椿荘日記

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けむり男と落ちてきたお月様~2


けむり男と落ちてきたお月様~3


けむり男と落ちてきたお月様~4


その6


February 22, 2004
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何処までも流れる、緩やかに流れていく液体の中、抗うこともせず、
ただ、漂う。うっとりと真昼の光線の中を行く。
俯く、仰向く、傾げる。
顔を擦り付けるように液体の中で少しもがいてみる。
再び、「ひれ」が触れる。
心地よく深淵に吸込まれていく。

セルリアン、ターコイズ、コバルト。
緑青、藍、群青。

急峻な流れ、沢山の魚たちと泳ぐ、流される、透明な渦巻きの中。
巻き込まれ、回転する体、苦しさは、ない。
あるのは鮮烈な躍動感と、爽快感。

金色、橙、赤、朱。
輝く魚たちの体が揉み合い、爆ぜ、捩れ、重なる。もう、魚たちとの区別は、ない。
流れは愈々激しさを増す。巨大な魚体となって、猛然と泳ぐ。
高みを目指して突き進む。

目の眩むような光が視界の中で弾ける。
一瞬の静止、どうっと落ちる、垂直に落ちて行く、心臓が捲れ上がる。
瀑布の中、口を開ける滝壷に滑り込む。

夜の海。

海の眼差しが猫のように波間で光る。
ぬらりとした腕が招く、呼ぶ。

夜の海が怖い。
身震いするほど、恐ろしい暗黒の深い穴。
何時もは遠巻きに見ていた海が今は足元で、


星の無い夜。
海に招かれ、捕らえられ、幾重にも絡む沢山の腕に送られ、沖へと進む。
重くなる衣服、重くなる手足、重くなる心。
暗夜に沈む。

静かなプールの中、髪を逆立て、揺らめかし、立ち尽くす。
夜の深い水底は、蒼い夜空のようだ。
頭上から差し込むのは、月明かり、水銀灯。
「空」に逆さまにぶら下がる。
直ぐ脇を、蒼い双頭の鷺が行過ぎる。立ち昇る泡の軌跡。

追いかける、追いかける。

プールは何時の間にか夜の街になる。
星のような街の灯り、点々と微かな星座を作る。
行き交う人々は体の中を通りぬけ、影のような姿はふうわりと、ビルの上に漂う。
見下ろす、足元に広がる、街灯の星辰に震える街。

涙が流れる。






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Last updated  February 22, 2004 09:13:47 PM コメント(10) | コメントを書く


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