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「血液検査の再検しませんか?」「・・・します」「犬とHD上昇してますね」 2才から全身ガサガサでステロイドを塗布していた4才の女の子(IgE:100、犬3、猫3、卵白2、ミルク2、)。3ヵ月前から当科に通院を始めましたので、殺菌消毒やら漢方やステロイド減量などいろいろ試みましたが、なかなか良くなりません。 犬を飼っているとのことでしたので、何度かお願いして、やっと血液検査をさせていただきましたが、1年ぶりの血液検査では、IgE:340、犬5、HD2、ミルク1、卵白1、でした。 やはり犬でした。経験的には、犬猫(+3)くらいまでは、掃除して(共存は)何とかなりますが、(+5)~(+6)になると、室内での飼育はかなりの困難が伴います。 しかし、犬や猫のペットの除去は、外来の指導の中でも最も困難なもののひとつです。毒多ぁの次男と次女も猫(+2)ですが、黒猫2匹居座っております(誰も貰ってくれる人いないし・・・)。
2008年10月31日
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「ゼーゼーしてますね」「卵も牛乳も食べてません」「環境アレルゲン検査した方がいいですよ」「変化するんですね」「2才過ぎるとダニHDペットですよ」 乳児期にアトピー性皮膚炎があって除去食+インタールで良くなった3才半の男の子(2才の時IgE:210、卵白2、卵黄1、ミルク1、ダニHD0)。 咳がひどくて受診しましたが、聴診したら喘鳴を聴取しました。 1年半ぶりの血液検査では、IgE:380、ダニ4、HD4、杉2、卵白1、卵黄0、ミルク0、でした。 アレルギーは汚染です。アレルゲンを変えながら行進曲のように進んで行きます(アレルギーマーチ)。 妊娠中~2才までは(毎日食べる)食物アレルゲンの時期ですが→2才過ぎると(毎日暴露する)ダニホコリペットの年齢です(学童期からは年に1回遭遇する花粉)。 アトピーば治ったと思って油断していると(食べ物ばかりに気を取られていると)、いきなりダニHD(+4)などということがありますので、注意が必要です。 乳児期の食事指導の時に、必ず、「2才過ぎるとダニHD」「学童期から花粉」「両親や上の児を検査すると将来出るものが分かりますよ」、などとお話しますが、両親がアレルギー検査を希望することはほとんどありません。 本来ならば、今は生まれる児の半数はアトピー素因を持っておりますので、結納の時に、2人で検査をして、「アトピーの児を作らないように頑張ろうね」というのが、いまどきの正しい結納のあり方でしょうね。恐い恐い。
2008年10月30日
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「先月高山に転居したら悪化しました」「ダニホコリアトピーですね」「昨年も寒くなったら悪化しました」「冬もの出して閉め切るからね」「検査して下さい」 生後6ヵ月頃(昨年冬)からの全身ガサガサが良くなっていた1才5ヵ月の男の子。1ヵ月前にG市から引っ越してきたら全身ガサガサひどくなって受診しました。 鼻粘膜と咽頭扁桃が真っ赤に腫れておりましたので、ダニHD+感染性の皮膚炎を疑い、環境整備+殺菌消毒のうえステロイド軟膏を減量して頂きました。 血液検査では、IgE:260、ダニ3、その他(犬・卵白・牛乳・小麦・大豆など)0、でした。 引っ越しはアトピーの児にとって最悪のイベントです。ダニ、ホコリ、外食、イライラ、アレルギー症状は必ず悪化します。 妊娠中と2才までは食物アレルゲンの時期ですが、2才過ぎると環境アレルゲンの年齢です。 2才過ぎてから上昇するはずのダニHDが1才5ヵ月で既に(+3)は、将来(+5)~(+6)の予備軍です。皮膚炎の父と、花粉症の母、どちらもダニHDありそうですねと脅かしたら、今度両親そろって血液検査に来るそうですヽ(^o^)丿 家族のIgE、RAST検査は、みんなで検査すると、意外な人に意外なものが陽性に出るのでビックリすることがあります。
2008年10月29日
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「卵ボーロで全身痒くなりました」「左の頬ガサガサしてますね」「先月はスポンジケーキで顔が赤くなりました」「卵アレルギーでしょうね」「2人とも卵と桃と林檎ダメなんです」「血液検査しますね」 生後6ヵ月にスポンジケーキ(離乳食?!)を食べたら顔が真っ赤になったのにもかかわらず、今度は卵ボーロ(離乳食?!)を食べて全身真っ赤になって受診した生後7ヵ月の男の子。 よくよく聞いたら、両親ともに卵と桃とリンゴで口が痒くなるそうです(口腔アレルギー症候群:OAS:Oral allergy syndrome)。 血液検査(ゼロの確認)をしたら、IgE:100、卵白5、卵黄3、でした。親がダメなら、当然児もダメだよね(当たり前)。 しかし、ここ3ヵ月で、離乳食に卵ボーロを与えた親は3人です。小児科医29年で、聞いたこともない「離乳食に卵ボーロ」が3人も来るなんて、それも、採血して1ヵ月経つのに親が結果も聞きに来ない・・・(もちろん電話したさ・・・) いまどきの若い者は!・・・なんて、使いたくもない常套句が出てきそうです。恐い恐い。
2008年10月28日
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「卵ボーロで蕁麻疹が出て吐きました」「卵白(+6)なのに!?」「特に言われてなかったので・・・」「すぐに再検しましょう」 生後1ヵ月から全身ガサガサの1才の男の子。生後10ヵ月に卵汁数滴で全身に蕁麻疹が出て近くの病院を受診したら、IgE:690、卵白6、オボムコイド5、犬3、ミルク3、卵黄3、小麦2、大豆2、HD1、なのに、特に指導はなかったそうです。びっくり。 5日前に卵ボーロ!を食べさせたら、蕁麻疹が出て、吐いたので、不安になって受診しました。 3ヵ月経過して数値は、IgE:1500、卵白6、小麦3、ミルク3、ジャガイモ3、バナナ2、ピーナッツ2、胡麻2、大豆2、豚肉2、でした。 遅ればせながら、除去食+インタールを開始しました。男の子だから、何とかなるでしょう。 えっ?、男女差別するなって?、男の子は汚くても何とかなります(学校給食が一緒に食べられればOKかな)。女の子は気合が必要です(嫁に行くまでね)。
2008年10月27日
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「MR断られました」「以前MとRしてるよね」「言ったんですけどダメって」「問題ないでしょう」「土曜日はダメですか?」「じゃ今日打つね」 乳児期から重症アトピー喘息で除去食中の6才の男の子(IgE:700、ダニ6、HD6、チーズ4、杉4、ミルク4、卵白3、犬3、ピーナッツ2、大豆1)。2才の時に麻疹(Measles)と風疹(Rubella)を接種しおりますので、当然、M+Rは問題なく接種できます。 近くの病院でMR接種を予約したら、責任が持てないので主治医に聞くようにと言われて受診しました(インフルエンザも同じ成分で責任が持てないとのこと)。 度々ゼーゼーを繰り返しており、予約してもいつ接種できるか分かりませんので、その場ですぐにMRを接種しました。もちろん問題なしヽ(^o^)丿。 MRとインフルエンザが同じ成分と言うのも誤りです。Mが鶏胚初代細胞に対しインフルエンザは鶏卵尿膜腔液で培養されており、Mが抗生剤とフェノールレッドに対しインフルエンザは水銀とホルマリンが添加されております。 もちろん、インフルエンザ(熱)はアトピーと喘息が治るチャンスですし、タミフルが使えますので、接種についてはよく考えるようにお話しいたしました。 えっ?、卵白(+3)でもいいのかって?、当科では卵白(+5)まで接種したことがありますので、やれと言われればやります。
2008年10月25日
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「中国で粉ミルクを飲みました・・・」「三鹿ですか?」「結石が心配で・・・」「すぐに紹介状書きます」 昨年と今年中国に滞在して粉ミルクを飲んでいた2才の女の子。 腎結石が心配とのことで、すぐに総合病院に紹介状書いたら、すぐに検査をしてくださいました・・・・・・腹部エコー、KUB、尿検査にて異常を認めませんでした・・・ 中国で5万人以上飲んだメラミン汚染粉ミルク(3000人以上入院、3人重体、4人死亡)は中国外への被害の拡大が止まらず、とうとう、飛騨の山奥にまで来てしまいました。グローバル化だね、恐い恐い。 でも、腎結石なくて良かったヽ(^o^)丿
2008年10月24日
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「溶連菌の抗生剤効きません」「今度はマイコプラズマの抗生剤にしましょう」「長いので紹介状書いてください」 4週間前に溶連菌迅速診断(+)でフロモックス内服しても37.2℃の熱が続いて3週間前にイムノカードマイコプラズマ抗体(+)だった鼻炎・扁桃炎・中耳炎の10才の男の子(IgE:290、ヒノキ2、杉2)。 抗生剤をミノマイシン→クラリス→ジスロマックと変えても37.2℃の微熱と左関節痛が良くならないために、病院に紹介状を書いたら・・・・・・血液検査再検しましたが、別紙の通り炎症反応亢進を示唆するような白血球増多やCRPの増多はなく整形外科でも明らかな局所関節の炎症所見は認めませんでした。無投薬の状態でのしっかりした熱型のみきわめと抗CCP抗体を待って判断したいと思います・・・ 要するに、「大した症状も検査異常もないのに抗生剤を乱発するな」、ということです。 医学的には小児の有意な発熱は38℃以上です。37.2℃は発熱とは言いません。また、溶連菌迅速診断もイムノカードマイコプラズマ抗体検査も簡易キットで正式な検査ではありません(偽陽性と偽陰性がある)。 血清学的には溶連菌抗体価(ASO)やマイコプラズマCF抗体の有意な上昇(ペア血清)が必要です。 もしかしたら、毒亀ブログの溶連菌とマイコプラズマの話は全部ウソかもしれません。恐い恐い。溶連菌(+)の6日後にマイコプラズマ(+)は偽陽性だったのね(>
2008年10月23日
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「不味くてはずれもあるけど冬悪化するから」「美味しかったし効きましたよ」「老人性皮膚掻痒症によく使うんだ」「冷え症婆ぁなんだ」「e2Wは?」「e2Wも良かったですよ」「やっと塗れるもの見つかったね」 数年前から冬になると顔と手がガサガサ血だらけ膿だらけになる20才の女の子(IgE:300、イネ科5、ダニ2、HD2)。 どこの病院でも、すべての軟膏(ステロイド×石油系×ミツロウ×)も内服も合わず、化学物質過敏症(CS:Chemical sensitivity)が疑われたために、昨年はマコモ浴と補中益気湯と強酸性水消毒とティートゥリー水でなんとか乗り切りましたが、今年も寒くなったら、一気に皮膚症状がガサガサジクジク悪化して、何も効かなくなってしまいました。 冬悪化することを目標に、冷えて冬皮膚が痒くなる婆ちゃんに頻用する「当帰飲子」を処方したら良くなってきました。 あんなに「不味い」当帰飲子も合う人は「美味しい」と感じるから漢方は不思議です。 そうそう、強酸性水が合うので、強電界酸性水ジェルのe2W(イーツーダブリュー)を試したら、さらに良くなってしまいましたヽ(^o^)丿CSにはやっぱりこれ!「e2W」ヽ(^o^)丿
2008年10月22日
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「うどん屋さんに行ったら顔が腫れました」「小麦陰性なの?ソバかな?」「一緒に茹でますもんね」「とりあえず3人とも血液検査をしてみましょう」「前回の結果は探せばあるかもしれません」「残ってなければ今回がスタートラインです」 アトピーの3人姉兄弟、以前ダニとか卵とか陽性だったけど小麦は?・・・うろ覚えなようですので、血液検査をしていただくこととしました。 前回の血液検査が残っていれば前回がスタートラインです。 前回の結果がなければ、今回がアトピー治療のスタートラインです。 4才姉はIgE:660、ダニ6、卵白2、胡麻1、3才兄はIgE:710、ダニ6、ミルク4、卵白4、小麦2、ピーナッツ2、胡麻2、大豆2、鶏肉1、ジャガイモ1、ブドウ球菌1、10ヵ月弟はIgE:60、胡麻3、ダニ3、ジャガイモ3、小麦2、米1、でした。 3人まとめてアトピー治療(冷えと汚染対策)スタートラインです。 えっ?、3人まとめてでいいのかって?、数値は高くても低くても、することは一緒です、上昇しないようにしていれば、体が耐えられるようになります。ゼロだから大丈夫とか高いからダメということではありません。気合いの入り方がちょっと違うだけです。数値が下がらなくても、あまり上がらないようにしていればOKです。
