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帰省すると何にもすることなくて(いや・・・何もしようとしないんだけど)ずーーっとTV三昧。昨夜は昨年のベルリン・フィルのジルベスターの録画放映をNHKで。指揮はサイモン・ラトル。ボロディン 歌劇「イーゴリ公」から「だったん人の踊り」 ボロディン 交響曲第2番 ムソルグスキー(リムスキー・コルサコフ編) 歌劇「ホヴァンシチーナ」から前奏曲(モスクワ川の夜明け) ムソルグスキー(ラヴェル編) 組曲「展覧会の絵」(アンコール)ショスタコービッチ バレエ組曲「黄金時代」から「ダンス」ロシア・プロだった。大勢の楽団員をステージに乗せて、圧倒される。田舎なので、深夜でも大音量でTVを聞けるのがいい。今年のジルベスターはあと2時間後にスタート。起きていられるかしら。20時からずっと(今も)NHKの「年越しクラシック」を見てる。こうしてみると、随分公演に通ったものだ。あの公演はこんな音だったっけ?と思うこともあって、放送と生の違い、聴いている座席の影響などを感じる。バレエの紹介がもっとあってもよかったのに。何はともあれ、この番組を見ながら一年を振り返っておりました。みなさま、来年もよろしくお願いいたします。
2008.12.31
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帰省中です。実家の手伝いもろくにせずに読書してます。「永遠のチャンピオン」シリーズの英雄4人のうち3人め、エレコーゼの物語。20世紀に生きる平凡な男ジョン・デイカーが転生するのだけど、デイカーには妻がいて、エレコーゼになってすぐにイオリンダ姫と婚約。その後、美女エルミザードを求めて、あらゆる次元を渡り歩く。「欲しいのはエルミザードだけ」と言い切る彼がなんだかちょっと情けない。戦う大義名分は恋しい女?奥さんはどうなったのー?といつもひっかかる。エレコーゼから氷の城の主スカーソルになり、またエレコーゼにもどって、ウルリッヒ・フォン・ベックと知り合い(彼は自分の分身じゃなかったっけ?)、力をあわせて地獄の公爵バラリザーフの罠に立ち向かう。なんとなく地味な英雄だった。こりずに、正月の間に4人めのコルムの物語に取り組む予定。
2008.12.30
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ネマニャが出ることに気づき、12月初めに急遽追加したコンサート。指揮&チェンバロ:秋山和慶ヴァイオリン:ネマニャ・ラドゥロヴィッチソプラノ:松本美和子メゾ・ソプラノ:竹本節子テノール:クリスティアン・エルスナーバス:アッティラ・ユン合唱=東響コーラスヴィヴァルディ:協奏曲集「四季」より作品8-1ホ長調「春」.作品8-4ヘ短調「冬」ベートーヴェン:交響曲 第9番 ニ短調 作品125 「合唱付」リサイタルの時より抑制が利いていて、思ったよりノーブルにまとめた「四季」。それはそうかも。おじいちゃんのような秋山さんに指示され、素敵な大谷コンミスから合いの手を入れられては、変に暴れられない(笑)。カルミニョーラのセクシー・ダイナマイトさと、レーピンの神々しさの前に、最近色褪せて見えたけど、成長株だからこれからが楽しみ。来年のラ・フォルにまた来てほしいな♪ネマニャのために、年末2回目となった「第九」。アンナ・クオが体調不良で、松本美和子がソプラノの代役に。いいんだけど、紹介文に「松本美和子(ご本人の母)」とあり、面白かった。「おかあさん、お願い」と頼んだのかしら。いまどきの母娘関係のようで、会場で出会った知り合いのおじさまにも大うけ。第九は秋山さんが振ると、「日本の代表的な第九」だった。構造的にしっかりしてます、という感じ。個人的な楽しみは第四楽章の歌い出しのバスなんだけど、アッティラ・ユンはすばらしかった。声量も深みもあって、ベートーヴェンが自分で詞を書いたという導入部分と、シラーの詩の出だしは緊張感もあった。あとの3人のソリストは大いに霞んでしまった。最後はホールの客電を落として、「蛍の光」。今年のコンサート通いの締めくくりは、まずまず。
2008.12.29
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年末の大掃除もそこそこに、新宿バルト9へ。毎日18:30から上演してるけど、1週間単位なので、明後日から帰省してると見逃すことに気付いたのだった。指揮:アントニオ・パッパーノ演出:デイヴィッド・マクヴィカーロイヤル・オペラ合唱団 ロイヤル・オペラ・ハウス管弦楽団 フィガロ:アーウィン・シュロット(バリトン)スザンナ:ミア・パーション(ソプラノ)バルトロ:ジョナサン・ヴェイラ(バス・バリトン)マルチェリーナ:グラシエラ・アラヤ(メゾ・ソプラノ)ケルビーノ:リナート・シャハム(メゾ・ソプラノ)アルマヴィーヴァ伯爵:ジェラルド・フィンリー(バス・バリトン)ドン・バジーリオ:フィリップ・ラングリッジ(テノール)伯爵夫人ロジーナ:ドロテーア・レシュマン(ソプラノ)アントーニオ:ジェレミー・ホワイト(バス)ドン・クルツィオ:フランシス・エガートン(テノール)バルバリーナ:アナ・ジェイムズ(ソプラノ) (2006年上演)《カルメン》のときも同様ったけど、「今さら《フィガロ》?」みたいな気持ちで出かけたのは大きな間違いで、すごく充実した上演だった。演出はオーソドックスながらキメ細かくて、芝居を見ているように楽しいし、それをちゃんと意識して歌手の誰もが「役者だわ」と思わせるほどの芸達。(アーウィンはちょっと芝居っ気が薄かったかも。その分、歌唱でカバー・・・みたいな。)お目当てはフィガロのアーウィン・シュロットと、アルマヴィーヴァ伯爵のジェラルド・フィンリー。イケメン・アーウィンのアップは見るたびにうれしい♪彼の声はバリトンとは言え、低め。フィガロにしては堂々としてる。その分、茶目っ気はそれほどでもない。ジェラルド・フィンリーは先般の「ドクター・アトミック」で、苦悩する科学者役で、知的で現代的ノーブルさが気に入ったのだが、今回の伯爵は3枚目な悪役にデフォルメしてて(表情からしてルパン3世みたいに変わるのだ)、余裕のある歌いっぷりがときどき主役を喰っていた。彼の声も朗々としていて深くていい。男性2人と比べると若干弱めのスザンナ、ミア・パーションと、伯爵夫人、ドロテーア・レシュマン。バーションは気の強いスザンナを好演してて、レシュマンはまだ可愛い感じの残る伯爵夫人だった。主役級以外では、ドン・バジーリオのフィリップ・ラングリッジが快演。「ロバの皮」の歌もカットされなくてよかった。演出は1830年の革命直後のフランス貴族館を想定しているのだとか。(これは終わるまでわからなかった。でも、確かに服装はそれっぽい。)なんで??とは思うけど、王政復古後ということであれば、貴族が復活したからこそ権威にしがみついているサマや、使用人たちの主人との距離感のなさもしっくりくる。演出は、映画的と思うほど凝ってて、幕が上がって序曲の間、召使いたちが上手に並ぶ大きな窓を順番に開けていき、その後、召使いは執事(家令?)の身だしなみチェックを受ける。両手の甲を差し出して、その後それを手の平を上にして、というようなチェックぶりも細かい。女中たちは洗濯物籠をいくつも運ぶ。その間も召使や女中たちはお互いにキスしたりふざけあったり、きっと実際もご主人の目を盗んでそんなことはいっぱいあったんだろうな、というようなことがいっぱい。ヨーロッパのリアリティだな、と思ったのは、フィガロとスザンナに割り当てられる部屋を見たとき。これまでのどの演出より、ひどいレベル(演出が悪いというのでなく、部屋のレベルが低いということ)。まるで物置のよう。ご主人の部屋と大きさしか変わらないのは変だといつも思っていたので、ある意味リアリティがあった。パッパーノとオケの音楽もモーツァルトの軽妙さが出ていてよかったと思う。その音楽が演出を生き生きとさせている。DVDは出ているが、日本語字幕が付いてればぜひ欲しいと思った。DVDの表はカッコいいシュロット↓!
2008.12.28
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どうもまた風邪をひいたみたい。頭痛と喉の痛みがするので、新日本フィル&ハーディングをあきらめてお医者に。11月に録画したクラシカジャパンの録画を見つつ(聴きつつ)、年賀状を仕上げることにした。家でおとなしくしていると、用事が片付いていくものだわ。。。[演目]ロッシーニ:『セビリアの理髪師』~私は町のなんでも屋ドニゼッティ:『ランメルモールのルチア』~酷で不吉な苛立ちがドニゼッティ:『愛の妙薬』~昔パリスがしたようにヴェルディ:『2人のフォスカリ』~ああ年老いた心よヴェルディ:『マクベス』~裏切り者め・・・憐れみも誉れも愛もヴェルディ:『仮面舞踏会』~お前こそ心を汚す者ヴェルディ:『ドン・カルロ』~ロドリーゴの死「わが生涯の最高の日」プッチーニ:『ジャンニ・スキッキ』~声は同じだった?・・・勝利だヴェルディ:『オテロ』~イアーゴの信条「無慈悲な神の命ずるままに」ヴェルディ:『トロヴァトーレ』~君が微笑みヴェルディ:『リゴレット』~悪魔め鬼めヴェルディ:『運命の力』~この中に私の運命がある・・・やはり助かったヴェルディ:『椿姫』~プロヴァンスの海と陸ジョルダーノ:『アンドレア・シェニエ』~祖国の敵トスティ:君なんかもう愛していないビクシオ:マンマ[バリトン]レオ・ヌッチ[ピアノ]ジェイムズ・ヴォーン[映像監督]ティツィアーノ・マンチーニ[収録]2007年1月15日ミラノ・スカラ座ヌッチのスカラ・デビュー30周年、歌手デビュー40周年記念のスカラ座でのリサイタル録画。彼ひとりで、あの客席が埋められるんだ・・・。バリトン好きの私だけど、中でもヌッチのドラマティックな歌唱は大好き。ヴェルディ・バリトンはこう歌ってほしいという私のスタンダード。もちろん最初から拍手は惜しみなく起こっているのだけど、なんと『ジャンニ・スキッキ』ではじめて圧倒的なブラヴォがかかった。確かに役者だからなー。続く『オテロ』でも憎々しげなイアーゴのクレドを歌い、ブラヴォの嵐。スカラでも彼には惜しげなく歓声を浴びせるのねと思っていたら、次の『トロヴァトーレ』ではかなりブーイングが混じっていた。スカラはこうでなくてはね(笑)。もちろん、前曲2つほどではなかったけど、それに途中でちょっと不安定になったけど、日本なら会場が割れんばかりのブラヴォだわ、と思うレベル。でも、やっぱり『リゴレット』の「悪魔め鬼め」と、『椿姫』の「プロヴァンスの海と陸」は無茶苦茶に感情移入した。ほんとに生で聴きたかった。『アンドレア・シェニエ』以降はアンコール。最後の「マンマ」では、スカラの聴衆が「マンマ!」と一緒に歌っていたので、そんなこともあるんだ、と純粋に感心していた。
2008.12.27
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レオナール・フジタこと藤田嗣治の展覧会へ。フジタというと、暗~い色調の風景画と、白っぽい裸体画しか知らなかったが、今回のお目当ては大作4点。「構図」(ライオンのいる構図、犬のいる構図)の連作2点、そしてこの「構図」と対をなす「争闘」(争闘1、争闘2)の連作2点(日本初公開)。この展覧会は充実してて、フジタの最晩年のアトリエの一部が再現されているし(芸術家とはいえ器用だった彼の手作りの家具・食器・小物・模型などもある)、フジタ自らが内部を装飾したランスの「平和の聖母礼拝堂」も詳しく紹介されている。「犬のいる構図」見た瞬間に、システィーナ礼拝堂で見たミケランジェロの「最後の審判」を思い出した。同じように視線が上へ昇っていくところが、似ているからか。「争闘1」こちらは一転して、ダ・ヴィンチの解剖図さながらの筋骨隆々な肉体のオンパレード。「構図」が天国なら、この「争闘」は地獄といった趣き。どちらも圧倒的な迫力だった。今晩、テレビ東京の番組「美の巨人たち」で、レオナール・フジタの「平和の聖母礼拝堂」の作品が取り上げられるようなので、ぜひ見なくては!
2008.12.27
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ムジークレーベンが自己破産の申し立てをしたとHPに出てました。http://www.musikleben.co.jp/スロヴァキア国立コシツェ歌劇場の「トスカ」と「カルメン」に行こうか、どうしようかと思っていたところなので、焦ってチケットを購入しなくてよかった(この公演は中止)・・・と思ったら、3月のトン・コープマン公演(公演の成り行きは未定)はしっかり行く気でチケットを入手済みだった。。。こんなことが続くと、興業元の規模や経営方針まで考えてチケットゲットをしないといけなくなるのかしら・・・。
2008.12.26
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「今日は第九に行くの」と会社で言ったら、ちょっと冷たい反応。純粋に「第九」が好きなのに。。。今年は読響にしたのはなぜかというと、第一にソリストが日本人歌手の若手スターで揃えてきたこと、第二に新国立劇場のあのすばらしい合唱団が出演すること、第三に指揮者がノイホルトだということで。◆ベートーヴェン/交響曲第9番「合唱付き」指揮:ギュンター・ノイホルトソプラノ:林正子メゾ・ソプラノ:林美智子 テノール:中鉢聡バリトン:宮本益光合唱:新国立劇場合唱団合唱があってこその第九。音大の学生サンが合唱で出演する「第九」には行かないことにしているくらい。「ドイツ語で細やかなニュアンスを表現できる」とこの合唱団指揮者の三澤さんがおっしゃているのだけど、そこまではわからないながら、明らかにこの日の主役は合唱だった。バリトンの宮本さんは声量があっていい。低めの声で「O Freunde・・・」と歌い出した時はドキドキしたし、次いで「Freude!」と来たときは今日は宮本さんでよかったと思った。ここのバス・バリトンの歌い出しがキマらないと、なんだかその後も冴えない。また、今日の4人のソリストは揃いもそろって美男美女で、スリムで、普段クラシックを聴かない人は、オペラ歌手って外見が良いものだと思ったに違いない(笑)。ノイホルトと読響は、滑らかな音楽を紡ぎだしておりました。音楽的にも、なかなか満足できるコンサートでよかった。
2008.12.25
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今日、チラシをもらった。1/24より銀座テアトルシネマで上映。DVDはまだ購入してないし、まずは劇場で観てみようかな。
2008.12.25
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ヘスス・パストールがお目当て。18時開演なのでギョッとしたけど、よくよく見てみたら会場は会社から1駅、10分とかからなかったので楽々間に合った。金平糖の精:宮嵜万央里王子:ヘスス・パストール雪の女王:西川知佳子雪の王子:小林洋壱ドロッセルマイヤー:堀 登花のワルツ:田中りなこの公演に行った目的ではあるけど、なんでヘスス?と最初は思った。彼を初めて見たのはマシュー・ボーンの「白鳥の湖」でスワンとストレンジャーを踊ったとき。そのときの名前の日本語表記は「ジーザス・パスター」だった。あのときはアダム・クーパーがお目当てだったけど、キャストはヘススと首藤さんのトリプル。当日会場でキャスト発表とあって、結局ヘススを3回(!)見たのだった。(アダムは4回だったか・・・)濃い顔立ちと、ちょっとアダムにも似たセクシーな踊り方が気に入って、ABT入団後もウオッチしてたのに、いつの間にかABTを退団し、古巣に帰って客演したり、自分で公演を主催したり・・・なんかボヘミアンな印象のヘスス。くるみの王子サマとはね。とはいいつつ楽しみにしてたのだけど、ヘスス・・・メタボな体型になってました。正面から見るとそれほど幅広くないけど、横向きになったときのお腹まわりは、内臓脂肪の存在をアピール。つま先はキレイかな・・・と思ったものの、ちょっと雑なところも見受けられた。カラダのせいで、減点モードだった私がキビシイのかもしれない。今回ちょっとびっくりしたのは、観客の方かな。私の後ろのシニアなおばさまのグループ鑑賞がうるさいの、なんのって。「見えない~」と子供用の座高を上げるザブトンを借りてきて座るし(それって許されるの???)、キャ~キャ~しゃべるし。ときどきすごい興奮して指さしたりしてると思ったら、どうやらお孫さんが出演してるらしい。「後ろから●番目のあのコよ~」とか言ってるのでわかった。そうか、発表会みたいなノリなのね。この応援団の存在がなかったら、ヘスス以外の日本人ダンサーももっと落ち着いてみられただろうに。それでも、金平糖の精は主役オーラがちゃんとあったし、準主役級の男性ダンサーは皆背がたかくて見栄えがした。カーテンコール後の、ダンサーがろうそくを持ってのクリスマスソングのサービスは、クリスマス・イブらしくてとても良かった。
2008.12.24
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「メサイア」から一転して「シンデレラ」へ。コジョカルは早めにあきらめたけど、レジュニナこそは観たかった・・と思いつつ新国立へ。【シンデレラ】さいとう美帆【王子】ヨハン・コボー【義理の姉たち】マシモ・アクリ、井口裕之【仙女】川村真樹【父親】石井四郎【ダンス教師】吉本泰久【春の精】小野絢子【夏の精】西川貴子【秋の精】遠藤睦子【冬の精】寺島ひろみ【道化】八幡顕光【ナポレオン】伊藤隆仁【ウェリントン】貝川鐵夫【王子の友人】陳秀介、冨川祐樹、江本拓、中村誠さいとうさんはシンデレラのイメージに合ってて可憐なのに、しっかり踊っててgood。マチネも踊ったのに、疲れを感じさせない。思ったよりずっといい。だけど、アグリ・シスターズがふざけあっていたり、春夏秋冬の精が中央で踊っていると、シンデレラも同じ舞台上にいることを忘れてしまう。「あ、シンデレラはどこ?」と一瞬の後に探したりする。まだ観客を惹きつけるオーラは決定的に不足していて、あぁこういうのって、テクニックがちゃんと身についてるってのとはまた次元が違うのねえ、と思う。それがより鮮明になったのは、コボーが出てきた瞬間。決して華やかな人ではないし、身体的にも金髪という以外には、条件的に日本人にそれほど勝っているとは思えない(失礼!)。なのに、その王子様オーラにしばし魅了されました。いつもコジョカルを陰から支えているけど、あなたの力も大きいのね。。。彼を見損なっていた、と反省。しかし、それは私だけではないようで、2幕の後では、「さすがロイヤルのプリンシパルねー」とか今更のように賛辞があちこちで(笑)。私も同様だけど。アグリ・シスターズは、芸達者なところを披露できる、いわゆる‘おいしい役’だと思う。私は何度も観たせいかもしれないけど、まだいまひとつ突き抜けてない気がしてしまう。個人的好みでは、寺島ひろみさんの冬の精が凛として素敵だと思った。プロコフィエフのオペラ「3つのオレンジへの恋」から行進曲が転用されてて、そこの音楽ではオレンジをもてあそぶ演出になっているのは、なかなか気が利いている。今頃気づいたの!と言われそうだけど、いつもは主役のキラキラオーラで胸がいっぱいだった。今回だからこそ気付いたことはいっぱいある。もともとこのプロダクション自体が好きだけど、今回細部までしげしげと見て、より気に入ったかもしれない。
