先日、アガサ・クリスティの『そして誰もいなくなった』がTVドラマ化されました。
ドラマは渡瀬恒彦さんの遺作になったということでも話題となりました。
『そして誰もいなくなった』はミステリー小説ファンなら誰でも知っている名作で、その名を聞いた時、僕の回想回路は熱くほてりました。
(「回想法」は”アンチエイジング”には有効で、特に小中学校時代の思い出は、身体的成長と重なって、記憶と共に運動機能の回復にも役立ちます。)
僕がこれを読んだのは中学時代。
十代の頃の僕は、読書に明け暮れていました。
読書好きになったきっかけとなった本は、コナン・ドイルの”シャーロック・ホームズ”シリーズの『バスカービルの犬』。
小学校5年生のことでした。
授業で何か本を読まなくてはならなくて、図書館である本を何気なくとってみると、閲覧者の欄にS君の名前を見つけました。
S君は転校生で、後に僕に様々な影響を及ぼすことになる、知的な魅力を持った少年でした。
僕は彼と親しくなりたかったので、予備知識もまったくないままその本を読んでみようと思いました。
それが『バスカービルの犬』で、それまで教科書の児童文学?しか知らなかった僕はびっくりしました。
推理小説の魅力に引きずり込まれ、以来ミステリー小説の虜になってしまいます。
(S君は特にミステリーが好きというわけではなく、とにかくあらゆる本を読んでいる子でした。)
小学校の図書館にはミステリーはその本しかなかったので、わずかなおこずかいを投じて、新潮文庫のシャーロックホームズシリーズを全部そろえました。
”シャーロック・ホームズ”シリーズ読破の後、”アルセーヌ・ルパン”シリーズ読破。
続いてエドガー・アラン・ポー、アガサ・クリスティー、エラリー・クィーンと海外ミステリー作家を制覇していきます。
(ちなみに僕のこの後は、松本清張、笹沢佐保(木枯し紋次郎他、名作多数)、角川ブームに乗って横溝正史等々日本の作家に目覚めていきます。)
その過程で『そして誰もいなくなった』にも遭遇していました。
TVドラマの番宣で『そして~』のタイトルを聞いた時、50年近く前の感動が蘇るのでした。
といっても昔のことなので、細かいストーリーはすっかり忘れていて、驚愕の犯人だけが印象に残っていたのです。
そして、ああ犯人は・・・、と記憶の糸にある人物が浮上するのでした。
ところが実際にドラマを見た時、違和感が・・・。
何故か、思ったような展開にならない。
そもそも自分が思い描いていた犯人らしき登場人物もいない。
そこでハタと気が付きました。
僕が思っていたのは違う小説の犯人だったのです。
その犯人はエラリー・クインの『Yの悲劇』の犯人でした。
とにかく当時は乱読していたので、どれがどの話だったかごちゃごちゃになっていました。
本当のミステリーファンならあり得ないほどのどちらも名作でしたが・・・、ああ恥ずかしい。
なんせ半世紀近く前の記憶なのでご勘弁を。
さて、その『Yの悲劇』なのですが、思い出したついでにふと、北朝鮮の問題を読み解くカギになっていることに気が付きぞっとしたのでした。
『Yの悲劇』を読んでいない人にはここから先はNGになります。
すなわちネタバレをしますので、これから読むつもりの方は飛ばしてください。
最近、というか金正恩が独裁者として祭り上げられてから、なにかと不可思議な行動をして世界を驚かせています。
”瀬戸際外交”と呼ばれる、核開発をしつつ周辺諸国を恫喝、危機感を駆け引きの道具にする。
これ自体は先代からの手法なので珍しくないのですが、なにか違う。
本来ならば、核開発を止めるふりをして、引き換えに援助を獲得するはずのものが、なぜかそっちへ行かない。
一向に改めず、したがって援助も得られず、逆に経済制裁で苦しめられる。
にもかかわらずさらに核を強力にして、アメリカに喧嘩を売っているという着地点の見えないチキンレース。
さらに自分を支えていたはずの側近を、次々と粛清。
その中には、恩人ともいえる叔父も含まれている。
これらの一連の動きは、金正恩自身の判断なのか、はたまた裏で糸を引く黒幕がいるのか。
とにかく訳が分からない。
そこで、ハタと気が付いた。
これは『Yの悲劇』だ。
『Yの悲劇』の犯人は、物語の最初に自殺をした人物が書いた小説(自分をいじめた家族に復讐をする話)を読んだ子供が、わけもわからず(頭の足りない子供だったので)その小説の通りに殺人を繰り返すという話だった。
金正恩も父の金正日か祖父の金日成が書いた、小説ではないだろうが空想的預言書を読んで、自分の判断を入れずそれを踏襲しているだけではないか。
そのバカげた行為に気づいた側近が止めさせようとして、逆に粛清されてしまった。
あるいは、予言書自体に側近の裏切りが書かれていて、それを阻止するための手段も支持してあったとか。
金正恩の不可思議な行動は、「悪魔の預言書」に述べられていることであって、彼は書に従ってことを進めているだけ。
北朝鮮が起こした行動で、世界がどう動くかなどいっさい関知せず、ただ預言書に書かれている支持を実行する。
兄の金正男殺害も、もしかしたら敵のクーデター計画を未然に阻止する手段として、その預言書に書いてあったのかもしれない。
金正男がクーデターする気もなく力もないことなど関係なく、予言書に書いてあったから。
ということは、世界中の強力な国々(米中ロ)が説得をしようとしても、『Yの悲劇』の犯人だった知恵の足らない子供のように、金正恩は書かれている預言書をこれからも実行に移すかもしれない。
すなわち、恐るべき事態、アルマゲドンが・・・。
最近、金正恩の本が北朝鮮で出版されたという記事を読み、そこに書かれていることを読めば、これから起こることがわかるとも思ったのですが、どうだろう。
権力を 握った子供が 振り回す 悪魔の力が 悲劇の幕を
善悪の 区別も挫く 悪の預言 歯止めの利かぬ 呪われし者
倒すしか ないのだろうか 悪の首領 ラスボスに向かう ゲームのごとく
出来るなら 何も変わらずに いてほしい カオスは避けよ 不満あれども
博愛を 掲げてみても いざとなれば 他人の不幸は なるべく遠くに
わかったから 君の勝ちだよ あんたが大将 何が欲しいか 言って下さい
穏やかに ことが収まる 時期は過ぎ 最小限の 犠牲を計算
過ちを 繰り返しつつ 歴史となる 生き残った者が 反省をする
原発も 原爆も制御の 度を越えた 人類はもう 破滅の道へ
韓国で 試合があるんだ アントラーズ お願いこの日は 狙わないで
ちなみに、『Yの悲劇』では、真相を知った探偵が、犯人である子供を自殺に導いて始末してしまいました(少し記憶があいまいなので、間違っているかもしれないのでご注意)。
金正恩もそうなるのか、どうだろうか。
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