《 幸せのひろいかた 》  フェルトアート・カントリー木工 by WOODYPAPA

《 幸せのひろいかた 》  フェルトアート・カントリー木工 by WOODYPAPA

2013年04月12日
XML
カテゴリ: 昭和歌謡40年代

虹色の湖

作詞:横井弘 作曲:小川寛興

幸せが住むという 虹色の湖

幸せにあいたくて 旅に出た私よ

ふるさとの村にある 喜びも忘れて

あてもなく呼びかけた 虹色の湖

さよならが言えなくて うつむいたあの人

ふるさとの星屑も 濡れていたあの夜

それなのにただひとり ふりむきもしないで

あてもなく呼びかけた 虹色の湖

虹色の湖は まぼろしの湖

ふるさとの思い出を かみしめる私よ

帰るには遅すぎて あの人も遠くて

泣きながら呼んでいる まぼろしの湖

昭和42年発表の曲で、画像は翌年公開された『進め!ジャガーズ敵前上陸』のものだから、ほぼ同時期です。

ひとりグループサウンズと呼ばれた、あの頃の特徴満載の一曲です。

改めてみて、中村晃子のルックスの方向性は、現代のグラビアアイドルと遜色ないと思います。

オスカープロモーション所属と言っても通用するのでは。

まるで日本のアイドルのひとつのパターンを、中村晃子が創造して決定付けたかのように、女性たちは中村晃子をめざして今日まで磨いていたのではないでしょうか。

同じ時期に人気を集めた小川とも子の清純性と比べると歴然です。

他に42年の頃ヒットしていた女性歌手には伊東ゆかり、黛ジュン、青江三奈、奥村チヨ、森山良子、佐良直美、そして美空ひばりなどがいますが、みんな昭和の香りをまとっています。

つまり、当時としてはやや進んでいたがため、万人受けのアイドルの道には進めませんでした。

ちょっと不良っぽいあの雰囲気は、気の弱い男子は引いてしまいますから。

作詞の横井弘(1926~)は、デビュー作である代表作が昭和26年の『あざみの歌』、他には『哀愁列車(歌:三橋美智也)』『達者でナ(歌:三橋美智也)』『川は流れる(歌:中曽根美樹)』『下町の太陽(歌:賠償千恵子)』『さよならはダンスのあとに(歌:賠償千恵子)』等、昭和も前中期的な方でした。

歌謡曲の作詞の依頼は、制作側から〇〇な感じでと外郭を決められているのでしょうから、その制限の中でいかにキャッチーなフレーズをひねり出すかがポイントになります。

当時流行していた"グループサウンズ"の詞を参考にしたのだろうということは想像できます。

この年の最大のヒットソングは、ブルーコメッツの『ブルーシャトウ』。

「♪森と 泉に 囲まれて 静かに 眠る ブルーブルー ブルーシャトウ~」

このなんだかよくわからない歌詞のイメージが泉であると見抜き、幻の"泉"が"湖"に進化したのだとわかります。

グループサウンズは、何故か"湖"が好きなようです。

ザ・タイガース『花の首飾り』「♪花咲く娘たちは~湖に浮かぶ白鳥に~」

ザ・テンプターズ『エメラルドの伝説』「♪湖に~きみは身を投げた~」

布施明『霧の摩周湖』・・・これはグループサウンズじゃなかった。

架空の夢物語をロマンチズムと感じる、若年層がターゲットだったからでしょう。

さらに『虹色の湖』は『ブルーシャトウ』に曲調も音質もそっくりで、同時期に売れていたブルーコメッツと美空ひばりの『真っ赤な太陽』ともよく似ています。

ブルーコメッツの曲と言ってもいいほどです。

作曲の小川寛興(1925~)は同じく昭和前中期的な作曲家で、『月光仮面』を筆頭に『七色仮面』『鉄腕アトム』『怪傑ハリマオ』『仮面の忍者赤影』『おはなはん』『ありがとう』等、主にTV主題歌を作曲している方で、こちらもシチュエーションにあわせた作品を創造する名人です。

誰もがくちずさめる覚えやすいメロディーラインと、パンチの効いたサビが印象的です。

さらに編曲の森岡賢一郎が、グループサウンズ風にうまく仕上げて、よく聞くとストリングスやコーラスが巧みに挿入されていて、見事なバランスで曲の完成度を上げています。

中村晃子という原石を、巧みの技の集合が宝石に磨き上げた感が伝わる作品でした。

制作側の作戦がまんまと当たって『虹色の湖』は大ヒットとなったのですが、僕がこの歌に特異性を抱いたのは、詞の内容でした。

それまでの歌謡曲の中心は、高度成長志向を反映して、とてもハッピーなものでした。

この年のヒット曲を並べても、『君だけに愛を(ザ・タイガース)』、『北国の青い空(奥村チヨ)』『この広い野原いっぱい(森山良子)』『恋のフーガ(ザ・ピーナッツ)』『世界はふたりのために(佐良直美)』・・・。

前年は、『若者たち(ザ・ブロード・サイド・フォー)』『星のフラメンコ(西郷輝彦)』『バラが咲いた(マイク真木)』『こまっちゃうナ(山本リンダ)』『君といつまでも(加山雄三)』・・・。

中には『星影のワルツ(千昌夫)』のような悲しい歌もありますが、概ね権利と自由を謳歌するような内容で、新生日本の方向を指し示すような歌が主流となっています。

夢破れた少女の悲哀を歌にするのは、かなり異質なことでした。

昭和と言うと『三丁目の夕日』を思い描き、掘北真希演じる六ちゃんを想像する人もいるかもしれませんが、あれは昭和32年の話で、十年後の42年には集団就職などほとんどなくなっています。

虹色の湖を探して旅立ったのは、東京に憧れた家出娘と考えたほうが良いでしょう。

つまり、昭和30年代から40年代の変化は、生活のため意に反して上京を余儀なくされた時代から、夢・憧れから上京する軽はずみな時代へ移った時だったのです。

31年生まれの僕は、30年代の貧しさの残像を見て幼少期を過ごしましたが、世の中が急に開かれて華やかになっていく様を体現して育ちました。

御三家と呼ばれた、橋幸夫、舟木一夫、西郷輝彦が新時代を熱望する大衆に支持され、加山雄三の登場によってその扉は完全に開かれたのでした。

彼ら自身にも浮き沈みはありましたが、日本自身も紆余曲折を経て、それでも路線変更の兆しはまったくないまま現在に至っています。

それが50年続いて辿りついたのが、現在の行き詰まりなわけです。

あの時すでに、虹色の湖は幻の湖だと喝破していたにもかかわらず、日本は欲にかられてなにも学びませんでした。

「経済成長」の掛け声ひとつで、実体がさっぱりわからないTPPにのめり込み、失敗の結果を見せ付けられたにもかかわらず、原発推進を突き進もうとするのは、いかにも智恵が無さすぎです。

円安誘導で、為替レートが変わっただけで過去最高の利益だなどと喜んでて、本当にいいんですか?

「♪泣きながら呼んでいる 幻の湖~」とならなければいいのですが。






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2015年10月15日 08時14分12秒 コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

×

プロフィール

WoodyPapa

WoodyPapa

サイド自由欄

設定されていません。

カレンダー

キーワードサーチ

▼キーワード検索


© Rakuten Group, Inc.
X

Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: