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坂木司創元推理文庫☆☆☆☆☆◎ 短編集。夏の終りの三重奏、秋の足音、冬の贈りもの、春の子供、初夏にひよこ、の6編。 これはかなり大ヒット♪ ひきこもりのプログラマー鳥井真一と、外資系保険会社に勤める坂木司が日常的な謎を解いていく…というシリーズ。単行本の文庫化で、これがシリーズ第一作目。のこり二作はまだ文庫本になっていない。 謎の設定も割りと面白い。私は割合、凝った殺人事件なんぞの方が好きなのだが、この作品は楽しめた。でも、それはきっと、キャラ設定につられたところがかなり大きそうだ。この作品、女っ気があまりないのだ。主人公の鳥井と坂木のホームズとワトソンの関係もいい。鳥井は引きこもりというが、必要最低限の外出は出来る。が、情緒的にかなり坂木に依存している面があり、彼にシンクロして泣いたりする。また、時折、発作的に神経症的な症状が起きたりしている。 別な感想も沢山湧いているのだが、やはり、最初、謎で拘わり、その後の作品に時折顔を出すようになる登場人物も皆、魅力的。確か、某ネット書店のオススメで見かけたような気がするのだが、その時は「ひきこもり」の文字であまり興味を覚えず、文庫の新刊が山積みされていて、書店で直接内容を確認して、速攻購入したのだった。 そういえば…。この著者、女性かなぁ???
February 26, 2006
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消えたオーケストラ宇神幸男 講談社 四六上製☆☆☆☆☆◎*一部、ネタバレしているところの文字色を地色と同じにしています。この作品を読んでみようと思っている方は、誤って反転させてしまわないよう、ご注意くださいませ。 前作「神宿る手」より格段に面白かった!! さまざまな設定や仕掛けが目を見張るように凝っていて、読み応えあり!。先にこちらを読んで、後から「神宿る手」を読まなくてよかったよ。。。 タイトルの通り10型(ファーストヴァイオリン10人)2管編成のオケが忽然と本番中(中プロまでやって)姿を消すのだ。中プロはしかもハイドン「決別」。演奏される機会の少ない曲とのことだが、幸か不幸か、私は某マニアな指揮者ナシの亜麻桶(偶に某巨大匿名掲示板で自演っぽいカキコあり)の演奏で聞いたことがある。どんな曲だったか覚えてないが、演出ははっきり覚えている。その時は今は神戸にいる大学時代、専門と桶が一緒だった友人が最後から二人目でばよりんを弾いていたっけな。 そこに美粧堂とステラ(これがどこのメーカーか今ひとつよ~ワカラン)、ハヤマとイカワという二つの異業種メーカーの競争が絡まり、さらに前作で島村夕子にいいように利用されたレコード会社の男が出てきたり、何の脈絡もなく成田離婚しそうな新婚カップルが出てきたりする。この著者、相当音楽業界に詳しいので、ハヤマとイカワの描写に笑ってしまった。また、誘拐されるオケのびよらの首席が頭師って…名前にしたかったのを分かるように言い換えただろ、と思わず苦笑。ま、この著者は前作からそれを狙いまくっているけれど。 今回は前回主人公の蓮見さやか(男性キャラだ)はあまり出番ナシ。代わりに彼の妹で研究者の典子と検事の並木刑部といういかにも検事らしい名前のキャラが新登場。でも、やっぱり島村夕子のキャラクターは今となってはやっぱり時代遅れだなぁ…。 が、この作品で4部作の2作目。更なる謎も提示されて、ちょっと先の作品も探してみよう。 そして、余談だが、この著者もコントラバス団員の入りがチガウ。大抵の場合、こんばすは舞台におきっぱ(ヘタすりゃ弓も)。団員入場の時に抱えてはいることは殆どないといえよう。この作品では二人となっていた。一人ならともかく、二人だったら、余程のことがないと入りでは楽器を置いておくと思う。ただ、出る時は曲のコンセプトに合わせて楽器を持って出てもいいと思うが。また、例によって例のごとくコントラバスのハードケースが出てくるがそれも例のブツ入れて都内から横浜くらいでハードケースは多分使わんぞ。ここも突っ込み。もっとも、この作品の場合、使わないとストーリーが成り立たないので、仕方なく目を瞑ったのかも知れないが。ばすひき的にはココはもちっと工夫が欲しかったかもなあ(苦笑)ああ、それにしても、この作品女性キャラがいなかったらもっと(以下は別掲)。
February 20, 2006