2008.12.23
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年末には、「第九」と「くるみ」と「メサイア」。絶対行くと決めているわけではないが、やはり行きたくなってしまうのだ。というわけで、今日はまずメサイア。ヘンデル:オラトリオ『メサイア』 HWV56 ロンドン初演版(1743年)指揮:鈴木雅明出演:レイチェル・ニコルズ(S)、クリストファー・ローリー(Ct)、櫻田亮(T)、ドミニク・ヴェルナー(Bs)演奏:バッハ・コレギウム・ジャパン(合唱&管弦楽)外国人比率の高い客席。(でもハレルヤでスタンディングしてたのは日本人ばかり)カップル比率も。(いいけど、よれよれのジーパンはやめてね・・・)ソリストは揃っていたと思う。カウンターテナーはまろやかな声でとてもよかった。マカベウスで凛々しかった櫻田さんも。ハレルヤコーラスはもちろん盛り上がるが、私は第一幕の救世主が生まれて「Wonderful, Counsellor, The Mighty God,・・・」と歌われるところが大好き。降ってくるようなコーラスで、なんだか元気が出て、こちらもWonderfulな気持ちになる。 そうは言っても、次に新国立「シンデレラ」を観に行くことにしていたので、アンコールの「きよしこの夜」を背中で聞きながらサントリーホールを後にした。
2008.12.23
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ETのライブビューイングのあと、同じような企画が出てくるだろうと思ったけど、私的にはウェルカムなので、喜んで新宿バルト9へ。お目当ては、やっぱりホセのヨーナス・カウフマン。指揮:アントニオ・パッパーノ演出:フランチェスカ・ザンベッロ ロイヤル・オペラ合唱団 ロイヤル・オペラ・ハウス管弦楽団 モラレス:ジャック・インブライロ(バリトン)ミカエラ:ノラ・アンセレム(ソプラノ) ドン・ホセ:ヨーナス・カウフマン(テノール) スニガ:マシュー・ローズ(バス)カルメン:アンナ・カテリーナ・アントナッチ(ソプラノ/メゾ・ソプラノ)フラスキータ:エレナ・クサントウダキス(ソプラノ)メルセデス:ヴィクトリア・ヴィズィン(メゾ・ソプラノ) リーリャス・パスティア:カロリン・レナ・オルソン エスカミーリョ:イルデブランド・ダルカンジェロ(バス/バリトン)ダンカイロ:ジャン・セバスチャン・ブ(バリトン)レメンダード:ジャン=ポール・フシェクール(テノール)ガイド:アントニー・デベック 2007年英国ロイヤルオペラ上演音響は少々残念だった。「音の大きいのは七難隠す」とばかり。わんわんするし、歌手の高音は金属音のようになってしまう。アンケートにちゃんと書かずに出てきてしまったが、あれはきっと改善されるに違いない。METも最初の頃の音響はいまいちだったもの。お目当てのカウフマンは、それはステキだった。テノール体型でなく背が高くスリムなだけでも珍しいのに、顔が良くて(!)、おまけに(ではないが・・・笑)歌だってかなり歌える貴重なスター。こういう映像にありがちで、すぐ顔をアップにするんだけど、ほんとはもっと舞台全体でも映してほしかった。彼は大勢いても、ひとりでにそこに目がいく感じに舞台映えする。・・・とこれほどかっこいいカウフマンなのだけど、元祖‘情けない男’のようには見えなかった。一幕の最初ではキリッとまじめに事務仕事なんかやってて(伍長さんなのに)、おカタイ雰囲気。カルメンに落ちるときはあっという間だったが、自分を持ってる強い男がのめり込んだ、という感じ。だから、その後もカルメンに振り回されてるというより、カルメンを愛してしまったから強く自分に従属を求めてくるような、そういうホセだった。もちろんそれもありで、そういうのが似合うカウフマン。だからファムファタルに人生を台無しにされた男と悲劇というより、そういう運命に陥ってしまった男女の悲劇。カルメンのアントナッチは、力強くて、生命力を感じさせる。もう少し他の女性歌手に埋没しない衣装や演技だと、もっとよかったのに。私はいつも、本当にカルメンはエスカミーリョが好きになったのか、と疑問に思う。彼女はいつもの軽い恋愛に戻りたくなって、それにはエスカミーリョがちょうどいいというところではないかと思ってしまうのだ。ダルカンジェロはそういう役どころにふさわしく、これまたカッコイイのに恋愛対象としての実感の少ないエスカミーリョを、‘らしく’演じていた。何にしても、自分に入れ込んでるホセがそろそろうっとおしくなってきたのはわかるわ~と、ここでも女性目線。こういうドラマを考えながら観ることができたのは、歌手のレベルの高さに拠るところが大きいと思う。先だっての新国立のカルメンはインパクト薄くて、あくる日にはよく覚えてなかったりしたもの。観に行く前には「カルメンねえ・・・」とすでに食傷気味な心境だったけど、上演者に恵まれれば、何度見てもすばらしい作品だと改めて思った。METのライブビューと違って昨年の上演映像なので、もうブルーレイでも発売されてるというのを、帰ってから知った。別にいいんだけど、生に近い鮮度で観ているMETよりも価値がちょっと少ない気がしてしまって、ちょっと残念。もちろん上映されないよりはいいんだけど。
2008.12.22
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グランドプリンスホテル新高輪「飛天」にて。バブルな時期には、ここで社内パーティをやったこともあったっけ。着くなりウェルカムドリンクに迎えられて、そのまま食前・食事中とアルコールをいただいてしまった。大した量ではないけれど、ここのところ節制していただけに(!)、あっという間にいい気分に♪。それがいいんだか悪いんだか・・・いつもは気合いを入れて開幕を待っているのだけど、なんだかホンワリしている間にショーがすすんでしまった感じがする。(写真は開場まもなくでディナーもまだ始まっていない時の会場風景)『白の組曲』よりアダージョ(エレオノラ・アバニャート/バンジャマン・ペッシュ)振付:セルジュ・リファール 音楽:エドゥワール・ラロ最初の演目はいつの間にか始まって(こっちの注意が散漫だったのだけど)、気付いたらペッシュとエレが踊っていた。悪くないけど、地味だし短いのでぼーっとしているうちに終わってしまった。『アーメド』(パトリック・ド・バナ)振付:パトリック・ド・バナ 音楽:クルド民族音楽クルドの音楽を使っているということは、中東に何らかのインスピレーションを得ているのだろう。彼のマッチョな肉体にダンサーとして違和感はあったものの、この作品には合っていた。それは肩の大きなイレズミも同じ。『ラ・シルフィード』(シルヴィア・アッツォーニ/アレクサンドル・リアブコ)振付:ピエール・ラコット 音楽:ジャン=マドレーヌ・シュナイツホーファーこれを観たときに、「やっぱり今日来てよかったな」と思えた(笑)。サーシャさすがです。正確なステップながら、少年の趣がまだ残るジェームズ。ずっと昔に読んだマンガ『アラベスク』で、ノンナの相手役のチャーミングなジェームズを踊った(名前忘れた)登場人物がいたけど、あ、こんな感じかもと思った。『シルヴィア』(エレオノラ・アバニャート/マニュエル・ルグリ)振付:ジョン・ノイマイヤー 音楽:レオ・ドリーブ前半の白眉。これは、一部だけガラで踊られると、普通ならとてもキツイ。さすがだと思ったのは、あっという間にドラマに入り込ませるところ。今日の観客の皆様はこの『シルヴィア』の全体のストーリーを知っていると思うが、たとえ知らなくっても「あんなことやこんなことが登場人物間にきっとあって、それできっと今はこういうシーン」みたいなことが伝わってくる。私はルグリのダンスがとても好きだけど、その身体能力やエレガントさとともに、この演技力にも脱帽しているの。ルグリ、元気そうでよかった・・・←これはちょとファンモード(笑)。『バーンスタイン・ダンス』パート1-ワンダフル・タウンより(アレクサンドル・リアブコ)振付:ジョン・ノイマイヤー 音楽:レオナルド・バーンスタインサーシャはさっきのジェームズとはうってかわり、甘いムードは消えていた。すごいパの連続なのだけど、私の席からは足先が見にくくて、ちょっと残念。『ロミオとジュリエット』第3幕(シルヴィア・アッツォーニ/バンジャマン・ペッシュ)振付:ジョン・ノイマイヤー 音楽:セルジュ・プロコフィエフペッシュはこういう役が似合うなあ。情熱を感じるロミオだった。『へルマン・シュメルマン』(エレオノラ・アバニャート/パトリック・ド・バナ)振付:ウィリアム・フォーサイス 音楽:トム・ウィレムスいかにもフォーサイスらしい演目。私は結構好きなのだが、それはスリムなダンサーによってシャープに踊られるときに限っていたのね、と自覚する。エレはいいんだけど、パトリック・ド・バナは、体型もからだのキレもこれ向きじゃないのでは?踊っているときにはわからなかったが、あとで見ると、このエレの衣装はシースルーでした。こっちにとっては刺激的だけど、ダンサーにとってはどうってことないんだろうな・・・きっと。『ザ・ピクチェー・オブ…』(マニュエル・ルグリ)振付:パトリック・ド・バナ 音楽:ヘンリー・パーセル“私が地に横たわる時”世界初演ということで楽しみにしていた。最初は影絵のように浮かびあがる中で踊っていたので、ずっとこのままか!と内心あせる。・・・それは杞憂で、途中でライトもつき、ちゃんとルグリが見られた。このコンテな振り付けに対して、初見でどう表現したらいいかわからない。だけど、それでいて流れるようなダンスを見せてくれたのは、ルグリの表現力の賜物と思う。今度また観る機会があることを期待。感覚的にはあっと言う間に終わってしまったような。少し後ろの座席だと、足元が見えにくいのが難かな。ほんとは嵐のような拍手を送りたいのに、大きな「飛天の間」にこの観客数だと、パチパチ・・・としか拍手が届かないのがダンサーに申し訳ない気がした。ホテルということもあって、いたれりつくせりのサービスはちょっと豪勢な気分。ボーナス後の自分へのご褒美と思うことにした。お誘いくださった方々と、一緒にお付き合いくださった新しいお知り合いに感謝します。