2008年10月21日
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「昨夜熱が出てから胸が痛いって」「喘鳴は昨日よりもいいですね」「良くなってますか?」「脈が速いですね」「大丈夫でしょうか?」「メプチン中止してください」 1才半からアトピーと時々喘息のある5才の女の子(IgE:130、ダニ4、HD4、卵白3、ミルク3、チーズ3、卵黄3、オボムコイド3)。 昨日から喘鳴があって受診しましたので、以前内服していたメプチン(気管支拡張剤)を処方したら、夜になって発熱38.4℃とともに胸痛を訴えました。 今朝受診したら、喘鳴は治まっておりましたが、頻脈128/分を認めましたので、メプチンを中止したら、頻脈と胸痛も治まりました。 喘息は、原因からいえばアレルギー疾患(汚染)ですが、アレルギーが自律神経(副交感神経)の緊張を介して気管支の痙攣が起きるという途中機序からいうと自律神経失調(冷え)にあたります。 したがって喘息の発作止めのメプチンやホクナリンテープは自律神経薬(交感神経刺激薬:β2刺激薬)ということになります。 メプチンやホクナリンテープの副作用は、頭痛や頻脈や手のフルエなどの神経症状ですが、発熱している時には交感神経が緊張しまくっておりますので、メプチンやホクナリンの副作用がより出やすいと言えます。 外来でも、ホクナリンテープを咳止めと勘違いして、熱のある児に貼って、頻脈気味のことはしばしば見受けます。恐い恐い。
2008年10月20日
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「食べてないのに何で上がるんですか?」「算数の直線グラフです」「???」 生後3ヵ月からアトピーの1才の男の子(IgE:45、卵白3、ジャガイモ2)。卵を食べていないのに前回よりも下がっていないことが納得いかないようです。 生後5ヵ月IgE:25、卵白3、ミルク1、生後7ヵ月IgE:34、卵白3、ミルク1、でしたが、IgEは前回と前々回ではIgE+4.5/月、卵白+0.29/月、のペースで上昇しておりますが、前回と今回ではIgE+2.4/月、卵白+0.2/月、のペースにダウンしております。 とりあえず上昇が食い止められているのでOKです。ミルクは陰性になったので◎です。 ジャガイモは初めて陽性になったのでこれからです。 毒多ぁの少ない経験では、IgEは上昇するのが普通です。生後6ヵ月頃のIgEはゼロの確認です。ゼロの児は努力すれば将来低い可能性があります。ゼロでない児は、努力しても、6ヵ月頃の10倍くらいまで上昇するのが平均です。 この児の場合には、将来的にIgE値300前後が目標です。それよりも低ければ◎です いやぁ今日は預言者になった気分だねヽ(^o^)丿血液検査をグラフにして説明するときは手書きで・・・ヽ(^o^)丿
2008年10月18日
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「1ヵ月間咳が止まりません」「咳喘息ですね」「夜だけ咳くんです」「吸入してみましょう」「楽になりました」「酸素飽和度も改善しましたね」 1ヵ月前から夜間の激しい咳嗽のある70歳の男性。咳止めが効かないので毒多ぁを受診しましたが、鼻粘膜が腫れている程度で呼吸音には喘鳴ラ音は認めません。 パルスオキシメーターで酸素飽和度が95%と低下しておりましたので、気管支拡張剤(メプチン)の吸入をしたら、98%に改善しました。 咳喘息として、喘息の予防薬(シングレア:ロイコトリエン受容体拮抗剤)を処方したら、すっかり良くなってしまいました。 喘息は「病名」というよりは「状態名」です。気管支が狭くなってゼーゼーしている状態(蕁麻疹と同じ反応)ですので、ゼーゼーしていない時に喘息と診断するのは困難です(蕁麻疹も出ていない時には分からない)。 咳が軽やかに出ている時は大丈夫ですが、気管支が緊張して咳が出にくい、詰まったような苦しい咳を「咳喘息」と呼びます。 気管支がキュッと狭くなると狭窄音(ゼーゼー)が聞こえる状態を「喘息」と呼びます。 気管支がギューッと狭くなると「喘息発作」です。気管支がキュッと緊張するか、キュッとなるか、ギューッと狭くなるかは、蕁麻疹が5個出るか10個出るか100個出るかのような違いです。 咳喘息(アレルギー性の咳)の特徴は、突然なる(蕁麻疹と同じ)、夜ひどい(副交感神経は夜活発になる)、咳で吐きやすい(副交感神経は胃にも行っている)、家族にアレルギーが多い、タバコやホコリなどで悪化する、などの特徴があります。 えっ?、タバコは吸っていないのかって?、1日10本ほど吸っているようですが、毒多ぁは禁煙指導はしません。飛騨のじい様は酒タバコだけが生きがいですので、禁酒や禁煙という言葉は飛騨には存在しません。吸入前後パルスオキシメーターで酸素飽和度を計ります
2008年10月17日
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「除去食インタールやり直したんですが・・・」「お姉さんダニ・ホコリ陽性だったよね」「コタツ掛け布団出した日からです!」 生後3ヵ月から全身ガサガサの10ヵ月の男の子(生後5ヵ月:IgE:90、卵白4、ミルク3、卵黄2、ピーナッツ2、犬1、小麦1、ダニ0)。 生後9ヵ月に再検査をしたら、IgE:290、卵白4、小麦3、ミルク3、ピーナッツ3、大豆3、卵黄3、胡麻2、と上昇しておりましたので、再度気を引き締めておりましたが、突然先週から全身ガサガサ鼻汁グジュグジュ悪化して受診しました。 よくよく聞いたら、数日前にコタツ掛け布団を出してから一気に悪化したようです。5才の姉がダニHD陽性ですので、検査で陰性でも家族が陽性のものは注意する必要があるのは言うまでもありません。 次回のRAST検査ではダニHDもすることになりますが、何歳からダニHDが陽性になるかは不明です。
2008年10月16日
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「月末に修学旅行です」「カビ(+5)はなかなかですね」「間に合うでしょうか?」「抗真菌剤内服して下さい」 4才頃からアトピー性皮膚炎の17歳の女の子。1ヵ月前から全身ガサガサひどくなったので、月末の修学旅行までに何とかしてほしいと受診されましたが、全身カビだらけでしたので、とりあえず、殺菌消毒と血液検査をしました。 17歳で初めての血液検査は、IgE:4700、杉6、カビ5、ダニ4、イネ科4、犬3、雑草2、ブドウ球菌0、でした。来週の沖縄修学旅行に間に合うかどうかは分かりませんが、カビ(+5)は当科外来でもNo1.ですので、とりあえず、抗真菌剤(ラミテクト)内服開始としました。今後のことに関しては、いずれ指導する予定です。 13年間のつけを2週間で何とかしてほしい・・・毒多ぁの外来はこんな患者さんがたくさん来ます。 えっ?、軟膏はどうしたのかって?、何年もステロイドを塗りまくっていたようなので(効くかどうか不明ですが)とりあえず修学旅行用にステロイド軟膏を処方しておきました。
2008年10月15日
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「小麦開始したら軟便になりました」「数値上昇してるよね」「3歳になれば自然に食べられるようになるって・・・」「血液検査とインタール内服からやり直しましょう」 生後9ヵ月にチーズで顔が真っ赤に腫れた後から、G病院で除去食をしていた2才男の子。 3才になれば自然に食べられるようになると言われて。最近除去の解除を始めたら、便が緩くなったので不安になり受診しました。 下肢がガサガサしているのと咽頭扁桃が腫脹充血している程度で重症には思えませんでしたが、血液検査が上昇傾向でしたので(生後9ヵ月IgE:100、卵白4、チーズ3、ミルク3、小麦2、大豆0→生後1才5ヵ月IgE:220、卵白4、ミルク3、ピーナッツ3、ソバ3、小麦2)、血液検査再検とインタール内服としました。 7ヵ月ぶりの採血は、さらに上昇しておりました。IgE:1160、ダニ4、HD4、ミルク4、胡麻4、卵白3、トマト3、バナナ3、小麦3、オボムコイド2、卵黄2、大豆2、ジャガイモ2、スイカ2、トウモロコシ1、リンゴ1、ホウレン草1・・・ 顔が真っ赤に腫れるほどの症状を起こした児が3歳で自然に食べられるようになるという根拠はどこにもありません。検査項目も少なく、インタールも内服せず、環境整備もせず、血液検査の再検もなし・・・まあふつうのアレルギー外来はこんなもんでしょう。
2008年10月14日
