君へのメッセージ

３０年ぶりの再会、初々しい彼女は校長になっていた。

​年に一度の小学校６年生の茶会。いつも学年末に予定されるのだが、今年は教科書に室町時代の文化の学習があったばかりの７月にやりたいとのこと。暑い盛りに着物を着るのはどうも、とのためらいも予想外の露寒に助けられ、身支度もばっちり。ただし私をのぞいての話。点前は若いものに任せ、もっぱら水や仕事、茶わんの暖めと洗い専門。一クラスが終えて次のクラスを待つ間に、美しい女性が水屋に顔を出した。私と目があった瞬間、あっと言ったきり声が続かない。私もしばし立ちすくむ。美しい笑顔が懐かしい過ぎた日の思いに繋がっていく。かつての初々しい同僚が、この学校の校長になって現れた。もう少しで還暦です、とおっしゃる。私８１歳です。と爆笑。​