2008.12.21
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歌舞伎座の取り壊しがカウントダウンに入ってきたので、あと数か月は、できるだけ足を運んでおきたくて、今月も通う。一、名鷹誉石切(なもたかしほまれのいしきり)鶴ヶ岡八幡社頭の場 梶原平三景時 富十郎 娘梢 魁 春 俣野五郎景久 染五郎 大名山口政信 松 江 同 川島近重 男女蔵 同 岡崎頼国 巳之助 奴鷹平 鷹之資 囚人呑助 家 橘 青貝師六郎太夫 段四郎 大庭三郎景親 梅 玉人間国宝 富十郎の平三。石切りは正面から。息を飲んでみつめてしまった。あとは、六郎太夫の段四郎以外はあまりインパクトがない。染五郎って歌舞伎役者にしては現代的に顔が小さく、あの化粧でもカッコイイ。だけどワルぶってもワルに見えない。子役の鷹之資くんはそんなに可愛くなったな。 二、高坏(たかつき)次郎冠者 染五郎 高足売 彌十郎 太郎冠者 高麗蔵 大名某 友右衛門こちらは次郎冠者の染五郎が、下駄でタップを披露する。技としては面白かった。三、籠釣瓶花街酔醒(かごつるべさとのえいざめ)序 幕 吉原仲之町見染の場 二幕目 立花屋見世先の場 大音寺前浪宅の場 三幕目 兵庫屋二階遣手部屋の場 同 廻し部屋の場 同 八ツ橋部屋縁切りの場 大 詰 立花屋二階の場 佐野次郎左衛門 幸四郎 八ツ橋 福 助 繁山栄之丞 染五郎 七越 高麗蔵 兵庫屋初菊 児太郎 絹商人丹兵衛 錦 吾 遣手お辰 鐵之助 釣鐘権八 市 蔵 下男治六 段四郎 九重 東 蔵 立花屋女房おきつ 魁 春 立花屋長兵衛 彦三郎本日のメイン。この演目は何度も観てるのに、以前の印象はあまりない。最後が悲惨すぎて、好きじゃないからかな。「和製カルメン」とも言えるストーリー。カルメンならぬ花魁の八ツ橋を演じる福助はとっても美しくて、何度もオペグラで見直した。「見染め」のところで、八ツ橋が田舎者の次郎左衛門を見て妖艶に笑うのだけど、ここのところはちょっと・・・。見どころの1つで、周囲でも双眼鏡が一斉にそちらに向いたが、妖艶さが女のそれでなくて、なんか妖怪めいていた(と私には思えた)。ファムファタルな笑みには思えなかった。だけど、「縁切り」(なじみの客に「あんた嫌いよ」と肘鉄をくらわす)のところは、長いセリフの間、飽きさせず聞かせる。恋人に不実を指摘され、身受け話の相手を「仕方なく振っている」割には徹底していて、本音も混じっているのか、こんなことをしている自分に嫌気がさしているのか、ここは八ツ橋の心情を考えるとなかなか面白い。その前のシーンで花魁の間夫(内緒の恋人)の染五郎演じる繁山栄之丞が出てくるのだけど、いなせに柱に寄り掛かった染五郎がすごくカッコいい。身受けされても、間夫の染五郎は捨てられないわ~と大いに福助に共感した(笑)。幸四郎は相変わらず濃かった。田舎商人で顔は醜いが、ダンディーで大人な上客を演じていたのに、商売敵も同席する満座の中で振られてからの豹変振り(それも‘根にもつ’系)はお見事。女性の目で八ツ橋に共感していたので、イイ人でも根暗に一途に思い込む男はコワイから、八ツ橋ったら満座の中で縁切りしなければよかったのにね、と同情した。花魁だからこそ、あまり選択肢のなかった八ツ橋の立場にも。
2008.12.20
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ISANGO/PORTOBELLOカンパニーロンドンで観たという知人から「一見の価値はあるよ」と言われ、ローレンス・オリヴィエ賞も受賞したと聞かされ、とたんに行きたくなった。安い席をネットで譲ってもらうことにして、当日待ち合わせたら、そこに現われたのは別の知人!お互いハンドルネームで取引してたので気付かなかった。世間は狭い。。。ソウル・オペラの「魔笛」とは、「モーツァルトのメロディーは一切変えず、南アフリカ&黒人音楽文化をふんだんに取り入れてアレンジ」したもの。オープニングの8台(?)のマリンバはアフリカン・ムードばっちりでありながら、どこか癒しな音色。このあたりはよかったのだが、歌唱はオペラを聴く人間にはやはりキツイ。「わかっていたでしょ」と言われると、それはもちろんそうなんだけど。もちろんソウルフルなアレンジも、ポピュラリティあふれる歌い崩しもOK、なミュージカルなんだけど、歌唱力で著しく劣る出演者がいると興ざめ。特に今日は「夜の女王」役がきつかった。高音は下げてよろしい。ミュージカルだし。だけど旋律を間違えてるよ。。。全体に低めに落ちてるのも結構。なんたってミュージカルなんだから。だけど音程が狂いまくり。今回はオリジナル・メンバーとのことだったけど、夜の女王はよく写真に使われている人と違ったので、セカンドキャストなのかしら。モーツァルト以外の音楽は使ってないとのことだけど、本当かな?もしかしてゴスペル風にアレンジしすぎてわからなかったナンバーもあるのかも。全体に、アフリカンなアレンジになっている曲ほど、メンバーのノリがよく、本当の実力はやはりそちら系の曲じゃないと発揮できないんじゃないかと思った。まあ「一見」くらいの価値はあったのかも。
2008.12.19
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お目当ては、アリゲリッチでもカプソン兄弟でもなかった。指揮者のドゥダメルとオケそのもの。この18日のチケットが先に発売されて、17日(東京芸術劇場)が後で発売。2日続けては通えなかったのだけど、18日は会場が国際フォーラムAなので「しまった!」と思ったのも事実。指揮:グスターボ・ドゥダメルピアノ:マルタ・アルゲリッチヴァイオリン:ルノー・カプソンチェロ:ゴーティエ・カプソンベートーヴェン:ピアノ、ヴァイオリンとチェロのための三重協奏曲 ハ長調op.56マーラー:交響曲 第1番 ニ長調「巨人」 (アンコール)「ウェスト・サイド・ストーリー」よりマンボそれでも珍しく1F前方の席にしておいて正解だったかも。ベートーヴェンの三重協奏曲は、音が空間に吸い込まれていくようだった。この音響は後ろの席だとキツイ。ベートーヴェンの三重協奏曲はチェロがすごく目立つ曲のはずなのだけど、珍しくゴーティエが冴えない。悪くないけど、彼が天性で持つ煌めきがあまり感じられない。ルノーの太陽のような明るい音は健在。一方で、やはりアルゲリッチお姉さまのけん引力はさすが。この曲、ややもするとピアノが目立たないものだけど、お姉さまにそんなことはありえない。ドゥダメルとオケも前半は抑え気味だった。後半のマーラーは150人以上がステージに上がる。何せ前方なので、奥がよく見えない(くらいいっぱいいた)。音量でカバーした面もあったと思うが、それにしては細部も明瞭。溜めるところは思いきり溜めて、速いところは思いきり、とメリハリの利いた演奏だ。このユース・オケの設立思想「音楽教育を通じて貧困層の子供たちの健全な成長を図る」ということはよく知られている。楽団員の中にも元ストリート・チルドレンが多いのだと。そういうこともあって、応援モードに入っていたことは事実だが、そういうことを踏まえなくとも、十分すばらしかった。カーテンコール後、舞台上の電気が消えたと思ったら、オケの面々はヴェネズエラ国旗のジャンパーに着替えた。ジャンパーはどこに置いてあったのだろう??アンコールでは、「のだめ」のようにチェロをくるくる回すやら、ヴァイオリンを上に掲げるやらのノリノリ状態。2階では、このオケの祖国であるヴェネズエラの旗を持って客席通路を走りまわる聴衆あり。(同国の人?)最後にはそのジャンパーを丸めて客席に放り投げ、前方に走り込む聴衆の皆様。そんなふうにされると、もともと欲しくなくても争奪戦に参加したくなって、つい手を出す自分が可笑しい(苦笑)。楽しかったけどイベント性が高かっただけに、17日の芸術劇場で聴きたかった。そしてできることなら、ドゥダメルが指揮する一流のオケを聴きたい。
2008.12.18
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ビルギット・ニルソン オペラに捧げた生涯面白く読めた。謙虚なお人柄かと思ったけど、ディーヴァは皆それなりに自己顕示するもんだとわかった。もちろんそれだけのことはある大歌手。あちこちにカラヤンとの確執が出てきて、さもありなんと思うことがいっぱい。舞台裏に詳しい人しか知らないことも。カラヤンが音楽家として優れていたことはニルソンも認めているけど、人間としての器の小ささを暴露しているので、そのささいな報復がちょっと面白かった。
2008.12.17
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今日もカプソン兄弟♪いつもならアルゲリッチお姉さまが第一目的なのに、今回は優先順位が変わってる。シューマン:ヴァイオリン・ソナタ第2番ニ短調op.121ベートーヴェン:ピアノ四重奏曲ハ長調WoO.36-3シューマン:幻想小曲集op.73ショスタコーヴィチ:ピアノ三重奏曲第2番ホ短調op.67(アンコール)シューマン:ピアノ四重奏曲変ホ長調 op.47から 第3楽章ピアノ:マルタ・アルゲリッチヴァイオリン:ルノー・カプソンヴィオラ:リダ・チェンチェロ:ゴーティエ・カプソン始まりはシューマンかあ・・・と思ったけど、聴かせどころいっぱいのすばらしいヴァイオリン・ソナタ。お兄さんのルノーの、この輝くような音が好き。ここでは、アルゲリッチもことさらに表に出ず、伴奏に努めていた。続くベートーヴェンのピアノ・カルテットは、四重奏曲なのにどうして「ピアノ四重奏曲」というのだろうと、今さらなことを考えていたところ、アルゲリッチの演奏を聴いて納得する。四重奏であろうとピアノが中心。この曲が始まるまで、あろうことかアルゲリッチお姉さまの気配が希薄だったが、一旦主旋律を弾き出すと、そこはもうアルゲリッチの世界だった。来てよかった。ショスタコの幻想小曲集はピアノとチェロで演奏された。んー、この曲は「ゴーティエはどうしたんだろう?不調?」と感じた。チェロの印象が弱い。しかし、最後のショスタコーヴィチのピアノ三重奏曲とアンコールのシューマンのピアノ四重奏曲はすばらしかった。シュスタコの冒頭、チェロが非常な弱音ではじまるところはあまりに美しく、不調だなんてごめんなさい!と内心あやまる。続くヴァイオリンも、これらの楽器を牽引するピアノも、涙が出るほどに美しかった。びっくりしたのは、この時期のコンサートは楽曲の合間にはすごく咳をする聴衆が多いものだが、それがほんとに少ないコンサートだったこと。とすれば、咳も集中力次第ではもっと減るものなのかも、と思った次第。
