟と心の深いところで絆を結べる関係へと繋げる一作として物語の中で描かれています。
2022.01.28
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日本から友人が送ってくれた茅乃舎の「豆乳鍋のだしとつゆ」に合うワインを検索したところ「イタリアの濃厚な白」が出て来ました。白の「フルボディ?」「アルコール度数は高め?」とか考えながらいつもの「ワイン・コネクション」に探しに行きました。「Vermentino Di Sardegna(ヴェルメンティーノ・ディ・サルデーニャ」2020 簡単に豆乳鍋を説明して「濃厚(rich)」なイタリアワインとリクエストしたところ3種類のお薦めがあり、定番の「ピノ・グリージョ」ではなくアルコール度数が13.5度の2本の中から1本選びました(2500円くらい) 「サルデーニャ」はコルシカ島の南にある「サルデーニャ島」のことで、この地方で造られるワインも葡萄品種「ヴェルメンティーノ」も初めてです。調べてみると「ミネラルは感じるが突飛な特徴がない葡萄品種だけれども収量を抑えた葡萄からは体躯(ボディ)の豊かな素晴らしいワインが出来る」とあります。 「豆乳鍋」はお薦め具材にある通りに「豚ロース(鹿児島産)、白菜、白ネギ、しめじ、水菜、豆腐」を用意しました。作り方通りにわずか10分ほどで出来上がりです。シンガポールで豆乳鍋は初めてです。 肝心のマリアージュは・・・ほぼ完璧でした。決して濃厚とは言えないワインですが豆乳スープと凄い良い相性です。さらに焼き海苔を鍋に入れると美味さが増しました。残っていたセミハードチーズ「トム・デ・サヴォア」とも抜群の相性です。ボトルの裏のラベルに「Primo Bianco(最高の白」」の表示もありました(神の雫のイタリア長介を思い出します) 更に「濃厚白ワインに必要な3つのこと」というのを見つけました。①温暖な産地 ②果実の凝縮感 ③樽熟成 このワインが樽熟成をしているのかどうか次回聞いてみようと思います。今回はスタッフのジャンさんとタイミング良く話も出来て気になっている「コルクの長さ」の事を聞いてみましたが、6㎝のコルクは見たことはないということでした。「葡萄品種によってコルクの長さが・・」で話が途切れてしまいましたが「コルクを通して呼吸させ寝かせたワインはやはり味が違う」と力説してくれました。「ワインについては毎日学ぶことがある」ととても楽しそうで、私もコツコツとワインのことを学んで行こうという気持ちを新たにしました。
2022.01.27
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日本の友人が昨年の年始プレゼントの中に入れてくれた一冊が「塩田武士」著の「騙し絵の牙」でした。表紙の人物がやけに「大泉洋」さんに似ているなぁと思ったまま、読むのが後回しになって昨年の締めの一冊になりました。 原田マハ著「ロマンシェ」を読んでいた時は勝手に乙女心を持つ主人公「美智之輔君」を最初から最後まで「志尊淳」さんと重ねて読みましたが、最初から大泉洋さんの姿があると迷うことなく主人公「速水輝也」と大泉洋さんを重ねて読むことが出来ます。 「活字離れ」がいつから言われ始めたのか記憶にないほどですが、「電子書籍」の追い上げもあり「紙ベース」の出版物の危機や作家と編集担当者、編集社内での上司との駆け引き、忖度などの内幕をちょっと怖いほどリアルに描いています。 私自身は古いタイプの人間で読書は漫画も含めて「紙」に印刷された物をその手触り感も楽しみながら読みたいと思っているので「紙」の将来を考えてとちょっと寂しくなったりもしました。 ところで送ってもらった本の著者の知識が全くない時は、読み切ってから著者の事を調べるという楽しみが出来ました。検索すると「塩田武士」氏は「罪の声」という「グリコ・森永事件」をモデルにした小説を書き「山田風太郎賞」を受賞しています。こちらの紀伊国屋書店に置いてあった小冊子「試し読み」で途中まで読み、2017年の本屋大賞にノミネートされた作品であることを思い出しました。著者が小説家になる前の新聞社勤務で身に付けた「圧倒的な取材力」の経験は「騙し絵~」の中でも主人公の前職のエピソードとして描かれています。 昨年はNHK「SONGS」の司会役の傍ら(?)「山崎育三郎」さんと「尾崎紀世彦」さんの「また会う日まで」の熱唱、紅白では「細川たかし」さんと「北酒場」をデユエット、大河ドラマでは「頼朝役」、映画では「騙し絵の牙」や「浅草キッド」など、大泉洋さんの勢いが止まらない感があって、我が地元のヒーローとして今年の大活躍も大いに期待しているところです。
2022.01.26