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「バイ菌3つ出たから抗生剤を」「抗生剤は飲ませたくありません!」「家族は・・・」「なんでもありません!」「一応食中毒の注意してね・・・」 緑色下痢があって受診した1歳半の男の子。 便培養で、黄色ブドウ球菌とカンピロバクターと病原性大腸菌(O-25)の3種類検出されましたので、自宅まで電話をしましたが、抗生剤は飲ませたくないとのお返事でしたので、手洗いや加熱など、当たり前の食中毒の注意だけお話しさせていただきました。 食材はすべてバイ菌で汚染されておりますが、胃酸で殺して、腸内細菌叢100兆個で勝てば発病しません。 家族みんな発病すれば、食中毒という病名になりますので、胃酸の薄い人、弱っている人は要注意です。 家族の中で男児一人だけ発病ならば、ブドウ球菌性腸炎+カンピロバクター腸炎+病原性大腸菌感染症、という病名になります。 とりあえずは、整腸剤(乳酸菌製剤)だけで頑張るとのことです。 えっ?、保健所はいいのかって?、それは(O-157)などの、べロ毒素を出す腸管出血性大腸菌の場合です。O-25はべロ毒素を出さないので問題ない番号です。もちろん、弱い病原菌でも、集団で発生すれば「食中毒」となって大騒ぎです。
2008年10月11日
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「魚介類が陽性になりました」「どうしても魚増えるからね・・・」 生後4ヵ月からアトピー性皮膚炎があって除去食+インタール内服中の1歳半の男の子。 症状が軽く、検査値も低かったので(IgE:50、エビ2、卵白2)、除去を緩めたら、発熱して近医を受診しましたが、採血のついでに検査をしてくださいました(IgE:30、アジ3、イカ3、卵白2、エビ2、オボムコイド2、サバ2、小麦1、卵黄1)。 シャウエッセンで発赤が出て再診しましたので、毒多ぁも再検査をしたら、IgE:70、イワシ3、サケ2、タコ2、アサリ2、ホタテ2、タラ2、カレイ2、マグロ2、豚肉0、でした(1ヵ月半で3つの医療機関で採血お疲れ様)。 毒多ぁの指導では(自分は食べるくせに)、ω6系(獣:アラキドン酸、植物油:リノール酸)の悪口を言いまくりますので、どうしても母は魚菜食に走ります。 魚のアレルギーがなければいいのですが、あった場合には、たくさん食べると魚アレルギーを作ってしまいますので、注意が必要です。 魚は、新鮮なものを、火を通して、種類を変えて(回転食)、ほどほどにしてねm(_ _)m
2008年10月10日
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「1週間前にキウィで蕁麻疹が出ました」「数値上昇してますね」「・・・」 乳児期にアトピーがあって(生後10ヵ月:IgE:10、卵白1、その他全部0)その後調子が良かった4才の男の子。 1週間前にキウィを食べたら口に蕁麻疹が出ましたので(口腔アレルギー症候群:OAS:Oral allergy syndrome)、3年ぶりに血液検査をしたら、たくさん陽性に出ておりました(IgE:270、ダニ4、キウィ3、バナナ3、小麦2、ミルク2、卵白2、大豆2、リンゴ1)。 今回は花粉の検査はしませんでしたが、果物と花粉は共通抗原のことが多いので、将来は花粉も検査する必要があるでしょう。 血液検査は陽性率が3割程度で感度が鈍いのですが、もともと検査で出ない隠れ型と、後から上がってくる場合とがありますので、注意が必要です。
2008年10月09日
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「豆は油断してました」「どうしたの?」「卵と大豆陽性でした」「親切な病院だね」「症状なくても結構検査で出るんですね」 生後2週目からアトピーで除去食+インタール内服をしている生後5ヵ月の女の子。 たまたま突発性発疹で近くのH病院にかかったら「ついでに検査してくれて」IgE:370、卵白5、卵黄3、大豆3、だったので、母はビックリ(症状軽いのに;)。 姉が大豆陰性だったので、大豆はあまり気をつけていなかったようで、1ヵ月間インタール+大豆除去をきっちりしてから毒多ぁを受診したら、IgE:340、卵白5、大豆2、でした(少し下がった!)。 3歳の姉も半年ぶりに血液検査をしたら、前回とほぼ同じ数値でした(IgE:390、犬5、ダニ4、HD4、卵白3、オボムコイド3、ヤマイモ3、小麦3、卵黄3、グルテン2、ピーナッツ2、猫2)。 姉にアトピーがあっても、妊娠中から気をつけていると、次の児は、比較的症状は軽いことが多いようです。 また、生後早期から除去食+インタールをしていると、数値の割に症状が軽くて、検査が遅れることもしばしばです(努力しないと症状も数値ももっとひどい目に合うけどね)。今回は突発のついでに検査がラッキーでした。 そうそう、姉のピーナッツと妹の大豆はもちろん共通抗原ということになります。
2008年10月08日
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「皮膚がきれいになりました」「漢方薬効いたの?」「1年半ぶりに生理が来ました!」「今のうちに子宮きれいにしておかないとね」 乳児期からアトピー性皮膚炎の20歳の女性(IgE:760、ダニ5、杉3、ミルク2、ピーナッツ2、黄色ブドウ球菌2、ヒノキ1)。 以前、高校生の頃、桂枝茯苓丸で顔の発赤が良くなったことがありましたが、大学のテニス部合宿で急に皮膚炎が悪化して、しばらくぶりに受診しました。 よくよく聞いたら、1年半生理がないとのことで、あきれてしまいました(基礎体温も計っていない!)。 無月経を目標に、今回は当帰芍薬散を処方したら、3週間内服で、1年半ぶりに生理が来ました。生理が来たら皮膚炎もきれいになってしまいました。 皮膚の毒素は、於血(古くて汚れた血)です。気・血・水・の中でも、血の道の滞りが皮膚炎を悪化させます。肝臓→便、子宮→経血、が滞っていてはアトピーな良くなるはずもありません。肝臓が弱っている、便秘で臭い、生理痛・不順、無月経なんて問題外です。 20歳の女子大生は、今から子宮をきれいにしておかないと、将来、アトピーの孫の看病ですよ!、と母を脅かしておきました。恐い恐い。
2008年10月07日
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「ピーナッツアレルギーかどうか検査を・・・」「食べられないの?」「カナダ研修に行くので」「カナダならしょうがないね・・・」 4年前からアトピー性皮膚炎の14歳の女の子。H市主催のカナダ研修旅行に行くのに、ピーナッツアレルギーの有無を聞かれたそうです。 血液検査をしたら、IgE:300、杉4、ダニ3、HD3、ヒノキ2、ピーナッツ0、でした。 カナダでは3年前に15歳の少女がボーイフレンドとキスした後にショック死した事件がありましたが、米国では毎年100人近くの人がピーナッツアレルギーで死亡しているようです。 国際線のピーナッツアレルギー対策は、たしか、3段階に分かれていたと思います・・・1.本人のみピーナッツ除去食、2.隣席の人までピーナッツ除去、3.一定期間完全にピーナッツ除去した機体を使用・・・だったような。 3大アレルゲンの3番目の豆は日本では大豆ですが、欧米ではピーナッツです。食べる量が半端じゃないからね。
2008年10月06日
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「包丁で皮膚削いだの行きます!」「えっなにもないけど!」「もう来ました!」「とりあえず止血しておくけど・・・」「痛くてどうしようもありません」「カルトスタット入荷するまで耐えてね」 パイナップルを切っていて、間違えて、左薬指の皮膚を直径8mmほど削いでしまった近くに住む50歳の女性。 向かいに日赤もあるし、外科処置は考えておらず、縫合セットもなにも用意しておりませんでしたが、来てしまいましたので、とりあえず殺菌消毒して、ソフラチュールで抑えておきました。もちろん皮膚はすぐには張ってきません。 カルトスタットは海草のコンブから抽出されたアルギン酸塩を繊維状にして不織布にした創傷被覆材です。 3日後に入荷したので、外来に来ていただきましたが、もちろん、皮膚は張っておりませんでしたので、カルトスタットで覆ったら、すぐに皮膚(カサブタ)の代用となり、痛みも良くなってしまいました。 皮膚がなくなってしまった外傷に何日も消毒に通院するのは得策ではありません。なるべく早いうちにカルトスタットで覆ってしまえば、皮膚の代わりをしてくれるうえに、皮膚の再生も速やかですヽ(^o^)丿カルトスタット
