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2012年01月23日
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カテゴリ: 宮部みゆき作品
今夜(1月23日)のテレビドラマ「ステップファザー・ステップ」(TBS系)第3話は、「俺」(上川隆也)が宗野家の双子の兄弟の直(渋谷龍生)、哲(渋谷樹生)と一緒に買い物に出掛けた隙に宗野家が空き巣に荒らされます。しかし、通帳などは無事で特に大切なものは盗まれたようではありません。「俺」は兄弟に空き巣のことを誰にもしゃべるなとな言いつけます。しかし、実際には双子の母親のネックレスが盗まれていました。そのことを兄弟はなぜか「俺」に隠し、兄弟だけで犯人捜しを開始します。

 そんな犯人探しの最中に直が怪我をしてしまい病院に入院します。直が怪我をしたことを知った灘尾礼子先生(小西真奈美)は病院に駆けつけ、兄弟から彼らの母親のネックレスが盗まれたことを知り、「俺」に空き巣の事実を隠していたことをなじります。その結果、「俺」は宗野家で兄弟の母親のネックレスが盗まれたこと、また兄弟たちがそのネックレスを探しているらしいことを知り、ネックレスを盗んだ犯人捜しを開始します。犯人を突き止め、その人物からネックレスを取り返した「俺」は、双子の兄弟にそのネックレスを渡そうとしますが、双子たちは意外なことに全く喜ばず、「パパに泥棒なんかしてほしくない」と言います。実は兄弟が空き巣から取り返したかったものは別のものだったのです。

 ところで、灘尾礼子先生の宗野家の双子の兄弟への過剰な干渉は前回以上にエスカレートし、兄弟の家を訪れて手料理を作ったり、兄弟の母親探しをすると宣言したり、さらに彼らの父親(「俺」のことですね)に不審を感じて勤務先の新聞社を訪れ、「俺」が本当の兄弟の父親でないことをついに知ります。

 私の妻など、この灘尾礼子先生の宗野家の兄弟への過干渉ぶりにかなり反発を感じたようで、「他の保護者たちが問題にするんじゃない」とつぶやいていましたが、私も同じように感じました。おそらく、灘尾礼子先生は何かの理由で先生の実の子どもと別れさせられ、その実の子どもへの満たされない愛情を宗野家の兄弟に代わりに注いでいるのだと思われますが、それでもあまりドラマとして説得的ではなく、視聴者の共感を得られていないように思いました。

 さらに、私はこれまで計3回に渡ってこの連続テレビドラマを視聴して来ましたが、このドラマの致命的ともいえる問題点を確認させられました。それは、双子の兄弟が愛おしい存在と感じられないということです。両親がそれぞれ愛人と一緒に家出してしまい、彼らは遺棄児童になってしまったという設定です。そのような設定だけでも視聴者の同情と共感が得られるはずなんですが、どうもそのような感情が湧いて来ないのです。なぜなんでしょうか。

 第1話では、双子の兄弟は学校で盗まれた校長先生のカバンを隠し持っていることを「俺」に告げず、彼がそのことを知っても事実を正直に語りません。第2話では、湖で発見された白骨死体のことを双子の兄弟は失踪した両親ではないかと不安になり気にしているのに、「俺」が白骨死体の身元捜査を開始すると「余計なことはしないでくれ」と強く言い張り、ついには柳瀬の弁護士事務所を訪れて「ステップファザー契約」の解約してしまいます。今回の第3話でも空き巣にネックレスを盗まれたことを「俺」に隠し、彼らだけで泥棒探しを始めますし、また彼らが泥棒から本当は何を取り返したかったかも「俺」にずっと隠していました。双子の兄弟は一貫して「俺」に素直に事実を話さず、彼の協力を求めようとはしないのです。

 これでは、主人公の「俺」は双子の兄弟たちが遺棄児童であることを周囲の人々から隠すだけの偽装パパの役割を無理やり彼らから押し付けられた存在でしかなく、「俺」に彼ら双子の兄弟に対する愛情が自然と湧いて来るはずがありません。視点人物的存在である「俺」がそうなんですから、視聴者の双子の兄弟に対する思いもまた当然それに連動し、双子の兄弟に対する同情と共感が深まって行くはずがありません。

 次回は、遺棄児童の双子の兄弟に加えて捨て犬も登場し、子どもと動物というドラマとしては最強の組み合わせになるようですが、これで離れかかっている視聴者をぐいっと取り戻せるのでしょうか、いささか心配です。





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最終更新日  2012年01月25日 20時03分05秒
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