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一昨年の11月に香港在住の経験があり香港飲茶をこよなく愛する知り合いに連れて行ってもらったオーチャード・ロードの「Forum」というショッピングモールに入っている「Social Place」です。 どちらかというと創作よりもシンガポールのチャイナ・タウンや台湾の「Din Tai Fung(ディンダイフン)」のような昔ながらの飲茶の方が好みで創作飲茶を食べに行くのは私には稀な経験です。ワインの前にあるのが「Crispy Charcoal Tofu(黒方豆腐)」 ワインは赤、白6種類ありその中からオーストラリアビクトリア州Yarra Valley(ヤラ・ヴァレー)にあるワイナリー「De Bortoli(ディ・ボトリ)」のSauvignon Blanc(ソーヴィニヨン・ブラン)がリストの中にあったのでこれを選びました。2004年に友人夫妻をメルボルンに訪ねた際に連れて行ってもらい、人生初のワイナリー訪問で当時の事を懐かしく思い出しながら飲みました。 ワインは私が選んで料理は香港通の彼女に全て選んでもらいました。前菜の「生姜ソースを絡めた温野菜ケール」、黒いキュービック状の「Crispy Charcoal Tofu」は見た目とは全く違い上品で芳ばしい味で、中の柔らかな絹豆腐に乾燥ニンニクを載せて食べると美味しさが一層引き立ちました。 左は一見、果物の「マンゴスティン」ですが、中にロブスターの海老肉が入っていて下に敷いてあるゴーヤも丸ごと食べられます。右は表面はどう見ても完璧なシイタケですが「Truffle Shiitake Buns(トリフュ・シイタケ・バン)」の名前の通りパンの中にトリフュが入っている逸品です。 赤い小籠包は初めて見ました。食紅で染めていると思いますが中にシンガポール名物の「チリクラブ(蟹)」が入っていてちょっとだけ辛目ですが、これもなかなかの逸品です。 今年の旧正月は2月1日、2日で街はもう赤い飾りで溢れていますが、何だか久々に創作飲茶を食べたい気分になってきました。 次回用にとメニューを断って貰って保存していますが、改めて見てみるとデザートに「Mahjong Jelly(麻雀ジェリー)」とかあって何だか遊び心も一杯のお店のようです。
2022.01.25
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昨年NHKでイタリアとスイスに国境を接するフランスの「サヴォア地方」のアルプス山脈を望む雄大な景色とそこでチーズ造りをしている人達を紹介する番組を見ました。そしてこの地方がかつては「サヴォア公国」として独立した国であることを知りました。 公国と言えば、パリからTGVで東へ1時間半ほどの街「DIJON(ディジョン)」がかつての「ブルゴーニュ公国」の首都であったことを2006年に訪問した時に知りました。14~15世紀のころ栄えたブルゴーニュ公国は英仏の100年戦争の趨勢に影響を与えるほどの絶頂期を迎え、当時は宮殿で毎晩のように大宴会が催された歴史からディジョンは「食通の街」としても知られているということでした。ワインの銘醸地「ボーヌ」へ向かう中継地としか考えていなかったのですが、1泊でも滞在出来て良かったと今も思っています。 パリの「エトワール凱旋門」は1806年に皇帝ナポレオンが即位の2年後に建設の命令をしパリの観光スポットになっていますが、ディジョンの小ぶりな凱旋門「ポルト・ギョーム」を見て「ここにも?」と驚きました。いつ建設されたのか調べても詳細が見つけられず未だに私には謎の凱旋門ですが、美しくライトアップされた姿に見とれました。 13世紀に建てられたノートルダム教会です。教会のシュエット通りの壁にあるのが「幸福のふくろう」の彫刻です。通りかかった女学生に「ふくろうの左側にある金製を右手で触り、左手でフクロウを触ると幸福が訪れますよ」と説明を受けてしばらく触り続けました。大阪の通天閣の「ビリケンさんの足」のように表面はたくさんの人に触られてツルツルになっていました。街中の道路にも「ふくろう」のデザインの金属板が取り付けられていてブルゴーニュ公国とふくろうの関係も謎です。 晩御飯は「地球の歩き方」に載っていたレストランでディジョン名物の「エスカルゴ」も食べました。食べ慣れていないため本当に美味?でしたが、初めて食べたウォッシュタイプのチーズ「エポワス」には感動に近いものがありました。常温で程よく溶けしかも円やかな味わいでワインも進みました。今ではシンガポールでも比較的簡単に購入出来て好きなチーズの1つです。 一日あれば十分観光を堪能が出来る街の広さにも大満足で、翌日はバスでワインの銘醸地「ボーヌ」へ向かいました。
2022.01.23
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原田マハ著「楽園のカンヴァス」を読まなければ画家「アンリ・ルソー」に興味が持てなかったのと同じように「サマセット・モーム」の「月と6ペンス」を読まなければ「ポール・ゴーギャン(1843-1903)」の絵に今ほど興味が持てなかったと思います。「奇跡の泉(夢想)」 1894年 今思えば2011年にエルミタージュ美術館を訪問する前に「月と6ペンス」を読んでいたらと思います。当館でのタヒチ時代のゴーギャンのコレクションは15点(ゴッホは4点)と「ガイドブック」にありますが、全て見たのか記憶になく写真に残っているのは4点のみで、マティス、ゴッホやピカソの絵ほど足を止めてじっくり見ることはなかったと思います。 「月と6ペンス」は作者のサマセット・モームも主人公の「ストリックランド」は「ゴーギャン」をモデルにしているが共通性は少ないと言っています。ただゴッホと同じように「反動分子の一匹狼」とも言われたゴーギャンの性格や言動を誇張した形で上手く反映させていると思っています。「果物を持つ女」 1893年 小説の圧巻はゴーギャンも「天国」と感じたストリックランドの終焉の地「タヒチ」でキリスト教を含め東洋や多神教のシンボルなどが具体的な生きたモデルとしてリズミカルに絡み合った奇抜な寄せ集めのような絵画の制作に集中していきますが、ハンセン病を患い失明してしまいます。