2008年10月04日
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「どどうしたの!?」「急にひどくなりました」「変なもの試してないよね・・・」「健康食品を勧められて」「すぐに止めてください」「良くなるための変化だって」「・・・」 10年前から成人型アトピー(隠れ型)+皮膚感染症で通院中の40歳の女性。1ヵ月ぶりに来院したら、両腕が急激に魚鱗癬のように分厚く角化しておりましたので、びっくりして、少し考えてしまいました。「何か変なもの・・・」と尋ねたら、知人から勧められてノニジュースを飲んでいるとのことでしたので、すぐに止めていただきました。 アトピーが健康食品で良くなることはまれです。アレルギーは汚染ですので、たくさん毒(アレルゲン・汚染物質・炎症性物質)が溜まっているところに、これを足したら治るということはありません。悪いものを減らす、除去するという考え方が大切です。 良くなるための変化(瞑眩・好転反応)というのはごくまれです。短時間でどんどん変化していきます。2週間以上悪くなり続ければ、合わないと考えるのが普通でしょう。 健康食品は100人試せば、良くなる人が1人くらい居るかもしれませんが(宣伝する)、その10倍くらい悪くなる人が居ります(医者に来る)、残り90人は効かない(また次を探す)、くらいのものでしょう。医者は悪くなった方を診ておりますので、健康食品には批判的です。 アトピーにはうまい話はありません。ノニとレバとタラ(これだけやったノニ?何をやレバ?これさえやっタラ?)は意味ありません。 ただし、毒多ぁの外来でノニで皮膚炎が重症化した被害者はここ3年で2名だけですので、大した問題ではなさそうです(良くなった人はゼロ)。 もちろん、ノニなんかで良くなる程度の軽症者は、毒多ぁのところまでは来ないでしょうけれど(もし居てもね)。
2008年10月03日
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「オリモノに血が混じりました」「培養したら溶連菌出ました」「・・・」 今春から鼻汁・咳嗽が続き、6月から全身に紅斑が出没している3才の女の子(IgE:70、RASTすべて0)。 8月に受診した際に、咽頭扁桃と鼻粘膜と鼓膜の発赤を認めましたので、感染性の紅斑(一部蕁麻疹)として咽頭溶連菌迅速検査とイムノカードマイコプラズマ抗体検査をいたしましたが、陰性でした。 過食で肥満傾向のうえに父が花粉症とキウィアレルギーを持っておりましたので、食事指導やらなんやら誤魔化しておりましたが、先週血性帯下を認めましたので、膣分泌培養をしたら、A群溶連菌(++)を認めました。 6ヵ月ぶりに解決しましたが、やはり咽頭迅速診断だけではあてになりません。きちんとした細菌培養検査が必要でした・・・しかし、帯下で決着がつくとは思いませんでした。そんなところにまで溶連菌が潜んでいるなんて・・・どおりで紅斑が全身に出たり引っ込んだりするわけだ・・・恐い恐い。
2008年10月02日
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「何か飛んでますか?」「衣替えか暖房器具でしょうね」「コタツ出しました!」「花粉よりもダニHDのほうが強陽性でしたよね」 秋の花粉(ブタクサ・ヨモギ)がピークを迎えておりますが、それ以上に多いのが、衣替えによる(ダニ・ホコリ)鼻炎・喘息・アトピーです。 今年は雨が多いためか、花粉が飛ばずに、意外に花粉症は軽いようです。その代りに「季節の変わり目」の患者さんが来ます。 季節の変わり目という場合には、花粉よりも「衣替え」で衣類や布団の出し入れをしてダニやホコリが舞って症状が出ている人が多いようです(窓も閉め切るしね)。 衣類や布団ばかりでなく、暖房器具のダニ・ホコリ・カビも関係がありますので、コタツやファンヒーターを出し入れした日はかなり注意が必要です。 もちろん、冷え症の人は、寒冷ストレス(寒暖の差)によって症状が強くなることも悪化要因になりますので、早めの対策が必要です。 えっ?、毒多ぁですか?、もうパッチを穿いてお尻にカイロしてます。寒い寒い。
2008年10月01日
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