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宇神幸男講談社 四六上製☆☆☆☆○ ここまで濃ゆいクラシック小説にやっと巡りあえたかも…。でも、いかにもな「クラヲタ臭」が馥郁とはしてくる(苦笑)。もう少しエンタテイメント性の高い内容の方がいいって。クラヲタの私だってそう思う。 幻のピアニストの復活公演に賭けて、その日本人女性の愛弟子と彼女はピアニストの娘で生物学上の父親は日本有数の財閥で…とまあ、いかにも~な設定。 どちらかというと、そこに日本有数のプロオーケストラの内部事情なんぞも絡んで、推理して事件の犯人を当てるという内容ではなく、謎のピアニストと彼を招聘する日本人女性島村夕子がどう演奏会を成功させるかという心理劇といえよう。 また解説者や作中人物にもクラシックへの造詣が有名なミステリ作家や有名クラシック評論家などが顔を出していて、ああ、あれだ~と分かるようにもなっている。 ストーリーはともかく、島村夕子がどーもキャラクターとしての魅力に欠ける。男だったらまだ良かったのに。文章を書く時に難しい漢語を使うにしても使う場所の選び方にムリがあるし、大体、毅然とした気の強い女性として書かれながら、男性登場人物のご都合主義でなよなよした女になるのも、もう松本●張の女性登場人物(私は彼のそういうキャラ設定に偏見がある)みたいで時代遅れだってば。って、初版が1990年だから、初版発行当時はビミョ~なところだったのだろうが、もう15年経ってるからねぇ…。 が、作中にちりばめられた衒学的なクラシックの知識や設定は十分楽しませてもらった。特に調性を元にしたプログラミングなんて面白い♪。ミステリにするにしても、もっと隠微な雰囲気が出ていればもっと楽しめたかなぁ…。私見だが、マニアックなネタを取り入れるときは、作品の舞台も隠微にした方が良いと思うのだが…。そこが少し甘かったかも。
February 17, 2006
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紀和鏡集英社 四六上製 ☆☆☆☆◎ 大学時代以後、かなり久しぶりにこの人の新刊を読んだ。 保元の乱から奥州藤原氏滅亡(言及のみなら承久の乱まで)を熊野に生まれた女性を主人公に書いた大河ドラマ。本文二段組620ページ。主人公の鶴(たづ)は、源為義の娘で熊野別当の血に連なり、更に土着の巫女の血統も入っているとてもややこしい血統の女性。八百比丘尼(作中では白比丘尼とかになっていたが)のイメージが強く、いつまでも若いまま、そして保元の乱の少し前から承久の乱までを生きた、と言わんばかりの描写なので、そのままの年齢なら、100歳を超えて生きたことになる。 まあ、固い事はヌキで源為朝・義朝・頼朝・義経、平清盛・重盛、後白河法皇、鳥羽天皇、崇徳上皇、藤原秀衝、弁慶、北条政子、、と本当にオールスターキャストで楽しめた。 また、弁慶は鶴が神隠しに遭って産んだ子、という設定になっていて、いつまでも童女の姿のままで半陰陽の神無月という双子の兄弟がいる、という設定になっている。やっぱり弁慶と義経の結びつきの描写はツボだった♪ この作品に出てくる熊野三山(那智・新宮・本宮)、紀伊田辺(特急の待ち時間にちょっと散策したが、そういえば弁慶の銅像があったっけ)、平泉、平等院、などは全部行った事があるので、そういう意味でも楽しめた。また、最近よくみる、歴史の独自解釈もあり本当に盛りだくさん。 ただ、欲を言えば、もちっと短くできる話とも思わないでもない(苦笑)。また、学生時代読んだ作品はデビュー作の「Aの霊異記」はともかく、何作かは展開が似通っていてつまらなかったのだが、この作品では余り感じなかった。ぢつは図書館で借りた本。 著者が熊野に寄せる思い入れが伝わる作品。だからこのタイトルなんだろうが、もう一ひねりあった方がよかったろうに。私もこの地域はとても好きなので構わないが。
February 16, 2006
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高田崇史講談社ノベルス☆☆☆☆☆ この本を持って鎌倉に行ったら、因縁話だらけで私好みで楽しい旅行になりそうだ…と思ってしまった(苦笑)。観光知識もナシに行ったことがあるだけなので、いつか実行しよう。ってことは、この本、暫く処分できないか…。 源氏三代に対する感想と鎌倉という土地柄に関する感想がこの本の解釈を読んで随分変わった。登場人物たちは4人揃って相変わらずで、どうも姉妹二人の描写が私はあまり気に入らない。でも、こういう歴史解釈ミステリはどーしてもやめられないくらい好きなのだ。次回は岡山と丁寧に本文中で予告してくれているし、きっと次回作も遠からず読むことだろう。 それにしても、傀儡にされた挙句、子孫ともども暗殺されても怨霊にすらなれなかった源頼朝という書き方を著者はされていたが、よく考えてみたら、怨霊になったのは皆、貴族・皇族ばかりだ。いくら源氏の出とはいえ、武士階級だから、と怨霊になる「人間」扱いはされていなかったのだろうか…{{{>_
February 1, 2006
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