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2012年03月05日
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カテゴリ: 宮部みゆき作品
今夜(3月5日)の「ステップファザー・ステップ」第9話のタイトルは「嘘の手紙と偽の壷…波乱最終章」でした。この連続テレビドラマは今月3月19日でいよいよ終わりになるようですね。また今回のタイトルにある「偽の壺」とは、贋作名人で「画聖=ピカソ」(平泉成が演じています)と称される人物が作ったニセモノの壺のことで、それを巡っての騒動が今回のドラマのメインでした。

 なお、 宮部みゆきの原作『ステップファザー・ステップ』では、その第2話「トラブル・トラベラー」に初めて通称「画聖」と呼ばれる人物が登場します。彼の外見は「長身痩躯、顎の辺りまで届く長髪。これでもう少し身なりがよければ、美術評論家を詐称しても通りそうな知的な雰囲気の持ち主」なんですが、この人物の本当の「専門」は置き引きです。しかし、模写に関して卓越した技量を持っていることから「画聖」とあだ名されており、趣味が千円札や一万円札を本物そっくりに模写することで、置き引きでブツをいただく代わりに自分が描いた「作品」イコール偽札を残して自己顕示欲を満足させているような人物です。原作で最初に登場した第2話では趣味の偽札作りだけでなく名画の贋作でも金儲けをしていますが、さらに原作の最終話の第7話「ミルキー・ウエイ」にも登場して来て、宗野家の双子の兄弟が誘拐されたとき、「俺」の依頼を受けて身代金として渡す見せ金と犯人を驚かせる張りぼての生首を作って兄弟救出のために重要な役割を演じています。

 さて今回のテレビドラマ「ステップファザー・ステップ」第9話では、怪盗キングの「俺」(上川隆也)が盗んだ名品の壺を弁護士の柳瀬の親父(伊東四朗)が資産家の佐伯(大鷹明良)という資産家に売りますが、佐伯から「金の用意が出来ない」と返品されます。それで柳瀬はその壺を別の暴力団風の人物に売ったのですが、壺を購入した男はそれを鑑定に出し、それが贋作だと判明したと怒り出し、柳瀬の親父に本物を持ってこないと命はないぞと脅かします。

 柳瀬の親父は、「俺」が双子の兄弟(渋谷龍生、樹生)たちと「ステップファザー契約」を結んで「不法行為は一切禁止」ということになっているので、怪盗キングのニセモノとして郷田和男(マギー)を雇って佐伯の家から本物の壺を取り返そうとします。しかし佐伯の家に盗みに入ったニセ怪盗キングの郷田は厳重なセキュリティー対策が施されていたため、けたたましく鳴り響く防犯ベルに驚いて何も盗まずに逃げ出します。ただ柳瀬の親父が郷田に渡したトランプのキングのカードだけを残したので、新聞等は「怪盗キングが初めて盗みに失敗 防犯ベルに慌てて逃げ出す」と大々的に報じます。

「俺」はニセ怪盗キングの無様な失敗にプライドを傷つけられ、ニセ怪盗キングの正体を暴こうと行動を開始し、柳瀬の親父が郷田を怪盗キングのニセモノとして雇っていることを知りますが、そのことを柳瀬の親父に問い詰めると、もう「俺」のように「稼ぎのない泥棒など、置いておく必要はない」と言い出し、法律事務所から追い出そうとします。

 柳瀬の親父の心ない言葉を真に受けてすっかり落ち込んだ「俺」ですが、数日後に再び柳瀬の事務所を訪れたとき、柳瀬の姿は見えず、段ボールの箱の中に隠れていたニセキングを見付けます。郷田は、柳瀬が暴力団風の男たちに連れ去られたこと、この柳瀬誘拐には資産家の佐伯の家にある壺が絡んでいるらしいことを「俺」に伝えます。そして彼らから明日の7時までに壺を持って来ないと柳瀬の命はないとの電話が入ります。柳瀬は「俺」にとっては「18才のときに拾って育ててくれた大切な恩人」です。それで「俺」は双子の兄弟たちに柳瀬救出のために自分が泥棒に戻ることを伝えます。そのとき、双子の兄弟たちは「泥棒してもいいからまた戻って来て」「待ってるからね」と「俺」に懇願しています。

 壺の贋作には「画聖=ピカソ」が関連しているのではないかと「俺」は推測し、彼から壺の贋作の経緯を訊き出します。それによると、柳瀬から本物の壺を預かった佐伯が「ピカソ」に頼んで贋作の壺を作り、その贋作を柳瀬に「金が用意できなかった」との理由で「返却」していたのです。それで「俺」は「ピカソ」にもう一つ壺の贋作を依頼し、佐伯の家にある本物の壺を盗み出して柳瀬を救出するための作戦を開始します。すなわち、双子の兄弟の約束を守って、彼自身は佐伯の家に泥棒に入らず、家の外から盗みに入った偽キングの郷田を巧みに指示して本物の壺を盗み出させ、代わりにそこに「ピカソ」が作った贋作を置かせます。偽キングの郷田を使って盗み出させた「本物」の壺は元の持ち主に返そうと思ったからです。そして「俺」は「ピカソ」が作ったもう一つの贋作の壺を暴力団風の男たちに渡して柳瀬を解放することに成功します。

 今回の贋作騒動は、どうも「ピカソ」が裏で仕組んで大儲けをしたようで、彼の見事な手口にみんな振り回されたようですね。佐伯が「ピカソ」に頼んで作ってもらった贋作の壺を「ピカソ」自身が鑑定家を装ってニセモノと判定したことから暴力団風の男たちによる柳瀬の誘拐事件が起こり、新たな贋作の依頼が持ち込まれたのですからね。

ところで、今回のタイトルには「偽の壺」以外にもう一つ「嘘の手紙」という言葉が入っていましたね。宗野家の双子の兄弟たちが礼子先生の子どもの「コウタ」くんからの嘘の手紙を書き、後で礼子先生に子どもに会えたかと質問したとき、礼子先生は会ってもいないのに「会えたよ。とても嬉しかった」と嘘をつきます。そして双子の兄弟たちの手紙がバレて彼らが「俺」に激しく叱られたとき、「いいじゃないか。先生も喜んでくれたし。それに会えたし」なんて反論します。それに対して俺」は、「会えなかったのだ!! 人の心を弄(もてあそ)んで、最低のことをしたんだぞ!!!」と激しく叱っています。このとき私も「俺」の言葉に大きくうなずきましたよ。双子の兄弟たちには礼子先生の子どもの状況なんか何も分からない癖に「会いたいに決まっている」と勝手に判断して嘘の手紙をかく無神経さにただただ怒りを覚えるだけでした。しかし、礼子先生は「その手紙が嘘だと分かっていました。でも優しい嘘ってあると思うんです。思いやりのこもった嘘って」と「俺」に言い、子どもたちを叱ることを止めさせています。






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最終更新日  2012年03月21日 19時44分31秒
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