2008.12.16
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カプソン兄弟が出演するので久々に読売日響のコンサートへ。平日とはいえ、そこそこ客席が埋まっていた。指揮:広上淳一ヴァイオリン:ルノー・カプソンチェロ:ゴーティエ・カプソン◆ ブラームス/ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲◆ ブラームス(シェーンベルク編曲)/ピアノ四重奏曲第1番(管弦楽版)(アンコール)ヘンデル(ハルボルセン編曲):パッサカリア前半のヴァイオリンとチェロの2つの楽器をソロにする二重協奏曲は、ソロの存在感がすごくてまさしくオケが伴奏。もうヴァイオリンとチェロの音しか聴いてなかった。私はこの2人の紡ぎだす音がほんとに好きなので、音色を聴いているだけでうっとりしてしまう。アンコールはパッサカリア。アンコール・ピースらしく弾き崩したところと正調に戻るところの対比が面白く、かつ2人に技巧のすばらしさを改めて感じさせる。休憩時間にお茶していると、周囲のオジサマたちが「今日の目玉は前半」とかおっしゃっていて、それはないんじゃないかと思いながら、お目当ては同じような人が多かったのかと納得もする。前半だけでホールを後にする人もそこそこ見かけた。後半のブラームスのピアノ四重奏曲第1番は好きなので、私はもちろんちゃんと席に着く。広上さん自身はノリノリ。盛りあがると、一歩前に踏み出しながらこぶしを握って天につきだすようなしぐさをしていたが、なんだかクマとの相撲に勝った金太郎みたい・・・。ボディアクションは独特でした。この曲の管弦楽版ははじめてだったが、ピアノ・クヮルテットとは全く別。後になればなるほど音楽は高揚していって、オケの音だけでなく、もう広上さんが大変なことになっていくので、二重に興奮したのだった。
2008.12.15
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この演出、私はとても楽しんだ。METらしいなと。演出家がシルク・ド・ソレイユも演出しているアノ方とあれば、事前期待が演出にあったのは事実。知人によると、何年か前の松本のサイトウキネンの演出とほぼ同じ(映像技術がすすんでいるので、かなり見た目は違うらしいが)とかで、なあんだという気持ちだったらしい。でも、派手でアクロバティックで、もともとオペラではないだけに、歌唱がなく音楽だけのところがたくさんあるのだけど、よくもたせていたと思う。マルグリット:スーザン・グラハムファウスト:マルチェッロ・ジョルダー二メフィストフェレス:ジョン・レリエブランデル:パトリック・カールフィッツィ指揮:ジェームス・レヴァイン演出:ロベール・ルパージュ*幕間のインタビュアーはトーマス・ハンプソン♪演出に原演出があったとは言え、演出家が言っているとおり、この数年の間にぐんと進化した高度な映像が駆使されていて、そのリアリティと劇的効果に驚いた。結局安く仕上げたのねと思うけど、そしてこういうのが横行するといやだとは思うけど、とりあえず悪くなかった。その映像に絡むダンサーやアクロバットも高レベル。4幕のメフィストフェレスとファウストの「地獄への騎行」とその後の地獄落ちは影絵風でドラマティックだった。あ、肝心の音楽は、この面子で失敗するはずのない組合せ。グラハムも手慣れたものだったし。私はメフィストフェレスのジョン・レリエを知らなかったのだけど、声もよく響く低音ですてきだが、何といってもカッコイイ。ジョルダーニに感情移入するのはちと困難だけど、このメフィストフェレスならクラクラしそう。赤いレザーの衣装もお似合い。タイトルロールはファウストでも、この物語を全編に渡って動かしているのはメフィストフェレス。魅力的な陰の主役だった。
2008.12.14
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「ドン・ジョヴァンニ」のあと、お隣のオペラシティで写真家:蜷川実花さんの展覧会を見る。オペラシティの会員だとここは半額で入れるので、時々ふらっと立ち寄る。彼女は花の写真が知られているけど、私も彼女の極彩色の毒々しいような(誉めてる)花の写真が大好き。入口から入るなり、そういう写真のオンパレード。この色遣いは、もはやポップアートだわ。なかなか気に入ったのは「金魚」の映像。javascript:void(0);こっちもポップで、でも癒し系で、なかなかようございました。若い女のコたちに人気があるのかしら?カルチャーの違いを感じるような人たちが多かったけど、彼女らより私の方が蜷川実花さんに歳が近いんだぞ、と気を取り直してみたり。この展覧会、12月いっぱい開催されているようです。お気が向かれましたらどうぞ。http://www.operacity.jp/ag/exh99/
2008.12.13
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【ドン・ジョヴァンニ】ルチオ・ガッロ【騎士長】長谷川 顯【レポレッロ】アンドレア・コンチェッティ【ドンナ・アンナ】エレーナ・モシュク【ドン・オッターヴィオ】ホアン・ホセ・ロペラ【ドンナ・エルヴィーラ】アガ・ミコライ【マゼット】久保和範【ツェルリーナ】高橋薫子【合 唱】新国立劇場合唱団【管弦楽】東京フィルハーモニー交響楽団【指 揮】コンスタンティン・トリンクス【演 出】グリシャ・アサガロフなんでヴェネツィアが舞台に変わってんの?と思ったけど、異国情緒という点では、まあセヴィリアもヴェネツィアもそう大して変わらない気がして(安易だわ・・)何となく受け入れて観ていた。ドン・ジョヴァンニは色事師カサノヴァをモデルにしているということで(カサノヴァはヴェネツィア出身)こうなったらしいのだが、それがどうしたとも一方で思う・・・。それでも、オーソドックスな舞台づくりで文句は出ようもなく、豪華な(に見える)装置と衣装は雰囲気があってよかった。1点・・・巨大な女性のあやつり人形だけは意味がわからなかったけど。ドンナ・アンナのエレーナ・モシュクとドンナ・エルヴィーラのアガ・ミコライは、それぞれのアリアをすばらしく歌った。モシュクは期待していたが、ミコライは全く知らなかっただけに思わぬ拾いもの。そしてやっぱりドン・ジョヴァンニのルチオ・ガッロがセクシーで面目躍如。外見があまりカッコイイとは言えない(いや悪くはないのだけど、女ごころに響くものがない)ので、ガッカリ(?)していたら、歌えばそれなりに色っぽいのだった。「シャンパンの歌」はよかったな。レポレッロがもうちょっと健闘してくれるともっとよかったのに。彼も悪くないんだけど、ルチオ・ガッロの陰に隠れたという感じ。マゼットの久保和範さん、ツェルリーナの高橋薫子さんも好演。事前には、特定の誰が楽しみということはなかったけど、終わってみるとバランスのいい公演だったと思う。
2008.12.13
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久々のデュトワの指揮で、かつ先週の「エディプス王」を聴けなかったので、このCプロに出かけることにしていた。結構席が埋まっている。フランク / 交響詩「アイオリスの人々」ドビュッシー / 夜想曲ホルスト / 組曲「惑星」作品32指揮|シャルル・デュトワ女声合唱|二期会合唱団前日からの風邪ひきで薬を飲んでるのと、ちょっと寝不足もあって、実は席に座ったその瞬間から眠かった。マズイなあ、とは思ったんだけど。フランクの「アイオリスの人々」では、あ、デュトワが振るとN響も音が違うなーと思ったものの、どんどん意識は遠ざかり、「夜想曲」の第3曲シレーヌの女声合唱ではほとんど夢うつつ。淡々と普通に拍手が起こり、同じように眠る人も多かったかのかなと思った次第。気を取り直して休憩後「惑星」に。でも・・・薬による眠気って、コーヒーを飲んだくらいでは回避できないもので、「木星」あたりから記憶がない。何しに来たたんだっけ(汗)。記憶に残っている限り(?)、デュトワにしては普通な演奏だったとは思う。
2008.12.12
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ルノー・カプソン(ヴァイオリン)ゴーティエ・カプソン(チェロ)児玉 桃(ピアノ)フォーレ:ピアノ三重奏曲 ニ短調 Op.120ラヴェル:ピアノ三重奏曲 イ短調ショーソン:ピアノ三重奏曲 ト短調 Op.3(アンコール)ショーソン:ピアノ三重奏曲 ト短調 Op.3 より 第2楽章そもそもあまり室内楽には行かない(いやもう手を広げられなくて行けない)んだけど、カプソン兄弟はお気に入り。日本では、兄弟どちらか1人だけでも毎年恒例のようにお見かけする。お久し振り~とか声をかけたくなる。そして、この兄弟のどちらも好きなのは、そろって音が美しいというか、音が活気に満ちて輝いているから。この組合せだと児玉さんはちと微妙だわ・・・。ピアノ・トリオは3曲ともこれまた美しい曲ばかりで、すごいお得感のあるコンサートだった。私は有名なラヴェルよりはフォーレとショーソンのが好きかな。
2008.12.11
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タネローンを求めて新版ブラス城年代記の1と2は普通のファンタジーの域を出てなくて、難なく読み飛ばしたのだが、シリーズ最終巻になってようやく《永遠の戦士》シリーズっぽいオチに。他のシリーズの登場人物も勢ぞろいし、最後の戦いに終止符を打ったことになるのだが、なんだかあっけない気も。これもまたたくさんの並行世界の1つ?まだ残っている他のシリーズにも手を出して、もうしばらくこの世界に浸っておきたいと思う。