それでも家の壁に絵を描き続け、彼の最後を看取った医師は壁に描かれた絵から「魂の揺さぶり」を感じます。しかし現地の妻アタはストリックランドから自分が死んだら全てを焼き尽くして欲しいと言われていたため、後の「天才画家」が描いた壁の絵は全て焼き尽くされるという壮絶な最後です。 ストリックランドの死後偶然タヒチを訪れることになった小説の中の「私」はストリックランドと関わったタヒチの人達から話を聞くうちに次のような考えに至ります。 『イギリスやフランスにいた時のストリックランドはさしずめ丸い穴に打ち込まれた四角い釘だった。だがここ(タヒチ)では穴に形がない。だから合わない釘はない。彼がこの島に来て多少なりとも優しくなったとは思えないし、利己的でなくなったとも言えない(中略)彼はこの地で祖国の人間には期待も望みもしなかったものを手に入れたのだーーつまり、理解を。現地の人たちは彼のことを変わった魚程度に思っていたようだが、現地には変わった魚はいくらでもいる』 「椅子の上のひまわり」1901年 南フランスのアルルでゴーギャンと念願の共同生活を送るものの、ゴッホの耳切り事件の後、ゴーギャンとの仲は断絶してしまったのかと思っていましたが、2人の書簡が残されているようです。 そしてゴーギャンの死の2年前にフランスから種を取り寄せて育てた「ひまわり」の絵をゴッホがゴーギャンのためにアルルで用意したのと同じような椅子に載せて描いたということに何だかホッとします。ロシアの鬼集家「セルゲイ・シチューキン」のコレクションの1点で、今はこの絵が好きな絵の1枚になっています。
2022.01.22
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原田マハ氏著書のファンにはたまらない「プレミアム・トーク」への出演で、私は「生・原田マハ氏」を初めて見ました。飾らない人柄が滲み出る話し方や彼女の「体当たり人生」の話を聞いて益々ファンになりました。 2012年に刊行されたベストセラー「楽園のカンヴァス」は学芸員としてMOMA(ニューヨーク近代美術館)」に勤務していた時に当美術館蔵の「アンリ・ルソー」の「夢」に大きな感銘を受けて小説の題材にしたのだろうとは思っていましたが、ダン・ブラウン著の「ダ・ヴィンチコード」に刺激を受けて書き始めた経緯など小説のような話に聞き入りました。 そして「夢」の前に立つ原田マハ氏の解説まで聞けるとは・・。絵を見る一番良い立ち位置は手に絵筆を持った感じで腕を伸ばした処から(画家と同じ目線)と説明があり、次回美術館に行った時に試してみようと思いました。 視聴者から「お薦めの美術館は?」の質問には、特にパリで画家が住居としても使っていた邸宅を美術館に改造している所(絵画だけでなく画家が生存していた時の時代の雰囲気も味わえるので)、例えば「ロダン美術館」や「ギュスターヴ・モロー美術館」などというのも参考になりました。 「楽園のカンヴァス」はシンガポールの読書通の方から「絵に興味がなくても面白かったから、絵が好きだったらこの本もの凄く気に入ると思うよ」と手渡してくれた一冊でした。正直、表紙の「アンリ・ルソー」の絵を見て「実はあまりアンリ・ルソーは・・」と思いながら読み始め、読後はアンリ・ルソーや彼に関わった人達の人生に感銘を受け、またストーリー展開の素晴らしさに感動の一言でした。読み終わってすぐ絵画好きの友人に手渡しました。そして今ではアンリ・ルソーの「夢」は自分の好きな絵の上位に入っています。 我が家のサボテンの鉢にも飾っています。 今年の日本からの初サプライズ本です。 「常設展示室」は今月届いたばかりで、今読んでいる本を読み終えたら読むつもりです。どの絵を取り上げているのかドキドキで未だ本を開いていません。開いてからのお楽しみにと・・。今年も「原田マハ」ワールドに嵌っていそうです。
2022.01.21
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一昨年の11月に書いた日記ですが、写真が消えてしまったので内容を修正してアップします。 イギリスの作家「サマセット・モーム」がラッフルズホテルに滞在して執筆した「月と6ペンス」の1ページ目を開くためにラッフルズホテルに行って来ました。 Beach Road(ビーチロード)に面したホテルの正面玄関にはコロナ禍以前と同じくトレードマークのようにインド人傭兵の姿をしたドアマンが笑顔でお客様を迎えていましたが、宿泊客とレストランの予約客のみホテル内に入ることが出来るということでした。 ただCourtyard(コートヤード)と呼ばれるホテルの中庭に面したショップ、カフェ、バーなどは自由に出入りが出来るということなので、そちらの方に行ってみました。2019年に2年かけての改修工事が終了し、壁の白さが以前より際立っているように見えました。 カクテル「シンガポール・スリング」発祥で有名な2階の「ロング・バー」で1ページ目をとも思いましたが、残念ながら閉店中で結局コート・ヤード内のカフェ&バーに落ち着きました。 程よいBGMのボリュームと不思議とここに吹く風は爽やかで心地が良いです。 本のお供に「ロゼワイン」を注文しました。「月と6ペンス」がフランス人画家ポール・ゴーギャン(小説の中ではイギリス人画家ストリックランド)の人生をモデルにして書かれたという情報がなければもしかして読むこともなかったかもしれません。 シンガポールの紀伊国屋書店では「金原瑞人訳 2014年」のみが売られていて(サマセット・モームの原作は1919年の出版)、先に金原氏の「後書き」を読むと『作者(サマセット・モーム)も言っているようにポール・ゴーギャンにヒントを得て書かれたものだが、ストリックランドとゴーギャンに共通するものは少ない。ストリックランドは「月と6ペンス」の主人公であり、それ以外の何者でもない』とあります。 ゆっくりとページをめくっていくと、もう一人の主人公の小説家である「私」の『素人に絵は分からないとか、気に入ったなら黙って金を出せばいいとかいう思いあがった画家たちの言葉に賛成するわけにはいかない。それは、芸術に専門的な技術のみを求める馬鹿げた言いぐさだ。芸術とは、情感の表現だ。そして情感とは、だれもが理解できる共通言語だ』の台詞が出て来ます。何かちょっと挑戦的な感じもする言葉で物語の進行に期待が大きく膨らみました。 果たしてイギリスからフランスに渡ったストリックランドが彼の最終地となるタヒチでどのようにして芸術の高みに上り詰めることが出来たのか・・。「月と6ペンス」を読む前はゴーギャンの絵にさほど興味を持つこともなかったのですが、今はストリックランドの人生を通してゴーギャンの絵は私にはとても興味深いものになっています。「椅子の上のひまわり」ゴーギャン 1901年 エルミタージュ美術館蔵『アルルを離れてから10年以上も後にタヒチでゴーギャンは「ひまわり」を描く。この花が亡き友人への思いを表していることは確かだろう。ひまわりが載っている肘掛け椅子は、ゴッホがアルルで用意したものとそっくりである』(週刊美術館「ゴッホ」から)因みにタヒチではひまわりは咲かないのでゴーギャンはフランスからひまわりの種を取り寄せたそうです。
2022.01.20
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「ゴールデン・グローブ賞」を受賞した「ドライブ マイカー」のシンガポールの映画館での上映はないかなと諦めかけていたところ、唯一古い映画等を上映する「The Projector」で一回きりの上映があり、運良くチケットもネットで購入出来て昨日見てきました。 前評判通り、3時間ほどの長い映画にも拘わらずテンポ良くシーンが移り変わり、また台詞の重みを考えているうちにあっという間に最後のシーンとなっていました。そしてここまで余韻を残すシーンで終わる映画の脚本は秀逸の一言です。もう一度映画館に足を運んで台詞や表情を吟味してみたいという持ちが良く分かります。「SAAB(サーブ)」 東京、瀬戸内海を望む海岸線、北海道の雪道を走る赤の「サーブ」は映像としてとても良いアクセントになっていました。スウェーデンの車サーブを初めて知りましたがネットでは2016年に消滅とあります。原作者の村上春樹氏は執筆のためヨーロッパに滞在していた時、確かイタリアの車が特にお気に入りだとエッセーに書いていたと思います。理由は「故障しやすいがためにさらに愛着が湧く」というようなことだったと思いますが、このサーブはどうだったのかなぁと・・同じスウェ―デンの車「ボルボ」が故障しやすいというのは以前聞いたことがあります。 肝心の映画の内容としては「他者(配偶者も含めて)を理解するにはまず自分の心にとことん耳を傾ける」というのが大きなテーマとなっていたのかと思いますが、その難しさゆえに真摯にそれに取り組もうとする出演者の台詞の一言一言に重みがありました。 映画の中の音楽についてもジャズやクラシックに特に造詣が深い村上春樹氏から使用する楽曲にリクエストがあったのかなとかも気になります。「The Projector」のカフェ・バー 「ホワイト・スノー ホットドッグ」&ビール シンガポールの映画館内は飲食はOKですがアルコール類は禁止なので、映画が始まる前にビールで一息つきました。カフェ・バーも主に新作を上映する大手「Goldern Village」とは違って大人の雰囲気があります。ワインボトルをテーブルに置いてという欧米人カップルの姿もありました。 ちょうど昨日、朝ドラ「カムカム~」でジョーが時代劇を見ながらホットドッグを食べるシーンがあって、それにつられてホットドックを注文しました。チーズ入りのホワイトソースなので服に付いても大丈夫かなと・・。来星当時は500円台ぐらいだった入場料が今は千円台前半(今回は13.5ドル)で日本に比べると娯楽として未だ未だお手頃価格に押さえられているかなと思います。
2022.01.18
