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柴田よしき角川文庫☆☆☆☆☆(こっち的には…) ミッシングリンク物のミステリとしても面白い。ただ、人物間の繋がりの濃密さがちょ~っとメロドラマチックで、男性同士の同性愛を女性嗜好で扱っているので、好みが別れるところではあると思う。 単純にミステリだけで楽しみたいのであれば、下巻収録の短編はいらないかな? 上巻の短編は作者の但し書きがあるとおりで、あっても良いと思うが。観察力にも直観力(?)に優れているのに、犯人の自白に頼らない証拠固めの刑事(実際の階級は警部)の麻生が好き。この人は後には実際に探偵になってしまうのだが、観察力も凄く、ミステリに不可欠の探偵役として、私にはかなり好みの部類に入る。 個人的にはこういう小説大好きなのだが、登場人物の繋がりが濃すぎてちょっと正統派からはハズレ気味かな?
December 30, 2006
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今回は、かなりネタバレあります。該当部分の文字色は背景色にするつもりですが、未読で読んでみたいと思っている方はご注意ください。横山秀夫講談社文庫☆☆☆☆☆ ハマっている役者さんが出演しているのでDVDを借り、原作も職場近くの図書館で借りた。DVDを観る前に原作を読んだ。 アルツハイマーで苦しむ妻を殺した警官の物語だが、その警官を最初に取り調べた1課の「落とし」の名手、切れ者の検事の二人が実にツボだと思いながら読んでいた。そして、更に、ハマっている役者さん(裁判官役)の目を通して語られる検事の描写がもっとイイ♪。そして、検事の目を通して語られる落としの名手も♪。 が、事件に関わる警官、検事、事件記者、弁護士、判事、刑務官の視点で物語は進行する。しかし、被告人が妻を殺してから、二日間の行動について、本人は決して語ろうとしないが、どうも、歌舞伎町に行ったらしいと分かる。場所柄が場所柄だけに、それを隠蔽しようとして、警察と検察で裏工作が行われる。が、被告人と会った検事もまた、警察の隠蔽に実質的には加担する形に…。そして、判事も不審に思いつつも結局、被告人の意志の通りに判決を下す…。被告人が何かを隠していると感じながらも、その無私の態度に周囲の人間達も彼の意志のままになっていく。そして、その被告人はある団体からの連絡を待っている。が、それが何かも分からない。結局、1課の落としの名手がその二日間の謎を解くのだが、ここからが本当によかった。ベストセラーになっただけのことはあると思う。被告人の警官が最後まで言わなかった理由も十分納得できるし、読者に対しても正解に辿り着ける様、かすかなヒントは提示されている。 が、もう一つ。最後に重要な役で若い男性が出てくるのだが、15年前に製作されてたら、判事役の役者さんがやったに違いない。さすがに今はもう…(^_^;)だけど。 登場人物では上に書いたように最初の取調べ官と検事が好み。映画では誰がやってるんだろう?被告人役がルビーの指輪の人らしいのは分かるんだが。それから若い男性の役も誰だろう?
December 26, 2006
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三津田信三講談社ノベルス☆☆☆☆☆ やっぱり島と神社の見取り図が欲しい…。瀬戸内の絶海の孤島の神社の秘儀を怪奇譚収集家の怪奇小説家刀城言耶が取材に訪れ、そこで怪異な事件に…という「厭魅の如き憑くもの」のシリーズ。何となくこちらの方が続編っぽいが。 この作品、やっぱりちょっとトリックに無理というか、現実味が今ひとつ感じない。あんまり怖くないし。この設定なら、「そして誰もいなくなった」的な恐怖があってもいいのだが。まあ、この無理のあるトリックも、ミステリのトリックとして考えれば???だが、まあ、まだ百歩譲って神社の秘儀としてではまだ…許せるものはあるかなぁ…。にしても壮絶だが、個人的にはまだ嫌悪感を抱きはしなかった。 以下、結末に関わり、尚且つ少々憚りのある内容部分の文字色と背景色を同じにしています。 まあ、あとは…。本日最終回だった某連続ドラマの二週間前の放映(第九話)を観ていて、うっかり以下の脳内(妄想)キャスティングで楽しめたせいだと思う。結末を考えるとちょっと自画自賛である(アホ…)。つまり孤島の名医とそこを訪れた見てくれは若くてキレイなDV夫だ。 刀城言耶~吉岡秀隆 鵺敷正声~忍成修吾 このキャストで楽しめたのだった。
December 21, 2006
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野沢尚扶桑社 四六上製☆☆☆☆☆ 1994年に本木雅弘主演で公開された映画(だったっけ?)のノベライズ。 しかし、著者(映画では脚本を手がけた)の手腕だろう。見事な青春小説になっていると思う。それに、結末が分からなくなっているのも非常に上手い。実は、共演者目当てでノベライズに写真が載ってないかと期待して職場近くの図書館で借りたのだが写真は一点もナシ。が、一読し始めたら、一気に読んでしまった。 九州でインディーズとして活躍してきたバンドが上京して、そしてその中で才能を見出されたのは、そのバンドのリーダーではなく…。かなりありきたりの設定だと思うが、著者の腕で見事に読まされてしまう。特に、語り手となっている主人公の相手役の女性の設定が上手い。語り手となっている時は30代半ば。が、語っているのはその10年以上前のできごと。彼女のワープロのキーボードを通して語られるのは上記のバンド、特にリーダーとギタリスト(これもありがち)。この二人の音楽の才能を巡る嫉妬と愛憎が面白いが、どうもギタリスト役の俳優さん目当てで読んだとはいえ、彼の優駿での薄幸の少年役がそのままこのギタリストとも重なってしまった(苦笑)。 そうそう、作中函館にあるというトラピスト男子修道院が出てくるが、函館にあるのは女子修道院。実際のトラピスト男子修道院は函館から少し電車でいったところにある。偶然だが、私はそのトラピスト修道院にも行ったことがある。女性禁制なので門前までだが。そういえば、ちょうどこの作品に設定されてる時代かもしれない。個人的に非常にタイムリーな年齢でこの本を読んだと思う。にしても、ありきたりで陳腐になりがちな設定の話をよくここまで読まされる青春小説に仕立てたと思う。映画も観てみたいが、自宅ではもうビデオは見れないし、DVDにはなっていないそうだ。せめて、作中歌でもDLしようかなぁ…。
December 4, 2006
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