2008.12.10
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もうすでに大変な話題になっているけど、ほんとに見ごたえがあったし楽しかった。音楽:ドミトリー・ショスタコーヴィチ台本:アドリアン・ピオトロフスキー、フョードル・ロプホーフ振付:アレクセイ・ラトマンスキー美術:ボリス・メッセレル音楽監督:パーヴェル・ソローキン照明:アレクサンドル・ルプツォフ振付助手:アレクサンドル・ペトゥホーフ指揮:パーヴェル・クリニチェフ管弦楽:ボリショイ劇場管弦楽団ジーナ (ピョートルの妻):エカテリーナ・クリサノワピョートル (農業技師):アンドレイ・メルクーリエフバレリーナ:マリーヤ・アレクサンドロワバレエ・ダンサー (バレリーナのパートナー):セルゲイ・フィーリンアコーディオン奏者:デニス・サーヴィン初老の別荘住人:アレクセイ・ロパレーヴィチその若作りの妻:アナスタシア・ヴィノクールガヴリールィチ (品質検査官):アレクサンドル・ペトゥホーフガーリャ (女学生):アナスタシア・スタシケーヴィチ搾乳婦:アンナ・アントロポーワトラクター運転手:イワン・プラーズニコフ高地の住人:アントン・サーヴィチェフクバンの作業員:バトゥール・アナドゥルジエフ高地の住人たち:アントン・クズネツォーフ、セルゲイ・ゼレンコ、ロマン・シマチェフ、ロマン・ツェリシチェフクバンの作業員たち:ユーリー・バラーノフ、ワシーリー・ジドコフ、セルゲイ・ミナコフ、アンドレイ・ルィバコフジーナの友人たち:アナスタシア・メシコーワ、クセーニヤ・ソローキナ、ヴィクトリア・オーシポワ、アンナ・ニクーリナ、アンナ・オークネワ、チナラ・アリザデフィーリンのボリショイでの見納めと思うと、登場したときからオペグラを覗きっ放し。ニッカボッカのようなズボンにベレー帽がよく似合う。かっこいいなあ。農場に現れた都会の優男ふう。タイツ姿じゃないと、結構痩せてるように見える。そしてもちろん、ラトマンスキー版初演時からずーっと観たいと思っていた、フィーリンのシルフィード姿。肩を出すとやはりごつい(笑)。彼はポワントで踊るのも上手い。動作そのものは、ややオーバーに女性に見えるような‘しな’が入っているけど、それでも美しくやわらかな動き。腕を交叉させてしなる指が口元にくるところなんぞ、彼は大マジ。スカートをふんわりさせて生真面目に踊るので、かえって可笑しくて、コメディの才能を感じる。落差の妙も心得ていて、そのシルフィード姿のまま、どかっと大股開いて座り込みボトルで酒をかっくらったりする。フィーリンのレベルでやられると、グランディーバとかの男性だけのコメディ・バレエ団もかたなしだ。とにかくずーっとフィーリンを目で追っていたが、そうばかりもしていられないのは、男装のアレクサンドロワが見事なほど男前に踊るから。そして、本当はこのバレエの主役であるジーナ役のクリサノワ、ピョートル役のメルクーリエフも、そうは言っても見事なダンスと演技。このバレエは2組の男女(計4人)が主役と思ってしまった。アコーディオン奏者のデニス・サーヴィンも目立ってた。ドンキのガマーシュでは小柄に見えたのに、背が高くてハンサム。だけど、濃ゆいキャラで演じてみせる。脇もコールドも皆レベルが高いので、この集団農場を舞台にしたバレエが退屈せず楽しめる。ボリショイだからこそ成功したんだと思う。ダンサーの力量がないと、はっきりした起承転結がないだけにダレたことだろう。会場は妙にシニアな男性が多かった。ショスタコの音楽の方に、より興味のある観客も少なからずいたように思う。今年のバレエはやっぱりボリショイで締めた。
2008.12.09
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公演前日に、急遽追加でチケット購入。ゲルギエフ&ロンドン響という組合せが存外よかったので、もう1回くらい聴いておきたいと思った。できればレーピンがソリストの日にもう一度聴きたかったが、スケジュール上ムリだった。「チケット求む」と書いた紙を持つ人が文化会館入り口に数人立っていて、プロコフィエフ・チクルスのあの空席状態から、どうして今日は完売?と不思議。今日は「都民劇場」のプログラムになっているからかな?ラフマニノフ ピアノ協奏曲第3番プロコフィエフ バレエ 音楽「ロメオとジュリエット」より抜粋(アンコール)「眠れる森の美女」よりアダージョ「三つのオレンジへの恋」よりマーチ指 揮:ワレリー・ゲルギエフピアノ:アレクセイ・ヴォロディンゲルギエフとは思えない(!)繊細な抑揚に、やっぱりもう一度来てよかったと思った。特に最初のラフマニノフ。ボロディンを聴いたことはなかったけど、このピアニストもなかなかいい。音がしんみりしてるというか、派手に弾き散らかさず、しっとりと湿度が高い。それでいて、クリアな音の1つ1つが聞こえてくる。もちろん、ロシアのアーティストだから(?)、ここぞという時にはパワーをばっちり投入する。バイオグラフィをチェックしたら、あ・・・結構若いんだ・・・。外見だけで判断してはいかんという、典型的なロシア人だった。(写真は結構若づくり)そして彼のアンコール曲は、バレエ「眠れる森の美女」のローズ・アダージョで使われているあの曲。ピアノに編曲して弾くと、こんなに華麗な曲だったんだと改めて思う。ブラヴォ。「ロメジュリ」に期待は高まったが、個人的にはレアな交響曲のどれかの方がよかったのに。もちろん、過去に聴いたどのロメジュリより印象的だったけど、なんというかプロコフィエフへの取組みの本気度が、交響曲とは違ったように思えた。正直なところ、マリインスキー管との演奏より格段によいので、ゲルギエフと付き合って相乗効果が出るオケっていうのは、技術でも精神力でも大人でないといけないんじゃないか、と思う。彼に頼りすぎず、振り回されず、かといって自分たちの‘味付け’としてゲルギエフを生かすことができる、みたいな。1日前だったので最近になく高めの席を買ってしまった(さすがに安い席は残っていなかった)けど、まあ満足できたと思う。そう言えば・・・ボリショイの「白鳥」で、ゲルギエフを客席で見かけたような気がした。バレエの指揮者がそれを知っていたら、さぞかし落ち着かなかったろうと想像してしまう。
2008.12.08
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ダブルヘッダーの2つめとして、「ユダス・マカベウス」を2幕で中座しただけのことはあった。オデット/オディール:スヴェトラーナ・ザハーロワ王妃 (王子の母):マリーヤ・イスプラトフスカヤジークフリート王子:アンドレイ・ウヴァーロフロットバルト:ドミートリー・ベロゴロフツェフ王子の家庭教師:アレクセイ・ロパレーヴィチ道化:岩田守弘王子の友人たち:アンナ・ニクーリナ,アナスタシア・ゴリャーチェワ儀典長:アレクサンドル・ファジェーチェフハンガリーの王女:ネッリ・コバヒーゼロシアの王女:オリガ・ステブレツォーワスペインの王女:アナスタシア・メシコーワナポリの王女:アナスタシア・ゴリャチェーワポーランドの王女:エカテリーナ・シプーリナ3羽の白鳥:ネッリ・コバヒーゼ,ユーリヤ・グレベンシチコワ,オリガ・マルチェンコワ4羽の白鳥:チナラ・アリザデ,スヴェトラーナ・グネードワ,スヴェトラーナ・パヴロワ,アナスタシア・スタシケーヴィチワルツ:オリガ・ステブレツォーワ,アナスタシア・シーロワ,アレーシヤ・ボイコ,アンナ・オークネワ,カリム・アブドゥーリン,デニス・サーヴィン, ウラジスラフ・ラントラートフ,エゴール・フロムーシン指揮:パーヴェル・クリニチェフ管弦楽:ボリショイ劇場管弦楽団台本・改訂振付・制作:ユーリー・グリゴローヴィチ原振付:マリウス・プティパ,レフ・イワノフ,アレクサンドル・ゴールスキーザハーロワとウヴァーロフの「白鳥」は新国立で観たし、今度も新国立で観るし・・・と思ったが、ボリショイ版で観たかった。ロットバルトはベロゴロフツェフ、道化は岩田守弘とくれば、より期待値は高まる。ザハーロワとウヴァーロフは、何回目であろうと新鮮に感じるポイントが必ずあって、それがさすが。今日は2人のどっちが今日の私の心に刺さったかというと、それはウヴァーロフ。もちろんずっと前からノーブルだったけど(笑)、こんなにふわっと飛んだっけ。こんなに腕の動きが優雅だったっけ。調子が悪いときは体が重そうにも思えるときがあるウヴァーロフなので、今回は好調だったのではないかと思う。ザハーロワは、ボリショイのコールドがバックだと女王様に見えず、逆に可憐に感じた。どちらかというと、進化しているのは黒鳥の方だった。ベロゴロフツェフは端正なロットバルトで、なおかつ縦横に活躍する。グリゴローヴィチの改訂振付らしく、スパルタクスを彷彿とさせる振付がちりばめられていて、このロットバルトは踊るダンサーを選ぶ。岩田さんは、回転やジャンプのテニクックのすごさも際立ったが、何というか上品な道化だった。1つ1つの動作が考え抜かれてて、一生を賭ける仕事として道化をやっている、と感じるような。6人の王女を含め、ボリショイに脇役はいない、という感じの公演だった。ボリショイは間違いなく復権しつつあると思う。あ、座付きのオケが演奏して、こんなに効果的と思った上演も少ない。ハープの音の力強さと物語性のある音色には参りました。
2008.12.07
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もともと夕方の予定があったので、第二幕までの予定だった。そういうふうにスケジューリングしたことを、ちょっと後悔した公演。ヘンデル:オラトリオ《ユダス・マカベウス》HWV63鈴木雅明(Cond)バッハ・コレギウム・ジャパン(合唱と管弦楽)ユダス・マカベウス:櫻田亮(Ten)イスラエルの女:柏原奈穂(Sop)イスラエルの男:マリアンネ・ベアーテ・キーラント(Mez)シモン:萩原潤(Bas)予習なしで臨んだが、なかなかテンポがいいし、アリアと合唱の組合せの妙で飽きさせない。というか、こんなに戦闘的なストーリーだと思わなかった。(笑)マカベアのユダが「異教徒の圧制に苦しむユダヤ人を率いて、エルサレムを奪還した英雄」だということは知っていたけど、このオラトリオの中で、虐げられては抵抗すること2回。そのたびにユダが「戦いに進め!」と周りを鼓舞して進軍。その時にはファンファーレも鳴る。かなりオペラティック。スポーツの表彰式でお馴染みの「見よ、勇者は還る」は第三幕なので、聴けずに残念だった。歌手はユダス・マカベウスの櫻田亮さんが雄々しくてよかった。