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ボトルの重量感と底の窪みの深さに惹かれて買ったイタリアの葡萄品種「プリミティ―ヴォ」を昨日開けました。これだけ重量感があるボトルは熟成を進めるコルクも長いのではと思い期待を込めて開けましたが4.5㎝でした(コルクの絵柄は素敵です) 2019年のこのワインは一口飲んでその力強さに圧倒されました。葡萄品種「カベルネソーヴィニヨン」を多用するボルドー左岸の未だ若いワインで硬く開いていないような感じがありました。果実味もあまり感じないけれど私にはそれはそれで美味しく飲めたのですが、これは出来れば数年寝かして飲んでみたいと思わせるワインです。 牛筋、にんにく、玉ねぎ、にんじん、しいたけをトマトソース&デミグラスソースで簡単に煮込んだ料理とも相性は良く、白カビチーズ「ブリード・モー」、手作りの鳥レバパテにもしっかりマリアージュでした。 今日は「ワイン・コネクション」で貰った「簡単デキャンタ―」を使って飲んでみるつもりです。ワイングラスの上に置きワインを注ぐと「ゴボゴボ」と不思議な音を出しますが効果を期待します。 果たして6㎝のコルクというのは長期熟成を考えてフランスのブルゴーニュの「ロマネ・コンティ」やボルドー左岸で一番力強いワインを造ると言われているポーリャック地区の「ラフィット・ロートシルド」のような本当の最高級ワインに使われているのかと夢想するだけでも楽しくなってきます。横45㎝x縦58㎝ 2007年にオーストラリアのパースに住む友人夫妻を訪ねた時に、お家の中にコルクボードやコルクを鏡のフレームに利用しているのを見て触発され初めて作ったコルクボードです。今はコルクの色は良い感じに変色していますが、大切に飾ってあります。改めてじっくり見てみると、残念ながら5㎝が最長でそれより長いコルクはやはりないようです。
2022.01.17
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『スコット・フィッツジェラルドとは、言うなればアメリカという国の青春期の、激しく美しい発露であった』・・「雑文集」から。 今、スコット・フィッツジェラルドの「マイ・ロスト・シティー(村上春樹訳)」を読み返していて、初めてフィッツジェラルドの本を手にしたきっかけは何だったんだろうと考えると「ジャズ・エイジ」という言葉だったのに気が付きました。 2011年に友人が送ってくれた村上春樹著「雑文集」も読み返していて、「スコット・フィッツジェラルド」の章の副題に「ジャズ・エイジの旗手」と書かれていて思い出しました。 当時は「ジャズ・エイジ」の言葉の意味は全く分かっていなくて、ただその音の響きに惹かれたのだとと思います。 改めて調べてみると「アメリカの1920年代(1929年の世界大恐慌の前まで)の風俗をを指す言葉で、第一次世界大戦で勝利した後に加速した排外的な人種主義(100%アメリカニズム)等を背景にラジオ、映画、ダンスホールなど大衆消費社会へ向かい始めた時代」とあり、この呼び名はフィッツジェラルドが1922年に発行した短編集「ジャズ・エイジの物語」からきているようです。1917年に初のジャズ(新興音楽)のレコーディングが行われるまでジャズと言う言葉はセックスやダンスを表していて、フィッツジェラルドはその全ての意味を含めてこの言葉を短編集のタイトルに使ったようです。 「雑文集」の中では、正にジャズ・エイジの申し子となったフィッツジェラルドと妻ゼルダの「事実は小説より奇なり」のエピソードもいくつか紹介していて、その後の2人の破滅へと繋がる人生を自分なりに思い描きながらフィッツジェラルドを読むと、一層彼の文体が心に沁みます。
2022.01.16
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南オーストラリアの銘醸地「バロッサ・バレー」でテーブルワインから高級ワインまで高品質のワインを造る「Grant Burge(グラント・バージ)」ですが、ラベルに数字が入ったものはシンガポールでは政府系のスーパー「Fair Price(フェアー・プライス)」でのみ見かけます。 面白いのは数字に関係なく通常32ドル(2500円ぐらい)がプロモーション(値引き)だと22ドル(800円くらいの値引き)になるので、その時に纏めて買うようにしています。 単純に「gb」の後ろの数字の意味は?と思い取り合えず「 32 シャルドネ100%」を買ってみたのがきっかけで、裏のラベルにその数字の説明がありました。 「グラント・バージ」を1988年に設立した5代目のグラント氏が長年所属していたフットボールチームでの背番号ということでした。そして「88 カベルネソーヴィニヨン100%」の88は設立した年に因んで付けたようです。 32シャルドネは円やかだけれど濃厚な味わいで文句なく「美味しい」という感じで、開けた後何日かセラーに置いておいてもその濃厚な味わいが続きます。 88カベルネソーヴィニヨンも円やかで渋みがほとんどなく甘味があり、麻婆豆腐のようなチリを利かせた中華料理にも相性は抜群です。 「gb56 シラーズ100%」は昨年末、友人との忘年会で四川料理店に持ち込んでみましたが、これはまずまずの相性というところでした。88の方が相性としては良かったかもしれません。因みに「56」は1956年に南オーストラリアで発生した大洪水の事を忘れないようにということのようです。 ところで年末に日本から友人が送ってくれたサプライズプレゼントの中にワイングラス用のスポンジが入っていました。「ワインの小瓶?」と本当にサプライズでした。早速使っていますが、ふと考えたのはスポンジに洗剤をつけて洗うのが一般的かどうかということです。今まで洗剤を付けていましたが、たまにグラスから「あれ、この匂いは?」ということがあり、洗剤をつけずにこのスポンジで丁寧に洗ってみるとその匂いが今のところ全くないように思います。グラス洗いも何だか楽しくなってきました。
2022.01.15
