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今夜(2012年1月9日)から宮部みゆきの小説『ステップファザー・ステップ』を原作とする連続テレビドラマ「ステップファザー・ステップ」がTBS系で始まりました。主人公の怪盗キングは上川隆也が演じ、ひょんなことから宗野直・哲(渋谷龍生・樹生)の双子の小学4年生のステップファザー(まま父、継父)をやらされることになるというコメディタッチのホームドラマ風ミステリー作品です。
主人公が双子の兄弟のステップファザーになった経緯については、拙サイト 「私の宮部みゆき論」
長い話なのでかいつまんで説明すると、俺はこの直と哲という一卵性双生児の擬似親父(ステップファザー)という立場にあるわけなのだが、それは好んでしたことではなく、要するにこの油断のならないお子さんたちに弱みを握られていまして、しょうがないから渋々生活費を渡してやり、彼らが親父の存在を必要とするときは出かけていって並んで笑っているというだけのことで、そういう弱い立場に置かれているものだから、夢にうなされたりしているわけなのである。で、このお子さんたちがなぜ擬似親父を必要としているかと言えば、それは、本当の両親がてんでに家出していなくなってしまっているからで、いなくなった両親はどこかでそれぞれ元気に暮らしているらしいのだけれど、反省して帰ってくるという様子は今のところまったくなく、現世の不倫な関係を清算するべく(彼らはそれぞれ愛人と駈け落ちしているのだ)どこかで心中して子供に詫びるという根性もないようで、今のところはまだ死体も発見されていない。ところが残されたこの双子さんたちは誰にもちょっかいをかけられずに兄弟二人で暮らしたいと思っているようで、したがって、生活費を稼いでくれて必要なときだけいてくれる親父が欲しいなあと思っていたわけで、そこに飛んで火に人る夏の虫のように俺が彼らの隣家の屋根から落ちたりしたものだから、彼らは俺を拾ってうちに持ち帰り、ねちねち看病して生かしてくれた挙げ句に前述のようなヒレッな取引を申し出てきたと、こういうわけである。わからない人は前の話を続んでください。毎度説明するのは面倒でしょうかない。
第1話は、怪盗キングが雇い主で弁護士の柳瀬豪造(伊東四朗)の依頼を受け、インチキなダイエット食品で大儲けをした井口雅子の家からダイヤモンドを盗もうと高台から偵察しているとき、誤って足を滑らせ、双子の兄弟の住む家に落ち込んで気を失ってしまうところから始まります。今夜のドラマはこのこの井口雅子の家ですでに起こっていた犯罪事件と、さらに双子の兄弟の通う小学校での校長先生(萬田久子)のカバンが盗まれて双子の兄弟が疑われる事件とが連続して引き起こります。
テレビドラマでは、原作の双子の中学生という設定を小学4年生に変更し、11才の双子の子役の渋谷龍生・樹生が演じ、担任の熱血女性教師の灘尾礼子役を小西真奈美が、「怪盗キング」を追う刑事・脇坂信之助役を渡辺いっけいが演じています。原作はユーモラスで軽快なタッチがとても楽しい連作短編なのですが、テレビドラマでは俳優陣のチームワークはまだまだこれからといった感じで、いささかドラマの涙と笑いに作為性が感じられます。なお、この連続ドラマは去年の12月に最終回を迎えた長寿ドラマ「水戸黄門」同様にご都合主義のハッピーエンドドラマに仕上がっており、さすが「水戸黄門」の後枠番組だなと変なところに感心させられました。
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