2008.12.07
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今日は「エディプス王」「タメルラーノ」「フラワリング・ツリー」も上演される日。どこに行こうか迷ったあげく「イリス」へ。指揮・演出:井上道義 チェーコ(イリスの父):ジョン・ハオ イリス:ミナ・タスカ・ヤマザキ大阪:高橋淳 京都:大島幾雄 ディーア:国光ともこ芸者:小林沙羅 乞食:鈴木寛一踊り子:橘るみ(東京シティ・バレエ団)、馬場ひかり人形師:ホリ・ヒロシ 邦楽:杵屋利次郎社中合唱:武蔵野音楽大学 管弦楽:読売日本交響楽団セミステージ形式、イタリア語上演、日本語字幕付オペラの中でもとんでもない筋書きという点では抜きんでいる。吉原の遊郭から身を踊らせたら、そこはMt.FUJIの裾野だったというのだから。(今日の演出ではさすがに富士山にいることはぼかしてあった)そう思ったが、それは日本人だから「ありえない!」と思うだけで、オペラにはよくあるレベルかも。大阪・京都という登場人物のネーミングそのものや、人物造形にも突っ込みどころは満載。2幕の、裸体の女性に大ダコがからんでいる屏風絵にはびっくり。テキストに出てはくるけど、漫画チックなエロっぽさで、2幕の間中この絵を見つめてしまった。ストーリーだけでなく、井上みっちーのセンスもすごい(笑)。「イリス=あやめ」であやめづくしなのはいいとして、最後になぜ赤い薔薇が舞台に出てくるのかなど演出も不思議。まずはオペラの希少性とその所以である(と私が思う)さまざまな突っ込みどころだけでも仲間うちの話題は尽きないのに、今日の演出の「なぜ?」もあって、音楽的になかなか集中できなかった。歌手はミナ・タスカ・ヤマザキ、国光ともこさんがよかった。「大阪」の高橋さんはもっと高音が出てほしいし、なんというか色っぽさが不足。「京都」の大島さんも、いつもの大島さん、という感じで京都の抜け目なさとかが表現されていない。一番気にいったのはこのレアなオペラの美しい旋律。ジャポニスムの影響を受けたにも関わらず、日本的なフレーズはほとんど見つからないが、それがかえって不思議にオリエンタルで美しい。
2008.12.06
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ラ・フォル・ジュルネで目を付けたヴァイオリニスト、ネマニャ・ラドゥロヴィッチのコンサートへ。ネマニャ・ラドゥロヴィッチ(ヴァイオリン)ロール・ファヴル=カーン(ピアノ)ラヴェル:ハバネラファリャ/クライスラー:スペイン舞曲「はかなき人生」ヒナステラ:粋な娘の踊り(ピアノ独奏)ミレティチ:無伴奏ヴァイオリンのための舞曲 (ヴァイオリン独奏)シューベルト:華麗なロンド ロ短調 Op.70、D895ヴィエニアフスキ:華麗なるポロネーズ 第1番 二長調 Op.4ショパン:ワルツ イ短調(遺作)、変ニ長調 Op.64-1 「子犬のワルツ」(ピアノ独奏)J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリン・パルティータ 第2番 ニ短調 BWV1004より サラバンド、ジーグ (ヴァイオリン独奏)ハチャトゥリアン:剣の舞ピアソラ:チャオ・パリ(ピアノ独奏)シマノフスキ:夜想曲とタランテラ Op.28【アンコール】フィービヒ:詩曲サラサーテ:ツィゴイネルワイゼン小品ばかりなのと、ちょっと弾きくずしているところがあって、超絶技巧の連続なのに軽めな雰囲気。曲目がもう少しオーソドックスなら、また趣きが違うのかしら。あの音色・あのテクニック・・・オケをバックにしたコンチェルトで聴きたいと思った。余韻のせいで、迷っていた、年末の第九の前にネマニャが「四季」を弾く演奏会のチケットを予約してしまった。
2008.12.05
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仕事で六本木での打合せ後、2つの美術館に立ち寄った。今回、この2つの美術館はピカソ展を共同開催(?)している。国立新美術館が18時まで、サントリー美術館が20時までの開館で、会社員にはとっても助かる。パリのピカソ美術館が大改修中で、その間作品たちは世界を巡回しているらしく、 いつにない大がかりなピカソ展が可能になったらしい。そういえば、昨年ピカソ美術館を訪問したときに、改修に着手されていたなと思い出した。◎国立新美術館「巨匠ピカソ 愛と創造の軌跡」展~初期の青の時代→バラ色の時代→キュビスムの英雄時代→新古典主義時代→シュルレアリスムと時代を追っての展示。約170点。ピカソのそれぞれの時期の特徴がよくわかる。それぞれの時代に、彼の愛するミューズがいて、彼が触発されたものがあって・・・そうして解説されると、キュビズムやシュルレアリスムが違和感なく受け入れられるから不思議。ここに目があって、あっちに歯があって、手足はここから出ていて・・と最後にはちゃんと見つけられるようになる(笑)。そして、とってもすごいと思ったのは、最晩年90歳近い年齢のときの作品は、過去のあらゆる手法がすべて顔を出し、なおかつそれまでのどの時代より生命力をあって力強いこと。あっぱれ!という感じだ。◎サントリー美術館「巨匠ピカソ 魂のポートレート」展自画像とその周辺の作品を集めていて、時代にかかわらずピカソの作品をテーマごとにくくって展示。役60点。それでも、やはり時代によってテーマ性が分かれてくるので、国立新美術館と整理の仕方がかぶる。面白かったのは「ミノタウルスと牡牛」が出てくる絵画だけをまとめたコーナーがあったこと。精力ゼツリンなミノタウルスは、ピカソ自身?老いてますます盛ん・・・という感じで、晩年のこの絵↓を観たときは愛欲のパワーのすごさを感じ、クラクラした(笑)。(タイトルは『接吻』)イヤホン・ガイドを借りたら、解説のバックの音楽はバレエ・リュスで使われたもの。ストラヴィンスキーとかサティとか。ピカソが手がけたバレエ・リュスの作品の写真とか模型とかを展示してくれたら、もっとうれしかったのにと思う。
2008.12.04
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バジルがフィーリン→マトヴィエンコ→ベロゴロフツェフと変わった公演。事前期待は下がったが、そうそうエスパーダがメルクーリエフだったわ、と気を取り直した。(というか、直前にはもうメルクーリエフのことしか頭になかったくらい)キトリ/ドゥルシネア:マリーヤ・アレクサンドロワバジル (床屋):ドミートリー・ベロゴロフツェフドン・キホーテ (さすらいの騎士):アレクセイ・ロパレーヴィチサンチョ・パンサ (ドン・キホーテの剣持ち):アレクサンドル・ペトゥホーフガマーシュ (金持ちの貴族):デニス・サーヴィンフアニータ (キトリの友人):ヴィクトリア・オーシポワピッキリア (キトリの友人):オリガ・ステブレツォーワエスパーダ (闘牛士):アンドレイ・メルクーリエフルチア (街の踊り子):アナスタシア・メシコーワメルセデス (踊り子):マリーヤ・イスプラトフスカヤロレンソ (キトリの父):イーゴリ・シマチェフロレンソの妻 (キトリの母):アナスタシア・ヴィノクール公爵:アレクサンドル・ファジェーチェフ公爵夫人:エカテリーナ・バルィキナ居酒屋の主人:イワン・プラーズニコフ森の精の女王:アンナ・ニクーリナ3人の森の精:ユーリヤ・グレベンシチコワ,ネッリ・コバヒーゼ, オリガ・マルチェンコワ4人の森の精:アレーシャ・ボイコ,スヴェトラーナ・パヴロワ, チナラ・アリザデ,スヴェトラーナ・グネードワキューピッド:アナスタシア・スタシケーヴィチスペインの踊り:クリスチーナ・カラショーワ, アンナ・バルコワ,エカテリーナ・バルィキナジプシーの踊り:アンナ・アントロポーワボレロ:アンナ・バルコワ,エフゲーニー・ゴロヴィングラン・パの第1ヴァリエーション:エカテリーナ・クリサノワグラン・パの第2ヴァリエーション:チナラ・アリザデ指揮:パーヴェル・クリニチェフ管弦楽:ボリショイ劇場管弦楽団「ドンキ」なんだからキトリとバジルのことから書くべきなんだろうけど、やっぱりエスパーダの登場を心待ちにしていた。そして・・・出たっ!彼のエスパーダを待って待って・・・何年ぶりかしら。(9月にも一部は観たんだけど)レニ国の公演で以前に一度観たことがあって、それが忘れられなかった。キレがよくてスピード感があって、柳のように体がしなって・・・。細い脚も美しかった。今回も基本的に受けた印象は同じ。そり返る背中と見事なマントさばきにうっとり。ちょっとふっくらした分(それでも他のダンサー並みのスタイルだけど)貫禄が出て、演技力が増し芸達者になった。彼のエスパーダがいつの間にか私の中ではデフォルトになっていたので、いつもエスパーダに満足したことはなかった。うれしかったとともに、すごくスッキリ!あ、もちろんマリーヤ・アレクサンドロワは最高のキトリ。テクニックと勢いでノリノリになる。グラン・フェッテでこんなに音楽が高速になったのを聴いたことがない。これじゃあ、ダブルなんか入れてる暇がない。超高速シングルで32回まわってくれた。これだけの強いテクニックでもポワントの音がしなくて、ふわりと着地するところにも感動。キューピッドやスペインの踊り、ジプシーの踊りなど脇のダンサーも皆うまくて、ボリショイのレベルを本当に実感した。それが単に上手に踊る、というだけでなく、それぞれの個性も際立っているし、どの役もみな強く印象に残る。すごいことだと思う。演技もみな舞台の端々でいろいろ小技を利かしてて、今日のガマーシュは若くてスタイルいいデニス・サーヴィン。それが、自分が中央にいないときもちゃんと芝居してて、目が離せない。エスパーダが出てきて、誰もが舞台中央を見てるのに、ガマーシュはドン・キホーテに椅子をすすめて、一緒に酒をちょびちょびやって語らっていたりするのだった。総合力でやっぱりボリショイは楽しませてくれる。
2008.12.03
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バジルがフィーリン→マトヴィエンコ→ベロゴロフツェフと変わった公演。事前期待は下がったが、そうそうエスパーダがメルクーリエフだったわ、と気を取り直した。(というか、直前にはもうメルクーリエフのことしか頭になかったくらい)キトリ/ドゥルシネア:マリーヤ・アレクサンドロワバジル (床屋):ドミートリー・ベロゴロフツェフドン・キホーテ (さすらいの騎士):アレクセイ・ロパレーヴィチサンチョ・パンサ (ドン・キホーテの剣持ち):アレクサンドル・ペトゥホーフガマーシュ (金持ちの貴族):デニス・サーヴィンフアニータ (キトリの友人):ヴィクトリア・オーシポワピッキリア (キトリの友人):オリガ・ステブレツォーワエスパーダ (闘牛士):アンドレイ・メルクーリエフルチア (街の踊り子):アナスタシア・メシコーワメルセデス (踊り子):マリーヤ・イスプラトフスカヤロレンソ (キトリの父):イーゴリ・シマチェフロレンソの妻 (キトリの母):アナスタシア・ヴィノクール公爵:アレクサンドル・ファジェーチェフ公爵夫人:エカテリーナ・バルィキナ居酒屋の主人:イワン・プラーズニコフ森の精の女王:アンナ・ニクーリナ3人の森の精:ユーリヤ・グレベンシチコワ,ネッリ・コバヒーゼ, オリガ・マルチェンコワ4人の森の精:アレーシャ・ボイコ,スヴェトラーナ・パヴロワ, チナラ・アリザデ,スヴェトラーナ・グネードワキューピッド:アナスタシア・スタシケーヴィチスペインの踊り:クリスチーナ・カラショーワ, アンナ・バルコワ,エカテリーナ・バルィキナジプシーの踊り:アンナ・アントロポーワボレロ:アンナ・バルコワ,エフゲーニー・ゴロヴィングラン・パの第1ヴァリエーション:エカテリーナ・クリサノワグラン・パの第2ヴァリエーション:チナラ・アリザデ指揮:パーヴェル・クリニチェフ管弦楽:ボリショイ劇場管弦楽団「ドンキ」なんだからキトリとバジルのことから書くべきなんだろうけど、やっぱりエスパーダの登場を心待ちにしていた。そして・・・出たっ!彼のエスパーダを待って待って・・・何年ぶりかしら。(9月にも一部は観たんだけど)レニ国の公演で以前に一度観たことがあって、それが忘れられなかった。キレがよくてスピード感があって、柳のように体がしなって・・・。細い脚も美しかった。今回も基本的に受けた印象は同じ。そり返る背中と見事なマントさばきにうっとり。ちょっとふっくらした分(それでも他のダンサー並みのスタイルだけど)貫禄が出て、演技力が増し芸達者になった。彼のエスパーダがいつの間にか私の中ではデフォルトになっていたので、いつもエスパーダに満足したことはなかった。うれしかったとともに、すごくスッキリ!あ、もちろんマリーヤ・アレクサンドロワは最高のキトリ。テクニックと勢いでノリノリになる。グラン・フェッテでこんなに音楽が高速になったのを聴いたことがない。これじゃあ、ダブルなんか入れてる暇がない。超高速シングルで32回まわってくれた。これだけの強いテクニックでもポワントの音がしなくて、ふわりと着地するところにも感動。キューピッドやスペインの踊り、ジプシーの踊りなど脇のダンサーも皆うまくて、ボリショイのレベルを本当に実感した。それが単に上手に踊る、というだけでなく、それぞれの個性も際立っているし、どの役もみな強く印象に残る。すごいことだと思う。演技もみな舞台の端々でいろいろ小技を利かしてて、今日のガマーシュは若くてスタイルいいデニス・サーヴィン。それが、自分が中央にいないときもちゃんと芝居してて、目が離せない。エスパーダが出てきて、誰もが舞台中央を見てるのに、ガマーシュはドン・キホーテに椅子をすすめて、一緒に酒をちょびちょびやって語らっていたりするのだった。総合力でやっぱりボリショイは楽しませてくれる。
2008.12.03
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今年、ウィーン・フィルとベルリン・フィルで気力と金力を使い果たしたのでなければ、もっとこの組合せに力を入れただろうに。このチクルスも今日のみの鑑賞。交響曲第1番 ニ長調 op.25 「古典交響曲」ヴァイオリン協奏曲第1番 ニ長調 op.19交響曲第6番 変ホ短調 op.111(アンコール)パガニーニ:ベニスの謝肉祭プロコフィエフ:『ロメオとジュリエット』組曲第1番 op.64bisから「タイボルトの死」指揮:ワレリー・ゲルギエフロンドン交響楽団ワディム・レーピン(Vn)ゲルギエフというので爆演を想像していたら、あれ?繊細な音が聞こえてくる。「古典交響曲」・・・ハイドンを真似て作曲されたというだけあって、軽やかで美しい。第三楽章のガボットは、「ロメジュリ」に転用された曲なので、バレエの舞踏会のシーンが思い出される。(それとも両家のご退場の音楽だっけ・・・)それにしても、ゲルギエフったら、この抒情的な調べはどうしたことだろう。しかし、この日の白眉はやはりレーピン。なんと表現したらいいかわからないけど(?)、とにかくスゴイ。ヴェンゲーロフみたいな演歌系の歌うような音か、ヒアリー・ハーンみたいにキレのある音が好みと思ってきたけど、力で周囲の空気を固まらせるような彼の独特な響きはまた特別。というか、彼の特質にさらに磨きがかかったように思う。うーん、もう一度聴きたいが、あと残ってる日程は5日だけ。ここはネマニャの予定なんだよね・・・。アンコールのパガニーニも、また超絶技巧の賜物でした。プログラム後半の交響曲第6番が始まる段になって、天皇・皇后がホールに。6番だけ鑑賞なんて、なかなかシブイお好み。私には、この6番の第一楽章はちょっとつかみどころがないと思えるが、第二楽章はメロディアスでとても美しく、第三楽章はぐっと曲調が盛り上がる。それでもゲルギーは力まかせにはしない。彼が変節したのか、楽器(ロンドン響)がイイと演奏方法も変わるのか。多分後者か両方だと思うけど、このオケとはマリインスキー管より格段に相性がいい。今日のプロコフィエフほど、CDと生演奏のの違いを感じた日はかつてなく、結構この作曲家を好きになってしまいそう。
2008.12.02
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とりあえず全部観にいくと決めているから行く、という感じで出かけた。しかし、そんなスタンスで観たのが申し訳ないほどの大作だった。オッペンハイマー博士/ジェラルド・フィンリーキティ・オッペンハイマー/サーシャ・クックパスクワリータ/メレディス・アーワディエドワード・テラー/リチャード・ポール・フィンクロバート・ウィルソン/トーマス・グレングローヴズ将軍/エリック・オーエンズアーリー・パトリアルコ/フランク・ハッバードノーラン大尉/ロジャー・ハニーウェル指揮/アラン・ギルバート演出/ペニー・ウールコック「現代ものは音楽に感情移入しないなぁ」とか、「脚本がピーター・セラーズだから奇をてらっていないだろうか」とかそんな懸念は、観たあとはどこかへ行ってしまった。日本に投下する予定の原爆を、アメリカで実験するまでの数日にわたるドラマ。マンハッタン計画は、確かもともとはナチス・ドイツの原子爆弾開発計画に対する対応策として進められたはず。そのナチスが降伏したので、その時点でまだ降伏していない(しかし原子爆弾を開発していないということはわかっていた)日本に向けて使用する前提での、アメリカはニューメキシコ・ロスアラモスでの原子爆弾実験場が舞台。すごく緊迫感があり、原爆の責任者オッペンハイマー博士の心の葛藤が痛いほど。ジェラルド・フィンリーはこの役にぴったりで、1幕最後のアリアは息を詰めて聞いてしまうくらい心情が伝わってきた。科学の真理を追究しようとしてきたけれど、違う領域に加担しつつあることへの苦悩。ハイビジョンで顔がアップになるこのライブビューイングの手法は、女性歌手には酷なこともあるけれど、それはまた歌手に演技力も要求する。つまり感情表現に優れていれば、さらに劇的効果は増すということ。今回のフィンリーはいい方に働いたと思う。幕間のインタヴューは、主役のジェラルド・フィンリーと作曲家のジョン・アダムス。この選択はグッド。物語や伝説の人物と違って、世の中の人がまだ本人を覚えている存在に、歌手がどう役作りをして肉薄するのかというのは興味があったし、何よりこの作曲家本人は生きている。もともとはサンフランシスコ・オペラからの委嘱でとりかったのだけど、依頼されてから6年かかったとか。資料収集だけでも4年と聞いたので、ある程度まで事実に基づいた取材がされたのだと思う。インターミッションではオッペンハイマーに関するドキュメンタリーも流される。こういう構成は気が利いている。全世界に放映するときには、確かに必要な情報かもしれないと思った。オッペンハイマー博士は極めて教養の高かった人らしく、数ヶ国語を駆使したし(ヒンドゥー教の聖典「バガバァッド・ギーター」もサンスクリット語で読んだらしい)、詩にも造詣が深く、ちゃんと取材した原作者によって、博士のセリフにはボードレールやジョン・ダンなどの詩人の言葉や聖典から引用されたものがたくさん使われている。それがどこか哲学的な印象を与えるが、博士の心情を説明しすぎず効果的だった。私は「アメリカが原子爆弾を使わなければ、日本はまだ降伏しなかった以上、必要かつ正当な攻撃だった」と学校で教えられた。(ちょっと表現は違ったかもしれない)子ども心に、それは大勢の人に多大な被害を与え、何世代にもその影響を及ぼしてでもなおかつするべきことだったのかととても疑問に思ったし、事実だけでなくその評価を植え付けようとする教育に反発を覚えた。(従順だったので、そう感じたまま何をしたわけでもなかったけど)怖いなあと思ったのは、先日何らかのTVを見ていて、年代の異なる私の母までが、「原爆投下がなければ終戦は・・・」と言ったこと。それって、どこかで刷り込まれないと、うちの母の価値観では口にしないのに。オペラの中でウィルソンが「原爆投下の前に、日本にそう告知して降伏の機会を与えるべきではないか」と言っていて(これは実際の発言だったらしい)、私はああそうか、そういうワンクッションもなかったのかと、子どものときに違和感をどこに感じていたのか今頃気づいた。 こういうオペラを作ったアメリカという国のリベラルな一面に感謝するが、あの国がやっぱり今でも好きでないのは、傲岸さを感じるからだと思う。オペラ自体はインパクト強く、作品にも歌手にもオケにも満足。指揮した日米ハーフのアラン・ギルバートは、何を感じただろうか。(↓原爆のセットもホンモノそっくり)
2008.12.01
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