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1月の「ワイン・コネクション」のプロモーション(値引き)のワインからイタリア南部「プーリア州のマンドゥーリア」で造る赤ワイン「Gran Maestero」を選びました。「Primitivo(プリミティ―ヴォ)Di Manduria」2019年 アルコール度数14% 29.9ドル(2500円くらい) 葡萄品種「プリミティ―ヴォ」と言えばこちらで個人的に一押しのイタリアンレストラン「Caruso」でブラータチーズと生ハム&水菜のピザに合わせるワインとしてシェフ兼オーナーに薦められて飲んだのが初めてで、このピザとの相性はいつ飲んでも抜群です。 チェリーやベリーの香りが強く濃厚で余韻の長い「プリミティ―ヴォ」の意味はイタリア語で「最初の」という意味で、他の葡萄に比べて早熟で発芽から開花までの成熟のプロセスが速いそうです。カリフォルニアでは「ジンファンデル」と呼ばれています。 このワインを手にしてすぐ選んだ理由はボトルを持った時の重量感と底のくぼみが深いことでした。ここまでズシンと重いボトルは久々です。来星した当初ワインを買う際のヒントとして長期保存ならボトルが重いこと、澱をためるためボトルの底のくぼみが深いこと、コルクが長いことというのを教えてもらいました。 何年も寝かせて飲むというのは経験がないので、これは私にはあまり意味がないのかもしれませんが・・。 今回のワインはまだ開けていないのでコルクの長さは分かりませんが、検索すると通常3㎝ぐらい、高級ワインで5.5cm、6㎝以上であれば最高級ワインという記事も見つけました。そう言えばコルクの長さって測ったことが無かったなぁと思ってルイ・ジャドの赤のコルクを測ってみると4.8㎝でした。 開けるのが楽しみです。合わせる料理は勿論イタリアンかなと思いますが、最近嵌っている「牛筋のトマトソース&ワイン煮込み」にしようかなと思っています。
2022.01.14
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数年前に友人が日本から送ってくれた村上春樹訳「マイ・ロスト・シティー」をまた読み始めました。6篇の短編のうち「残り火」と「氷の宮殿」は長編「グレイト・ギャツビー(華麗なるギャツビー)」発表の4年前に「楽園のこちら側」でデビューした年に書かれたもので、「悲しみの孔雀」からの4篇は1929年の「世界大恐慌」と時を同じくするように時代の潮流から見放され、妻「ゼルダ」の病、書いても書いても評価されない貧困生活の中、アルコールに溺れながら執筆した作品です。 村上春樹氏は影響を受けたアメリカ人作家の中でも特に「スコット・フィッツジェラルド(1896-1940)」を『読み終えて何ヶ月も何年も経ってから突然、まるで後ろ髪を掴むように読者を引き戻していくタイプの作家である』と前書きの「フィッツジェラルド体験」の中に書いています。 私自身は大学時代に英米文学を専攻していて、フィッツジェラルドは20代前半で初めて何冊か読みました。確か「氷の宮殿」の中の普通の文章が続く中でいくつか「綺羅星」のように光り輝く文があったのを今でも覚えていて(翻訳者の名前は思い出せませんが)あの綺羅星にまた出会えたらと思っているのですが・・。 第一次世界大戦の戦勝で湧き上がるアメリカで24歳の若さで「時代の申し子」と持て囃され、パリへ移り住み、パーティーからパーティーへと飛び回る合間に高額で買い取られる短編を次から次へと書きなぐり、散財の果てには出版社から前借りまでして破滅的なサイクルに嵌り込んでいく様子は作家というよりある点では「ゴッホ」や「モディリアーニ」のような画家と重なって私には映ります。 妻のゼルダは破綻していく生活に耐えられずは精神を患い、書いても書いても世間から見向きもされなくなった作家として44歳で亡くなりますが、初期の短編「残り火」や「氷の宮殿」を改めて読むと「悲観的世界観」や「崩壊の予見」という彼の一貫したテーマが貫かれていることが分かります。 同時代のアメリカ人作家として「老人と海」でノーベル文学賞を受賞した「アーネスト・ヘミングウェイ(1899-1961)」がいますが、彼が自殺した原因というのは「文章に対しての絶望」というような事が書かれていたのを以前読みました。それに対してフィッツジェラルドは最後の最後まで「書く」ということに夢、情熱、愛着を持ち続けた作家なのだと思いながら読むと作品がまた一層愛おしくなります。 『ヘミングウエィは牡牛で、僕は蝶だ。蝶は美しい。しかし牡牛は存在する』フィッツジェラルドが1流作家と2流作家の境界線として書いた1文です。
2022.01.12
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今週の朝ドラ「カムカム~」のライブ案内に「渡辺貞夫」の名前が登場して、岡山編で世良公則さんがオーナーを演じるジャズ喫茶の窓から中を覗く浮浪者の子役の子(柊木陽太君)の姿が浮かびました。 この子が後々誰かに繋がって行くのだろうと思いながら存在を忘れかけていました。 渡辺貞夫が・・まさかと思いウィキペディアで調べると1933年栃木県宇都宮市生まれなのでこの時点でもう既に違っています。 現在の朝ドラは1962年(昭和30年代)が舞台で、この年渡辺貞夫は29歳でアメリカの「バークリー音楽院」に留学しています。ドラマの中でも大阪のジャズ喫茶でミュージシャンとして勤務する「ジョー(大月錠一郎)」の同僚「トミー」が留学を伝える新聞記事を見て「先にアメリカに行きたかったのに・・」と悔しがるシーンがありました。 ネット上では岡山で浮浪者だったジョーは進駐軍のバンドと一緒に大阪に行ってトランぺッターに成長し、あの浮浪者の子の後の姿が「ジョーに違いない」という書き込みが既にいくつかあって「流石!」と思いました。 それならルイ・アームストロングの「On the Sunnyside of the Street」はルイにとってだけでなく、2人にとって「特別な特別な思い出の曲」です。確か進駐軍のパーティーで世良公則さんの熱唱も窓から見ていたはず・・またしても脚本の上手さに唸ってしまいました。 渡辺貞夫の名前を見て一瞬時間の感覚がおかしくなってしまったのは、来星して確か4年経った2007年に「渡辺貞夫のライブ」を見る機会があったからです。「世界のナベサダ」と言われて久しく、こちらのジャズ好きの方に誘ってもらいました。シンガポールの良さの1つはこういう芸能に関して入場料が非常に手頃なことで80ドル(7000円くらい)で顔の汗がはっきり見えるほど前の席に座ることが出来ました。 ジャズと言えばピアノぐらいの知識しかなく果たして「世界の~」という形容詞が付く演奏ってどんなものだろうと思っていたのですが、心に響く力強い演奏だけでなく、巧みな英語を使ってのステージマナーは正に「世界の~」だと実感しました。当日販売のCDは実は予約時点で完売で買う事が出来なかったのが今でも残念です。 ネットの画像から。 マリーナ・ベイにある「エスプラネード」で開催。 Youtubeで1978年に大ヒットした渡辺貞夫の「California Shower(カルフォルニア・シャワー)」を聞きましたが、軽快なリズムですっかり明るい気持ちになりました。朝ドラの中でルイと安子のアメリカでの再会があるのであれば、時代がちょっとずれても是非流して欲しいなぁと思う曲です。
2022.01.07
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昨年の12月初旬に久々に受けた「健康診断」のレポートが郵便で届き「肝・膵・脾・腎臓」に「異常ありません」のコメントを見て、休肝日を設けていない私はホッと胸を撫でおろしています。細かい点では総コレストロール値にはちょっと注意が必要ですが、さらにバランスの取れた食事、適度な運動をこれからも続けて行こうと初春の抱負のような朗報となりました。 レポートの肝機能のALP等のアルファベット3文字で特に※記号(基準範囲外)の付いている項目はじっくりネット検索しました。 その中の「血液一般」の「MCH」の基準範囲は27-32pgで、私のには※が付いて34です。基準範囲外は全てNGかと思い調べてみると、赤血球1個に含まれるヘモグロビン量で31pgぐらいが適量というサイトもありました。ヘモグロビンと言えば鉄分とタンパク質で出来ていて、不足すれば貧血の原因になるというぐらいの知識はあります。日本にいた時は貧血気味だったので、ヘモグロビンが多いというのは驚きですぐ思い浮かんだのは「パセリ」です。昨年パセリの美味しさを再認識し、栄養価の高さ(特に鉄分はほうれん草の3~4倍)というのを知って出来るだけ取るようにしていました。 食べ始めて半年ぐらいですぐ効果というのは俄かには信じがたいですが、以前に「今食べている物は3ヵ月後の体作りのため」というのをテレビで見て、今回も励みになり昨日またパセリを買って来ました。日本産は400円ぐらいで高値ですが「鰯の頭も信心から」で信じて食べることも必要かなぁと・・。因みにヘモグロビンの値が高すぎるのも葉酸やビタミンB12不足があるそうです。 袋の裏に「パセリの美味しい召し上がり方」がいくつかあって「パセリジュース」が紹介されています。『リンゴとパセリ(茎まで全部)をジューサーにかけて最後にレモンを絞って出来上がり。アイスクリームを載せるとお子さんのデザートにも』今まで牛乳や豆乳、リンゴ、黒ゴマ、きな粉にハチミツを入れて作っていたドリンクにパセリを加えてみようと思っています。
2022.01.06
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親子3代の100年の物語「カムカムエブリバディ」は安子の娘「ルイ」がやっと両親との思い出の曲「On the Sunnyside of the Street」に出会いました。 朝ドラを見ているうちに3年ほど前に読んだ湊かなえ著の「花の鎖」を思い出しました。日本の友人からのサプライズプレゼントに入っていた一冊で、湊かなえ氏が「告白」で有名なミステリー作家と知っていてもそれまで一冊も読んだことがありませんでした。 「美雪」「沙月」「梨花」の3章(雪月花)からなる物語が「祖母」「母」「私」という3世代の繋がりを描いたものだというのを私は途中までは全く気が付かず、だからこそ計算され尽くしたような展開に新鮮な驚きがありました。 小説の内容は思い出せない箇所も多々あるので、検索してあらすじを読んでみると読み終わった時の感動が蘇ってきました。「コマクサ」 ネットの画像から。 山をこよなく愛する湊かなえ氏らしい山の景色や高山植物も描かれ、その中でキーワードのように出てくる「コマクサ」は私には初めて聞く花の名前で、すぐ調べずに頭の中でその色や形を想像して読み進めました。読み終えて、こちらでお世話になっている長野県出身の方に「コマクサという花を知っていますか?」と聞くと「知ってますよ」と即答で携帯の画面ですぐその花を見せてくれたのにも驚きました。「八ヶ岳」にも咲く「高山植物の女王」を知らない訳がないという感じでした。 物語の中でのもう1つの花のシーンは夫を山での不慮の事故で亡くした祖母の美雪と両親を同時に亡くした孫の梨花が2人で慎ましい生活を送る中でも、美雪が「花」を買いそれを家の中に飾る習慣が描かれ、物語を通して湊かなえ氏の花に対する深い愛情を感じました。 そして3世代の女性たちが暮らした町の和菓子店「梅香堂」の「きんつば」は物語のアクセントのように登場して、「カムカム~」と同様に切なくても大切な思い出にはやっぱり「小豆」・・と餡子好きの私は思ってしまいます。
2022.01.05
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「Artemis(アルテミス)」 1908年 セルゲイ・シチューキン寄贈 ロシアの大富豪で画家マティスのパトロン的存在であったセルゲイ・シチューキンはマティスやゴーギャンなど色彩の濃い絵画が特にお気に入りだったのかと思います。 エルミタージュ美術館で1点だけ見た「マリー・ローランサン」の絵も彼女の代表的なパステル画ではなく色鮮やかな絵で最初は「誰の絵?」と思いました。目力の強さが印象的で、エルミタージュ美術館で見た絵の中では今でも特に気に入っています。 昨年、集英社みらい文庫の「ギリシャ神話 不思議な世界の神様たち」を読んで今更ながらに「アルミテス」がギリシャ神話に登場する女神だと知りました。 有名な太陽の神「アポロン」の双子の姉で「狩猟」「貞潔」の女神で、人間に厳しい罰を下したため畏怖される存在だそうです。 文庫の中の「女神の怒りに触れたもの」は次のような内容になっています。 『カドモス王の息子アクタイオンは山で鹿を狩った後、谷の奥で一休みしようと洞窟へ近づきます。ちょうどそこではニンフを従えたアルテミスが泉で水浴びをしていて、ニンフの歌声に導かれるようにアクタイオンはアルテミスに近づき、その美しい顔を見てしまいます』 『姿を見られたアルテミスは怒り狂い、美しさにボーっとしているアクタイオンに泉の水を振りかけます。するとアクタイオンは鹿の姿になってしまい、狩猟に使っていた犬たちに全身を引き裂かれてしまいます』 最初に鹿狩りをしていた事も関係があるのかなと考えさせられますが、女神の裸の姿を見たことに「死の罰」というのはどう考えても厳しすぎるなぁと思ってしまいます。 マリー・ローランサンのアルテミスは一枚だけなのかと調べてみると「マリー・ローランサン美術館所蔵」でもう一枚ありました。アルテミスと同一視される「ディアナ(英語名はダイアナ)」はローマ神話に登場する女神で、同じ1908年に描かれています。こちらの絵は狩猟の神に相応しく柔和な顔つきをして動物と仲睦まじい姿に描かれています。「狩りをするディアナ」 1908年頃 ネットからの画像
2022.01.04
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お正月用に買っておいた「Cotes de Bordeaux(コート・ド・ボルドー」の「Chateau Le Doyenne(シャトー・ル・ドワイエネ)2014年」をオーストラリア産の「ラムヒレ」とフランスのブルーチーズ2種類と合わせました。 飲む前にワインを検索して「シャトー・ル・ドワイエネ」は漫画「神の雫」で一躍有名になった「シャトー・モンペラ」と同じ生産地、同じ醸造学者「ミシェル・ロラン」が関わっていることが分かりました。 記念すべき「神の雫 第一巻」に登場し、それまで日本では無名だったシャトー・モンペラはすぐに品切れになるほどの人気ワインとなり今もその人気は続いているようです。 神咲雫が一口飲んで、伝説のミュージシャン「クイーン」をイメージするシーンです。 『パワフルでそのくせとろけるような甘味とキュンと来るような酸味がグワっと迫ってくる感じだ。それこそあのクイーンのボーカルの甘くてハスキーな声を分厚いギターや重たいドラムで包みこんだような・・なんつーか、クラシックみたいなんだけどそうじゃない。こいつはもっとモダンな、やっぱクイーンっすよ』 そう言えばクイーンのボーカル「フレディ・マーキュリー」の2018年公開の伝記映画「ボヘミアン・ラプソディ」を見逃していたので見たくなりました。残念ながらシャトー・モンペラのワインを飲んだことがないけれど、シャトー・ル・ドワイエネでも同じクイーンの曲が流れるかなぁと・・・。 一巻目の巻末に3氏よるシャトー・モンペラの試飲の様子が載っています。ボルドー左岸「メドック地区」の格付け1級に5つのうち3つも名前を連ねる「Pauillac(ポイヤック)」地区のワインにも引けを取らずコスパ抜群のこのワインを一押ししています。 私自身は年齢と共にパワフルで渋みも強いカベルネ・ソーヴィニヨン種多用のワインより円やかなメルロー種を多用するワインに好みがどんどん傾いて来ているので、しばらくはコート・ド・ボルドーのワインから目が離せないかなと思います。兎にも角にも15年ぐらい書棚の片隅にあった「神の雫」第1巻を久々に読み直すきっかけが出来て嬉しいの一言です。
2022.01.03
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